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【発明の名称】 基板間隔の測定装置及び基板間隔の測定方法
【発明者】 【氏名】小野 克二

【要約】 【課題】本発明はスペーサを介して接合した2枚の基板の基板間隔を測定する基板間隔の測定装置及び基板間隔の測定方法に関し、上下基板の大きさが異なる場合であっても確実に間隔測定を行なうことを課題とする。

【解決手段】金属柱16により微小な基板間隔18を隔てて接合された二枚の基板12,14の間に基板間隔18の一方から平行光線かつ光強度分布が一様な入射光を入射させる投光装置20Aと、基板間隔18の他方から出射する出射光の光強度を検出する受光装置22Aと、投光装置20Aを各基板12,14の面方向に対し垂直な方向に移動させる移動装置30と、受光装置22Aが検出する光強度と投光装置20Aの移動量に基づき基板間隔18の距離を測定する間隔測定回路32とを設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 スペーサにより微小な間隔を隔てて接合された二枚の基板の間に、前記間隔の一方から平行光線かつ光強度分布が一様な入射光を入射させる投光装置と、前記間隔の他方から出射する出射光の光強度を検出する受光装置と、前記入射光の前記間隔への入射状態を、前記基板の面方向に対し垂直な方向に変化させる入射光変化手段と、前記受光装置が検出する光強度と、前記入射光変化手段による入射光の変化量とに基づき前記間隔の距離を測定する測定手段とを具備することを特徴とする基板間隔の測定装置。
【請求項2】 請求項1記載の基板間隔の測定装置において、前記入射光変化手段は、前記投光装置を前記基板の面方向に対し垂直な方向に移動させる移動機構であることを特徴とする基板間隔の測定装置。
【請求項3】 請求項1または2記載の基板間隔の測定装置において、前記投光装置を、光軸が前記基板の面方向に対し垂直下方向となるよう構成された光源と、前記光源からの出射光を前記間隔に向かうよう光路変換を行なう第1のプリズムとにより構成し、かつ、前記受光装置を、光軸が前記基板の面方向に対し垂直下方向となるよう構成された受光素子と、前記間隔の他方から出射する出射光を前記受光素子に向かうよう光路変換を行なう第2のプリズムとにより構成したことを特徴とする基板間隔の測定装置。
【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載の基板間隔の測定装置において、前記投光装置に加え、前記間隔内にバイアス光を入射させるバイアス光投光装置を設けたことを特徴とする基板間隔の測定装置。
【請求項5】 請求項1記載の基板間隔の測定装置において、前記入射光変化手段は、前記間隔に入射する入射光の光量を前記基板の面方向に対し垂直方向に変化させるシャッターであることを特徴とする基板間隔の測定装置。
【請求項6】 スペーサにより微小な間隔を隔てて接合された二枚の基板の間に、投光装置を用いて前記間隔の一方から平行光線かつ光強度分布が一様な入射光を入射させ、前記入射光の前記間隔への入射状態を前記基板の面方向に対し垂直な方向に変化させつつ、前記間隔の他方から出射する出射光の光強度を受光装置により検出し、前記受光装置が検出する光強度と、前記入射光変化手段による入射光の変化量とに基づき前記間隔の距離を測定することを特徴とする基板間隔の測定方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は基板間隔の測定装置及び基板間隔の測定方法に係り、特にスペーサを介して接合した2枚の基板の基板間隔を測定する基板間隔の測定装置及び基板間隔の測定方法に関する。近年の半導体技術の発達、特に化合物半導体の高周波特性の向上は目ざましいものがあり、マイクロ波帯のみならず、ミリ波帯への応用さえも現実の物となりつつある。
【0002】化合物半導体をミリ波帯の装置に使用すると、装置の小型化が図れる等の利点は大きいが、普及を促すためには装置の低価格化を図る必要がある。しかるに、化合物半導体基板は高価なため、装置の低価格化のためには使用する化合物半導体基板の面積を小さくする必要がある。そこで、必要がある部分(能動素子等)のみを化合物半導体で作製し、それ以外の部分(整合回路等)を安価なシリコン基板上に形成し、これら二つの基板を金属バンプ等で貼り合わせる(フリップチップボンディング)ことで、化合物半導体の使用面積を最小限にし装置コストの低減を図る方法が提案されている。
