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【発明の名称】 測距装置
【発明者】 【氏名】大友 浩昭

【要約】 【課題】対象物での2次反射による距離の測定誤差を軽減する。

【解決手段】一対の受光手段2a,2bが投光手段1からの光ビームを含む一つの平面に対して面対称に配置される。受光手段2a,2bはPSDよりなる受光素子21a,21bを備え、両受光素子21a,21bは、対象物4までの距離によって出力の信号値の増減が一致する端子同士を共通接続した形で並列接続される。したがって、両受光手段2a,2bの間の対称面に直交する方向において、2次反射による輝点が対象物4に生じても、受光素子21a,21bの合成された出力からは2次反射に伴う誤差成分が除去され、距離を正確に測定することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 対象物に光ビームを照射する投光手段と、前記光ビームにより対象物に形成される投光スポットを受光光学系を通して検出する一対の受光素子を備え両受光素子を前記光ビームを含む一つの平面に対して面対称に配置した受光手段と、受光素子の出力に基づいて対象物までの距離を演算する距離演算手段とを備え、各受光素子は受光面に形成される受光スポットの重心位置に応じて信号値の比率が決まる一対の位置信号をそれぞれ出力し、距離演算手段は投光スポットと受光光学系の中心とを通る直線から各受光素子の受光面にそれぞれ形成される受光スポットの重心位置までの偏差を相殺して対象物までの距離を求めることを特徴とする測距装置。
【請求項2】 対象物に光ビームを照射する投光手段と、前記光ビームにより対象物に形成される投光スポットを受光光学系を通して検出する一対のPSDを備え両PSDを前記光ビームを含む一つの平面に対して面対称に配置した受光手段と、PSDの出力に基づいて対象物までの距離を演算する距離演算手段とを備え、両PSDは対象物までの距離に応じて各一対の出力の信号値の増減が一致するように並列接続されていることを特徴とする測距装置。
【請求項3】 対象物に光ビームを照射する投光手段と、前記光ビームにより対象物に形成される投光スポットを受光光学系を通して検出する一対のPSDを備え両PSDを前記光ビームを含む一つの平面に対して面対称に配置した受光手段と、PSDの出力に基づいて対象物までの距離を演算する距離演算手段とを備え、距離演算手段は、各PSDから出力される電流信号である位置信号をそれぞれ電圧信号に変換するI/V変換回路を備え、各PSDに対応したI/V変換回路の出力は対象物までの距離に応じて出力の信号値の増減が一致するように2個ずつ共通接続されていることを特徴とする測距装置。
【請求項4】 対象物に光ビームを照射する投光手段と、前記光ビームにより対象物に形成される投光スポットを受光光学系を通して検出する一対のPSDを備え両PSDを前記光ビームを含む一つの平面に対して面対称に配置した受光手段と、PSDの出力に基づいて対象物までの距離を演算する距離演算手段とを備え、距離演算手段は、各PSDの出力に基づいてそれぞれ求めた距離の平均値を出力することを特徴とする測距装置。
【請求項5】 投光手段および受光手段を備えるセンサヘッドと、距離演算手段の主要部を備えるコントローラとを別体に設け、センサヘッドを走査することを特徴とする請求項1ないし請求項4記載の測距装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、対象物に光ビームを照射するとともに光ビームにより対象物に形成される投光スポットを受光光学系を通して受光素子で検出し、受光素子の受光面に投光スポットに対応して形成される受光スポットが対象物までの距離に応じて変化することを利用し、三角測量法を適用して対象物までの距離を求めるようにした測距装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、図10に示す構成の測距装置が提案されている。この測距装置は、投光手段1によって対象物4に光ビームを照射し、光ビームによって対象物4に形成された投光スポットを受光手段2によって検出することにより三角測量法の原理を用いて対象物4までの距離を測定するように構成されている。投光手段1は、半導体レーザなどの投光素子11と、投光素子11から出力された光により光ビームを形成する投光光学系12とを備え、投光素子11は駆動回路13により高周波で変調駆動される。
