| 【発明の名称】 |
シート厚み計測装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】井上 伸夫
【氏名】新保 雄一朗
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| 【要約】 |
【課題】計測の基準面を形成する計測ドラムが熱膨張や計測部基準面にズレを起こしても、これらに左右されることなく、超薄形のシート状体であっても精度良くその厚みを計測することが可能なシート厚み計測装置を提供することを目的とする。
【解決手段】回転するほぼ真円断面の計測ドラム2上に載置されて順次供給されるシート1の厚みを、該シート1の厚み方向に所定幅Hを有するレーザー光線の前記シート1による遮断量hを求めることによって計測するレーザー式センサーB1、B2を備えたシート厚み計測装置において、被計測物である前記シート1の両側に計測ドラム2の外周基準面を計測するレーザー式センサーA1、A2およびC1、C2を設置したことを特徴とするものである。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 回転するほぼ真円断面の計測ドラム上に載置されて順次供給されるシートの厚みを、該シートの厚み方向に所定幅を有するレーザー光線の前記シートによる遮断量を求めることによって計測するレーザー式センサーを備えたシート厚み計測装置において、被計測物である前記シートの両側に計測ドラムの外周基準面を計測するレーザー式センサーを設置したことを特徴とするシート厚み計測装置。 【請求項2】 前記計測は計測ドラムにおいて所定数に等分された定点毎に行なわれ、これらの定点毎に前記計測ドラムの外周基準面を設定する計測値処理手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載のシート厚み計測装置。 【請求項3】 前記レーザー式センサーまたは計測ドラムを上下動可能にして、シートの供給を円滑に行えるように構成したことを特徴とする請求項1または2に記載のシート厚み計測装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、2mm程度のタイヤのインナーゴムシート等からさらに0.3mm程度の超薄形のシート状体までの圧延直後の厚さの精密な計測が行なえるレーザー式センサーを備えたシート厚み計測装置に関する。 【0002】 【従来の技術】タイヤのインナーゴムシート等の厚みを圧延直後に精度良く計測することで、これを圧延工程にフィードバックしてゴムシート等の厚みをより正確なものとする様々な努力がなされている。近年では、種々の用途に対応できる0.3mm程度の超薄形のシート状体も製作されるようになってきており、これらの超薄形のシート状体の厚みを圧延直後の温かい状態にて精度良く計測することが要求されている。図5は、このような要求に応えるものとして開発されたものである。このものは、出来るだけ精度の高い基準ロールとしてのほぼ真円断面の回転する計測ドラム12上に、該計測ドラム12の回転駆動に伴う摩擦駆動によって計測ドラム12の上に載置されて順次供給されるゴムシート11等のシート状体の厚みを、該シート11の厚み方向に所定幅Hを有するレーザー光線の前記シート11による遮断量hを求めることによって計測するレーザー式センサーを備えたものである。レーザー式センサーは、一対の発光部B1と受光部B2とから構成され、受光部B2において計測される遮断量hからシート11の厚みを無接触にて計測することができるものである。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような従来のシート厚み計測装置にあって、厚み計測の基準となる計測ドラム12の真円度を精密に仕上げておくことは当然であるが、被計測物であるゴムシート等11が圧延直後の比較的高い温度を保有して計測ドラム12に供給されてくるために、計測中に計測ドラム12が熱膨張を起こしてしまい、計測の基準面を形成する計測ドラム12の外径が不定となる。これによって、折角、計測ドラム12の真円度を精密に仕上げたとしても計測精度の低下は免れないものとなる他、また、計測ドラムを支持するベアリングの精度によっては計測ドラム自体に回転ブレが発生したり、レーザーセンサーまたは計測ドラムを上下に移動させることでの計測精度の低下は免れないものとなっていた。