トップ :: G 物理学 :: G01 測定;試験




【発明の名称】 回転角度センサ
【発明者】 【氏名】天野 佳治

【要約】 【課題】磁路構成体と磁気検出素子との間に金属性の異物が介在することに起因した検出精度の低下を防止できる回転角度センサを提供する。

【解決手段】スロットルセンサ10はバルブシャフト71の一端部に固定された磁石13及び同磁石13の両端部に固定された対向板14,15からなる磁路構成体11と、対向板14,15の間に配設された基板23とを備える。対向板14,15の周縁部に形成された段部20,21は対向する磁極面16,17を有する。基板23上には磁極面16,17の間に位置するようにしてホール素子12が配設される。ホール素子12の上面と、基板23の下面において前記ホール素子12と反対側に位置する部分にはそれぞれフエルト材からなる除去部材25,26が取り付けられる。各除去部材25,26の上面或いは下面は各磁極面16,17に対して圧接される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 回転部材とともに回転する磁路構成体と、該磁路構成体の磁極面に対向して配置され同磁路構成体の回転に伴う磁界の変化を検出する磁気検出素子とを備え、前記検出される磁界変化に基づき前記回転部材の回転角度を検出する回転角度センサにおいて、前記磁路構成体の磁極面と磁気検出素子との間の異物を除去するための異物除去機構を備えたことを特徴とする回転角度センサ。
【請求項2】 前記異物除去機構は、前記磁気検出素子と前記磁極面との間に位置するように前記磁気検出素子に固定され前記磁路構成体の回転に伴ってその一部が前記磁極面上を摺動する非磁性体の除去部材を備えることを特徴とする請求項1に記載した回転角度センサ。
【請求項3】 前記異物除去機構は前記磁極面全体を覆うようにして一端面が同磁極面上に固定されるとともに前記磁路構成体が回転する際に他端面が前記磁気検出素子に接触する非磁性体の被覆部材を備えることを特徴とする請求項1に記載した回転角度センサ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は内燃機関のスロットルポジションセンサやアクセルポジションセンサとして好適な回転角度センサに係り、詳しくは回転部材とともに回転する磁路構成体と、該磁路構成体の磁極面に対向して配置され同磁路構成体の回転に伴う磁界の変化を検出する磁気検出素子とを備えた回転角度センサに関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関のスロットルバルブの開度を検出するセンサとしては特開平2−298802号公報に記載された「スロットルポジションセンサ」が知られている。図15に示すように、このスロットルポジションセンサ100はスロットルバルブと連動して回転するシャフト101と、同シャフト101の先端部に設けられた磁石部材102と、磁気センサ103とを備えている。磁石部材102はシャフト101に固定された永久磁石104と、同磁石104の両側面に接合された一対の磁性体腕部105,106とを備えている。これら磁性体腕部105,106の先端部はその端面が磁極面107,108として対向するように屈曲形成されている。そして、このように各磁性体腕部105,106の磁極面107,108が対向することにより、両磁極面107,108間には略平行な磁束が形成される。
【0003】この種のスロットルポジションセンサ100ではシャフト101等の回転部材が回転して磁気センサ103を通過する磁束の方向が変化すると、その磁束方向の変化に応じて磁気センサ103からの出力信号の大きさが変化するため、この出力信号の大きさから回転部材の回転角度、即ちスロットルバルブの開度を検出することができる。
【0004】また、特開平5−26610号公報には、図16に示すように、スロットルバルブ(図示略)と連動して回転するシャフト201と、所定間隔を隔てて配置されシャフト201と一体回転する一対の永久磁石202,203と、両磁石202,203の間に配置されたホール素子204とを備えたスロットルポジションセンサ200が開示されている。このスロットルポジションセンサ200においても上記スロットルポジションセンサ100と同様、ホール素子204を通過する磁束の方向変化からスロットルバルブの開度を検出することができる。
