| 【発明の名称】 |
車高センサ及び車両用前照灯光軸調整装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】北原 高秀
【氏名】浅倉 史生
【氏名】奥地 弘章
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| 【要約】 |
【課題】磁界を用いて車高を検出できるようにする。
【解決手段】交流磁界を発生する励磁コイル22と、その磁界を検出するピックアップコイル23とから車高センサ21を構成し、励磁コイル22をサスペンションアーム12に取り付け、ピックアップコイル23を励磁コイル22の上方に対向させるように車体16に取付具26を介して取り付ける。ピックアップコイル23の出力電圧からコイル22,23間の距離を求め、サスペンションアーム12のピックアップコイル23の取付位置を考慮して、コイル22,23間の距離から車高を算出する。ピックアップコイル23の取付位置を、サスペンションアーム12の車体16側の軸14から該サスペンションアーム12の長さの1/10〜1/2の範囲に設定すれば、車高センサ21の取付が容易で、且つ良好な検出精度を確保できる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車体の上下動に応じて上下動する可動部位と、これと上下方向に対向する車体側の固定部位のうちの一方の部位に、磁界を発生する磁界発生部を設置すると共に、他方の部位に、前記磁界発生部から発生する磁界を検出する磁界検出部を設置し、この磁界検出部で検出した磁界の強さから車高を検出することを特徴とする車高センサ。 【請求項2】 前記磁界発生部は、励磁コイルにより構成され、この励磁コイルに交流電流を流して交流磁界を発生させることを特徴とする請求項1に記載の車高センサ。 【請求項3】 前記磁界発生部と前記磁界検出部のいずれか一方をサスペンションアームに取り付けると共に、その取付位置を、前記サスペンションアームの車体側の軸から該サスペンションアームの長さの1/10〜1/2の範囲に設定したことを特徴とする請求項1又は2に記載の車高センサ。 【請求項4】 前記磁界発生部は、永久磁石により構成されていることを特徴とする請求項1に記載の車高センサ。 【請求項5】 前記磁界発生部から前記磁界検出部への磁界の経路を上下方向に伸縮可能な非磁性カバーで覆ったことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の車高センサ。 【請求項6】 前記磁界検出部を、前記磁界発生部側の面を除いて電磁シールドカバーで覆ったことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の車高センサ。 【請求項7】 車両の前照灯の光軸角度を自動調節する車両用前照灯光軸調整装置において、請求項1乃至6のいずれかに記載の車高センサを車両に設置し、前記車高センサで検出した車高から路面に対する車体の前後方向の傾き角度を演算する傾き角度演算手段と、この傾き角度演算手段の演算結果に基づいて前記前照灯の光軸角度を調節するアクチュエータとを備えていることを特徴とする車両用前照灯光軸調整装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、磁界を利用して車高を検出する車高センサ及びその車高センサの検出結果に基づいて前照灯の光軸角度を自動調節する車両用前照灯光軸調整装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来より、車高センサは、車両のサスペンション制御システムや車両用前照灯光軸調整装置において使用されている。従来の車高センサは、例えば、車体に対するサスペンションアームの上下方向の相対的変位を、両者間に連結したリンク機構によって回転角に変換して、その回転角の変化を角度センサで検出するものがある。この車高センサに用いられる角度センサは、リンク機構により磁石を回転させて、その磁石の回転による磁束変化を磁気検出素子で検出したり、或は、リンク機構によりスリット付き円板を回転させて、その円板の回転をフォトインタラプタで検出するようにしたものがある。 【0003】しかしながら、このようにサスペンションアームの上下方向の相対的変位をリンク機構で回転変位に変化して検出するシステムでは、サスペンションアーム上方の狭いスペースに、リンク機構の取付スペースやリンクが回転するためのスペースを確保しなければならず、設計自由度が低いばかりか、部品点数が多くなり、組立が面倒で、コスト高になるという欠点があった。 