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【発明の名称】 ひずみ測定システム
【発明者】 【氏名】小澤 卓郎

【要約】 【課題】ひずみゲージをブリッジ回路に組み込むためのリード線の抵抗値の影響を排除してひずみ測定を行う処理を簡単な構成で自動的に効率よく行うことができる1ゲージ3線法によるひずみ測定システムを提供する。

【解決手段】ひずみゲージ1のひずみを生じていない状態におけるブリッジ8の出力電圧e0 及びリード線3の電圧er2と、抵抗体7を有する辺の電圧V4 と、ひずみ測定時のブリッジ回路8の出力電圧eとを電圧検出手段35を介して検出する。ブリッジ回路8の出力電圧e(又はe,e0 )から把握されるひずみ測定値に、電圧er2の検出値を用いた次式(1)により求まる補正係数xを乗算してなる値をリード線2,3の抵抗値の影響を排除したひずみ測定値として求める。
【特許請求の範囲】
【請求項1】物体に生じるひずみに応じた抵抗値変化を生じるように該物体に貼着されるひずみゲージの両端に結線された一対のリード線が接続され、その接続状態で該ひずみゲージを一辺に有し、且つ他の三辺に所定抵抗値の抵抗体を有するブリッジ回路を形成する抵抗回路と、該抵抗回路に前記ひずみゲージを接続して成る前記ブリッジ回路にその電源電圧を付与すべく該抵抗回路に接続されたブリッジ電源回路と、前記ひずみゲージの一方のリード線側の一端に結線されたサブリード線が接続されると共に前記抵抗回路に接続され、前記ブリッジ電源回路から電源電圧を付与した前記ブリッジ回路の出力電圧を前記サブリード線を介して検出するブリッジ出力検出手段とを備え、該ブリッジ出力検出手段により検出された前記ブリッジ回路の出力電圧に基づき前記物体のひずみ測定を行う1ゲージ3線法によるひずみ測定システムにおいて、前記抵抗回路に接続したひずみゲージのひずみを生じていない状態において前記ブリッジ電源回路から前記ブリッジ回路にその電源電圧を付与したときに前記一対のリード線のうちの前記サブリード線側の一方のリード線に生じる電圧er2を前記サブリード線を介して検出するリード線電圧検出手段と、前記物体のひずみ測定時に前記ブリッジ出力検出手段により検出された前記ブリッジ回路の出力電圧に基づき把握される前記物体のひずみの測定値に、前記リード線電圧検出手段により検出された電圧er2を用いた次式(1)により求まる補正係数xを乗算してなる値を、前記リード線の抵抗値の影響を排除したひずみ測定値として求める演算処理手段とを備えたことを特徴とするひずみ測定システム。
【数1】

但し、上式(1)において、V:前記ブリッジ回路の電源電圧、R3 :前記ブリッジ回路の各辺のうち、前記ひずみゲージを有する辺に該ひずみゲージの他端側のリード線を介して隣接する辺に存する抵抗体の抵抗値、R4 :前記ブリッジ回路の各辺のうち、前記ひずみゲージを有する辺の対辺に存する抵抗体の抵抗値、e0 :前記ひずみゲージのひずみを生じていない状態において前記ブリッジ出力検出手段により検出された前記ブリッジ回路の出力電圧。
【請求項2】前記ブリッジ電源回路から前記ブリッジ回路にその電源電圧を付与した状態で、前記ブリッジ回路の各辺のうち、前記ひずみゲージを有する辺に該ひずみゲージの他端側のリード線を介して隣接する辺に生じる電圧V3 と、前記ひずみゲージを有する辺の対辺に生じる電圧V4 とのいずれか一方を検出する辺電圧検出手段を具備し、前記演算処理手段は、前記式(1)により求まる前記補正係数xとして、前記辺電圧検出手段により検出された前記電圧V3 又はV4 を用いた次式(2),(3)のいずれか一つの式により求まる値を用いることを特徴とする請求項1記載のひずみ測定システム。
【数2】

【数3】

【請求項3】前記ブリッジ出力検出手段と前記リード線電圧検出手段とは共通の電圧検出手段により構成され、前記ブリッジ回路の出力電圧と、前記リード線に生じる電圧er2とを切替自在に前記電圧検出手段に入力するスイッチ回路を具備したことを特徴とする請求項1記載のひずみ測定システム。
【請求項4】前記ブリッジ出力検出手段と前記リード線電圧検出手段と前記辺電圧検出手段とは共通の電圧検出手段により構成され、前記ブリッジ回路の出力電圧と、前記リード線に生じる電圧er2と、前記ブリッジ回路の辺に生じる電圧V3 又はV4とを切替自在に前記電圧検出手段に入力するスイッチ回路を具備したことを特徴とする請求項2記載のひずみ測定システム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ひずみ測定システムに関し、より詳しくは1ゲージ3線法によるひずみ測定システムに関する。
【0002】
【従来の技術】物体に生じるひずみの測定方法としては、ひずみに応じた抵抗値変化を生じるひずみゲージを物体に貼着すると共に、このひずみゲージと複数の抵抗体とにより該ひずみゲージを一辺に有し、且つ残りの三辺に抵抗体を有するブリッジ回路(詳しくはホイートストンブリッジ回路)を構成し、このブリッジ回路を用いてひずみ測定を行うものが一般に知られている。尚、物体に生じるひずみと応力とは周知の如く比例関係にあるので、本明細書では、特にことわらない限り、「ひずみ」は本来の意味でのひずみの他、応力も含むものとし、本来の意味でのひずみには、原則として参照符号ε(添え字付を含む)を付するものとする。
【0003】上記のように物体に貼着されるひずみゲージを一辺に組み込んだブリッジ回路を用いるひずみ測定手法としては、例えば1ゲージ3線法が知られている。
【0004】図1は、この1ゲージ3線法による測定手法を説明するための回路図であり、この手法では、物体に貼着されるひずみゲージ1の両端にあらかじめ一対のリード線2,3が結線されると共に、さらにひずみゲージ1の一端(図ではリード線3側)にもう一つのサブリード線4が結線されている(このために3線法といわれる)。
【0005】そして、測定に際しては、ひずみゲージ1が、図示のように抵抗体5,6,7を相互に接続してなる抵抗回路に前記リード線2,3を介して接続され、これにより、ひずみゲージ1を一辺に有し、且つ残りの3辺に抵抗体5,6,7をそれぞれ有するブリッジ回路8が構成される。
【0006】尚、ブリッジ回路8の3辺の抵抗体5,6,7は、基本的には、それぞれの抵抗値R2 ,R3 ,R4 が測定対象の物体に生じるひずみとは無関係に一定となるような抵抗素子(例えば固定抵抗値の抵抗素子)により構成される。また、通常、抵抗体5,6,7の抵抗値R2 ,R3 ,R4 は、ひずみゲージ1のひずみを生じていない状態における基準抵抗値(ひずみゲージ1の公称抵抗値)をR0 としたとき、R0 =R2 =R3 =R4 とされる。
【0007】このブリッジ回路8を用いたひずみ測定に際しては、前記リード線2と抵抗体6との接続部位もしくはこれと同電位の部分と、前記抵抗体5と抵抗体7との接続部位もしくはこれと同電位の部分とを一対の電源入力部I1 ,I2 として、これらの電源入力部I1 ,I2 間にブリッジ回路8の電源電圧Vが付与される。
【0008】また、ブリッジ回路8の電源入力部I1 ,I2 間に電源電圧Vを付与した状態で、ひずみゲージ1のサブリード線4を結線した一端と、前記抵抗体6と抵抗体7との接続部位もしくはこれと同電位の部分とを、ブリッジ回路8の一対の出力部O1 ,O2 として、前記出力部O1 ,O2 間に生じる出力電圧eが図示を省略する増幅回路やA/D変換回路等を介して検出される。尚、この場合、出力部O1 (ひずみゲージ1の一端)の電位はサブリード線4を介して抽出される。
【0009】このとき、ブリッジ回路8に組み込まれるひずみゲージ1のリード線2,3のそれぞれの抵抗値r1 ,r2 が無視できる程、十分に小さいとし、さらに、ブリッジ回路8の電源電圧VをV=2[V]、ひずみゲージ1のゲージ率KをK=2とすると、周知のように、ひずみゲージ1を貼着した物体に生じるひずみε(本来の意味でのひずみ)と、ブリッジ回路8の出力電圧eとの間には、次の関係式(4)が成り立つ。
【0010】
【数4】

