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【発明の名称】 測定機用保持装置
【発明者】 【氏名】濱 伸行

【氏名】高橋 泰弘

【氏名】大谷 博行

【要約】 【課題】被測定部に測定機を保持する時の作業性がよく、測定機の測定精度を向上させることができる測定機用保持装置を提供する。

【解決手段】測定機1に対して進退可能に設けられた駆動ロッド12と、この駆動ロッド12と連動するとともに駆動ロッド12の進退方向と交差する方向に当接部27が前進して被測定部Aの内面を押圧する押圧機構13とを備える。当接部27が被測定部Aの内面を所定の力で押圧することにより、測定機1が被測定部Aに確実に保持され、この状態で測定機1を作動しても被測定部Aに対して測定機1が誤って動くことがない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】互いに対向する内面が形成された被測定部を測定するための測定機を前記被測定部に保持する測定機用保持装置であって、前記測定機に対して進退可能に設けられた駆動ロッドと、この駆動ロッドと連動するとともに前記駆動ロッドの進退方向と交差する方向に当接部が前進して前記被測定部を押圧する押圧機構とを備えたことを特徴とする測定機用保持装置。
【請求項2】請求項1記載の測定機用保持装置において、前記被測定部は孔部であり、前記測定機は前記孔部の内周面の表面粗さを測定する表面粗さ測定機であり、この表面粗さ測定機が取り付けられる保持装置本体を備え、この保持装置本体に前記駆動ロッドを前記孔部の軸方向に沿って進退可能に設けたことを特徴とする測定機用保持装置。
【請求項3】請求項2に記載の測定機用保持装置において、前記押圧機構は、前記当接部を前記孔部の内周面に常時押圧付勢する付勢手段を備え、この付勢手段の付勢力に抗して前記当接部を前記孔部の内周面から後退するように操作するとともに前記駆動ロッドと連動する操作レバーを前記保持装置本体に設けたことを特徴とする測定機用保持装置。
【請求項4】請求項2又は3に記載された測定機用保持装置において、前記押圧機構は、前記駆動ロッドに連結されるとともに前記駆動ロッドの進退方向に移動可能に前記保持装置本体に設けられた押圧機構本体と、この押圧機構本体に設けられた第1テーパ部材と、この第1テーパ部材と係合するとともに前記当接部と一体に設けられた第2テーパ部材とを備え、前記第1テーパ部材の前記駆動ロッドの進退方向の移動に伴って前記第2テーパ部材を介して前記当接部が前記孔部の内周面に対して近接接離隔されることを特徴とする測定機用保持装置。
【請求項5】請求項4に記載された測定機用保持装置において、前記第1テーパ部材を前記押圧機構本体に対して前記駆動ロッドの進退方向に位置調整可能に設けたことを特徴とする測定機用保持装置。
【請求項6】請求項2から5のいずれかに記載の測定機用保持装置において、前記表面粗さ測定機は、測定機本体と、この測定機本体に進退可能に設けられた測定ロッドと、この測定ロッドの先端に固定され前記孔部の内周面と当接する測定子とを備え、この測定子を前記孔部の内周面に近接離隔操作する測定子連動機構を前記保持装置本体に設けたことを特徴とする測定機用保持装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、互いに対向する内面が形成された被測定部、例えば、孔部や溝部を測定するための測定機を被測定部に保持する測定機用保持装置に関する。
【0002】
【背景技術】従来より、被測定部の表面粗さを測定するために表面粗さ測定機が利用されている。この表面粗さ測定機は、略箱状の測定機本体に測定ロッドを進退可能に設け、この測定ロッドの先端に被測定部に接触可能な触針を有する測定子を固定し、この測定子を被測定物に接触させた状態で測定ロッドを後退させ、この時の測定子の変位を表面粗さの値として読みとる装置である。表面粗さ測定機で測定する対象は平面状のものの他に、シリンダ内周面等の孔部あるいは溝部であることがある。
【0003】表面粗さ測定機で孔部内周面の表面粗さを測定するには、測定ロッドの先端部を孔部に挿入するとともに、測定機本体を被測定部に対して動かないように固定し、この状態で測定ロッドを孔部の軸方向に沿って後退させる必要がある。測定時に測定機本体が誤って動くと、測定機本体に伴って測定ロッドが動くことになり、測定精度が低下する。そのために、従来では、表面粗さ測定機を被測定部に隣接した基台に固定したり、測定機機本体の測定ロッドが設けられている側の端面に孔部の開口面積より大きな面積を有するプレートを取り付け、孔部の内周面を測定するに際して、このプレートを孔部の開口端側の被測定物に押し当てるように測定機本体を作業員が把持している(実開平5-59211号)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、被測定部に隣接して基台を配置し、この基台に測定機本体を固定する従来例では、基台を用意しなければならないだけでなく、基台を被測定部の高さに合わせて調整しなければならず、表面粗さ測定機の被測定部への装着作業が煩雑となる。実開平5-59211号で示される従来例では、片手で測定機本体を把持して測定が行えるという利便性はあるものの、作業員が測定中に測定機本体を把持する必要があるため、測定時の作業性が良くなく、しかも、測定機本体を把持する手が動くと、測定機本体、ひいては、測定ロッドが動いて測定誤差が生じるという問題点がある。
