| 【発明の名称】 |
地雷処理方法および地雷処理装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】戸 叶 白 史
|
| 【要約】 |
【課題】地雷処理において、手作業による場合は危険であり、地雷原爆破装置のような消耗品を用いる場合には多くの費用がかかるという問題があった。
【解決手段】探知した地雷Mに向けてレーザ光Lを照射することによりその地雷Mを起爆させる地雷処理方法とし、繰り返し使用されるレーザ光照射手段の適用を可能にして費用の節減を実現すると共に、安全に地雷処理が行われるようにした。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 探知した地雷に向けてレーザ光を照射することによりその地雷を起爆させることを特徴とする地雷処理方法。 【請求項2】 移動手段に搭載されたレーザ発振器と、先端にレーザ光の照射部を有し且つレーザ発振器からのレーザ光を地雷探知位置まで導くガイド手段を備えたことを特徴とする地雷処理装置。 【請求項3】 移動手段に、レーザ発振器と、レーザ発振器に冷却液を供給する冷却液循環装置と、照射部を設けたレーザ光のガイド手段と、電力供給源である発電機と、これらの機器を制御する制御装置を搭載したことを特徴とする請求項2に記載の地雷処理装置。 【請求項4】 ガイド手段が、内部に光学系を備えた伸縮可能なガイド体であることを特徴とする請求項2または3に記載の地雷処理装置。 【請求項5】 ガイド手段が、光ファイバケーブルであることを特徴とする請求項2または3に記載の地雷処理装置。 【請求項6】 照射部と地雷探知位置の間に設けて内側にレーザ光を通過させる防護筒を備えたことを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の地雷処理装置。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、地中あるいは地表に設置された地雷を処理するのに用いる地雷処理方法および地雷処理装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】現在、世界各地には相当数の放置地雷があり、これが問題となっている。そして、地雷処理としては、手作業に頼るところが多いのが現状である。すなわち、手作業あるいは地雷探知器を用いて地雷を探知し、その地雷を掘り出して信管の除去作業を行ったり爆破処理を行ったりしている。 【0003】また、手作業以外で地雷処理を行うものとしては、例えば、地雷原爆破装置がある。地雷原爆破装置は、爆薬をつめた爆索をロケットにより地雷原に投射して爆発させ、周辺に埋設した地雷を誘爆させるものである。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ところが、上記したような従来の地雷処理にあっては、手作業による場合には当然危険が伴うという問題点があり、また、地雷原爆破装置のような消耗品を用いる場合には多くの費用がかかるなどの問題点があり、これらの問題点を解決することが課題であった。 【0005】 【発明の目的】本発明は、上記従来の課題に着目して成されたもので、消耗品を用いる場合に比べて費用の節減を図ることができると共に、地雷処理を安全に行うことができる地雷処理方法および地雷処理装置を提供することを目的としている。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明に係わる地雷処理方法は、請求項1として、探知した地雷に向けてレーザ光を照射することによりその地雷を起爆させる構成としており、上記の構成を従来の課題を解決するための手段としている。 【0007】本発明に係わる地雷処理装置は、請求項2として、移動手段に搭載されたレーザ発振器と、先端にレーザ光の照射部を有し且つレーザ発振器からのレーザ光を地雷探知位置まで導くガイド手段を備えた構成とし、請求項3として、移動手段に、レーザ発振器と、レーザ発振器に冷却液を供給する冷却液循環装置と、照射部を設けたレーザ光のガイド手段と、電力供給源である発電機と、これらの機器を制御する制御装置を搭載した構成とし、請求項4として、ガイド手段が、内部に光学系を備えた伸縮可能なガイド体である構成とし、請求項5として、ガイド手段が、光ファイバケーブルである構成とし、請求項6として、照射部と地雷探知位置の間に設けて内側にレーザ光を通過させる防護筒を備えた構成としており、上記の構成を従来の課題を解決するための手段としている。 【0008】 【発明の作用】本発明の請求項1に係わる地雷処理方法では、探知した地雷に向けてレーザ光を照射し、これにより地雷を起爆させるので、繰り返し使用することが可能なレーザ光照射手段を適用し得ると共に、地雷から離れた位置で安全に処理操作を行うことが可能となる。 【0009】本発明の請求項2に係わる地雷処理装置では、地雷探知の作業に応じて移動手段によりレーザ発振器を移動させ、地雷を探知したのちには、レーザ発振器から発振したレーザ光をガイド手段に通すと共に、ガイド手段の先端に設けた照射部から地雷に向けてレーザ光を照射することにより、地雷を起爆させる。