| 【発明の名称】 |
光波干渉測定方法および装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】神谷 三郎
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| 【要約】 |
【課題】本発明は、測定光路のレーザ光が遮られても、原点復帰させずに継続して測長することができ、しかも安価で容易に干渉光学系を構成することができる光波干渉測定方法および装置を提供することを目的とする。
【解決手段】レーザ光源1から射出された波長λ1の光を測定光路と参照光路に分離する偏光ビームスプリッタ2と、参照光路上に設けられた参照用反射鏡6と、測定光路上を移動可能に設けられた測定用反射鏡7と、参照光と測定光の干渉光を受光する光電検出器9とを有し、レーザ光源11から射出されたλ2(≠λ1)の光を2つに分離する偏光ビームスプリッタ12と、分離されたλ2の光の一方を、測定光路の途中から測定光路と平行に測定用反射鏡7に向かわせる光学系10と、測定用反射鏡7で反射した一方の光と他方の光との干渉光を受光する光電検出器17とを備えるように構成する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】波長λ1の光を参照光と測定光に分離し、前記参照光を参照光路上に設けられた参照用反射鏡で反射させ、前記測定光を測定光路上を移動可能に設けられた測定用反射鏡で反射させ、反射した前記参照光および前記測定光を干渉させて、基準位置から移動した前記測定用反射鏡の前記参照用反射鏡に対する相対移動距離ΔLを測定する光波干渉測定方法において、前記基準位置での前記参照光路と前記測定光路の光路長差L1(=φ1・λ1/m、但し、mは光路の折り返しの数)に基づく位相φ1を測定し、波長λ2(≠λ1)の光をさらに用い、当該波長λ2の光を2つに分離して、一方の光を前記測定光路の途中から前記測定光路に平行に入射して前記測定用反射鏡で反射させ、反射した前記一方の光と、他方の光とを干渉させて、前記基準位置での前記一方の光の光路と前記他方の光の光路との光路長差L2(=φ2・λ2/m)に基づく位相φ2を測定し、前記相対移動距離ΔLでの前記参照光路と前記測定光路の光路長差L1+ΔL(=φ1’・λ1/m)に基づく位相φ1’を測定し、前記相対移動距離ΔLでの前記一方の光の光路と前記他方の光の光路の光路長差L2+ΔL(=φ2’・λ2/m)に基づく位相φ2’を測定し、前記位相φ1、φ2、φ1’、φ2’に基づいて、前記波長λ1の光が遮断された際の前記相対移動距離ΔLを求めることを特徴とする光波干渉測定方法。 【請求項2】請求項1記載の光波干渉測定方法において、前記相対移動距離ΔLは、ΔL=ΔΦ・λs/m但し、ΔΦ=Φ’−Φ、Φ=φ2−φ1、Φ’=φ2’−φ1’合成波長λs=λ1・λ2/|λ2−λ1|から求めることを特徴とする光波干渉測定方法。 【請求項3】請求項1または2に記載の光波干渉測定方法において、波長λ3(≠λ1、≠λ2、|λ2−λ1|>|λ3−λ2|)の光をさらに用い、当該波長λ3の光を2つに分離して、一方の光を前記測定光路の途中から前記測定光路に平行に入射して前記測定用反射鏡で反射させ、反射した当該一方の光と、他方の光とを干渉させて、前記基準位置での当該一方の光の光路と当該他方の光の光路との光路長差L3(=φ3・λ3/m)に基づく位相φ3を測定し、前記相対移動距離ΔLでの当該一方の光の光路と当該他方の光の光路の光路長差L3+ΔL(=φ3’・λ3/m)に基づく位相φ3’を測定することにより、相対的に広い合成波長λsW=λ2・λ3/|λ3−λ2|に基づいて前記ΔLの存在範囲を求め、次いで、それより狭い前記合成波長λsに基づいて前記ΔLを求めることを特徴とする光波干渉測定方法。 【請求項4】請求項1乃至3のいずれかに記載の光波干渉測定方法において、前記基準位置での、前記参照光路と前記測定光路との光路長差L1と、前記一方の光の光路と前記他方の光の光路との光路長差L2とをほぼ等しくさせることを特徴とする光波干渉測定方法。 【請求項5】請求項1乃至3のいずれかに記載の光波干渉測定方法において、前記基準位置での、前記参照光路と前記測定光路との光路長差L1と、前記一方の光の光路と前記他方の光の光路との光路長差L2とを、L1>>L2とすることを特徴とする光波干渉測定方法。 【請求項6】物体の変位を測定するための第1の光を射出する第1の光源と、前記第1の光を測定光路と参照光路に分離する第1のビームスプリッタと、前記参照光路上に設けられた参照用反射鏡と、前記測定光路上を移動可能に設けられた測定用反射鏡と、前記参照用反射鏡および前記測定用反射鏡で反射した前記第1の光の干渉光を受光する第1の受光部とを有する光波干渉測定装置において、前記第1の光の波長と異なる波長を有する第2の光を射出する第2の光源と、前記第2の光を2つに分離する第2のビームスプリッタと、2つに分離された前記第2の光の一方を、前記測定光路の途中から前記測定光路と平行に前記測定用反射鏡に向かわせる第1の光学系と、前記測定用反射鏡で反射した前記一方の光と、他方の光との干渉光を受光する第2の受光部とをさらに備えたことを特徴とする光波干渉測定装置。 【請求項7】請求項6記載の光波干渉測定装置において、前記第1の光学系は、さらに前記第2の光の他方を、前記参照光路の途中から前記参照光路と平行に前記参照用反射鏡に向かわせ、前記第2の受光部は、前記測定用反射鏡で反射した前記第2の光の一方と前記参照用反射鏡で反射した前記第2の光の他方との干渉光を受光することを特徴とする光波干渉測定装置。 【請求項8】請求項6または7に記載の光波干渉測定装置において、前記第2の光源は、波長可変レーザであることを特徴とする光波干渉測定装置。 