【0011】従って、ブリッジ回路8の出力電圧eを検出することで、この出力電圧eから物体のひずみεを前記式(4)に基づいて測定することができる。尚、ひずみεが十分に小さいと考えられる場合には、式(4)の右辺の分母項を無視し、ε=eとしてひずみεを測定する場合もある。また、物体のひずみεと応力σとの間には、σ=E・ε(但しE:物体のヤング率)なる関係が成り立つので、式(5)の右辺に物体のヤング率Eを乗算することで、前記出力電圧eから物体の応力を測定することもできる。これが、1ゲージ3線法によるひずみ測定の手法である。
【0012】このような1ゲージ3線法によるひずみ測定手法では、ひずみゲージ1のリード線2,3の抵抗値r1 ,r2 が環境温度の影響で変化しても、それらの抵抗値r1 ,r2 の変化が両リード線2,3で同じであれば、ブリッジ回路8の出力電圧eは変化しない。このため、1ゲージ3線法は、ひずみゲージ1を抵抗体5,6,7の抵抗回路に接続するリード線2,3の抵抗値変化によるひずみ測定への影響を排除する上で有効な測定手法として用いられている。
【0013】尚、ひずみゲージを使用したひずみ測定手法としては、上記のような1ゲージ3線法の他、1ゲージ2線法や2ゲージコモンダミー法等も知られているが、基本的にはいずれの手法も、前述のようなブリッジ回路によって物体のひずみに伴うひずみゲージの抵抗値変化を電圧信号に変換してひずみ測定を行うものである。
【0014】また、前述のような測定手法によるひずみ測定を行うシステムにあっては、ひずみゲージ1と併せてブリッジ回路8を構成するための抵抗体5,6,7をあらかじめ回路基盤上で回路パターン等により相互に接続した抵抗回路や、ブリッジ回路8にその電源電圧Vを付与する電源回路、ブリッジ回路8の出力電圧を検出するための増幅回路、A/D変換回路等を具備したひずみ測定装置が用いられ、この装置にひずみゲージ1のリード線2,3及びサブリード線4を接続することで、前記ブリッジ回路8を含む測定回路を構成するようにしている。そして、この装置によって得られたブリッジ回路8の出力電圧の検出データから、該装置に備えたマイクロコンピュータや、該装置とは別のパーソナルコンピュータ等によって前記式(5)に基づく演算処理を行うことで、ひずみ測定を行うようにしている。
【0015】ところで、前述の測定手法において、ひずみゲージ1を抵抗体5,6,7の抵抗回路に接続するリード線2,3の抵抗値r1 ,r2 が比較的大きい場合には、ブリッジ回路8の出力電圧eは該リード2,3の抵抗値r1 ,r2 の影響を受け、ブリッジ回路8の出力電圧eの検出データだけからひずみ測定を行うようにしても精度の良い測定を行うことができない。一方、リード線2,3は通常、同じ線種で同じ長さのもの(同じ抵抗値のもの)が使用されている。このとき、前記1ゲージ3線法にあっては、リード線2,3のそれぞれの抵抗値r1 ,r2 をr1 =r2 =rとおくと、この抵抗値rを用いた次式(5)により求まる値x(以下、補正係数xという)をブリッジ回路8の出力電圧eにより把握されるひずみの測定値に乗算して該測定値を補正することで、リード線2,3の抵抗値r1 ,r2 (=r)の影響を排除することが一般的に行われている。
【0016】
【数5】

【0017】ここで、式(5)中のR0 はひずみゲージ1の前記基準抵抗値である。
【0018】このようにしてリード線2,3の抵抗値r1 ,r2 の影響を排除するために、従来の1ゲージ3線法による測定手法では、リード線2,3の一方の抵抗値r1又はr2 (=r)を該リード線2,3の線種や長さ等に基づき求め、さらにその求めた抵抗値rを用いて前記式(5)の演算により前記補正係数xを求めるようにしていた。あるいは、リード線2,3の線種や長さ等からあらかじめ作成された換算表を用いて前記補正係数xを求めるようにしていた。そして、このようにして求めた補正係数xを、ひずみ測定器によってブリッジ回路8の出力電圧eに基づき得られたひずみ測定値に乗算することで、リード線2,3の抵抗値r1 ,r2 の影響を排除したひずみ測定値を得るようにしていた。
【0019】しかしながら、上記のようにしてリード線2,3の抵抗値r1 ,r2 の影響を排除するためのひずみ測定値の補正作業は人的作業に負うところが大きく、手間暇を要するものとなっていた。特に、物体の多数部位あるいは多数の物体についての多点ひずみ測定を行う場合には、それぞれの測定点については、通常、各測定点のひずみゲージ1の両端に結線されたリード線2,3の長さや線種を同じとし、そのリード線2の抵抗値r1 とリード線3の抵抗値r2 とが同一(r1 =r2 =r)とされるものの、その一対のリード線2,3の長さを測定点同士で比較すると、その長さが測定点毎に異なる場合も多々ある。つまり、各測定点に対応するリード線2及び3の抵抗値rが、測定点同士で互いに異なる場合も多々ある。そして、このような場合には、測定点毎に各別の補正係数xによるひずみ測定値の補正を行わなければならず、リード線2,3の抵抗値r1 ,r2 の影響を排除するための補正作業に多大な労力を要するものとなっていた。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる背景に鑑み、1ゲージ3線法によるひずみ測定システムにおいて、ひずみゲージをブリッジ回路に組み込むためのリード線の抵抗値の影響を排除してひずみ測定を行う処理を簡単な構成で自動的に効率よく行うことができるひずみ測定システムを提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】まず、本発明を説明する前に、本発明の基本的な考え方を前記図1を参照して説明しておく。
【0022】ひずみゲージ1のひずみを生じていない状態(ひずみゲージ1の抵抗値RG =基準抵抗値R0 の状態)において、1ゲージ3線法におけるブリッジ回路8の電源入力部I1 ,I2 間に電源電圧Vを付与したときに、ブリッジ回路8の出力部O1 ,O2 間に生じる出力電圧eをe0 、ひずみゲージ1に流れる電流i(詳しくはブリッジ回路8のひずみゲージ1を有する辺と抵抗体5を有する辺とに流れる電流i)をi0 とおく。
【0023】このとき、次の関係式(6)が成立する。
【0024】
【数6】

