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【発明の名称】 シリンダゲージ及びシリンダゲージの測定子
【発明者】 【氏名】大川 誠

【要約】 【課題】内部に障害物を有するシリンダの内径の測定を可能とする。

【解決手段】棒状に形成されたシリンダゲージ本体1と、シリンダゲージ本体1の一端側に設置され、シリンダゲージ本体1の長手方向とほぼ垂直な方向に移動可能な第1の測定子2aと、リング状に形成され、当該リング状の厚さ方向がシリンダゲージ本体1の長手方向とほぼ平行となり、第1の測定子2aがリング状の外周部近傍に位置するように、シリンダゲージ本体1の一端側に設置される第2の測定子10と、第1の測定子2aの移動状態をシリンダゲージ本体1の他端側に伝達する伝達手段と、シリンダゲージ本体1の他端側にて、伝達手段によって伝達された第1の測定子2aの移動状態に基づいて、シリンダの内径を表示する表示手段5とを具備したシリンダゲージ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 棒状に形成されたシリンダゲージ本体と、前記シリンダゲージ本体の一端側に設置され、前記シリンダゲージ本体の長手方向とほぼ垂直な方向に移動可能な第1の測定子と、リング状に形成され、当該リング状の厚さ方向が前記シリンダゲージ本体の長手方向とほぼ平行となり、前記第1の測定子が前記リング状の外周部近傍に位置するように、前記シリンダゲージ本体の一端側に設置される第2の測定子と、前記第1の測定子の移動状態を前記シリンダゲージ本体の他端側に伝達する伝達手段と、前記シリンダゲージ本体の他端側にて、前記伝達手段によって伝達された前記第1の測定子の移動状態に基づいて、シリンダの内径を表示する表示手段とを具備したことを特徴とするシリンダゲージ。
【請求項2】 請求項1記載のシリンダゲージにおいて、前記第2の測定子は、リング状に形成されている支持体と、前記支持体の中心に対して前記第1の測定子と対称となる位置に設けられた測定子部とからなることを特徴とするシリンダゲージ。
【請求項3】 棒状に形成されたシリンダゲージ本体と、前記シリンダゲージ本体の一端側に設置され、前記シリンダゲージ本体の長手方向とほぼ垂直な方向に移動可能な第1の測定子と、弧状に形成され、当該弧状の周方向が前記シリンダゲージ本体の長手方向とほぼ垂直となり、前記第1の測定子が前記弧状の一端側の外周部近傍に位置するように、前記シリンダゲージ本体の一端側に設置される第2の測定子と、前記第1の測定子の移動状態を前記シリンダゲージ本体の他端側に伝達する伝達手段と、前記シリンダゲージ本体の他端側にて、前記伝達手段によって伝達された前記第1の測定子の移動状態に基づいて、シリンダの内径を表示する表示手段とを具備したことを特徴とするシリンダゲージ。
【請求項4】 請求項3記載のシリンダゲージにおいて、前記第2の測定子は、弧状に形成されている支持体と、前記弧状の他端側の外周部近傍に設けられた測定子部とからなることを特徴とするシリンダゲージ。
【請求項5】 請求項2又は請求項4に記載のシリンダゲージにおいて、前記支持体に軽量な材質を用いたことを特徴とするシリンダゲージ。
【請求項6】 請求項1、請求項4又は請求項5のいずれか一項に記載のシリンダゲージにおいて、前記支持体は肉抜きされていることを特徴とするシリンダゲージ。
【請求項7】 請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のシリンダゲージにおいて、前記シリンダゲージ本体の一端側と、前記第2の測定子とは、嵌合により固定されていることを特徴とするシリンダゲージ。
【請求項8】 請求項1乃至請求項7いずれか1項に記載のシリンダゲージにおいて、前記シリンダゲージ本体の一端側と、前記第2の測定子とを接続する接続手段を付加したことを特徴とするシリンダゲージ。
【請求項9】 請求項8記載のシリンダゲージであって、前記シリンダゲージ本体の長手方向において、前記接続手段が、前記第2の測定子の幅内に存在するように形成されていることを特徴とするシリンダゲージ。
【請求項10】 請求項8又は請求項9に記載のシリンダゲージにおいて、前記シリンダゲージ本体と前記接続手段、及び前記第2の測定子と前記接続手段とがボルトにより接続されていることを特徴とするシリンダゲージ。