【請求項9】請求項6または7に記載の光波干渉測定装置において、前記第1および第2の光の波長と異なる波長を有する第3の光を射出する第3の光源と、前記第3の光を2つに分離する第3のビームスプリッタと、2つに分離された前記第3の光の一方を、前記測定光路の途中から前記測定光路と平行に前記測定用反射鏡に向かわせる第2の光学系と、前記測定用反射鏡で反射した前記第3の光の一方の光と、他方の光との干渉光を受光する第3の受光部とをさらに備えたことを特徴とする光波干渉測定装置。 【請求項10】請求項9記載の光波干渉測定装置において、前記第2の光学系は、さらに前記第3の光の他方を、前記参照光路の途中から前記参照光路と平行に前記参照用反射鏡に向かわせ、前記第3の受光部は、前記測定用反射鏡で反射した前記第3の光の一方と前記参照用反射鏡で反射した前記第3の光の他方との干渉光を受光することを特徴とする光波干渉測定装置。 【請求項11】請求項9または10に記載の光波干渉測定装置において、前記第3のビームスプリッタを前記第2のビームスプリッタで兼用し、前記第2の光学系を前記第1の光学系で兼用することを特徴とする光波干渉測定装置。 【請求項12】請求項6乃至11のいずれかに記載の光波干渉測定装置において、前記第1の光は、互いに直角な偏光方位を有し周波数がわずかに異なる2つの光から構成され、前記第1のビームスプリッタは偏光ビームスプリッタであり、前記測定光路上および前記参照光路上には、それぞれ波長板が配置され、前記第1の光学系は、少なくとも前記第2の光の一方を、前記測定光路上の波長板と前記測定用反射鏡との間から、前記測定光路と平行に前記測定用反射鏡に向かわせるように配置されていることを特徴とする光波干渉測定装置。 【請求項13】請求項12記載の光波干渉測定装置において、前記第1の光学系は、少なくとも前記第2の光の他方を、前記参照光路上の波長板と前記参照用反射鏡との間から、前記参照光路と平行に前記参照用反射鏡に向かわせるように配置されていることを特徴とする光波干渉測定装置。 【請求項14】請求項6乃至13のいずれかに記載の光波干渉測定装置において、前記第1乃至第3の光源は、波長安定化レーザであることを特徴とする光波干渉測定装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、物体の変位等を高精度で測定する光波干渉測定方法および装置に関し、特に、半導体装置、液晶表示装置、あるいは薄膜磁気ヘッド等を製造する際のフォトリソグラフィ工程で使用される露光装置に用いられているステージにおける超精密位置決め方法および装置として好適な光波干渉測定方法および装置に関する。 【0002】 【従来の技術】半導体装置や液晶表示装置等の製造工程におけるフォトリソグラフィ工程では、レチクルあるいは、マスク(以下、レチクルという)に形成された回路パターンを投影光学系を介して半導体ウェハやガラスプレート(以下、ウェハという)上に投影露光する投影露光装置が用いられている。この投影露光装置としては種々の方式のものがあるが、例えば半導体装置の製造の場合、レチクルの回路パターン全体を一度に投影し得るイメージフィールドを持つ投影光学系を介してウェハをステップ・アンド・リピート方式で露光する投影露光装置や、レチクルを1次元に走査しつつ、ウェハをそれと同期した速度で1次元に走査させる、いわゆるステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置等がある。 【0003】これらの投影露光装置における露光動作では、レチクルのパターンの像をウェハに形成されたパターン上に正確に重ね合わせることが必須であり、そのためレチクルやウェハを載置してX−Y平面を2次元的に移動可能なX−Yステージには高い位置決め精度が要求されている。このX−Yステージを超精密に位置決めするために光波干渉測定装置が用いられている。 【0004】この種の光波干渉測定装置としては、周波数安定化されたヘリウム−ネオン(He−Ne)ガスレーザを光源とし、ヘテロダイン検出方式を採用したもの(例えば、米国ヒューレット・パッカード社製)が広く用いられている。 【0005】ここで従来の光波干渉測定装置を図7を用いて説明する。図7において、レーザ光源1は中心波長λ1で、波長のわずかに異なる互いに直交する偏光方位を有するレーザビームを射出する。このレーザ光源1から射出されたレーザビームは偏光ビームスプリッタ40に入射して測定光路と参照光路とに分離される。偏光ビームスプリッタ40において、p偏光成分の光は透過して測定光路に進み、1/4波長板44によって円偏光に変換された測定光となり、s偏光成分の光は偏光ビームスプリッタ40で反射して参照光路に進み、ミラー3に入射して光路を測定光と平行になるように曲げられて、1/4波長板42によって円偏光に変換された参照光となる。 【0006】そして、参照光は参照用反射鏡(固定鏡)6で反射し、測定光は測定用反射鏡(移動鏡)7で反射する。それぞれの反射光は再びそれぞれ1/4波長板42、44を透過して、偏光方位を当初の偏光方位に対して90°回転させられた直線偏光の光に変換される。1/4波長板44を透過した測定光は偏光ビームスプリッタ40に入射して、偏光方位が当初より90°度回転しているために、偏光ビームスプリッタ40で反射される。 【0007】一方、1/4波長板42を透過した参照光はミラー3で反射して偏光ビームスプリッタ40に入射し、同様に偏光方位が当初より90°度回転しているため偏光ビームスプリッタ40を透過する。従って、参照光と測定光は同軸となって偏光ビームスプリッタ40を射出する。この参照光と測定光はダイクロイックミラー48を透過して偏光子8に入射する。偏光子8の偏光方位は、参照光と測定光に対して45°傾いて設定されており、従って、偏光子8を透過した両光は干渉して光電検出素子9で検出される。光電検出素子9で電気信号に変換されたこの干渉信号は、レーザ光源1内部でp偏光成分とs偏光成分のレーザビームを直接干渉させて得られる基準信号と共に位相計(図示せず)に入力され、基準信号に対する測定信号の位相変化量を積算することにより、測定用反射鏡7の変位を知ることができる。 