【0025】そして、この式(6)から次式(7)、(8)が得られる。
【0026】
【数7】

【0027】
【数8】

【0028】ここで、式(7)の両辺をそれぞれ式(8)の両辺で除算すると、次式(9)が得られる。
【0029】
【数9】

【0030】この式(9)において、その分母に現れるi0 ・r1 はリード線2に生じる電圧である。そして、このとき、リード線3にもリード線2と同じ電流i0 が流れるので、リード線2,3のそれぞれの抵抗値r1 ,r2 が同じで、r1 =r2 =rであれば、リード線2に生じる電圧i0 ・r1 は、リード線3に生じる電圧er2(=i0 ・r2 )に等しい。また、このとき、式(9)の演算結果は、前記式(5)により定義した補正係数xに他ならない。
【0031】従って、該補正係数xは、リード線3に生じる電圧er2を用いて、次式(10)により表される。
【0032】
【数10】

【0033】一方、前記ブリッジ回路8を構成するための抵抗体5,6,7から成る抵抗回路等を具備した1ゲージ3線法によるひずみ測定装置では、リード線3と共にひずみゲージ1の一端に結線された前記サブリード線4が該装置に接続されるので、リード線3のひずみゲージ1側の一端の電位は、該装置の内部においてサブリード線4を介して抽出することができる。また、前記抵抗回路に接続するリード線3の電位は該抵抗回路から抽出することができる。従って、リード線3に生じる電圧er2は、ひずみゲージ1に新たなリード線を結線したりすることなく、サブリード線4を介して検出することができ、この検出した電圧er2と、ひずみゲージ1のひずみを生じていない状態で検出したブリッジ回路8の出力電圧e0 とを用いて前記式(10)の右辺の演算を行うことで、リード線2,3の抵抗値r1 ,r2 の影響を排除するための補正係数xを決定することができる。
【0034】尚、式(10)で用いる抵抗体6の抵抗値R3 や抵抗体7の抵抗値R4 は、例えばこれらの抵抗体6,7を構成する抵抗素子の公称抵抗値や、該抵抗体6,7のあらかじめ計測してなる抵抗値を使用すればよい。また、式(10)中の電源電圧Vは、ブリッジ回路8に付与すべき電圧としてあらかじめ定められた値、あるいは該電源電圧Vのあらかじめ計測してなる値を使用すればよい。
【0035】さらに、前記式(10)の右辺の分母及び分子に現れるV・R3 /(R3 +R4 )は、ブリッジ回路8に電源電圧Vを付与したときに、該ブリッジ回路8の抵抗体6を有する辺に生じる電圧V3 である。また、ブリッジ回路8の抵抗体7を有する辺に生じる電圧をV4 としたとき、V3 =V−V4 である。
【0036】そして、上記電圧V3 あるいはV4 を用いれば、前記式(10)は次式(11)あるいは(12)に書き換えることができる。
【0037】
【数11】