【0003】
【従来の技術】ところで、フリップチップボンディングして貼り合わせた基板同志は、非常に距離が接近した状態(実際には数ミクロンから数十ミクロン程度)に位置しているが、ミリ波帯の様な高い周波数の回路では、基板上の伝送線路の特性インピーダンスが近接する接地面等の影響で変化する。そのため基板上の伝送線路の特性インピーダンスを所望の値にするためには、二つの基板の間隔を設計通りの値にする必要があり、そのためには基板の間隔を測定する方法が必要となる。
【0004】図7は、従来行なわれていた基板間隔の測定方法を示している。同図において、上側基板1は化合物半導体基板であり、金属柱3を介してシリコン基板である下側基板2上に配設されている。これにより、上側基板1と下側基板2は所定の間隔4を有して対向した状態となる。従来では、この間隔4の距離を測定する手段として顕微鏡5を用いている。具体的には、顕微鏡5の対物レンズにスケールを設けると共に、この顕微鏡5を上側基板1と下側基板2とが形成する間隔4の側部に位置させ、顕微鏡5で間隔4を観察しその距離をスケールを用いて読み取る方法が用いられていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、間隔4を横方向から顕微鏡5により観察し測定する方法では、図13に示すように、上側基板1の面積に対し下側基板2の面積が大きい場合(実際この様な場合がほとんどである)には、下側基板2が邪魔となり、顕微鏡5の接眼レンズを焦点合わせが可能な位置まで間隔4に近づける事が出来なくなる。このため、顕微鏡5を用いた間隔測定方法では、事実上基板間隔の測定は不可能であるという問題点があった。
【0006】本発明は上記の点に鑑みてななされたものであり、上下基板の大きさが異なる場合であっても確実に間隔測定を行いうる基板間隔の測定装置及び基板間隔の測定方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、次に述べる手段を講じることにより解決することができる。請求項1記載の発明に係る基板間隔の測定装置では、スペーサにより微小な間隔を隔てて接合された二枚の基板の間に、前記間隔の一方から平行光線かつ光強度分布が一様な入射光を入射させる投光装置と、前記間隔の他方から出射する出射光の光強度を検出する受光装置と、前記入射光の前記間隔への入射状態を、前記基板の面方向に対し垂直な方向に変化させる入射光変化手段と、前記受光装置が検出する光強度と、前記入射光変化手段による入射光の変化量とに基づき前記間隔の距離を測定する測定手段とを具備することを特徴とするものである。
【0008】また、請求項2記載の発明では、前記請求項1記載の基板間隔の測定装置において、前記入射光変化手段は、前記投光装置を前記基板の面方向に対し垂直な方向に移動させる移動機構であることを特徴とするものである。また、請求項3記載の発明では、前記請求項1または2記載の基板間隔の測定装置において、前記投光装置を、光軸が前記基板の面方向に対し垂直下方向となるよう構成された光源と、前記光源からの出射光を前記間隔に向かうよう光路変換を行なう第1のプリズムとにより構成し、かつ、前記受光装置を、光軸が前記基板の面方向に対し垂直下方向となるよう構成された受光素子と、前記間隔の他方から出射する出射光を前記受光素子に向かうよう光路変換を行なう第2のプリズムとにより構成したことを特徴とするものである。
【0009】また、請求項4記載の発明では、前記請求項1乃至3のいずれかに記載の基板間隔の測定装置において、前記投光装置に加え、前記間隔内にバイアス光を入射させるバイアス光投光装置を設けたことを特徴とするものである。また、請求項5記載の発明では、前記請求項1記載の基板間隔の測定装置において、前記入射光変化手段は、前記間隔に入射する入射光の光量を前記基板の面方向に対し垂直方向に変化させるシャッターであることを特徴とするものである。
