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【発明の名称】 削孔の鉛直度測定装置
【発明者】 【氏名】柴山 直子

【氏名】小山 泰三

【要約】 【課題】削孔内に直接鉛直度測定装置を入れて任意の深度における鉛直度を簡単且つ正確に計測することができる。

【解決手段】本体1内に傾斜計2を内蔵する。本体1の上部と下部とにそれぞれ平面視で3方向以上に放射状に配置したアーム3を垂直面で回動自在に設ける。該アーム3の先端部にころやそり等の削孔の内壁面に当接する当接部5を設けると共にアーム3に当接部5が削孔の内壁面に押し当たる方向のばね力を付与する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 本体内に傾斜計を内蔵し、本体の上部と下部とにそれぞれ平面視で3方向以上に放射状に配置したアームを垂直面で回動自在に設け、該アームの先端部にころやそり等の削孔の内壁面に当接する当接部を設けると共にアームに当接部が削孔の内壁面に押し当たる方向のばね力を付与して成ることを特徴とする削孔の鉛直度測定装置。
【請求項2】 本体の上部に上支持体を設けると共に下部に下支持体を設け、上支持体と下支持体のそれぞれに、平面視で上支持体又は下支持体を周方向に略3の倍数等分した位置に第1のアームを垂直面で回動自在に取付けると共に第1のアームの上先端部に削孔の内壁面に当接する当接部を設け、平面視で上支持体又は下支持体を周方向に略3の倍数等分した位置で且つ平面視で第1のアームと周方向に略60°ずれた位置に第2のアームを垂直面で回動自在に取付けると共に第1のアームの下先端部に第1のアームの上先端部に設けた当接部が当接する位置よりも下位置において削孔の内壁面に当接する当接部を設け、それぞれ対向し合う第1のアームと第2のアームとを連動部材により接続して第1のアームの上先端部に設けた当接部と第2のアームの下先端部に設けた当接部とが互いに相反する方向に連動して移動するように設定し、上支持体部分における第2のアームに設けた当接部の位置よりも下支持体部分における第1のアームの当接部の位置を下に位置させて成ることを特徴とする請求項1記載の削孔の鉛直度測定装置。
【請求項3】 本体内に内蔵した傾斜計を回転手段により回転自在として成ることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の削孔の鉛直度測定装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、掘削機により地盤中に形成した削孔の鉛直度を測定するための鉛直度測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、図7に示すような鉛直度測定装置Aが知られている。この鉛直度測定装置Aは、棒状の本体1′内に傾斜計を内蔵したものである。傾斜計は、例えば、振子の位置を検出してトルクモータで平衡点に戻すフィードバック制御を行い、必要な電流値から傾斜角を求めるようにしたものや、あるいは、傾斜によって生じる振子の平衡点からのずれを磁気抵抗素子とマグネットを用いて電気信号に変換して傾斜角を求めるようにしてある。そして、棒状の本体1′の上端部と下端部とには軸により回動自在に1本ずつアーム3′が軸支してあり、該アーム3′の両端部にころ5′を回動自在に取付けてある。また、本体1′の上端部からワイヤが導出してあり、該ワイヤに信号線が沿設してある。
【0003】上記鉛直精度測定装置Aは、鉛直精度測定装置Aをガイドして昇降させるための直交する2対のガイド溝31を有した専用のケーシングパイプ30をボーリングした削孔に挿入し、該ケーシングパイプ30に形成した直交する2対のガイド溝31のうち一対のガイド溝31に上下のアーム3′の両端部のころ5′を位置させた状態で所定深さ位置まで下降させて、傾斜計により鉛直度を測定するのであるが、高精度の鉛直度の測定を行うには傾斜計に伴う固有誤差をできるだけ除く必要があり、このため、上記傾斜計を引き上げて、直交する2対のガイド溝31のうち残りの一対のガイド溝31に上下のアーム3′の両端部のころ5′を位置させた状態で同深さ位置まで下降させて、傾斜計の向きを180°変えた状態で2回目の測定をし、これらの値の差を取ることで、傾斜計に伴う固有誤差を除去して所定深さにおける正確な鉛直度を求めるようにしている。