【請求項11】 リング状に形成されたことを特徴とするシリンダゲージの測定子。
【請求項12】 弧状に形成されたことを特徴とするシリンダゲージの測定子。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリンダの内径測定に利用されるシリンダゲージ及びシリンダゲージの測定子に関する。
【0002】
【従来の技術】円筒状のシリンダの内径を測定する場合には、シリンダゲージが利用される。図8は、従来のシリンダゲージを側面から見た部分断面図である。シリンダゲージ本体1は、棒状に形成されている。
【0003】測定子2aは、シリンダゲージ本体1の一端側に設置されている。この測定子2aは、棒状のシリンダゲージ本体1の長手方向とほぼ垂直な方向に移動可能である。
【0004】測定子2bは、棒状に形成されており、シリンダゲージ本体1の一端側において測定子2aと対称の位置となるように設置されている。すなわち、この測定子2bの長手方向は、測定子2aの移動方向とほぼ平行であり、ほぼ同一直線上に存在するように設置されている。
【0005】また、この測定子2bは取り換え可能であり、様々な長さの測定子2bがシリンダゲージ本体1の一端側に設置可能である。シリンダゲージ本体1内部には、測定子2aの移動量をシリンダゲージ本体1の他端側に伝達するためのカム3及びロッド4が設けられている。
【0006】ダイヤルゲージ5は、シリンダゲージ本体1の他端側に設置される。このダイヤルゲージ5は、カム3及びロッド4を介して伝達される測定子2aの移動状態に基づいて、測定子2aの先端と測定子2bの先端の間の距離をダイヤル表示する。
【0007】ここで、図9に、案内板を装着させた従来のシリンダゲージとシリンダとの関係を示す側面図を示す。この図9において、シリンダは断面で示されており、また図8と同一の部分には同一の符号を付している。
【0008】案内板6は、シリンダ7の内径測定時に、シリンダ7の内径方向と測定子2aの長手方向が一致するように、シリンダゲージをシリンダ7内面に支持するためのものである。
【0009】この案内板6は、シリンダゲージ本体1の一端側であり、測定子2aの設置位置近傍に装着されている。以下、この従来のシリンダゲージによるシリンダ6の内径測定動作について説明する。
【0010】測定者は、まず、測定対象のシリンダ7の内径よりも、測定子2a、2bの先端間距離の方が適度に大きくなるように、測定子2bを選択し、この選択された測定子2bをシリンダゲージ本体に装着する。
【0011】次に、測定者は、シリンダゲージ本体1を持ち、シリンダゲージ本体1の一端側をシリンダ7の内径測定位置まで挿入し、適切な測定状態になるように、すなわちシリンダ7の内径方向と、測定子2bの長手方向及び測定子2aの移動方向がほぼ一致するように調整する。
【0012】このシリンダゲージの挿入時において、測定子2aは、シリンダゲージ本体1の一端側に押し込まれている。この測定子2aの移動状態を示す移動量は、シリンダゲージ本体1内部のカム3及びロッド4を介して、シリンダゲージ本体1の他端側に設けられたダイヤルゲージ5に伝達される。
【0013】測定者は、このダイヤルゲージ1の表示からシリンダ7の内径を認識する。このように、従来のシリンダゲージにおいては、シリンダゲージ本体1の一端側をシリンダ7内部に挿入することで、シリンダ7の内径の測定を可能としている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、タービン制御機器や蒸気加減弁に設けられているシリンダにおいては、図10に示すように、シリンダ8内部にこのシリンダ8の内径より小さい外径を有するブッシュ9が同軸に存在する場合がある。
【0015】このような場合には、図11に示すように、従来のシリンダゲージでは、測定子2bが棒状であるため、シリンダ8内部にブッシュ9等のような障害物があると、さらに奥への挿入が不可能であり、測定可能範囲が限定されるという問題がある。
【0016】具体的には、従来のシリンダゲージでは、シリンダ8の開口部からブッシュ9先端までの領域(以下、「領域A」とする)のシリンダ内径は測定可能であるが、さらに領域Aより奥の領域(以下、「領域B」とする)のシリンダ内径は測定子2bがブッシュ9に接触するため、測定することができない。
