| 【発明の名称】 |
ティーチングデータ作成方法及び測定装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】町井 暢且
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| 【要約】 |
【課題】ピン等の特定構造物の数が多くても短時間で簡易にティーチングデータを作成すること。
【解決手段】ICパッケージのピンの中から代表的なものを選んでその画像をティーチングデータ作成部に記憶させる(S1)。測定パターンテーブルから、点測定コード、原点設定コード、高さ測定コードからなる測定パターンを読込む(S2)。ピンの位置情報が記述されたCADデータを読込む(S3)。CADデータからピンの中心位置の座標値を取り込む(S4)。測定パターンの点測定コード、原点設定コード、高さ測定コードを作成する(S5、S6、S7)。3つの測定コードをティーチングデータテーブルに格納する(S8)。CADデータにある全てのピンについて高さ測定をするためのティーチングデータが作成されているか否かを調べ、すべてのピンについてティーチングデータが作成できるまで、処理(S5〜S8)を繰返す。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 所定形状の複数の被検物における所定位置の形状又は寸法に関する情報を自動的に測定するためのティーチングデータ作成方法であって、前記複数の被検物の基準位置に関する基準データを準備する工程と、前記複数の被検物の1つの位置に関する基準データに基づいて当該複数の被検物の1つの画像を読み取って測定画像を得るとともに、前記測定画像に基づいて前記所定位置の前記基準位置からの位置ずれ検出を行うための第1工程情報と、前記位置ずれ検出の結果に基づいて位置ずれ補正を行った後、前記複数の被検物の1つについて前記所定位置の形状又は寸法に関する情報を測定するための第2工程情報とを組み合わせる工程と、を備えることを特徴とするティーチングデータ作成方法。 【請求項2】 前記複数の被検物の標準的な画像である基準画像を記憶する工程をさらに備え、前記第1工程情報は、前記基準画像と前記測定画像と比較することによって前記位置ずれ検出を行うための情報を含むことを特徴とする請求項1記載のティーチングデータ作成方法。 【請求項3】 前記基準画像は、前記複数の被検物のうちの任意の代表について、前記測定画像を得る場合と同一の結像条件で、予め画像を読み取って記憶したものであることを特徴とする請求項2記載のティーチングデータ作成方法。 【請求項4】 所定形状の複数の被検物における所定位置の形状又は寸法に関する情報を自動的に測定する測定装置であって、前記複数の被検物の基準位置に関する基準データに基づいて前記複数の被検物の画像を順次読み取って測定画像を得る画像読取部と、前記画像読取部で得た前記測定画像に基づいて前記所定位置の前記基準位置からの位置ずれ検出を行う位置ずれ検出部と、前記位置ずれ検出部の出力に基づいて位置ずれ補正を行った後、前記複数の被検物について前記所定位置の形状又は寸法に関する情報を測定する特定情報測定部と、を備えることを特徴とする測定装置。 【請求項5】 前記複数の被検物の標準的な画像である基準画像を記憶する基準画像記憶部をさらに備え、前記位置ずれ検出部は、前記画像読取部で得た前記測定画像と前記基準画像記憶部から読み出した前記基準画像と比較して前記位置ずれ検出を行うことを特徴とする請求項4記載の測定装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、CNC座標測定機等で実現される自動測定に用いられるティーチングデータ作成方法と自動測定を行う測定装置とに関し、特にIC等のピンの頂点の高さを自動的に測定するのに適したティーチングデータ作成方法及び測定装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、CNC座標測定機では、例えばICパッケージの一面に大量に取り付けられているピンの頂点の高さ位置を測定するために、一般には、予めティーチングデータを作成することが行われる。 【0003】このようなティーチングデータの作成方法として、ICパッケージ等の被検物を載置したステージを実際にマニュアル操作する方法と、ICパッケージ等の被検物の設計データを利用する方法とがある。 【0004】前者では、マニュアル操作でステージを動かしてICパッケージに形成されている各ピンごとにピンの中心位置で高さを測定する操作を行う。