【0003】一方、受光手段2は投光光学系12とは光軸の異なる受光光学系22と、受光光学系22を通して投光スポットを検出する受光素子21とを備えている。なお、図示例では投光光学系12と受光光学系22との光軸を一定角度θで交差させているが、投光光学系12と受光光学系22との光軸を平行に配置することも可能である。ところで、受光素子21にはPSDが一般に用いられている。PSDは、細長状の受光面を有し受光面の長手方向の両端の電極と共通電極とを備えている。共通電極に接続される電流源の出力電流をi0、受光面の長手方向の両端の各電極からの出力電流(位置信号)をi1,i2とし、受光面の長手方向の有効寸法をL、受光面の長手方向の一端(位置信号i1が得られる電極を設けた一端)から受光面に形成される受光スポットの重心位置までの距離をxとすれば、次式の関係が得られる。
i0=i1+i2i1=i0・(L−x)/Li2=i0・x/Lつまり、PSDから出力される一対の位置信号i1,i2は受光スポットの重心位置xに応じて比率が決まるのである。したがって、これらの関係から次式が得られる。
x/L=i2/(i1+i2)
ここに、受光面の長手方向の有効寸法Lは既知であるから、出力電流i1,i2を求めることによって、受光スポットの重心位置xを求めることができる。
【0004】しかして、投光手段1と受光手段2とを上述のように配置しておけば、対象物4までの距離に応じて投光スポットに対応する受光スポットの位置が変化するのであって、投光手段1と受光手段2との相対位置は固定されているから、既知の寸法とPSDよりなる受光素子21の一対の位置信号i1,i2とによって対象物4までの距離を求めることができる。
【0005】位置信号i1,i2は電流信号であるから、I/V変換回路31により電圧信号に変換され初段アンプ32により増幅された後に、各位置信号i1,i2にそれぞれ比例した一対の電圧信号V1,V2が同期検波回路33a,33bにより検波される。同期検波の後にはフィルタ回路34a,34bを通して高周波成分が除去され、対象物4までの距離に対応して比率の決まる一対の測距信号d1,d2が得られる。両測距信号d1,d2はともに減算回路35と加算回路36とに入力され、測距信号d1,d2の差と和とが求められる。従来より周知のように、この構成では対象物4までの距離は(d1−d2)/(d1+d2)の関数になるから、減算回路35と加算回路36との出力をリニアライズ回路37に入力して除算するとともに距離と出力との関係が線形関係になるように補正する。このような演算によって対象物4までの距離に比例したアナログ出力を得ることができる。
【0006】ここにおいて、投光手段1および受光手段2はセンサヘッド5として、同期検波回路33a,33b以降の回路部を収納したコントローラ6とは別体に分離されている。また、I/V変換回路31からリニアライズ回路37までの構成により距離演算手段3が構成されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述の構成では、2次反射により測定値に誤差が生じることがある。たとえば、図12に示すように、対象物4がプリント基板であるとすれば、ランドや配線部のような回路パターン4aの部分は光ビームを反射するが、回路パターン4aの形成されていない部分ではプリント基板の内部に光が侵入し、このような光はプリント基板の内部で反射を繰り返し、図12に破線や一点鎖線で示すように、光ビームの照射位置とは異なる部位から出射されることがある。
【0008】このような2次反射によって、投光手段1と受光手段2との光軸を含む面内で光ビームの照射位置とは異なる部位から光が出射されると測定誤差が生じることになる。たとえば、図12に示す例では、光ビームの上の位置P1に対応する受光スポットと、位置P2,P3に対応する受光スポットとが形成されるから、受光スポットの重心位置は測定すべき距離よりも近いほうに偏移する。
【0009】つまり、図13に示すように、センサヘッド5を対象物4の表面に沿って走査したとすると(走査される軌跡をLsで示してある)、回路パターン4aの形成されている部位では距離が正確に測定され、回路パターン4aの形成されていない部位では距離が近いほうに偏移することになる。その結果、図14に示すように、回路パターン4aの両側では実際の距離よりも近い値になるのである。
【0010】また、上述の従来構成では、投光スポットを一方向から監視しているから、たとえば、図15に示すようにV字状の溝部4bなどが対象物4に形成されていると、受光手段2の視野内に投光スポットが入らない場合が生じる。つまり、溝部4bなどが存在すると受光手段2に死角が生じて距離を測定することができなくなる。これは溝部4bだけではなく突起が存在する場合も同様である。
