トップ :: G 物理学 :: G01 測定;試験




【発明の名称】 積算装置
【発明者】 【氏名】高橋 一夫

【要約】 【課題】表示桁数を増やすことなく、オーバーフロー後においても実際の積算値を把握する。

【解決手段】走行距離の積算値がLCD3の表示桁数で表示可能な最大値(今の場合、999999)より大きいときにおいて、第1の積算モードが選択されている場合には、積算値としてその最大値(=999999)がLCD3に表示され、第2の積算モードが選択されている場合には、計算された積算値のうちの下位6桁分だけの値が、積算値としてLCD3に表示されるとともに、LCD3のODOセグメント41が点滅する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車両の走行距離に比例して発生されるパルス信号をカウントし、前記走行距離の積算値を演算する演算手段と、前記積算値の積算モードに対応する状態値を保持する保持手段と、前記状態値に応じて、前記積算値が、所定の表示桁数で表示可能な最大値を超えたときに、その最大値を表示積算値に設定する第1の積算モードと、前記積算値の表示積算値をゼロから継続積算する第2の積算モードのうちのいずれかを選択する選択手段と、前記選択手段により選択された積算モードに応じて前記表示積算値を設定する設定手段と、前記表示桁数の表示部を有し、その表示部に前記表示積算値を表示する表示手段と、前記第2の積算モードにおいて、前記積算値が前記最大値を超えたときに発光状態を変更する発光手段とを備えた積算装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は車両の走行距離を積算する積算装置に関し、特に、積算値が最大表示桁数を超える値になったときに、その最大表示桁数により表示される最大値を積算値として継続して表示するか、積算値をリセットして最小桁数から表示するかを選択可能にする積算装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車などの車両には、通常、車両の走行距離を積算するために積算装置であるオドメータが搭載されている。各種の車両には、車軸の回転に対応してパルス信号を発生するセンサが設けられており、オドメータは、そのパルス信号をカウントして、走行距離を累積加算、すなわち積算していき、その積算値を、液晶や蛍光管を使用した表示器に表示させている。そのような表示器は、予め設定された桁数の数値を表示するようになされている。
【0003】次に動作について説明する。図4のフローチャートに従って、上述のオドメータの動作について説明する。
【0004】まず、ステップST21において、所定の距離(例えば1,000メートル)分だけパルス信号をカウントすると、積算値がその所定の距離の値だけ積算される。
【0005】次に、ステップST22において、その積算値の表示がオーバーフローしているか否かが判定される。すなわち、その積算値が、表示器の表示桁数で表示可能な最大値より大きいか否かが判定される。例えば、表示桁数が6桁である場合、表示可能な最大値は、999999である。
【0006】ここで、積算値の表示がオーバーフローしていると判定された場合、ステップST23に進み、積算値が表示器の表示桁数で表示可能な最大値(例えば999999)に固定される。一方、積算値の表示がオーバーフローしていないと判定された場合、ここでは特に何も行わない。
【0007】次に、ステップST24において、積算値が表示器に表示される。このとき、ステップST23で積算値が固定されていると、表示器には、表示可能な最大値が表示される。
【0008】以上のように、従来のオドメータでは、積算値の表示がオーバーフローした場合、積算値が、表示器に表示可能な最大値に固定される。このように構成されているので、積算値を故意にオーバーフローさせて積算値を不正操作することを抑制することができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来の積算装置は以上のように構成されているので、例えばトラックやタクシーのように長い距離を走行する車両の場合、積算値がオーバーフローしてしまう可能性があり、その場合、実際の走行距離の積算値を把握することが困難であるという課題があった。
【0010】なお、そのようなトラックやタクシーのために、積算値の表示桁数を増やすことが考えられるが、そのように全体の割合から見ると生産数量の少ない車両のために表示桁数を増やすと、コストが増大してしまう。
【0011】この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、車両の走行距離の積算値を計測するとともに、積算値が表示可能な最大値より大きくなったときに、表示積算値を最大値に固定する第1の積算モード、および、表示積算値をゼロから継続積算する第2の積算モードのうちのいずれかを選択することができ、第2の積算モードにおいては、積算値がゼロにリセットされたときに所定の発光部の発光状態を変更するようにして、表示桁数を増やすことなく、オーバーフロー後においても実際の積算値を把握することができる積算装置を得ることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明に係る積算装置は、車両の走行距離に比例して発生されるパルス信号をカウントし、走行距離の積算値を演算する演算手段と、積算値の積算モードに対応する状態値を保持する保持手段と、その状態値に応じて、積算値が、所定の表示桁数で表示可能な最大値を超えたときに、その最大値を表示積算値に設定する第1の積算モードと、積算値の表示積算値をゼロから継続積算する第2の積算モードのうちのいずれかを選択する選択手段と、選択手段により選択された積算モードに応じて表示積算値を設定する設定手段と、前記表示桁数の表示部を有し、その表示部に表示積算値を表示する表示手段と、第2の積算モードにおいて、積算値が前記最大値を超えたときに発光状態を変更する発光手段とを備えたものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の一形態を説明する。