このような動作をすべてのピンに対して繰返して行い、この手順を記録することでティーチングデータを作成する。 【0005】後者では、CADによって作成されたピン配置に関する情報を含む図面データ(CADデータ)を利用してティーチングデータを自動的に作成する。つまり、CADによって作成されたICパッケージの図面に記されたピン中心の座標位置をCADデータから読み取り、各座標位置で高さを測定するための情報からなるデータ要素を組み合わせて図面上にあるすべてのピンに対して自動測定を行うようなティーチングデータを作成する。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかし、前者の方法では、ティーチングデータを作成するために、各ピンごとにマニュアル操作で頂点の高さ測定する操作を行わなければならない。このため、ピンの数が多い場合など、ピンの数だけ測定操作を行わなければならず、すべてのピンを測定するためのティーチングデータが作成されるまでに非常に時間がかかるという問題がある。 【0007】また、後者の方法では、図面上に記されているピン中心の座標位置で高さを測定するようになっているので、実際のピンの位置が図面どおりにできておらずバラツキを有している場合には、測定すべきピンの頂点位置が図面のピンの中心位置よりズレてしまう。このため、このティーチングデータに従って測定したピンの高さは、現実のピンの頂点の高さと異なってしまうという問題がある。この問題は、ピンの端面が球面の如く、位置によって高さが異なる形状の場合は特に顕著である。 【0008】本発明は、このような従来の問題点を鑑みてなされたもので、ICパッケージ等の被検物に形成されているピン等の特定構造物の数が多くても短時間で簡易にティーチングデータの作成が行えるとともに、確実に特定構造物の形状や配置に関する情報を測定することができるティーチングデータ作成方法を提供することを目的とする。 【0009】また、本発明は、被検物に形成されている特定構造物の数が多くても短時間で確実に特定構造物の形状や配置に関する情報を測定することができる測定装置を提供することを目的とする。 【0010】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、請求項1のティーチングデータ作成方法は、所定形状の複数の被検物における所定位置の形状又は寸法に関する情報を自動的に測定するためのものであって、前記複数の被検物の基準位置に関する基準データを準備する工程と、前記複数の被検物の1つの位置に関する基準データに基づいて当該複数の被検物の1つの画像を読み取って測定画像を得るとともに、前記測定画像に基づいて前記所定位置の前記基準位置からの位置ずれ検出を行うための第1工程情報と、前記位置ずれ検出の結果に基づいて位置ずれ補正を行った後、前記複数の被検物の1つについて前記所定位置の形状又は寸法に関する情報を測定するための第2工程情報とを組み合わせる工程とを備えることを特徴とする。これにより、被検物すべてについて測定操作を行うことなくCADデータ等から得られる基準位置を利用して自動的にティーチングデータを作成することができ、すべての被検物を測定するためのティーチングデータを迅速に作成することができる。さらに、各被検物の所定位置がCADデータ等から得られる基準位置からずれていた場合にも、そのような位置ずれを補正した上で前記所定位置の形状又は寸法に関する情報を測定するようにティーチングデータを作成するので、このティーチングデータを利用すれば各被検物を正確に測定することができる。 【0011】また、請求項2のティーチングデータ作成方法は、前記複数の被検物の標準的な画像である基準画像を記憶する工程をさらに備え、前記第1工程情報は、前記基準画像と前記測定画像と比較することによって前記位置ずれ検出を行うための情報を含むことを特徴とする。これにより、位置ずれ検出ひいては位置ずれ補正が簡易で正確なものとなる。 【0012】また、請求項3のティーチングデータ作成方法は、前記基準画像が、前記複数の被検物のうちの任意の代表について、前記測定画像を得る場合と同一の結像条件で、予め画像を読み取って記憶したものであることを特徴とする。これにより、簡易に基準画像を準備することができ、位置ずれ補正が正確になる。 