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【発明の名称】 熱交換エレメント
【発明者】 【氏名】葛西 勝哉

【氏名】黒川 八郎

【要約】 【課題】熱交換エレメントにおいて、安価、軽量で圧力損失が少なく、しかも漏れが少ないこと。

【解決手段】方形の伝熱板2,2同士の間隔を規制する間隔規制部材3を、伝熱板2の周縁2aに沿う四角環状の枠体にする。枠体は気流の流入を許容する第1の対向辺部7と、気流の流入を阻止する第2の対向辺部8を備える。各対向辺部7,8は中空構造であり軽量化に寄与する。伝熱板2は間隔規制部材3によって囲まれる部位において伝熱板2,2同士の間隔を規制する中空の凸条4を一体に有する。各対向辺部7,8の平板部9,11を隣接する一対の伝熱板2,2にそれぞれ沿わせるので、シール性が高い。接着を不要にできるので、組立が容易でありリサイクルも容易である。間隔規制部材3が枠体からなるので、強度が高い。
【特許請求の範囲】
【請求項1】熱交換されるべき二種の気流(X, Y)を隔てる方形の伝熱板(2) と、隣接する伝熱板(2) 間の間隔を規制する間隔規制部材(3) とが交互に90°ずつ向きを代えて積層された積層体を備え、上記間隔規制部材(3) は上記伝熱板(2) の周縁(2a)に沿って四角環状をなす枠体からなり、この枠体は気流(X, Y)の流通を許容する複数の開口(6) を有する中空の一対の第1の対向辺部(7) と、気流(X, Y)の流通を阻止する中空の一対の第2の対向辺部(8) とを含み、上記伝熱板(2) は間隔規制部材(3) に囲まれた部位において相隣接する伝熱板(2,2) との間の間隔を規制する凸部(4) を有することを特徴とする熱交換エレメント。
【請求項2】上記間隔規制部材(3) は、当該間隔規制部材(3) を挟む一対の伝熱板(2, 2)の表面に接着を回避した状態でそれぞれ沿わされる一対の平板部(9,9)(11,11)を含むことを特徴とする請求項1記載の熱交換エレメント。
【請求項3】上記第1の対向辺部(7) は、隣接する伝熱板(2, 2)にそれぞれ沿う一対の平板部(9,9) と、これらの平板部(9,9) 同士を連結するように所定間隔毎に配置されて互いの間に上記開口(6) を区画する複数の桁板部(10)とを含み、上記桁板部(10)は平板部(9) の短手方向に沿っていることを特徴とする請求項1記載の熱交換エレメント。
【請求項4】上記平板部(9) と桁板部(10)とは平板部(9) の短手方向に沿って一体に押出成形されたものからなることを特徴とする請求項3記載の熱交換エレメント。
【請求項5】上記第2の対向辺部(8) は、隣接する伝熱板(2,2) にそれぞれ沿う一対の平板部(11,11) と、これらの平板部(11,11) 同士を連結する少なくとも2つの桁板部(12,12) とを含み、上記桁板部(12)は平板部(11)の長手方向に沿っていることを特徴とする請求項1記載の熱交換エレメント。
【請求項6】上記平板部(11)と桁板部(12)とは平板部(11)の長手方向に沿って一体に押出成形されたものからなることを特徴とする請求項5記載の熱交換エレメント。
【請求項7】上記第1の対向辺部(7) は、隣接する伝熱板(2,2) にそれぞれ沿う一対の平板部(9,9) と、これらの平板部(9,9) 同士を連結するように所定間隔毎に配置された複数の桁板部(10)とを含み、上記桁板部(10)は平板部(9) の短手方向に沿っており、上記第2の対向辺部(8) は、隣接する伝熱板(2,2) にそれぞれ沿う一対の平板部(11,11) と、これらの平板部(11,11) 同士を連結する少なくとも2つの桁板部(12,12) とを含み、上記桁板部(12)は平板部(11)の長手方向に沿っており、第1および第2の対向辺部(7,8) は一体に形成されていることを特徴とする請求項1記載の熱交換エレメント。
【請求項8】上記凸部は凸条(4) からなり、この凸条(4) の端部(4a)と上記枠体の第1の対向辺部(7) とは所定距離(d) 離されていることを特徴とする請求項1ないし7の何れか一つに記載の熱交換エレメント。
【請求項9】上記凸部(4) は伝熱板(2) に一体に形成された中空体からなることを特徴とする請求項1ないし8の何れか一つに記載の熱交換エレメント。
