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【発明の名称】 電気雷管用塞栓の封止方法及び電気雷管用塞栓の製作方法
【発明者】 【氏名】山中 仁

【氏名】冨高 康彦

【要約】 【課題】水平に載置した絶縁栓体にリ−ドピンをリ−ドピン一端部の挿通により立て、封止用口金をリ−ドピンに通して絶縁栓体上に載置し、封止用口金内に封止材を充填固化する場合、絶縁栓体の割れの畏れがなく、しかもリ−ドピンを傾きなく支えて封止材を充填固化できるようにする。

【解決手段】水平に載置した絶縁栓体1にリ−ドピン21,22をリ−ドピン一端部の挿通により立て、封止用口金3をリ−ドピン21,22に通して絶縁栓体1上に載置し、封止用口金3内に封止材4を充填固化する電気雷管用塞栓の封止方法において、リ−ドピン21の一端側に鍔部211を形成し、この鍔部211を絶縁栓体1の裏面に支承させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】水平に載置した絶縁栓体にリ−ドピンをリ−ドピン一端部の挿通により立て、封止用口金をリ−ドピンに通して絶縁栓体上に載置し、封止用口金内に封止材を充填固化する電気雷管用塞栓の封止方法において、リ−ドピン一端側に鍔部を形成し、この鍔部を絶縁栓体面に支承させることを特徴とする電気雷管用塞栓の封止方法。
【請求項2】封止用口金が孔開きの底壁部を備え、絶縁栓体にこの底壁部の厚みよりも厚い突出部を設け、この突出部を前記底壁部の孔から頭出させてその先端平面にリ−ドピンの鍔部を支承させる請求項1記載の電気雷管用塞栓の封止方法。
【請求項3】水平に載置した絶縁栓体にリ−ドピンをリ−ドピン一端部の挿通により立て、封止用口金をリ−ドピンに通して絶縁栓体上に載置し、封止用口金内に封止材を充填固化する電気雷管用塞栓の封止方法において、リ−ドピン一端に絶縁栓体の厚みに等しい厚みのヘッドを設け、絶縁栓体にヘッド受容孔を形成し、封止用口金がリ−ドピン挿通孔を有する底壁部を備え、ヘッドを絶縁栓体に受容させたリ−ドピンに封止用口金のリ−ドピン挿通孔を通してそのヘッドを口金の底壁部で押さえてリ−ドピンを立てることを特徴とする電気雷管用塞栓の封止方法。
【請求項4】絶縁栓体に二本のリ−ドピンの一端部を挿入または受容させ、その絶縁栓体の背面に封止用口金を当接し、該封止用口金に封止材を充填・固化する電気雷管用塞栓の製作方法において、一方のリ−ドピンに対する封止を請求項2記載の封止方法により、他方のリ−ドピンに対する封止を請求項3記載の封止方法により行うことを特徴とする電気雷管用塞栓の製作方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電気雷管用塞栓の封止方法及び電気雷管用塞栓の製作方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】爆破作業に用いる電気雷管、コンクリ−ト破砕器に用いる電気雷管、自動車用エアバックに用いる電気雷管等の栓体として、図5の(イ)に示すように、水平に載置した絶縁栓体1’にリ−ドピン21’,22’をリ−ドピン一端部の挿通により立て、封止用口金3’をリ−ドピン21’,22’に通して絶縁栓体1’上に載置し、封止用口金3’内にガラス4’を充填固化することによって製作するものが公知であり、かかる栓体を用いた電気雷管においては、図5の(ロ)に示すように、栓体のリ−ドピン21’,22’の先端間に電橋線51’を接続し、着火薬52’を収納した金属外筒53’に当該栓体を密栓しており、作動電流による電橋線51’の通電発熱で着火薬を点火させると同時に金属外筒53’を破裂させている。
