| 【発明の名称】 |
光波干渉測定装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】月原 浩一
【氏名】河井 斉
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| 【要約】 |
【課題】本発明は、光路中の空気や他の気体の屈折率変動を複数の周波数の光を用いて補正する光波干渉測定装置に関し、SHG変換素子端面からの戻り光による測定精度の低下を防止し、空気の屈折率変動による補正をより高精度に行なうことのできる光波干渉測定装置を提供することを目的とする。
【解決手段】検出部101のSHG変換素子17の入射端面111は、光軸201に対して垂直になっていないので、端面反射光202が干渉部100に戻ることがない。また、絞り35を設けることで完全に端面反射光202を除去することができる。従って、誤差光となる端面反射光202が光電変換素子18に入射しない高精度な光波干渉測定装置を実現できる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】第1の周波数の光を有する測長用光束を射出する第1の光源と、第2および第3の周波数の光を有し、前記測長用光束の光路上の屈折率変動を計測する屈折率変動計測用光束を射出する第2の光源と、前記測長用光束と前記屈折率変動計測用光束との共通光路上に設けられ、光路を測定光路と参照光路に分離する分離素子と、前記参照光路上に設けられ、前記参照光路上の少なくとも前記測長用光束を反射させる参照光用反射鏡と、前記測定光路上を移動可能に設けられ、前記測定光路上の前記測長用光束と前記屈折率変動計測用光束とを反射する測定光用反射鏡と、前記参照光路および前記測定光路からの前記測長用光束の干渉光を検出する測長用受光手段と、少なくとも前記測定光路からの前記屈折率変動計測用光束の干渉光を検出する屈折率変動計測用検出手段と、前記各干渉光から光路上の屈折率変動を補正して、真の前記測定用反射鏡の移動量を求める処理系とを備えた光波干渉測定装置において、前記屈折率変動測定用検出手段は、前記第2の周波数の光の周波数を前記第3の周波数に変換する周波数変換素子を有し、前記周波数変換素子の入射端面または射出端面は、光軸に垂直な面から所定量傾いていることを特徴とする光波干渉測定装置。 【請求項2】第1および第2の周波数の光を有し、光路上の屈折率変動を計測する光束を射出する光源と、前記光束を測定光路と参照光路に分離する分離素子と、前記参照光路上に設けられ、前記参照光路上の光束を反射させる参照光用反射鏡と、前記測定光路上を移動可能に設けられ、前記測定光路上の光束を反射する測定光用反射鏡と、前記測定光路と前記参照光路からの前記各光束をそれぞれ干渉させて干渉光を検出する検出手段と、前記各干渉光から前記測定光路上の屈折率変動量を求める処理系とを備えた光波干渉測定装置において、前記検出手段は、前記第1の周波数の光の周波数を前記第2の周波数に変換する周波数変換素子を有し、前記周波数変換素子の入射端面または射出端面は、光軸に垂直な面から所定量傾いていることを特徴とする光波干渉測定装置。 【請求項3】請求項1または2に記載の光波干渉測定装置において、前記周波数変換素子は、入射光を第2高調波に変換する第2高調波発生素子であることを特徴とする光波干渉測定装置。 【請求項4】請求項1乃至3のいずれかに記載の光波干渉測定装置において、前記周波数変換素子と前記分離素子との間の光路上に、前記周波数変換素子の前記入射端面および前記射出端面からの反射光を遮光する絞りが配置されていることを特徴とする光波干渉測定装置。
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【発明の詳細な説明】【発明の属する技術分野】本発明は、空気や他の気体中で高精度な変位計測が要求される機器に用いられる光波干渉測定装置に関し、特に光路中の空気や他の気体の屈折率変動を複数の周波数の光を用いて補正する光波干渉測定装置に関する。 【従来の技術】物体の長さ、変位、密度等の測定を行なうための光波干渉測定装置の代表的な例として、ヘテロダイン干渉法を用いた干渉測長機を図4に示す。図4はステージ180の光軸方向変位を測定する第1の光学系と、測定光路における空気の屈折率変動をモニタする第2の光学系から構成されている。