【0004】そこで、上記欠点を解消するために、特開平9−2148号公報に示すように車体に超音波センサを路面に対向させるように取り付け、超音波を路面に向けて発射し、路面からの反射波を受信するまでの伝搬時間を測定することで、その伝搬時間から車高を検出するようにしたものがある。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、超音波センサを用いて車高を検出するシステムでは、超音波を反射する路面の凹凸、雑草、積雪等の路面状態の影響を受けやすく、車高の検出誤差が大きくなるという欠点がある。この路面状態による誤差は車両の接地面であるタイヤ付近の路面を測定することによって軽減することができるが、タイヤ付近に超音波センサを設置した場合、スペースが狭いために、超音波センサをケース等で覆うことができないので、雨滴、泥が超音波センサに付着することによる超音波センサの送受信性能の低下が問題となる。 【0006】本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、従ってその目的は、リンク機構を用いないコンパクトな構成で、路面状態や雨滴、泥付着の影響を受けずに車高を精度良く検出でき、車高検出精度向上、装置のコンパクト化、組付容易化、低コスト化の要求を満たすことができる車高センサ及び車両用前照灯光軸調整装置を提供することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明の請求項1の車高センサは、車体の上下動に応じて上下動する可動部位と、これと上下方向に対向する車体側の固定部位のうちの一方の部位に、磁界を発生する磁界発生部を設置すると共に、他方の部位に、前記磁界発生部から発生する磁界を検出する磁界検出部を設置し、この磁界検出部で検出した磁界の強さから車高を検出するものである。このようにすれば、リンク機構を用いずに磁界によって車高を検出でき、装置のコンパクト化、組付容易化、低コスト化の要求を満たすことができる。しかも、従来の超音波式の車高センサと異なり、路面状態や雨滴、泥付着の影響を受けずに車高を検出でき、車高検出精度を向上することができる。 【0008】この場合、請求項2のように、磁界発生部は、励磁コイルにより構成し、この励磁コイルに交流電流を流して交流磁界を発生させ、磁界検出部で交流磁界を検出するようにすると良い。交流磁界であれば、磁界発生部に砂鉄等の磁性物が吸着されることを防止でき、磁性物吸着による磁界の減少を防止できる。 【0009】ところで、この磁界式の車高センサの出力特性は、磁界発生部と磁界検出部との間の距離(以下「検出距離」という)に反比例するため、この検出距離が短くなるほど、センサ感度(1mm変位したときのセンサ出力の変化量)が大きくなり、逆に、検出距離が長くなるほど、センサ感度が小さくなる。また、磁界発生部と磁界検出部のいずれか一方をサスペンションアームに取り付ける場合には、その取付位置が車体に近くなるほど(即ち車輪から離れるほど)、取付位置でのサスペンションアームの変化量は小さくなるため、車高センサの最大検出距離も短くなり、最大車高変位時のセンサ感度が大きくなる。逆に、車体から離れるほど(即ち車輪に近くなるほど)、サスペンションアームの変化量は大きくなるため、車高センサの最大検出距離も長くなり、最大車高変位時のセンサ感度が小さくなる。 【0010】このような特性を考慮し、請求項3のように、磁界発生部と磁界検出部のいずれか一方をサスペンションアームに取り付ける場合には、その取付位置を、サスペンションアームの車体側の軸から該サスペンションアームの長さ(以下「アーム長さ」と略記する)の1/10〜1/2の範囲に設定すると良い。 【0011】図8に示すように、取付位置による検出感度(実際の車高の単位変化量当りのセンサ出力)の変化は、車体側の軸からアーム長さの1/10程度の位置で最大となるが、取付位置がアーム長さの1/10よりも車体側の軸に近付くと、車体側の軸の支持部が邪魔になって取付が困難になるため、取付位置をアーム長さの1/10以上とする必要がある。また、アーム長さの1/10以上の範囲では、取付位置が車体側の軸から遠くなるほど(即ち車輪に近くなるほど)、実際の車高の単位変化量に対するセンサ出力の変化が少なくなり、センサ出力処理回路の精度が要求されるようになる。