【0017】したがって、従来のシリンダゲージにおいては、組立後のタービン制御機器や蒸気加減弁の保守・点検のために、経年的な変化を受けやすい領域Bのシリンダ内径の測定値が必要であっても、このシリンダ内径を測定することは不可能である。
【0018】本発明は、以上のような実情に鑑みてなされたもので、シリンダ内に例えばブッシュのような障害物が存在してもシリンダ内径の測定が可能なシリンダゲージ及びシリンダゲージの測定子を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達成するために以下のような手段を講じた。本発明の請求項1は、棒状に形成されたシリンダゲージ本体と、シリンダゲージ本体の一端側に設置され、シリンダゲージ本体の長手方向とほぼ垂直な方向に移動可能な第1の測定子と、リング状に形成され、当該リング状の厚さ方向がシリンダゲージ本体の長手方向とほぼ平行となり、第1の測定子がリング状の外周部近傍に位置するように、シリンダゲージ本体の一端側に設置される第2の測定子と、第1の測定子の移動状態をシリンダゲージ本体の他端側に伝達する伝達手段と、シリンダゲージ本体の他端側にて、伝達手段によって伝達された第1の測定子の移動状態に基づいて、シリンダの内径を表示する表示手段とを具備したシリンダゲージである。
【0020】また、本発明の請求項2は、請求項1記載のシリンダゲージにおいて、第2の測定子は、リング状に形成されている支持体と、支持体の中心に対して第1の測定子と対称となる位置に設けられた測定子部とからなるシリンダゲージである。
【0021】したがって、本発明の請求項1及び請求項2のシリンダゲージにおいては、第2の測定子をリング状としたため、シリンダの内径よりも小さい外径を有する障害物がシリンダ内部に存在しても、この障害物と第2の測定子とが接触することがない。
【0022】ゆえに、シリンダ内径の測定可能領域を広くすることができる。本発明の請求項3は、棒状に形成されたシリンダゲージ本体と、シリンダゲージ本体の一端側に設置され、シリンダゲージ本体の長手方向とほぼ垂直な方向に移動可能な第1の測定子と、弧状に形成され、当該弧状の周方向がシリンダゲージ本体の長手方向とほぼ垂直となり、第1の測定子が弧状の一端側の外周部近傍に位置するように、シリンダゲージ本体の一端側に設置される第2の測定子と、第1の測定子の移動状態をシリンダゲージ本体の他端側に伝達する伝達手段と、シリンダゲージ本体の他端側にて、伝達手段によって伝達された第1の測定子の移動状態に基づいて、シリンダの内径を表示する表示手段とを具備したシリンダゲージである。
【0023】また、本発明の請求項4は、請求項3記載のシリンダゲージにおいて、第2の測定子は、弧状に形成されている支持体と、弧状の他端側の外周部近傍に設けられた測定子部とからなるシリンダゲージである。
【0024】したがって、本発明の請求項3及び請求項4のシリンダゲージにおいては、第2の測定子を弧状としたため、シリンダの内径よりも小さい外径を有する障害物がシリンダ内部に存在しても、この障害物と第2の測定子とが接触することがない。
【0025】ゆえに、シリンダ内径の測定可能領域を広くすることができる。本発明の請求項5は、請求項2又は請求項4に記載のシリンダゲージにおいて、支持体に軽量な材質を用いたシリンダゲージである。
【0026】また、本発明の請求項6は、請求項2、請求項4又は請求項5のいずれか一項に記載のシリンダゲージにおいて、支持体は肉抜きされているシリンダゲージである。
【0027】したがって、本発明の請求項5及び請求項6のシリンダゲージにおいては、上記各発明と同様の作用効果に加えて、支持体を軽量化しているため、測定者による測定動作の労力軽減が可能となる。
【0028】また、軽量化により測定者による測定時の振れの防止が可能であるため、測定結果の精度を向上させることができる。本発明の請求項7は、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のシリンダゲージにおいて、シリンダゲージ本体の一端側と、第2の測定子とは、嵌合により固定されているシリンダゲージである。
【0029】したがって、本発明の請求項7のシリンダゲージにおいては、上記各発明と同様の作用効果に加えて、シリンダゲージ本体と第2の測定子とを嵌合により固定することで、当該シリンダゲージ本体と第2の測定子を密接に接続することができる。