【0013】また、請求項4の測定装置は、所定形状の複数の被検物における所定位置の形状又は寸法に関する情報を自動的に測定するものであって、前記複数の被検物の基準位置に関する基準データに基づいて前記複数の被検物の画像を順次読み取って測定画像を得る画像読取部と、前記画像読取部で得た前記測定画像に基づいて前記所定位置の前記基準位置からの位置ずれ検出を行う位置ずれ検出部と、前記位置ずれ検出部の出力に基づいて位置ずれ補正を行った後、前記複数の被検物について前記所定位置の形状又は寸法に関する情報を測定する特定情報測定部とを備えることを特徴とする。これにより、CADデータ等から得られる基準位置を利用して被検物を迅速に自動測定することができる。さらに、各被検物の所定位置がCADデータ等から得られる基準位置からずれていた場合にも、そのような位置ずれを補正した上で被検物を正確に測定することができる。 【0014】また、請求項5の測定装置は、前記複数の被検物の標準的な画像である基準画像を記憶する基準画像記憶部をさらに備え、前記位置ずれ検出部は、前記画像読取部で得た前記測定画像と前記基準画像記憶部から読み出した前記基準画像と比較して前記位置ずれ検出を行うことを特徴とする。これにより、位置ずれ検出ひいては位置ずれ補正が簡易で正確なものとなる。 【0015】 【発明の実施の形態】以下、本発明に係る測定装置の一実施形態であるCNC座標測定機を図面を参照しつつ説明する。 【0016】図1は、CNC座標測定機の全体構造を説明する図である。このCNC座標測定機は、測定機本体2とコンピュータからなる制御ユニット3とから構成される。測定機本体2は、支持体4を有している。この支持体4のベース部4a上には、水平面内の直交するX方向及びY方向に移動可能なステージ5が設けられている。このステージ5上には、測定対象である被検物SAが搭載される。 【0017】図2は、ステージ5上に搭載される被検物SAの一例を示す。図2(a)は、被検物SAであるICパッケージの裏面図であり、図2(b)は、図2(a)に示すICパッケージの側面図である。このICパッケージは、ICチップを内蔵した本体部分10aと、本体部分10aから突起する複数の構造物として多数のピン10bとを備える。 【0018】図1に戻って、支持体4のうちステージ5上方に延びる支柱部4bには、鉛直なZ方向に昇降する撮像部6が取り付けられている。撮像部6のZ方向の高さ位置は、リニアエンコーダ4dによって検出される。この撮像部6には、ステージ5上に載置された被検物SAを照明する落射照明光学系7と、被検物SAからの光を適当な倍率で結像する結像光学系8と、結像光学系8によって形成された像を検出するCCDカメラ9と、被検物SAに形成されたピン等の特定の構造物に測定光を照射するレーザ投光部11と、このような構造物で反射された測定光を検出するレーザ受光部12とが設けられている。 【0019】CCDカメラ9は、結像光学系8を介して得た被検物SAの像をその強度分布に応じた電気信号に変換する。この電気信号は、制御ユニット3に供給され、被検物SAの画像として表示される。 【0020】レーザ投光部11及びレーザ受光部12は、結像光学系8の光軸8A上に位置する被検物SAの面の高さ位置を検知し、被検物SAの面が所定の高さ位置にあることを検出する。前記所定の高さ位置は、CCDカメラ9上に、結像光学系8を介して結像した被検物SAの像を合焦状態とした時の、被検物SAの高さ位置となるように調整、設置されている。ステージ5を移動させて適当な目標物の画像を取り込むに際し、撮像部6のZ方向の位置をリニアエンコーダ4dによって監視しながら、レーザ受光部12の出力に基づいて目標物にピントを合わせれば、目標物の高さ位置を検出することができる。 【0021】図3は、レーザ投光部11及びレーザ受光部12による高さ測定を概念的に説明する図である。レーザ投光部11から被検物SAに設けたピン10b上にレーザ光LBを照射し、ピン10b上の測定ポイントMPで反射されたレーザ光LBをレーザ受光部12に取り込む。レーザ受光部12では、レーザ光LBが入射する測定ポイントMPに関して撮像部6の合焦状態を検出できるようになっている。つまり、レーザ投光部11及びレーザ受光部12は、レーザ受光部12において合焦と判断される測定ポイントMPが撮像部6によって合焦している被写体位置と一致するように設置されている。撮像部6をZ軸方向に適宜上下動させて、レーザ受光部12で測定ポイントMPの合焦状態が検出された場合、撮像部6では測定ポイントMPの合焦像が得られるとともに、撮像部6のその際のリニアエンコーダ4dによって検出したZ座標値が測定ポイントMPの高さ位置(測定ポイントMPがピン10bの頂点である場合ピン10bの高さ)に対応するものとなっている。