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【発明の名称】 可逆粗圧延設備における圧延材の転回検出方法
【発明者】 【氏名】中野 文則

【要約】 【課題】可逆粗圧延設備における転回の有無を自動的に検出する。

【解決手段】可逆粗圧延設備における圧延材の転回検出方法であって、予め、転回開始前の被転回材の短軸断面の高さHと巾Wからその対角長さL1を算出し、次に、テレビカメラおよび画像演算装置を用いて、前記被転回材の短軸方向の転回開始前の投影平面位置X1(x1,x0)、転回中の最大投影平面長さL2max(x3からx4までの距離)及び転回終了後の投影平面位置X2(x5,x4)をそれぞれ計測し、その後、転回判断装置を用いて下記(1)式及び(2)式の条件を共に満足する時を、圧延材の転回完了と判断する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 圧延材をその長軸方向に数パス圧延し、その後、該圧延材をその短軸方向に90度転回した後、該圧延材を前記パスとは異なる孔形で数パス圧延し、前記各工程の繰り返しにより、所定の断面形状をした圧延材を製造する可逆粗圧延設備における圧延材の転回検出方法であって、予め、転回開始前の被転回材の短軸断面の高さHと巾Wからその対角長さL1を算出し、次に、テレビカメラ及び画像演算装置を用いて、前記被転回材の短軸方向の転回開始前の投影平面位置X1(x1,x0)、転回中の最大投影平面長さL2max(x3からx4までの距離)及び転回終了後の投影平面位置X2(x5,x4)をそれぞれ計測し、その後、転回判断装置を用いて下記(1)式及び(2)式の条件を共に満足する時を、圧延材の転回完了と判断することを特徴とする可逆粗圧延設備における圧延材の転回検出方法。
(1)式 L1=L2max(2)式 |X1−X2|≧H
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、形鋼圧延設備等のブレークダウンミルの前面搬送テーブル及び後面搬送テーブルにおいて実施されている圧延材の垂直方向への転回について、テレビカメラを使用してその転回状況を自動的に検出する、可逆粗圧延設備における圧延材の転回検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、可逆粗圧延設備、例えば、形鋼圧延設備等のブレークダウンミルの前面搬送テーブル及び後面搬送テーブルにおいて、ブルーム等の圧延材は、ブレークダウンミルへの複数パス圧延の後、圧延材を垂直方向へ90度転回させ、その後ブレークダウンミルの異なる孔形へ複数パス圧延し、さらに、垂直方向へ90度転回させ、その後ブレークダウンミルの異なる孔形へ複数パス圧延し、以上の工程の繰り返しにより所望の形状をした粗製品が製造されている。
【0003】この圧延材への転回が必要な場合、従来は、現場のオペレータが、その都度ブレークダウンミルの前面搬送テーブル及び後面搬送テーブルに配設されているサイドガイド転回装置であるチルチングフックを操作し、テーブル上に載置されている圧延材を転回させ、その転回確認も同じオペレーターが行っている。
【0004】近年、省力化が進み、前記圧延材の転回を各種の自動機器により、自動化することが試みられてきている。しかしながら、圧延材の形状は多品種であるため、前記自動機器での転回が完全ではないために常時オペレーターが監視しており、そのため、この転回検出を自動化することが残された課題としてその解決が強く望まれていた。
【0005】一方、厚板圧延等における板材の水平方向の転回を自動的に検出する方法が特開昭53−11148号公報に記載されている。この概要は、工業用テレビジョンを使用し、その映像データより圧延材の水平方向の転回角度を非接触で自動的に検出可能としたものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特開昭53−11148号公報に記載の方法では、工業用テレビジョンで2次元の映像データを検出し、そのデータを演算し、水平方向の90度転回を検出するもので、本願が対象とするものは、圧延材の垂直方向への転回に関するものであり、その構成が複雑となる。
【0007】本発明は、従来の常時オペレーターが監視していた圧延材料の垂直方向の転回時の転回完了の有無を簡単な方法で自動的に且つ確実に判定可能とする可逆粗圧延設備における圧延材の転回検出方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、圧延材をその長軸方向に数パス圧延し、その後、該圧延材をその短軸方向に90度転回した後、該圧延材を前記パスとは異なる孔形で数パス圧延し、前記各工程の繰り返しにより、所定の断面形状をした圧延材を製造する可逆粗圧延設備における圧延材の転回検出方法であって、予め、転回開始前の被転回材の短軸断面の高さHと巾Wからその対角長さL1を算出し、次に、テレビカメラ及び画像演算装置を用いて、前記被転回材の短軸方向の転回開始前の投影平面位置X1(x1,x0)、転回中の最大投影平面長さL2max(x3からx4までの距離)及び転回終了後の投影平面位置X2(x5,x4)をそれぞれ計測し、その後、転回判断装置を用いて下記(1)式及び(2)式の条件を共に満足する時を、圧延材の転回完了と判断することを特徴とする。