【0008】ところが、この種の光波干渉測定装置(レーザ干渉計)は、ステージなどに取り付けた測定用反射鏡7の参照用反射鏡6に対する相対的な変位量を、干渉信号の位相変化を積算することにより求めることはできるが、参照用反射鏡6と測定用反射鏡7の距離を直接求めることはできないため、ひとたび干渉計のビームが遮られると、位置の基準が失われてしまうという欠点を有している。周知のように、光電センサなどで位置の基準を与える原点出し(これ以降、「原点出し」と呼ぶ)をすることはできるが、せいぜいμm程度の精度であり、また原点出しのためにステージを移動させなければならず、測定に時間がかかるなどの問題があった。光電センサの代わりに、ステージのガイド部分にリニアエンコーダを設置しておき、この測定値を頼りに原点出しを行うことも考えられる。この場合、原点出しのためにステージを移動させる必要はなくなるが、この種のエンコーダは、測定の再現性はあっても、数十cmのストローク範囲での絶対位置精度はせいぜいμm程度であり問題を解決することはできない。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】そこで、上記問題を解決するために、図7に示すようにさらに別の干渉計を組み合わせた光波干渉測定装置が用いられている。この別の干渉計のレーザ光源11からは、波長λ1と異なる中心波長λ2で、波長がわずかに異なる互いに直交する2つの偏光方位を有するレーザビームが射出される。このレーザ光源11から射出したレーザビームは、ミラー45で折り曲げられてダイクロイックミラー46に入射し、レーザ光源1からのレーザビームと同軸となって偏光ビームスプリッタ40に入射して測定光路と参照光路とに分離される。偏光ビームスプリッタ40において、p偏光成分の光は透過して測定光路に進み、1/4波長板44によって円偏光に変換された測定光となり、s偏光成分の光は偏光ビームスプリッタ40で反射して参照光路に進み、ミラー3に入射して光路を測定光と平行になるように曲げられて、1/4波長板42によって円偏光に変換された参照光となる。 【0010】そして、参照光は参照用反射鏡(固定鏡)6で反射し、測定光は測定用反射鏡(移動鏡)7で反射する。それぞれの反射光は再びそれぞれ1/4波長板42、44を透過して、偏光方位を当初の偏光方位に対して90°回転させられた直線偏光の光に変換される。1/4波長板44を透過した測定光は偏光ビームスプリッタ40に入射して、偏光方位が当初より90°度回転しているために、偏光ビームスプリッタ40で反射される。 【0011】一方、1/4波長板42を透過した参照光はミラー3で反射して偏光ビームスプリッタ40に入射し、同様に偏光方位が当初より90°度回転しているため偏光ビームスプリッタ40を透過する。従って、参照光と測定光は同軸となって偏光ビームスプリッタ40を射出してダイクロイックミラー48で反射されて偏光子16に入射する。偏光子16の偏光方位は、参照光と測定光に対して偏光方位が45°傾いて設定されており、従って、偏光子16を透過した両光は干渉して光電検出素子17で検出される。光電検出素子17で電気信号に変換されたこの干渉信号は、レーザ光源11内部でp偏光成分とs偏光成分のレーザビームを直接干渉させて得られる基準信号と共に位相計(図示せず)に入力され、基準信号に対する測定信号の位相変化量を積算することにより、測定用反射鏡7の変位を知ることができる。 【0012】こうすることにより、周知の技術であるいわゆる絶対干渉計が構成できる。例えばレーザ光源11の波長λ2を可変にして波長を掃引し、その位相変化を計測して、参照光路と測定光路の光路長の差を直接求めるようにしてもよいし、また、多波長レーザ光源を使い、合成波長内での絶対干渉測定を行うようにしてもよい。 【0013】ところが、以上説明したような2つのレーザ光源を用いて両光源からのレーザビームを同一の干渉光学系に導入して、変位測定と絶対位置測定とを組み合わせて測定を行うシステムでは、測長用レーザ波長の光に加えて別の連続波長ないし多波長の光に対して同一の系で干渉光学系を構成する必要が生じるため、偏光ビームスプリッタ40、あるいは1/4波長板42、44は広い波長範囲で色消しされていることが必須となる。しかしながら、このような広い波長範囲で色消しされている光学素子を形成するのは現実には極めて困難であり、また形成できたとしても高コストになるのは避けられないという問題がある。 【0014】本発明の目的は、測定光路のレーザ光が遮られても、原点復帰させずに継続して測長することができ、しかも安価で容易に干渉光学系を構成することができる光波干渉測定方法および装置を提供することにある。 【0015】 【課題を解決するための手段】上記目的は、波長λ1の光を参照光と測定光に分離し、参照光を参照光路上に設けられた参照用反射鏡で反射させ、測定光を測定光路上を移動可能に設けられた測定用反射鏡で反射させ、反射した参照光および測定光を干渉させて、基準位置から移動した測定用反射鏡の参照用反射鏡に対する相対移動距離ΔLを測定する光波干渉測定方法において、基準位置での参照光路と測定光路の光路長差L1(=φ1・λ1/m、但し、mは光路の折り返しの数)に基づく位相φ1を測定し、波長λ2(≠λ1)の光をさらに用い、当該波長λ2の光を2つに分離して、一方の光を測定光路の途中から測定光路に平行に入射して測定用反射鏡で反射させ、反射した一方の光と、他方の光とを干渉させて、基準位置での一方の光の光路と他方の光の光路との光路長差L2(=φ2・λ2/m)に基づく位相φ2を測定し、相対移動距離ΔLでの参照光路と測定光路の光路長差L1+ΔL(=φ1’・λ1/m)に基づく位相φ1’を測定し、相対移動距離ΔLでの一方の光の光路と他方の光の光路の光路長差L2+ΔL(=φ2’・λ2/m)に基づく位相φ2’を測定し、位相φ1、φ2、φ1’、φ2’に基づいて、波長λ1の光が遮断された際の相対移動距離ΔLを求めることを特徴とする光波干渉測定方法によって達成される。 【0016】そして、相対移動距離ΔLは、ΔL=ΔΦ・λs/m但し、ΔΦ=Φ’−Φ、Φ=φ2−φ1、Φ’=φ2’−φ1’合成波長λs=λ1・λ2/|λ2−λ1|から求めることを特徴とする。 