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【発明の名称】 高さ測定装置及びその使用方法
【発明者】 【氏名】阿部 二朗

【要約】 【課題】広いスペースが無くとも測定することが可能であると共に、被測定物の周囲の面が少し位反っていても被測定物の高さを正確に測定することができる高さ測定装置及びその使用方法を提供する。

【解決手段】軸線に沿って軸孔12aが形成された装置本体12と、装置本体12の後端部の軸孔12aに検出部20が伸びて挿通されると共にメーター部18を有するダイヤルゲージ16と、装置本体12の先端部の軸孔12aに、後端部が検出部20と鋼球31を介して接触するよう伸びて挿通され、先端部が半田フィレット34に接触して装置本体12の先端から引っ込んで測定動作したときの先端部と装置本体12の先端との変位を検出部20に伝達する測定子25と、測定子25の後側測定子24を検出部20側に弾性的に押圧する圧縮コイルスプリング30とを備えた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 軸線に沿って軸孔が形成された装置本体と、前記装置本体の後端部の軸孔に検出部が伸びて挿通されると共に表示部を有する検出手段と、前記装置本体の先端部の軸孔に、後端部が前記検出部と球面体を介して接触するよう伸びて挿通され、先端部が被測定物に接触して装置本体の先端から引っ込んで測定動作したときの先端部と装置本体の先端との変位を前記検出部に伝達する測定子と、前記測定子の後端部を前記検出部側に弾性的に押圧する弾性手段と、を備えたことを特徴とする高さ測定装置。
【請求項2】 軸線に沿って軸孔が形成された装置本体と、前記装置本体の後端部の軸孔に検出部が伸びて挿通されると共に表示部を有する検出手段と、前記装置本体の先端部の軸孔に、後端部が前記検出部と球面体を介して接触するよう伸びて挿通され、先端部が被測定物に接触して装置本体の先端から引っ込んで測定動作したときの先端部と装置本体の先端との変位を前記検出部に伝達する測定子と、前記測定子の後端部を前記検出部側に弾性的に押圧する弾性手段とを備えた高さ測定装置を用いて、まず前記測定子の先端に続いて前記装置本体の先端を同一平面に押し付けて両方の先端の間の変位を零にすることにより前記表示部が零値を表示するような零設定を行い、次に前記測定子の先端部を被測定物の先端部に接触させて前記装置本体の先端が前記被測定物の基端周囲の平面に当接するまで装置本体を押圧し、このことにより前記装置本体の先端と前記測定子の先端部との間の変位が前記検出部に伝達されて前記表示部がこの変位を測定値として表示するようにしたことを特徴とする高さ測定装置の使用方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば電子部品のリード線と回路基板上に設けられた導通ランドの間に半田が盛り付けられて付着され、半田接合部の強度に影響する半田フィレット等の高さを測定するための、高さ測定装置及びその使用方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の高さ測定装置としては、例えば図5に示すような高さ測定装置があった。同図に示す高さ測定装置50は、3本の脚51で支えられる支持台板53の中央部にダイヤルゲージ54の本体56が支持されている。そして、ダイヤルゲージ54の本体56の上端部には針55aと目盛を有するメーター部55が設けられ、本体56の支持台板53の中央部下方にはダイヤルゲージ54の測定子57が、その本体56に対して伸縮可能に設けられている。測定子57の先端部には、回路基板60の半田フィレット58の中央部から突出するリード線59の先端部が嵌合する、そのリード線59の径より少し大きな径の穴部57aが形成されている。
【0003】このような高さ測定装置50はまず、図6に示すようにそれを何かの高い平面精度を有する平面62の上にセットして、ダイヤルゲージ54の測定子57の先端をその平面62に当接させて、そのときのメーター部55の針55aが目盛の零を指すように零設定を行う。
【0004】それから図5に示すように、高さ測定装置50を回路基板60の上にセットして、ダイヤルゲージ54の測定子57の先端の穴部57aをリード線59に嵌合させる。すると測定子57の先端部は半田フィレット58の上端部に係止して、高さHの分だけ測定子57は本体56内に引っ込んで、脚51の先端と測定子57の先端部との間の変位を本体56に伝達し、その変位としての高さHの測定値の目盛を、ダイヤルゲージ54のメーター部55の針55aが指すようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような従来の高さ測定装置においては、3本の脚51で支持台板53及びダイヤルゲージ54を支える構造となっているため、ダイヤルゲージ54の周りに広いスペースが必要となって、広いスペースが無いところでは測定を行うことができない。