【0004】ところが、上記のような従来例の鉛直度測定装置Aは、ボーリング孔に直交する2対のガイド溝31を有した専用のケーシングパイプ30を挿入しなければ、ボーリング孔のある深度における鉛直度を測定することができないという問題がある。すなわち、小径のボーリング孔を削孔し、このボーリング孔に専用のケーシングパイプ30を挿入して埋め込んだままにし、該地中に埋め込んだケーシングパイプ30に鉛直度測定装置Aを入れてある深度における鉛直度を測定して地中の水平変位の経時的な変化を求めるような場合には対応できるが、通常の土木、建築の分野において掘削機により地盤に掘削する大径の掘削孔のある深度における鉛直度を測定しようとしても、大径の削孔内に大径の専用のケーシングパイプ30を埋め込まなければ計測ができず、しかも、大径の専用のケーシングパイプ30の埋め込み工事や引き抜き工事は本来の土木、建築の工事にとっては余分な大掛かりな工事となるので、到底採用されないものである。
【0005】そこで、上記の鉛直度測定装置Aを大径の削孔内に直接挿入して鉛直度を計測することが考えられるが、掘削機により掘削した削孔4の内壁面は、一部崩落している箇所などがあり、例えば、図8に示すように削孔4の内壁面の周方向の一部が崩落して凹部10が形成されている場合、仮に上部のアーム3′の一端部のころ5′が削孔4の内壁面の崩落していない部位に押し当たり、上部のアーム3′の他端部のころ5′がAーA線部分における削孔4の内壁面の崩落した凹部10の底に押し当たり、この結果、鉛直度測定装置Aの上部においては、中心Pが孔の中心Oに位置せず、他方下部のアーム3′の両端部のころ5′がそれぞれ削孔4の内面面の崩落していない部位に押し当たって鉛直度測定装置Aの下部においては中心Pが孔の中心Oに位置し、これにより鉛直度測定装置Aは本来の削孔4に沿った線(図8の一点鎖線)と一致せず、正確な鉛直度の測定ができないという問題がある。
【0006】しかも、鉛直度を正確に求めるために、ある深度において鉛直度測定装置Aの向きを180°変えて2回測定しようとするには、いったん鉛直度測定装置Aを引き上げてから再度削孔4に挿入して行う必要があるのみならず、鉛直度測定装置Aは単にワイヤで吊り下げて削孔4内に入れるものであるから、ある深度における1回目の測定の際の鉛直度測定装置Aの周方向の向きと、同深度における2回目の測定の際の鉛直度測定装置Aの周方向の向きとを180°変えるように位置させることは実際上不可能である。
【0007】これらの理由から、従来は鉛直度測定装置Aを直接削孔内に入れて削孔の任意の深度における鉛直度を計測することができないという問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の従来例の問題点に鑑みて発明したものであって、削孔内に直接鉛直度測定装置を入れて任意の深度における鉛直度を簡単且つ正確に計測できるようにすることを主たる課題とし、また、鉛直度計測装置に設けた傾斜計に伴う固有誤差を除去するためにある深度で鉛直度計測装置の向きを180°変える場合においても鉛直度測定装置を引き上げて入れ直すことなく簡単に測定ができるようにすることを別の課題とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために本発明の削孔の鉛直度測定装置は、本体1内に傾斜計2を内蔵し、本体1の上部と下部とにそれぞれ平面視で3方向以上に放射状に配置したアーム3を垂直面で回動自在に設け、該アーム3の先端部にころやそり等の削孔4の内壁面に当接する当接部5を設けると共にアーム3に当接部5が削孔4の内壁面に押し当たる方向のばね力を付与して成ることを特徴とするものである。このような構成とすることで、本体1の上部又は下部において、仮に一つの当接部5が削孔4の内壁面の崩落して形成された凹部10内に落ち込んでも、上部又は下部において残りの2個以上のアーム3の先端部に設けた当接部5が削孔4の内壁面の崩落していない部分に当接して傾斜計2を削孔4に沿った正しい測定姿勢に位置させることができ、これにより削孔4内において傾斜計2により鉛直度を測定できるものである。
