| 【発明の名称】 |
画像処理検査方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】大森 英生
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| 【要約】 |
【課題】対比される画像データが、互いに同一の輝度を同一面積(画素数)だけ有する場合においても、その相違を判別し、もって、より精緻な外観検査を行なうこと。
【解決手段】上記検査対象物の検査エリアを特定し、予め測定基準として定められた輝度を有する部位を検出する。検出された輝度を有する部位のうち、連結している領域を集合体Gとしてグループ化する。グループ化された集合体Gの個数Nを計測し、これを判別要素とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】検査対象物を撮像した後、二値化処理を行ない、得られた画像データから検査対象物の特性を特定可能な輝度をしきい値として判別処理を行なうことにより該検査対象物を検査する画像処理検査方法において、上記検査対象物の検査エリアを特定し、特定された検査エリアから、上記輝度を有する部位を検出し、検出された輝度を有する部位のうち、連結した領域を集合体としてグループ化し、グループ化された集合体の個数を計測し、計測された集合体の個数を判別要素として対比することを特徴とする画像処理検査方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は画像処理検査方法に関する。 【0002】 【従来の技術】一般に画像処理技術によって工業製品の外観検査を行なうことが広く行なわれている。例えば、ワイヤハーネスを製造する過程では、被覆電線の端部に皮剥加工を施して端子を圧着した場合に、端子の圧着状態を画像処理によって検査することが行なわれている。 【0003】図3は正規に圧着された端子圧着部の拡大図である。また、図4および図5は図3の端子圧着部が不良を来している場合をそれぞれ示している。 【0004】まず、図3を参照して、被検体としての圧着端子1は、端部に皮剥加工が施された被覆電線2の被覆部2aに圧着される被覆バレル1aと、この被覆バレル1aから被覆電線2の長手方向に間隔を隔てて形成され、被覆電線2の端部に露出している芯線2bにかしめられている芯線バレル1bとを有している。 【0005】被覆バレル1aと芯線バレル1bとの間には、平面視略台形形状の間隙Sが設けられており、端子1の圧着状態が良好な場合、図3に示すように、上記間隙Sの略半分(被覆電線2の長手方向中央部分)に被覆部2aのエッジが配置され、そこから露出している芯線端部が残り半分のところに露出した状態になっている。 【0006】他方、圧着不良を来している場合、例えば図4に示すように、被覆部2aが上記間隙Sに到達していなかったり、図5に示すように、被覆部2aが芯線バレル1bにまで至ったりすることがある。図4の場合には、圧着端子1の止定力が弱まり、圧着端子1が被覆電線2から抜けやすくなる。また、図5の場合には、被覆部2aによって圧着端子1と芯線2bとの電気的な導通が悪くなる。 【0007】そこで、これら圧着状態を検査するために、図6に示すような外観検査装置が採用される。 【0008】図6は本件出願人が先に提案している外観検査装置の概略構成を示す構成略図である。 同図を参照して、圧着端子1の上記圧着状態を画像処理によって検査する検査装置10としては、拡散体11を介して圧着端子1を照射する光源12と、圧着端子1に反射した光源12からの光によって圧着端子1を撮像する二次元CCDカメラ13等の撮像手段と、撮像された圧着端子1の画像を処理する画像処理装置14と、処理結果を表示するディスプレイ15等を含んでおり、CCDカメラ13の撮像に基づいて被覆状態や皮剥状態の良、不良が判別されて、その結果が出力されるようになっている。本件出願人が先に提案している特開平6−213817号公報に開示されている処理方法では、光源12として、可視散乱光を圧着端子1の上方全方向から照射可能なリングライトを採用し、拡散体11として、開口の形成されたドームを採用することにより、金属部分に輝度の高い鏡面反射部分を形成している。そして、得られた鏡面反射部分の画像データをランレングス符号化法によって処理することにより、画像認識の基準となる基準点を導き出している。 【0009】ここで、圧着端子1の検査態様として、圧着端子1の両バレル1a、1b間に区画される間隙S内に、被覆電線2が正規に圧着されているか否かを判別する処理が行なわれていた。 【0010】図7は従来技術における画像の説明図である。同図を参照して、本件出願人が提案しているように、可視散乱光を圧着端子1の上方全方向から照射する上記画像処理方法では、256階調を二値化した際、図7(A)に示すように、圧着端子1のバレル1a、1b(鏡面反射面)の反射による輝度レベルの高い領域P、被覆部2aの反射による中間領域Q、および圧着端子1の非鏡面反射面による輝度レベルの低い領域Rが得られる。 