【0005】上記各スロットルポジションセンサ100,200はいずれも磁路構成体(磁石部材102、永久磁石202,203)により磁束を発生させ、磁気検出素子(磁気センサ103、ホール素子204)を通過する磁束の方向変化に基づいてシャフト201等の回転部材の回転角度を検出するセンサであるが、例えば特開平7−260142号公報に記載された「回転位置センサ」のように、磁気検出素子を通過する磁束の密度変化に基づいて回転部材の回転角度を検出するようにしたセンサも知られている。
【0006】図17に示すように、この回転位置センサ300では回転軸(その軸線Cのみを示す)と一体回転する断面略C字形状の透磁性極片301と、同透磁性極片301において相互に対向する部分に固定され、その対向する磁極面302,303が斜状に形成された一対の磁石305,306とによって磁石構造体(磁路構成体)307を構成し、各磁石305,306の間にホール効果装置(磁気検出素子)308を配置するようにしている。そして、この回転位置センサ300では、磁石構造体307が回転軸とともに回転するとホール効果装置308の位置における各磁石305,306間の間隙の大きさが変化して磁束密度が変化するため、この磁束密度の大きさから回転軸の回転角度を検出することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記各センサはいずれも磁路構成体において発生する磁束の方向変化或いは密度変化といった磁界の変化に基づいて回転部材の回転を検出するようにしているため、磁路構成体の磁極面と磁気検出素子との間に形成される間隙を所定の大きさに保持することが検出精度の低下を防止するうえで重要となる。
【0008】ところが、従来の各センサでは磁路構成体の磁気によって金属破片や金属粉等の異物が吸着されることがある。特に、このような金属性の異物が磁極面上に堆積すると磁極面と磁気検出素子との間に形成される間隙の大きさが減少してしまい、磁気検出素子近傍における磁界の状態が回転部材の回転動作とは無関係に変化してセンサ特性が所定の特性からずれるおそれがあった。
【0009】この発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は磁路構成体と磁気検出素子との間に金属性の異物が介在することに起因した検出精度の低下を防止することができる回転角度センサを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、請求項1に記載した発明は、回転部材とともに回転する磁路構成体と、該磁路構成体の磁極面に対向して配置され同磁路構成体の回転に伴う磁界の変化を検出する磁気検出素子とを備え、検出される磁界変化に基づき回転部材の回転角度を検出する回転角度センサにおいて、磁路構成体の磁極面と磁気検出素子との間の異物を除去するための異物除去機構を備えるようにしている。
【0011】上記構成によれば、異物除去機構によって磁極面と磁気検出素子との間に存在する異物が除去されるため、同磁極面と磁気検出素子との間の間隙が所定の大きさに保持される。
【0012】また、請求項2に記載した発明では、前記異物除去機構が、磁気検出素子と磁極面との間に位置するように磁気検出素子に固定され磁路構成体の回転に伴ってその一部が磁極面上を摺動する非磁性体の除去部材を備えている。
【0013】上記構成によれば、除去部材の一部が磁路構成体の回転に伴って磁路構成体の磁極面上を摺動することにより、同磁極面上に吸着された異物は除去されるため、同磁極面と磁気検出素子との間の間隙が所定の大きさに保持される。尚、除去部材の一部は磁極面と磁気検出素子との間に介在することになるが、同除去部材は非磁性体であるため、磁気検出素子によって検出される磁界に影響を及ぼすことはない。
【0014】また、請求項3に記載した発明では、前記異物除去機構が、磁極面全体を覆うようにして一端面が同磁極面上に固定されるとともに磁路構成体が回転する際に他端面が磁気検出素子に接触する非磁性体の被覆部材を備えている。
【0015】上記構成によれば、被覆部材によって磁極面全体を覆うようにしたため、異物は被覆部材の他端面に付着するようになり、また、被覆部材は非磁性体からなるため、その異物の付着量は減少する。更に、被覆部材の他端面に付着した異物は磁路構成体が回転する際に磁気検出素子によって除去される。従って、磁極面と磁気検出素子との間の間隙は所定の大きさに保持される。尚、被覆部材は磁極面と磁気検出素子との間に介在することになるが、同被覆部材は非磁性体であるため、磁気検出素子によって検出される磁界に影響を及ぼすことはない。