以上のような特性を考慮して、取付位置をアーム長さの1/10〜1/2の範囲に設定すれば、車高センサの取付が容易で、且つ良好な検出精度を確保できる。 【0012】また、請求項4のように、磁界発生部を永久磁石により構成しても良い。このようにすれば、磁界発生部を安価に構成できる。 【0013】この場合、請求項5のように、磁界発生部から磁界検出部への磁界の経路を上下方向に伸縮可能な非磁性カバーで覆った構成とすることが好ましい。このようにすれば、磁界発生部が永久磁石であっても、磁界発生部の磁界発生面への砂鉄等の磁性物の吸着を非磁性カバーで防止することができ、磁性物吸着による磁界の減少を防止できる。 【0014】ところで、車両には、オルタネータ等、磁界が外部に漏れる電装部品が搭載されているため、車両の前輪付近等、磁界が外部に漏れる電装部品に比較的近い位置に車高センサを設置する場合には、その電装部品からの磁界が磁界検出部に影響して、磁界検出部の出力信号にノイズが重畳するおそれがある。この対策として、請求項6のように、磁界検出部を、磁界発生部側の面を除いて電磁シールドカバーで覆うようにしても良い。このようにすれば、磁界検出部への外部の磁界の侵入を電磁シールドカバーで遮断でき、磁界検出部の出力信号のSN比を向上できる。 【0015】以上説明した本発明の車高センサを車両用前照灯光軸調整装置に適用する場合には、請求項7のように、車両に設置した車高センサで検出した車高から路面に対する車体の前後方向の傾き角度を傾き角度演算手段により演算し、その演算結果に基づいて前照灯の光軸角度をアクチュエータにより調整するようにすれば良い。このようにすれば、前述した特開平9−2148号公報に示す超音波センサを用いた前照灯光軸調整装置とは異なり、路面状態や雨滴、泥付着の影響を受けずに車体の前後方向の傾き角度を精度良く検出でき、前照灯の光軸角度の調整精度を向上できる。 【0016】 【発明の実施の形態】[実施形態(1)]以下、本発明を車両用前照灯光軸調整装置に適用した実施形態(1)を図1乃至図8に基づいて説明する。図1に示すサスペンション装置11は、例えばウイッシュボーン型のサスペンション装置であり、上下2本のサスペンションアーム12,13の一端が軸14,15を介して車体16に上下回動自在に取り付けられている。このサスペンションアーム12,13の他端に連結部材17を介して車輪18が取り付けられ、車輪18の上下動に応じてサスペンションアーム12,13が軸14,15を支点にして上下回動するようになっている。下側のサスペンションアーム13と車体16との間に、緩衝用のコイルスプリング19とショックアブゾーバ20が設けられている。 【0017】次に、車高センサ21の構成を説明する。車高センサ21は、交流磁界を発生する磁界発生部としての励磁コイル22と、その磁界を検出する磁界検出部としてのピックアップコイル23とを備え、両コイル22,23は、それぞれコア24,25に巻回されている。励磁コイル22は、下側のサスペンションアーム12に取り付けられ、ピックアップコイル23は、励磁コイル22の上方に対向するように車体16に取付具26を介して取り付けられている。更に、ピックアップコイル23は、励磁コイル22側の面(下面)を除いて電磁シールドカバー27で覆われている。励磁コイル22と励磁コイル22との間の距離は、車高が最低になった時に、両コイル22,23が衝突しないように設定されている。 【0018】また、励磁コイル22の取付位置は、サスペンションアーム12の車体16側の軸14から該サスペンションアーム12の長さ(以下「アーム長さ」と略記する)の1/10〜1/2の範囲、より好ましくは1/10〜2/5の範囲に設定すると良い。この理由については後述する。 【0019】次に、図2に基づいて励磁コイル22を駆動する励磁コイル駆動回路41の構成を説明する。励磁コイル駆動回路41は、安定化電源回路42、正弦波形(交流波形)を発生する正弦波発生回路43と、励磁コイル22に正弦波電流を流すためのドライバ回路44とから構成されている。安定化電源回路42は、スイッチングレギュレータ45を用いて構成され、バッテリ電圧のような比較的高い電源電圧Vbを安定化電源電圧Vcに変換する。 【0020】正弦波発生回路43は、安定化電源電圧Vcで動作する発振回路部46、フィルタ部47及び増幅回路部48から構成されている。