【0017】また上記目的は、上記光波干渉測定方法において、波長λ3(≠λ1、≠λ2、|λ2−λ1|>|λ3−λ2|)の光をさらに用い、当該波長λ3の光を2つに分離して、一方の光を測定光路の途中から測定光路に平行に入射して測定用反射鏡で反射させ、反射した当該一方の光と、他方の光とを干渉させて、基準位置での当該一方の光の光路と当該他方の光の光路との光路長差L3(=φ3・λ3/m)に基づく位相φ3を測定し、相対移動距離ΔLでの当該一方の光の光路と当該他方の光の光路の光路長差L3+ΔL(=φ3’・λ3/m)に基づく位相φ3’を測定することにより、相対的に広い合成波長λsW=λ2・λ3/|λ3−λ2|に基づいてΔLの存在範囲を求め、次いで、それより狭い合成波長λsに基づいてΔLを求めることを特徴とする光波干渉測定方法によって達成される。 【0018】さらに上記目的は、上記光波干渉測定方法において、基準位置での、参照光路と測定光路との光路長差L1と、一方の光の光路と他方の光の光路との光路長差L2とをほぼ等しくさせることを特徴とする光波干渉測定方法によって達成される。 【0019】またさらに上記目的は、上記光波干渉測定方法において、基準位置での、参照光路と測定光路との光路長差L1と、一方の光の光路と他方の光の光路との光路長差L2とを、L1>>L2とすることを特徴とする光波干渉測定方法によって達成される。 【0020】上記目的は、物体の変位を測定するための第1の光を射出する第1の光源と、第1の光を測定光路と参照光路に分離する第1のビームスプリッタと、参照光路上に設けられた参照用反射鏡と、測定光路上を移動可能に設けられた測定用反射鏡と、参照用反射鏡および測定用反射鏡で反射した第1の光の干渉光を受光する第1の受光部とを有する光波干渉測定装置において、第1の光の波長と異なる波長を有する第2の光を射出する第2の光源と、第2の光を2つに分離する第2のビームスプリッタと、2つに分離された第2の光の一方を、測定光路の途中から測定光路と平行に測定用反射鏡に向かわせる第1の光学系と、測定用反射鏡で反射した一方の光と、他方の光との干渉光を受光する第2の受光部とをさらに備えたことを特徴とする光波干渉測定装置によって達成される。 【0021】また、上記目的は、上記光波干渉測定装置において、第1の光学系は、さらに第2の光の他方を、参照光路の途中から参照光路と平行に参照用反射鏡に向かわせ、第2の受光部は、測定用反射鏡で反射した第2の光の一方と参照用反射鏡で反射した第2の光の他方との干渉光を受光することを特徴とする光波干渉測定装置によって達成される。 【0022】さらに上記目的は、上記光波干渉測定装置において、第2の光源は、波長可変レーザであることを特徴とする光波干渉測定装置によって達成される。またさらに上記目的は、上記光波干渉測定装置において、第1および第2の光の波長と異なる波長を有する第3の光を射出する第3の光源と、第3の光を2つに分離する第3のビームスプリッタと、2つに分離された第3の光の一方を、測定光路の途中から測定光路と平行に測定用反射鏡に向かわせる第2の光学系と、測定用反射鏡で反射した第3の光の一方の光と、他方の光との干渉光を受光する第3の受光部とをさらに備えたことを特徴とする光波干渉測定装置によって達成される。 【0023】そして、第2の光学系は、さらに第3の光の他方を、参照光路の途中から参照光路と平行に参照用反射鏡に向かわせ、第3の受光部は、測定用反射鏡で反射した第3の光の一方と参照用反射鏡で反射した第3の光の他方との干渉光を受光するようにしてもよい。また、第3のビームスプリッタを第2のビームスプリッタで兼用し、第2の光学系を第1の光学系で兼用するようにしてもよい。 【0024】さらに、上記光波干渉測定装置において、第1の光は、互いに直角な偏光方位を有し周波数がわずかに異なる2つの光から構成され、第1のビームスプリッタは偏光ビームスプリッタであり、測定光路上および参照光路上には、それぞれ波長板が配置され、第1の光学系は、少なくとも第2の光の一方を、測定光路上の波長板と測定用反射鏡との間から、測定光路と平行に測定用反射鏡に向かわせるように配置されているようにしてもよい。 【0025】そして、第1の光学系は、少なくとも第2の光の他方を、参照光路上の波長板と参照用反射鏡との間から、参照光路と平行に参照用反射鏡に向かわせるように配置されているようにしてもよい。また、上記光波干渉測定装置において、第1乃至第3の光源は、波長安定化レーザであることを特徴とする。 【0026】このように本発明では、所定の波長の光を用いた測長用の光波干渉計と、当該所定の波長とは異なる別の波長の光を用いた光波干渉計とを用い、少なくとも両干渉計の測定光の光軸を途中から平行にして同一の測定用反射鏡に導き、両干渉計の合成波長内での測定用反射鏡の移動量の測定を、位相変化の計数をしなくても行えるようにしたので、たとえ測定光が遮断されたとしても、原点からの測定用反射鏡の位置を合成波長内で測長用の光波干渉計の分解能で行うことができるようになる。そして、測長用の光波干渉計と、それと異なる波長の光を用いた別の光波干渉計とは、少なくとも両測定光の光軸を途中から合成するようにしているので、各光波干渉計の光路を参照光路と測定光路に分離する偏光分離素子(偏光ビームスプリッタ)、あるいは参照光や測定光の偏光方位を回転させる1/4波長板等に、安価な単一波長に対応した素子を用いることができるようになる。 【0027】 【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を説明するに際し、まずはじめに本発明による光波干渉測定方法の基本原理について説明する。この光波干渉測定方法は、以下に説明する第1乃至第6の実施の形態で説明する光波干渉測定装置の全てに適用できるものである。まず、測長レーザ干渉計の波長をλ1、付加する別波長レーザ干渉計の波長をλ2とする。