図4において、光源311は偏光方位が紙面に平行な光(周波数f00)と、紙面に垂直な光(周波数f01)とを含む光束を射出する。この2つの光は、互いに周波数がわずかに異なり、偏光方位が直交している。光源311から射出された光束は、偏光ビームスプリッタ(以下、PBSという)110でそれぞれの偏光方位に応じて分離される。ここで、紙面に平行な光をP偏光、紙面に垂直な光をS偏光とする。一方は参照光路の固定鏡140に、他方は測定光路の移動鏡141へ射出する。移動鏡141は、ステージ180上に設置されており、測定光路の光軸方向と平行に変位する。 【0001】参照光路で反射された周波数f01の光は波長板121を透過した後固定鏡140で反射され再び波長板121を透過する。波長板121はλ/4板であり、波長板121を2回通過するため、周波数f01の光の偏光方位は90度回転してP偏光の光となる。その後PBS110を透過しコーナーキューブ150で光路をずらされた後再びPBS110を透過して参照光路に入射する。ここで先程と同様に波長板121、固定鏡140、波長板121を経る過程により偏光方位が90度回転してS偏光の光となってPBS110で周波数分離素子101の方向へ反射される。 【0002】測定光路に入射した周波数f00の光は波長板123を透過し、移動鏡141により反射されて波長板123を再び透過する。周波数f00の光は参照光路と同様に偏光方位を90度回転させられてS偏光の光となってPBS110に戻ってくる。その後PBS110で反射した後コーナーキューブ150で光路をずらされてPBS110で再び測定光路側に反射される。PBS110で反射した周波数f00の光は波長板123、移動鏡141、波長板123を経る過程により偏光方位を90度回転させられてP偏光の光となってPBS110に戻り、PBS110を透過する。 【0003】それぞれ参照光路および測定光路を2往復した光はPBS110で再び同軸となり、周波数分離素子101および周波数フィルタ162を透過して偏光子付きのレシーバ410に入力する。周波数フィルタ162は、周波数f00、f01以外の誤差光となる周波数の光をカットする。レシーバ410の偏光子は、前記2つの光の偏光方位に対し45度傾いており、参照光路を通ってきた周波数f01と、測定光路を通ってきた周波数f00の光は、この偏光子を通った後干渉し、周波数f00と周波数f01の差(f00−f01)のビートシグナルが生じる。このビートシグナルが移動鏡変位測定の測長信号として演算装置500に入力される。また、光源311は周波数f00と周波数f01の周波数差(f00−f01)に等しい参照信号を演算装置500に入力する。演算装置500は、参照信号に対する測長信号の位相変化に基づいて、ステージ180の矢印方向の変位を演算によって求める。以上が第1の光学系である。 【0004】次に第2の光学系であるが、光源312は周波数f00および周波数f01とは異なる周波数f1の光と、その第2高調波である周波数f2(=2f1)の光を射出する。それぞれの光は周波数シフタ191、192で周波数シフトされ、周波数f10(=f1+△f1)および周波数f20(=f2+△f2)の光となる。ここで△f2≠2△f1である。2つの光は周波数結合素子211でほぼ同軸にされた後、周波数結合素子212で周波数f00、f01の光とほぼ同軸にされ、PBS110に入射する。 【0005】周波数f10、f20の光の偏光方位は周波数f00の光の偏光方位と同一になっているため、PBS110を透過し測定光路にのみ入射する。2つの光は波長板123を透過し移動鏡141で反射した後再び波長板123を透過する。このとき波長板123を2回透過するために偏光方位がS偏光となり、PBS110で反射する。その後コーナーキューブ150で光路をずらされた後PBS110で再び測定光路に入射する。測定光路に入射した2つの光は波長板123、移動鏡141、波長板123を経る過程で偏光方位を90度回転させられてP偏光の光となりPBS110に戻る。P偏光となった2つの光はPBS110を透過し周波数分離素子101に入射する。 【0006】周波数分離素子101は周波数f10とf20の光を反射するため、これら周波数f10とf20の光は周波数f00、f01の光と分離されて第2高調波変換を行う周波数変換素子(以下、SHG変換素子という)221に入射する。