発振回路部46は3個のインバータU2を用いて構成したCR発振回路(無安定マルチバイブレータ)であり、抵抗R2とコンデンサC3で決定される周波数fで、0−Vc[V]の矩形波をフィルタ部47に出力する。ここで、周波数fは任意の周波数で良い。 【0021】フィルタ部47は抵抗R3〜R6とコンデンサC4〜C7とを接続して成るローパスフィルタであり、発振回路部46から出力される矩形波から高調波成分を除去し、Vcの中点電位で直流バイアスされた次式の正弦波電圧V1を増幅回路部48に出力する。 V1=Vi・sin (2πft)+Vc/2ここで、Viは、正弦波の振幅である。 【0022】増幅回路部48では、直流バイアス分Vc/2が増幅されないようにオペアンプU4によりオフセット電圧Vc/2を加えながら、オペアンプU3、抵抗R7,R9による非反転増幅回路で増幅し、次式の電圧V2を出力する。 V2=Vo・sin (2πft)+Vc/2ここで、Vo=(1+R9/R8)・Viである。 【0023】ドライバ回路44では、コンデンサC9により直流バイアス分Vc/2をカットし、抵抗R13,R14の抵抗比で安定化電源電圧Vcを分圧して生成した直流バイアス電圧Vdを新たに加えて、次式の正弦波電圧V3をオペアンプU5の十入力端子に入力する。 V3=Vo・sin (2πft)+Vd【0024】オペアンプU5の出力端子は、励磁コイル22の通電路中に設けられたトランジスタQ1のベースに接続され、このトランジスタQ1によって電源Vbから励磁コイル22に流れる電流が制御される。励磁コイル22に流れる電流は、励磁コイル22の通電路中に設けられた抵抗R15によって検出され、その抵抗R15に生じる電圧がオペアンプU5の−入力端子に入力される。これにより、オペアンプU5は、十入力端子に入力された正弦波電圧V3と抵抗R15に生じた電圧が常に等しくなるようにトランジスタQ1のオン/オフを制御し、励磁コイル22に次式の電流Iが流れる。 【0025】 I={Vo・sin (2πft)+Vd}/R15=Vo/R15・sin (2πft)+Vd/R15ここで、第1項はVo/R15・sin (2πft)の正弦波電流であり、第2項はVd/R15の直流バイアス電流である。直流バイアス分をVc/2からVdにするのは、直流バイアス電流が変動するのを防止するためである。この正弦波電流により励磁コイル22は電流に比例した交流磁界を発生する。 【0026】以上のように構成された励磁コイル駆動回路41は、励磁コイル22に流れる正弦波電流の振幅がVo/R15で固定されるため、励磁コイル22の一端に接続された電源電圧Vbが変動しても励磁電流が変化しない利点がある。 【0027】次に、図3に基づいてピックアップコイル23の出力信号を処理するセンサ出力処理回路50の構成を説明する。センサ出力処理回路50は、安定化電源回路51、オフセット回路52、最大値側ピークホールド回路53、最小値側ピークホールド回路54、差動増幅回路55から構成されている。安定化電源回路51は、定電圧電原回路56を用いて構成され、バッテリ電圧等の電源電圧Vbを安定化電源電圧Vfに変換する。 【0028】励磁コイル22で発生した交流磁束がピックアップコイル23に鎖交すると、ピックアップコイル23に次式の誘導起電力V4が発生する。 V4=k×Io・cos (2πft) ここで、kは比例定数、Io=2πf×Vo/R15である。 【0029】オフセット回路52は、抵抗R2,R3の抵抗比で安定化電源電圧Vfを分圧して直流バイアス電圧Veを生成し、この直流バイアス電圧Veをピックアップコイル23から出力される誘導起電力V4に印加して、誘導起電力V4を直流バイアス電圧Ve分だけオフセットさせ、次式の電圧V5を最大値側ピークホールド回路53と最小値側ピークホールド回路54に入力する。 V5={k×Io・cos (2πft)}+Ve【0030】最大値側/最小値側ピークホールド回路53,54は、それぞれ2個のオペアンプU2,U3とU4,U5によって、入力電圧V5に応じてホールドコンデンサC4,C5に充電する。最大値側/最小値側ピークホールド回路53,54はダイオードD1,D2の向きを逆向きとすることで、最大値側ピークホールド回路53のホールドコンデンサC4に、入力電圧V5の最大値Vmax (ピーク値)をホールドし、最小値側ピークホールド回路54のホールドコンデンサC5に、入力電圧V5の最小値Vmin (ボトム値)をホールドする。各ホールドコンデンサC4,C5には、それぞれ放電抵抗R10,R11が並列に接続され、各ホールドコンデンサC4,C5に充電された電荷は、それぞれC4×R10,C5×R15の時定数でゆっくり放電する。