【0016】
【発明の実施の形態】[第1の実施形態]以下、本発明を車輌用エンジンのスロットルポジションセンサ(以下、単に「スロットルセンサ」という)として具体化した第1の実施形態について説明する。
【0017】図1及び図2は本実施形態におけるスロットルセンサ10を示している。このスロットルセンサ10はスロットルバルブ70のバルブシャフト71の回転角度を同バルブ70の開度として検出するものである。また、本実施形態ではこのスロットルバルブ70として電子制御式のスロットルバルブが採用されている。即ち、バルブシャフト71には被動ギア(図示略)が固定されており、同被動ギアはスロットルモータ(図示略)の駆動ギア(図示略)に噛合されている。そして、このスロットルモータによってバルブシャフト71が回転駆動されることにより、スロットルバルブ70の開度がエンジン(図示略)の運転状態に応じて調節されるようになっている。
【0018】スロットルセンサ10は前記バルブシャフト71と一体回転する磁路構成体11と、同磁路構成体11の回転に伴う磁界の変化を検出するホール素子12と、これらを収容するケース(図示略)とを備えている。
【0019】磁路構成体11はバルブシャフト71の一端部に固定された円柱状の磁石13と、高透磁率材料(鉄、綱等)によって略扇形状に形成された一対の対向板14,15とを備えている。この対向板14,15は互いに対向するようにして磁石13の両端部に固定されている。従って、バルブシャフト71が回転することにより、磁石13及び各対向板14,15は同シャフト71の軸心回りに回転する。また、各対向板14,15の周縁部分には対向する磁極面16,17を有した段部20,21がそれぞれ形成されている。
【0020】ケースにはホール素子12を駆動するための駆動回路等が配設された基板23が固定されており、この基板23の一部は各対向板14,15の間に位置している。ホール素子12は各磁極面16,17の間に位置するようにしてこの基板23上に配設されている。
【0021】また、図2に示すように、両磁極面16,17のうち一方はバルブシャフト71の軸線回りに螺旋状に延びる傾斜面となっている。従って、バルブシャフト71の回転に伴って対向板14,15が回転することにより、バルブシャフト71の軸線回りにおける対向板14,15とホール素子12との相対的な位置関係が変化して、同ホール素子12を挟んで対向する磁極面16,17間の間隔の大きさが変化する。その結果、ホール素子12を通過する磁束の密度が変化し、その磁束密度の大きさに応じた信号がスロットルバルブ70の開度に応じた信号として同ホール素子12から出力される。
【0022】本実施形態ではホール素子12の上面及び同素子12の下方に位置する基板23の下面にそれぞれ除去部材25,26が取り付けられている。この除去部材25,26は各磁極面16,17に付着した金属片、金属粉等の異物を除去する機能を有するものであり、弾性変形可能なフェルト材によって図3に示すように略直方体状をなすように形成されている。
【0023】バルブシャフト71が回転することにより、ホール素子12の上面と同素子12に対向する一方の磁極面16との距離L1(図2に示す)が変化するが、ホール素子12の上面に取り付けられた除去部材25の初期高さ、即ち、磁極面16,17に接触していない状態における同部材25の高さH1(図3に示す)は、この距離L1の最大値L1max よりも大きく設定されている。また、基板23の下面に取り付けられた除去部材26の初期高さH2に関しても同様に、その高さH2は基板23の下面と同下面に対向する他方の磁極面17との距離L2よりも大きく設定されている。このように各除去部材25,26の高さH1,H2が設定されているため、これら各除去部材25,26は弾性変形した状態でその上端部或いは下端部が両磁極面16,17に対して圧接されている。尚、前述したように、除去部材25,26はフエルト材によって形成されているため、同部材25,26に生じる弾性力は極めて小さい。このため、除去部材25,26に発生する弾性力により基板23が撓んで同基板23と対向板14,15との相対的な位置関係が変化することはない。また、フエルト材は非磁性体であることから、各磁極面16,17間に生じる磁束の状態、即ち磁束の密度や方向を変化させてしまうこともない。