【0009】(1)式 L1=L2max(2)式 |X1−X2|≧H【0010】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施の形態における検出装置の一例を示し、(a)は側面図、(b)は平面図である。
【0011】1は圧延材、2は前面搬送テーブル、8は後面搬送テーブル、3は圧延機、例えば、形鋼圧延設備等のブレークダウンミルを示す。
【0012】前面搬送テーブル2及び後面搬送テーブル8は、それぞれ複数のロールから構成され、各ロールは、図示されていない駆動装置により正転あるいは逆転する。したがって、圧延材1は、前面搬送テーブル2及び後面搬送テーブル8間を圧延機3を介して前後に複数回搬送され、その後、サイドガイド9及びチルチングフック10により圧延材1を長軸回りへ90度転回させ、その後、ブレークダウンミルの異なる孔形へ複数パス圧延し、以上の工程の繰り返しにより所望の形状をした粗製品が製造される。
【0013】4はテレビカメラであって、圧延材1を転回させるサイドガイド9及びチルチングフック10が配設されている前面搬送テーブル2の上方に設けられ、圧延材1の転回開始から終了までを映像信号として撮影する。本例は、前面搬送テーブル2上での転回検出例を示しているが、後面搬送テーブル8においても同様の構成となっている。
【0014】5は、前記テレビカメラ4で撮影された映像信号から、後述する圧延材1の短軸方向の転回開始前平面位置X1、転回終了時平面位置X2及び転回中の最大投影長さL2maxを計測する画像演算装置を示し、テレビカメラ4と電気的に接続されている。
【0015】6は、画像演算装置5と電気的に接続されている転回判断装置であり、前記画像演算装置5で計算された転回開始前平面位置X1、転回終了時平面位置X2及び転回中の最大投影長さL2maxから、後述する圧延材の転回完了を判断する後記の転回判断ロジックを内蔵した転回判断装置を示す。
【0016】7は、前記画像演算装置5と転回判断装置6に、1回の転回開始及び転回終了のタイミングをインプットするタイミング発生装置7である。
【0017】図2は、本発明の実施の形態における転回判断ロジックの判断フロー図であり、工程1〜工程7において圧延材の転回有無の検出が行われる。
【0018】図3は図1(a)のA−A矢視図を表し、転回開始前の被転回材の軸断面の高さHと巾Wは、図示しない圧延機の付帯機器である材料情報トラッキング用計算機等よりその数値を入手し、その後、当該数値を転回判断装置6にインプットし、転回判断装置6では導入された高さHと巾Wからその対角長さL1を下記式で、算出し、本装置内に予め記憶される。
【0019】L=(H2十W21/2 (図2の判断フローにおける工程1)
図4は図3のB−B矢視図を示す。
【0020】図4(a)は本発明の実施の形態による被圧延材の短軸方向の転回開始前平面位置X1を示すものであり、X1は、鋼材の両エッジ位置のX1座標としてそれぞれWS=x1、DS=x0としてテレビカメラ4の映像信号をもとに画像演算装置5にて計算される。(図2の判断フローにおける工程2)。
【0021】図4(b)は本発明の実施の形態による被圧延材の短軸方向の最大投影長さL2maxを計測するものであり、図2の判断フローにおける工程3に示すように、被転回材を転回作動するチルチングフック(例、油圧シリンダー)の作動信号を受信するタイミング発生装置7から被転回材1の短軸方向の転回開始〜転回終了の信号を受け、この間において、テレビカメラ4の映像信号をもとに画像演算装置5により、例えば、1/1000秒ごとにx3からx4までの距離が計測され、転回中の最大投影長さL2maxが検出される。
【0022】図4(c)は、本発明の実施の形態における被転回材の転回終了時平面位置X2を示すものであり、X2は、鋼材の両エッジ位置のX2座標としてそれぞれWS=x5、DS=x4としてテレビカメラ4の映像信号をもとに画像演算装置5にて計算される(図2の判断フローにおける工程4)。
【0023】以上の各工程における検出値等から以下の工程5〜工程7により被転回材の転回の有無が正確に判断される。
【0024】まず、図2の判断フローにおける工程5において、前記圧延材の短軸方向の転回開始前平面位置X1及び転回終了時平面位置X2のそれぞれのX座標位置の差の絶対値|X1−X2|が転回前の圧延材1の高さHより大きいか等しいかが判断され、小さければ転回が失敗と判断される。
【0025】|X1−X2|≧H・・・(2)式圧延材1は、転回中にスリップがあるため、上記の不等号となる。
【0026】次に、図2の判断フローにおける工程6において、予め算出された圧延材1の対角長さL1と転回中の最大投影長さL2maxとが等しいかが判断される。
【0027】L1=L2max・・・(1)式両者が等しくない場合には、転回が失敗と判断される。
【0028】以上により、判断フローにおける工程7に示すとおり、転回の成功は、前記のL1=L2max・・・(1)式|X1−X2|≧H・・・(2)式両式を共に満足したことをもって判断される。
【0029】
【発明の効果】簡単な方法により、圧延材の転回時の転回有無が容易に判断されるため、監視のためのオペレーターが不要となり、圧延工場における自動化が促進される。
【出願人】 【識別番号】000006655
【氏名又は名称】新日本製鐵株式会社
【出願日】 平成10年(1998)4月21日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】小堀 益 (外1名)
【公開番号】 特開平11−304427
【公開日】 平成11年(1999)11月5日
【出願番号】 特願平10−111104