【0010】更に、請求項6記載の発明に係る基板間隔の測定方法では、スペーサにより微小な間隔を隔てて接合された二枚の基板の間に、投光装置を用いて前記間隔の一方から平行光線かつ光強度分布が一様な入射光を入射させ、前記入射光の前記間隔への入射状態を前記基板の面方向に対し垂直な方向に変化させつつ、前記間隔の他方から出射する出射光の光強度を受光装置により検出し、前記受光装置が検出する光強度と、前記入射光変化手段による入射光の変化量とに基づき前記間隔の距離を測定することを特徴とするものである。
【0011】上記した各手段は、次のように作用する。請求項1及び請求項6記載の発明によれば、入射光変化手段により、投光装置から出射される入射光の間隔への入射状態を基板の面方向に対し垂直方向に変化させることにより、二枚の基板の間隔に入射する入射光の光強度が変化する。
【0012】従って、受光装置で検出される光強度は光源の移動量に相関することとなり、具体的には光強度の変化が開始した投光装置の位置と、受光される光強度が零となった時の投光装置の位置との距離が間隔の距離となる。測定手段では、この原理に基づき、受光装置が検出する光強度と、前記入射光変化手段による入射光の変化量とから間隔の距離を測定する。
【0013】また、請求項2記載の発明によれば、投光装置を基板の面方向に対し垂直な方向に移動させる移動機構により入射光変化手段を構成したことにより、簡単な移動動作により間隔に入射させる光強度を変化させることができる。また、請求項3記載の発明によれば、第1のプリズムを、基板の平面方向に対し垂直方向に移動する事により、請求項1の場合と同様、間隔に入射する光の量が変化するため、この間隙から出射される出射光の光強度を受光装置により検出することにより、間隙の距離を測定することができる。
【0014】また、請求項4記載の発明によれば、投光装置に加えて間隔内にバイアス光を入射させるバイアス光投光装置を設けたことにより、受光装置の感度を向上させることができる。即ち、通常フォトダイオード等の受光素子は、入力光が零付近においてはその直線性が悪化し、入力の変化に対する出力の変化が小さく、かつ感度が悪くなるという特性を有している。しるかに、バイアス光投光装置を設け、バイアスをかける事により受光素子の感度を上げる事が可能となり、測定精度の向上を図ることができる。
【0015】更に、請求項5記載の発明によれば、投光装置自身を移動する代わりに、光源と間隔の間に配置したシャッターを動かす事により間隔に入射する光強度を変化させることができる。よって、シャッターの移動量と受光装置の検出結果に基づき、間隙の距離を測定することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態について図面と共に説明する。図1は、本発明の第1実施例である基板間隔の測定装置10A(以下、単に測定装置10Aという)を示す要部構成図である。上側基板12は、GaAs等の化合物半導体で作製されており、能動素子等が形成されている。また、後述する下側基板14と対向する所定位置には、メッキ法等で高さ20ミクロン、直径40ミクロン程度のAuピラー(以下、金属柱16という)が形成されている。
【0017】下側基板14はアルミナ、シリコン等の材質よりなる基板であり、この下側基板14には整合回路等の必要な回路パターンが真空蒸着とフォトリソグラフィー等の方法により形成されている。上記構成とされた上側基板12と下側基板14は金属柱16を介してフリップチップボンディングされ、これにより上側基板12と下側基板14は一体化する。
【0018】このように、能動素子等の必要部分のみを化合物半導体で上側基板12に集約的に形成し、それ以外の整合回路等を安価なシリコン等よりなる下側基板14に集約的に形成し、これら二つの基板12,14を金属柱16でフリップチップボンディングすることで、化合物半導体の使用面積(即ち、上側基板12の面積)を最小限にしコストの低減を図ることが可能となる。尚、金属柱16は、上側基板12と下側基板14とを電気的に接続する機能も奏するものである。