【0024】以上のように構成されたスロットルセンサ10では、バルブシャフト71とともに対向板14,15が回転することにより、除去部材25,26の端部は各磁極面16,17上を摺動する。この際、各磁極面16,17上に金属粉等の異物が付着していても、この異物は除去部材25,26によって拭い取られて同磁極面16,17上から除去される。従って、ホール素子12と各磁極面16,17との間に磁束密度を変化させてしまう金属性の異物が存在することがなくなり、同素子12と両磁極面16,17との間の間隙はバルブシャフト71の回転角度、即ち、スロットルバルブ70の開度に応じた所定の大きさに保持される。その結果、本実施形態によれば、ホール素子12と磁極面16,17との間に金属性の異物が介在することに起因したスロットルセンサ10の検出精度低下を防止することができる。
【0025】特に、本実施形態におけるスロットルバルブ70はスロットルモータによって開閉駆動されるものであるため、その駆動系の噛合部分から金属粉が生じ易い傾向にある。この点、本実施形態におけるスロットルセンサ10は異物除去機能を有しているため、上記のような傾向にあるスロットルバルブ70の開度を検出するセンサとして好適である。
【0026】また、本実施形態では対向板14,15の回転に伴って除去部材25,26を各磁極面16,17上で摺動させるようにしたため、同除去部材25,26は比較的小さな形状のものであっても十分に異物を除去することができるため、この点でスロットルセンサ10の低コスト化を図ることができる。
【0027】更に、本実施形態に係るスロットルセンサ10では、ホール素子12及び基板23が除去部材25,26を介して各磁極面16,17に対し支持されているため、エンジンやスロットルモータの振動によって対向板14,15や基板23が振動するようなことがあってもホール素子12及び各磁極面16,17間の距離は変動しないか、仮に変動した場合でもその変動量は小さなものとなる。従って、本実施形態によればスロットルセンサ10の耐振動性を向上させて安定した出力信号を得ることができる。
【0028】また、本実施形態では除去部材25,26をフエルト材により形成し、この除去部材25,26を弾性変形させた状態で両磁極面16,17に対し圧接するようにしている。従って、除去部材25,26と各磁極面16,17との接触面圧は常に所定圧以上に保持されるようになり、磁極面16,17に付着した異物をより確実に除去することができる。
【0029】特に、フエルト材の繊維は異物の除去能力が高く、微少な金属粉であっても確実に磁極面16,17上から拭い取られるため、この点においても磁極面16,17に付着した異物をより確実に除去することができ、スロットルセンサ10の検出精度低下を確実に防止することができる。
【0030】[第2の実施形態]次に第2の実施形態について上記第1の実施形態との相違点を中心に説明する。尚、第1の実施形態と同様の構成については同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0031】本実施形態におけるスロットルセンサ10はバルブシャフト71の回転角度(スロットルバルブ70の開度)を検出する際の検出原理が第1の実施形態におけるスロットルセンサ10と相違している。即ち、本実施形態におけるスロットルセンサ10ではホール素子12を通過する磁束の方向変化からスロットルバルブ70の開度を検出するようにしている。
【0032】図4及び図5は本実施形態におけるスロットルセンサ30を示している。スロットルセンサ30はバルブシャフト71と一体回転する磁路構成体31と、同磁路構成体31の回転に伴う磁界の変化を検出するホール素子12と、これら各部材を収容するケース(図示略)とを備えている。
【0033】磁路構成体31はバルブシャフト71の一端部に固定され高透磁率材料(鉄、綱等)からなる円板32と、同円板32上に固定された一対の磁石33,34とを備えている。これら磁石33,34は円弧状をなしており、バルブシャフト71の軸心を中心とした円周上に配置されている。また、各磁石33,34の内周面は磁極面35,36となっており、これら磁極面35,36間には図5に破線で示すように略平行な磁束が発生する。
【0034】ケースに固定された基板23の一部は各磁石33,34の間に位置するように延設されている。この延設部分にはバルブシャフト71の軸心上に位置するようにしてホール素子12が配設されている。バルブシャフト71の回転に伴って円板32及び各磁石33,34が同シャフト71の軸心回りに回転することにより、ホール素子12を通過する磁束の方向が変化する。その結果、ホール素子12からはその磁束の方向に応じた信号がスロットルバルブ70の開度に応じた信号として出力される。
