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【発明の名称】 リテーナ
【発明者】 【氏名】山岸 浩

【要約】 【課題】熱交換パイプを等間隔に保って整列させるリテーナを提供すること。

【解決手段】リテーナ10は、複数のピッチ保持溝を等間隔Lに形成した第1、第2の桟11、12と、これらの桟の間に掛け渡し、両桟を所定の間隔に保つ一または複数の連結部材とからなり、上記ピッチ保持溝の形状を上記熱交換パイプの外形に等しくするとともに、ピッチ保持溝の開口幅を熱交換パイプの外径よりも小さくしてなり、熱交換機の供給側メインパイプ3と、戻り側メインパイプ4とを連通する複数の熱交換パイプ5の位置を保持する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数のピッチ保持溝を等間隔に形成した第1、第2の桟と、これらの桟の間に掛け渡し、両桟を所定の間隔に保つ一または複数の連結部材とからなり、上記ピッチ保持溝の形状を上記熱交換パイプの外形に等しくするとともに、ピッチ保持溝の開口幅を熱交換パイプの外径よりも小さくしてなり、熱交換機の供給側メインパイプと、戻り側メインパイプとを連通する複数の熱交換パイプの位置を保持する構成にしたリテーナ。
【請求項2】 連結部材の位置と上記第1、第2の桟に形成したピッチ保持溝の位置とを対応させたことを特徴とする請求項1のリテーナ。
【請求項3】 釘打ち用連結部材を、ピッチ保持溝の間に設け、この釘打ち用連結部材に釘孔を形成したことを特徴とする請求項1または2のリテーナ。
【請求項4】 少なくとも一方の端部側には、ピッチ保持溝の位置に対応させた連結部材や釘打ち用連結部材を設けずに、第1、第2の桟を直接対向させたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1のリテーナ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、空調装置に用いる熱交換機用の熱交換パイプを等間隔に整列させるためのリテーナに関するものである。
【0002】
【従来の技術】床や壁、天井などに設置して、部屋の冷暖房を行なう熱交換機として、図7に示すものが従来から知られている。この従来の熱交換機は、床や壁、天井などにパイプユニット31を一または複数配置し、それぞれに温水や冷水を供給して、熱交換を行なうものである。このパイプユニット31は、供給側メインパイプ3と、戻り側メインパイプ4と、これらメインパイプ3、4に連通する複数の熱交換パイプ5とを備えている。供給側メインパイプ3は、その一端に流体供給口6を設け、この流体供給口6を、供給流路7を介してポンプPに接続している。また、流体供給口6とは反対側の供給側メインパイプ3の他端を漏れがないように塞いでいる。
【0003】それに対して、戻り側メインパイプ4では、その一端を漏れがないように塞ぎ、他端に流体排出口8を設けている。つまり、パイプユニット31全体でみれば、流体供給口6と流体排出口8とを対角線上に設けている。そして、この流体排出口8を、戻り流路9を介してタンクTに接続している。そして、供給側メインパイプ3から供給され、熱交換パイプ5で熱交換した流体が、戻り側メインパイプ4を介してタンクTへ戻る。上記のように供給側メインパイプ3から熱交換パイプ5を通って、流体排出口8から流出する流路過程で、熱交換パイプ5を設けた部分が熱交換範囲として機能する。
【0004】このような熱交換機で熱交換率を良くするためには、所定の流量に対して、熱交換パイプ5の表面積を大きくした方が有利である。そのため、熱交換パイプ5の径を細くして、その分本数を多くするようにしている。また、この熱交換パイプ5は、熱可塑性樹脂製で可撓性を持たせて曲がりやすくしている。このように熱交換パイプ5を曲がりやすくしたのは、例えばこのパイプユニット31を設置する壁面などに多少の凹凸があったり、壁面が曲面であっても、この熱交換パイプ5がその凹凸や曲面に沿うようにするためである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のパイプユニットの熱交換パイプ5は、上記のように曲がりやすくしているので、施工の状況や壁面の状況などによって、熱交換パイプの配列に粗密ができることがあった。