従って、放電抵抗R10,R11を適当な大きさとすることで、入力電圧V5の最大値Vmax (ピーク値)と最小値Vmin(ボトム値)を連続的に検出することができる。 【0031】差動増幅回路55は、最大値側/最小値側ピークホールド回路53,54から入力される最大値Vmax と最小値Vmin との差分を増幅し、センサ出力Vout として出力する。 【0032】ピックアップコイル23に誘導される電圧V4、ひいては、センサ出力Voutは、励磁コイル22とピックアップコイル23との間の距離の3乗に反比例するため、センサ出力Vout からコイル22,23間の距離を求めることができる。図6は、コイル22,23間の距離に対するセンサ出力Vout の変化特性の一例を示す。 【0033】以上のように構成した車高センサ21は、図4に示すように、車両28の運転席側の前輪18aと後輪18bに1個ずつ設置されている。各車高センサ21の出力Vout は、電子制御回路(以下「ECU」と表記する)29に取り込まれる。このECU29は、マイクロコンピュータを主体として構成され、後述する図5の前照灯光軸制御プログラムを実行することで、各車高センサ21の出力Vout から路面30に対する車体16の前後方向の傾き角度を演算し、その演算結果に基づいてアクチュエータ31を制御して前照灯32内の光反射板33の角度を調整することで、前照灯32の光軸角度を調節する。 【0034】図5の前照灯光軸制御プログラムは、イグニッションスイッチ(図示せず)のオン後に所定時間毎に起動される。本プログラムが起動されると、まず、ステップ101で、車両前後の車高センサ21の出力Vout をA/D変換器(図示せず)を介してECU29に読み込む。次のステップ102で、車輪速センサ(図示せず)からの車速データの変化に基づいて車両の加速度を算出する。 【0035】この後、ステップ103に進み、ECU29内のROM(図示せず)に予め記憶された例えば図6に示すセンサ出力特性マップを参照して、センサ出力Voutから励磁コイル22とピックアップコイル23との間の距離を求め、サスペンションアーム12に対するピックアップコイル23の取付位置を考慮して、コイル22,23間の距離から車高を算出する。このようにして、車両前後の車高センサ21の出力Vout から算出した車両前後の車高値と車軸間距離(車両前後の車高センサ21間の距離)とに基づいて車体16の前後方向の傾き角度を算出する。このステップ103の処理は、特許請求の範囲でいう傾き角度演算手段としての役割を果たす。 【0036】そして、次のステップ104で、車体傾き角度、車速及び加速度から制御モードを決定する。各制御モードとその判定条件及び各制御モードの制御方法の一例を次の表1に示す。 【0037】 【表1】
【0038】この後、ステップ105に進み、各制御モードに応じてアクチュエータ31の目標値を算出し、次のステップ106で、前照灯スイッチ(図示せず)がオンか否かを判定し、オンであれば、ステップ106に進み、アクチュエータ31を目標値に駆動して光反射板33の角度を調整することで、前照灯32の光軸角度を調節する。もし、前照灯スイッチがオフであれば、アクチュエータ31を駆動することなく、本プログラムを終了する。以後、本プログラムを所定時間毎に実行することで、その時の車体傾き角度、車速及び加速度に応じて前照灯32の光軸角度を調節する。 【0039】次に、車高センサ21の取付位置について考察する。車軸上での車高の変化範囲は、例えば、一80mm(車高が下がる方向の最大変化量)〜+50mm(車高が上がる方向の最大変化量)である。励磁コイル22とピックアップコイル23は、車高変化0mm時にコイル中心軸が等しく且つ上下に対向するように車体16とサスペンションアーム12に取り付けられている。 【0040】ここで、サスペンションアーム12の長さ(アーム長さL)に対する車体16側の軸14からピックアップコイル23までの距離Pの比率P/Lを“取付位置”と定義すると、図7に示すように、取付位置に比例して車高センサ21の検出すべき最大の距離(最大検出距離)が変化する。つまり、取付位置が小さくなるほど(車体16側に近くなるほど)、取付位置でのサスペンションアーム12の変化量が小さくなるため、最大検出距離は小さくなり、逆に、取付位置が大きくなるほど(車輪18側に近くなるほど)、取付位置でのサスペンションアーム12の変化量が大きくなるため、最大検出距離は大きくなる。 