【0019】ところで、上記のように上側基板12と下側基板14を接合することにより、図示されるように上側基板12と下側基板14との間には、スペーサとして機能する金属柱16により基板間隔18(寸法d)が形成される。この接合された基板12,14は非常に接近した状態となっており、具体的には基板間隔18は数ミクロンから数十ミクロン程度となる。
【0020】前記したように、ミリ波帯の様な高い周波数の回路では、各基板12,14上の伝送線路の特性インピーダンスが近接する接地面等の影響で変化する。そのため基板12,14上の伝送線路の特性インピーダンスを所望の値にするためには、二つの基板12,14の間隔を設計通りの値にする必要があ。そこで、本実施例では、上記のように金属柱16を介して接合された上側基板12と下側基板14との間に形成される基板間隔18を測定する。
【0021】前述の貼り合わせた基板12,14の間隔両側に投光装置20Aと受光装置22Aを配設する。投光装置20Aは光源24と第1のレンズ系26とにより構成されている。また、受光装置22Aは、受光素子34と第2のレンズ系28とにより構成されている。本実施例では、光源24としてフィラメント式電球を用いており、この光源24が発射した光は第1のレンズ系26を用いて平行光線とされる。尚、光源24としてレーザーダイオードを用いることも可能であり、この場合には第1のレンズ系26は不要となる。
【0022】この投光装置20Aは移動装置30(入射光変化手段)に接続されており、この移動装置30が駆動することにより、投光装置20Aは基板12,14の面方向に対し垂直な方向(図における上下方向)に移動可能な構成とされている。この移動を行なう際、投光装置20Aに設けられた光源24の移動位置は、各基板12,14から離間した位置とすることが望ましい。
【0023】即ち、光源24の移動位置を基板12,14に近接した位置に設定すると、光源24が最も下がった位置まで移動した状態において、光源24と下側基板14が接触することが考えられる。このように、光源24と下側基板14が接触すると、光源24から出力される入射光と下側基板14との間に隙間が形成されてしまい、測定結果に誤差を与えてしまう(現実問題として、光源24が下側基板14と接触する部分から平行光線を出す事は困難である)。よって、図1に示す如く光源24は下側基板14の外側に配置する事が望ましい。
【0024】基板間隔18に入射する入射光は、図2に示すように基本的に平行光線でかつ光強度は一定である。よって、基板間隔18と光源24、または基板間隔18と受光素子34との間隔が大きくても顕微鏡観察の様に焦点を合わせなくても基板間隔18の測定は可能である。これにより、上側基板12と下側基板14との間に面積差を有していたとしても、確実に基板間隔18の測定を行なうことができる。
【0025】また、光源24は移動装置30(例えば、マイクロメータ)を用いて1ミクロン以下の分解能で移動を行うことが可能である。光源24を移動させた時の、受光素子34の出力を記録した一例を図3に示す。同図に示す如く、光源24は移動に伴い基板間隔18から離間するため、受光素子34が検出する光の強度は低下する。この光の強度の低下は、略リニアに低下する特性となる。
【0026】よって、光強度が最高である場合における光源24の位置(図3にAで示す)と、光強度が最低となった位置(図3にBで示す)との距離が基板間隔18の距離dとなる。このように、受光素子34の出力の変化を観察する事により基板の間隔を知る事ができる。この受光素子34の出力及び移動装置30による光源24の位置情報は、間隔測定回路32に送信される構成とされている。よって、間隔測定回路32では、上記した原理に基づき光強度が最高である光源24の位置A、及び光強度が最低である光源24の位置Bを求め、この各位置A,Bの離間距離を演算することにより基板間隔18の距離dを求める。
【0027】なお、前述の測定方法は、基本的に光源24のスポット径(光線の直径)が基板間隔18の距離dよりも大きい事を想定しているが、基板間隔18の距離dよりもスポット径が小さい場合でも、光源24を移動させた時の受光素子34の出力を解析する事により、基板間隔18の距離dを算出する事が可能である。この解析方法を図10及び図11に示す。