このように熱交換パイプの配列状態に粗密ができると、密な部分と粗の部分とで温度ムラができてしまう。この温度ムラができるために、室内にも温度ムラができるという問題があった。この発明は、熱交換パイプを等間隔に保って整列させるリテーナの提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】第1の発明のリテーナは、複数のピッチ保持溝を等間隔に形成した第1、第2の桟と、これらの桟の間に掛け渡し、両桟を所定の間隔に保つ一または複数の連結部材とからなり、上記ピッチ保持溝の形状を上記熱交換パイプの外形に等しくするとともに、ピッチ保持溝の開口幅を熱交換パイプの外径よりも小さくしてなり、熱交換機の供給側メインパイプと、戻り側メインパイプとを連通する複数の熱交換パイプの位置を保持する点に特徴を有する。第2の発明は、第1の発明の連結部材の位置と上記第1、第2の桟に形成したピッチ保持溝の位置とを対応させた点に特徴を有する。第3の発明は、第1、第2の発明を前提とし、釘打ち用連結部材を、ピッチ保持溝の間に設け、この釘打ち用連結部材に釘孔を形成した点に特徴を有する。第4の発明は、上記第1〜第3の発明を前提とし、少なくとも一方の端部側には、ピッチ保持溝の位置に対応させた連結部材や釘打ち用連結部材を設けずに、第1、第2の桟を直接対向させた点に特徴を有する。
【0007】
【発明の実施の形態】図1〜図5に示す第1実施例は、熱交換パイプ5を等間隔に整列させるリテーナ10である。そして、図1はこのリテーナ10の正面図、図2はII-II線断面図、図3はこのリテーナ10の使用状態を表わした正面図である。図1のように、リテーナ10は第1、第2の桟11、12を平行にして、その間隔を複数の連結部材13で保っている。各桟11、12の、それぞれには、複数のピッチ保持溝AとBとをそれぞれ等間隔Lで形成している。そこで、上記各ピッチ保持溝AとBとは、それぞれ互いに対向することになる。そして、これらのピッチ保持溝の断面形状は、図2に示すように、熱交換パイプ5の外形に一致するように、直径dの円弧で形成されているが、開口幅sを直径dより小さくしている。そのため、熱交換パイプ5をこのピッチ保持溝に押し込むと、熱交換パイプ5を固定することができる。
【0008】また、両桟11、12の両端に位置するピッチ保持溝A1、A2、A3、A4と、B1、B2、B3、B4を除く各ピッチ保持溝A、Bの位置と、上記連結部材13の位置と対応させている。この連結部材13は、直径dとほぼ同じ幅を持つ板状の部材である。さらに、適当なピッチ保持溝AとA、BとBの間で、第1の桟11から第2の桟12へ掛け渡すように、釘打ち用連結部材14を設けている。この釘打ち用連結部材14は、図1、図2に示すように連結部材13より厚みを厚くした部材で、中央に釘孔15を形成している。ここでは、釘打ち用連結部材14を隣合う連結部材13と一体に形成しているが、それらを別々にしてもかまわない。また、ピッチ保持溝間であれば、どこのピッチ保持溝間に設けてもよい。
【0009】このリテーナ10を用いたパイプユニット1を図3に示す。パイプユニット1は、リテーナ10を備えた以外は、従来例のパイプユニット31と同様なので、同様の構成要素には同じ符号を付け、説明は省略する。この熱交換パイプ5は、細くて曲り易いため、そのままでは、間隔Lが不均一になり易い。そこで、これをリテーナ10の各ピッチ保持溝AおよびBにはめ込んで整列させる。