両干渉光学系の光路長差は一般に異なるから、それぞれL1、L2とすると、【0028】 L1=φ1・λ1/m ・・・(1) L2=φ2・λ2/m ・・・(2) 【0029】ここで、mは光路の折り返し数で、φは位相である。そして、測定用反射鏡が原点位置Pにあるときのφ1、φ2を記憶しておく。次に、測定用反射鏡が移動してQの位置にあるときのPQ間の距離をΔLとすると、【0030】 L1+ΔL=φ1’・λ1/m ・・・(3) L2+ΔL=φ2’・λ2/m ・・・(4) 【0031】であるから、ここで、Φ=φ2−φ1とすると、【0032】 ΔΦ=Φ’−Φ=(φ2’−φ1’)−(φ2−φ1) =mΔL(1/λ2−1/λ1) 従って、合成波長λsをλs=λ1・λ2/|λ2−λ1| ・・・(5) とすると、Φの変化量をΔΦとして、ΔL=ΔΦ・λs/m ・・・(6) となる。 【0033】すなわち、測定用反射鏡がλs/m単位で何処に位置するかが分かっていれば、ビームが遮断されてもΦ’を測定し直してΔΦを求めることにより、ΔLを求めることができる。この測定精度は、後述するようにλ1/m範囲以内にすることが可能であるから、結局元の測長レーザ干渉計の精度でΔLを求めることができることになる。 【0034】次に、この測定の精度について詳述する。まず、式(6)に誤差伝搬則を適用する。まず、式(6)を式(5)を用いて変形し、【0035】 ΔL=ΔΦ・λs/m={(φ2’−φ1’)−(φ2−φ1)}(λs/m) これから、δ(ΔL)=2(δφ2+δφ1)(λs/m) +ΔL・(λs/λ1)(δλ1/λ1) +ΔL・(λs/λ2)(δλ2/λ2) ・・・(7) となる。ここで、式(1)および式(2)より、δφ1=δ’φ1+mL1・δλ1/λ12δφ2=δ’φ2+mL2・δλ2/λ22【0036】である。上記両式の第1項は位相測定の誤差を、第2項は波長変動による誤差を表している。上記これらの式を式(7)に代入すると、【0037】 δ(ΔL)=2(δ’φ2+δ’φ1)(λs/m) +2L1・(λs/λ1)(δλ1/λ1) +2L2・(λs/λ2)(δλ2/λ2) +ΔL・(λs/λ1)(δλ1/λ1) +ΔL・(λs/λ2)(δλ2/λ2) =2(δ’φ2+δ’φ1)(λs/m) +(2L1+ΔL)(λs/λ1)(δλ1/λ1) +(2L2+ΔL)(λs/λ2)(δλ2/λ2) ΔLはL1またはL2に比べ小さいから、結局、δ(ΔL)=2(δ’φ1+δ’φ2)(λs/m) +2L1(λs/λ1)(δλ1/λ1) +2L2(λs/λ2)(δλ2/λ2) ・・・(8) 【0038】式(8)の第1項は位相測定誤差の影響を表し、第2項は波長λ1のレーザの波長安定性(δλ1/λ1)の影響を表し、同じく第3項は波長λ2のレーザの波長安定性の影響を表している。上述した条件は、【0039】 δ(ΔL)<λ1/2m ・・・(9) 【0040】で表される。この条件が満たされるとき、ΔLは元の測長レーザ干渉計の精度で測定可能になる。具体的な例としては、λ1にHe−Neレーザの633nm、λ2に同じくHe−Neレーザの612nmの発振線を選ぶと、λs=18.45μmである。ここで、干渉計はシングルパス光学系であるとすると、m=2である。また、L1=0.1m、L2=0.1mとする。位相測定誤差は主に分解能で決定されるが、測定の応答性が必要なければ、【0041】δ’φ1=δ’φ2=1/1024【0042】程度は容易に実現可能である。波長安定性は測定の時間間隔にもよるが、1時間程度以内であれば、δλ1/λ1=δλ2/λ2=2E−9程度は達成できる。従って、【0043】 2(δ’φ1+δ’φ2)(λs/m)=36nm2L1(λs/λ1)(δλ1/λ1)=11.7nm2L2(λs/λ2)(δλ2/λ2)=12.1nmとなる。従って、式(9)を満たすことができる。 【0044】さて、以上説明した本発明の光波干渉測定方法が適用される装置として、まず本発明の第1の実施の形態による光波干渉測定装置を図1を用いて説明する。なお、本実施の形態は、上述の両干渉光学系の光路長差L1、L2が等しい(L1=L2)構成の光波干渉測定装置について説明する。 【0045】図1において、レーザ光源1は中心波長λ1で、波長のわずかに異なる互いに直交する偏光方位を有するレーザビームを射出する。このレーザ光源1から射出されたレーザビームは偏光ビームスプリッタ2に入射して測定光路と参照光路とに分離される。偏光ビームスプリッタ2において、p偏光成分の光は透過して測定光路に進み、1/4波長板5によって円偏光に変換された測定光となり、s偏光成分の光は偏光ビームスプリッタ2で反射して参照光路に進み、ミラー3に入射して光路を測定光と平行になるように曲げられて、1/4波長板4によって円偏光に変換された参照光となる。 【0046】これら参照光と測定光はダイクロイックミラー10を透過して、参照光は参照用反射鏡(固定鏡)6で反射し、測定光は測定用反射鏡(移動鏡)7で反射する。それぞれの反射光は再びダイクロイックミラー10を透過した後、それぞれ1/4波長板4、5を透過して、偏光方位を当初の偏光方位に対して90°回転させられた直線偏光の光に変換される。1/4波長板5を透過した測定光は偏光ビームスプリッタ2に入射して、偏光方位が当初より90°度回転しているために、偏光ビームスプリッタ2で反射される。 【0047】一方、1/4波長板4を透過した参照光はミラー3で反射して偏光ビームスプリッタ2に入射し、同様に偏光方位が当初より90°度回転しているため偏光ビームスプリッタ2を透過する。従って、参照光と測定光は同軸となって偏光ビームスプリッタ2を射出して偏光子8に入射する。偏光子8は、参照光と測定光に対して偏光方位が45°傾いて設定されており、従って、偏光子8を透過した両光は干渉して光電検出素子9で検出される。光電検出素子9で電気信号に変換されたこの干渉信号(以下、これを測定信号と呼ぶ)は、レーザ光源1内部でp偏光成分とs偏光成分のレーザビームを直接干渉させて得られる基準信号と共に位相計50に入力され、基準信号に対する測定信号の位相変化量を積算することにより、測定用反射鏡7の変位を知ることができる。