SHG変換素子221では周波数f10の光の一部がSHG変換され、周波数f10’(=2f10)の光となる。また周波数f20の光はSHG変換素子221を透過する。周波数f10’の光と周波数f20の光は周波数フィルタ163を透過後、偏光板付きレシーバ414に入射する。偏光板を透過することで周波数f10の光と周波数f20の光は干渉する。このとき周波数f10’、f20以外の誤差光となる光は、この周波数フィルタ163でカットされる。レシーバ414は入射した周波数f10’、f20の光の周波数差f10’−f20(=2△f1−△f2)に等しいビートシグナルを屈折率変動測定の測定信号として演算装置500に入力する。 【0007】また周波数シフタ191、192はその周波数シフト信号△f1、△f2を参照信号として演算装置500に入力する。演算装置500はその周波数シフト信号から周波数差(2△f1−△f2)の信号を屈折率変動測定の参照信号として作り出す。この参照信号とレシーバ414からの屈折率変動測定の測定信号を比較し、その位相変化量を計算する。以上が第2の光学系である。ここで、参照光路全体は、空気の屈折率変動を抑えるために密封チューブ等で覆われている。 【0008】演算装置500は第1の光学系で測定されたステージの移動量を、第2の光学系で測定された測定光路における空気の屈折率変動の測定量を用いて補正し、ステージの幾何学的な変位量を求める。 【0009】ここで簡単に空気の屈折率変動を補正する方法について説明する。周波数fa、fb、fcの光で測定したときの光路長をD(fa)、D(fb)、D(fc)とする。このときそれぞれの光路長は、【0010】 D(fa)={1+N・F(fa)}D ・・・(式1) D(fb)={1+N・F(fb)}D ・・・(式2) D(fc)={1+N・F(fc)}D ・・・(式3) 【0011】と表せる。ここで、Dは幾何学的な距離、Nは空気の密度、F(f)は空気の構成比が変わらなければ空気の密度によらず光の周波数fにより決まる関数である。上式より幾何学的距離Dは、【0012】 D=D(fa)−A{D(fc)−D(fb)}・・・(式4) ただし、A=F(fa)/{F(fc)−F(fb)} 【0013】となる。これより、この干渉計で求めたい幾何学的距離の変位、即ち真の変位△Dは、【0014】 △D=△D(fa)−A{△D(fc)−△D(fb)}・・・(式5) ただし、A=F(fa)/{F(fc)−F(fb)} 【0015】となる。上式は、周波数faの光で測定した移動鏡の変位から、周波数fb、fcの光で求めた屈折率の変動による影響を補正し、真の変位を求めることを意味する。 【0016】演算装置500は第1光学系における変位測定の参照信号および測長信号から上式における△D(fa)を、第2光学系における屈折率変動測定の参照信号および測定信号から上式における{△D(fc)−△D(fb))}が得られ、移動鏡の真の変位△Dを上式により演算して求めている。 【0017】 【発明が解決しようとする課題】光路中の空気や他の気体の屈折率変動を複数の周波数の光を用いて補正する従来の光波干渉測定装置では、レシーバ414の前段に設けられているSHG変換素子221は、その入射および射出端面が光軸に対して垂直になるように配置されている。ところが反面、SHG変換素子221へ入射した光のうちSHG変換素子221の入射および射出端面での端面反射光が測定光路への戻り光となってしまう。この戻り光は波長板のリタデーション誤差や他の素子の端面での反射の影響により測定光路を往復し、再びSHG変換素子221に入射して本来の光と干渉してしまう。この不要な干渉成分の存在は移動鏡141の変位に応じて測定誤差を生じさせるので測定精度を低下させる原因となるが、従来の光波干渉測定装置においては、SHG変換素子221の入射および射出端面における光の反射による戻り光の影響については全く考慮されていない。 【0018】このような戻り光による誤差光が存在する状態で移動鏡141が変位すると、測定光路を通過する誤差光も移動鏡141の変位に応じて位相変化を生じ、レシーバ414において屈折率変動測定用の周波数f10’、f20の光と干渉して誤差信号を生じる。ところがこの誤差信号は屈折率変動測定用の測定光と偏光方位が同じであるので原理的に取り除くことができず、真の測定データに重畳して測定精度を低下させてしまう原因となっている。 