【0038】
【数12】

【0039】従って、ブリッジ回路8の前記出力電圧e0 やリード線3の電圧er2の他、さらに上記電圧V3 あるいはV4 を検出するようにすれば、それらの検出値を用いて前記式(11)あるいは式(12)により前記補正係数xを決定することができる。
【0040】以上説明した内容を基礎として本発明を以下に説明する。尚、以下の本発明の説明において、括弧( )内の参照符号は、本発明の理解の便宜のために付した図1の参照符号である。
【0041】本発明のひずみ測定システムは、前記の目的を達成するために、物体に生じるひずみに応じた抵抗値変化を生じるように該物体に貼着されるひずみゲージ(1)の両端に結線された一対のリード線(2,3)が接続され、その接続状態で該ひずみゲージ(1)を一辺に有し、且つ他の三辺に所定抵抗値の抵抗体(5,6,7)を有するブリッジ回路(8)を形成する抵抗回路と、該抵抗回路に前記ひずみゲージ(1)を接続して成る前記ブリッジ回路(8)にその電源電圧を付与すべく該抵抗回路に接続されたブリッジ電源回路と、前記ひずみゲージ(1)の一方のリード線(3)側の一端に結線されたサブリード線(4)が接続されると共に前記抵抗回路に接続され、前記ブリッジ電源回路から電源電圧を付与した前記ブリッジ回路(8)の出力電圧を前記サブリード線(4)を介して検出するブリッジ出力検出手段とを備え、該ブリッジ出力検出手段により検出された前記ブリッジ回路(8)の出力電圧に基づき前記物体のひずみ測定を行う1ゲージ3線法によるひずみ測定システムにおいて、前記抵抗回路に接続したひずみゲージ(1)のひずみを生じていない状態において前記ブリッジ電源回路から前記ブリッジ回路(8)にその電源電圧を付与したときに前記一対のリード線(2,3)のうちの前記サブリード線(4)側の一方のリード線(3)に生じる電圧er2を前記サブリード線(4)を介して検出するリード線電圧検出手段と、前記物体のひずみ測定時に前記ブリッジ出力検出手段により検出された前記ブリッジ回路(8)の出力電圧に基づき把握される前記物体のひずみの測定値に、前記リード線電圧検出手段により検出された電圧er2を用いた前記の式(10)により求まる補正係数xを乗算してなる値を、前記リード線の抵抗値の影響を排除したひずみ測定値として求める演算処理手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0042】ここで、式(10)で用いる前記電圧er2 以外のパラメータを改めて定義すると、次の通りである。
【0043】V:前記ブリッジ回路(8)の電源電圧、R3 :前記ブリッジ回路(8)の各辺のうち、前記ひずみゲージ(1)を有する辺に該ひずみゲージ(1)の他端側のリード線(2)を介して隣接する辺に存する抵抗体(6)の抵抗値、R4 :前記ブリッジ回路(8)の各辺のうち、前記ひずみゲージ(1)を有する辺の対辺に存する抵抗体(7)の抵抗値、e0 :前記ひずみゲージ(1)のひずみを生じていない状態において前記ブリッジ出力検出手段により検出された前記ブリッジ回路(8)の出力電圧。
【0044】かかる本発明によれば、前記リード線電圧検出手段によって、前記サブリード線(4)側の一方のリード線(3)の電圧er2を検出することで、前記リード線(2,3)の抵抗値を別途把握したりすることなく、該リード線(2,3)の抵抗値の影響を排除するための前記補正係数xを前記式(10)に基づいて決定することができる。そして、このように電圧er2の検出値を用いて決定される補正係数xをブリッジ回路(8)の出力電圧に基づき把握される前記物体のひずみの測定値に乗算してなる値を求める処理を前記演算処理手段によって行うことで、リード線(2,3)を抵抗値を把握せずともリード線(2,3)の抵抗値の影響を排除したひずみ測定値を得ることができる。また、この場合、このような処理を行うために必要なリード線(3)の電圧er2の検出は、1ゲージ3線法のひずみ測定においてひずみゲージ(1)に結線されている前記サブリード線(4)を介して行われるので、該電圧er2の検出のために、ひずみゲージ(1)に新たなリード線を結線したりする必要も無い。
【0045】従って、本発明によれば、ひずみゲージをブリッジ回路に組み込むためのリード線の抵抗値の影響を排除してひずみ測定を行う処理を簡単な構成で自動的に効率よく行うことができる。
【0046】尚、前記演算処理手段は、例えばマイクロコンピュータやパーソナルコンピュータにより構成すればよい。
【0047】かかる本発明においては、好ましくは、前記ブリッジ電源回路から前記ブリッジ回路(8)にその電源電圧を付与した状態で、前記ブリッジ回路(8)の各辺のうち、前記ひずみゲージを有する辺に前記該ひずみゲージ(1)の他端側のリード線(2)を介して隣接する辺に生じる電圧V3 と、前記ひずみゲージ(1)を有する辺の対辺に生じる電圧V4 とのいずれか一方を検出する辺電圧検出手段を具備し、前記演算処理手段は、前記式(10)により求まる前記補正係数xとして、前記辺電圧検出手段により検出された前記電圧V3 又はV4 を用いた前記の式(11),(12)のいずれか一つの式により求まる値を用いる。
【0048】このように辺電圧検出手段によって、前記電圧V3 又はV4 を検出するようにすることで、それらの電圧V3 ,V4 を検出するブリッジ回路(8)の辺に存する抵抗体(6,7)の抵抗値R3 ,R4 が判らなかったり、あるいは、該抵抗体(6,7)の抵抗値の精度が低いような場合でも、式(11),(12)に基づいて前記補正係数xを適正に決定することができ、リード線(2,3)の影響を排除したひずみ測定値を適正に得ることができる。
【0049】また、前述の如くブリッジ出力検出手段及びリード線電圧検出手段を備えた本発明では、それらの検出手段を各別に構成してもよいが、好ましくは、前記ブリッジ出力検出手段と前記リード線電圧検出手段とを共通の電圧検出手段により構成し、前記ブリッジ回路の出力電圧と、前記リード線に生じる電圧er2とを切替自在に前記電圧検出手段に入力するスイッチ回路を具備する。
【0050】同様に、ブリッジ出力検出手段及びリード線電圧検出手段に加えてさらに、前記辺電圧検出手段を備えた本発明にあっては、それらの検出手段を各別に構成してもよいが、好ましくは、前記ブリッジ出力検出手段と前記リード線電圧検出手段と前記辺電圧検出手段とを共通の電圧検出手段により構成し、前記ブリッジ回路の出力電圧と、前記リード線に生じる電圧er2と、前記ブリッジ回路の辺に生じる電圧V3 又はV4 とを切替自在に前記電圧検出手段に入力するスイッチ回路を具備する。
【0051】このように前記スイッチ回路を備えて、ブリッジ出力検出手段や、リード線電圧検出手段、辺電圧検出手段を共通の電圧検出手段により構成することで、回路構成を安価で簡略なものとすることができる。
【0052】
【発明の実施の形態】本発明の第1の実施形態を図2及び図3を参照して説明する。図2は本実施形態のひずみ測定システムとしてのひずみ測定装置の回路構成図、図3は該ひずみ測定システムによる演算処理を示すフローチャートである。尚、本実施形態の説明において図1と同一構成部分については、図1と同一の参照符号を用いる。
【0053】図2を参照して、本実施形態のひずみ測定装置10には、図示しない物体に貼着するひずみゲージ1の両端にあらかじめ結線されたリード線2,3と、リード線3と共にひずみゲージ1の一端にあらかじめ結線されたサブリード線4とをそれぞれ接続する接続端子11,12,13が備えられている。尚、リード線2,3はその線種や長さが同一のものとされ、リード線2,3のそれぞれの抵抗値r1 ,r2 は同一(r1 =r2 =r)とされている。
【0054】このひずみ測定装置10は、その構成を大別すると測定ユニット14とコントロールユニット15とにより構成されている。尚、測定ユニット14とコントロールユニット15とは、必ずしも一体的に構成する必要はなく、別体に構成してもよい。
【0055】測定ユニット14は、前記ひずみゲージ1と併せてブリッジ回路8を構成するための抵抗体5,6,7を有する抵抗回路を具備している。この抵抗回路は、ひずみゲージ1のリード線2,3をそれぞれ接続端子11,12に接続したとき、図1に示したブリッジ回路8が構成されるように、抵抗体5,6,7を、図示しない回路基盤に形成された回路パターンによって相互に接続すると共に接続端子11,12に接続している。尚、抵抗体5,6,7は、例えば固定抵抗値の抵抗素子により構成さたものである。
【0056】また、測定ユニット14には、ブリッジ回路8の一対の電源入力部I1 ,I2に付与する電源電圧Vを外部から入力するための一対の電源入力端子16,17と、電源電圧Vの付与時にブリッジ回路8の一対の出力部O1 ,O2 間に発生する出力電圧e等を外部に出力するための一対の出力端子18,19と、出力端子18に接続された一対のスイッチ素子20,21、並びに出力端子19に接続された一対のスイッチ素子22,23により構成されたスイッチ回路24とが備えられている。
【0057】この場合、電源入力端子16,17は、それぞれブリッジ回路8の電源入力部I1 ,I2 に接続されている。
【0058】また、一対の出力端子18,19のうち、出力端子18は、ブリッジ回路8の一つの出力部O1 であるひずみゲージ1の一端がサブリード線4を介して接続される接続端子13と、ブリッジ回路8の電源入力部I2 とにそれぞれ前記スイッチ回路24のスイッチ素子20,21を介して接続されている。
【0059】さらに、出力端子19は、ブリッジ回路8の他方の出力部O2 と、リード線3が接続される接続端子12とにそれぞれスイッチ回路24のスイッチ素子22,23を介して接続されている。
【0060】このような回路構成によって、ブリッジ回路8の電源入力部I1 ,I2 間に電源電圧Vを付与した状態で、次の表1に示すようにスイッチ素子20〜23のON/OFF状態の切り替えを行うことで、出力端子18,19間には、ブリッジ回路8の出力電圧eと、リード線3に生じる電圧er2と、ブリッジ回路8の抵抗体7を有する辺に生じる電圧V4 とが切替自在に発生する。
【0061】
【表1】