【0010】また、本体1の上部に上支持体6を設けると共に下部に下支持体7を設け、上支持体6と下支持体7のそれぞれに、平面視で上支持体6又は下支持体7を周方向に略3の倍数等分した位置に第1のアーム3aを垂直面で回動自在に取付けると共に第1のアーム3aの上先端部に削孔4の内壁面に当接する当接部5を設け、平面視で上支持体6又は下支持体7を周方向に略3の倍数等分した位置で且つ平面視で第1のアーム3aと周方向に略60°ずれた位置に第2のアーム3bを垂直面で回動自在に取付けると共に第1のアーム3aの下先端部に第1のアーム3aの上先端部に設けた当接部5が当接する位置よりも下位置において削孔4の内壁面に当接する当接部5を設け、それぞれ対向し合う第1のアーム3aと第2のアーム3bとを連動部材8により接続して第1のアーム3aの上先端部に設けた当接部5と第2のアーム3bの下先端部に設けた当接部5とが互いに相反する方向に連動して移動するように設定し、上支持体6部分における第2のアーム3bに設けた当接部5の位置よりも下支持体7部分における第1のアーム3aの当接部5の位置を下に位置させることが好ましい。このような構成とすることで、本体1の上部及び下部においてそれぞれ上下方向及び周方向に位置をずらして3の倍数個の第1のアーム3aの上先端部に設けた当接部5と3の倍数個の第2のアーム3bの上先端部に設けた当接部5とがそれぞれ削孔4の内壁面に押し当たって当接し、これにより本体1の上部及び下部のいずれにおいても、削孔4の内壁面の一部が崩落した凹部10に周方向又は上下において1乃至複数個の当接部5が落ち込んでも、残りの当接部5により本体1の上部と下部とをそれぞれ本来の測定位置に位置させて傾斜計2を削孔4に沿った本来の正しい測定姿勢にすることができ、これにより削孔4内の任意の深さにおいて傾斜計2により鉛直度を測定できるものである。また、それぞれ対向し合う第1のアーム3aと対向する第2のアーム3bとを連動部材8により接続して第1のアーム3aの上先端部に設けた当接部5と第2のアーム3bの下先端部に設けた当接部5とが互いに相反する方向に連動して移動するように設定してあることで、簡単な構成で確実に当接部5により本体1の上部と下部とをそれぞれ本来の測定位置に位置させて傾斜計2を削孔4に沿った本来の正しい測定姿勢にすることができるものである。
【0011】また、本体1内に内蔵した傾斜計2を回転手段9により回転自在とすることが好ましい。このような構成とすることで、削孔10内の同じ深度において傾斜計2により測定した後、引き上げて再度入れなおすことなく、1回目の測定をした後、同じ深度において回転手段9により傾斜計2を回転することで、傾斜計2の向きを変えた状態で2回目の測定をし、これらの値の差を取ることで、傾斜計2に伴う固有誤差を除去して所定深さにおける正確な鉛直度を求めることができるものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。添付図面に示す実施形態においては図1に示すように、本体1は中央部の防水ケース部11の上部と下部とにそれぞれ枠体部12を連結して構成してある。上部の枠体部12には上支持体6が設けてあり、下部の枠体部12には下支持体7が設けてある。上支持体6と下支持体7の外面部にはそれぞれ周方向を3の倍数等分(実施形態では6等分)した位置にそれぞれ取付け部13を設けてあり、この取付け部13にアーム支持部14を取付けてある。
【0013】図1乃至図3に示すように、各アーム支持部14には軸15によりそれぞれアーム3が垂直面で回動自在に取付けてあり、しかもアーム3が回動する垂直面は上支持体6、下支持体7のセンターを通る面である。つまり、本実施形態においては上支持体6の外周部に平面視で6つのアーム3が周方向に略6等分した位置に放射状に配置してあって垂直面で回動自在となっている。
【0014】ここで、上支持体6及び下支持体7にそれぞれアーム3を取付けるのは同じ構成であるため、以下においては上支持体6についてアーム3の取付けの具体的説明をする。上支持体6の周方向を略6等分した位置に配置された6個のアーム3のうち、一つおきの3個のアーム3が第1のアーム3aであり、残りの一つおきの3個のアームが第2のアーム3bである。つまり、平面視で上支持体6を周方向に略3等分した位置に第1のアーム3aが垂直面で回動自在に取付けてあることとなり、また、平面視で上支持体6を周方向に略3等分した位置で且つ平面視で第1のアーム3aと周方向に略60°ずれた位置に第2のアーム3bを垂直面で回動自在に取付けてあることになる。つまり第1のアーム3aと隣りの第1アーム3aとのなす開き角度は略120°となっており、また、第2のアーム3bと隣りの第2のアーム3bとのなす開き角度は略120°となっており、また、第1のアーム3aと第2のアーム3bとのなす開き角度は略60°となっている。そして、上記した3個の第1のアーム3aと3個の第2のアーム3bとはそれぞれ上支持体6の中心(つまり本体1の中心軸)を中心にして第1のアーム3aと第2のアーム3bとが互いに対向しあう組が3組存在するものである。