【0003】この電気雷管においては、リ−ドピンと金属外筒との間に誘導による過大な電位差が作用するのを排除し、その間の放電による電気雷管の暴発を防止することが必要である。そこで、図5の(ロ)に示すように、封止用口金他端に爪部54’を設け、この爪部54’を一方のリ−ドピン22’に溶接により電気的に接続し、口金3’の縁端と外筒53’の縁端とを溶接により封止することが提案されている(実用新案登録第3005753号)。
【0004】この電気雷管においては、両リ−ドピン21’,22’が電橋線51’で電気的に導通され、外筒53’と口金3’との溶接及び口金3’と一方のリ−ドピン22’との爪54’での溶接により金属外筒53’と一方のリ−ドピン22’との間が電気的に導通されているから、両リ−ドピン21’,22’と金属外筒53’との間での過大な電位差の発生を防止でき、この過大電位差が発生するときの放電に基づく電気雷管の暴発を排除できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記栓体のガラスによる封止には、封止用口金内にガラス粉を入れ、焼成によりガラス粉を溶融凝固させることが必要であり、リ−ドピンの熱膨張により絶縁栓体(セララミックス)が割れ易く、また、絶縁栓体のピン挿通孔をリ−ドピン外径よりも大きくすると、リ−ドピンが傾斜した状態で封止されてしまいリ−ドピンの他端間隔のバラツキが避けられない。また、電気雷管の寸法が著しく小さく(栓体外径は7mm程度、リ−ドピンの外径は1mm程度)て口金の厚みが極めて薄いため(0.2〜0.3mm)、図に示す電気雷管では、溶接箇所近傍の口金部分が溶接時に変歪し易く、かかる変歪下では塞栓の口金を外筒内にスム−ズに挿入し難くなるので、組立て作業性の低下がされる。
【0006】本発明の目的は、水平に載置した絶縁栓体にリ−ドピンをリ−ドピン一端部の挿通により立て、封止用口金をリ−ドピンに通して絶縁栓体上に載置し、封止用口金内に封止材を充填固化する場合、絶縁栓体の割れの畏れがなく、しかもリ−ドピンを傾きなく支えて封止材を充填固化できるようにすることにある。本発明の目的は、更に、誘導による電気雷管の暴発を排除するための構成を簡易化し、電気雷管の組立て作業を簡易化することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る電気雷管用塞栓の一の封止方法は、水平に載置した絶縁栓体にリ−ドピンをリ−ドピン一端部の挿通により立て、封止用口金をリ−ドピンに通して絶縁栓体上に載置し、封止用口金内に封止材を充填固化する電気雷管用塞栓の封止方法において、リ−ドピン一端側に鍔部を形成し、この鍔部を絶縁栓体面に支承させることを特徴とする構成であり、封止用口金が孔開きの底壁部を備え、絶縁栓体にこの底壁部の厚みよりも厚い突出部を設け、この突出部を前記底壁の孔から頭出させ、その先端平面にリ−ドピンの鍔部を支承させる構成とすることができる。本発明に係る電気雷管用塞栓の他の封止方法は、水平に載置した絶縁栓体にリ−ドピンをリ−ドピン一端部の挿通により立て、封止用口金をリ−ドピンに通して絶縁栓体上に載置し、封止用口金内に封止材を充填固化する電気雷管用塞栓の封止方法において、リ−ドピン一端に絶縁栓体の厚みに等しい厚みのヘッドを設け、絶縁栓体にヘッド受容孔を形成し、封止用口金がリ−ドピン挿通孔を有する底壁部を備え、ヘッドを絶縁栓体に受容させたリ−ドピンに封止用口金のリ−ドピン挿通孔を通しそのヘッドを口金の底壁部で押さえてリ−ドピンを立てることを特徴とする構成である。本発明に係る電気雷管用塞栓の製作方法は、絶縁栓体に二本のリ−ドピンの一端部を挿入し、その絶縁栓体の背面に封止用口金を当接し、該封止用口金に封止材を充填・固化する電気雷管用塞栓の製作方法において、一方のリ−ドピンに対する封止を上記一の封止方法により、他方のリ−ドピンに対する上記他の封止方法により行うことを特徴とする構成である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明により製作される電気雷管用塞栓を示している。