【0028】ここに示す通り、光源50の直径eが基板間隔18の距離dよりも小さい場合(e<d)、光源を移動して行くと受光素子34の出力は図11に示す様なプロファイルとなる。即ち、図11に示す位置Aと位置Bとの間は光源50からの入射光が全て受光素子34で受光されている範囲である。この範囲は、即ち基板間隔18の距離dと等しいものであり、よって光源50の直径eが基板間隔18の距離dよりも小さい場合であっても、受光素子34の出力から基板間隔18の距離dを求めることができる。
【0029】続いて、本発明の第2実施例である測定装置10Bについて説明する。図4は、第2実施例である測定装置10Bの要部構成図である。尚、図4において、図1に示した第1実施例に係る測定装置10Aと同一構成については、同一符号を付してその説明を省略する。本実施例に係る測定装置10Bでは、投光装置20Bが、光軸が基板12,14の面方向に対し垂直下方向となるよう構成された光源24と、この光源24からの出射光を基板間隔18に向かうよう光路変換を行なう第1のプリズム36とにより構成されている。
【0030】また、受光装置22Bは、光軸が基板12,14の面方向に対し垂直下方向となるよう構成された受光素子34と、基板間隔18から出射する出射光を受光素子34に向かうよう光路変換を行なう第2のプリズム38とにより構成されている。各プリズム36,38において、光を反射する反射面40,42にはAl等の金属を蒸着して鏡面にしておく。また、プリズム36,38の反射面40,42の角度θは45度とされている。
【0031】本実施例に係る測定装置10Bでは、第1及び第2のプリズム36,38を設けることにより、光源24の配設位置及び受光素子34の配設位置を基板12,14に対し離間した上方位置に配置することができ、光源24及び受光素子34の配置位置に自由度を持たせることができる。また、光源24から発射された入射光を直接基板間隔18に入射させる必要がないため、実質的に基板間隔18に近い位置から入射光を入射させることができるため、光の損失を抑制でき測定精度の向上を図ることができる。
【0032】また、本実施例では光源24自体は固定されており、第1のプリズム36を移動装置30により図中左右方向に移動させることにより、基板間隔18に入射する入射光の光強度を変化させる構成とされている。よって、配線や第1のレンズ系26が設けられることにより構造の複雑な光源24を移動させる必要がなくなるため、測定装置10Bの構造の簡単化及び移動装置30の小型化を図ることができる。
【0033】尚、具体的な基板間隔18の距離dの求め方は、先に第1実施例において図3を用いて説明した方法と同一であるため、その説明は省略する。また、本実施例においても、先に図10及び図11を用いて説明した測定方法を適用することができる。続いて、本発明の第3実施例である測定装置10Cについて説明する。
【0034】図5は、第3実施例である測定装置10Cの要部構成図である。尚、図5において、図4に示した第2実施例に係る測定装置10Bと同一構成については、同一符号を付してその説明を省略する。本実施例に係る測定装置10Cは、受光素子34に代えて顕微鏡44を設けたことを特徴とするものである。この顕微鏡44には、図示しないマイクロメータが設けられており、観察された画像の距離を測定可能な構成とされている。また、光源24は前記した各実施例と異なり固定された構成とされている。
【0035】本実施例では、顕微鏡44の対物レンズで第2のプリズム38を通して基板間隔18を観察する事により、顕微鏡44に設けたマイクロメータで基板間隔18を直接測定する。このように、顕微鏡44を用いた構成においても、プリズム38を用いることにより、従来と異なり実質的に顕微鏡44の対物レンズを基板間隔18に近接することが可能となり、上下基板12,14の面積が異なる場合であっても基板間隔18の距離を測定することができる。
【0036】続いて、本発明の第4実施例である測定装置10Dについて説明する。図6は、第4実施例である測定装置10Cの要部構成図である。尚、図6においても、図4に示した第2実施例に係る測定装置10Bと同一構成については、同一符号を付してその説明を省略する。本実施例に係る測定装置10Dは、投光装置20Bに加え、基板間隔18内にバイアス光を入射させるバイアス用光源46(バイアス光投光装置)を設けたことを特徴とするものである。これにより、受光装置20Bの感度を向上させることができる。