【請求項10】上記伝熱板(2) は透湿性および吸湿性を有することを特徴とする請求項1ないし9の何れか一つに記載の熱交換エレメント。
【請求項11】上記伝熱板(2) は湿度交換を阻止する樹脂又は金属からなることを特徴とする請求項1ないし9の何れか一つに記載の熱交換エレメント。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱交換換気装置その他の空気調和装置に用いられ、伝熱板を隔てて流される二種の気流間で、上記伝熱板を介して熱交換を行わせる熱交換エレメントに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、上記の熱交換エレメントとして、図9に示すように、平板状の伝熱板30と、紙製の断面波形をなすいわゆるコルゲート板31を互いに接着しながら交互に積層した熱交換エレメント32がある。一方、図10に示すように、紙製の伝熱板33と、この伝熱板33の表面に一の方向に沿って平行に配置した複数の樹脂製の中実リブ34を一体化した単位体35を、交互に90°ずつ向きを代えて接着しながら積層した熱交換エレメント36がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前者の熱交換エレメント32では、下記の問題がある。すなわち、■伝熱板30とコルゲート板31との接着が必要なため、製造時に手間がかかり、製造コストが高い。
■コルゲート板31は波形の高さが低くなるような変形を起こし易く、圧力損失が大きくなる傾向にある。また、変形強度の低いコルゲート板31は波形を密に配置することが必要となるので、重量が重くなる。
■コルゲート板31の端部の強度が弱いため積層時等に損傷し易く、損傷すると目詰まりして圧力損失がより大きくなる。そこで、伝熱板30とコルゲート板31を積層した積層体の端面における、コルゲート板31の端部のつぶれ等による目詰まりを解消するために積層体の端面をカットする作業が必要である。このため、工程数が増加すると共に廃材による材料ロスもあり、この点からも製造コストが高くなる。
■コルゲート板31の頂部と伝熱板30の接着は、面と線の接着となり、接着面積が狭いため接着強度が弱い。このため、高湿度下で接着が剥がれることによって気流漏れを生じたり、コルゲート板31の伸長に起因して端部が変形したりするおそれもある。
【0004】一方、後者の熱交換エレメント36では、中実リブ34を用いるので重量が重くなる。また、紙製の伝熱板33と樹脂製の中実リブ34が一体化されているので、これらをリサイクルするためには、これらを分離する作業が必要となり、リサイクルが困難である。さらに、紙製の伝熱板33と樹脂製の中実リブ34を一体化するために、成形又は接着という工程が必要であり、製造コストが高くなる。また、接着する場合において、隣接する中実リブ34,34間の伝熱板33には接着圧を負荷できないので、単位体35同士の間での接着力が弱く、このため、気流漏れ等を生ずるおそれがある。
【0005】本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、軽量であって圧力損失が少なくしかも気流の漏れが少ない熱交換エレメントを提供することを第1の目的とし、また、安価であって高湿度下での信頼性が高いと共にリサイクルも容易な熱交換エレメントを提供することを第2の目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成するための課題解決手段として、請求項1記載の発明の態様は、熱交換されるべき二種の気流を隔てる方形の伝熱板と、隣接する伝熱板間の間隔を規制する間隔規制部材とが交互に90°ずつ向きを代えて積層された積層体を備え、上記間隔規制部材は上記伝熱板の周縁に沿って四角環状をなす枠体からなり、この枠体は気流の流通を許容する複数の開口を有する中空の一対の第1の対向辺部と、気流の流通を阻止する中空の一対の第2の対向辺部とを含み、上記伝熱板は間隔規制部材に囲まれた部位において相隣接する伝熱板との間の間隔を規制する凸部を有することを特徴とするものである。