【0041】また、磁界式の車高センサ21の出力特性は、図6に示すように、コイル22,23間の距離が長くなるほど、センサ出力の変化が少なくなり、センサ感度(センサ位置での車高の単位変化量当りのセンサ出力であり、出力特性曲線の傾きから求められる)が小さくなる特徴がある。従って、車高が最大に変位したときにセンサ感度が最小となる。センサ感度の最小値は、図7に示すように、取付位置が大きくなるほど、小さくなる。 【0042】取付位置による検出感度(実際の車高の単位変化量当りのセンサ出力)の変化は、センサ感度と取付位置を乗算することにより求めることができ、図8に示すような特性となる。この図8の特性図から明らかなように、取付位置による検出感度の変化は、取付位置がほぼ0.1で最大となるが、取付位置がこれよりも車体16側に近付くと、車体16側の軸14の支持部が邪魔になって取付が困難になるため、取付位置を0.1以上とする必要がある。また、取付位置が0.1以上の範囲では、取付位置が車体16側の軸14から遠くなるほど(即ち車輪18に近くなるほど)、検出感度が小さくなり、センサ出力処理回路50の精度が要求されるようになる。 【0043】このような特性を考慮して、取付位置を0.1〜0.5の範囲、より好ましくは0.1〜0.4の範囲に設定すれば、車高センサ21の取付が容易で、且つ、分解能に対するセンサ出力の変化も十分に確保でき、良好な検出精度を確保できる。 【0044】以上説明した本実施形態(1)の車高センサ21では、リンク機構を用いずに磁界によって車高を検出でき、装置のコンパクト化、組付容易化、低コスト化の要求を満たすことができる。しかも、従来の超音波式の車高センサと異なり、路面状態や雨滴、泥付着の影響を受けずに車高を検出でき、車高検出精度を向上することができる。 【0045】また、本実施形態(1)では、車両28に、オルタネータ等、磁界が外部に漏れる電装部品が搭載されていることを考慮して、ピックアップコイル23を、励磁コイル22側の面(上面)を除いて電磁シールドカバー27で覆っているので、ピックアップコイル23への外部の磁界の侵入を電磁シールドカバー27で遮断でき、センサ出力のSN比を向上できる。 【0046】尚、後輪18b側の車高センサ21の近くには、磁界が外部に漏れるような電装部品が搭載されていないため、後輪18b側の車高センサ21は、電磁シールドカバー27を省略しても良い。要は、車両の前輪18a近傍等、磁界が外部に漏れる電装部品に比較的近い位置に車高センサ21を設置する場合に、ピックアップコイル23に電磁シールドカバー27を装着すれば良い。 【0047】以上説明した実施形態(1)では、励磁コイル22をサスペンションアーム12に取り付け、ピックアップコイル23を車体16に取り付けたが、これとは反対に、励磁コイル22を車体16に取り付け、ピックアップコイル23をサスペンションアーム12に取り付けるようにしても良い。 【0048】[実施形態(2)]図9に示す本発明の実施形態(2)について、前記実施形態(1)と異なる部分を説明する。車高センサ61は、サスペンションアーム12に磁界発生部として永久磁石62を取り付け、この永久磁石62の上方に、永久磁石62の磁界を検出する磁界検出部としてホール素子、磁気抵抗素子等の磁気検出素子63を配置している。永久磁石62は、例えばSmCo系の磁石を用いると良い。SmCo系の磁石は、温度特性が良く、磁界強度も大きいためである。但し、検出距離が短い場合や、使用温度範囲が狭い場合には、フェライト、ネオジウム系の磁石を用いても良い。 【0049】一方、磁気検出素子63は、回路基板64に組み付けられ、この回路基板64が車体16に取付具26を介して取り付けられている。この磁気検出素子63と回路基板64は、永久磁石62側の面(下面)を除いて電磁シールドカバー65で覆われている。 【0050】尚、磁気検出素子63の感度が小さい場合には、磁気検出素子63の背面側(上側)に、ケイ素鋼板やフェライト等により形成した磁性体コア(図示せず)を配置しても良い。このようにすれば、永久磁石62からの磁束を磁性体コアに集めて、磁気検出素子63に鎖交する磁束を増加させることができ、磁気検出素子63の感度を大きくすることができる。 【0051】この場合、永久磁石62の取付位置は、前記実施形態(1)のピックアップコイル23の取付位置と同じく、サスペンションアーム12の車体16側の軸14から該サスペンションアーム12の長さの1/10〜1/2の範囲、より好ましくは1/10〜2/5の範囲に設定すると良い。