【0035】本実施形態ではホール素子12の一面及び基板23の一面においてホール素子12の反対側に位置する部分にそれぞれ除去部材38,39が取り付けられている。この除去部材38,39は各磁極面35,36や、円板32の上面において各磁極面35,36間に位置する部分に付着した金属片、金属粉等の異物を除去する機能を有するものである。これら各除去部材38,39は弾性変形可能なフェルト材によって図5に示すように略直方体状をなすように形成されており、弾性変形した状態で各端部が磁極面35,36に圧接されている。また、各除去部材38,39の下部は円板32の上面にも接触している。
【0036】以上のように構成されたスロットルセンサ30では、バルブシャフト71の回転に伴って各磁石33,34がバルブシャフト71の軸心回りに回転することにより、除去部材38,39の端部は各磁極面35,36上及び円板32の上面上を摺動する。この際、各磁極面35,36上や円板32の上面上に金属粉等の異物が付着していても、この異物は除去部材38,39によって拭い取られて各面上から除去される。従って、ホール素子12と各磁極面35,36との間に磁束密度を変化させてしまう金属性の異物が存在することはなくなり、同素子12と両磁極面35,36との間の間隙はスロットルバルブ70の開度に応じた所定の大きさに保持される。その結果、第1の実施形態と同様、ホール素子12と磁極面35,36との間に金属性の異物が介在することに起因したスロットルセンサ30の検出精度低下を防止することができる。
【0037】また、本実施形態におけるスロットルセンサ30においても、電子制御式スロットルバルブの開度を検出するセンサとして好適である点、耐振動性を向上させて安定した出力信号を得ることができる点、除去部材38,39と各磁極面35,36との接触面圧が常に所定圧以上に保持されて異物をより確実に除去することができる点、フエルト材を用いたため微少な金属粉でも確実に除去することができる点に関しては第1の実施形態と同様である。
【0038】[第3の実施形態]次に第3の実施形態について上記第2の実施形態との相違点を中心に説明する。尚、第2の実施形態と同様の構成については同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0039】本実施形態における構成は除去部材の材質及び形状が上記第2の実施形態と相違している。即ち、図6及び図7に示すように、本実施形態における除去部材40,41は断面三角形状をなすゴムブレードによって構成されている。そして、この除去部材40,41の先細となった先端部分が前記磁極面35,36上に接触している。
【0040】以上のように構成されたスロットルセンサ30では、バルブシャフト71の回転に伴って各磁石33,34がバルブシャフト71の軸心回りに回転することにより、除去部材40,41の先端部分は各磁極面35,36上を摺動する。この際、各磁極面35,36上に金属粉等の異物が付着していても、この異物は除去部材40,41によって拭い取られ除去される。その結果、第2の実施形態と同様、ホール素子12と磁極面35,36との間に金属性の異物が介在することに起因したスロットルセンサ30の検出精度低下を防止することができる。
【0041】特に、本実施形態では除去部材40,41としてゴムブレードを用い、その先細となった先端部分を各磁極面35,36に接触させるようにしているため、除去部材40,41と各磁極面35,36との接触面積が極めて小さい。従って、除去部材40,41と磁極面35,36との接触面の間に異物が噛み込んでしまうことを防止して、同噛み込みに起因した検出精度の低下を回避することができる。
【0042】更に、本実施形態によれば、上記のように除去部材40,41と各磁極面35,36との接触面積が極めて小さいため、その接触面圧が増大するようになる。その結果、磁極面35,36に付着した異物をより確実に除去することができる。
【0043】[第4の実施形態]次に第4の実施形態について上記第1の実施形態との相違点を中心に説明する。尚、第1の実施形態と同様の構成については同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0044】図8及び図9に示すように、本実施形態におけるスロットルセンサ50の磁路構成体51はバルブシャフト71の一端部に固定された高透磁率材料(鉄、綱等)により略扇形状に形成された回転板52と、同回転板52上に固定された磁石53とを備えている。この磁石53は円弧状をなしており、バルブシャフト71の軸心を中心とした円周上に配置されている。