このような弊害は、被計測物であるゴムシート等11が超薄形の場合には特に顕著であった。 【0004】そこで本発明では、以上述べてきたような従来のシート厚み計測装置の課題を解決して、計測の基準面を形成する計測ドラムが熱膨張や測定部基準面にズレを起こしても、これらに左右されることなく、超薄形のシート状体であっても精度良くその厚みを計測することが可能なシート厚み計測装置を提供することを目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】このため本発明では、回転するほぼ真円断面の計測ドラム上に載置されて順次供給されるシートの厚みを、該シートの厚み方向に所定幅を有するレーザー光線の前記シートによる遮断量を求めることによって計測するレーザー式センサーを備えたシート厚み計測装置において、被計測物である前記シートの両側に計測ドラムの外周基準面を計測するレーザー式センサーを設置したことを特徴とするものである。また本発明は、前記計測は計測ドラムにおいて所定数に等分された定点毎に行なわれ、これらの定点毎に前記計測ドラムの外周基準面を設定する計測値処理手段を備えたことを特徴とするものである。また本発明は、レーザー式センサーまたは計測ドラムを上下動可能にして、シートの供給を円滑に行えるように構成したことを特徴とするもので、これらを課題解決のための手段とするものである。 【0006】 【実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1および図2は、本発明のシート厚み計測装置の1実施の形態を示す図で、図1(A)はシート厚み計測装置の全体斜視図、図1(B)は厚み計測部の側面図、図1(C)は基準面計測部の側面図、図2は計測ドラムが熱膨張した状態および測定部基準面がズレた状態の計測部の拡大側面図である。図3および図4は計測値処理手段フロー図である。本発明のシート厚み計測装置は、回転するほぼ真円断面の計測ドラム2上に載置され摩擦駆動によって順次供給される圧延直後の高い温度にあるゴムシート1等のシート状体の厚みを、該シート1の厚み方向に所定幅H0を有するレーザー光線の前記シート1による遮断量hを求めることによって計測するものである。図1(A)および図1(B)に示すように、ゴムシート1の厚み方向に所定幅H0を有するレーザー光線を照射および受光するレーザー式センサーBは、一対の発光部B1と受光部B2とから構成され、受光部B2において計測される遮断量hからシート1の厚みを無接触にて計測することができるものである。実際はレーザー光の下端部は図示のように計測ドラム2の上面よりも僅かに下方にかかるように投光される(つまりH0−H分だけ)。 【0007】本発明では、被計測物である前記シート1の両側において計測ドラム2の外周基準面を計測する一対のレーザー式センサーA1、A2およびC1、C2を設置したことを特徴とするものである。図1(C)は、これら基準面計測部のレーザー式センサーA、Cの計測面での側面図を示し、計測を開始する時点で、計測ドラム2の外径をレーザー受光幅Hにより算出し、図示省略のメモリー装置に記録しておく。 【0008】このように構成されたシート厚み計測装置によってゴムシート1の厚み計測を開始すると、圧延直後にある比較的高温のゴムシート1が計測ドラム2に供給され、図2(A)に示すように、計測ドラム2は徐々に熱膨張してその半径がδだけ増大する(一点鎖線)。この熱膨張による計測ドラム2の半径の増大は、厚み計測部におけるレーザー式センサーBの計測部はもとより基準面計測部におけるレーザー式センサーA、Cの計測部にも生じている。このようなことから、前述したように基準面計測部におけるレーザー式センサーA、Cの厚み方向の所定幅Hの変化を読み取ることにより計測ドラム2の熱膨張による増大した半径δを容易に計測することができる。また、計測を開始して次第にゴムシート1からの熱が計測ドラム2の軸方向両側に伝達されていくことにより、計測ドラム2の各部の外径は、図2(C)の状態から(D)さらには(E)の状態へと移行していく。そして、ついには計測ドラム2をその両端部にて回転自在に支持するベアリングにまで及び、ベアリングの精度によって計測ドラム2自体に回転ブレが発生する。この状態を示したのが図2(B)である。回転中に計測ドラム2の軸心の芯がブレた状態である。 