そして、当該地雷処理装置では、レーザ発振器、および照射部を有するガイド手段を備えた構成としているので、繰り返し使用することが当然可能であると共に、ガイド手段により地雷から離れた位置で安全に処理操作が行われる。 【0010】本発明の請求項3に係わる地雷処理装置では、移動手段に、レーザ発振器と、冷却液循環装置と、照射部を設けたガイド手段と、発電機と、制御装置を搭載しているので、例えば地雷処理用車両として単独で行動し得ることとなり、機動性の高いものとなる。 【0011】本発明の請求項4に係わる地雷処理装置では、ガイド手段として内部に光学系を備えた伸縮可能なガイド体を用いたので、ガイド体の伸縮によって地雷探知位置に対する照射部の位置調整が成されると共に、ガイド手段を自動制御や遠隔操作に対応させることが可能となる。 【0012】本発明の請求項5に係わる地雷処理装置では、ガイド手段として光ファイバケーブルを用いたので、ガイド手段の長さの設定が自由になると共に、ガイド手段の構造が簡略化されたものになる。 【0013】本発明の請求項6に係わる地雷処理装置では、照射部と地雷探知位置の間に防護筒を設け、この防護筒の内側にレーザ光を通過させるので、照射部から地面に向けて照射したレーザ光の強烈な反射光に対する周囲の安全性が確保される。 【0014】 【発明の効果】本発明の請求項1に係わる地雷処理方法によれば、レーザ光で地雷を起爆させることから、繰り返し使用することが可能なレーザ光照射手段を適用することができ、数多く設置された地雷に対して例えば地雷原爆破装置のような消耗品を用いる場合に比べて、地雷処理の費用を大幅に節減することができる。また、地雷から離れた位置で安全に処理操作を行うことができ、しかも、地雷の種類を問わずこれらを確実に処理することができる。 【0015】本発明の請求項2に係わる地雷処理装置によれば、移動手段に搭載したレーザ発振器、および照射部を有するガイド手段を採用したことにより、地雷の探知作業に応じた移動を自由に行うことができると共に、繰り返し使用することができるので、数多く設置された地雷に対して例えば地雷原爆破装置のような消耗品を用いる場合に比べて、地雷処理の費用を大幅に節減することができる。また、ガイド手段によって地雷から離れた位置で安全に処理操作を行うことができ、しかも、レーザ光の使用により、地雷の種類を問わずこれらを確実に処理することができる。 【0016】本発明の請求項3に係わる地雷処理装置によれば、請求項2と同様の効果を得ることができるうえに、移動手段に、レーザ発振器と、冷却液循環装置と、照射部を設けたガイド手段と、発電機と、制御装置を搭載したことから、移動手段において装置全体の稼働が可能となり、例えば地雷処理用車両として単独で行動することができ、地雷処理に対する機動性を著しく高めることができる。 【0017】本発明の請求項4に係わる地雷処理装置によれば、請求項2および3と同様の効果を得ることができるうえに、ガイド手段として内部に光学系を備えた伸縮可能なガイド体を採用したことにより、ガイド手段を自動制御や遠隔操作に対応させることができ、例えば地雷処理用車両への搭載にも好適なものとなり、ガイド手段の自動化に伴って処理時の安全性をより高めることができる。 【0018】本発明の請求項5に係わる地雷処理装置によれば、請求項2および3と同様の効果を得ることができるうえに、ガイド手段として光ファイバケーブルを採用したことにより、ガイド手段の構造を簡略化することができると共に、装置の製作費をより節減することができ、また、ガイド手段の長さの設定を自由に行うことが可能であって、例えば、地雷探知位置から処理操作位置までの充分な距離を容易に得ることができ、安全性のさらなる向上にも貢献し得る。 【0019】本発明の請求項6に係わる地雷処理装置によれば、請求項2〜5と同様の効果を得ることができるうえに、照射部と地雷探知位置の間に設けて内側にレーザ光を通過させる防護筒を採用したことから、照射部から地面に向けて照射したレーザ光の強烈な反射光を直視してしまうような事態を防止することができ、反射光に対する周囲の安全性を確保することができる。 【0020】 【実施例】図1および図2は、本発明の請求項1に係わる地雷処理方法ならびに本発明の請求項2〜4および6に係わる地雷処理装置の一実施例を説明する図である。 【0021】この実施例の移動手段は、図1に示すように、不整地でも走行可能な車両Aである。車両Aは、荷台部分に防護板1で囲まれた操作室2を構成しており、操作室2内には、レーザ発振器3と、レーザ発振器3に冷却液を供給する冷却液循環装置4と、電力供給源である発電機5と、後記するガイド体を含むこれらの機器を制御する制御装置6が収容してある。また、操作室2と運転室7の間には、先端にレーザ光の照射部8を有し且つレーザ発振器3からのレーザ光を地雷探知位置まで導くガイド手段として、内部に光学系を備えた伸縮可能なガイド体9が設けてある。 【0022】レーザ発振器3は、例えばYAGレーザ装置であって、レーザ波長は1.6μm程度であり、最大出力は4500W(パルス)程度である。 