| 【発明の名称】 |
物体認識装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】柴谷 弘道
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| 【要約】 |
【課題】光学系のぼけ特性を利用して測距精度を向上する。
【解決手段】「焦点ずれ」と「像のぼけ」の関係から、(a) に示す焦点位置を近距離から遠距離にシフトする場合のゼロクロス検出器の検出信号振幅Aと、(b) に示す焦点位置を遠距離から近距離にシフトする場合のゼロクロス検出器の検出信号振幅Bの差A−Bを求めて、(c) に示すゼロクロス点toを検出することにより正確な距離計測が可能となる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 レンズを組合わせた光学系の焦点調節を利用して物体の位置関係を計測することを特徴とする物体認識装置。 【請求項2】 前記焦点調節は至近距離から無限遠の距離まで合焦可能な前記光学系の合焦度合いとした請求項1に記載の物体認識装置。 【請求項3】 前記合焦度合いが前記物体までの距離によって変化することを利用する請求項2に記載の物体認識装置。 【請求項4】 前記合焦度合いが前記物体位置の手前側と奥側で異なることを利用する請求項3に記載の物体認識装置。 【請求項5】 前記合焦は可変焦点液体レンズにより行う請求項2に記載の物体認識装置。 【請求項6】 前記物体位置をディスプレイ上に表示して、前記物体の静止状態又は移動状態を出力する請求項1に記載の物体認識装置。 【請求項7】 前記物体の移動状態は移動方向及び移動速度とした請求項6に記載の物体認識装置。 【請求項8】 前記位置関係は奥行標本化方式による三次元画像計測による位置情報とした請求項1に記載の物体認識装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、前後方向に存在する物体の位置関係を精密に計測して出力する物体認識装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、三次元画像計測法には図9に示すような各種の方法が存在することが、井口:三次元形状計測の最近の動向、「計測と制御」第34巻第6号1995年6月号429頁〜434頁に記載されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら上述の焦点調節法は、正確にピント位置を決めるためにはぼけを大きくしなければならず、そのためには非常に焦点深度が浅くかつ口径が大きなレンズを必要とする。顕微鏡のようなレンズ系では焦点深度が極めて浅くなるために、この原理を利用した微小高さ計が実用化されているが、数m以上の測定に対して十分に浅い焦点深度を実現することは難しく、満足な計測精度を得ることはできないことが、井口、佐藤共著:三次元画像計測、昭晃堂1990年11月19日初版発行、18頁〜19頁で指摘されている。 【0004】本発明の目的は、上述の問題点を解消し、焦点位置を可変とする光学系と光電変換した出力の画像処理系との組合わせにより、光学系のぼけ特性を利用して測距精度を向上した物体認識装置を提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するための本発明に係る物体認識装置は、レンズを組合わせた光学系の焦点調節を利用して物体の位置関係を計測することを特徴とする。 【0006】 【発明の実施の形態】本発明を図1〜図8に図示の実施例に基づいて詳細に説明する。図1は第1の実施例のブロック回路の構成図を示し、光学系1には、光路O上に対物レンズ2、接眼レンズ3、光電変換器4が配列され、接眼レンズ3にはレンズ移動機構5が接続され、光電変換器4の出力はバンドパスフィルタ6と出力端子7に接続されている。バンドパスフィルタ6の出力は、表示メモリ特性を有するディスプレイ8、メモリ/画像処理ユニット9に接続され、メモリ/画像処理ユニット9の出力は、ゼロクロス検出器10、時間/位置変換器11、出力演算器12、出力端子13に順次に接続されている。 【0007】レンズ移動機構5の出力は、レンズ位置エンコーダ14、水平方向アドレス指定ユニット15、ディスプレイ8に順次に接続されており、またレンズ位置エンコーダ14の出力は時間/位置変換器11に接続されている。基準クロック発生器16の出力が同期信号発生器17とゼロクロス検出器10に接続され、同期信号発生器17の出力は移動波形成発生器18、レンズ移動ドライバ19、レンズ移動機構5に順次に接続され、また垂直方向アドレス指定ユニット20を介してディスプレイ8に接続されている。 【0008】上述の構成において、光学系1を光路O方向に存在する被写体に向けると、フォーカシングの条件を満たす接眼レンズ3の位置では、光電変換器4の面に被写体が結像して鮮明な画像を得ることができる。一方、合焦の条件を満たさない接眼レンズ3の位置では、不鮮明な画像しか得られない。