【0019】本発明の目的は、SHG変換素子端面からの戻り光による測定精度の低下を防止し、空気の屈折率変動による補正をより高精度に行なうことのできる光波干渉測定装置を提供することにある。 【0020】 【課題を解決するための手段】上記目的は、第1の周波数の光を有する測長用光束を射出する第1の光源と、第2および第3の周波数の光を有し、測長用光束の光路上の屈折率変動を計測する屈折率変動計測用光束を射出する第2の光源と、測長用光束と屈折率変動計測用光束との共通光路上に設けられ、光路を測定光路と参照光路に分離する分離素子と、参照光路上に設けられ、参照光路上の少なくとも測長用光束を反射させる参照光用反射鏡と、測定光路上を移動可能に設けられ、測定光路上の測長用光束と屈折率変動計測用光束とを反射する測定光用反射鏡と、参照光路および測定光路からの測長用光束の干渉光を検出する測長用受光手段と、少なくとも測定光路からの屈折率変動計測用光束の干渉光を検出する屈折率変動計測用検出手段と、各干渉光から光路上の屈折率変動を補正して、真の測定用反射鏡の移動量を求める処理系とを備えた光波干渉測定装置において、屈折率変動測定用検出手段は、第2の周波数の光の周波数を第3の周波数に変換する周波数変換素子を有し、周波数変換素子の入射端面または射出端面は、光軸に垂直な面から所定量傾いていることを特徴とする光波干渉測定装置によって達成される。 【0021】また、上記目的は、第1および第2の周波数の光を有し、光路上の屈折率変動を計測する光束を射出する光源と、光束を測定光路と参照光路に分離する分離素子と、参照光路上に設けられ、参照光路上の光束を反射させる参照光用反射鏡と、測定光路上を移動可能に設けられ、測定光路上の光束を反射する測定光用反射鏡と、測定光路と参照光路からの各光束をそれぞれ干渉させて干渉光を検出する検出手段と、各干渉光から測定光路上の屈折率変動量を求める処理系とを備えた光波干渉測定装置において、検出手段は、第1の周波数の光の周波数を第2の周波数に変換する周波数変換素子を有し、周波数変換素子の入射端面または射出端面は、光軸に垂直な面から所定量傾いていることを特徴とする光波干渉測定装置によって達成される。 【0022】本発明の光波干渉測定装置において、周波数変換素子は、入射光を第2高調波に変換する第2高調波発生素子であることを特徴とする。また、本発明の光波干渉測定装置において、周波数変換素子と分離素子との間の光路上に、周波数変換素子の入射端面および射出端面からの反射光を遮光する絞りが配置されていることを特徴とする。 【0023】本発明によれば、入射光および射出光が周波数変換素子の入射端面と射出端面に対して垂直とならず、端面反射光を本来検出すべき光と分離できるので、光波干渉測定装置の測定精度を向上させることができる。 【発明の実施の形態】本発明の一実施の形態による光波干渉測定装置を図1乃至図3を用いて説明する。図1は、本実施の形態による光波干渉測定装置の構成を示している。初めに、図1を用いて本実施の形態による光波干渉測定装置の構成を説明する。本実施の形態による光波干渉測定装置は、測定光用反射鏡及び参照光用反射鏡に平面鏡を用い、測定光路および参照光路がいわゆるダブルパスの構成となるように、測定光路および参照光路にアクロマチックな波長板としてのフレネルロムを配置している。 【0024】図中破線で示したブロック内は干渉部100である。光源1は、紙面に平行な偏光方位を有する周波数f1の光と、紙面に垂直な偏光方位を有する周波数f1’(=f1+△f)の光(すなわち互いに偏光方位が直交している)を射出するようになっている。これらの周波数f1、f1’の光は、移動物体(ここでは測定用反射鏡)の変位を計測するために用いられる。光源1を射出した周波数f1、f1’の光は、周波数結合素子3を通過してPBS4に向かう。 【0025】一方光源14は、周波数f2(f2≠f1、f1’)の光を射出する。周波数f2の光の一部は、SHG変換素子15に入射して周波数f2の第2高調波である周波数f3(f3=2・f2、f3≠f1、f1’)の光となる。周波数f2の光の偏光方位と周波数f3の光の偏光方位は同一であり、且つ周波数f1の光の偏光方位に対して45°傾くように、SHG変換素子15の後段に挿入された少なくとも1枚以上の波長板(不図示)によって調節される。これら周波数f2、f3の光は周波数結合素子3で反射して周波数f1、f1’の光と同軸となってPBS4に向かう。