【0009】本発明では、このような計測ドラム2の各部における熱の伝わり方が異なってもこれらを効果的に補正してシート部材の厚みを精度よく計測することを可能にしたもので、図3(A)に示すように、左右両側の基準面計測部におけるレーザー式センサーA、Cによるそれぞれの計測ドラム2の熱膨張や測定部基準面のズレによる増大した半径の各計測値の平均値算出値(所定回転数のデータの合計を所定回転数で除した移動平均法による)δA、δCの測定部基準面算出値(計測ドラム2の軸方向温度差から最大径部と最小径部との格差の中間点を基準面とする)である平均値δと、厚み測定部Bにおいてレーザー式センサーBによりゴムシート1の厚みおよび計測ドラム2の熱膨張および測定部基準面のズレによる増大した半径の計測値を含む遮断量hとの差分h−δからシート1の厚みを無接触にて計測することができるものである。このように構成されているので、計測ドラム2が被計測物であるゴムシート1等の熱膨張や測定部基準面のズレによって半径が増大して計測基準面が不定となっても、これらに何ら煩わされることなく、正確に測定値を補正して精密なシート状体の厚みの計測が可能となる。特に、被計測物であるシート状体が超薄形で計測ドラムの基準面の変動の影響を受け易い場合でも、これらの影響を受けることなく正確な厚み計測が可能となるので、その優れた効果が期待できる。 【0010】また、前記計測ドラム2の真円度が高く形成された場合でも、成型時の計測ドラム2およびベアリングの構成材質の均一度においてバラツキがないとは言えず、熱膨張による各部での歪み量に当然ながら差がでることは否定できないところから、そのため本発明では、前記計測部の左右両側の基準面計測部におけるレーザー式センサーA、Cによる基準面計測値の平均値を算出する他に、図2(A)に示すように、計測ドラム2における各点での熱膨張量が異なるところから、各点での計測を必要とし、前記計測は計測ドラム2において所定数に等分された定点毎(図示の例では円周上12等分に分割された各定点P0、P1、P2・・・P11)に行なわれるように構成し、これらの定点毎に前記計測ドラムの外周基準面を設定する計測値処理手段を備えたことを特徴とするものである。 【0011】図3(B)に示すように、基準面受光部A2、C2において、計測ドラム2の定点P0、P1・・・P11においてそれぞれ計測ドラム2の熱膨張および測定部基準面のズレによる半径の増大量δA0(受光部A2)・δB0(受光部C2)、δA1(受光部A2)・δB1(受光部C2)・・・・・δA11(受光部A2)・δB11(受光部C2)がそれぞれ計測され、定点P0におけるδA0とδB0との平均値δ0が測定部基準面算出手段にて算出され、以下同様に定点P1の平均値δ1・・・定点P11の平均値δ11が算出される。図3(C)に示すように、厚み計測受光部B2において、計測ドラム2の定点P0、P1・・・P11においてそれぞれ厚みおよび計測ドラム2の熱膨張および測定部基準面のズレによる半径の増大量h0、h1・・・・・h11がそれぞれ計測される。図3(D)に示すように、差分算出手段において、各定点P0、P1・・・P11毎のhとδとの差分を算出することにより各定点でのシート厚みho−δ0、h1−δ1、・・・、h11−δ11が算出される。 【0012】また、図4(A)に示すように、厚み計測受光部B2において、各定点P0、P1・・・P11毎に、1回転目の厚みおよび計測ドラム2の熱膨張および測定部基準面のズレによる半径の増大量h0−1、h1−1、・・・、h11−1を、2回転目の厚みおよび計測ドラム2の熱膨張および測定部基準面のズレによる半径の増大量h0−2、h1−2、・・・、h11−2を計測し、さらにN回転目の厚みおよび計測ドラム2の熱膨張および測定部基準面のズレによる半径の増大量h0−N、h1−N、・・・、h11−Nを計測し、平均値算出手段にてこれらN回転中における各定点毎の厚みおよび計測ドラム2の熱膨張および測定部基準面のズレによる半径の増大量の平均値h’0、h’1、・・・、h’11を算出する。