【0030】ゆえに、シリンダゲージ本体と第2の測定子の間に、揺れやがたつきが発生しないため、測定結果の精度を向上させることができる。さらに、嵌合による固定方式を採用することで、取付、取り外しが容易となりるため、シリンダの内径測定時に適切な第2の測定子の選択・設置が容易となる。
【0031】本発明の請求項8は、請求項1乃至請求項7いずれか1項に記載のシリンダゲージにおいて、シリンダゲージ本体の一端側と、第2の測定子とを接続する接続手段を付加したシリンダゲージである。
【0032】したがって、本発明の請求項8のシリンダゲージにおいては、上記各発明と同様の作用効果に加えて、シリンダゲージ本体と第2の測定子を接続する接続手段を用いるため、安定した接続が可能となる。
【0033】本発明の請求項9は、シリンダゲージ本体の長手方向において、接続手段が、第2の測定子の幅内に存在するように形成されているシリンダゲージである。したがって、本発明の請求項9のシリンダゲージにおいては、上記発明と同様の作用効果に加えて、第2の測定子がシリンダ内の障害物に接触しない限り、接続手段も障害物に接触することがないため、シリンダ内径の測定可能領域を維持することができる。
【0034】本発明の請求項10は、請求項8又は請求項9に記載のシリンダゲージにおいて、シリンダゲージ本体と接続手段、及び第2の測定子と接続手段とがボルトにより接続されてシリンダゲージである。
【0035】したがって、本発明の請求項10のシリンダゲージにおいては、請求項8又は請求項9と同様の作用効果に加えて、固定にボルトを使用しているため、さらに安定した接続が可能となる。
【0036】本発明の請求項11は、リング状に形成されたシリンダゲージの測定子である。また、本発明の請求項12は、弧状に形成されたシリンダゲージの測定子である。
【0037】したがって、本発明の請求項11及び請求項12のシリンダゲージの測定子においては、シリンダ内の障害物との接触を回避することが可能であるため、シリンダ内径の測定可能領域を広くすることができる。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の図面に関して、同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ詳しく説明する。
【0039】また、先に示した図8〜11と同一の部分についても同様の符号を付してその説明を省略する。
(第1の実施の形態)本実施の形態においては、リング状(環状)に形成された測定子を適用したシリンダゲージについて説明する。
【0040】図1は、本実施の形態に係るシリンダゲージを示す斜視側面図である。また、図2は、本実施の形態に係るシリンダゲージに備えられるリング状の測定子を示す斜視側面図である。
【0041】リング状に形成された第2の測定子10は、主にリング状の支持台である支持体11と、測定子部であるアンビル12とから構成されている。支持体11には、シリンダゲージ本体1の一端側と嵌合接続するための接続部11aが設けられている。図2では、シリンダゲージ本体1の一端側をはめ込むために当該リング状の支持体11の一部分が欠けている状態となっている場合を例として示している。
【0042】図3は、支持体11の接続部11aとシリンダゲージ本体1の一端側の接続状態を示す図であり、図3(a)は、シリンダゲージ本体1の一端側から、また図3(b)は、第1の測定子2aの移動方向側から見た図である。
【0043】このように、支持体11の接続部11aと、シリンダゲージ本体の幅とをほぼ等しくすることで、第2の測定子10とシリンダゲージ本体1の嵌合接続がなされている。
【0044】また、この支持体11には、リングの中心点においてこの接続部11aと対称となる位置のリング状外周部に、アンビル12が設けられている。さらに、支持体11の接続部11aの近傍には、厚さ方向に2つのボルト穴11bが設けられている。
【0045】支持体11は、軽量化のために肉抜きがなされており、また軽量な材質であるアルミニウム軽合金により製造されている。このリング状の第2の測定子10は、リング状の厚さ方向がシリンダゲージ本体1の長手方向とほぼ平行になるように、シリンダゲージ本体1の一端側に設置されている。
【0046】また、この第2の測定子10は、移動可能な第1の測定子2aがリング状の外周部近傍に配置されるように設置される。ここで、リング状の第2の測定子10とシリンダゲージ本体1とは、先に述べたように嵌合接続されているが、本実施の形態に係るシリンダゲージにおいては、図4に示すような接続体13により接続が補強されている。