周波数f2、f3の光は、周波数f1の光の進む光路中および周波数f1’の光の進む光路中の屈折率変動を計測するために用いられる。 【0026】PBS4は、紙面に平行な偏光の成分(P偏光)の光を透過させ、紙面に垂直な偏光の成分(S偏光)の光を反射させる。従って、本実施の形態においては、周波数f1の光がPBS4を透過し、周波数f1’の光は反射する。また、周波数f1の光の偏光方位に対して45°傾いている周波数f2、f3の光は共に、PBS4で透過光、反射光に分離される。 【0027】PBS4を透過した周波数f1、f2、f3の光が進む光路を測定光路とし、PBS4で反射した周波数f1’、f2、f3の光が進む光路を参照光路とする。 【0028】測定光路中には、移動物体(図示せず)に固定されて移動物体と共に移動する測定用平面鏡(移動反射鏡)5が配置されている。また、PBS4と測定用平面鏡5との間の測定光路中にアクロマチックな波長板であるフレネルロム30、31が配置されている。 【0029】PBS4を透過して測定光路を進む3つの周波数f1、f2、f3の光は、フレネルロム30を透過して測定用平面鏡5で反射され、再びPBS4に戻る過程でフレネルロム30を透過する。周波数f1、f2、f3の光は、フレネルロム30を最初に透過することによりそれぞれP偏光から円偏光に変換されて測定用平面鏡5に入射する。 【0030】ここで、フレネルロム30〜33は、入射光および射出光が入射端面と射出端面に対して垂直とならないように設計されている。 【0031】測定用平面鏡5で反射した周波数f1、f2、f3の光は、再びフレネルロム30に入射してそれぞれ円偏光からS偏光に変換される。従って、測定用平面鏡5から反射してPBS4に入射する際には、周波数f1、f2、f3の各光の偏光方位は、PBS4を射出したときのP偏光の偏光方位に対して90°回転したS偏光となっているので、PBS4で反射されることになる。 【0032】PBS4で反射した周波数f1、f2、f3の各光は、コーナーキューブ34に入射して平行に反射され、再びPBS4で反射されて測定用平面鏡5に向かう。測定用平面鏡5に至る途中に配置されたフレネルロム31を通過して、上述と同様に周波数f1、f2、f3の光は、フレネルロム31を最初に透過することによりそれぞれS偏光から円偏光に変換されて測定用平面鏡5に入射する。 【0033】測定用平面鏡5を反射した周波数f1、f2、f3の光は、再びフレネルロム31に入射してそれぞれ円偏光からP偏光に変換される。従って、測定用平面鏡5を反射してPBS4に入射する際には、周波数f1、f2、f3の各光の偏光方位は、PBS4で反射したときのS偏光の偏光方位に対して90°回転したP偏光となっているので、今度はPBS4を透過することになる。 【0034】一方、参照光路中には、固定された参照用平面鏡(固定反射鏡)6が配置されている。また、PBS4と参照用平面鏡6との間の参照光路中にアクロマチックな波長板であるフレネルロム32、33が配置されている。 【0035】PBS4を透過して参照光路を進む異なる3つの周波数f1’、f2、f3の光は、フレネルロム32を透過して参照用平面鏡6で反射され、再びPBS4に戻る過程でフレネルロム32を透過する。周波数f1’、f2、f3の光は、フレネルロム32を最初に透過することによりそれぞれS偏光から円偏光に変換されて参照用平面鏡6に入射する。参照用平面鏡6を反射した周波数f1’、f2、f3の光は、再びフレネルロム32に入射してそれぞれ円偏光からP偏光に変換される。 【0036】従って、参照用平面鏡6から反射してPBS4に入射する際には、周波数f1’、f2、f3の各光の偏光方位は、PBS4で反射したときのS偏光の偏光方位に対して90°回転したP偏光となっているので、PBS4を透過することになる。PBS4を透過した周波数f1’、f2、f3の各光は、コーナーキューブ34に入射して平行に反射され、再びPBS4を透過して参照用平面鏡6に向かう。参照用平面鏡6に至る途中に配置されたフレネルロム33を通過して、上述と同様に周波数f1’、f2、f3の光は、フレネルロム33を最初に透過することによりそれぞれP偏光から円偏光に変換されて参照用平面鏡6に入射する。 【0037】参照用平面鏡6を反射した周波数f1’、f2、f3の光は、再びフレネルロム33に入射してそれぞれ円偏光からS偏光に変換される。