このとき、被写体の位置を挟んで合焦の距離を近→遠→近→遠と繰り返すと、繰り返しの間に2度合焦の条件が満たされて被写体の鮮明な画像が得られるが、その鮮明度と距離Lの関係は近→遠の場合と遠→近の場合で異なる。 【0009】光電変換器4の出力信号である画像信号から、バンドパスフィルタ6によって特定周波数成分の信号強度を抽出すると、同一被写体に対する信号強度は合焦時に最大となり、焦点ずれが大きくなるにつれて減少してゆく(坂野:オートフォーカス技術「光学」第12巻、第5号、1983年8月号351頁〜358頁)。 【0010】このとき、近→遠の方向に合焦する場合と、遠→近の方向に合焦する場合とでは、信号強度と距離の関係が異なる。図2はレンズ位置移動による被写体までの距離検出の説明図を示し、図2(a) は光学系の配置、図2(b) は光電変換器4の光電素子の出力Pと被写体までの距離Lの関係、図2(c) はレンズ位置移動時のドライブ波形を示している。 【0011】本システム全体の基準クロック発生器16のクロック信号を基準とする同期信号発生器17の出力から、移動波形発生器18において図2(c) に示す三角波を作成し、これをレンズ移動ドライバ19に入力してレンズ移動機構5を駆動し、接眼レンズ3を近→遠→近→遠と移動する。 【0012】一方、光電変換器4の信号出力は、バンドパスフィルタ6を介して表示メモリ特性を有するディスプレイ8に供給され、その信号強度が輝度変化又は色変化として表示される。このとき、ディスプレイ8上の横方向表示位置を接眼レンズ3の位置と同期させるために、レンズ位置エンコーダ14の出力により水平方向アドレス指定ユニット15を駆動し、例えばディスプレイ8の画面の左端を光学系1の対物レンズ2の位置に対応させ、ディスプレイ8の画面の右端を無限遠の位置に対応させる。 【0013】また、ディスプレイ8の垂直方向アドレスの選択は、垂直方向アドレス指定ユニット20により行う。即ち、図2(b) に示すように距離L1、L2、L3に被写体が存在する場合には、図3に示すようなパターンがディスプレイ8に表示される。図3において、幅dは画像の鮮明度、fの矢印はアドレスの指定方向、左端のRは対物レンズ2の位置、右端の∞は被写体の無限遠位置を表している。 【0014】更に、バンドパスフィルタ6の出力はメモリ/画像処理ユニット9にも導かれ、図4に示すように信号処理が実行される。図4(a) は接眼レンズ3を近→遠に移動したときのゼロクロス検出器10の出力振幅信号Aのグラフ図、図4(b) は同様に遠→近に移動したときの出力振幅信号Bのグラフ図、図4(c) は出力振幅信号A、Bの差A−Bのグラフ図を示す。 【0015】図4(c) のゼロクロス検出器10で得られるゼロクロス点toが、基準クロック発生器16の出力であるクロック周期単位で精密に検出され、時間/位置変換器11により距離情報が得られる。このとき、被写体が静止していれば、距離L1、L2、L3の情報は図3に示すようにディスプレイ8の表示画面上に縦に並び、一定値として得られる。また、被写体が光路Oの方向に運動している場合は、距離L1、L2、L3の位置は左右に移動し、この移動量の時間的変化を出力演算器12により演算することにより、被写体の運動の移動方向及び移動速度を検出することができる。 【0016】上述の運動の様子は時々刻々ディスプレイ8に表示され、被写体が本システムに近付き過ぎて衝突する危険がある場合には警告を発したり、本システム全体を他の駆動機構により被写体から隔離して一定の距離に保持することもできる。また、図3の距離L1、L2、L3の情報をゾーン分けして、各ゾーンに入ってきた被写体に特定の色を付けたり、特定のゾーンに入ってきた被写体又は移動速度が一定値を越えている被写体に対しては、像を点滅させたりすることもできる。 【0017】このように、「焦点ずれ」対「像のぼけ」の関係の内、焦点位置を近距離から遠距離にシフトする場合と、遠距離から近距離にシフトする場合の「差」を検出することにより、より正確な距離計測が可能となる。また、「差」の時間経過を連続的に計測することにより、被写体の移動方向及び移動速度に関するデータを収集することができる。 【0018】図5は第2の実施例の側面図を示し、図1の接眼レンズ3、レンズ移動機構5を液体レンズ25に置き換えたものである。液体レンズ25は空気よりも大きい屈折率を有する透明液体26と、可撓性を有する円形透明絶縁膜27a、27bから形成され、周縁部で接着した絶縁膜27a、27bにより透明液体26は被覆され、絶縁膜27a、27bはそれぞれ所定面積を有する透明電極28a、28bにより覆われている。そして、液体レンズ25は円形蛇腹29a、29bを介して、光学系1の内壁30a、30bに取り付けられている。 【0019】図6は液体レンズ25の正面図とその駆動手段を示し、透明電極28a、28bには中央に中央部電極31、その外側にリング状電極32、更に外側に半円形電極33a、33b、最も外側に1/4円弧状電極34a、34b、34c、35dが配設されている。