【0047】ここで、図4(a)は、接続体13の正面斜視図であり、図4(b)は、接続体13の背面斜視図である。この接続体13は、強度的には、円柱状が望ましく、シリンダゲージ本体1と同軸になるように設置されることが望ましい。
【0048】しかし、ここでは、接続体13がシリンダ内部の障害物と接触しないように、シリンダゲージ本体1の長手方向において、接続体13がリング状の第2の測定子10の幅内に存在するように半円柱状に形成されている。
【0049】また、この接続体13には、シリンダゲージ本体1を通過させるための通過穴13aが設けられており、この通過穴13aの両側面側に、この通過穴13と平行に2つのボルト穴13bが設けられている。
【0050】さらに、背面側には、この通過穴13と垂直な方向に2つのボルト穴13cが設けられており、加えてシリンダゲージ本体1の凸部と嵌合する凹部13dが設けられている。
【0051】接続体13とリング状の第2の測定子10は、ボルト穴13b及び第2の測定子10のボルト穴11bを介して挿入されるボルトにより接続される。また、接続体13とシリンダゲージ本体1とは、シリンダゲージ本体1の凸部と接続体13の凹部13dとが嵌合し、さらにボルト穴13cにボルトが挿入されることで接続される。
【0052】以下に、本実施の形態に係るシリンダゲージによるシリンダ8の内径測定動作について説明する。測定者は、まず、測定対象のシリンダ8の内径よりも、第1の測定子2aと第2の測定子のアンビル12の先端との間の距離の方が適度に大きくなるように、リング状の第2の測定子10を選択する。
【0053】次に、この選択されたリング状の第2の測定子10の外周部に第1の測定子2aがくるように、かつリング状の第2の測定子10の厚さ方向とシリンダゲージ本体1の長手方向とが平行となるように、リング状の第2の測定子10の接続部11aにシリンダゲージ本体1の一端側をはめ込み、さらに接続体13で固定する。
【0054】次に、測定者は、シリンダゲージ本体1の他端側にダイヤルゲージ5を設置する。次に、測定者は、シリンダゲージ本体1を持ち、シリンダゲージ本体1の一端側をシリンダの内径測定位置まで挿入し、適切な測定状態になるように、すなわちシリンダ8の内径上に第1の測定子2aの先端と第2の測定子10のアンビル12の先端が配置されるように調整する。
【0055】このシリンダゲージの挿入時において、第1の測定子2aの先端は、シリンダゲージ本体1の一端側に押し込まれている。ここで、例えば、シリンダ8の領域Bの内径を測定する場合であっても、第2の測定子10はリング状であるため、図5に示すように障害物がリングの内径部分を通過する。なお、図5においては、シリンダ8、ブッシュ9及びリング状の第2の測定子10は断面で示している。
【0056】第1の測定子2aの移動状態を示す移動量は、カム3及びロッド4を介してダイヤルゲージ5に伝達される。ダイヤルゲージ5は、この移動量に基づいてシリンダ8の内径を表示する。
【0057】以上のように、本実施の形態に係るシリンダゲージにおいては、第2の測定子10をリング状としたため、シリンダ8の内径よりも小さい外径を有するブッシュ9等の障害物が内部に存在しても、この障害物とリング状の第2の測定子10とが接触することがない。
【0058】ゆえに、シリンダ内径の測定可能領域を広くすることができる。また、本実施の形態に係るシリンダゲージにおいては、リング状の第2の測定子10を軽量な材質であるアルミニウム軽合金により製造し、さらに肉抜きを行うことで軽量化しているため、測定者による測定動作の労力軽減が可能となるまた、重量から発生する測定者による測定時の振れの防止が可能であるため、測定結果の精度を向上させることができる。
【0059】さらに、本実施の形態に係るシリンダゲージにおいては、リング状の第2の測定子10とシリンダゲージ本体1とを嵌合により固定しているため、リング状の第2の測定子10とシリンダゲージ本体1との間に揺れやがたつきが発生しない。
【0060】ゆえに、測定結果の精度を向上させることができる。また、嵌合方式を採用することで、取付、取り外しが容易となり、シリンダ8の内径測定時に適切なリング状の第2の測定子10の選択・設置が容易となる。