【0011】本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、対象物での2次反射による測定誤差を軽減し、また対象物の形状によらず死角が生じにくい測距装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、対象物に光ビームを照射する投光手段と、前記光ビームにより対象物に形成される投光スポットを受光光学系を通して検出する一対の受光素子を備え両受光素子を前記光ビームを含む一つの平面に対して面対称に配置した受光手段と、受光素子の出力に基づいて対象物までの距離を演算する距離演算手段とを備え、各受光素子は受光面に形成される受光スポットの重心位置に応じて信号値の比率が決まる一対の位置信号をそれぞれ出力し、距離演算手段は投光スポットと受光光学系の中心とを通る直線から各受光素子の受光面にそれぞれ形成される受光スポットの重心位置までの偏差を相殺して対象物までの距離を求めるものである。この構成によれば、一対の受光手段を光ビームを含む平面に対して面対称に配置し、投光スポットと受光光学系の中心とを通る直線から各受光素子の受光面にそれぞれ形成される受光スポットの重心位置までの偏差を相殺して対象物までの距離を求めるから、両受光素子の対称面に直交する方向において光ビームの2次反射による輝点が生じて各受光素子に形成される受光スポットの重心位置にずれが生じても、両受光素子の出力を用いることによって受光スポットの重心位置のずれによる誤差成分を除去することができ、対象物までの距離を正確に検出することができる。
【0013】請求項2の発明は、対象物に光ビームを照射する投光手段と、前記光ビームにより対象物に形成される投光スポットを受光光学系を通して検出する一対のPSDを備え両PSDを前記光ビームを含む一つの平面に対して面対称に配置した受光手段と、PSDの出力に基づいて対象物までの距離を演算する距離演算手段とを備え、両PSDは対象物までの距離に応じて各一対の出力の信号値の増減が一致するように並列接続されているものである。この構成によれば、一対のPSDを光ビームを含む平面に対して面対称に配置し、両PSDを対象物までの距離に応じて各一対の出力の信号値の増減が一致するように並列接続しているから、両PSDの対称面に直交する方向において光ビームの2次反射による輝点が生じて各受光素子に形成される受光スポットの重心位置にずれが生じても、両PSDの合成出力からは受光スポットの重心位置のずれによる誤差成分を除去することができ、対象物までの距離を正確に検出することができる。しかも、2個のPSDを並列接続しているから、投光スポットが一方のPSDからは死角になる位置に形成されている場合でも、他方のPSDで検出することができる可能性が高くなり、対象物が複雑な形状であっても対象物までの距離を測定することが可能になる。
【0014】請求項3の発明は、対象物に光ビームを照射する投光手段と、前記光ビームにより対象物に形成される投光スポットを受光光学系を通して検出する一対のPSDを備え両PSDを前記光ビームを含む一つの平面に対して面対称に配置した受光手段と、PSDの出力に基づいて対象物までの距離を演算する距離演算手段とを備え、距離演算手段が、各PSDから出力される電流信号である位置信号をそれぞれ電圧信号に変換するI/V変換回路を備え、各PSDに対応したI/V変換回路の出力が対象物までの距離に応じて出力の信号値の増減を一致させるように2個ずつ共通接続されているものである。この構成によれば、一対のPSDを光ビームを含む平面に対して面対称に配置し、距離演算手段が、各PSDから出力される電流信号である位置信号をそれぞれ電圧信号に変換するI/V変換回路を備え、各PSDに対応したI/V変換回路の出力が対象物までの距離に応じて出力の信号値の増減を一致させるように2個ずつ共通接続されているから、両PSDの対称面に直交する方向において光ビームの2次反射による輝点が生じて各受光素子に形成される受光スポットの重心位置にずれが生じても、I/V変換回路の出力からは受光スポットの重心位置のずれによる誤差成分を除去することができ、対象物までの距離を正確に検出することができる。しかも、I/V変換回路の出力を2個ずつ共通接続しているから、投光スポットが一方のPSDからは死角になる位置に形成されている場合でも、他方のPSDで検出することができる可能性が高くなり、対象物が複雑な形状であっても対象物までの距離を測定することが可能になる。