【0007】この態様では、間隔規制部材を伝熱板の周縁に沿う四角環状の枠体により構成したので、積層体の端面の強度が高くて変形し難い結果、気流の流入側となる第1の対向辺部では圧力損失を少なくできると共に、気流の流入を阻止する側である第2の対向辺部ではシール性を向上することができる。このように強度に優れ且つシール性を高くできるので、伝熱板と間隔規制部材との接着を不要にすることも可能となり、その場合、製造コストを安くすることができる。また、枠体を構成する第1および第2の対向辺部が中空構造なので、軽量化を図ることができる。さらに、端部での強度が十分に確保されるので、伝熱板の中央領域にある凸部は必要最小限の個数を配置するだけで良く、この観点からも軽量化を促進することができる。
【0008】上記第2の目的を達成するための課題解決手段として、請求項2記載の発明の態様は、請求項1において、上記間隔規制部材は、当該間隔規制部材を挟む一対の伝熱板の表面に接着を回避した状態でそれぞれ沿わされる一対の平板部を含むことを特徴とするものである。この態様では、伝熱板に沿わされた平板部が弾力的に厚み調整するように働いて伝熱板に密着するので、互いに接着しなくても十分なシール性を確保することができる。接着されていない伝熱板と間隔規制部材は容易に分離でき、リサイクルを行い易い。また、接着部分がないので、高湿度下でも接着部分のシール性劣化という問題は生じない。さらに、接着工程が不要なので、組立速度が早く製造コストが安い。
【0009】上記第1の目的を達成するための課題解決手段として、請求項3記載の発明の態様は、請求項1において、上記第1の対向辺部は、隣接する伝熱板にそれぞれ沿う一対の平板部と、これらの平板部同士を連結するように所定間隔毎に配置されて互いの間に上記開口を区画する複数の桁板部とを含み、上記桁板部は平板部の短手方向に沿っていることを特徴とするものである。
【0010】この態様では、気流を流入させる側である第1の対向辺部の強度が高いことに加えて、伝熱板に沿わされた平板部が弾力的に厚み調整するように働いて伝熱板に密着するので、シール性が高い。また、桁板部を薄肉化しても、全体の構造強度を高くので、桁板部の厚みを可及的に薄くできる結果、圧力損失を低減することができる。
【0011】上記第1の目的を達成するための課題解決手段として、請求項4記載の発明の態様は、請求項3において、上記平板部と桁板部とは平板部の短手方向に沿って一体に押出成形されたものからなることを特徴とするものである。この態様では、一対の平板部と複数の桁板部を含む構造体としての第1の対向辺部をコスト安価に形成することができる。
【0012】上記第1の目的を達成するための課題解決手段として、請求項5記載の発明の態様は、請求項1において、上記第2の対向辺部は、隣接する伝熱板にそれぞれ沿う一対の平板部と、これらの平板部同士を連結する少なくとも2つの桁板部とを含み、上記桁板部は平板部の長手方向に沿っていることを特徴とするものである。
【0013】この態様では、気流を流入を阻止する側である第2の対向辺部の強度が高いことに加えて、伝熱板に沿わされた平板部が弾力的に厚み調整するように働いて伝熱板に密着するので、シール性が高い。また、第2の対向辺部は中空構造であるので、中実のリブを用いる従来の場合と比較して、軽量化を達成できる。また、一対の平板部間に桁板部同士によって断熱空間が形成されるので、結露の発生を防止することができる。
【0014】上記第1の目的を達成するための課題解決手段として、請求項6記載の発明の態様は、請求項5において、上記平板部と桁板部とは平板部の長手方向に沿って一体に押出成形されたものからなることを特徴とするものである。この態様では、一対の平板部と複数の桁板部を含む構造体としての第2の対向辺部をコスト安価に形成することができる。
【0015】上記第1の目的を達成するための課題解決手段として、請求項7記載の発明の態様は、請求項1において、上記第1の対向辺部は、隣接する伝熱板にそれぞれ沿う一対の平板部と、これらの平板部同士を連結するように所定間隔毎に配置された複数の桁板部とを含み、上記桁板部は平板部の短手方向に沿っており、上記第2の対向辺部は、隣接する伝熱板にそれぞれ沿う一対の平板部と、これらの平板部同士を連結する少なくとも2つの桁板部とを含み、上記桁板部は平板部の長手方向に沿っており、第1および第2の対向辺部は一体に形成されていることを特徴とするものである。