【0061】さらに、本実施の形態においては、シリンダゲージ本体1とリング状の第2の測定子10とを、接続体13を介して嵌合接続やボルト接続により固定しているため、一層安定した接続とすることができる。
【0062】また、この接続体13は、シリンダ8内の障害物に接触しないように形成されているため、広い測定可能領域を維持することができる。なお、本実施の形態に係るシリンダゲージにおいては、リング状の例として輪の状態の場合を用いて説明しているが、これに限定されるものではなく、シリンダ8の開口部断面の形状が異なる場合であっても、第2の測定子10の形状を当該シリンダ開口部断面の形状とすることで同様の効果を得ることができる。
【0063】また、本実施の形態に係るシリンダゲージにおいては、接続体13を半円柱状としているが、これに限定されるものではなく、シリンダゲージ本体1の長手方向において、この接続体13が第2の測定子10の幅内に存在すればよい。
【0064】さらに、本実施の形態に係るシリンダゲージにおいては、支持体の材質にアルミニウム軽合金を適用した場合について説明しているが、これに限定されるものではなく、例えば炭素鋼などのような他の金属性の材質を適用してもよい。
【0065】さらに、本実施の形態に係るシリンダゲージにおいては、表示装置としてダイヤルゲージ5を適用した場合について説明しているが、これに限定されるものではなく、例えばデジタル表示器等を適用してもよい。
【0066】さらに、本実施の形態に係るシリンダゲージに、案内板6を設置してもよい。さらに、本実施の形態に係るシリンダゲージにおいては、シリンダゲージ本体1と第2の測定子10とを接続する手段に、接続体13を用いているがこの接続体を省略することも可能である。また、シリンダゲージ本体1と第2の測定子10とを嵌合やボルトにより接続するとしているが、これに限定されるものではなく、他の様々な接続手段を用いることができる。
【0067】(第2の実施の形態)本実施の形態においては、弧状に形成された測定子を適用したシリンダゲージについて説明する。
【0068】図6は、本実施の形態に係るシリンダゲージを示す斜視側面図である。また、図7は、本実施の形態に係るシリンダゲージに備えられるリング状の測定子を示す斜視側面図である。
【0069】弧状の第2の測定子14は、主に弧状の支持台である支持体15と、測定子部であるアンビル12とから構成されている。支持体15の一端側には、シリンダゲージ本体1の一端側と嵌合接続するための接続部15aが設けられている。ここでは、シリンダゲージ本体1の一端側をはめ込むために支持体15の一端側が欠けている状態となっている場合を例として示している。
【0070】さらに、支持体15の接続部15a近傍には、2つのボルト穴15bが設けられている。支持体15は、軽量化のために肉抜きがなされており、また軽量な材質であるアルミニウム軽合金により製造されている。
【0071】また、この支持体15には、弧状の他端側の外周部に、アンビル12が設けられている。弧状の第2の測定子14は、周方向がシリンダゲージ本体1の長手方向とほぼ垂直になるように、シリンダゲージ本体1の一端側に設置される。
【0072】また、この弧状の第2の測定子14は、移動可能な第1の測定子2aが弧状の一端側の外周部近傍に配置されるように、シリンダゲージ本体1に設置される。以上のような、弧状に形成された第2の測定子14を有する本実施の形態に係るシリンダゲージにおいては、シリンダ8の内部に障害物が存在していても、この弧状の第2の測定子14は該障害物に接触しにくいため、シリンダ内径の測定可能領域を広くすることができる。また、弧状とすることで、支持体の材料を節約でき、経済性を向上させることができる。
【0073】
【発明の効果】以上詳記したように本発明のシリンダゲージ及びシリンダゲージの測定子によれば、測定子をリング状又は弧状とすることにより、シリンダ内部に存在する障害物との接触を回避することができるため、シリンダ内径の測定可能領域を広くすることができる。
【出願人】 【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
【出願日】 平成10年(1998)3月6日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦 (外6名)
【公開番号】 特開平11−248402
【公開日】 平成11年(1999)9月17日
【出願番号】 特願平10−55097