【0006】また、回路基板60は熱によってほとんどのものが反っていて平面精度が出ていないと共に、脚51と測定子57は互いに遠く離れているため、図7に示すように測定した半田フィレット58の高さH′は誤った値となり、正確な高さHを測定することが難しいという問題があった。
【0007】そこで本発明は、上記問題点に鑑みて、広いスペースが無くとも測定することが可能であると共に、被測定物の周囲の面が少し位反っていても被測定物の高さを正確に測定することができる高さ測定装置及びその使用方法を提供することを課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明による高さ測定装置は、軸線に沿って軸孔が形成された装置本体と、前記装置本体の後端部の軸孔に検出部が伸びて挿通されると共に表示部を有する検出手段と、前記装置本体の先端部の軸孔に、後端部が前記検出部と球面体を介して接触するよう伸びて挿通され、先端部が被測定物に接触して装置本体の先端から引っ込んで測定動作したときの先端部と装置本体の先端との変位を前記検出部に伝達する測定子と、前記測定子の後端部を前記検出部側に弾性的に押圧する弾性手段とを備えた構成としたものである。
【0009】このような構成の高さ測定装置によれば、まず測定子の先端に続いて装置本体の先端を同一平面に押し付けて両方の先端の間の変位を零にすることにより表示部が零値を表示するような零設定を行い、次に測定子の先端部を被測定物の先端部に接触させて装置本体の先端が被測定物の基端周囲の平面に当接するまで装置本体を押圧し、このことにより装置本体の先端と測定子の先端部との間の変位が検出部に伝達されて表示部がこの変位を測定値として表示することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて具体的に説明する。図1ないし図4は、本発明による高さ測定装置及びその使用方法の第1の実施の形態に係る高さ測定装置10及びその使用方法を説明するために参照する図である。
【0011】図1は、本実施の形態に係る高さ測定装置10を示す図である。同図において、高さ測定装置10の装置本体12内にはその軸線に沿って軸孔12aが形成されている。装置本体12は断面形状が円形で全体的にはペンタイプに形成されており、その材料にはプラスチックが用いられている。
【0012】装置本体12の後端部(図中上端部)には支持板14が設けられて軸孔12aが閉止されており、この支持板14にはダイヤルゲージ16(検出手段)が支持されている。
【0013】ダイヤルゲージ16は、支持板14の外側に設けられて針18aと目盛を有するメーター部18(表示部)と、装置本体12の後端部の軸孔12a内に挿通されて伸びる検出部20とを有している。この検出部20は、支持板14に固定された静止部21と、この静止部21に対して伸縮動作する可動部22とを有している。可動部22の先端には球面凹部22aが形成されている。
【0014】装置本体12の先端部(図中下端部)の軸孔12aには、測定子25が挿通されて設けられている。この測定子25は、前側測定子23と後側測定子24とに分かれていて、互いにネジ部Sにおいて締付けられてネジ結合することにより連結されている。
【0015】前側測定子23の先端部には、回路基板26のリード線28の径より少し太い径の穴部23aが開口しており、後側測定子24の後端部には球面凹部24aが形成されている。後側測定子24の球面凹部24aには、検出部20の可動部22の球面凹部22aと球面同士で接触する鋼球31(球面体)が一体的に接着、固定して設けられている。
【0016】ところで装置本体12の先端部の軸孔12aの途中には段部12bがあり、この段部12bと測定子25の後側測定子24の段部24bとの間には、圧縮コイルスプリング30(弾性体)が設けられている。また、測定子25の前側測定子23の先端部には、図2に示すように、その先端面と穴部23aの周面との間に微少な半径のR面23bが形成されている。
【0017】以下に、本実施の形態に係る高さ測定装置10の使用方法について説明する。まず高さ測定装置10の装置本体12を作業者が手で把持して、図3に示すように、装置本体12の先端部を何かの高い平面精度を有する平面32の上に垂直方向に押し付ける。
【0018】すると、押し付け前は図1に示すように装置本体12の先端から突出していた測定子25の前側測定子23の先端部が、上記平面32に押し付けられることにより、図3に示すように装置本体12の軸孔12a内に引っ込む。
【0019】このような測定子25の前側測定子23の先端が軸孔12a内に引っ込むのに続いて、装置本体12の先端を平面32に接触させて押し付けることにより、前側測定子23の先端と装置本体12の先端との間の変位を零にして、このことによりメーター部18の針18aが目盛の零値を表示するような零設定を行うことができる。
【0020】次に図4に示すように、前側測定子23の穴部23aをリード線28に嵌合させることにより、前側測定子23の先端部を半田フィレット34の先端部(図中上端部)に接触させる。それから装置本体12の先端が半田フィレット34の基端周囲の回路基板26の平面に当接するまで、装置本体12を回路基板26に向かって押圧する。