【0015】上記平面視で上支持体6を周方向に略3等分した位置に設けた3個の第1のアーム3aの各上先端部には削孔4の内壁面に当接する当接部5が設けてあり、また、平面視で上支持体6を周方向に略3等分した位置に設けた3個の第2のアーム3bの各下先端部には削孔4の内壁面に当接する当接部5が設けてあり、いずれのアーム3に設けた当接部5も添付図面に示す実施形態においてはころの例が示してあるが、そりのようなものであってもよい。
【0016】それぞれ対向し合う第1のアーム3aと第2のアーム3bとは連動部材8により接続してあって第1のアーム3aの上先端部に設けた当接部5と第2のアーム3bの下先端部に設けた当接部5とが互いに相反する方向に連動して移動するようになっている。上記連動部材8は例えば鉄棒8aをターンバックル8bを介して長さ調整自在に接続して構成したものであり、長さ調整自在とすることで、削孔4の径に応じて簡単に最適な長さの連動部材8とすることができる。また、連動部材8で接続した第1のアーム3aと第2のアーム3bとの少なくとも一方には当接部5を削孔4の内壁面に押し当てるためのばね力を付与するばね材16の一端部が取付けてあり、該ばね材16の他端部は上支持体6に取付けてある。
【0017】ここで、それぞれ対向し合う第1のアーム3aと第2のアーム3bの組は3組あるので、連結部材8も3つあり、連結部材8同士が本体1の中心軸上でぶつからないように、各連結部材8を上下方向にぞれぞれずらして配置してある。添付図面に示す実施形態においては、第1のアーム3aに連結突片17を突設して、該連結突片17に上下方向に3個の取付け孔18を設け、第2のアーム3bに連結突片19を突設して、該連結突片19に上下方向に3個の取付け孔20を設け、各組毎に連結部材8の端部を連結する孔18、20を変えることで、3個の連結部材8を上下方向にずらして配置することができる。この場合、更に、図3に示すように、アーム支持部14の軸15の軸支孔の位置を各組ごとに変えると、取付け孔18間の長さ及び取付け孔20間の長さを短くできるものである。上記のように構成すると、3個の第1のアーム3aとして図4(a)に示すような同じものが使用でき、また、3個の第2のアーム3bとして図4(b)に示すような同じものが使用できて、部材の共通化が図れるものである。
【0018】上記の説明は、上支持体6にアーム3を取付ける説明をしたが、下支持体7にアーム3を取付けるに当たっても上記と全く同様であり、上記説明において「上支持体6」を「下支持体7」と置き換えればそのまま下支持体7にアーム3を取付ける説明となる。本体1の中央部の防水ケース部11内には傾斜計2が内蔵してあり、この傾斜計2は基板21に回転自在に取付けてある。更に、防水ケース部11内にはギャードモータのような回転手段9が設けてあり、回転手段9を駆動することで傾斜計2を軸芯回りに180回転することができるようにしてある。傾斜計2は、例えば、振子の位置を検出してトルクモータで平衡点に戻すフィードバック制御を行い、必要な電流値から傾斜角を求めるようにしたものや、あるいは、傾斜によって生じる振子の平衡点からのずれを磁気抵抗素子とマグネットを用いて電気信号に変換して傾斜角を求めるようにしてある。防水ケース部11の上端部から信号ケーブル29が導出してある。
【0019】上記のような構成の鉛直度測定装置Aは図5に示すように、クレーン装置22に設けた吊り具23に吊り下げて使用されるものである。ここで、鉛直度測定装置Aには深度測定ワイヤ25が接続してあり、この深度測定ワイヤ25の引出し量を深度計26により計測することで、鉛直度測定装置Aの深度を測定するようにしている。鉛直度測定装置に設けた傾斜計2による鉛直度の計測信号、深度計26による深度の計測信号はクレーン装置22に設けた制御部27に入力され、任意の深度における鉛直度を求め、これを表示装置により表示したり、プリント装置によりプリントアウトできるようにしてある。
