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【発明の名称】 冷却塔を有する冷却水循環システムにおける冷却水管理装置
【発明者】 【氏名】椿原 賀千

【氏名】吉谷 好隆

【要約】 【課題】冷却塔を有する冷却水循環システムにおいて、構成が簡単で、より経済的な冷却水管理装置を提供すること。

【解決手段】冷却塔1内の保有冷却水14の濃縮度合いを検知するために、保有冷却水14の導電率を検出する導電率計7と、保有冷却水14の水位を検出するフロートスイッチ6と、第1の開閉弁42を介して冷却塔1内の保有冷却水14を排出する排水路4と、第2の開閉弁53を介して冷却塔1内に補給水を流入する補給水路5と、前記導電率計7の検出値及び/又はフロートスイッチ6の検出水位に基づき、第1・第2の開閉弁42,53 の駆動制御を行う制御手段9とを備えることとした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】冷却水の循環流路の中途に配設されるとともに、冷却水使用設備から還流した冷却水を冷却するようにした冷却塔を有する冷却水循環システムにおいて、冷却塔内の保有冷却水の濃縮度合いを検知するために、保有冷却水の導電率を検出する導電率計と、前記保有冷却水の水位を検出するフロートスイッチと、第1の開閉弁を介して冷却塔内の保有冷却水を排出する排水路と、第2の開閉弁を介して冷却塔内に補給水を流入する補給水路と、前記導電率計の検出値及び/又はフロートスイッチの検出水位に基づき、第1・第2の開閉弁の駆動制御を行う制御手段と、を備え、前記制御手段は、導電率計の検出値が基準値に達すると、前記第1の開閉弁に開信号を出力し、冷却水の排出が進行してフロートスイッチが冷却水の最下限値を出力すると、第1の開閉弁に閉信号を出力するとともに第2の開閉弁に開信号を出力し、補給が進行してフロートスイッチが上限値を検出すると、第2の開閉弁に閉信号を出力することを特徴とする冷却塔を有する冷却水循環システムにおける冷却水管理装置。
【請求項2】第2の開閉弁の開動作に連動する薬注用ポンプを備え、補給水の冷却塔内への流入に連動して水処理剤を冷却水中に注入すべく、前記制御手段は、フロートスイッチが冷却水の下限値を出力すると、第2の開閉弁が閉状態であれば開信号を出力するとともに、薬注用ポンプには駆動信号を出力し、フロートスイッチが上限値を検出すると、前記第2の開閉弁に閉信号を出力するとともに、薬注用ポンプには停止信号を出力することを特徴とする請求項1記載の冷却塔を有する冷却水循環システムにおける冷却水管理装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、冷却水の循環流路の中途に配設した冷却塔により、冷却水使用設備から還流した冷却水を冷却するようにした冷却塔を有する冷却水循環システムにおける冷却水管理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】空調機器等では多量の冷却水を利用するが、かかる冷却水は、一般に空調機器と冷却塔との間を循環しており、空調機器から出た水は冷却塔によって冷却され再び空調機器へと還流している。
【0003】冷却塔は、一般に大気に開放された空冷式であるために、冷却水を循環使用している間に蒸発して減少していくので、通常は工業用水を補給水として冷却塔内に補充している。しかし、水のみが蒸発するために、工業用水中のスケール成分(シリカ、カルシウム等)は冷却水中に残り、次第に溶残塩類が濃縮していき、かかる濃縮された成分により冷却塔の充填材や空調機器のコンデンサチューブ、その他配管内にスケール(水垢)、スライム(汚れ)、腐触等を発生させる。
【0004】スケールが配管に付着すると、熱効率が大幅に低下して電力の大幅な浪費につながるとともに、冷却塔の機能も低下し、また、腐触により水漏れ等を引き起こすと、配管の修理等に多大は費用を投じることになる。
【0005】しかも、冷却塔においては大気中からの塵埃や亜硫酸ガス等の混入があるとともに、近年では工業用水の水質そのものが劣化傾向にあるため、冷却水の濃縮化が早まっている。