【0011】従って、従来は、この特性を利用して、ある色の被覆電線2に圧着した代表的な圧着端子1の面積ヒストグラムを予め求めておき、その面積ヒストグラムの谷部分となる領域P、Qの間にしきい値を設定する一方、図3に示すように、間隙S内に幾つかの検査ウィンドA1、A2を設定して二値化処理を行なうことにより、芯線2bの有無を面積計測(画素数カウント)のみにより判別していた。 【0012】 【発明が解決しようとする課題】ところが、上述した方法では、芯線2bの有無を識別するための手段として、専ら検査エリア(ウィンドA1、A2)における受光強度の面積(画素数)ヒストグラムによっていたので、仮に被覆電線2が白や黄色等、明度の高いの被覆部2aを採用していた場合には、この被覆部2aの反射光が設定時に予想していない程度に強くなり、図7(B)に示すように、芯線2bがない部分を測定していても、しきい値を超えるレベルで面積(画素数)が増大してしまい、芯線2bがあると誤判断する可能性があった。 【0013】特に近年採用されている非鉛樹脂を表面に有する被覆部の場合、輝度が著しく高まるため、面積ヒストグラムから所定の輝度をしきい値として設定して判別するだけでは、精度の高い判別を行なうことができなかった。 【0014】本発明は上記不具合に鑑みてなされたものであり、対比される画像データが互いに同一の輝度を同一面積(画素数)だけ有する場合においても、その相違を判別し、もって、より精緻な外観検査を行なうことのできる画像処理検査方法を提供することを課題としている。 【0015】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明は、検査対象物を撮像した後、二値化処理を行ない、得られた画像データから検査対象物の特性を特定可能な輝度をしきい値として判別処理を行なうことにより該検査対象物を検査する画像処理検査方法において、上記検査対象物の検査エリアを特定し、特定された検査エリアから、上記輝度を有する部位を検出し、検出された輝度を有する部位のうち、連結した領域を集合体としてグループ化し、グループ化された集合体の個数を計測し、計測された集合体の個数を判別要素として対比することを特徴とする画像処理検査方法である。 【0016】この特定事項を含む発明では、検査対象物の撮像を行なって二値化処理し、得られたデータに基づいて検査対象物の検査を行なうに当たり、単に面積ヒストグラムによって比較対比するのではなく、二値化処理で得られたデータから検査対象物の特性を特定可能な輝度(予め測定基準として定められた輝度)を有する部分のうち、連結した領域を一つの集合体としてグループ化し、グループ化された集合体の個数に基づいて、検査対象物の特性を特定することになる。従って、同一の輝度を有する部位が同一面積(画素数)だけある二つのデータを比較する場合においても、グループ化された同一輝度の集合体の個数の相違によって両者の相違を判別することが可能になる。 【0017】 【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態について詳述する。なお、以下の実施の形態は、ハードウエアとしては、従来の技術欄に記載した構成と同等のものを採用することが可能であるので、その説明を省略している。 【0018】図1は本発明の実施の一形態における検査手順を示すフローチャートである。 【0019】同図を参照して、図示の実施の形態では、ステップS1において撮像処理が行なわれ、ステップS2においては、従来の技術と同様に、二値化処理が行なわれる。 【0020】次いで、圧着端子1に設定されたウィンドA1、A2、…Ai(図3参照)の検査処理を行なうために、まず、ステップS3において、設定されるウィンドAiのID(iはウィンドの添え字を示す)が初期化され、ステップS4において、ウィンドAiの更新がなされる。 【0021】次に、ステップS5において、更新されたウィンドAiに対応する部位の画像が検査される。 【0022】図2は画像検査の一例を示す画像データの概略図である。 【0023】図2も参照して、ステップS4において更新され、特定されたウィンドAiの領域においては、鏡面反射による輝度の高い画素が密度の高い部位(図2の斜線で示す部位)として幾つか点在し、残余の部位は、輝度が低くなっている。そして、ステップS5において、ウィンドAi(図2の場合、(A)(B)は、それぞれ図3で説明したウィンドA1、A2が対応している)を(1)、(2)、…で示すように一定間隔毎に走査することにより、従来と同様に当該領域に係る面積ヒストグラムを得ることができる。 【0024】ここで、図示の実施の形態では、ステップS6において図7で説明した領域Pと領域Qの間にしきい値を設定するとともに、二値化により同じ明るさ(情報)を有する画素が連結している場合にその画素をグループ化し、ラベリング処理を施して各領域に番号(ラベル)を付与することにより、個別の集合体Gとして認識することとしている。 【0025】さらに、ステップS7において、これら集合体Gの個数Nをカウントすることにより、ウィンドAiの領域内における画像データの判別要素としている。 