なお、以上説明したレーザ投光部11及びレーザ受光部12の代わりに、被検物SAに接触したことを検知して被検物の高さを検出することができる高さセンサを用いることもできる。 【0022】図1に戻って、制御ユニット3は、CCDカメラ9で検出した電気信号に所定の処理を施すとともに測定機本体2を統括制御する本体部分31と、本体部分31からの信号に基づいて被検物SAの画像や測定結果等を表示するモニタ32と、本体部分31に必要なコマンドを入力するための入力装置33とを備える。 【0023】図4は、図1の制御ユニット3の本体部分31に組み込まれた一部の機能を説明するためのブロック図である。本体部分31は、測定機本体2に設けたCCDカメラ9等からの画像信号に対して所定の画像処理を施す画像処理部32と、図2に示すような被検物SAの形状及び寸法に関する情報を含むCADデータを記憶する図面データテーブル33と、被検物SA上に形成された特定の構造物(例えば図2に示すピン10b)について高さ測定を行う際の基本的な手順である測定パターンを記憶する測定パターンテーブル34と、図面データテーブル33及び測定パターンテーブル34に格納されたデータから被検物SA上に形成された多数の構造物(ピン10b)について高さ測定を行う際の一連の手順に関する情報であるティーチングデータを作成するティーチングデータ作成部35と、ティーチングデータ作成部35で作成されたティーチングデータを一旦保存するティーチングデータテーブル36と、ティーチングデータテーブル36に格納されたティーチングデータに基づいて実際の被検物SA上に形成された多数の構造物(ピン10b)について高さ測定を行わせるリプレイ測定実行部37とを備える。 【0024】画像処理部32は、測定機本体2からCCDカメラ9によって撮像された画像信号を取り込む機能と、予め撮影した画像からティーチングデータ作成部35によって指定された領域の画像パターン(基準画像)を取り出してティーチングデータ作成部35に返す機能と、リプレイ実行部37から指示された画像パターン(基準画像)に基づいて測定機本体2から測定時に取り込んだ画像の中で画像パターンのある位置をパターンマッチング等によって検出してリプレイ実行部37に検出位置の座標を返す機能とを有する。 【0025】図面データテーブル33は、被検物SAに形成された特定構造物の位置を記述するCADデータ(基準データ)を格納しているテーブルであり、ここには、図2(a)のように配置された全てのピン10bの情報が格納されている。図5は、被検物SA上の特定構造物である1本のピン10bをCAD図面に表現したものである。図5(a)は、ピン10bのCADデータでの平面図を示し、図5(b)は、ピン10bのCADデータでの側面図を示す。ピン10bのCADデータには、中心点10cの座標、ピン10bの直径d、ピン10bの高さh等が含まれている。ただし、被検物SA上の特定構造物がピン10bである場合、本実施形態の装置及び測定で利用される特定構造物に関する設計データは、各ピン10bの中心点10cの座標(基準位置)になる。したがって、図面データテーブル33に格納するCADデータは、単に各ピン10bの中心点10cの座標値だけとしてもよい。なお、各ピン10bの中心点10cの座標値は、CADデータから読み取ってもよいが、基準となるサンプルを読み取った画像から自動的に中心点10cの座標値を求めて基準データとすることもできる。 【0026】測定パターンテーブル34には、次のような測定パターンが登録されている。 ■点測定コード■原点設定コード■高さ測定コードここで、■点測定コードは、測定機本体2から取り込んだ画像の中から特定構造物(具体的にはピン10b)に対応する画像の中心位置を測定するためのものである。■原点設定コードは、■点測定コードで検出した中心位置を仮原点に設定するものである。■高さ測定コードは、■原点設定で設定した仮原点で特定構造物の高さを測定する。 【0027】上記の点測定コードは、画像処理部32の一動作を規定するものある。この点測定コードに従って、画像処理部32は、測定機本体2から読み込んだ測定画像とティーチングデータ作成部35から読み込んだ画像パターン(基準画像)とを比較し、画像パターンに対応するピン10bの画像の中心位置を検出する。なお、この画像パターンは、以下で詳細に説明するティーチングデータ作成部35に保存されるものであるが、オペレータがマニュアル操作等によって予め測定機本体2から取り込んだ画像の中からピン10bを含む所定領域の画像データを適宜選択したものとすることができる。