【0006】そこで、従来では、図3に示すような冷却水管理装置Xが用いられている。すなわち、冷却水の濃縮状況を水の導電率変化として検出する導電率計200 を冷却塔100 内に配設し、導電率が基準値に達すると、補給水電磁弁300 を開き、導電率計200 の検出値が基準値を下回るまでオーバーフローさせながら補給水を多量に流入させるようにしたものである。なお、110 は冷却ファン、120 は通常給水時用のボールタップ、400 は循環流路、500 はオーバーフロー管、510 は同オーバーフロー管500 と連通連結した排水管、600 は前記導電率計200 及び補給水電磁弁300 と電気的に接続して導電率の検出値に基づいて補給水電磁弁300 へ開・閉信号を出力し、自動的にブロー制御(冷却塔内の保有冷却水を強制的に入れ替える)する制御盤である。
【0007】また、併せて、配管等の腐触防止剤や、スケール防止剤、スライムコントロール剤等の水処理剤を収容した薬液タンク700 を装置して、前記水処理剤を循環流路400 や冷却塔100 内に微量ずつ連続注入して上記したトラブルを防止するようにしている。なお、前記薬液タンク700 には薬注用ポンプ800 が付設されており、同薬注用ポンプ800 は、図示しない冷却水ポンプと連動するように前記制御盤600 により制御されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記した従来の冷却水管理装置Xは、以下の課題を残していた。すなわち、必要な補給水量は、蒸発量と、冷却塔100 から飛散するキャリーオーバー量と、ブローダウン量(強制入れ替え量)との和であり、これは冷却水の通常の循環量の約1.44%である。
【0009】しかし、例えば夏季に冷凍機を運転する場合、冷凍機は最大負荷で稼働し、かつ外気温は高い。したがって、冷却水の濃縮度合いは常時高いことが多く、冷却水管理装置Xは自動ブローするために補給水電磁弁300 を常に開状態とすることになり、オーバーフローさせながら絶えず補給を続けることになる。
【0010】これでは、折角の補給水の一部もオーバーフローによって排出されるために、補給水量が必然的に著しく多くなってしまっていた。
【0011】他方、水処理剤にしても、薬注用ポンプ800 を冷却水ポンプと連動させると、微量とはいえ連続注入しているので、注入された水処理剤の一部は冷却水と一緒にオーバーフローして排出されることになり不経済である。しかも、水処理剤濃度は冷却水量に対して一定濃度を保つ必要があるので、当然ながら多量の水処理剤を必要としていた。
【0012】これでは、資源の浪費となって、社会的にも望ましくなく、また、装置設置者にとっても経済的負担が大きくなってしまう。
【0013】本発明は、上記課題を解決することのできる冷却塔を有する冷却水循環システムにおける冷却水管理装置を提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、請求項1記載の本発明では、冷却水の循環流路の中途に配設されるとともに、冷却水使用設備から還流した冷却水を冷却するようにした冷却塔を有する冷却水循環システムにおいて、冷却塔内の保有冷却水の濃縮度合いを検知するために、保有冷却水の導電率を検出する導電率計と、前記保有冷却水の水位を検出するフロートスイッチと、第1の開閉弁を介して冷却塔内の保有冷却水を排出する排水路と、第2の開閉弁を介して冷却塔内に補給水を流入する補給水路と、前記導電率計の検出値及び/又はフロートスイッチの検出水位に基づき、第1・第2の開閉弁の駆動制御を行う制御手段とを備え、前記制御手段は、導電率計の検出値が基準値に達すると、前記第1の開閉弁に開信号を出力し、冷却水の排出が進行してフロートスイッチが冷却水の最下限値を出力すると、第1の開閉弁に閉信号を出力するとともに第2の開閉弁に開信号を出力し、補給が進行してフロートスイッチが上限値を検出すると、第2の開閉弁に閉信号を出力することとした。したがって、フロートスイッチの水位によって開閉弁を制御して冷却水を補充する補給方式と、導電計の検出値により冷却水の濃縮度合いを判別して冷却塔内の保有冷却水を入れ替えるブロー制御方式とを統合し、より確実な水処理を行える冷却水管理装置を提供することができ、空調設備等の冷却水使用設備の配管等にスケール等が付着することを確実に防止して、運転効率を高めて装置のランニングコストを大幅に低減することができる。しかも、給水と排水とを完全に分離させることができるので、従来のようにオーバーフローによる無駄な排水がなく、必要な補充量だけを補給できるので給水に無駄がなく節水を図ることができる。また、水処理剤も補充水に応じた適量を注入できるので節約できる。