【0062】すなわち、スイッチ素子20〜23をそれぞれON状態、OFF状態、ON状態、OFF状態にすると、出力端子18にはブリッジ回路8の出力部O1 であるひずみゲージ1の一端の電位がサブリード線4及びスイッチ素子20を介して付与され、出力端子19には出力部O2 の電位が付与される。このため、出力端子18,19間にはブリッジ回路8の出力電圧eが発生する。
【0063】また、スイッチ素子20〜23をそれぞれON状態、OFF状態、OFF状態、ON状態にすると、出力端子18にはブリッジ回路8の出力部O1 であるひずみゲージ1の一端の電位がサブリード線4及びスイッチ素子20を介して付与され、出力端子19にはリード線3が接続された接続端子12の電位が付与される。このため、出力端子18,19間にはリード線3に生じる電圧er2が発生する。
【0064】さらに、スイッチ素子20〜23をそれぞれOFF状態、ON状態、ON状態、OFF状態にすると、出力端子18にはブリッジ回路8の電源入力部I2 の電位が付与され、出力端子19には出力部O2 の電位が付与される。このため、出力端子18,19間にはブリッジ回路8の抵抗体7を有する辺に生じる電圧V4が発生する。
【0065】尚、25はスイッチ素子20〜23の断接動作を行わしめる制御信号を後述するコントロールユニット15の制御回路29からスイッチ回路24に付与するための制御端子である。
【0066】コントロールユニット15は、測定ユニット14の一対の電源入力端子16,17に接続されて、該電源入力端子16,17を介してブリッジ回路8の電源入力部I1 ,I2 間に付与する電源電圧V(定電圧)を生成するブリッジ電源回路26と、測定ユニット14の一対の出力端子18,19に接続されて、該出力端子18,19間に発生する電圧(e又はer2又はV4 )を増幅する増幅回路27と、この増幅回路27の出力をA/D変換するA/D変換回路28と、後述の各種データ処理や制御処理を行う制御回路29(演算処理手段)と、後述の各種データや制御回路29が行う処理に必要なプログラム等を記憶保持する記憶回路30と、制御回路29により表示回路31を介して駆動され、ひずみ測定値等を表示する表示器32と、制御回路29がコントロールユニット15の外部の図示しない操作器やパーソナルコンピュータ等との間で各種データの授受を行うためのインターフェース回路33と、コントロールユニット15全体の電源電圧を商用電源等から生成する主電源回路34とを備えている。
【0067】尚、制御回路29はマイクロプロセッサ等により構成され、また記憶回路30はROM、RAM、EEPROM等により構成されたものである。コントロールユニット15の電源としては商用電源の他、電池を使用するようにしてもよい。また、本発明の構成に対応させると、前記増幅回路27及びA/D変換回路28は、ブリッジ出力検出手段、リード線電圧検出手段及び辺電圧検出手段を共通化した電圧検出手段35を構成するものである。
【0068】この場合、本実施形態のひずみ測定装置10では、従来の測定手法の場合と同様に、ブリッジ回路8の電源電圧Vを2[V]とし、測定ユニット14に接続するひずみゲージ1としてゲージ率KがK=2のものを用いる。また、抵抗体5,6,7の抵抗値R2 ,R3 ,R4 はひずみゲージ1の基準抵抗値R0 に等しいものとされている。
【0069】そして、コントロールユニット15の制御回路29は、後述の如くひずみゲージ1のひずみを生じていない状態において増幅回路27及びA/D変換回路28を介して検出されるブリッジ回路8の出力電圧e0 (以下、これを初期不平衡出力電圧e0 という)、リード線3に生じる電圧er2、及びブリッジ回路8の抵抗体7を有する辺に生じる電圧V4 の検出データ、並びにひずみゲージ1を貼着する物体のひずみ測定時に増幅回路27及びA/D変換回路28を介して検出されるブリッジ回路8の出力電圧eの検出データ等を用いて次式(13)の演算処理を行うようにしている。そして、この演算処理により、ひずみゲージ1を貼着する物体のひずみε(本来の意味でのひずみ)を求めるようにしている。
【0070】
【数13】

【0071】尚、式(13)中のe/(1−e)の項は、前記式(4)の関係式に従って、ブリッジ回路8の出力電圧eから把握されるひずみ測定値を意味している。また、式(13)中の大括弧[ ]内の項は、前記式(12)により定まる補正係数xを意味している。従って、式(13)の演算は、前記式(4)の関係式に従って、ブリッジ回路8の出力電圧eから把握されるひずみ測定値に、式(12)により定まる補正係数xを乗算することで、リード線2,3の抵抗値r1 ,r2 (r1 =r2 =r)の影響を排除したひずみεを求めることを意味している。
【0072】そして、本実施形態では、このような演算処理を制御回路29に行わしめるために、図3のフローチャートで示すような演算処理手順が記憶回路30にプログラムされている。
【0073】次に、本実施形態のひずみ測定装置10の作動を具体的に説明する。
【0074】本実施形態のひずみ測定装置10では、ひずみ測定に先立って、あらかじめ、ブリッジ電源回路32からブリッジ回路7に付与する電源電圧Vの値(本実施形態では2[V])が、ひずみ測定装置10の外部の適宜の操作器等から前記インターフェース回路33及び制御回路29を介して記憶回路30に入力されて、該記憶回路30に記憶保持される。尚、電源電圧Vの値は、ひずみ測定装置10の製造段階で、記憶回路30のROM等に記憶保持させておくようにしてもよい。
【0075】次いで、ひずみゲージ1を物体に貼着せずに、ひずみ測定装置10の接続端子11,12,13にそれぞれリード線2,3及びサブリード線4を接続した状態で、ひずみ測定装置10の所定の操作等により、コントロールユニット15を動作させる。
【0076】このとき、コントロールユニット15の制御回路29は、まず、ブリッジ電源回路26を起動して、該ブリッジ電源回路26からブリッジ回路8の電源入力部I1 ,I2 に電源入力端子16,17を介して電源電圧Vを付与させる。
【0077】この状態において、制御回路29は、測定ユニット14のスイッチ素子20〜23をそれぞれON状態、OFF状態、ON状態、OFF状態に制御することで、ブリッジ回路8の出力部O1 ,O2 間に発生する出力電圧eを前記出力端子18,19を介して増幅回路27に入力させる。そして、制御回路29は、この時ブリッジ回路8が生成した出力電圧eを、増幅回路27及びA/D変換回路28を介して与えられるデータによって認識し、その認識した出力電圧eの値をブリッジ回路8の初期不平衡出力電圧e0 として記憶回路30に記憶保持させる。
【0078】次いで、制御回路29は、上記ように初期不平衡出力電圧e0 を記憶回路30に記憶保持させた後、スイッチ素子20〜23をそれぞれON状態、OFF状態、OFF状態、ON状態に制御することで、リード線3に生じる電圧er2を出力端子18,19を介して増幅回路27に入力させる。そして、制御回路29は、この時増幅回路27に入力される電圧er2を、増幅回路27及びA/D変換回路28を介して与えられるデータによって認識し、その認識した電圧er2の値を記憶回路30に記憶保持させる。
【0079】尚、リード線3の電圧er2の検出及びその記憶保持は、前記初期不平衡出力電圧e0 の検出及びその記憶保持の前に行うようにしてもよい。
【0080】さらに制御回路29は、上記ように初期不平衡出力電圧e0 及びリード線3の電圧er2を記憶回路30に記憶保持させた後、スイッチ素子20〜23をそれぞれOFF状態、ON状態、ON状態、OFF状態に制御することで、ブリッジ回路8の抵抗体7を備えた辺に生じる電圧V4 を増幅回路27に入力させる。そして、制御回路29は、この時増幅回路27に入力される電圧V4 を、増幅回路27及びA/D変換回路28を介して与えられるデータによって認識し、その認識した電圧V4 の値を記憶回路30に記憶保持させる。尚、上記電圧V4 の検出及びその記憶保持は、ひずみゲージ1を物体に貼着した後に行うようにしてよく、あるいは、ひずみゲージ1をひずみ測定装置10に接続する前に行うようにしてもよい。
【0081】次に、ひずみゲージ1を図示しない物体に貼着した後、制御回路29は、測定者の所定の操作等により指示されたタイミングや、あらかじめ設定されたタイムスケジュールに従って、次のようにひずみ測定を行う。
【0082】制御回路29は、ひずみ測定を行うタイミングにおいて、前記初期不平衡出力電圧e0 を検出した場合と同様にして、ブリッジ電源回路26からブリッジ回路8の電源入力部I1 ,I2 に電源電圧Vを付与せしめた状態で、測定ユニット14のスイッチ素子20〜23をそれぞれON状態、OFF状態、ON状態、OFF状態に制御することで、ブリッジ回路8の出力電圧eを増幅回路27に入力させる。そして、制御回路29は、この増幅回路27に入力される出力電圧eの値を、該増幅回路27及びA/D変換回路28を介して与えられるデータによって認識し、その認識した出力電圧eの値を記憶回路30に記憶保持させる。
【0083】そして、制御回路29は、記憶回路30にあらかじめプログラムされた図3のフローチャートの処理を行うことで、物体のひずみε(本来の意味でのひずみ)を求める。
【0084】すなわち、制御回路29は、前述の如く記憶回路30に記憶保持された、ブリッジ回路8の電源電圧V、ブリッジ回路8の初期不平衡出力電圧e0 、リード線3に生じた電圧er2、ブリッジ回路8の抵抗体7を備えた辺の電圧V4 、及びひずみ測定時のブリッジ回路8の出力電圧eのデータを記憶回路30から読み込む。
【0085】そして、読み込んだ上記の各データの値を用いて、前記式(13)の演算を行うことで、ひずみεを求める。
【0086】尚、制御回路29は、求めたひずみεの値を表示回路31を介して表示器33に表示させる。
【0087】かかる本実施形態のひずみ測定装置10では、ひずみゲージ1のひずみを生じていない状態において、ブリッジ回路8の初期不平衡出力電圧e0 とリード線3に生じる電圧er2とを検出しておくことで、リード線2,3の長さや線種、抵抗値r1 ,r2 等を把握せずとも、制御回路29による前記式(13)の演算処理によって、リード線2,3の抵抗値r1 ,r2 の影響を排除したひずみ測定を自動的に効率よく行うことができる。
【0088】また、式(13)の演算を行うために必要な初期不平衡出力電圧e0 や、リード線3の電圧er2等は、スイッチ回路24のスイッチ素子20〜23のON/OFFの切替制御だけで、共通の増幅回路27及びA/D変換回路28を介して検出することができるので、それらの検出のための回路構成を簡単で安価なものとすることができる。
【0089】尚、本実施形態では、リード線2,3の抵抗値r1 ,r2 の影響を排除するための補正係数xとして、前記式(12)により求まる補正係数xを用いたが、記憶回路30に抵抗体6,7の抵抗値R3 ,R4 あらかじめ記憶保持させるようにしておき、それらの抵抗値R3 ,R4 を用いた前記式(10)により定まる補正係数xを用いるようにしてもよい。この場合には、ブリッジ回路8の抵抗体7を有する辺の電圧V4 、あるいは抵抗体6を有する辺の電圧V3 を検出する必要はない。
【0090】また、抵抗体7を有する辺の電圧V4 を検出することに代えて、抵抗体6を有する辺の電圧V3 を検出するようにしておき、その電圧V3 の検出値を用いた前記式(11)により定まる補正係数xを使用してリード線2,3の抵抗値r1 ,r2 の影響を排除するようにしてもよい。
【0091】次に、本発明の第2の実施形態を図4を参照して説明する。図4は本実施形態のひずみ測定システムとしてのひずみ測定装置による演算処理を示すフローチャートである。
【0092】尚、本実施形態のひずみ測定装置は、図2に示した第1の実施形態のひずみ測定装置10と回路構成は同一で、制御回路29による演算処理のみが第1の実施形態のひずみ測定装置10と相違するものであるので、本実施形態のひずみ測定装置の構成については、図2の参照符号を用いて説明を省略する。
【0093】前述した第1の実施形態のひずみ測定装置では、ブリッジ回路8の出力電圧eに基づくひずみ測定値を、前記式(4)の関係式に基づいて把握するものであるため、基本的には、ひずみゲージ1のひずみを生じていない状態におけるブリッジ回路8の出力電圧e、すなわち、初期不平衡出力電圧e0 がe0 =0もしくは微小なものであることを前提としている。
【0094】しかるに、ブリッジ回路8を構成する抵抗体5,6,7の抵抗値R2 ,R3 ,R4 の精度誤差や、ひずみゲージ1の基準抵抗値R0 の精度誤差等の影響によって、初期不平衡出力電圧e0 が比較的大きなものとなる場合がある。そして、このような場合には、リード線2,3の抵抗値r1 ,r2 が無視できる程、小さい場合(補正係数x≒0の場合)であっても、式(4)の関係式に基づいたひずみ測定では、精度のよいひずみ測定を行うことができない。
【0095】一方、本願発明者等は、初期不平衡出力電圧e0 が比較的大きい場合で、リード線2,3の抵抗値r1 ,r2 が無視できる程、小さいときには、次式(14)〜(17)のいずれかの演算により求まる値ε1 が初期不平衡出力電圧e0 の影響を適正に排除してブリッジ回路8の出力電圧eから把握されるひずみε1 (本来の意味でのひずみ)であることを知見した(特願平9−341715号にて出願中)。
【0096】
【数14】