【0045】また、磁石53の上面はバルブシャフト71の軸線回りに螺旋状に傾斜した磁極面54となっている。そして、磁石53にはその磁極面54を覆うようにしてフエルト材からなる被覆部材55が積層されている。この被覆部材55は磁石53と略同形状を有しており、その上面は回転板52の上面と平行になっている。
【0046】図9に示すように、被覆部材55の上面にはホール素子12が圧接されている。このホール素子12は第1の実施形態と同様、同素子12を通過する磁束の密度に基づいてスロットルバルブ70の開度を検出するものである。即ち、バルブシャフト71の回転に伴って回転板52が回転することにより、ホール素子12と磁極面54との間隔の大きさが変化する。その結果、ホール素子12を通過する磁束の密度が変化し、その磁束密度の大きさに基づく信号がスロットルバルブ70の開度に応じた信号として同ホール素子12から出力される。尚、前述したように、被覆部材55はフエルト材によって形成されているため、同部材55に発生する弾性力は極めて小さい。このため、被覆部材55に発生する弾性力によって基板23が撓んで同基板23と回転板52との相対的な位置関係が変化してしまうことはない。また、フエルト材は非磁性体であることから、ホール素子12を通過する磁束の状態、即ち磁束の密度や方向を変化させることもない。
【0047】以上説明したように、本実施形態におけるスロットルセンサ50では、磁石53の磁極面54を被覆部材55によって覆うようにしている。従って、異物は被覆部材55の上面に付着するようになる。そして、被覆部材55は非磁性体であるフエルト材によって形成されているため、その異物の付着量は減少する。更に、バルブシャフト71の回転に伴って回転板52が回転することにより、ホール素子12は被覆部材55の上面上を摺動する。この際、各被覆部材55の上面に金属粉等の異物が付着していても、この異物はホール素子12によって除去される。従って、ホール素子12と磁極面54との間に磁束密度を変化させてしまう金属性の異物が存在することがなくなり、同素子12と磁極面54との間の間隙はスロットルバルブ70の開度に応じた所定の大きさに保持される。その結果、本実施形態によれば、ホール素子12と磁極面54との間に金属性の異物が介在することに起因したスロットルセンサ50の検出精度低下を防止することができる。
【0048】更に、本実施形態に係るスロットルセンサ50では、ホール素子12が被覆部材55を介して磁極面54に対し支持されているため、第1の実施形態と同様、スロットルセンサ50の耐振動性を向上させて安定した出力信号を得ることができる。
【0049】また、本実施形態では被覆部材55をフエルト材により形成し、この被覆部材55に対してホール素子12を圧接するようにしている。従って、ホール素子12と被覆部材55の上面との接触面圧は常に所定圧以上に保持されるようになり、被覆部材55の上面に付着した異物をより確実に除去することができる。
【0050】以上説明した各実施形態は以下のように構成を変更して実施することができる。・第1の実施形態では略直方体状をなすフエルト材によって除去部材25,26をそれぞれ構成するようにした。これに対して、図10及び図11に示すように、各除去部材60,61を第3の実施形態と同様、ゴムブレードによって構成するようにしてもよい。
【0051】・また、第1の実施形態において、図12に示すように各除去部材62,63をブラシ材によって構成するようにしてもよい。このブラシ材の形成材料としては例えば非磁性体である樹脂が好適である。同様に、第2の実施形態における各除去部材38,39をブラシ材によって構成するようにしてもよい。このようにブラシ材によって除去部材62,63を構成すれば、異物の除去能力が大きいブラシ材の毛によって微少な異物であっても確実に除去することができる。
【0052】・更に、第1、第2の実施形態では除去部材25,26,38,39の端部全面を各磁極面54に接触させるようにしたが、例えば、図13或いは図14に示すように、除去部材25,26,38,39の角部を各磁極面16,17,35,36に対して部分的に接触させるようにしてもよい。このように構成すれば、除去部材25,26,38,39と磁極面16,17,35,36との接触面圧が増大して磁極面16,17,35,36に付着した異物をより確実に除去することができる。