【0005】本発明の目的は、被測定部に測定機を保持する時の作業性がよく、測定機の測定精度を向上させることができる測定機用保持装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】そのため、本発明は測定機に駆動ロッドを進退可能に設け、この駆動ロッドに押圧機構を連結するとともに、この押圧機構の当接部で被測定部を押圧して測定機を被測定部に固定して前記目的を達成しようとするものである。具体的には、本発明の測定機用保持装置は、互いに対向する内面が形成された被測定部を測定するための測定機を前記被測定物に保持する測定機用保持装置であって、前記測定機に対して進退可能に設けられた駆動ロッドと、この駆動ロッドと連動するとともに前記駆動ロッドの進退方向と交差する方向に当接部が前進して前記被測定部を押圧する押圧機構とを備えたことを特徴とする。
【0007】この構成の本発明では、予め測定機に駆動ロッド及び押圧機構を設けておき、測定に際しては、まず、被測定部に測定機を挿入し、その後、駆動ロッドを作動する。駆動ロッドを作動すると、この駆動ロッドに連動して押圧機構が作動する。この押圧機構では、当接部が駆動ロッドの進退方向とは交差する方向に前進して被測定部を押圧する。これにより、測定機が被測定部に装着され、測定機を作業員が把持する等の作業が軽減される。この状態では、測定機は被測定部に固定されているから、測定機を作動しても被測定部に対して測定機が誤って動くことがないので、測定機の測定精度が向上する。
【0008】ここで、本発明では、前記被測定部を孔部とし、前記測定機を孔部の内周面の表面粗さを測定する表面粗さ測定機としてもよく、この場合、測定機用保持装置は、表面粗さ測定機が取り付けられる保持装置本体を備え、この保持装置本体に前記駆動ロッドを前記孔部の軸方向に沿って進退可能に設けた構成でもよい。この構成では、駆動ロッドを孔部の軸方向に進退可能としたから、孔部の大きさにかかわらず、保持装置を作動させて表面粗さ測定機を孔部に確実に保持することができる。
【0009】さらに、前記押圧機構は、前記当接部を前記孔部の内周面に常時押圧付勢する付勢手段を備え、この付勢手段の付勢力に抗して前記当接部を前記孔部の内周面から後退するように操作するとともに前記駆動ロッドと連動する操作レバーを前記保持装置本体に設けた構成でもよい。この構成では、操作レバーを操作して駆動ロッドを作動し、付勢手段の付勢力に抗して当接部を後退させる。これにより、当接部が干渉することなく被測定部である孔部に挿入される。孔部に測定機が挿入されたら、駆動ロッドを作動する。すると、この駆動ロッドに連動して押圧機構が作動し、当接部が付勢手段の付勢力に伴い前進して孔部の内周面を押圧する。そのため、付勢手段の付勢力により、当接部が被測定部に押圧されるから、より確実に測定機を被測定部に固定することができる。
【0010】また、前記押圧機構は、前記駆動ロッドに連結されるとともに前記駆動ロッドの進退方向に移動可能に前記保持装置本体に設けられた押圧機構本体と、この押圧機構本体に設けられた第1テーパ部材と、この第1テーパ部材と係合するとともに前記当接部と一体に設けられた第2テーパ部材とを備え、前記第1テーパ部材の前記駆動ロッドの進退方向の移動に伴って前記第2テーパ部材を介して前記当接部が前記孔部の内周面に対して近接離隔される構成としてもよい。この構成では、駆動ロッドとともに押圧機構本体を進退させることにより、押圧機構本体に設けられた第1テーパ部材が第2テーパ部材を介して当接部を被測定部に進退させることになる。そのため、当接部が複数のテーパ部材を介して確実に進退されることにより、保持装置自体の構造を簡易なものにできる。
【0011】さらに、前記第1テーパ部材を前記押圧機構本体に対して前記駆動ロッドの進退方向に位置調整可能に設けた構成でもよい。この構成では、第1テーパ部材の押圧機構本体に対する取付位置を調整することにより、第2テーパ部材の移動量を調整し、その結果、当接部の前進量を可変とすることにより、孔部の大きさにかかわらず、測定機用保持装置を適用することができる。例えば、予め第1テーパ部材を第2テーパ部材に近接した状態で押圧機構本体に取り付ければ、押圧機構本体に伴って第1テーパ部材が移動すると直ちに第2テーパ部材に当接して第2テーパ部材が移動することになり、その結果、当接部の前進量が大きくなる。当接部の前進量が大きいため、大きな孔部に測定機用保持装置を確実に保持することができる。
【0012】これに対して、予め第1テーパ部材を第2テーパ部材に離隔した状態で押圧機構本体に取り付ければ、押圧機構本体に伴って第1テーパ部材は所定長さ移動しなければ第2テーパ部材に当接することがなく、第2テーパ部材の移動量が小さくなり、その結果、当接部の前進量は小さくなる。当接部の前進量が小さいため、小さな孔部に測定機用保持装置を確実に保持することができる。