【0016】この態様では、気流を流入させる側である第1の対向辺部の強度が高いことに加えて、伝熱板に沿わされた平板部が弾力的に厚み調整するように働いて伝熱板に密着するので、シール性が高い。また、第1の対向辺部の桁板部を薄肉化しても、全体の構造強度を高くので、桁板部の厚みを可及的に薄くできる結果、圧力損失を低減することができる。
【0017】また、気流を流入を阻止する側である第2の対向辺部の強度が高いことに加えて、伝熱板に沿わされた平板部が弾力的に厚み調整するように働いて伝熱板に密着するので、シール性が高い。また、第2の対向辺部は中空構造であるので、中実のリブを用いる従来の場合と比較して、軽量化を達成できる。また、第2の対向辺部では、一対の平板部間に桁板部同士によって断熱空間が形成されるので、結露の発生を防止することができる。
【0018】さらに、第1および第2の対向辺部を一体とすることにより強度を一層向上することができる。また、積層もし易い。なお、一体化する形態としては、各一対の第1および第2の対向辺部を四角環状に連結して一体としても良いし、互いに隣接する第1および第2の対向辺部を一体としたL字形形状としても良い。上記第1の目的を達成するための課題解決手段として、請求項8記載の発明の態様は、請求項1ないし7において、上記凸部は凸条からなり、この凸条の端部と、上記枠体の第1の対向辺部とは所定距離離されていることを特徴とするものである。
【0019】この態様では、第1の対向辺部が伝熱板に押圧される面圧を高めることができるので、第1の対向辺部と伝熱板との密着性を向上することができる。また、気流が第1の対向辺部を通過してから案内のための凸条の端部まで到達するまでの間に距離が隔てられるので、この間で気流が乱流化し熱交換効率を向上することができる。
【0020】上記第1の目的を達成するための課題解決手段として、請求項9記載の発明の態様は、請求項1ないし8の何れか一つにおいて、上記凸部は伝熱板に一体に形成された中空体からなることを特徴とするものである。 この態様では、凸部が中空であるので軽量化を図ることができる。また、凸部も伝熱部となり熱交換効率を向上することができる。さらに、伝熱板と凸部が同一素材からなるので、製造コストを安くすることができる。
【0021】上記第1の目的を達成するための課題解決手段として、請求項10記載の発明の態様は、請求項1ないし9の何れか一つにおいて、上記伝熱板は透湿性および吸湿性を有することを特徴とするものである。この態様では、伝熱板として例えば紙等を用いることにより、透湿性および吸湿性を持たせることができ、全熱交換エレメントとして適したものとなる。
【0022】上記第1の目的を達成するための課題解決手段として、請求項11記載の発明の態様は、請求項1ないし9の何れか一つにおいて、上記伝熱板は湿度交換を阻止する樹脂又は金属からなることを特徴とするものである。この態様では、伝熱板として例えばポリプロピレン等の樹脂やアルミニウム等の金属を用いることにより、湿度交換を阻止することができ、顕熱交換エレメントとして適したものとなる。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の好ましい実施の形態を添付図面を参照しつつ説明する。図1〜図4は本発明の一実施の形態を示している。図1は本発明の一実施の形態の熱交換エレメントの概略分解斜視図であり、図2は図1の要部を拡大して一部を破断した分解斜視図である。本実施の形態では、本発明を全熱交換エレメントに適用した例に則して説明するが、これに限らず、本発明を顕熱交換エレメントに適用して実施することができる。
【0024】図1および図2を参照して、本熱交換エレメント1は、熱交換すべき二種の気流X,Yが互いに直交する方向に流される直交流型である。熱交換エレメント1は、二種の気流X,Yを隔てる方形の伝熱板2と、この伝熱板2の周縁2aに沿って四角環状をなす枠体からなる多数の間隔規制部材3とを交互に90°ずつ向きを代えて積層した積層体により構成されている。全熱交換エレメントとしての本熱交換エレメント1では、上記伝熱板2は透湿性および吸湿性を有する素材、例えば紙又は紙を含む素材により構成されている。間隔規制部材3は隣接する伝熱板2,2同士の間隔をその周縁において規制するものである。伝熱板2と間隔規制部材3とは互いの間を接着することなく積層されている。