【0015】請求項4の発明は、対象物に光ビームを照射する投光手段と、前記光ビームにより対象物に形成される投光スポットを受光光学系を通して検出する一対のPSDを備え両PSDを前記光ビームを含む一つの平面に対して面対称に配置した受光手段と、PSDの出力に基づいて対象物までの距離を演算する距離演算手段とを備え、距離演算手段が、各PSDの出力に基づいてそれぞれ求めた距離の平均値を出力することを特徴とする測距装置。この構成によれば、一対のPSDを光ビームを含む平面に対して面対称に配置し、距離演算手段が、各PSDの出力に基づいてそれぞれ求めた距離の平均値を出力するから、両PSDの対称面に直交する方向において光ビームの2次反射による輝点が生じて各受光素子に形成される受光スポットの重心位置にずれが生じても、距離演算手段の出力からは受光スポットの重心位置のずれによる誤差成分を除去することができ、対象物までの距離を正確に検出することができる。
【0016】請求項5の発明は、請求項1ないし請求項4の発明において、投光手段および受光手段を備えるセンサヘッドと、距離演算手段の主要部を備えるコントローラとを別体に設け、センサヘッドを走査するものである。この構成によれば、投光手段と受光手段との位置関係を保った状態で対象物の上で光ビームを走査することができ、対象物の各部位の形状を検出することができる。しかも、センサヘッドをコントローラとは分離しているから、センサヘッドが比較的軽量になり、出力の小さい駆動源でもセンサヘッドを高速に走査することが可能になる。
【0017】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)本実施形態では、図1に示すように、2個の受光手段2a,2bを設けている。すなわち、受光素子21a,21bおよび受光光学系22a,22bを2個ずつ設け、両受光素子21a,21bの出力を合成した後にI/V変換回路31に入力する構成を採用している。I/V変換回路31および初段アンプ32は従来構成と同様であり、コントローラ6の構成も従来構成と同様である。
【0018】受光素子21a,21bおよび受光光学系22a,22bは、投光手段1と受光手段2a,2bとの光軸を含む平面に直交しかつ投光手段1の光軸を含む平面に対して面対称となるように配置されている。つまり、投光手段1と各受光手段2a,2bとの光軸は1点で交差し、かつ各受光手段2a,2bの光軸と投光手段1の光軸との交差角度θが等しくなるように配置されている。また、両受光素子21a,21bは対象物4までの距離が近くなると位置信号i1a,i1bが大きくなる端子同士と、位置信号i2a,i2bが小さくなる端子同士とを接続してある。つまり、両受光素子21a,21bは並列接続されている。
【0019】受光手段2a,2bを上述のように構成することによって、図12において説明したようなプリント基板を対象物4とする場合では、図2に示すように、両受光素子21a,21bには2次反射光による受光スポットが相反する関係になるように形成されることになる。つまり、一方の受光素子21aでは2次反射による受光スポットは距離を小さくする位置に形成されるが、他方の受光素子21bでは2次反射による受光スポットが距離を大きくする位置に形成されることになる。ここに、受光素子21a,21bは並列接続されているから、2次反射によって生じた誤差成分は相殺され、I/V変換回路31には2次反射による誤差成分を除去した位置信号が入力されることになる。つまり、図13に示した例と同様にしてセンサヘッド5を走査すれば、本実施形態では図3に示すような測定結果が得られる。図3において中央部の凸部は、回路パターン4aが基板部分から突出していることによるものである。
【0020】上述の動作をさらに詳しく考察する。図2に示すように2次反射が生じているものとすれば、図4に示すように、光ビームによる1次反射は位置P1で生じるが、2次反射が生じていることにより受光素子21aには位置P2,P3に対象物4が存在している場合と同様の受光スポットが形成され、受光素子21bには位置P4,P5に対象物4が存在している場合と同様の受光スポットが形成される。つまり、各受光素子21a,21bには図5(a)に示すように受光スポットS1〜S5が形成される。ここに、受光スポットS1〜S5は位置P1〜P5に対応する。このような2次反射による受光スポットS1〜S5が形成されることによって、図5(b)に示すように、1次反射のみによる受光スポットS1の重心位置がG1になるべきところ、2次反射の影響で受光スポットS1〜S5の重心位置はG2,G3の位置に偏移することになる。