以上の構成のレーザ干渉計システムを干渉計Aと呼ぶことにする。 【0048】一方、レーザ光源11からは、波長λ1と別波長の中心波長λ2で、同じく波長のわずかに異なる互いに直交する偏光方位を有するレーザビームが射出する。このレーザ光源11から射出したレーザビームは偏光ビームスプリッタ12に入射して測定光路と参照光路とに分離される。偏光ビームスプリッタ12において、p偏光成分の光は透過して測定光路に進み、1/4波長板15によって円偏光に変換された測定光となり、s偏光成分の光は偏光ビームスプリッタ12で反射して参照光路に進み、ミラー13に入射して光路を測定光と平行になるように曲げられて、1/4波長板14によって円偏光に変換された参照光となる。 【0049】これら参照光と測定光はダイクロイックミラー10で反射した後、参照光は参照用反射鏡(固定鏡)6で反射し、測定光は測定用反射鏡(移動鏡)7で反射する。それぞれの反射光は再びダイクロイックミラー10で反射した後、それぞれ1/4波長板14、15を透過して、偏光方位を当初の偏光方位に対して90°回転させられた直線偏光の光に変換される。1/4波長板15を透過した測定光は偏光ビームスプリッタ12に入射して、偏光方位が当初より90°度回転しているために、偏光ビームスプリッタ12で反射される。 【0050】一方、1/4波長板14を透過した参照光はミラー13で反射して偏光ビームスプリッタ12に入射し、同様に偏光方位が当初より90°度回転しているため偏光ビームスプリッタ12を透過する。従って、参照光と測定光は同軸となって偏光ビームスプリッタ12を射出して偏光子16に入射する。偏光子16は、参照光と測定光に対して偏光方位が45°傾いて設定されており、従って、偏光子16を透過した両光は干渉して光電検出素子17で検出される。光電検出素子17で電気信号に変換されたこの干渉信号(測定信号)は、レーザ光源11内部でp偏光成分とs偏光成分のレーザビームを直接干渉させて得られる基準信号と共に位相計52に入力され、基準信号に対する測定信号の位相変化量を積算することにより、測定用反射鏡7の変位を知ることができる。以上の構成のレーザ干渉計システムを干渉計Bと呼ぶことにする。 【0051】さて、以上のような2組の干渉計A、Bからなる光波干渉測定装置において、レーザビームが遮断された場合の原点出しを行う処理を簡単に説明する。まず、測定用反射鏡7が基準位置(原点位置P)にあるときの、干渉計Aの参照光路と測定光路の光路長差L1(=φ1・λ1/m、但し、光路の折り返し数m=2)に基づく位相φ1と、干渉計Bの参照光路と測定光路の光路長差L2(=φ2・λ2/m、但し、光路の折り返し数m=2)に基づく位相φ2を予め測定しておいて、その差φ2−φ1を記憶しておく。 【0052】レーザビームが遮断された後の測定用反射鏡7の基準位置からの相対移動距離ΔLがλs/2以内であるとして、相対移動距離ΔLでの干渉計Aの参照光路と測定光路の光路長差L1+ΔL(=φ1’・λ1/2)に基づく位相φ1’と、干渉計Bの参照光路と測定光路の光路長差L2+ΔL(=φ2’・λ2/2)に基づく位相φ2’を測定して、その差φ2’−φ1’を求める。 【0053】こうすることによりΔΦが求まり、一方、合成波長λsも式(5)から求められるので、式(6)から、最初の原点出しの位置からの変位ΔLを求めることができる。なお、本実施の形態の場合における誤差解析は、式(8)でL1=L2とすればよい。 【0054】以上説明したように本実施の形態の光波干渉測定装置によれば、干渉計Aと干渉計Bとを用い、少なくとも両干渉計A、Bの測定光の光軸を途中から平行にして同一の測定用反射鏡7に導き、両干渉計A、Bの合成波長内での測定用反射鏡7の移動量の測定を、位相変化の計数をしなくても行えるようにしたので、たとえ測定光が遮断されたとしても、原点からの測定用反射鏡7の位置を合成波長内で測長用の光波干渉計の分解能で行うことができるようになる。そして、測長用の干渉計Aと干渉計Bとは、少なくとも両測定光の光軸を途中から合成するようにしているので、各干渉計A、Bの光路を参照光路と測定光路に分離する偏光ビームスプリッタ2、12、あるいは参照光や測定光の偏光方位を回転させる1/4波長板4、5、14、15等に、単一波長にのみ対応した素子を用いることができるので装置を安価にまた容易に構成することができるようになる。 【0055】次に、本発明の第2の実施の形態による光波干渉測定装置の概略の構成を図2を用いて説明する。本実施の形態では、上述の両干渉光学系の光路長差L1、L2が異なる場合(L1≠L2)について説明する。 【0056】本実施の形態による光波干渉測定装置の構成は、第1の実施の形態による光波干渉測定装置の干渉計Bの光路にミラー系18を付加した点に特徴を有しており、その他の構成要素は、作用、機能において図1に示す第1の実施の形態と同一であるので、図1と同一の符号を付してその説明は省略するものとする。図2に示すように干渉計Bの光路に2枚のミラーを有するミラー系18を付加したことにより、第1の実施の形態と異なり、両干渉光学系の光路長差L1、L2を異ならせることができる。例えば、ミラー系18の2枚のミラーの配置を変化させることにより干渉計Bの光路長差L2を極めて小さくさせることが可能である。 【0057】こうすることにより、各干渉計A、Bの光路を参照光路と測定光路に分離する偏光ビームスプリッタ2、12、あるいは参照光や測定光の偏光方位を回転させる1/4波長板4、5、14、15等に、単一波長にのみ対応した素子を用いることができるようになると共に、干渉計Bのレーザ光源11の波長安定性が干渉計Aのレーザ光源1に比べて劣るような場合でも、上述した本発明の光波干渉測定方法における誤差解析の式(8)からわかるように、高い位置決め精度を維持することができるようになる。 【0058】次に、本発明の第3の実施の形態による光波干渉測定装置を図3を用いて説明する。