【0025】伝熱板2は、間隔規制部材3によって取り囲まれる中央領域において、隣接する伝熱板2,2間の間隔を規制するための凸部としての凸条4を備えている。図4を参照して、凸条4は複数が平行に配置され互いの間に所定間隔を隔てている。この凸条4は伝熱板2と一体に形成された中空体として構成されており、凸条4は当該凸条4の長手方向に延びる中空部5を有している。図3を参照して、伝熱板2の凸条4の端部4aと、間隔規制部材3の後述する第1の対向辺部7とは所定距離dだけ離されている。
【0026】図2を参照して、上記間隔規制部材3を構成する枠体は、気流X(Y)の流通を許容する複数の開口6を有する中空の一対の第1の対向辺部7,7と、気流X(Y)の流通を阻止する中空の一対の第2の対向辺部8,8とを備えている。上記第1の対向辺部7は、隣接する伝熱板2,2にそれぞれ沿う互いに平行な一対の平板部9,9を備えており、また、これらの平板部9,9同士を連結する複数の桁板部10を備えている。桁板部10は平板部9の短手方向(気流が流れる方向)に沿っている。一対の平板部9,9同士の間には、隣接する桁板部10,10によって上記開口6が区画されている。
【0027】上記第2の対向辺部8は、隣接する伝熱板2,2にそれぞれ沿う互いに平行な一対の平板部11,11を備えており、また、これらの平板部11,11同士を互いに連結する複数の桁板部12,12とを備えている。各桁板部12は平板部11の長手方向に沿っており、一対の平板部11,11同士の間に隣接する桁板部12,12よって断熱空間13が区画されている。
【0028】第1および第2の対向辺部7,8は一体に押出成形されたものの中央部を取り除くことにより四角環状に形成したものからなる。すなわち、第1の対向辺部7に関していうと、平板部7と桁板部8とは平板部7の短手方向に沿って一体に押出成形され、第2の対向辺部8に関していうとの一対の平板部11および複数の桁板部12は平板部11の長手方向に沿って押出成形されることになる。
【0029】本実施の形態によれば下記の作用効果を奏する。すなわち、まず、間隔規制部材3を伝熱板2の周縁2aに沿う四角環状の枠体により構成したので、積層体の端面の強度が高くて変形し難い結果、気流X(Y)の流入側となる第1の対向辺部7では圧力損失を少なくできると共に、気流X(Y)の流入を阻止する側である第2の対向辺部8ではシール性を向上することができる。
【0030】また、間隔規制部材3の各対向辺部7,8が隣接する伝熱板2に密着される平板部9,11を有しているので、間隔規制部材3と伝熱板2を互いに接着しなくても十分なシール性を確保することができる。接着されていない伝熱板2と間隔規制部材3は容易に分離でき、リサイクルを行い易い。また、接着部分がないので、高湿度下でも接着部分のシール性劣化という問題は生じない。さらに、接着工程が不要なので、組立速度が早く製造コストが安い。
【0031】また、枠体を構成する第1および第2の対向辺部7,8が中空構造なので、軽量化を図ることができる。さらに、端部での強度が十分に確保されるので、伝熱板2の中央領域にある凸部としての凸条4は必要最小限の個数を設けるだけで良く、この観点からも軽量化を促進することができる。また、気流を流入させる側である第1の対向辺部7の強度が高いことに加えて、伝熱板2に沿わされた第1の対向辺部7の一対の平板部9,9が弾力的に厚み調整するように働いて伝熱板2に密着するので、特にシール性が高い。また、第1の対向辺部7の桁板部10を薄肉化しても、全体の構造強度を高くので、桁板部10の厚みを可及的に薄くできる結果、圧力損失を低減することができる。
【0032】また、気流を流入を阻止する側である第2の対向辺部8の強度が高いことに加えて、伝熱板2に沿わされた一対の平板部11,11が弾力的に厚み調整するように働いて伝熱板に密着するので、特にシール性が高い。また、第2の対向辺部8は中空構造であるので、中実のリブを用いる従来の場合と比較して、軽量化を達成できる。また、第2の対向辺部8では、一対の平板部11,11間に隣接する桁板部12,12同士によって断熱空間13が形成されるので、結露の発生を防止することができる。