【0097】
【数15】

【0098】
【数16】

【0099】
【数17】

【0100】ここで、式(14)〜(17)で用いるパラメータを改めて説明すると次の通りである(図1及び図2参照)。
【0101】K:ひずみゲージ1のゲージ率、V…ブリッジ回路8の電源電圧、R3 …抵抗体6の抵抗値、R4 …抵抗体7の抵抗値、e0 :ひずみゲージ1のひずみを生じていない状態におけるブリッジ回路8の出力電圧(=初期不平衡出力電圧)、e…ひずみ測定時のブリッジ回路8の出力電圧、V3 :ブリッジ回路8の抵抗体6を有する辺の電圧、V4 :ブリッジ回路8の抵抗体7を有する辺の電圧。
【0102】さらに、特願平9−341715号にて説明している本願発明者等の知見によれば、リード線2,3の抵抗値r1 ,r2 が無視できない程、大きい場合には、式(14)に求まるひずみε1 に、(R0 +r1 )/R0 なる値(但し、R0 :ひずみゲージ1の基準抵抗値)を乗算することで、ブリッジ回路8の初期不平衡出力電圧e0 の影響を排除するだけでなく、リード線2,3の抵抗値r1 ,r2の影響をも排除したひずみ(本来の意味でのひずみ)を求めることができる。
【0103】この場合、リード線2,3の抵抗値r1 ,r2 が等しく、r1 =r2 =rである場合には、(R0 +r1 )/R0 は、リード線2,3の抵抗値r1 ,r2 の影響を排除するための前記補正係数xに他ならない。従って、前記式(14)〜(17)のいずれかを用いてブリッジ回路8の出力電圧eから把握されるひずみε1 に、前記式(10)、(11)、(12)のいずれかにより定まる補正係数xを乗算することで、ブリッジ回路8の初期不平衡出力電圧e0 の影響とリード線2,3の抵抗値r1 ,r2 の影響とを排除してなるひずみεを求めることができる。
【0104】本実施形態のひずみ測定装置10は、以上説明した内容を基礎としてひずみ測定を行うものである。この場合、本実施形態では、ひずみ測定装置10は、ブリッジ回路8の抵抗体7を有する辺の電圧V4 検出する回路構成となっているので、コントロールユニット15の制御回路29は、その検出する電圧V4 を用いた前記式(16)によりブリッジ回路8の出力電圧eから把握されるひずみ測定値ε1 に、前記式(12)により定まる補正係数xを乗算してなる値を初期不平衡出力電圧e0 の影響とリード線2,3の抵抗値r1 ,r2 の影響とを排除してなるひずみεの測定値として求めるようにしている。
【0105】すなわち、コントロールユニット15の制御回路29は、ひずみゲージ1のひずみを生じていない状態において増幅回路27及びA/D変換回路28を介して検出されるブリッジ回路8の初期不平衡出力電圧e0 、リード線3に生じる電圧er2、及びブリッジ回路8の抵抗体7を有する辺に生じる電圧V4 の検出データ、並びにひずみゲージ1を貼着する物体のひずみ測定時に増幅回路27及びA/D変換回路28を介して検出されるブリッジ回路8の出力電圧eの検出データ等を用いて、次式(18)の演算処理を行うことで、ひずみεを求めるようにしている。尚、この場合、式(16)の分母と式(12)の分子とには、同じ項(V−V4 +e0 )を有するため、式(18)は、(V−V4 +e0 )の項が分母、分子で通約された形式となる。従って、式(18)では、式(12)により定まる補正係数xそのものに対応する項は形式的には現れない。
【0106】
【数18】