【0015】また、請求項2記載の本発明では、前記第2の開閉弁の開動作に連動する薬注用ポンプを備え、補給水の冷却塔内への流入に連動して水処理剤を冷却水中に注入すべく、前記制御手段は、フロートスイッチが冷却水の下限値を出力すると、第2の開閉弁が閉状態であれば開信号を出力するとともに、薬注用ポンプには駆動信号を出力し、フロートスイッチが上限値を検出すると、前記第2の開閉弁に閉信号を出力するとともに、薬注用ポンプには停止信号を出力することとした。
【0016】したがって、フロートスイッチの水位によって開閉弁を制御して冷却水を補充する補給方式と、導電計の検出値により冷却水の濃縮度合いを判別して冷却塔内の保有冷却水を入れ替えるブロー制御方式と、補給水と連動して水処理剤を注入する水処理剤注入方式とを統合し、より確実な水処理を行える冷却水管理装置を提供することができ、しかも、冷却水の蒸発による自然減少に対して自動的に適量まで補給できるとともに、同時に必要量の水処理剤を注入することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】この発明は、冷却水の循環流路の中途に配設した冷却塔により、冷却水使用設備から還流した冷却水を冷却するようにした冷却塔を有する冷却水循環システムにおいて、冷却塔内の保有冷却水の濃縮度合いを検知するために、保有冷却水の導電率を検出する導電率計と、前記保有冷却水の水位を検出するフロートスイッチと、第1の開閉弁を介して冷却塔内の保有冷却水を排出する排水路と、第2の開閉弁を介して冷却塔内に補給水を流入する補給水路と、前記第2の開閉弁の開動作に連動する薬注用ポンプを具備し、補給水の冷却塔内への流入に連動して水処理剤を冷却水中に注入する薬注装置と、前記導電率計の検出値及び/又はフロートスイッチの検出水位に基づき、第1・第2の開閉弁及び薬注用ポンプの駆動制御を行う制御手段とを備えることとしたものである。冷却塔は密閉式のものであってもよいが、大気開放型の水冷式のものに、より好適に用いることができる。
【0018】冷却水を使用する冷却水使用設備、例えば、空調設備や冷凍機等に送水された冷却水は、熱交換され、温められて冷却塔へ還流する。そして、冷却塔において冷却されて再び冷却水使用設備に送水される。このように、冷却水は循環して使用されている。
【0019】冷却水が循環している間に、水のみが蒸発して補給された工業用水中のスケール成分が次第に濃縮され、配管等に付着して硬化する。
【0020】これを防止するために、本発明に係る冷却塔を有する冷却水循環システムにおける冷却水管理装置は、上記のように構成し、フロートスイッチの水によって開閉弁を制御して冷却水を補充する補給方式と、導電計の検出値により冷却水の濃縮度合いを判別して冷却塔内の保有冷却水を入れ替えるブロー制御方式と、補給水と連動して水処理剤を注入する水処理剤注入方式とを統合して、より確実な水処理を行えるようにしている。
【0021】そのためには、前記フロートスイッチを、適量となる冷却水水位を示す上限値と、補給の必要な冷却水水位を示す下限値と、循環に必要な最少限の冷却水水位を示す最下限値とを検出可能に構成することが好ましい。
【0022】また、薬注装置は、腐触防止剤、スケール防止剤、スライムコントロール剤等の水処理剤を収容した薬液タンクと、かかる水処理剤を送給する薬注用ポンプと具備しており、水処理剤は冷却塔内、あるいは、冷却水の循環流路に注入可能な構成とすればよい。
【0023】さらに、前記制御手段を、導電率計の検出値が基準値に達すると、前記第1の開閉弁に開信号を出力し、冷却水の排出が進行してフロートスイッチが冷却水の最下限値を出力すると、第1の開閉弁に閉信号を出力するとともに第2の開閉弁に開信号を、薬注用ポンプには駆動信号を出力し、補給が進行してフロートスイッチが上限値を検出すると、第2の開閉弁に閉信号を、薬注用ポンプには停止信号を出力するようにしている。