【0033】さらに、第1および第2の対向辺部7,8を一体としたので、強度を一層向上することができる。また、積層もし易い。また、第1および第2の対向辺部7,8が一体に押出成形されるので、間隔規制部材3をコスト安価に形成することができる。また、伝熱板2の凸条4の端部4aと第1の対向辺部7とを所定距離dだけ離してあるので、第1の対向辺部7の一対の平板部9,9が伝熱板2を押圧する面圧を高めることができる結果、第1の対向辺部7と伝熱板2との密着性をより向上することができる。しかも、気流X(Y)が第1の対向辺部7の開口6を通過してから凸条4の端部4aに到達するまでの間で気流が乱流化するので、熱交換効率を向上することができる。
【0034】また、凸部としての凸条4が中空であるので軽量化を図ることができる。また、凸条4も伝熱部となり熱交換効率を向上することができる。さらに、伝熱板2と凸条4が同一素材からなるので、製造コストをより安くすることができる。上記第1の実施の形態では、凸条4を一体に形成した伝熱板2を設けたが、これに限らず、平板からなる伝熱板の表面に合成樹脂からなる凸条4Bを接合することもできる。この際、凸条4Bを構成する合成樹脂を発泡体として軽量化を図るようにしても良い。
【0035】また、図5に示すように、平板からなる伝熱板20の表面に紙製等の波板19を載せて凸条4Aを形成するようにすることもできる。この場合、汎用の波板を用いることができ、製造コストを安くすることができる。次いで、図6,図7および図8はそれぞれ、本発明の間隔規制部材に関する別実施の形態を示している。
【0036】まず、上記の図1の実施の形態では、間隔規制部材3を構成する四角環状の枠体を一体に形成したが、図6に示すように、隣接する第1の対向辺部7と第2の対向辺部8とを一体に形成した一対のL字型分割体14,14同士を互いに組み合わせて四角環状の枠体として間隔規制部材3Aを構成するようにしても良い。また、図1の実施の形態では、第1の対向辺部7の各桁板部10が一対の平板部9に直交するものとしたが、第1の対向辺部7Aとして、図7に示すように、交互に逆向きに傾斜して平板部9と協働して三角ラーメン構造を呈する桁板部15,16を設けることもできる。隣接する桁板部15,16同士の間に気流を流すための開口6が形成される。この実施の形態では、三角ラーメン構造を用いるので、第1の対向辺部7の強度を一層向上することができる。なお、図示していないが第2の対向辺部8についても同様の構造を採用することができる。
【0037】また、図8に示すように、第1の対向辺部7Bとして、母線が平板部9の短手方向(気流を流す方向)に沿う中空円筒からなる桁板部17を設けることもできる。また、平板部9,9間に隣接する桁板部17,17によって開口6が区画されると共に、桁板部17の中空部18も気流を流す働きをする。この実施の形態では、中空円筒からなる桁板部17によって第1の対向辺部7Bの強度を一層向上することができる。なお、図示していないが第2の対向辺部8についても同様の構造を採用することができる。
【0038】また、図1,図6,図7および図8の各実施の形態では、平板部と桁板部とを一体に形成したが、これらを別体に形成して互いに接着するようにしても良い。なお、本発明は上記各実施の形態に限定されるものではなく、例えば、本発明を顕熱交換エレメントに適用して、伝熱板2の素材を湿度交換を阻止する樹脂(例えばポリプロピレン樹脂)又は金属(例えばアルミニウム)によって構成するようにしても良い。その他、本発明の範囲で種々の変更を施すことができる。
【0039】
【発明の効果】請求項1記載の発明では、間隔規制部材を伝熱板の周縁に沿う四角環状の枠体により構成したので、積層体の端面の強度が高くて変形し難い結果、気流の流入側となる第1の対向辺部では圧力損失を少なくできると共に、気流の流入を阻止する側である第2の対向辺部ではシール性を向上することができる。このように強度に優れ且つシール性を高くできるので、伝熱板と間隔規制部材との接着を不要にすることも可能となり、その場合、製造コストを安くすることができる。また、枠体を構成する第1および第2の対向辺部が中空構造なので、軽量化を図ることができる。さらに、端部での強度が十分に確保されるので、伝熱板の中央領域にある凸部は必要最小限の個数を設けるだけで良く、この観点からも軽量化を促進することができる。