【0013】また、前記表面粗さ測定機は、測定機本体と、この測定機本体に進退可能に設けられた測定ロッドと、この測定ロッドの先端に固定され前記孔部の内周面と当接する測定子とを備え、この測定子を前記孔部の内周面に近接離隔操作する測定子連動機構を前記保持装置本体に設けた構成でもよい。この構成では、被測定部である孔部の内周面に表面粗さ測定機の測定ロッドを挿入する際に、測定子を孔部の内周面から離隔するように測定子連動機構を操作し、測定子と被測定部との干渉を防止する。これに対して、測定作業をする際に、測定子を孔部の内周面に近接するように測定子連動機構を操作し、測定子を孔部内周面に確実に当接させて精度よい測定を行う。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。ここで、各実施形態中、同一構成要素は同一符号を付して説明を省略もしくは簡略にする。図1から図6には、本発明の第1実施形態が示されている。図1は第1実施形態にかかる測定機用保持装置を測定機に取り付けて被測定部に装着された状態が示された断面図であり、図2は測定機を取り付けた測定機用保持装置の平面図であり、図3は図1中のIII-III線に沿った矢視断面図である。これらの図において、第1実施形態では、被測定部は孔部Aであり、測定機は、孔部Aの内周面の表面粗さを測定する表面粗さ測定機1である。
【0015】この表面粗さ測定機1は、略箱状の測定機本体2と、この測定機本体2の一端面に進退可能に設けられた測定ロッド3と、この測定ロッド3の先端に固定され孔部Aの内周面と当接可能な触針(図示せず)を有する測定子4とを備え、測定子4が孔部Aの内周面に接触した状態で測定ロッド3が後退することで測定子4の変位を表面粗さの値として読みとる一般的な構造である。測定ロッド3は測定子4が孔部Aの内周面に近接離隔するように測定機本体2に対して揺動可能に取り付けられている。
【0016】第1実施形態の測定機用保持装置10は、表面粗さ測定機1を孔部Aに保持するための装置であり、表面粗さ測定機1が取り付けられる保持装置本体11と、この保持装置本体に11に対して孔部Aの軸方向に沿って進退可能に設けられた2本の駆動ロッド12と、これらの駆動ロッド12と連動するとともに孔部Aの内周面を押圧する押圧機構13と、この押圧機構13を操作する操作レバー14と、保持装置本体11に設けられ測定子4を孔部Aの内周面に対して近接離隔操作する測定子連動機構15とから構成される。
【0017】保持装置本体11は表面粗さ測定機1が取り付けられ2本の駆動ロッド12が軸方向移動自在に支持された中央部16と、この中央部16の一端部に設けられ押圧機構13が設けられた先端部17と、中央部16の他端部に設けられた取っ手部18とを備えている。中央部16は略箱状に形成され、その上面部は表面粗さ測定機1を取り付け、取り外すための開口部16Aが形成されている。
【0018】先端部17は、左右両側部が湾曲した断面略H形に形成されており、その両側部下端は孔部Aに接触している(図3参照)。図1に示される通り、先端部17の中心上部には保持装置本体11の長手方向に沿って長溝17Aが形成されている。先端部17の中央部16側には取付用ブロック19が設けられており、この取付用ブロック19の上端部には回動アーム20が支持ピン21を中心に回動自在に取り付けられている。
【0019】先端部17は、その上部に回動アーム20を収納するための凹部が回動アーム20の長手方向に沿って形成され、この凹部の縁に回動アーム20の孔径指示目盛り17Bが形成されている(図1参照)。この目盛り17Bは、測定する孔部Aの径に押圧機構13の調整位置を合わせるもので、回動アーム20の下縁が指示する目盛り17Bを読みとることで、先端部17の下端部及び回動アーム20の上端部を円弧に含む円の大きさが表示される。先端部17の下方に向けて開口した空間には表面粗さ測定機1の測定ロッド3が配置されている。
【0020】取っ手部18の上端部には支持ピン22を介して前記操作レバー14が回動自在に支持されている。操作レバー14の支持ピン22より先端側には連結ブロック23を介して駆動ロッド12の一端部が連結されている。操作レバー14の回動操作により駆動ロッド12がその軸方向に進退可能とされるために、取っ手部18には連結ブロック23を案内する長孔18Aが形成され、操作レバー14には図示しない孔部が形成されている。
【0021】押圧機構13は、駆動ロッド12の他端部に連結された押圧機構本体24と、この押圧機構本体24に設けられ上面に駆動ロッド12の軸方向と交差するテーパ面25Aを有する第1テーパ部材25と、この第1テーパ部材25と係合し回動アーム20の中心部に形成された第2テーパ部材26と、回動アーム20の回動端に第2テーパ部材26と一体に設けられ回動アーム20の回動操作に伴って孔部Aの内周面に当接可能とされた当接部27と、この当接部27を孔部Aの内周面に常時押圧付勢する付勢手段28とを備えている。
【0022】回動アーム20は、その自重によって、あるいは、回動アーム20と先端部17との間に設けられた図示しないコイルばねによって先端部17の凹部に収納される。このコイルばねは、回動アーム20の下面に設けられたばね掛け(図示せず)と先端部17の下部に設けられたばね掛け(図示せず)との間に介装されるもので、回動アーム20を常時下方に、つまり、第1テーパ部材25に第2テーパ部材26が押しつけられる方向に付勢する。これにより、孔部Aに測定機用保持装置10を挿入する際に、回動アーム20が先端部17に収納される状態になるため、スムーズに行える。
【0023】押圧機構本体24の詳細な構造が図4に示されている。図4において、押圧機構本体24は、中心部に平面矩形状の開口部24Aが形成された厚板状ブロックであり、その両側部に2本の駆動ロッド12の他端部がそれぞれ固定されている。押圧機構本体24の中心部には、駆動ロッド12と平行にねじ部材29の両端部が回動可能に支持され、このねじ部材29の先端部は調整摘み30と結合されている。