電極31、32、33a、33b、34a〜34dには、それぞれリード線35、36、37a、37b、38a〜38dが接続されている。そして、各リード線35〜38dにはレンズ制御電圧発生ユニット39の出力が接続され、レンズ制御電圧発生ユニット39には移動波形発生器18の出力が接続されている。その他の構成は図1と同様である。 【0020】上述の構成において、液体レンズ25にリード線35〜38dを介して絶縁膜27a側の透明電極28aに電荷q1を与え、絶縁膜27bの側の透明電極28bに電荷q2を与えると、クーロンの法則により絶縁膜27a、27bの間には、次の式で示す力Fが作用する。 F=(1/4πε0 )・(q1・q2/r2 ) …(1) 【0021】ここで、ε0 は電極で挟まれた透明絶縁体部分の誘電率、rは電極間の距離である。 【0022】従って、レンズ制御電圧発生ユニット39により電荷q1、q2の量を制御することによって、絶縁膜27a、27bが形成する湾曲面の曲率を変更し、液体レンズ25の焦点距離を変えることができる。これにより、図5の光線の軌跡R1に示すように、光学系1の合焦位置が例えば至近距離にある場合から、光線の軌跡R2に示すように、合焦位置が無限遠にある場合までフォーカシングの制御を行うことができる。 【0023】このように、図1から接眼レンズ位置移動機構5を除去し、この機構5が受け持っている機能を液体レンズ25によって電気的に遂行することにより、動作速度を向上させることができるので、移動速度計測時に第1の実施例よりも高速側の速度計測が可能となる。 【0024】図7は第3の実施例の構成図、図8は奥行標本化方式による立体画像収集の説明図を示している。画像形成装置40の各出力は、伝送路又は記録・記憶装置41を介して、画像表示装置42の入力端子にそれぞれ接続されている。そして、観察者の頭部H又は図1の光学系1の前方には、順次に近距離の被写体S1、中距離の被写体S2、遠距離の被写体S3が存在する。観察者Hの眼球位置E又は光学系1の対物レンズ2から被写体S1、S2、S3の前面までが、それぞれ距離L1、L2、L3である。 【0025】上述の配置において、奥行き標本化方式による立体画像情報を収集する際には、従来は距離L1〜L3方向に等間隔に標本化しているが、被写体S1〜S3が存在していないか又は観察者Hから見えない陰の部分、例えばD1、D2のスペースについては標本化する必要がない。また、見える部分についても凹凸のない空間周波数の低い部分については標本化する必要がなく、前後の標本値から補間して間に合わせることができる。 【0026】従って、図8に点線で示すような不均一間隔でサンプリングを行い、そのサンプリング面は第1の実施例による距離情報に基づいて決定する。即ち、各サンプリング面の画像情報を距離情報により作成し、この距離情報と共に伝送路又は記録・記憶装置41を介して画像表示装置42に再現する。 【0027】図8の標本化面1、2、3、…、j、…、m、nの画像情報とそれぞれの位置情報を、図1の出力端子7からの画像情報と出力端子13からの位置情報とを画像形成装置40で混合して、画像形成装置40の1、2、3、…、j…、m、n端子から送出し、伝送路又は記録・記憶装置41を介して、又は直接に画像表示装置42に立体画像を再現する。 【0028】このように、従来の均一な距離差で空間を切断する奥行き標本化方式と異なり、合計の標本化面の数を減じながら、立体視情報量の多い被写体が存在する面のみ、又は凹凸の不規則な面のみについて密な標本化を行うことによって、伝送又は記録・記憶すべき合計の情報量を少なくすることができる。 【0029】 【発明の効果】以上説明したように本発明に係る物体認識装置は、物体に対するレンズを組合わせた光学系の焦点調節を利用することによって、位置関係をクロック周波数の周期単位で精度良く計測することができる。 【0030】また、物体の配置及び物体が静止しているか移動しているかを検出・表示することもでき、奥行き標本化方式による三次元画像形成の際の標本化面の設定に適用することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001007 【氏名又は名称】キヤノン株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)1月9日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】日比谷 征彦
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| 【公開番号】 |
特開平11−201717 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)7月30日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−14966 |
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