【0023】ガイド体9は、車両Aの荷台部分に立設した支柱10の上端部に、第1の自在継手11を介して第1アーム12の基端部を連結すると共に、第1アーム12の先端に、第2の自在継手13を介して第2アーム14の基端部を連結し、第2アーム14の先端部にレーザ光の照射部8を設けた構成になっている。第1および第2のアーム14は、例えば、複数の筒体をスライド可能に組み合わせたいわゆるテレスコピック構造であって、図示しない駆動機構により伸縮駆動される。 【0024】つまり、ガイド体9は、車両Aの周囲360度の範囲に対して照射部8の位置調整を行うことが可能であり、このような操作は操作室2内の制御装置6により行うことができる。また、ガイド体9は、車両Aの外部に設けた操作レバー15により操作することも可能である。 【0025】さらに、当該地雷処理装置は、照射部8と地雷探知位置の間に設けて内側にレーザ光Lを通過させる防護筒16を備えている。この防護筒16は、とくに材質等が限定されることはなく、図1に示すものよりもさらに長くすることも可能である。ただし、防護筒16は、強固な構造にし且つ上端部をあまり照射部8に接近させると、地雷の起爆によって照射部8に悪影響を与える恐れがあるため、照射部8との間に適当な距離が得られる長さにしたり、起爆により破壊し得るような簡易なものにしたりすることが望ましい。 【0026】上記の構成を備えた地雷処理装置は、移動手段である車両Aに、レーザ発振器3と、冷却液循環装置4と、照射部8を設けたガイド体9と、発電機5と、制御装置6を搭載しているので、車両Aにおいて装置全体を稼働させることが可能であって、地雷処理用車両Aとして単独で行動することができ、機動性の高いものとなっている。また、当然のことながら繰り返し使用することができるので、多数の地雷に対して例えば地雷原爆破装置のような消耗品を用いる場合と比較すると、処理費用を節減し得ることとなる。 【0027】上記の地雷処理装置は、地雷探知の作業に応じて適宜移動し、図1に示す如く埋設された地雷Mを探知したのちに、地雷探知位置に防護筒16を設置すると共に、ガイド体9を駆動してその先端部の照射部8を防護筒16の軸線上に位置合わせし、レーザ発振器3から発振したレーザ光をガイド体9に通して照射部8から照射する。 【0028】照射部8から照射されたレーザ光Lは、防護筒16内を通って地面に達し、図2(a)に示すように土中の水分を蒸発させ、さらに図2(b)に示すように土中の有機成分を燃焼させ、さらに図2(c)に示すように、無機の鉱物質も気化させ、さらに図2(d)に示すように地雷Mを加熱する。そして、地雷Mを約400℃程度まで加熱すると、図2(e)に示すように地雷の炸薬が起爆され、地雷処理は終了となる。 【0029】このように、上記の実施例で説明した地雷処理方法および地雷処理装置では、探知した地雷Mに向けてレーザ光Lを照射し、これにより地雷Mを起爆させるので、地雷Mから離れた位置で安全に処理操作が行われることとなり、地雷Mの種類を問わずにこれらを処理することが可能である。また、ガイド手段として、操作室2内で制御装置6により操作可能なガイド体9を用いたので、ガイド手段の自動化に伴って処理時の安全性がより高められ、しかも、防護筒16を用いたことにより、照射部8から地面に向けて照射したレーザ光Lの強烈な反射光を作業員が直視してしまうような事態が防止され、反射光Lに対する周囲の安全性も確保される。 【0030】図3は、本発明の請求項5に係わる地雷処理装置の一実施例を説明する図である。なお、先の実施例と同一の構成部位は、同一符号を付して詳細な説明を省略する。 【0031】この実施例では、移動手段である車両Aに搭載したレーザ発振器から地雷探知位置までレーザ光を導くガイド手段として、光ファイバケーブル20を用いている。光ファイバケーブル20は、その先端部にレーザ光の照射部21を有しており、車両Aから地雷Mが埋設されている位置まで導かれると共に、照射部21を地中内の地雷Mに向かせるためにスタンド22により保持してある。そして、当該地雷処理装置では、レーザ発振器からのレーザ光を光ファイバケーブル20に通して照射部21まで送り、そのレーザ光Lを照射部21から地雷Mに向けて照射することにより地雷Mを起爆させる。 【0032】上記の実施例で説明した地雷処理装置は、先の実施例と同様の作用および効果を得ることができるうえに、ガイド手段として光ファイバケーブル20を用いたので、ガイド手段の構造が簡単であるとともに比較的安価であり、また、ガイド手段の長さの設定が自由であって、地雷探知位置から処理操作位置まで充分な距離を得ることが容易である。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000003997 【氏名又は名称】日産自動車株式会社
|
| 【出願日】 |
平成9年(1997)6月30日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】小塩 豊
|
| 【公開番号】 |
特開平11−23194 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)1月26日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−174674 |
|