【0024】開口部24Aに露出したねじ部材29には前記第1テーパ部材25が螺合されており、この第1テーパ部材25は、その両側端縁が開口部24Aの互いに対向する縁部にガイドされている。調整摘み30を正逆方向に回転することにより、第1テーパ部材25はねじ部材29に沿って進退し、これにより、第1テーパ部材25は押圧機構本体24に対して駆動ロッド12の進退方向に位置調整可能とされる。押圧機構本体24は、その底面部に先端部17の長溝17Aと摺動自在に係合する逆キノコ状の係合部材31が取り付けられて駆動ロッド12の進退方向に移動可能とされている(図1参照)。
【0025】図1において、第2テーパ部材26は、その下面に第1テーパ部材25のテーパ面25Aと係合するテーパ面26Aが形成され、第1テーパ部材25の進退動に伴って第2テーパ部材26と一体に設けられた当接部27が孔部Aの内周面に近接離隔される。当接部27の詳細な構成が図5に示されている。図5において、回動アーム20の回動端側は二股に分かれて形成され、この二股部20Aには当接部27が回動ピン27Aを介して回動自在に設けられている。
【0026】当接部27は回動アーム20に偏心して取り付けられたクランプ駒から構成され、その孔部Aの内周面と接触する部分には孔部Aの異なる曲率半径の内周面に適合するように曲面27Bが形成されている。具体的には、この曲面27Bは回動ピン27Aに近い位置では曲率半径が小さく形成され回動ピン27Aから離れるに従って曲率半径が大きくなるように形成されている。当接部材27は常時一方向に回動付勢されており、その曲面27Bが孔部Aの曲率半径に合うように回動される。
【0027】付勢手段28は、2本の駆動ロッド12にそれぞれ同芯上に配置され、かつ、押圧機構本体24と保持装置本体11との間に介装される圧縮コイルばねであり、この圧縮コイルばねのばね力により押圧機構本体24及び第1テーパ部材25は前進方向に付勢されて第2テーパ部材26を介し当接部27を孔部Aの内周面に押圧付勢するものである。なお、第1実施形態では、付勢手段28として、圧縮コイルばねに変えてゴム等の弾性部材を用いてもよい。
【0028】図1及び図2において、測定子連動機構15は、下端部で表面粗さ測定機1の測定ロッド3を揺動可能に支持するとともに中央部16に昇降自在に取り付けられた支持部材32と、この支持部材32に一端部が係合するとともに駆動ロッド12と平行に中央部16に進退可能に取り付けられた係合ロッド33と、この係合ロッド33の他端部に係合ピン34を介して上端部が係合され下端部が操作レバー14の下端部に回動自在に取り付けられた測定ロッド操作用レバー35と、係合ロッド33を支持部材32側に付勢し取っ手部18の上端部に取り付けられたコイル状のばね36とを備えて構成されている。第1実施形態では、コイル状のばねに代えて弦巻ばねを用いてもよい。弦巻ばねは測定ロッド操作用レバー35を介して係合ロッド33を支持部材32側に付勢するものである。
【0029】支持部材32は、図6に詳細に示される通り、測定ロッド3を支持する略円弧状の切欠を有するプレート部32Aと、このプレート部32Aから上方に延びて形成されたロッド部32Bと、このロッド部32Bの上端部に回動可能に取り付けられ係合ロッド33の上面と係合する車輪部32Cとから構成されている。係合ロッド33は細長い角柱状に形成され、支持部材32と係合する一端部は端部に向かうに従って上方に湾曲して形成されている。そのため、係合ロッド33がばね36の付勢力に抗して他端側に向かって後退すると、支持部材32が上昇し、これに伴って、測定子4が孔部Aの内周面から離れる方向(先端部17に向かう方向)に移動し、これに対して、係合ロッド33がばね36の付勢力に伴って一端側に向かって前進すると、支持部材32が下降し、これに伴って、測定子4が孔部Aの内周面に近接する方向(先端部17から離れる方向)に移動する。
【0030】測定ロッド操作用レバー35は操作レバー14の長手方向に沿って内部に配置されている。図1に示される通り、操作レバー14には測定ロッド操作用レバー35を露出するための切欠部14Aが形成され、係合ロッド33を進退可能するように係合ピン34を案内するガイド孔18Aが取っ手部18及び操作レバー14に形成されている。
【0031】次に、本実施形態の測定機用保持装置10を用いて表面粗さ測定機1を被測定部である孔部Aに保持する方法を説明する。予め、保持装置本体11に表面粗さ測定機1を取り付けておき、測定子連動機構15を操作して測定子4を保持装置本体11に近接させる。つまり、測定ロッド操作用レバー35を操作して係合ロッド33をばね36の付勢力に抗して後退させると、支持部材32が上昇し、この支持部材32に支持される測定ロッド3が先端部17の下部空間に収納された状態となる。
【0032】さらに、操作レバー14を操作して押圧機構13を作動させ、当接部27を後退させておく。つまり、操作レバー14を握り、取っ手部18側に向けて回動すると、駆動ロッド12及び押圧機構本体24が付勢手段28の付勢力に抗して後退することになり、押圧機構本体24に設けられた第1テーパ部材25は回動アーム20に設けられた第2テーパ部材26から離隔され、回動アーム20は、その自重又はばね等により当接部27が後退するように回動する。