【0026】これにより、面積ヒストグラムのみによるのではなく、輝度の幾何的な点在の程度を画像データの判別要素として取り入れ、後述する判別処理を行なうことが可能になる。 【0027】ステップS8において、全てのウィンドAiが処理されたか否かが判別され(添え字nは、ウィンドの最終のものであることを示す)、未処理のウィンドがある場合には、ステップS4に戻って処理を繰り返し、全てのウィンドが処理された場合には、良否判別ステップに移行する。 【0028】良否判別ステップS9においては、得られた画像データに基づき、良否判別が行なわれる。その手法としては、例えば、画像処理装置14(図6参照)に予め判定用として、面積ヒストグラム並びに判定基準となる集合体の数Nが含まれるデータを入力しておき、これを上記ステップS6、S7で得た面積ヒストグラム並びに集合体Gの数Nと比較すればよい。或いは、処理された幾つかのウィンドのうちの一つを対比用のデータとして設定し、これを他のウィンドの処理データと対比することによって良否判断を行なうようにしてもよい。 【0029】図示の実施の形態の場合には、図3に示す圧着端子1の間隙S内に止定されている被覆電線2の状態を判別することを目的としていることから、正規の圧着状態において芯線1bが位置するべき領域に設定されたウィンドA1と被覆部2aが位置するべき領域に設定されたウィンドA2とを対比し、良否判断を次のように行なっている。 【0030】上述した手順によって図3並びに図4及び図5の圧着端子1を検査した場合、処理結果は、それぞれ表1から表3の通りになる。 【0031】 【表1】
【0032】 【表2】
【0033】 【表3】
上記各表1〜3から明らかなように、芯線2bの鏡面反射による輝度の分布と被覆部2aの鏡面反射による輝度の分布とは、それぞれ異なっているので、上述したステップS6において得られた集合体Gの個数Nは異なったものになっている。これにより、仮に対比された各エリアA1、A2において、ステップS5で得られた面積ヒストグラム(図7参照)のしきい値を超えた面積(画素数)が同一であったとしても、表1のように、集合体Gの個数Nが異なっている場合には、良品と判別することができ、表2、表3のように、個数Nが異なっている場合には、不良品と判別することが可能になる。さらに、上述したステップS9の良否判断において、正規の個数Nを予め画像処理装置に入力しておき、個々のウィンドA1、A2の個数と照合することにより、より精緻な不良分析を行なうことも可能になる。 【0034】以上説明したように、上述した実施の形態では、二値化処理された検査対象物としての圧着端子1のデータから、図2に示すように、同一輝度のうち連結している領域を一つの集合体Gとして取り扱い、その個数Nを良否判断の要素としているので、対比されるデータが、互いに同一の輝度を有する部位が同一面積(画素数)だけ有する場合においても、その相違を識別することが可能になる結果、より高い精度で検査対象物の判別処理を行なうことができるという顕著な効果を奏する。 【0035】上述した実施の形態は本発明の好ましい具体例を例示したものに過ぎず、本発明は上述した実施の形態に限定されない。 【0036】例えば、検査対象物としては、圧着端子1の他、圧着端子が挿入されるコネクタのキャビティーであってもよい。その場合には、正規のコネクタの画像データを判別用のデータとして画像処理装置に記憶しておき、上述した手順で検査対象となるコネクタのキャビティー部分の画像処理を行なうことにより、当該キャビティーの欠け等の成形不良を判別することも可能である。 【0037】その他、本発明の特許請求の範囲内で種々の変更が可能であることは云うまでもない。 【0038】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、二値化処理された検査対象物のデータから同一輝度のうち連結している領域を一つの集合体として取り扱い、その個数を良否判断の要素としているので、検出されたデータと判別用のデータとが、互いに同一の輝度を有する部位が同一面積(画素数)だけある場合においても、その相違を識別することが可能になる結果、より高い精度で検査対象物の判別処理を行なうことができるという顕著な効果を奏する。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000183406 【氏名又は名称】住友電装株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)6月9日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】亀井 弘勝 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−351839 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)12月24日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−161066 |
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