【0024】したがって、給水前に、先ず、循環に必要な最少限の冷却水を残して排水し、その後、適正な水位まで給水するという、給水・排水を完全に分離させることができ、必要な補充量だけを補給できるので給水に無駄がなく節水を図ることができる。また、水処理剤も補充水に応じた適量を注入できるので効果的に用いることができ、節約することができる。
【0025】また、前記制御手段を、フロートスイッチが冷却水の下限値を出力すると、第2の開閉弁が閉状態であれば開信号を出力するとともに、薬注用ポンプには駆動信号を出力し、フロートスイッチが上限値を検出すると、前記第2の開閉弁に閉信号を、薬注用ポンプには停止信号を出力するようにすることができる。
【0026】すなわち、保有冷却水の濃縮度合いが適正範囲内にある場合でも、保有冷却水は蒸発によって自然減少するものであるが、この減少に対して自動的に適量まで補給できるようになり、同時に必要量の水処理剤を注入することができる。
【0027】このように、本発明では、空調設備や冷凍機等の冷却水使用設備の性能を良好に維持しつつ、給水用の水及び水処理剤の使用量を大幅に低減し、ランニングコストの低減を図ることができる。
【0028】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面を参照しながら詳述する。図1は、本実施例に係る冷却塔を有する冷却水循環システムにおける冷却水管理装置Aの概略説明図である。
【0029】図1において、1は空調設備や冷凍機等の冷却水使用設備に冷却水を循環供給する冷却水循環システムに設けられた冷却塔であり、略円筒状に形成され、上面を開口するとともに、この開口部10に冷却ファン11を配設している。12は冷却塔1の周壁に形成した通風用スリットであり複数のルーバ13を設けている。
【0030】2は循環流路であり、冷却塔1の下面に連通連結した往き管21と、冷却塔1の上部に連通連結した戻り管22とを前記冷却水使用設備を介して連通して形成している。冷却塔1内には、前記戻り管22から散水状態に落下する戻り水が冷却ファン11により冷却されて保有冷却水14として所定量保有され、往き管21により前記冷却水使用設備に送水される。
【0031】3は強制排水管であり、前記往き管21同様に冷却塔1の下面に連通連結し、中途に手動開閉弁31を設け、同手動開閉弁31を開成することにより保有冷却水14全てを強制排水可能としている。また、手動開閉弁31の上流側から分岐させ、その先端を冷却塔1内部の所定高さ位置に伸延してオーバーフロー管32を形成している。このオーバーフロー管32は後述するフロートスイッチ6が故障した場合に保有冷却水14をオーバーフローさせることにより冷却塔1から漏水することを防止している。
【0032】4は本発明の排水路をなす自動排水管であり、前記強制排水管3の冷却塔1との連通箇所よりもやや上方位置に連通させ、その先端を強制排水管3におけるオーバーフロー管32との分岐箇所よりも下流側に連通連結している。この自動排水管4には、上手側から手動開閉弁41、本発明に係る第1の開閉弁となる排水用電磁弁42を設けている。
【0033】5は本発明の補給水路をなす補給管であり、基端を図示しない工業用水水源に連通し、先端を前記通風用スリット12の下端部から冷却塔1内部に伸延させている。補給管5は、上流側に第1手動開閉弁51を設け、その下流から分岐させて自動補給水路5aを形成し、同自動補給水路5aには、上流側から第2手動開閉弁52と本発明に係る第2の開閉弁となる自動補給用電磁弁53を設けている。
【0034】6はフロートスイッチであり、適量となる冷却水水位を示す上限値と、補給の必要な冷却水水位を示す下限値と、循環に必要な最少限の冷却水水位を示す最下限値とを検出可能としている。
【0035】また、7は一対の検出電極と電流電極を備えた浸漬式の導電率計であり、保有冷却水の濃縮度合いを導電率の変化に伴う電圧変化で検知可能としている。
【0036】8は薬注装置であり、腐触防止剤や、スケール防止剤、スライムコントロール剤等の水処理剤を収容した薬液タンク81と、同薬液タンク81と往き管21とを連通連結する薬注パイプ82と、同薬注パイプ82を介して薬液タンク81内の水処理剤を送給する薬注用ポンプ83とを具備している。なお、薬注パイプ82の連通先は冷却塔1内であっても構わない。