【0033】この状態で孔部Aに保持装置本体11の先端部17を挿入し、表面粗さ測定機1の測定子4を測定対象となる所定位置に配置する。その後、操作レバー14を操作して押圧機構13を作動させ、当接部27を前進させて孔部Aの内周面に押圧する。つまり、操作レバー14からゆっくり手を離す。すると、駆動ロッド12及び押圧機構本体24が付勢手段28の付勢力に伴って前進することになり、押圧機構本体24に設けられた第1テーパ部材25は回動アーム20に設けられた第2テーパ部材26に近接する。これらのテーパ部材25,26のテーパ面25A,26A同士が係合したなら、第2テーパ部材26はテーパ面26Aに沿って上昇し、回動アーム20は、当接部27が前進するように回動する。この当接部27は孔部Aの内周面に当接した後、付勢手段28の付勢力によって内周面を押圧する。
【0034】さらに、測定子連動機構15を操作して測定子4を保持装置本体11から離隔して孔部Aの内周面当接させる。つまり、測定ロッド操作用レバー35から手を離すと、係合ロッド33はばね36の付勢力に伴って前進し、これにより、支持部材32がその自重により下降し、支持部材32に支持される測定ロッド3が内周面に近接する。これにより、表面粗さ測定機1が孔部Aに保持されたことになり、この状態で、表面粗さ測定機1を作動し、表面粗さ測定を行う。表面粗さ測定機1による測定が終了したなら、先程と同様に、測定子連動機構15を操作して測定子4を保持装置本体11に近接させ、操作レバー14を操作して当接部27を後退させ、さらに、保持装置本体11の先端部17を孔部Aから抜き出す。
【0035】従って、第1実施形態では、(1)互いに対向する内周面が形成された孔部Aを測定するための表面粗さ測定機1を孔部Aに保持する測定機用保持装置10を、表面粗さ測定機1に対して進退可能に設けられた駆動ロッド12と、この駆動ロッド12と連動するとともに駆動ロッド12の進退方向と交差する方向に当接部27が前進して孔部Aの内周面を押圧する押圧機構13とを備えて構成したから、当接部27が孔部Aの内周面を所定の力で押圧することにより、表面粗さ測定機1が孔部Aに確実に保持され、表面粗さ測定機1を作業員が把持する等の作業が軽減される。しかも、表面粗さ測定機1は孔部Aに固定されていることから、表面粗さ測定機1を作動しても孔部Aに対して表面粗さ測定機1が誤って動くことがなく、よって、表面粗さ測定機1の測定精度が向上する。
【0036】さらに、第1実施形態では、(2)測定機用保持装置10は、表面粗さ測定機1が取り付けられる保持装置本体11を備え、この保持装置本体11に駆動ロッド12を孔部Aの軸方向に沿って進退可能に設けた構成としたから、孔部Aの大きさにかかわらず、測定機用保持装置10を作動させて表面粗さ測定機1を孔部Aに確実に保持することができる。さらに、(3)押圧機構13は、当接部27を孔部Aの内周面に常時押圧付勢する付勢手段28を備え、この付勢手段28の付勢力に抗して当接部27を孔部Aの内周面から後退するように操作するとともに駆動ロッド12と連動する操作レバー14を保持装置本体11に設けたから、表面粗さ測定機1の測定子4を孔部Aに挿入する際に、操作レバー14を操作して駆動ロッド12を作動し、付勢手段28の付勢力に抗して当接部27を後退させることにより、当接部27が孔部Aと干渉することを防止できる。さらに、操作レバー14を操作して駆動ロッド12を前進させると、この駆動ロッド12に連動して押圧機構13が作動し、当接部27が付勢手段28の付勢力に伴い前進して孔部Aの内周面を充分な力で押圧するので、より確実に表面粗さ測定機1を孔部Aに固定することができる。
【0037】また、(4)押圧機構13は、駆動ロッド12に連結されるとともに駆動ロッド12の進退方向に移動可能に保持装置本体11に設けられた押圧機構本体24と、この押圧機構本体24に設けられた第1テーパ部材25と、この第1テーパ部材25と係合するとともに当接部27と一体に設けられた第2テーパ部材26とを備え、第1テーパ部材25の駆動ロッド12の進退方向の移動に伴って当接部27が第2テーパ部材26を介して孔部Aの内周面に対して近接離隔される構成とされたから、測定機用保持装置10が簡易な構造で孔部Aに確実に固定される。さらに、第1及び第2テーパ部材25,26のテーパ面25A,26Aの角度を変更することにより、当接部27の前進量を変更することができる。つまり、テーパ面25A,26Aの角度を小さくすれば、第2テーパ部材26の移動量が小さくなり、当接部27の前進量も小さくなるが、テーパ面25A,26Aの角度を大きくすれば、第2テーパ部材26の移動量が大きくなり、当接部27の前進量が大きくなる。
【0038】さらに、(5)第1テーパ部材25を押圧機構本体24に対して駆動ロッド12の進退方向に位置調整可能に設けたから、第1テーパ部材25の押圧機構本体24に対する取付位置を調整することにより、第2テーパ部材26の移動量を調整し、その結果、当接部27の前進量を可変として異なる大きさの孔部Aに測定機用保持装置10を確実に保持することができる。しかも、(6)第1テーパ部材25を押圧機構本体24に対して位置調整可能にするため、第1実施形態では、押圧機構本体24は、中心部に平面矩形状の開口部24Aが形成された略板状ブロックとし、その中心部には、駆動ロッド12と平行にねじ部材29の両端部を回動可能に支持し、このねじ部材29の先端部に調整摘み30を結合し、開口部24Aに露出したねじ部材29に第1テーパ部材25を螺合した構成としたから、調整摘み30を正逆方向に回転することにより、第1テーパ部材25を押圧機構本体24に対して簡単に位置調整することができる。