実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1であるオドメータの構成を示すブロック図である。図において、1は後述の分周回路11、演算処理回路12およびLCDドライバ13を有する制御用IC(Integrated Circuit)である。11は図示せぬセンサより車両の車軸に連動して所定の走行距離毎に供給されるパルス信号を所定の比率で分周する分周回路であり、12は走行距離の積算値を演算し、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory )(保持手段)2に予め保持されている状態値に応じてLCDドライバ13に制御信号を出力する演算処理回路である。
【0014】演算処理回路12において、21はEEPROM2に記憶されている状態値に応じて第1または第2の積算モードを設定し、その設定に対応する制御信号をオドデータ処理部(演算手段,設定手段)22に出力する判断部(選択手段)であり、22は分周回路11より供給される分周されたパルス信号が供給されると積算値を1だけ増加させて積算値を算出するオドデータ処理部である。オドデータ処理部22は、図示せぬ不揮発性メモリに記憶されている、その時点までの積算値を読み出し、分周回路11からの信号に対応してその積算値を増加させていき、算出された積算値で、記憶されている積算値を更新する。
【0015】さらに、オドデータ処理部22は、積算値がLCD(Liquid Crystal Display)3の表示桁数で表示可能な最大値より大きいとき、第1の積算モードが選択されている場合には、積算値としてそのLCD3で表示可能な最大値を表示させる制御信号をLCDドライバ13に出力し、第2の積算モードが選択されている場合には、計算された積算値のうちの下位表示桁数分だけの値(計算された積算値から、LCD3で表示可能な最大積算値に1を加えた値を減算した値)を表示させる制御信号と、LCD3の所定の部分(図2のODOセグメント41)を点滅させる制御信号をLCDドライバ13に出力する。
【0016】13は演算処理回路12のオドデータ処理部22より供給される制御信号に対応して、走行距離の積算値をLCD3に表示させるLCDドライバである。
【0017】なお、制御用IC1は、各種論理演算素子を使用した論理回路で構成してもよいし、ROM、RAM、CPUなどを有するいわゆるマイクロコンピュータで構成してもよい。
【0018】2は、このオドメータに設定する積算モードに対応する状態値を予め記憶されているEEPROMである。
【0019】3は、積算値を例えば6桁で表示するLCDである。図2は、LCD3の一例を示している。図2において、41は、積算値がLCD3の表示桁数で表示可能な最大値(このLCD3の場合は、999999)より大きくなったときに、第2の積算モードが選択されていると、LCDドライバ13の制御により常時点滅するODOセグメント(発光手段)である。このODOセグメント41は、表示されている積算値がオドデータであり、かつ、積算値が上記最大値を超えていないときには連続的に点灯する。すなわち、この場合、ODOセグメント41は点滅しない。なお、積算値がトリップデータである場合には、図2のトリップセグメント43が点灯し、ODOセグメント41は消灯する。
【0020】42はオドデータを表示するときには整数6桁で積算値を表示し、トリップデータを表示するときには整数5桁および小数点以下第1位の合計6桁で積算値を表示する積算値表示部(表示手段)であり、各桁は、7つの液晶a乃至gで構成されており、これらの液晶a乃至gがLCDドライバ13からの制御信号に応じてオン/オフすることにより、0から9までの数をそれぞれ表示する。
【0021】次に動作について説明する。図3は、この実施の形態1の動作を説明するフローチャートであり、この図に沿って説明する。なお、以下の説明においては、LCD3の表示モードが、オドデータを表示するモードであるものとして説明する。
【0022】まず、ステップST1において、分周回路11が随時パルス信号を分周して所定の距離(今の場合1,000メートル)分だけパルス信号をカウントするごとに1回、パルス信号を演算処理回路12のオドデータ処理部22に出力する。オドデータ処理部22は、そのパルス信号に応じて、図示せぬ不揮発性メモリに記憶されている、その時点までの積算値を1だけ増加させる。