従って、参照用平面鏡6を反射してPBS4に入射する際には、周波数f1’、f2、f3の各光の偏光方位は、PBS4を透過したときのP偏光の偏光方位に対して90°回転したS偏光となっているので、今度はPBS4で反射させられることになる。参照光路の周波数f1’、f2、f3の光は、光ビームスプリッタ4で反射して干渉部100から周波数分離素子7に向かう。 【0038】干渉部100を射出した測定光路及び参照光路からの周波数f1、f1’f2、f3の光は、周波数f1近傍の光(周波数f1’を含む)は透過させ、周波数f2とf3の光は反射する性質を有する周波数分離素子7によりそれぞれ分離される。周波数分離素子7を透過した周波数f1とf1’の光は偏光板8を透過して干渉し、光電変換素子9でその干渉光が受光され、測定ビート信号として位相計10に入力される。また、光源1を射出した周波数f1とf1’の光の一部はビームスプリッタ2により反射され、偏光板12を透過して干渉し、光電変換素子13でその干渉光が受光され、参照ビート信号として位相計10に入力される。位相計10では測定ビート信号と参照ビート信号から測定用平面鏡(移動反射鏡)5の変位量を求め、演算器11に出力する。 【0039】一方、周波数分離素子7で反射された周波数f2とf3の光のうち、測定光路を通った成分はPBS16を透過し、検出部101のSHG変換素子17に入射する。2つの周波数f2、f3のうち低い周波数f2の光はSHG変換素子17により周波数f3’(=2・f2)の光に変換され、測定光路を通った周波数f3の光と干渉し、その干渉光が光電変換素子18により受光され、測定信号として位相計21に入力される。本実施の形態におけるSHG変換素子17の入射および射出端面は、光軸に垂直な面に対して所定角度傾いて形成されている。この点については後程詳述する。 【0040】また、周波数分離素子7で反射された周波数f2とf3の光のうち、参照光路を通った成分はPBS16で反射し、2つの周波数f2、f3のうち低い周波数f2の光がSHG変換素子19の機能により変換され、周波数f3’(=2・f2)の光と参照光路を通った周波数f3の光とが干渉し、その干渉信号が光電変換素子20で受光され、参照信号として位相計21に入力される。本実施の形態におけるSHG変換素子19も上述のSHG変換素子17の入射および射出端面と同様に、光軸に垂直な面に対して所定角度傾いて形成されている。これについては後程詳述する。位相計21では測定信号と参照信号から測定光路および参照光路で生じた空気や他の気体の屈折率変動を求め、演算器11に出力する。演算器11では位相計10からの移動反射鏡5の変位量と位相計21からの屈折率変動の情報を演算することにより移動反射鏡5の真の変位量を求める。以上が本実施の形態による光波干渉測定装置の全体の構成の概略である。 【0041】次に、本実施の形態によるSHG変換素子17、19について図2を用いて説明する。また、本実施の形態による光波干渉測定装置に図4を用いて説明した従来のSHG変換素子37を用いた比較例を図3を用いて説明する。 【0042】図2は干渉部100の測定光路と測定信号を得る検出部101の拡大図である。ここで、周波数分離素子7およびPBS16は図示を省略している。本実施の形態によるSHG変換素子17、19は、その入射および射出端面が光軸に対して垂直になっていない点に特徴を有している。図2に示す本実施の形態のSHG変換素子17の入射端面111は、光軸201に対して垂直になっていないので、端面反射光202が干渉部100に戻ることがない。特に、図2に示すように絞り35を設けることで迷光、散乱光等も含めて完全に端面反射光202を除去することができる。 【0043】SHG変換素子17、19の入射端面111と光軸201とのなす角を垂直より大きく外すと、SHG変換素子17、19の周波数分散により、当初の周波数f3の光と変換された周波数f3の光とが同軸から外れてしまう。変換される周波数f3の光は、SHG変換素子17、19に入射する際は周波数f2の光であり双方の屈折率が異なるからである。これを防ぐために絞り35は干渉部100の直後に配置して、SHG変換素子17、19の入射端面111と光軸201のなす角を極力小さくする。光学系の設置面積に余裕がある場合にはPBS4と周波数分離素子7との間の光路を長くとるようにしてもよい。また、光電変換素子18、20に干渉光を入射させる際にレンズ(図示せず)等で集光するようにしてもよい。 