【0039】また、(7)押圧機構本体24は、その底面部に先端部17の長溝17Aと摺動自在に係合する逆キノコ状の係合部材31が取り付けられて駆動ロッド12の進退方向に移動可能とされているから、押圧機構本体24が先端部17の上を進退動する際に、浮き上がることがない。従って、押圧機構13を正確に作動させることができる。また、(8)表面粗さ測定機1は、測定機本体2と、この測定機本体2に進退可能に設けられた測定ロッド3と、この測定ロッド3の先端に固定され孔部Aの内周面と当接する測定子4とを備えた構成であり、この測定子4を孔部Aの内周面に近接離隔操作する測定子連動機構15を保持装置本体11に設けたから、孔部Aの内周面に表面粗さ測定機1の測定ロッド3を挿入する際に、測定子4を孔部Aの内周面から離隔するように測定子連動機構15を操作することで測定子4と孔部Aとの干渉を防止することができる。測定作業をする際に、測定子4を孔部Aの内周面に近接するように測定子連動機構15を操作すれば、測定子4を孔部Aの内周面に確実に当接させることができ、よって、精度よい測定が行える。
【0040】しかも、(9)第1実施形態では、測定子連動機構15の構成を、下端部で表面粗さ測定機1の測定ロッド3を揺動可能に支持するとともに中央部16に昇降自在に取り付けられた支持部材32と、この支持部材32に一端部が係合するとともに駆動ロッド12と平行に中央部16に進退可能に取り付けられた係合ロッド33と、この係合ロッド33の他端部に係合ピン34を介して上端部が係合され下端部が操作レバー14の下端部に回動自在に取り付けられた測定ロッド操作用レバー35と、係合ロッド33を支持部材32側に付勢し取っ手部18の上端部に取り付けられたばね36とを備えたリンク機構としたから、簡単な構造で確実に測定子4を移動させることができる。また、(10)当接部27は回動アーム20に偏心して取り付けられたクランプ駒から構成され、その孔部Aの内周面と接触する部分には孔部Aの異なる曲率半径の内周面に適合する曲面27Bが形成されているから、孔部Aの大きさにかかわらず、1個の当接部27を用いて表面粗さ測定機1を孔部Aに保持することができる。
【0041】次に、本発明の第2実施形態を図7及び図8に基づいて説明する。図7は第2実施形態にかかる測定機用保持装置40に表面粗さ測定機1が取り付けられた状態を示す断面図、図8は図7中VIII-VIII線に沿って示す一部破断した矢視図である。これらの図において、第2実施形態の測定機用保持装置40は、表面粗さ測定機1が取り付けられる保持装置本体41と、この保持装置本体に41に対して孔部Aの軸方向に沿って進退可能に設けられた1本の駆動ロッド42と、この駆動ロッド42と連動するとともに孔部Aの内周面を押圧する押圧機構43と、この押圧機構43を操作する操作レバー44とから構成される。
【0042】保持装置本体41は駆動ロッド42が軸方向移動自在に支持された略円筒状の基端部46と、この基端部46の先端側に形成され押圧機構43及び表面粗さ測定機1が取り付けられた先端部47とを備えている。基端部46は、その一端部下面に開口部46Aが形成され、この開口部46Aに隣接して取付片46Bが設けられている。この取付片46Bには操作レバー44が支持ピン52を介して回動自在に支持されている。
【0043】操作レバー44は支持ピン44を中心に折れ曲がって形成され、このうち基端部46の内部空間に臨む端部には駆動ロッド42の一端部が連結ピン53を介して回動自在に連結されている。なお、操作レバー44の回動操作により駆動ロッド42がその軸方向に進退可能とされるために、操作レバー44には図示しない孔部が形成されている。先端部47は、断面略逆三角形状に形成されており、その下端部は表面粗さ測定機1を収納する収納部47Aが形成されている。
【0044】押圧機構43は駆動ロッド42の他端部に連結された押圧機構本体54と、この押圧機構本体54と連動するとともに先端部47において孔部Aの内周面に近接離隔可能に設けられた2個の当接部57と、この当接部57を孔部Aの内周面に常時押圧付勢する付勢手段28とから構成されている。押圧機構本体54は先端部47において駆動ロッド42の進退方向に往復移動可能に支持された円柱状部材から形成され、その先端部には円錐部54Aが形成されている。
【0045】当接部57は、押圧機構本体54の径方向に沿って進退可能に設けられた板状部材から形成され、2個の当接部57と測定子4とは押圧機構本体54の軸を中心として120度間隔に配置されている。当接部57の先端部は孔部Aの内周面と当接可能とされている。当接部57の基端部57Aは押圧機構本体54の円錐部54Aの円錐面と係合する係合面とされている。第2実施形態では、円錐部54Aが第1テーパ部材を構成し、当接部57の基端部57Aが第2テーパ部材を構成するものであり、押圧機構本体57が前進すると円錐部54Aによって当接部57が孔部Aの内周面に向けて前進し、押圧機構本体57が後退すると当接部57がその自重によって孔部Aの内周面から後退する。
【0046】次に、第2実施形態の測定機用保持装置40を用いて表面粗さ測定機1を孔部Aに保持する方法を説明する。予め、保持装置本体41に表面粗さ測定機1を取り付けておき、操作レバー44を操作して押圧機構43を作動させ、当接部57を後退させておく。つまり、操作レバー44を回動すると、駆動ロッド42及び押圧機構本体54が付勢手段28の付勢力に抗して後退することになり、当接部57がその自重によって孔部Aの内周面から後退する。この状態で孔部Aに保持装置本体41の先端部47を挿入し、表面粗さ測定機1の測定子4を測定対象となる所定位置に配置する。この際、測定子4が孔部Aに干渉しないように注意を要する。