つまり、図1に示すステージ5を適宜移動させて被検物SAのピン10bの中から代表的なものを画面として表示させ、ピン10bの中心がターゲット領域の中心となるようにターゲット領域の位置を操作により設定してターゲット領域内の画像データを画像パターンとして取り込み、ティーチングデータ作成部35に記憶する。また、このような画像パターンは、被検物SAのピン10bを実際に撮像して得られるものに限らず、適当な演算処理等によって得られるものであってよい。 【0028】図6は、上記の画像パターンの一例を示す図である。ターゲット領域TA内の中心部に実際に撮像したピン10bの画像PIが表示されている。 【0029】図7は、図6に示す画像パターンを利用して測定画像中におけるピン10bの中心位置を検出する方法を概念的に説明する図である。後述するリプレイ実行時に画像処理部32に取り込まれた測定画像が図7(a)に示すようなものであった場合、この測定画像の中から図6に示すような画像パターンとパターンマッチングする画像位置を探し出す。そして、図7(b)に示すようにマッチングする画像位置に画像パターンすなわちターゲット領域TAを移動させて、この時のターゲット領域TAの中心座標値を、検索座標値(Xs,Ys)として出力する。なお、ピン10bの中心位置の検索方法は、上記のような画像パターンを利用して検索する方法に限られるものではなく、例えばピン10bの画像(図中では暗部)の重心位置を検索する方法などを使用してもよい。 【0030】原点設定コードは、上記点測定コードに基づいて検出した検索座標値(Xs,Ys)を仮原点に設定するためのものである。これにより、図3に示すようにピン10bの中心位置を測定ポイントMPとし、この測定ポイントMPについて合焦状態を検出することができる。例えば、ステージ5を微動させて被検物SAの画像を取り込む位置を変更することにより、ピン10bの中心位置を測定ポイントMPとすることができる。 【0031】高さ測定コードは、上記原点設定コードに基づいて設定した原点位置でピン10bの高さを測定するためのものである。つまり、ピン10bの中心位置を測定ポイントMPとした状態で撮像部6をZ方向に適宜移動させて、測定ポイントMPにおける合焦が検出された場合、撮像部6のその際のZ座標値がピン10bの高さ位置を表す。 【0032】ティーチングデータ作成部35は、測定パターンテーブル34に登録されている前述の3つの測定パターンを読込む。これらの測定パターンを利用して、画像処理部32から代表的な特定のピン10bの画像パターンを予め読込んで記憶するとともに、1つのピン10bに対する一連の測定パターンを作成する。さらに、図面データテーブルから読込んだすべてのピン10bに対して、上記と同様に一連の測定パターンを作成しこれらを組み合せたデータを自動的に作成する。これにより、すべてのピン10bを自動的にCNC測定するためのティーチングデータが得られる。 【0033】ティーチングデータテーブル36は、被検物SAの特定構造物を測定するためのティーチングデータを格納しているテーブルである。具体的には、ティーチングデータ作成部35で作成したティーチングデータを格納する。 【0034】リプレイ実行部37は、ティーチングデータテーブル36から被検物SAを測定するためのティーチングデータを取り込むとともに、ティーチングデータ作成部35から被検物SAのピン10bの画像パターン(図6参照)を読み込んで画像処理部32に覚え込ませる。さらに、リプレイ実行部37は、ティーチングデータで指示されたとおりに、すべてのピン10bについてCNC測定を実行してピン10bの高さ測定の結果を出力する。 【0035】1つのピン10bに対するリプレイ測定について簡単に説明する。まず。CADデータから得られるピン10bの位置にステージ5を動かすように測定機本体2に指示を出す。そして、この位置で画像処理部32に測定画像を取り込ませ、この測定画像の中で記憶させたピン10bの画像パターンがどの座標値にあるか検索するように画像処理部32に指示を出して、検索されたピン10bの中心座標値を画像処理部32から受け取る。このようなピン10bの中心座標値を仮原点に設定し、この仮原点位置において高さ測定を行わせるように測定機本体2に指示を出すとともに、測定機本体2からこの測定ポイントのZ座標値を受け取って、ピン10bの高さ測定の結果として出力する。 【0036】以下、ティーチングデータの作成処理を具体的に説明する。