【0044】また、SHG変換素子17、19の入射端面111と光軸201のなす角に応じて周波数f2の光は屈折するが、その屈折を考慮した上で変換効率が最良となるようにSHG変換素子17、19の光学軸を設定し、その入射端面または射出端面が光軸201と垂直にならないようにカッティングされているSHG変換素子を用いることでもよい。このようにすることで、先に説明したSHG変換素子を傾けて配置する場合と比べ、SHG変換素子の変換効率が向上するので、光電変換素子18から得られる干渉信号の強度が高くなる。ところで、SHG変換素子17、19の材料としては、例えばKTiOPO4結晶があり、光学軸が所望の向きになるようにカッティングされているものが適当である。 【0045】一方、比較例として、入射および射出端面112が光軸113に対して垂直になる従来のSHG変換素子37を、図1に示した光波干渉測定装置に用いた場合に生じる不具合を図3を用いて説明する。 【0046】図3は干渉部100の測定光路と測定信号を得る検出部101の拡大図である。ここで、周波数分離素子7およびPBS16は図示を省略している。SHG変換素子37の入射端面112が光軸113に対して垂直なので、端面反射光は光軸113上を戻り光として逆に進み測定光路に再び戻る。本来の光201は紙面と平行なP偏光の光であるので、この端面反射光も紙面と平行なP偏光の光となる。この端面反射光の大部分がフレネルロム31を通って移動反射鏡5で反射され、再びフレネルロム31を通る過程で偏光方位が90°回転して、紙面と垂直なS偏光となり、PBS4で反射され、最終的に光源14へ戻る。 【0047】しかし、光源14から干渉部100の光路上に光軸113と垂直な端面を有する光学系が存在する場合、戻り光は再びその端面で反射され、測定光路を往復して光電変換素子18へ向かってしまう。測定光路を複数回往復しているこの端面反射光204は、移動反射鏡5の変位に伴い本来の光201と干渉するので、測定誤差になる。また、入射端面112の端面反射光の一部はフレネルロム31でのリタデーションが完全でないため、フレネルロム31を2往復する過程において、偏光方位が90°回転せず元の偏光方位を維持した成分である端面反射光203が存在する。この端面反射光203も測定光路を余分に通過していることから、移動反射鏡の変位に伴って測定誤差を生じさせる。 【0048】以上説明したように、本実施の形態によるSHG変換素子を用いた光波干渉測定装置によれば、入射光および射出光がSHG変換素子の入射端面と射出端面に対して垂直とならず、端面反射光を本来検出すべき光と分離できるので、光波干渉測定装置の測定精度を向上させることができるようになる。 【0049】本発明は、上記実施の形態に限らず種々の変形が可能である。例えば、上記実施の形態においは、第2高調波変換を行う周波数変換素子であるSHG変換素子を用いたが、それ以外の第n次高調波変換素子を用いた場合においても本発明を適用することができる。 【0050】 【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、高い変換効率を保ち、入射および射出端面での端面反射光の影響を除去することが可能な周波数変換素子を用いることで、戻り光による測定誤差を除去し、高精度な空気等の屈折率変動の補正、移動鏡の変位量の測定が可能となる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004112 【氏名又は名称】株式会社ニコン
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)9月30日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】森岡 正樹
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| 【公開番号】 |
特開平11−108613 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)4月23日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−282722 |
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