図4(B)(C)に示すように、基準面受光部A2、C2において、各定点P0、P1・・・P11毎に、1回転目の計測ドラム2の熱膨張および測定部基準面のズレによる半径の増大量のそれぞれの平均値δ0−1、δ1−1、・・・、δ11−1を、同様に、2回転目の計測ドラム2の熱膨張および測定部基準面のズレによる半径の増大量δ0−2、δ1−2、・・・、δ11−2を計測し、さらにN回転目の計測ドラム2の熱膨張および測定部基準面のズレによる半径の増大量δ0−N、δ1−N、・・・、δ11−Nを計測し、平均値算出手段にてこれらN回転中における各定点毎の計測ドラム2の熱膨張および測定部基準面のズレによる半径の増大量の平均値δ’0A、δ’1A、・・・、δ’11Aおよびδ’0C、δ’1C、・・・、δ’11Cを算出する。 【0013】そして、図4(D)に示すように、これら基準面受光部A2とC2との各平均値を算出して基準面算出手段により基準面の変化量の平均値を算出する。そして、図4(E)に示すように、差分算出手段において、前述の図4(A)におけるN回転中における各定点毎の厚みおよび計測ドラム2の熱膨張および測定部基準面のズレによる半径の増大量の平均値h’0、h’1、・・・、h’11と、図4(B)(C)におけるN回転中における各定点毎の計測ドラム2の熱膨張および測定部基準面のズレによる半径の増大量の平均値δ’0、δ’1、・・・、δ’11との各差分を算出することにより、N回転中における各定点毎のシート厚みh’o−δ’0、h’1−δ’1、・・・、h’11−δ’11が算出される。必要なら、図4(F)に示すように、平均値算出手段によって、N回転中におけるこれらの各定点毎のシート厚みの平均値h’−δ’を算出すれば、計測ドラムN回転中における全ての定点での計測値を平均したシート厚みの平均値が判る。 【0014】以上、本発明の実施の形態について詳述したが、本発明の趣旨の範囲内で、計測ドラムの材質、その軸支形態、レーザー式センサーの型式およびそれらの設置形態(図示の例のように必ずしも計測ドラムの回転軸に直交させる必要はない。)、シート状体の供給方式、各計測値処理手段における算出方法等については適宜選定できるものである。 【0015】 【発明の効果】以上、詳細に述べたように、本発明によれば、被計測物であるシートの両側に計測ドラムの外周基準面を計測するレーザー式センサーを設置したので、計測ドラムが被計測物である圧延直後のゴムシート等の影響を受けて熱膨張やベアリングの不均一による測定部基準面のズレによって半径が増大して計測基準面が不定となっても、これらに何ら煩わされることなく、正確に測定値を補正して精密なシート状体の厚みの計測が可能となり、特に、被計測物であるシート状体が超薄形で計測ドラムの基準面の変動の影響を受け易い場合にあっても、これらの影響を受けることなく正確な厚み計測が可能となるので、その優れた効果が期待できる。 【0016】また、成型時の計測ドラムにおける構成材質の均一度にバラツキがあって熱膨張による各部での歪み量に差が生じる場合でも、本発明では、計測を計測ドラムにおいて所定数に等分された定点毎に行なように構成し、これらの定点毎に前記計測ドラムの外周基準面を設定する計測値処理手段を備えたことによって、これら計測ドラムにおける定点毎の所定の歪み量を基準面として選定することができ、計測ドラムにおける構成材質の均一度にバラツキがあって熱膨張による各部での歪み量に差が生じる場合でも正確に定点毎のシート状体の厚みを計測することが可能となる。このように、本発明によれば、計測の基準面を形成する計測ドラムが熱膨張を起こしても、これに左右されることなく、超薄形のシート状体であっても精度良くその厚みを計測することが可能なシート厚み計測装置が提供される。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005278 【氏名又は名称】株式会社ブリヂストン
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)3月3日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】永嶋 和夫
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| 【公開番号】 |
特開平11−248425 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)9月17日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−50729 |
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