永久磁石62と磁気検出素子63及び回路基板64は、一括して1つの非磁性カバー66で覆われている。この非磁性カバー66は、サスペンションアーム12の上下動に応じて上下方向に伸縮できるように蛇腹状に形成されている。 【0052】以上のように構成された車高センサ61は、永久磁石62と対向する磁気検出素子63が、永久磁石62からの磁界強度に比例した電圧を発生する。この磁気検出素子63に到達する磁界の強度は、永久磁石62と磁気検出素子63との間の距離に反比例する関係があるため、磁気検出素子63は、永久磁石62との間の距離に応じた電圧を発生する。従って、この磁気検出素子63の出力電圧から永久磁石62と磁気検出素子63との間の距離を算出することができ、この距離と永久磁石62の取付位置とから車高を求めることができる。 【0053】ところで、前記実施形態(1)では、励磁コイル22で交流磁界を発生するため、磁界発生部(励磁コイル22)に砂鉄等の磁性体のゴミが吸着されることを防止できるが、本実施形態(2)では、永久磁石62で直流磁界を発生するため、永久磁石62に砂鉄等の磁性物が吸着されやすくなり、その磁性物吸着により磁界強度が低下して、車高の検出精度が低下するおそれがある。 【0054】この対策として、本実施形態(2)では、永久磁石62と磁気検出素子63とを一括して蛇腹状の非磁性カバー66で覆っているので、永久磁石62への砂鉄等の磁性物の吸着を非磁性カバー66で防止することができ、磁性物吸着による磁界の減少を防止できて、検出精度の低下を防止できる。また、磁界発生部として永久磁石62を用いているので、前記実施形態(1)のような駆動回路が不要となり、回路構成を簡素化できる利点もある。その他、本実施形態(2)においても、前記実施形態(1)と同じ効果を得ることができる。 【0055】以上説明した実施形態(2)では、永久磁石62をサスペンションアーム12に取り付け、磁気検出素子63を車体16に取り付けるようにしたが、これとは反対に、永久磁石62を車体16に取り付け、磁気検出素子63をサスペンションアーム12に取り付けるようにしても良い。 【0056】また、実施形態(1),(2)において、車高センサを取り付ける位置は、下側のサスペンションアーム12に限定されず、車体16の上下動に応じて上下動する可動部位であれば良く、例えば、上側のサスペンションアーム13、ショックアブゾーバ20等に車高センサを取り付けても良い。また、車高センサ21,61を取り付けるサスペンション装置は、図1や図9に示すようなウイッシュボーン型のサスペンション装置に限定されず、例えば、コイルスプリング型、ストラット型、マルチリンク型等の種々の型式のサスペンション装置に取り付けることが可能である。 【0057】また、本発明の車高センサの適用範囲は、車両用前照灯光軸調整装置に限定されず、例えば、サスペンション制御装置、車高制御装置等に本発明の車高センサを適用しても良い。また、本発明の車高センサを車両の左右両輪に取り付けて、車体の左右方向の傾き角度(ロール角度)を検出するようにしても良い。 【0058】また、前記実施形態(1)においても、実施形態(2)と同じく、励磁コイル22とピックアップコイル23とを上下方向に伸縮可能な非磁性カバーで覆った構成としても良い。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004260 【氏名又は名称】株式会社デンソー 【識別番号】000004695 【氏名又は名称】株式会社日本自動車部品総合研究所
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)4月27日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】加古 宗男
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| 【公開番号】 |
特開平11−304407 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)11月5日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−116653 |
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