図1において、1は絶縁栓体であり、セラミックス栓体が好適である。21及び22はリ−ドピンであり、これらのリ−ドピンのうち、一方のリ−ドピン21の一端近傍には鍔部211を設け、上記絶縁栓体1にはこのリ−ドピン21の一端部を挿通するための挿通孔111を設けると共に絶縁栓体1の裏面側にこの挿通孔111の周りを隆起してなる突出部112を設けてある。また、他方のリ−ドピン21の一端には絶縁栓体の厚さに等しい厚さの円板形ヘッド221を設け、上記絶縁栓体1にはヘッド受容孔121を設けてある。3は封止用口金であり、底壁31には絶縁栓体1の突出部112(突出部の高さは底壁の厚さよりも大である)を頭出させるための孔311と他方のリ−ドピン22を挿通するための孔321とを穿設してある。4は封止用口金3内を封止する封止材であり、ガラスが好適である。
【0009】上記電気雷管用塞栓を本発明の請求項2及び請求項3の封止方法を使用して請求項4記載の方法により製作するには、図2の(イ)に示すように、作業盤5上に絶縁栓体1を水平に載置支持し、一方のリ−ドピン21の一端部を絶縁栓体1の挿通孔111に挿通し、鍔部211を絶縁栓体1の突出部112の先端平面に支承させる。また、他方のリ−ドピン22のヘッド221を絶縁栓体1のヘッド受容孔121に受容させる。次いで、封止用口金3の各孔311,321に各リ−ドピン21,22を通して封止用口金3を絶縁栓体1上に載置し、絶縁栓体1の突出部112を封止用口金3の底壁31から頭出させると共に他方のリ−ドピン22の一端ヘッド221を封止用口金3の底壁31で押さえつける。
【0010】上記一方のリ−ドピン21の一端部外径に対し絶縁栓体1のリ−ドピン挿通孔111の内径を大としてあり、これらの間には、総厚みΔtのギャップが存在している。このリ−ドピン挿通孔111の深さをΔLとすれば、当該リ−ドピン21を強制的に傾かせ得る最大角度αは、tanα=Δt/ΔL ■であり、Δtが極めて小さいために、α≒Δt/ΔL ■である。今、仮に上記一方のリ−ドピン21が最大角αで傾いたとすると、リ−ドピンの重心の重力方向が角度αだけずれ、図2の(ロ)において、ずれ距離ΔdはΔd=Lα/2 ■となるが、この距離Δdに対し、鍔部211の半径Rを大きくしておけば、すなわち、R>Lα/2 ■としておけば、鍔部縁端211aでの反力による逆偶力で自ずから当該リ−ドピン21の傾きを矯正させて当該リ−ドピン21を元の垂直状態に復帰させ得る。本発明において、リ−ドピン21の鍔部211の外径をリ−ドピン外径の2倍程度にしてあり、上記式■を充たし得、一方のリ−ドピン21を自ずと垂直に立てることができる。
【0011】他方のリ−ドピン22においては、図2の(イ)に示すように、当該リ−ドピン22の一端ヘッド221を封止用口金3で押しつけてあるから、このリ−ドピン22が傾こうとしても、一方のリ−ドピン21や封止用口金3や封止材等の重力に基づくモ−メント反力がそのリ−ドピン22の傾きを元に戻す方向に作用し、他方のリ−ドピン22についても自ずと垂直に立てることができる。
【0012】従って、両リ−ドピン21,22を垂直に立てた状態で封止用口金3内に封止材、例えばガラス粉を入れることができ、この状態で全体を封止材の溶融温度(ガラスの場合で600℃〜700℃)以上の温度で焼成し、封止材の溶融・凝固をまって封止を終了する。この封止時、何れのリ−ドピン21,22においても加熱膨張するが、一方のリ−ドピン21の一端部と絶縁栓体1のリ−ドピン挿通孔111との間及び他方のリ−ドピン22の一端ヘッド221と絶縁栓体1のヘッド受容孔121との間のギャップによる応力吸収で絶縁栓体1(セラミックス栓体)の熱応力破壊を防止できる。上記において、絶縁栓体1の突出部112は、絶縁栓体1と口金3間の相対的回転に対するストッパ−としても作用し、かかる点からも組立て作業の容易化が図られる。