【0037】9は本発明に係る管理装置Aの作動制御を行う制御手段としての制御盤であり、前記した排水用電磁弁42、自動補給用電磁弁53、薬注用ポンプ83、フロートスイッチ6、導電率計7と電気的に接続し、フロートスイッチ6や導電率計7の検出値に基づいて、排水用電磁弁42及び自動補給用電磁弁53へ開閉動作信号を、薬注用ポンプ83には駆動・停止信号を出力するようにしている。
【0038】本実施例は上記構成となっており、かかる構成によって、フロートスイッチ6で検出した水位によって排水用・自動補給用電磁弁42,53 を制御して冷却水を補充する補給方式と、導電率計7の検出値により冷却水の濃縮度合いを判別して冷却塔1内の保有冷却水を入れ替えるブロー制御方式と、補給水、すなわち、自動補給用電磁弁53の開動作と連動して水処理剤を注入する水処理剤注入方式とを統合して、より確実な水処理を行えるようにしている。
【0039】以下、本実施例の作動について、図2に示したフローチャートを参照しながら説明する。
【0040】先ず、管理装置Aを起動して運転を開始する(STEP 1) 。制御盤9はノーヒューズブレーカがONであるかを判別し、ONであれば導電率計7の起動信号を出力し(STEP 2) 、これを初期状態とする。一方、ノーヒューズブレーカがONしなければ保守点検等を行わなければならない(STEP 3) 。なお、管理装置Aの立ち上げ後、ノーヒューズブレーカ及び導電率計7のON操作は自動で行うようにしても、あるいは手動で行ってもよい。
【0041】ところで、図2のフローチャートでは、水処理剤注入方式による薬注装置8の水処理剤注入動作は自動補給用電磁弁53の動作と連動しているので記載を省略しており、補給方式及びブロー制御方式による作動について説明する。
【0042】補給方式がなされる場合について説明すると以下の通りである。
【0043】管理装置Aが起動して冷却水ポンプも駆動し、冷却水の循環が開始されて循環が進むと冷却塔1内からは水のみが蒸発していく。
【0044】保有冷却水14の溶存塩類の濃縮度合いは次第に高まるが、これを示す導電率計7の検出値が未だ基準値に達しないうちに(STEP 4) 、フロートスイッチ6が水補給が必要なレベルである下限値を示し、これを制御盤9が検出すると(STEP 5) 、自動補給用電磁弁53が閉状態であれば開信号を出力して給水を開始するとともに(STEP 6) 、薬注用ポンプ83には駆動信号を出力して水処理剤の注入を行う。
【0045】やがて冷却水の保有量が増加し、保有冷却水14が正常水位に復帰してフロートスイッチ6が上限値を検出すると(STEP 7) 、制御盤9は自動補給用電磁弁53に閉信号を出力して給水を停止し(STEP 8) 、同時に薬注用ポンプ83には停止信号を出力して初期状態に戻る(STEP 9) 。
【0046】次に、ブロー制御方式(冷却塔1内の保有冷却水14を強制的に入れ替える)がなされる場合について説明すると以下の通りである。
【0047】蒸発により冷却塔1内の保有冷却水14の減少に伴い、溶存塩類の濃縮度合いが高まり、予め設定した基準値に達したことを導電率計7が検出し、これによりブローの必要性を制御盤9が判別すると(STEP 11) 、制御盤9は排水用電磁弁42に開信号を出力して開弁し(STEP 12) 、自動排水が行われる(STEP 13) 。
【0048】冷却水の排出が進行してフロートスイッチ6が冷却水の最下限値を示し、これを制御盤9が検出すると(STEP 14) 、排水用電磁弁42に閉信号を出力して閉弁するとともに、自動補給用電磁弁53に開信号を出力し(STEP 15) 、自動給水を行う(STEP 16) 。このときにも、同時に薬注用ポンプ83には駆動信号が出力されて水処理剤の注入が行われる。後の動作は、上述した動作(STEP 7、8、9) と同様に進む。
【0049】ところで、本実施例では、導電率計7の検出値に基づいてブロー制御する場合、排水用電磁弁42の開弁動作と同時に図示しない排水終了タイマーを作動させ、このタイマーがタイムアップしたことを検出するまでは、制御盤9は導電率計7の検出値を読み込まないようにしており、排水用電磁弁42が閉じて自動補給が開始されているにもかかわらず、導電率計7が未だ基準値を下回らない場合にこれを検出して再度排水用電磁弁42に開指令を行わないようにしている。