【0020】すなわち、掘削機により掘削した削孔4内に上記鉛直度測定装置を挿入し、任意の深度における削孔4の鉛直度を求めるのである。この場合、本体1の上部及び下部においてそれぞれ上下方向及び周方向に位置をずらして3個の第1のアーム3aの上先端部に設けた当接部5と3個の第2のアーム3bの上先端部に設けた当接部5とがそれぞれ削孔4の内壁面に押し当たって当接しながら鉛直度測定装置が上下方向に移動するものであり、これにより、本体1の上部においては上段位置で放射状に配置した3個の第1のアーム3aに設けた3個の当接部5が削孔4の内壁面に押し当たると共に、下段位置で放射状に配置した3個の第2のアーム3bに設けた3個の当接部5が削孔4の内壁面に押し当たり、また、本体1の下部においては上段位置で放射状に配置した3個の第1のアーム3aに設けた3個の当接部5が削孔4の内壁面に押し当たると共に、下段位置で放射状に配置した3個の第2のアーム3bに設けた3個の当接部5が削孔4の内壁面に押し当たることになる。したがって、仮に、図6に示すように、削孔4の内壁面の周方向又は上下方向の一部が崩落して凹部10が形成してあって、この凹部10に本体1の上部の上段又は下段、あるいは本体1の下部の上段又は下段のいずれかの当接部5が落ち込んでも、本体1の上部の上段又は下段の残りの複数の当接部5がばね材16のばね力により削孔4の崩落してない内壁面に押し当てられ、また、本体1の下部の上段又は下段の残りの複数の当接部5がばね材16のばね力により削孔4の崩落してない内壁面に押し当てられ、これにより、本体1の上部においても下部においても鉛直度測定装置Aの中心Pが削孔4の中心Oと一致するものである。したがって、削孔4内に鉛直度測定装置を挿入して任意の深度において、傾斜計2により正確に削孔4の任意の深度における鉛直度を求めることができる。計測計2が1回の計測でX方向、Y方向の両方向における鉛直度の計測が同時にできるタイプのものにおいては、この計測時に、まず、ある深度で第1回目の鉛直度の計測をX方向及びY方向の両方において同時に傾斜計2により計測した後、同一深度のまま回転手段9を駆動して傾斜計2を180°回転した後に第2回目の鉛直度の計測をX方向及びY方向の両方において同時に傾斜計2により計測し、これらの値の差を取ることで、傾斜計に伴う固有誤差を除去して所定深さにおける正確な鉛直度を求めることができるものである。そして、このように傾斜計2を回転手段9で180°回転することで、鉛直度測定装置を所定深度に位置させたままの状態で上記2回の計測ができて傾斜計に伴う固有誤差を除去して所定深さにおける正確な鉛直度を求めることができるのである。また、1回の計測で一方向における鉛直度の計測しかできないタイプの計測計2においては、計測に当たって、まず、ある深度で第1回目の鉛直度の計測をX方向のみを傾斜計2により計測し、その後、同一深度のまま回転手段9を駆動して傾斜計2を90°回転した後にY方向における第1回目の計測を傾斜計2により計測し、その後同じ深度のまま更に90°回転して(最初からは180°)X方向における第2回目の鉛直度の計測を傾斜計2により計測し、その後同じ深度のまま更に90°回転して(最初からは270°)Y方向における第2回目の鉛直度の計測を傾斜計2により計測するものであり、これによりX方向における値の差と、Y方向における値の差を取ることで、傾斜計に伴う固有誤差を除去して所定深さにおける正確な鉛直度を求めることができるものである。
【0021】上記実施形態においては、本体1の上部に設けた上支持体6に周方向に6個のアーム3を放射状に配置して、本体1の上部において上段に3個、下段に3個のころを周方向に設け、本体1の上部に設けた下支持体7に周方向に6個のアーム3を放射状に配置して、本体1の下部において上段に3個、下段に3個のころを周方向に設けた例を示したが、必ずしも上記に限定されるものではなく、本体1の上部と下部とにそれぞれ平面視で3方向以上に放射状に配置したアーム3を垂直面で回動自在に設け、該アーム3の先端部にころやそり等の削孔4の内壁面に当接する当接部5を設けると共にアーム3に当接部5が削孔4の内壁面に押し当たる方向のばね力を付与したものであれは、本体1の上部又は下部において、仮に一つの当接部5が削孔4の内壁面の崩落して形成された凹部10内に落ち込んでも、上部又は下部において残りの2個以上のアーム3の先端部に設けた当接部5が削孔4の内壁面の崩落していない部分に当接して傾斜計2を削孔4に沿った本体の正しい測定姿勢にすることができ、これにより削孔4内の任意の深さにおいて傾斜計2により鉛直度を測定できるものである。