【0021】各受光素子21a,21bから出力される位置信号i1a,i2a,i1b,i2bの関係は、図6(a)(b)のように表すことができるから、重心位置がG1である場合と、重心位置がG2,G3である場合との各位置信号i1a,i2a,i1b,i2bの誤差成分は、それぞれh1a,h2a,h1b,h2bになる。ここで、|h1a|=|h1b|、|h2a|=|h2b|であって、重心位置の偏移によって生じる誤差成分は、h1a,h2bが増加、h2a,h1bが減少であるから、結局、誤差成分は相殺され、重心位置がG1である成分のみが抽出されるのである。
【0022】上述の説明から明らかなように、各受光素子21a,21bの出力により求められる距離xa,xbと、対象物4までの真の距離Xとの間には、次式の関係が成立する。
X=(xa+xb)/2一方、従来例として説明したように、受光素子21a,21bから出力される位置信号i1a,i2a、i1b,i2bと距離xa,xbとの間には、次式の関係がある。
xa/L=i2a/(i1a+i2a)
xb/L=i2b/(i1b+i2b)
したがって、次式が得られる。
X=L{i2a/(i1a+i2a)+i2b/(i1b+i2b)}/2ここで、i2a={(i2a−i1a)+(i1a+i2a)}/2、i2b={(i2b−i1b)+(i1b+i2b)}/2を適用すれば、X=L{(i2a−i1a)/(i1a+i2a)+1}/4+L{(i2b−i1b)/(i1b+i2b)+1}/4また、両受光素子21a,21bを同仕様とし、同条件で動作させるから、i1a+i2a=i1b+i2bという関係があり、これらの関係を用いて整理すると、距離Xは以下のように表すことができる。
X=L〔{(i2a+i2b)−(i1a+i1b)}/(i1a+i2a)+2〕/4このように、2個の受光素子21a,21bから出力される位置信号i1a,i2a,i1b,i2bを上述のように組み合わせることで、2次反射の影響による誤差を除去することができるのである。
【0023】本実施形態においては、受光素子21a,21bを並列接続しているから、2次反射が生じない条件では1個の受光素子21a,21bの出力のみでも対象物4までの距離を測定することが可能である。したがって、図7に示すように、V字状の溝部4bが存在するような対象物4であっても、死角を形成することなく距離を測定することが可能になる。なお、図7において矢印はセンサヘッド5をこの方向に走査することを意味する。
【0024】(実施形態2)本実施形態は、図8に示すように、受光素子21a,21bの出力をそれぞれI/V変換回路31a,31bに入力して電圧信号に変換した後に、初段アンプ32に入力しているものである。この構成では、微弱な電流信号を合成するのではなく電圧信号に変換した後に合成しているから、外部雑音の影響を実施形態1よりも受けにくくなる。他の構成および動作は実施形態1と同様である。
【0025】(実施形態3)本実施形態は、図9に示すように、各受光素子21a,21bの出力からそれぞれ距離を求めた後に、演算回路38において両距離の平均値を求めることによって測定値の誤差を除去するものである。つまり、各受光素子21a,21bごとに、I/V変換回路31a,31b、初段アンプ32a,32b、同期検波回路33aa,33ba,33ab,33bb、フィルタ回路34aa,34ba,34ab,34bb、減算回路35a,35b、加算回路36a,36b、リニアライズ回路37a,37bを設けているのであって、各受光素子21a,21bから出力される位置信号i1a,i2a,i1b,i2bに基づいて対象物4までの距離に対応したアナログ値がリニアライズ回路37a,37bから出力されるようになっている。ここで、投光手段1と受光手段2a,2bとの光学的配置関係は実施形態1と同様であり、各受光素子21a,21bから出力される位置信号i1a,i2a,i1b,i2bにより対象物4までの距離を求める回路部分の動作が等しければ、実施形態1での説明から明らかなように各リニアライズ回路37a,37bの出力値の平均値を求めることによって誤差成分を除去することができる。つまり、演算回路38は両リニアライズ回路37a,37bの出力値の平均値を演算するように構成されている。
【0026】本実施形態の他の構成は実施形態1と同様であるが、各受光素子21a,21bごとに対象物4までの距離を求めているから、対象物4にV字状の溝部4bが形成されている場合のように死角が形成される場合には演算回路38の出力値は対象物4までの距離に対応しなくなる。したがって、死角が形成されるような対象物4については、各リニアライズ回路37a,37bの出力値を選択的に用いることになる。