【0050】このように、本発明に係る冷却水管理装置Aでは、図3に示した従来の管理装置Xと比較しても分かるように、従来の装置Xの構成を大幅に変更することなく簡単な構成で排水動作と補給動作とを完全に分離することができ、無駄な排水をすることなく効率的に給水可能となって、大幅な節水を図ることができる。本実施例によれば、オーバーフローさせながら給水する従来の装置に比べて約30%の節水効果が認められた。同じく、水処理剤についても、補給動作に連動させるようにしたので、水処理剤が無駄にオーバーフローされることがなく、これも約30%の削減が可能であることが分かった。
【0051】このように、効率的に給水、薬注が可能で、なおかつ空調装置や冷凍機等の冷却水使用装置のコンデンサチューブや配管等にスケースが付着することを確実に防止することができるので、これら装置を常時効率的に運転することができ、電力や燃料の消費が少なくなって、ランニングコストの大幅削減が可能となる。
【0052】
【発明の効果】以上、実施の形態及び実施例を通して本発明を説明してきたが、本発明では以下の効果を奏する。
【0053】■請求項1記載の本発明では、冷却塔内の保有冷却水の濃縮度合いを検知するために、保有冷却水の導電率を検出する導電率計と、前記保有冷却水の水位を検出するフロートスイッチと、第1の開閉弁を介して冷却塔内の保有冷却水を排出する排水路と、第2の開閉弁を介して冷却塔内に補給水を流入する補給水路と、前記導電率計の検出値及び/又はフロートスイッチの検出水位に基づき、第1・第2の開閉弁の駆動制御を行う制御手段とを備え、前記制御手段は、導電率計の検出値が基準値に達すると、前記第1の開閉弁に開信号を出力し、冷却水の排出が進行してフロートスイッチが冷却水の最下限値を出力すると、第1の開閉弁に閉信号を出力するとともに第2の開閉弁に開信号を出力し、補給が進行してフロートスイッチが上限値を検出すると、第2の開閉弁に閉信号を出力することとしたので、フロートスイッチの水位によって開閉弁を制御して冷却水を補充する補給方式と、導電計の検出値により冷却水の濃縮度合いを判別して冷却塔内の保有冷却水を入れ替えるブロー制御方式とを統合して行わせることができ、より確実で経済的な水処理を行える冷却水管理装置を提供することができ、空調設備等の冷却水使用設備の配管等にスケール等が付着することを確実に防止して運転効率を高め、冷却水使用設備を含めた装置全体のランニングコストを大幅に低減することができる。
【0054】しかも、給水と排水とを完全に分離させることができ、従来のようにオーバーフローによる無駄な排水がなく、必要な補充量だけを補給して無駄に給水することがなく、大きな節水効果を得ることができる。また、水処理剤も補充水に応じた適量を注入できるので大幅に節約できる。
【0055】■請求項2記載の本発明では、前記第2の開閉弁の開動作に連動する薬注用ポンプを備え、補給水の冷却塔内への流入に連動して水処理剤を冷却水中に注入すべく、前記制御手段は、フロートスイッチが冷却水の下限値を出力すると、第2の開閉弁が閉状態であれば開信号を出力するとともに、薬注用ポンプには駆動信号を出力し、フロートスイッチが上限値を検出すると、前記第2の開閉弁に閉信号を出力するとともに、薬注用ポンプには停止信号を出力することとしたので、上記■の効果に加え、補給水と連動して水処理剤を注入する水処理剤注入方式もさらに統合して行わせることができ、より確実で経済的な水処理を行える冷却水管理装置を提供することができるとともに、冷却水の蒸発による自然減少に対して自動的に対応して適量までを無駄なく自動補給でき、同時に必要量の水処理剤も自動的に注入することができる。
【出願人】 【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
【出願日】 平成10年(1998)3月4日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 憲一郎
【公開番号】 特開平11−248394
【公開日】 平成11年(1999)9月14日
【出願番号】 特願平10−51937