【0022】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の発明にあっては、上述のように、本体内に傾斜計を内蔵し、本体の上部と下部とにそれぞれ平面視で3方向以上に放射状に配置したアームを垂直面で回動自在に設け、該アームの先端部にころやそり等の削孔の内壁面に当接する当接部を設けると共にアームに当接部が削孔の内壁面に押し当たる方向のばね力を付与してあるので、本体の上部又は下部において、仮に一つの当接部が削孔の内壁面の崩落して形成された凹部内に落ち込んでも、上部又は下部において残りの2個以上のアームの先端部に設けた当接部が削孔の内壁面の崩落していない部分に当接して傾斜計を削孔に沿った本体の正しい測定姿勢にできて、傾斜計により任意の深度における削孔の鉛直度を正確に測定できるものである。
【0023】また、請求項2記載の発明にあっては、上記請求項1記載の発明の効果に加えて、本体の上部に上支持体を設けると共に下部に下支持体を設け、上支持体と下支持体のそれぞれに、平面視で上支持体又は下支持体を周方向に略3の倍数等分した位置に第1のアームを垂直面で回動自在に取付けると共に第1のアームの上先端部に削孔の内壁面に当接する当接部を設け、平面視で上支持体又は下支持体を周方向に略3の倍数等分した位置で且つ平面視で第1のアームと周方向に略60°ずれた位置に第2のアームを垂直面で回動自在に取付けると共に第1のアームの下先端部に第1のアームの上先端部に設けた当接部が当接する位置よりも下位置において削孔の内壁面に当接する当接部を設け、それぞれ対向し合う第1のアームと対向する第2のアームとを連動部材により接続して第1のアームの上先端部に設けた当接部と第2のアームの下先端部に設けた当接部とが互いに相反する方向に連動して移動するように設定し、上支持体部分における第2のアームに設けた当接部の位置よりも下支持体部分における第1のアームの当接部の位置を下に位置させてあるので、本体の上部の上段と下段とにおいてそれぞれ3個ずつの当接部が削孔の内壁面に押し当たり、また、本体の下部の上段と下段とにおいてそれぞれ3個ずつの当接部が削孔の内壁面に押し当たり、本体の上部及び下部のいずれにおいても、削孔の内壁面の一部が崩落した凹部に周方向又は上下において1乃至複数個の当接部が落ち込んでも、残りの当接部により本体の上部と下部とをそれぞれ本来の測定位置に位置させて傾斜計を削孔に沿った本体の正しい測定姿勢にすることができて、傾斜計により削孔孔の任意の深度における鉛直度を測定できるものであり、また、それぞれ対向し合う第1のアームと対向する第2のアームとを連動部材により接続して第1のアームの上先端部に設けた当接部と第2のアームの下先端部に設けた当接部とが互いに相反する方向に連動して移動するように設定してあるので、簡単な構成で確実に当接部により本体の上部と下部とをそれぞれ本来の測定位置に位置させて傾斜計を削孔に沿った本来の正しい測定姿勢にすることができるものである。
【0024】また、請求項3記載の発明にあっては、上記請求項1又は請求項2記載の発明の効果に加えて、本体内に内蔵した傾斜計を回転手段により回転自在としてあるので、削孔内の任意の深さで傾斜計により1回目の鉛直度の測定をしたのち、そのままの深度で傾斜計を回転して2回目の測定をするのみで、傾斜計に伴う固有誤差を除去して所定深さにおける正確な鉛直度を簡単に求めることができ、削孔から引き抜いて再度挿入するというような手間がかからないものである。
【出願人】 【識別番号】597037083
【氏名又は名称】有限会社柴山建築研究所
【識別番号】591215487
【氏名又は名称】応用計測工業株式会社
【出願日】 平成9年(1997)10月16日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】西川 惠清 (外1名)
【公開番号】 特開平11−118481
【公開日】 平成11年(1999)4月30日
【出願番号】 特願平9−283713