【0040】請求項2記載の発明では、伝熱板に沿わされた平板部が弾力的に厚み調整するように働いて伝熱板に密着するので、互いに接着しなくても十分なシール性を確保することができる。接着されていない伝熱板と間隔規制部材は容易に分離でき、リサイクルを行い易い。また、接着部分がないので、高湿度下でも接着部分のシール性劣化という問題は生じない。さらに、接着工程が不要なので、組立速度が早く製造コストが安い。
【0041】請求項3記載の発明では、気流を流入させる側である第1の対向辺部の強度が高いことに加えて、伝熱板に沿わされた平板部が弾力的に厚み調整するように働いて伝熱板に密着するので、シール性が高い。また、桁板部を薄肉化しても、全体の構造強度を高くので、桁板部の厚みを可及的に薄くできる結果、圧力損失を低減することができる。
【0042】請求項4記載の発明では、一対の平板部と複数の桁板部を含む構造体としての第1の対向辺部をコスト安価に形成することができる。請求項5記載の発明では、気流を流入を阻止する側である第2の対向辺部の強度が高いことに加えて、伝熱板に沿わされた平板部が弾力的に厚み調整するように働いて伝熱板に密着するので、シール性が高い。また、第2の対向辺部は中空構造であるので、中実のリブを用いる従来の場合と比較して、軽量化を達成できる。また、一対の平板部間に桁板部同士によって断熱空間が形成されるので、結露の発生を防止することができる。
【0043】請求項6記載の発明では、一対の平板部と複数の桁板部を含む構造体としての第2の対向辺部をコスト安価に形成することができる。請求項7記載の発明では、気流を流入させる側である第1の対向辺部の強度が高いことに加えて、伝熱板に沿わされた平板部が弾力的に厚み調整するように働いて伝熱板に密着するので、シール性が高い。また、第1の対向辺部の桁板部を薄肉化しても、全体の構造強度を高くので、桁板部の厚みを可及的に薄くできる結果、圧力損失を低減することができる。
【0044】また、気流を流入を阻止する側である第2の対向辺部の強度が高いことに加えて、伝熱板に沿わされた平板部が弾力的に厚み調整するように働いて伝熱板に密着するので、シール性が高い。また、第2の対向辺部は中空構造であるので、中実のリブを用いる従来の場合と比較して、軽量化を達成できる。また、第2の対向辺部では、一対の平板部間に桁板部同士によって断熱空間が形成されるので、結露の発生を防止することができる。
【0045】さらに、第1および第2の対向辺部を一体とすることにより強度を一層向上することができると共に、積層もし易い。一体化する形態としては、対向辺部の全体を四角環状に連結して一体としても良いし、互いに隣接する第1および第2の対向辺部を一体としたL字形形状としても良い。請求項8記載の発明では、第1の対向辺部が伝熱板に押圧される面圧を高めることができるので、第1の対向辺部と伝熱板との密着性を向上することができる。また、気流が第1の対向辺部を通過してから案内のための凸条の端部まで到達するまでの間に距離が隔てられるので、この間で気流が乱流化し熱交換効率を向上することができる。
【0046】請求項9記載の発明では、凸部が中空であるので軽量化を図ることができる。また、凸部も伝熱部となり熱交換効率を向上することができる。さらに、伝熱板と凸部が同一素材からなるので、製造コストを安くすることができる。請求項10記載の発明では、伝熱板として例えば紙等を用いることにより、透湿性および吸湿性を持たせることができ、全熱交換エレメントとして適したものとなる。
【0047】請求項11記載の発明では、伝熱板として例えばポリプロピレン等の樹脂やアルミニウム等の金属を用いることにより、湿度交換を阻止することができ、顕熱交換エレメントとして適したものとなる。
【出願人】 【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
【出願日】 平成10年(1998)1月13日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】亀井 弘勝 (外2名)
【公開番号】 特開平11−201683
【公開日】 平成11年(1999)7月30日
【出願番号】 特願平10−5074