【0037】即ち、受光素子34は、通常フォトダイオード等の素子により構成されるが、このフォトダイオード等の受光素子34は、入力光が零付近においてはその直線性が悪化する特性を有している。このように、入力光が零付近における直線性が悪化すると、入力の変化に対する出力の変化が小さく、かつ感度が悪くなってしまい、距離測定の精度が低下してしまう。
【0038】そこで、本実施例では投光装置20Bに加えてバイアス用光源46を設けることにより、入射光にいわゆるバイアスをかけ、これにより受光素子34の感度を上げた構成としている。このように、受光素子34の感度を上げることにより、基板間隔18の測定精度を向上させることができる。続いて、本発明の第5実施例である測定装置10Eについて説明する。
【0039】図7は、第5実施例である測定装置10Eの要部構成図である。尚、図7においても、図4に示した第2実施例に係る測定装置10Bと同一構成については、同一符号を付してその説明を省略する。本実施例に係る測定装置10Eは、入射光変化手段としてシャッター48を用い、このシャッター48により基板間隔18に入射する入射光の光量を基板12,14の面方向に対し垂直方向に変化させる構成としたことを特徴とするものである。
【0040】本実施例のように、入射光変化手段としてシャッター48を用いることにより、投光装置20C自身を移動する代わりに、光源24と基板間隔18との間に配置したシャッター48を動かす事により基板間隔18に入射する光強度を変化させることができる。よって、間隔測定回路32は、シャッター48の移動量と受光装置22Bの検出結果に基づき、基板間隙18の距離dを測定することができる。尚、図8は第5実施例の変形例である測定装置を示しており、前記した図1に示す測定装置10Aに第5実施例の構成を適用したものである。この用に、プリズム36,38を用いない構成においても、本実施例を適用することは可能である。
【0041】図9は、第5実施例に係る測定装置10Eにおいて、シャッター48を移動させた時の、受光素子34の出力を記録した一例を示している。同図では、シャッター48により光源24からの入射光を完全に遮った状態より、徐々にシャッター48を開けて基板間隔18に入射光を入射した例を示している。図中、位置Aはシャッター48が閉まった状態である。このため、受光素子34の出力は零となっている。この位置Aより、シャッター48を徐々に開くことにより、光源24からの入射光は基板間隔18に入射され、これに伴い受光素子34の出力の漸次増大する。
【0042】そして、シャッター48が基板間隔18の距離dまで移動された後は(即ち、位置Bまで移動した後は)、光源24からの入射光は基板間隔18全面に入射されるため、受光素子34の出力は一定となる。よって、光強度が最低である場合におけるシャッター48の位置(図9にAで示す)と、光強度が最高となった位置(図9にBで示す)との距離が基板間隔18の距離dとなる。このように、受光素子34の出力の変化を観察する事により基板の間隔を知る事ができる。
【0043】
【発明の効果】以上説明した様に本発明によれば、非常に接近した位置にある二枚の基板の間隔を高い精度で測定する事が可能となる。そのため、接近した位置に接地面がある事を想定して設計したミリ波帯の電子回路においては、製造後(または製造中)に基板間隔を確認する事により、設計した通りの高周波特性を再現する事が可能となる(二枚の基板の間隔が高周波特性に大きく影響を与えるため)。
【0044】これにより、本発明は高周波半導体装置の性能向上(再現性の向上)に寄与する所が大きい。
【出願人】 【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
【出願日】 平成9年(1997)7月1日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
【公開番号】 特開平11−23236
【公開日】 平成11年(1999)1月29日
【出願番号】 特願平9−176101