なお、本実施の形態による光波干渉測定装置の構成において、図1及び図2を用いて説明した第1および第2の実施の形態による光波干渉測定装置の構成要素と、作用、機能において同一の構成要素には同一の符号を付してその説明は省略するものとする。本実施の形態による光波干渉測定装置は、図3に示すように、干渉計Aの参照用反射鏡6と別に干渉計B専用の参照用反射鏡(固定鏡)19を設けた点に特徴を有している。すなわち、図1および図2に示したミラー13を取り除き、レーザ光源11を射出して偏光ビームスプリッタ12を反射した参照光を、1/4波長板14を透過させて干渉計B専用の参照用反射鏡19で反射させるようにしている。 【0059】こうすることにより、第2の実施の形態と同じく、参照用反射鏡19の位置を調節することで、干渉計Bの光路長差L2を極めて小さくさせることが可能になる。従って、本実施の形態によれば、各干渉計A、Bの光路を参照光路と測定光路に分離する偏光ビームスプリッタ2、12、あるいは参照光や測定光の偏光方位を回転させる1/4波長板4、5、14、15等に、単一波長にのみ対応した素子を用いることができるようになると共に、干渉計Bのレーザ光源11の波長安定性が干渉計Aのレーザ光源1に比べて劣るような場合でも、上述した本発明の光波干渉測定方法における誤差解析の式(8)に基づき、高い位置決め精度を維持することができるようになる。 【0060】次に、本発明の第4の実施の形態による光波干渉測定装置の概略の構成を図4を用いて説明する。本実施の形態における光波干渉測定装置は、図4に示すように、第3の実施の形態を表す図3に示したと同様の干渉計Aおよび干渉計Bを構成し、さらにそれら干渉計A、Bで用いる波長と異なる別波長のレーザ干渉計Cを構成して、干渉計Cの測定光を干渉計Aの測定光路の途中から同軸にして測定用反射鏡(移動鏡)7に入射させている点に特徴を有している。本実施の形態による光波干渉測定装置の構成において、図3を用いて説明した第3の実施の形態による光波干渉測定装置の構成要素と、作用、機能において同一の構成要素には同一の符号を付してその説明は省略する。 【0061】図4において、干渉計Cは中心波長λ3(λ3≠λ1、λ3≠λ2)のレーザビームを射出するレーザ光源21を有している。このレーザビームも波長のわずかに異なる互いに直交する偏光方位を有している。このレーザ光源21から射出したレーザビームは偏光ビームスプリッタ60に入射して測定光路と参照光路とに分離される。偏光ビームスプリッタ60において、p偏光成分の光は透過して測定光路に進み、1/4波長板62によって円偏光に変換された参照光となり、s偏光成分の光は偏光ビームスプリッタ60で反射して1/4波長板64によって円偏光に変換された測定光となる。 【0062】参照光は、1/4波長板62を透過した後、参照用反射鏡(固定鏡)68に入射する。また、測定光は1/4波長板64を透過した後、干渉系Aの測定光路の途中に設けられたダイクロイックミラー66で反射して、干渉計Aの測定光と同軸になって測定用反射鏡7に向かう。 【0063】参照用反射鏡68で反射した参照光は、再度1/4波長板に入射して、偏光方位が当初より90°度回転した直線偏光の光となって偏光ビームスプリッタ68で反射される。一方、測定用反射鏡7で反射した測定光は再びダイクロイックミラー66で反射した後、1/4波長板64を透過して、偏光方位を当初の偏光方位に対して90°回転させられた直線偏光の光に変換される。1/4波長板64を透過した測定光は偏光ビームスプリッタ60に入射して、偏光方位が当初より90°度回転しているために、偏光ビームスプリッタ60を透過する。 【0064】偏光ビームスプリッタ60で反射された参照光と偏光ビームスプリッタ60を透過した測定光は、同軸となって偏光子70に入射する。偏光子70の偏光方位は、参照光と測定光に対して45°傾いて設定されており、従って、偏光子70を透過した両光は干渉して光電検出素子72で検出される。光電検出素子72で電気信号に変換されたこの干渉信号(測定信号)は、レーザ光源21内部でp偏光成分とs偏光成分のレーザビームを直接干渉させて得られる基準信号と共に位相計(図示を省略)に入力され、基準信号に対する測定信号の位相変化量を積算することにより、測定用反射鏡7の変位を知ることができる。 【0065】干渉計A、Bにより検出された電気信号も、第1乃至第3の実施の形態と同様にして、不図示の位相計に入力され、基準信号に対する測定信号の位相変化量がそれぞれの干渉計について求められる。本実施の形態において、波長λ2と波長λ3の波長差は、波長λ1と波長λ2、あるいは波長λ1と波長λ3との波長差に比較して小さく設定してある。従って、波長λ2と波長λ3から決定される合成波長λ23は波長λ1と波長λ2とから決定される合成波長λ12に比べ長くなる。そこで、本実施の形態による光波干渉測定装置においては、まず合成波長λ23を単位として、測定用反射鏡7の位置を広い測長範囲だが粗い分解能で計測する。次いで、第3の実施の形態と同様に、波長λ1の干渉計Aと波長λ2の干渉計Bの信号を用いて精密に測定用反射鏡7の位置を求めるようにする。 【0066】このように2段階で測定用反射鏡7の位置を決定するため、測定用反射鏡7が合成波長λ23を光路析り返し数m(この場合はm=2)で除した範囲内にあればよく、従って、本実施の形態による光波干渉測定装置は、上述の第1乃至第3の実施の形態に比べて測定可能範囲を拡大することができるという特徴を有している。 【0067】次に、本発明の第5の実施の形態による光波干渉測定装置を図5を用いて説明する。本実施の形態による光波干渉測定装置は、図4を用いて説明した第4の実施の形態による光波干渉測定装置の変形例である。本実施の形態による光波干渉測定装置の構成において、図4を用いて説明した第4の実施の形態による光波干渉測定装置の構成要素と、作用、機能において同一の構成要素には同一の符号を付してその説明は省略する。 