【0013】図3は本発明により製作した電気雷管用塞栓を組み込んでなる電気雷管を示し、電気雷管用塞栓のリ−ドピン21,22間に電橋線51を接続し、この電気雷管用塞栓を着火薬52入りの金属外筒53内に挿入し、封止用口金3の縁端と外筒53の縁端とを溶接シ−ルしてある。この電気雷管においては、両リ−ドピン21,22が電橋線51で電気的に導通され、外筒53と内筒3との溶接及び内筒3とリ−ドピンヘッド211との接触により金属外筒53とリ−ドピン22との間が電気的に導通されているから、両リ−ドピン21,22と金属外筒53との間での過大な誘導電位差の発生を防止でき、この過大電位差が発生するときの放電に基づく電気雷管の暴発を排除できる。また、一方のリ−ドピン21の鍔部211と封止用口金3との間が、絶縁栓体1の突出部112の沿面距離で充分に隔離されているから、作動時、電橋線51に電流を封止用口金3への電流漏洩なく流し得、電橋線51のジュ−ル発熱による着火薬の着火作動を確実に行わせることができる。
【0014】本発明により製作される電気雷管用塞栓においては、リ−ドピン21,22を傾けようとする傾きモ−メントがリ−ドピンの長さに比例して大きくなり、リ−ドピンが長くなるに従い、上記リ−ドピンを封止固定するまでのリ−ドピンの傾き防止にそれだけ過重な要件が必要とされるので、リ−ドピンを長くする場合は、図4に示すように、封止終了後に補助リ−ドピン210,220を接続(通常、溶接)し、封止までのリ−ドピン長さを短く保持することが好ましい。この場合、補助リ−ドピン210,220の先端に径大部210a,220aを設け、この径大部端面をリ−ドピン21,22に溶接することができる。この場合、径大部端面の半径をR、リ−ドピン21(22)の半径をrとすれば、リ−ドピンの間隔(補助リ−ドピンの間隔)を±2(R−r)の範囲で調整可能であり、リ−ドピン間隔の異なる多種の電気雷管用塞栓を提供できる。補助リ−ドピン210,220の先端に径大部を設ける代わりに、リ−ドピン21,22の後端に径大部を設けることも可能である。
【0015】
【発明の効果】本発明によれば、水平に載置した絶縁栓体にリ−ドピンをリ−ドピン一端部の挿通により立て、封止用口金をリ−ドピンに通して絶縁栓体上に載置し、封止用口金内に封止材を充填固化する場合、絶縁栓体のリ−ドピン挿通孔や受容孔にリ−ドピン端部をギャップを介して挿入・受容するにもかかわらず、リ−ドピンを垂直に立て得て封止材で封止固定して外観不良を回避でき、また封止のための焼成時での上記ギャップによる応力吸収作用のために絶縁栓体の応力破壊を防止できる。また、絶縁栓体に封止用口金の底壁部の厚みよりも厚い突出部を設け、この突出部の先端平面に一方のリ−ドピンの鍔部を支承させているから、当該リ−ドピンの鍔部の存在にもかかわらず、このリ−ドピンと封止用口金との間の絶縁強度を充分に保証できる。更に、他方のリ−ドピンの一端にヘッドを設け、このヘッドと封止用口金底壁との接触で過電圧の誘導防止を可能としており、当該リ−ドピンと封止用口金との溶接導通のような特別の加工を必要としないので、製作工数を少なくできる。
【出願人】 【識別番号】000225337
【氏名又は名称】内橋エステック株式会社
【出願日】 平成9年(1997)10月24日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】松月 美勝
【公開番号】 特開平11−132696
【公開日】 平成11年(1999)5月21日
【出願番号】 特願平9−309776