【0021】このことにより、装置本体12の先端と測定子25の前側測定子23の先端との間の変位、すなわち半田フィレット34の高さHが、測定子25から鋼球31を介して検出部20の可動部22に伝達され、さらにダイヤルゲージ16のメーター部18の針18aがその高さHに対応する目盛を測定値として指し示す。
【0022】このように本実施の形態に係る高さ測定装置10によれば、従来のように3本の脚51が不要なので、半田フィレット34の周りに広いスペースが無くとも半田フィレット34の高さHを測定することができる。また、測定子25の先端と装置本体12の先端との半径方向の距離が、従来の測定子57と脚51のように遠く離れていないので、半田フィレット34の周囲の面が少し位反っていたとしても半田フィレット34の高さHを正確に測定することができる。
【0023】また、装置本体12の先端に対する測定子25の変位は鋼球31を介して、すなわち球面を介して検出部20の可動部22に伝達されるので、前側測定子23の穴部23aにリード線28を嵌合させる際に装置本体12が多少傾いても、測定子25が鋼球31を介して可動部22に対して相対的に回動することにより、前側測定子23とリード線28の間に相対的な回動が生じてリード線28を破損させることを防止することができる。
【0024】また、測定子25の前側測定子23は後側測定子24に対してネジ部Sのネジを緩めることにより取り外し、交換が可能となっているため、リード線28の径が異なるものについての半田フィレット34の高さHを測定する場合は、穴部23aの径が異なる別の前側測定子23と交換することによりその測定を可能にすることができる。
【0025】また、図2に示すように前側測定子23の穴部23aの先端部にはR面23bが形成されていると共に、前側測定子23をプラスチック材料で形成することにより、前側測定子23の先端部が半田フィレット34に傷やクラックを生じさせることを防止することができる。
【0026】また後側測定子24の段部24bと装置本体12の段部12bとの間には圧縮コイルスプリング30が設けられているため、高さ測定装置10の非使用時には測定子25を装置本体12の軸孔12a内に、その後端部が鋼球31を介して検出部20の可動部22から離れないように保持することができる。
【0027】また、高さ測定装置10の使用時に高さ測定装置10を把持して、図1に示すように測定子25を下にして縦方向に起こしたときに、圧縮コイルスプリング30が無ければ測定子25が装置本体12の軸孔12a内を急降下して、測定子25の前側測定子23の先端部が半田フィレット34に衝突して半田フィレット34を破損させたり、或いは他の硬いものに衝突して前側測定子23の先端部が破損することを防止することができる。
【0028】また、高さ測定装置10はペンタイプのように小型軽量化が図られているため、片手で把持して簡単に操作することができる。そして、上述したような上方から下方に押し当てての測定だけでなく、横方向からも、或いは下方から上方に向かって押し当てて測定することも可能となっている。そしてさらに、回路基板26を他方の手で持ったまま、かつ自由な測定姿勢で測定することが可能となっている。
【0029】なお、前記実施の形態においては装置本体12がその先端部から後端部まで一体的に形成されて途中で折り曲げることができない構造となっていたが、装置本体12は先端部側と後端部側の2つに分割してその間をフレキシブルジョイントで接合するような構成にしてもよく、その場合は測定しにくい狭い場所においても装置本体12を途中で折り曲げることにより測定を可能にすることができる。
【0030】そしてこのような実施の形態の場合においては、測定子25と検出部20との間は鋼球31を介して折り曲げが可能なので問題はなく、また零設定は測定前に装置本体12を測定時と同程度に折り曲げて行うことにより正確な測定を可能とすることができる。
【0031】また、前記実施の形態においては、高さ測定装置10が回路基板26上に形成された半田フィレット34の高さを測定する場合について説明したが、本発明は、回路基板の半田フィレット以外の他のどのような被測定物の高さの測定にも適用することができる。
【0032】以上、本発明の実施の形態について具体的に述べてきたが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて、その他にも各種の変更が可能なものである。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の高さ測定装置及びその使用方法によれば、広いスペースが無くとも測定することが可能であると共に、被測定物の周囲の面が少し位反っていても被測定物の高さを正確に測定することができる。
【出願人】 【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニー株式会社
【出願日】 平成9年(1997)12月18日
【代理人】
【公開番号】 特開平11−183102
【公開日】 平成11年(1999)7月9日
【出願番号】 特願平9−349450