【0053】・上記第1の実施形態では各磁極面16,17のうち一方をバルブシャフト71の軸線回りに螺旋状に延びる傾斜面としたが、これら磁極面16,17の双方を傾斜面とするようにしてもよい。
【0054】・上記第1〜3の実施形態においてホール素子12に取り付けられた除去部材25,38,40を基板23に取り付けるようにしてしてもよい。・除去部材25,26,38〜41及び被覆部材55の形成材料として上記フエルト材やゴム材の他、エラストマや樹脂等の非鉄材料を用いるようにしてもよい。また、第4の実施形態では被覆部材55を磁石53の磁極面54上に積層するようにしたが、この被覆部材55をエラストマや樹脂によって形成し、磁石53全体をこの被覆部材55によって覆うようにしてもよい。
【0055】・上記各実施形態はいずれも本発明をスロットルセンサ10,30,50に適用するようにしたが、例えばアクセル開度の踏込量を検出するアクセルセンサに適用することもできる。
【0056】上記各実施形態から把握できる技術的思想についてその効果とともに記載する。
(1)請求項2又は3に記載した回転角度センサにおいて、前記除去部材又は被覆部材は弾性変形可能であることを特徴とする。
【0057】このように構成すれば、除去部材又は被覆部材が弾性変形することによって磁極面と除去部材との接触面圧、又は被覆部材と磁気検出素子との接触面圧を常に所定圧以上に保持することができようになり、より確実な異物除去作用を得ることができる。
【0058】(2)請求項2に記載した回転角度センサにおいて、前記除去部材はフエルト材からなることを特徴とする。
(3)請求項2に記載した回転角度センサにおいて、前記除去部材はブラシ材からなることを特徴とする。
【0059】上記(2)又は(3)に記載した構成によれば、異物の除去能力が大きいフエルト材の繊維やブラシ材の毛によって微少な異物であっても確実に除去することができる。
【0060】(4)請求項2に記載した回転角度センサにおいて、前記除去部材は断面三角形状をなし前記磁路構成体の回転に伴って先細となった先端部分が前記磁極面上を摺動するブレード材からなることを特徴とする。
【0061】このように構成すれば、磁路構成体の磁極面と除去部材との間における異物の噛み込みを防止し、同噛み込みに起因した検出精度の低下を回避することができる。
【0062】
【発明の効果】請求項1に記載した発明では、磁路構成体の磁極面と磁気検出素子との間の異物を除去するための異物除去機構を備えるようにしている。従って、この異物除去機構によって磁極面と磁気検出素子との間に存在する異物が除去されるため、同磁極面と磁気検出素子との間の間隙が所定の大きさに保持される。その結果、磁路構成体と磁気検出素子との間に金属性の異物が介在することに起因した検出精度の低下を防止することができる。
【0063】請求項2に記載した発明では、磁気検出素子と磁極面との間に位置するように磁気検出素子に固定され磁路構成体の回転に伴ってその一部が磁極面上を摺動する非磁性体の除去部材を前記異物除去機構は備える。従って、除去部材の一部が磁路構成体の回転に伴って磁路構成体の磁極面上を摺動することにより、同磁極面上に吸着された異物は除去されるため、同磁極面と磁気検出素子との間の間隙が所定の大きさに保持される。その結果、磁路構成体の磁極面上に金属性の異物が付着することに起因した検出精度の低下を防止することができる。
【0064】請求項3に記載した発明では、磁極面全体を覆うようにして一端面が同磁極面上に固定されるとともに磁路構成体が回転する際に他端面が磁気検出素子に接触する非磁性体の被覆部材を前記異物除去機構は備える。従って、異物は被覆部材の他端面に付着するようになり、また、被覆部材は非磁性体からなるため、その異物の付着量は減少する。更に、被覆部材の他端面に付着した異物は磁路構成体が回転する際に磁気検出素子によって除去される。このため、磁極面と磁気検出素子との間の間隙は所定の大きさに保持されるようになる。その結果、磁路構成体と磁気検出素子との間に金属性の異物が介在することに起因した検出精度の低下を防止することができる。
【出願人】 【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
【出願日】 平成9年(1997)12月24日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
【公開番号】 特開平11−183114
【公開日】 平成11年(1999)7月9日
【出願番号】 特願平9−355556