【0047】その後、操作レバー44を操作して押圧機構43を作動させ、当接部57を前進させて孔部Aの内周面に押圧する。つまり、操作レバー44からゆっくり手を離すと、駆動ロッド42及び押圧機構本体54が付勢手段28の付勢力に伴って前進することになり、押圧機構本体54の円錐部54Aによって当接部57が孔部Aの内周面に向けて前進する。当接部57は孔部Aの内周面に当接した後、付勢手段28の付勢力によって内周面を押圧する。これにより、表面粗さ測定機1が孔部Aに保持されたことになり、この状態で、表面粗さ測定機1を作動し、表面粗さ測定を行う。表面粗さ測定機1による測定が終了したなら、先程と同様に、操作レバー44を操作して当接部57を後退させ、さらに、保持装置本体41の先端部47を孔部Aから抜き出す。
【0048】従って、第2実施形態によれば、第1実施形態の(1)(2)(3)及び(4)と同一の作用効果を奏する他に、(11)第1テーパ部材を構成する円錐部54Aは押圧機構本体54に一体に形成されているため、第1実施形態に比べて押圧機構43の構造を簡易なものにできる。
【0049】次に、本発明の第3実施形態を図9及び図10に基づいて説明する。第3実施形態は第2実施形態に比べて押圧機構の構造が相違するもので、他の構造は同一である。図9は第3実施形態にかかる測定機用保持装置60に表面粗さ測定機1が取り付けられた状態を示す断面図、図10は図9中X-X線に沿って示す一部破断した矢視図である。これらの図において、第3実施形態の測定機用保持装置60は、前記保持装置本体41と、前記駆動ロッド42と、この駆動ロッド42と連動するとともに孔部Aの内周面を押圧する押圧機構63と、この押圧機構63を操作する前記操作レバー44とから構成される。
【0050】押圧機構63は前記押圧機構本体54と、この押圧機構本体54と連動するとともに先端部47において孔部Aの内周面に近接離隔可能に設けられた2個の当接部77と、この当接部77を孔部Aの内周面に常時押圧付勢する前記付勢手段28とから構成されている。当接部77は、押圧機構本体54の径方向に沿って進退可能に設けられた板状部材77Aと、この板状部材77Aの先端部に一体形成された略L字形の連結部材77Bと、この連結部材77Bの端部に一体形成され駆動ロッド42と平行に配置された棒状の接触部77Cとから構成され、これらの接触部77Cは接触子4と平行かつ近接配置されている。
【0051】2個の当接部77と測定子4とは押圧機構本体54の軸を中心として120度間隔に配置されており、これらの当接部77の接触部77Cと測定子4とを結ぶ線分の大きさは保持装置本体41の正面の大きさより小さく形成されている。当接部77の接触部77Cは孔部Aの内周面と当接可能とされている。当接部77の板状部材77Aの基端側は押圧機構本体54の円錐部54Aの円錐面と係合する係合面とされている。
【0052】第3実施形態では、円錐部54Aが第1テーパ部材を構成し、当接部77の板状部材77Aの基端側が第2テーパ部材を構成するものであり、押圧機構本体57が前進すると円錐部54Aによって当接部77が孔部Aの内周面に向けて前進し、押圧機構本体57が後退すると当接部77がその自重によって孔部Aの内周面から後退する。当接部77の接触部77Cと測定子4との干渉を防止するため、保持装置本体41の正面には保護カバー78が取り付けられている。
【0053】第3実施形態の測定機用保持装置60を用いて表面粗さ測定機1を孔部Aに保持する方法は第2実施形態と同じである。従って、第3実施形態によれば、第1実施形態の(1)(2)(3)及び(4)と同一の作用効果を奏する他に、(12)当接部77を、押圧機構本体54の径方向に沿って進退可能に設けられた板状部材77Aと、この板状部材77Aの先端部に一体形成された略L字形の連結部材77Bと、この連結部材77Bの端部に一体形成され駆動ロッド42と平行に配置された棒状の接触部77Cとから構成し、この接触部77Cを接触子4と平行に近接配置したから、孔部Aが小さい場合でも、孔部Aに接触子4及び接触部77Cを挿入して内周面の表面粗さ測定を行うことができる。
【0054】次に、本発明の第4実施形態を図11に基づいて説明する。図11は第4実施形態にかかる測定機用保持装置80に表面粗さ測定機1が取り付けられた状態を示す斜視図である。図11において、第4実施形態の測定機用保持装置80は、表面粗さ測定機1の測定機本体2の上面に互いに所定間隔離れて取り付けられた2枚の取付プレート81と、これらの取付プレート81に設けられ孔部Aの内周面を押圧する押圧機構83と、この押圧機構83に設けられ孔部Aの軸方向に沿って進退可能に設けられた1本の駆動ロッド82とから構成されている。第4実施形態では取付プレート81は保護装置本体として機能する。
【0055】押圧機構83は、一方の取付プレート81に取り付けられた第1リンク機構91と、他方の取付プレート81に取り付けられた第2リンク機構92と、これらのリンク機構91,92の間を連結する連結リンク93と、この連結リンク93の両端部に設けられたリング状の当接部97と、当接部97を孔部Aの内周面に常時押圧付勢する付勢手段98とを備え、これらのリンク機構91,92に駆動ロッド82から力が加わることにより、当接部97が孔部Aの内周面に対して近接離隔とされる構成である。