【0068】本実施の形態による光波干渉測定装置は、図5に示すように、測長用干渉計Aの他に2つの別波長のレーザ干渉計B、Cを構成し、それらの測定光を第4の実施の形態と同じく、干渉計Aの測定光路の途中から同軸にして入射するようにしたものである。干渉計Bのレーザ光源11から射出する波長λ2のレーザビームと干渉計Cのレーザ光源21から射出する波長λ3のレーザビームは、ダイクロイック・ミラー20によって同軸にされ、偏光ビームスプリッタ120に入射する。両レーザビームは第4の実施の形態と同様に、一方の偏光成分は1/4波長板150を透過した後、ダイクロイック・ミラー10によって干渉計Aの測定光路と同軸になって測定用反射鏡7に送光され、他方の偏光成分は1/4波長板140を透過した後、干渉計B、Cに共通な参照用反射鏡19に送光される。 【0069】各反射鏡で反射されたレーザビームは再び偏光ビームスプリッタ120で合成され、波長分光手段22である反射型の回折格子によって、波長λ2と波長λ3のビームが分離され、それぞれ偏光子16、70によって偏光成分同士が干渉し、その干渉光は光電検出器17、72で検出される。この検出された電気信号は上述の実施の形態と同じく不図示の位相計に入力され、基準信号に対する測定信号の位相変化量がそれぞれの干渉計について求められる。 【0070】本実施の形態においても、第4の実施の形態と同様に、波長λ2と波長λ3の波長差は波長λ1と波長λ2、または波長λ1と波長λ3との波長差に比べ小さく設定されており、波長λ2と波長λ3から決定される合成波長λ23は、波長λ1と波長λ2とから決定される合成波長λ12に比べ長くなるようになっている。従って、まず合成波長λ23を単位として、測定用反射鏡7の位置がラフに求められる。次いで、波長λ1の干渉計Aと波長λ2の干渉計Bの信号から、精密に測定用反射鏡7の位置を求めることができる。 【0071】本実施の形態も第4の実施の形態と同様に、2段階で測定用反射鏡7の位置を決定するため、測定用反射鏡7が合成波長λ23を光路析り返し数m(=2)で除した範囲内にあればよく、第1乃至第3実施の形態に比べ測定可能範囲が広げられるという利点がある。 【0072】なお、ここでの偏光ビームスプリッタ120や1/4波長板140、150は波長λ2と波長λ3の両方において、所定の光学性能となるように設計されたものである必要がある。すなわちこれらの光学素子は、波長λ2と波長λ3において色消しされている。また、波長分光手段22は、必ずしも反射型の回折格子でなくてもよく、たとえば分散プリズムのようなものでもよい。 【0073】次に、本発明の第6の実施の形態による光波干渉測定装置を図6を用いて説明する。本実施の形態による光波干渉測定装置は、図3に示した第3の実施の形態による光波干渉測定装置の干渉計Bのレーザ光源を、波長可変レーザ光源31に置き換えたいわゆる絶対干渉計を採用した点に特徴を有している。本実施の形態による光波干渉測定装置の構成において、図3を用いて説明した第3の実施の形態による光波干渉測定装置の構成要素と、作用、機能において同一の構成要素には同一の符号を付してその説明は省略する。 【0074】本実施の形態では、図6に示すように、干渉計Bに波長可変レーザ光源31を用いており、この波長可変レーザ光源31から出力されるレーザビームの波長を掃引することにより得られる位相変化から、干渉系Bの光路長差L2が直接求められる。これに基づいて、干渉計Aの測定分解能で原点出しを行うことができるようになる。なお、図6に示す偏光ビームスプリッタ122や1/4波長板142、152は波長可変レーザ光源31の波長可変範囲内で色消しされているものとする。 【0075】本発明は、上記実施の形態に限らず種々の変形が可能である。例えば、上記実施の形態においては、光波干渉測定装置の各干渉計はヘテロダイン方式による干渉信号の計測を行うようにしているが、本発明はこれに限られず、ホモダイン方式の干渉計を用いてももちろんよい。 【0076】また、上記実施の形態においては、干渉計Aの測定光路や参照光路に途中から入射させた干渉計Bあるいは干渉計Cの測定光や参照光を、干渉計Aの測定光や参照光と同軸にして各反射鏡に入射させるようにしてるが、本発明はこれに限られず、完全に同軸にさせないで、各ビームが互いに平行にずれていてもよく、上記式(9)の条件を満たす限り問題は生じない。 【0077】 【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、たとえ測定光が遮断されたとしても、原点からの測定用反射鏡の位置を合成波長内で測長用の光波干渉計の分解能で行うことができるようになる。そして、測長用の光波干渉計と、それと異なる波長の光を用いた別の光波干渉計とは、少なくとも両測定光の光軸を途中から合成するようにしているので、各光波干渉計の光路を参照光路と測定光路に分離する偏光分離素子(偏光ビームスプリッタ)や、参照光や測定光の偏光方位を回転させる1/4波長板等に、安価な単一波長に対応した素子を用いることができるようになる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004112 【氏名又は名称】株式会社ニコン
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)12月18日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】森岡 正樹
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| 【公開番号】 |
特開平11−183116 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)7月9日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−364491 |
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