図8は、ティーチングデータの作成処理を説明するフローチャートである。 【0037】ステップS1では、被検物SAの標準的な画像である基準画像(つまり画像パターン)を予め記憶する目的で、ステージ5を移動させて、被検物SAに形成されたピン10bの中から代表的なものを画面に表示させる。そして、ピン10bの画像PAの中心がターゲット領域TAの中心となるようにターゲット領域TAの位置を設定する。このように設定したターゲット領域TAにおける画像パターンを取り込んでティーチングデータ作成部35に記憶させる。 【0038】ステップS2では、測定パターンテーブル34から、点測定コード、原点設定コード、高さ測定コードからなる測定パターンを読込む。 【0039】ステップS3では、各被検物SAであるピン10bの基準位置(具体的にはピン10bの設計上の中心)に関する基準データ(中心座標)を準備する目的で、被検物SAのピン10bの位置情報などが記述されたCADデータを読込む。 【0040】ステップS4では、CADデータからピン10bの中心位置の座標値を取り込む。ここで、各ピン10bの中心座標値は、繰り返しループに従い最初のピン10bの中心座標値から順次取り出される。 【0041】ステップS5では、測定画像に基づいて所定位置(具体的にはピン10bの実際の中心)の基準位置(具体的にはピン10bの設計上の中心)からの位置ずれ検出を行うための工程情報として、第1測定パターンの1番目である点測定コードを作成する。この点測定コードは、具体的には、図7に示すように、ピン10bの画像PAの中心がターゲット領域TAの中心となるようにターゲット領域TAを変位させるためのものである。 【0042】ステップS6では、ステップS5の点測定コードで設定した位置ずれ検出の結果に基づいて位置ずれ補正を行うための工程情報として、測定パターンの2番目である原点設定コードを作成する。この原点設定コードは、ステップS5の点測定コードによって得られる座標位置を原点とするためのものである。 【0043】ステップS7では、多数の被検物SAの1つについて所定位置(具体的にはピン10bの実際の中心)の形状又は寸法(具体的には高さ)に関する情報を測定するための工程情報として、測定パターンの3番目である高さ測定コードを作成する。この高さ測定コードは、ステップS6の原点設定コードで得られる原点位置で高さを測定するためのものである。 【0044】ステップS8では、ステップS5、S6、S7で作成した3つの測定コードをティーチングデータテーブル36に格納する。 【0045】ステップS9では、CADデータにある全てのピン10bについて高さ測定をするためのティーチングデータが作成されてティーチングデータテーブル36に格納されているか否かを調べ、まだティーチングデータを作成していないピン10bがあればステップS4に戻り、次にくるピン10bについて同様にステップS4からS8までの処理を行う。すべてのピン10bについてティーチングデータが作成できれば、ティーチングデータの作成処理は終了する。 【0046】以下、リプレイ実行の処理を説明する。図9は、リプレイ実行を説明するフローチャートである。 【0047】ステップS21では、ティーチングデータテーブル36に格納されているティーチングデータを読み込む。 【0048】ステップS22では、ティーチングデータから最初のデータステップの測定コードを読込む。 【0049】ステップS23では、測定コードが点測定コードか否かを判別する。点測定コードの場合にはステップS24に進み、そうでない場合にはステップS28に進む。 【0050】ステップS24では、点測定コードに登録されている座標位置にステージ5をCNC移動させる。そして、この座標位置において被検物SAを撮像して測定画像を得る。この座標位置はCADデータで指示されたピン10bの位置になる。 【0051】ステップS25では、登録されているピン10bの画像パターンを画像処理部32に入力する。 【0052】ステップS26では、画像処理部32に入力された画像パターンを利用して、撮像された測定画像の中からマッチングするピン10bの中心位置を検索する。 【0053】ステップS27では、画像処理部32で検索したピン10bの中心位置を読込み、点座標値として記録しておき、ステップS35に行く。 【0054】ステップS35では、次にくるデータステップがあるかどうかを判別する。ある場合にはステップS36に進む。 【0055】ステップS36では、ティーチングデータの次にくるデータステップの測定コードを読込む。この場合、次にくるのは原点設定コードになる。 