【0027】上述した各実施形態では、投光手段1と受光手段2a,2bとの光軸を含む平面に直交しかつ投光手段1の光軸を含む平面に対して面対称となるように受光手段2a,2bを配置していたが、投光手段1の光軸を含む一つの平面を対称面として受光手段2a,2bを配置すれば、光ビームの照射位置以外で対称面に直交する方向に生じる輝点での誤差成分を除去することが可能である。
【0028】
【発明の効果】請求項1の発明は、一対の受光手段を光ビームを含む平面に対して面対称に配置し、投光スポットと受光光学系の中心とを通る直線から各受光素子の受光面にそれぞれ形成される受光スポットの重心位置までの偏差を相殺して対象物までの距離を求めるから、両受光素子の対称面に直交する方向において光ビームの2次反射による輝点が生じて各受光素子に形成される受光スポットの重心位置にずれが生じても、両受光素子の出力を用いることによって受光スポットの重心位置のずれによる誤差成分を除去することができ、対象物までの距離を正確に検出することができるという利点がある。
【0029】請求項2の発明は、一対のPSDを光ビームを含む平面に対して面対称に配置し、両PSDを対象物までの距離に応じて各一対の出力の信号値の増減が一致するように並列接続しているから、両PSDの対称面に直交する方向において光ビームの2次反射による輝点が生じて各受光素子に形成される受光スポットの重心位置にずれが生じても、両PSDの合成出力からは受光スポットの重心位置のずれによる誤差成分を除去することができ、対象物までの距離を正確に検出することができるという利点がある。しかも、2個のPSDを並列接続しているから、投光スポットが一方のPSDからは死角になる位置に形成されている場合でも、他方のPSDで検出することができる可能性が高くなり、対象物が複雑な形状であっても対象物までの距離を測定することが可能になるという利点がある。
【0030】請求項3の発明は、一対のPSDを光ビームを含む平面に対して面対称に配置し、距離演算手段が、各PSDから出力される電流信号である位置信号をそれぞれ電圧信号に変換するI/V変換回路を備え、各PSDに対応したI/V変換回路の出力が対象物までの距離に応じて出力の信号値の増減を一致させるように2個ずつ共通接続されているから、両PSDの対称面に直交する方向において光ビームの2次反射による輝点が生じて各受光素子に形成される受光スポットの重心位置にずれが生じても、I/V変換回路の出力からは受光スポットの重心位置のずれによる誤差成分を除去することができ、対象物までの距離を正確に検出することができるという利点がある。しかも、I/V変換回路の出力を2個ずつ共通接続しているから、投光スポットが一方のPSDからは死角になる位置に形成されている場合でも、他方のPSDで検出することができる可能性が高くなり、対象物が複雑な形状であっても対象物までの距離を測定することが可能になるという利点がある。
【0031】請求項4の発明は、一対のPSDを光ビームを含む平面に対して面対称に配置し、距離演算手段が、各PSDの出力に基づいてそれぞれ求めた距離の平均値を出力するから、両PSDの対称面に直交する方向において光ビームの2次反射による輝点が生じて各受光素子に形成される受光スポットの重心位置にずれが生じても、距離演算手段の出力からは受光スポットの重心位置のずれによる誤差成分を除去することができ、対象物までの距離を正確に検出することができるという利点がある。
【0032】請求項5の発明のように、投光手段および受光手段を備えるセンサヘッドと、距離演算手段の主要部を備えるコントローラとを別体に設け、センサヘッドを走査するものでは、投光手段と受光手段との位置関係を保った状態で対象物の上で光ビームを走査することができ、対象物の各部位の形状を検出することができるという利点があり、しかも、センサヘッドをコントローラとは分離しているから、センサヘッドが比較的軽量になり、出力の小さい駆動源でもセンサヘッドを高速に走査することが可能になるという利点がある。
【出願人】 【識別番号】000005832
【氏名又は名称】松下電工株式会社
【出願日】 平成9年(1997)10月15日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】西川 惠清 (外1名)
【公開番号】 特開平11−118418
【公開日】 平成11年(1999)4月30日
【出願番号】 特願平9−282344