【0023】次に、ステップST2において、オドデータ処理部22は、その積算値の表示がオーバーフローしているか否かを判定する。すなわち、オドデータ処理部22は、ステップST1で計算した積算値が999,999より大きいか否かを判定する。そして、積算値の表示がオーバーフローしていると判定された場合、ステップST3に進み、オドデータ処理部22は、判断部21より供給されている積算モードに対応する制御信号に従って、表示される積算値の累積加算を中止するか否かを判定する。すなわち、第1および第2の積算モードのうちのいずれかが選択される。
【0024】判断部21より第1の積算モードに対応する制御信号が供給されている場合には、ステップST4に進み、オドデータ処理部22は、最大値である999999を、表示積算値に設定する。すなわち、この場合(第1の積算モード)、表示積算値は、これ以降、999999に固定される。
【0025】一方、第2の積算モードに対応する制御信号が供給されている場合には、ステップST5に進み、オドデータ処理部22は、計算された積算値の下位6桁分(10進数での下位6桁分)の値を、表示積算値に設定するとともに、所定の制御信号をLCDドライバ13に出力してODOセグメント41を点滅させる。すなわち、この場合(第2の積算モード)、表示積算値のオーバーフローに伴い、計算された積算値から、LCD3で表示可能な最大積算値に1を加えた値を減算した値が表示され、ODOセグメント41が点滅する。
【0026】また、ステップST2において、計算された積算値が999999より大きくないと判定された場合、ステップST6に進む。そして、ステップST6において、オドデータ処理部22は、上述のように設定された、表示積算値に対応する制御信号をLCDドライバ13に出力する。LCDドライバ13は、その制御信号に応じて、積算値をLCD3の積算値表示部42に表示させる。
【0027】このように、表示積算値がオーバーフローした場合、第1の積算モードでは、表示積算値が固定され、第2の積算モードでは、表示される積算値が一旦ゼロにリセットされ、積算が継続するとともに、ODOセグメント41が点滅する。したがって、第2の積算モードでは、ODOセグメント41の点滅により、表示積算値がオーバーフローしたことを視認することができる。
【0028】以上のように、この実施の形態1によれば、積算値がLCD3の表示桁数で表示可能な最大値(今の場合、999999)より大きいときにおいて、第1の積算モードが選択されている場合には、積算値としてその最大値(=999999)がLCD3に表示され、第2の積算モードが選択されている場合には、計算された積算値のうちの下位6桁分だけの値が、積算値としてLCD3に表示されるとともに、LCD3のODOセグメント41が点滅するようにしたので、表示桁数を増やすことなく、オーバーフロー後においても実際の積算値を把握することができるという効果が得られる。すなわち、通常の使用ではオーバーフローが2回発生することは稀であるので、ODOセグメント41が点滅している場合は、LCD3に表示されている値(表示積算値)に、1,000,000を加算した値が実際の積算値であるとみなすことができる。
【0029】また、EEPROM2に予め保持させる状態値を所定の値に設定することにより、上述の第1または第2の積算モードを簡単に選択することができる。さらに、EEPROM2に保持されている状態値に対応して積算モードを設定するので、オドメータを車両に搭載した後に不正に積算モードを変更することを困難にすることができる。
【0030】さらに、このようにLCD3の一部であるODOセグメント41を点滅させるようにしたので、積算値表示部42の桁数を1つ増加させるよりも低コストで、所定の桁数で表示することが困難である実際の積算値を把握することができるという効果が得られる。
【0031】なお、上記実施の形態1は、本発明をオドメータに適用したものであるが本発明は、他のメータ(例えば、トリップメータ)にも適用することができる。
【0032】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、車両の走行距離に比例して発生されるパルス信号をカウントし、走行距離の積算値を演算する演算手段と、積算値の積算モードに対応する状態値を保持する保持手段と、その状態値に応じて、積算値が、所定の表示桁数で表示可能な最大値を超えたときに、その最大値を表示積算値に設定する第1の積算モードと、積算値の表示積算値をゼロから継続積算する第2の積算モードのうちのいずれかを選択する選択手段と、選択手段により選択された積算モードに応じて表示積算値を設定する設定手段と、前記表示桁数の表示部を有し、その表示部に表示積算値を表示する表示手段と、第2の積算モードにおいて、積算値が前記最大値を超えたときに発光状態を変更する発光手段とを備えたので、LCDなどの表示器の表示桁数を増やすことなく、オーバーフロー後においても実際の積算値を把握することができるという効果がある。
【0033】また、オーバーフローに伴い発光手段の発光状態を変更させるようにしたので、表示桁数を1つ増加させるよりも低コストで、所定の桁数で表示することが困難である実際の積算値を把握することができるという効果がある。
【出願人】 【識別番号】000001476
【氏名又は名称】株式会社カンセイ
【出願日】 平成9年(1997)10月13日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】田澤 博昭 (外1名)
【公開番号】 特開平11−118509
【公開日】 平成11年(1999)4月30日
【出願番号】 特願平9−279180