【0056】ステップS23では、再度点測定コードか判別する。今度は原点設定コードなのでステップS28に進む。 【0057】ステップS28では、読み込んだ測定コードが原点設定コードか否かを判別する。原点設定コードならステップ29に行き、そうでなければステップS30に行く。 【0058】ステップS29では、ステップS27で記録された点座標値を原点位置に設定して、ステップS35に行く。ステップS35で次のデータステップがあるかどうかを判別する。ある場合にはステップS36に進み、ティーチングデータの次のデータステップの測定コードを読み込んだ後再びステップS23に戻る。 【0059】この場合、次にくるのは高さ測定コードになるので、ステップS23から、ステップS28、S30へと進む。 【0060】ステップS30では、高さ測定コードか判別する。高さ測定コードならばステップS31に進み、そうでなければステップS35に進み何もせず次のステップに進む。 【0061】ステップS31では、ステップS29で設定した原点位置にCNC移動する。 【0062】ステップS32では、この原点位置にあるピン10bの高さを測定機のZ軸を上下動させることで測定する。 【0063】ステップS33では、ステップS32で測定した高さ座標値を読み込む。 【0064】ステップS34では、高さ座標値をこのピンの測定結果として出力して、ステップS35に進む。 【0065】以下、ティーチングデータにあるすべてのピンを測定するためのデータステップの読み取りが終了するまでステップS23からステップS36までを繰り返す。ステップS35で次のデータステップがなければリプレイ実行処理を終了する。 以上のように実施形態によれば、ピン10bの数が非常に多い場合であっても、ピン10bのCADデータを利用してすべてのピン10bに対して短時間でティーチングデータを作成することができ、かつ、ピン10bがCADデータの指示位置に対してばらつきを持った被検物SAであっても確実にCNCでリプレイ測定することができるようになる。 【0066】 【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項1のティーチングデータ作成方法によれば、被検物すべてについて測定操作を行うことなくCADデータ等から得られる基準位置を利用して自動的にティーチングデータを作成することができるので、すべての被検物を測定するためのティーチングデータを迅速に作成することができる。さらに、各被検物の所定位置が上記基準位置からずれていた場合にも、そのような位置ずれを補正した上で前記所定位置の形状又は寸法に関する情報を測定するようにティーチングデータを作成するので、このティーチングデータを利用すれば各被検物を正確に測定することができる。 【0067】また、請求項2のティーチングデータ作成方法によれば、位置ずれ検出ひいては位置ずれ補正が簡易で正確なものとなる。 【0068】また、請求項3のティーチングデータ作成方法によれば、簡易に基準画像を準備することができ、位置ずれ補正が正確になる。 【0069】また、請求項4の測定装置によれば、CADデータ等から得られる基準位置を利用して被検物を迅速に自動測定することができる。さらに、各被検物の所定位置が上記基準位置からずれていた場合にもそのような位置ずれを補正した上で被検物を正確に測定することができる。 【0070】また、請求項5の測定装置によれば、位置ずれ検出ひいては位置ずれ補正が簡易で正確なものとなる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004112 【氏名又は名称】株式会社ニコン
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)12月19日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】井上 義雄
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| 【公開番号】 |
特開平11−183146 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)7月9日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−364317 |
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