【0107】そして、本実施形態では、このような演算処理を制御回路29に行わしめるために、図4のフローチャートで示すような演算処理手順が記憶回路30にプログラムされている。
【0108】上記のような演算処理を行う本実施形態のひずみ測定装置10では、ひずみ測定に先立って、あらかじめ、ひずみゲージ1のゲージ率Kの値と、ブリッジ電源回路26からブリッジ回路8に付与する電源電圧Vの値とが記憶回路30に入力されて、該記憶回路30に記憶保持される。
【0109】尚、上記のように記憶回路30にあらかじめ記憶保持する電源電圧Vは、本実施形態のひずみ測定装置10の製造段階で記憶回路30のROM等に記憶保持させておくようにしてもよい。また、本実施形態のひずみ測定装置10に使用すべきひずみゲージ1のゲージ率Kがあらかじめ定められている場合には、該ゲージ率Kの値もひずみ測定装置10の製造段階で記憶回路30のROM等に記憶保持させておくようにしてもよい。
【0110】次いで、ひずみ測定に際しては、前述の第1の実施形態と全く同様にして、ひずみゲージ1のひずみを生じていない状態におけるブリッジ回路8の初期不平衡出力電圧e0 及びリード線3の電圧er2とが検出されて記憶回路30に記憶保持され、また、ブリッジ回路8の抵抗体7を有する辺の電圧V4 も検出されて記憶回路30に記憶保持される。さらに、ひずみゲージ1を物体に貼着した状態におけるひずみ測定時のブリッジ回路8の出力電圧eが検出されて記憶回路30に記憶保持される。
【0111】その後、制御回路29は、記憶回路30にあらかじめプログラムされた図4のフローチャートの処理を行うことで、物体のひずみε(本来の意味でのひずみ)を求める。
【0112】すなわち、制御回路29は、前述の如く記憶回路30に記憶保持された、ひずみゲージ1のゲージ率K、ブリッジ回路8の電源電圧V、ブリッジ回路8の初期不平衡出力電圧e0 、リード線3に生じた電圧er2、ブリッジ回路8の抵抗体7を備えた辺の電圧V4 、及びひずみ測定時のブリッジ回路8の出力電圧eのデータを記憶回路30から読み込む。
【0113】そして、読み込んだ上記の各データの値を用いて、前記式(19)の演算を行うことで、ひずみεを求める。これにより、ブリッジ回路8の初期不平衡出力電圧e0 とリード線2,3の抵抗値r1 ,r2 との両者の影響を排除したひずみεの測定値が得られることとなる。
【0114】尚、制御回路29は、求めたひずみεの値を表示回路31を介して表示器33に表示させる。
【0115】かかる本実施形態のひずみ測定装置10では、リード線3に生じる電圧er2とを検出しておくことで、前述の第1の実施形態と同様にリード線2,3の長さや線種、抵抗値r1 ,r2 等を把握せずとも、制御回路29による前記式(19)の演算処理によって、リード線2,3の抵抗値r1 ,r2 の影響を排除したひずみ測定を自動的に効率よく行うことができると同時に、ブリッジ回路8の初期不平衡出力電圧e0 の影響も適正に排除することもできる。従って、ひずみ測定の精度を高めることができる。
【0116】また、前記第1の実施形態の場合と同様に、式(19)の演算を行うために必要な初期不平衡出力電圧e0 や、リード線3の電圧er2等は、スイッチ回路24の切替制御によって共通の増幅回路27及びA/D変換回路28を介して検出することができるので、それらの検出のための回路構成を簡単で安価なものとすることができる。
【0117】尚、本実施形態では、式(16)により定まるひずみε1 に、式(12)により定まる補正係数xを乗算してなる値をひずみεとして求めるものを示したが、記憶回路30に抵抗体6,7の抵抗値R3 ,R4 をあらかじめ記憶保持させるようにした場合には、式(14)により定まるひずみε1 に、式(10)により定まる補正係数xを乗算してなる値、すなわち、次式(19)の演算により求まる値をひずみεとして求めるようにしてもよい。
【0118】
【数19】

【0119】あるいは、抵抗体7を有する辺の電圧V4 に代えて、抵抗体6を有する辺の電圧V3 を検出するようにした場合には、式(15)により定まるひずみε1 に、式(11)により定まる補正係数xを乗算してなる値、すなわち、次式(20)の演算により求まる値をひずみεとして求めるようにしてもよい。
【0120】
【数20】