【0056】第1リンク機構91は前記一方の取付プレート81に下端部が回動自在に設けられた第1リンク91Aと、この第1リンク91Aの上端部に下端部が回動自在に設けられた第2リンク91Bとから構成されている。第2リンク機構92は、他方の取付プレート81に下端部が回動自在に設けられた第1リンク92Aと、この第1リンク92Aの上端部に下端部が回動自在に設けられた第2リンク92Bと、前記他方の取付プレート81に下端部が回動自在に設けられ第1リンク92Aと対向配置された第3リンク92Cと、この第3リンク92Cの上端部に下端部が回動自在に設けられ第2リンク92Bと対向配置された第4リンク92Dとから構成されている。
【0057】第1リンク機構91の第1リンク91Aと第2リンク91Bとの連結部及び第2リンク機構92の第1リンク92Aと第2リンク92Bとの連結部は、それぞれ駆動ロッド82に固定されている。第2リンク機構92の第3リンク92Cと第4リンク92Dとの連結部は駆動ロッド82が挿通可能とされている。付勢手段98は、第2リンク機構92の第1リンク92A及び第2リンク92Bの連結部と、第3リンク92C及び第4リンク92Dの連結部との間に介装されて両者を互いに引っ張る引張ばねである。駆動ロッド82の端部には駆動ロッド82を進退動させるための摘み99が取り付けられている。
【0058】次に、第4実施形態の測定機用保持装置80を用いて表面粗さ測定機1を孔部Aに保持する方法を説明する。予め、表面粗さ測定機1の測定機本体2に測定機用保持装置80を取り付けておき、摘み99を引っ張って駆動ロッド82を付勢手段98の付勢力に抗して後退させる。すると、第1リンク機構91及び第2リンク機構92が変形して当接部97が後退する。この状態で孔部Aに表面粗さ測定機1及び測定機用保持装置80を挿入し、表面粗さ測定機1の測定子4を測定対象となる所定位置に配置する。この際、測定子4が孔部Aに干渉しないように注意する。
【0059】その後、摘み99からゆっくり手を離すと、駆動ロッド82は付勢手段98の付勢力に伴って前進し、第1リンク機構91及び第2リンク機構92が変形して当接部97が前進する。すると、当接部97は孔部Aの内周面に当接した後、付勢手段98の付勢力によって内周面を押圧する。これにより、表面粗さ測定機1が孔部Aに保持されたことになり、この状態で、表面粗さ測定機1を作動し、表面粗さ測定を行う。表面粗さ測定機1による測定が終了したなら、先程と同様に、摘み98を引っ張って当接部97を後退させ、さらに、表面粗さ測定機1及び測定機用保持装置80を孔部Aから抜き出す。
【0060】従って、第4実施形態によれば、第1実施形態の(1)及び(2)と同一の作用効果を奏する他に、(13)押圧機構83を第1リンク機構91及び第2リンク機構92を備えて構成したから、孔部Aの軸方向に沿った異なる2点において表面粗さ測定機1を確実に保持固定することができる。
【0061】なお、本発明は前述の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。例えば、前記第1実施形態では当接部27を1個設けたが、本発明では図12(A)に示される通り、中心に対して対称配置された2個の当接部27を設けてもよい。さらに、前記第1実施形態では、当接部27を上下方向に後退させる構成としたが、本発明では図12(B)に示される通り、2個の当接部27を水平方向において、互いに近接離隔するように配置する構成としてもよい。また、前記第1実施形態では当接部27を孔部Aの軸方向を含む平面内で進退する構成としたが、本発明では、図12(C)に示される通り、2個の当接部27が孔部Aの軸方向と直交する平面内で回動する構成としてもよい。
【0062】さらに、前記実施形態では、被測定部を孔部Aとしたが、本発明では、互いに対向する内面が形成された被測定部であれば具体的形状を問うものではなく、例えば、断面円弧状あるいは矩形状の溝部であってもよい。仮に、孔部としても、その断面形状は矩形状であってもよい。また、測定機を表面粗さ測定機1としたが、孔部の内径を計測する内径測定機や孔部Aの内部の形状を計測する表面形状測定機にも本発明の測定機用保持装置を適用することができる。
【0063】
【発明の効果】このような本発明によれば、互いに対向する内周が形成された被測定部を測定するための測定機を被測定部に保持する測定機用保持装置を、測定機に対して進退可能に設けられた駆動ロッドと、この駆動ロッドと連動するとともに駆動ロッドの進退方向と交差する方向に当接部が前進して被測定部の内面を押圧する押圧機構とを備えて構成したから、当接部が被測定部の内面を所定の力で押圧することにより、測定機が被測定部に確実に保持され、測定機を作業員が把持する等の作業が軽減される。しかも、測定機は被測定部に固定されていることから、測定機を作動しても被測定部に対して誤って動くことがなく測定機の測定精度が向上する。
【出願人】 【識別番号】000137694
【氏名又は名称】株式会社ミツトヨ
【識別番号】391017171
【氏名又は名称】株式会社中島製作所
【出願日】 平成9年(1997)10月20日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】木下 實三 (外1名)
【公開番号】 特開平11−118408
【公開日】 平成11年(1999)4月30日
【出願番号】 特願平9−286946