【0121】次に、本発明の第3の実施形態を図5及び図6を参照して説明する。図5は本実施形態のひずみ測定システムのシステム構成図、図6は図5のシステムの要部の処理を示すフローチャートである。
【0122】図5を参照して、本実施形態のひずみ測定システムは、前記図2に示したひずみ測定装置10と、パーソナルコンピュータ36(以下、パソコン36という)とにより構成したものであり、パソコン36は、ひずみ測定装置10のコントロールユニット15と通信可能なように、該コントロールユニット15の前記インターフェース回路33(図2参照)に通信ケーブル37を介して接続される。尚、パソコン36としては、通常的なパソコンの他、所謂ワークステーションを使用してもよい。
【0123】この場合、ひずみ測定装置10のコントロールユニット15の制御回路29(図2参照)は、前述のように検出して記憶回路30に記憶保持したブリッジ回路8の初期不平衡出力電圧e0 、リード線3に生じる電圧er2、ブリッジ回路8の抵抗体7を有する辺の電圧V4 、及びひずみ測定時のブリッジ回路8の出力電圧eのデータを、パソコン36との通信によって該パソコン36に受け渡すようにしている。
【0124】尚、本実施形態では、ひずみ測定装置10においてひずみεの算出を行う必要はなく、従って、前記記憶回路30に、前記式(13)あるいは式(18)の演算処理のためのプログラムや、その演算処理に使用するブリッジ回路8の電源電圧V等のパラメータをあらかじめ記憶保持しておく必要はない。
【0125】パソコン36は、通常のパソコンと同様、ディスプレイ38、キーボード39、フロッピディスクの装填スロット40(以下、FDスロット40)等を備えており、ひずみ測定装置10から通信ケーブル37を介してブリッジ回路8の初期不平衡出力電圧e0 、リード線3に生じた電圧er2、ブリッジ回路8の抵抗体7を有する辺の電圧V4 、及びひずみ測定時のブリッジ回路8の出力電圧eのデータを入力可能とされている他、キーボード56の操作によって、ブリッジ回路8の電源電圧V等のデータを入力可能とされている。
【0126】また、図中、41はフロッピディスクであり、このフロッピディスク41には、パソコン36にひずみ測定の解析処理を行わしめるために、例えば図6のフローチャートに示すような処理を含むアプリケーションプログラムがあらかじめ記録されている。尚、本実施形態では、フロッピディスクのアプリケーションプログラムは、前述の第2の実施形態で説明した前記式(18)の演算処理をパソコン36に後述するように行わしめてひずみεを求めるようにしている。そして、本発明の構成に対応させると、パソコン36は、上記アプリケーションプログラムを記録したフロッピディスク41と併せて演算処理手段42を構成するものである。
【0127】かかるひずみ測定システムでは、例えばひずみ測定装置10を用いた測定、すなわち、ブリッジ回路8の初期不平衡出力電圧e0 、リード線3の電圧er2、ブリッジ回路8の抵抗体7を有する辺の電圧V4 、並びにひずみ測定時のブリッジ回路8の出力電圧eの検出及びその記憶保持の終了後に、ひずみ測定装置10を通信ケーブル37を介してパソコン36に接続し、さらに、前記フロッピディスク41をパソコン36のFDスロット40に装填して、該フロッピディスク41のアプリケーションプログラムを起動する。
【0128】このとき、該アプリケーションプログラムは、パソコン36に次のような処理を行わしめる。
【0129】すなわち図6を参照して、該アプリケーションプログラムは、パソコン36に、ひずみゲージ1のゲージ率K及びブリッジ回路8の電源電圧Vのデータの入力要求をディスプレイ38上で行わしめる(STEP1)。
【0130】この入力要求に応じて上記のデータがキーボード39を介して入力されると、次に、上記アプリケーションプログラムは、ひずみ測定装置10の記憶回路30に記憶されているブリッジ回路8の初期不平衡出力電圧e0 、リード線3の電圧er2、及びブリッジ回路8の抵抗体7を有する辺の電圧V4 のデータを通信ケーブル37を介してパソコン36に取り込ませる(STEP2)。
【0131】さらに、該アプリケーションプログラムは、ひずみ測定装置10によるひずみ測定時のブリッジ回路8の出力電圧eのデータ(この場合、このデータは、時間差をおいて検出された複数の出力電圧eの時系列データである)を記憶回路30からパソコン36に取り込ませる(STEP3)。
【0132】そして、該アプリケーションプログラムは、STEP1でパソコン36に入力されたデータと、STEP2,3でパソコン36に取り込まれたデータとから、前記式(18)の演算処理をパソコン36に行わしめることで、ひずみ測定時のブリッジ回路8の出力電圧eの各データに対応するひずみεを算出させる(STEP4)。
【0133】その後は、該アプリケーションプログラムは、算出したひずみεのデータの所定の解析処理や、ディスプレイ38への表示処理等をパソコン36に行わしめる。
【0134】かかる本実施形態のひずみ測定システムいおいても、リード線2,3の長さや線種、抵抗値r1 ,r2 等を把握せずとも、パソコン36による前記式(19)の演算処理によって、リード線2,3の抵抗値r1 ,r2 の影響を排除したひずみ測定を自動的に効率よく行うことができると同時に、ブリッジ回路8の初期不平衡出力電圧e0 の影響も適正に排除して、ひずみ測定の精度を高めることができる。
【0135】また、ひずみ測定装置10にあっては、初期不平衡出力電圧e0 や、リード線3の電圧er2等は、スイッチ回路24の切替制御によって共通の増幅回路27及びA/D変換回路28を介して検出することができるので、それらの検出のための回路構成を簡単で安価なものとすることができる。
【0136】さらに前述のような演算処理をパソコン36に行わしめるためのアプリケーションプログラムを携帯自在なフロッピディスク41に記録しておくことで、パソコン36を使用したひずみ測定の汎用性を高めることができる。
【0137】尚、本実施形態では、前記のアプリケーションプログラムをフロッピディスク41に記録しておくようにしたが、パソコン36がアクセス可能なものであれば、CD−ROM等の他の記録媒体にアプリケーションプログラムを記録しておくようにしてもよい。
【0138】また、本実施形態では、ひずみ測定装置10からパソコン36への初期不平衡電圧e0 等のデータの受け渡しを通信によって行うようにしたが、ひずみ測定装置10側で、パソコン36に受け渡すべきデータをフロッピディスク等の記録媒体に記録しておくことができるようにし、その記録媒体を介して該データをパソコン36に受け渡すようにしてもよい。
【0139】また、本実施形態では、パソコン36に式(18)の演算処理を行わせることによって、ブリッジ回路8の初期不平衡出力電圧e0 とリード線2,3の抵抗値r1 ,r2 との影響を排除したひずみεを求めるようにしたが、ブリッジ回路8の初期不平衡出力電圧e0 が十分に小さいような場合には、前記第1の実施形態で採用した式(13)の演算処理によってひずみεを求めるようにしてもよい。あるいは、抵抗体6,7の抵抗値R3 ,R4 をパソコン36に入力するようにした場合には、式(13)の大括弧[ ]内の演算を式(10)の右辺の演算に置き換えた演算処理を行ってひずみεを求めたり、もしくは、前記式(19)の演算処理によってひずみεを求めるようにしてもよい。
【0140】さらに、ひずみ測定装置10側でブリッジ回路8の抵抗体6を有する辺の電圧V3 を検出して、その検出データをパソコン36に受け渡すような場合には、式(13)の大括弧[ ]内の演算を式(11)の右辺の演算に置き換えた演算処理を行ってひずみεを求めたり、もしくは、前記式(20)の演算処理によってひずみεを求めるようにしてもよい。
【0141】また、前述の各実施形態では、単一のひずみゲージ1を物体に貼着してひずみεの一点測定を行うものを示したが、物体の複数箇所もしくは複数の物体(以下、これらを測定点と称する)についての多点ひずみ測定を行う場合にも、本発明を適用することができる。この場合には、例えば各測定点に貼着するひずみゲージ1を測定ユニット14の抵抗体5,6,7の抵抗回路等に適宜のスイッチ素子を介して切替自在に接続しておき、その切替接続を行うことで、各測定点毎にブリッジ回路8を構成させる。そして、各測定点毎に、前述した各実施形態の場合と同様に、ブリッジ回路8の初期不平衡出力電圧e0 やリード線3の電圧er2を各測定点のひずみゲージ1のひずみを生じていない状態で検出しておく。さらに、前述の各実施形態と同様に、ブリッジ回路8の抵抗体7を有する辺に生じる電圧V4 (これは、各測定点について共通である)を検出しておく。そして、これらの検出データと、各測定点毎のひずみ測定時のブリッジ回路8の出力電圧eの検出データとを用いて、制御回路29やパソコン36によって前述の各実施形態と同様の演算処理を行うことで、各測定点毎にひずみεを求めるようにすればよい。
【0142】また、前述の各実施形態では、本来の意味でのひずみεを測定するものを示したが、このひずみεに測定対象の物体のヤング率Eを乗算することで、物体の応力測定を行うようにしてもよい。
【出願人】 【識別番号】000151520
【氏名又は名称】株式会社東京測器研究所
【出願日】 平成9年(1997)12月25日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 辰彦 (外1名)
【公開番号】 特開平11−183112
【公開日】 平成11年(1999)7月9日
【出願番号】 特願平9−357752