【0010】そして、リテーナ10のピッチ保持溝A、Bは、等間隔Lで形成されているので、このピッチ保持溝に熱交換パイプ5をはめ込めば、それを等間隔Lに保つことができる。また、上記複数の熱交換パイプ5は、メインパイプ3、4に等間隔Lで接続しているので、図3のように、熱交換パイプ5の長さ方向に対して、複数のリテーナ10を適当な間隔で設置すれば、熱交換パイプ5の間隔が長さ方向のどの位置でも等間隔となり、全ての熱交換パイプ5がほぼ平行になる。なお、熱交換パイプ5は、リテーナ10の部分で等間隔を保持しているが、本来、可撓性を有しているため、リテーナ10以外の部分では、パイプユニット1の設置面に多少の凹凸があるなど、設置場所の条件が変わっても対応できるようになっている。また、パイプユニット1に設置するリテーナの数を多くすれば、全ての部分で熱交換パイプ5を等間隔に保持し易い。ただし、あまり多くするとリテーナの設置に時間がかかるし、パイプユニット1の可撓性が失われる。そこで、リテーナの数は、パイプユニットの設置条件などに応じて適当な数を選べばよい。しかも、第1、第2の桟11、12を連結部材13によって平行に連結しているので、これらの2つの桟11、12にはめ込まれる熱交換熱交換パイプ5は、平行になる。
【0011】また、上記ピッチ保持溝A、Bと連結部材13とが対応しているので、リテーナ10に熱交換パイプ5をはめたときに、熱交換パイプ5が連結部材13上に位置する。そして、リテーナ10の各溝に熱交換パイプ5をはめ込む時には、熱交換パイプ5には、連結部材13に押付けるような力が加えられる。このとき、もし、上記連結部材13がなければ、熱交換パイプ5がピッチ保持溝A、Bの端部に押付けられて曲がり、その角で傷つくことがある。あるいは、リテーナ10を置いた面に突起物などがあると、それによって熱交換パイプ5が損傷することもある。ところが、連結部材13があれば、上記のような力が加えられても、連結部材13が熱交換パイプ5を支えるので、熱交換パイプ5が曲がったりしない。このように熱交換パイプ5が曲がらないので、それがピッチ保持溝A、Bの角で損傷することがない。また、突起物があっても、連結部材13で熱交換パイプ5が保護されているので、それを損傷するようなこともない。
【0012】また、このようなパイプユニット1を壁などに固定する際には、リテーナ10の釘打ち用連結部材14に設けた釘孔15を利用して、釘を打つことができる。この釘打ち用連結部材14は、ピッチ保持溝から外れた位置に設けているので、熱交換パイプ5をリテーナ10にはめてからでも釘を打てる。しかも、釘孔15に合わせて、釘を打つようにすれば、決まった位置に釘が打て、かつその打ち損じも少なくなる。なお、パイプユニット1を固定する際に、上記ピッチ保持溝A、Bの開口側を壁面に向けるようにすれば、リテーナ10の部分では、上記連結部材13が表面に現われ、熱交換パイプ5はその裏に位置する。したがって、釘打ちの際に、打ち損じて釘孔15の周りを叩いてしまうようなことがあっても、上記連結部材13が、熱交換パイプ5を保護することになる。
【0013】なお、図1のリテーナ10のピッチ保持溝A、Bは、整列させる熱交換パイプ5の本数に合わせて、その数を決めればよい。しかし、パイプユニットが大きくて、熱交換パイプ5の本数が多い場合、適当な数のピッチ保持溝A、Bを備えた1個のリテーナ10を複数連結して用いることもできる。そして、この使用態様を図4、図5を用いて以下に説明する。図4、図5には、2個のリテーナ10、10’の連結部分を示しているが、個々のリテーナ10、10’は、図1に示したものと同じである。このリテーナ10、10’は、図1に示したように、その一方の端部のピッチ保持溝A1、A2およびピッチ保持溝B1、B2側と、他方の端部のピッチ保持溝A3、A4およびピッチ保持溝B3、B4側とには、連結部材13や釘打ち用連結部材14を設けず、第1と第2の桟11、12を直接対向させている。
【0014】そこで、図4、図5のように第1、第2の桟11、12の端を重ねることができる。第1の桟11において、リテーナ10の他端側のピッチ保持溝A34と、もう一方のリテーナ10’の一端側のピッチ保持溝A1、A2とを重ね、第2の桟12においても、同様に、リテーナ10の他端側のピッチ保持溝B3、B4と、リテーナ10’の一端側のピッチ保持溝B1、B2とを重ねている。そして、重ねた溝をそれぞれひとつの溝として、熱交換パイプ5をはめると、両リテーナ10、10’が連結される。このようにすれば、パイプユニットが大きくて、熱交換パイプ5の本数が多い場合にも対応できる。
【0015】上記のように、リテーナの端部に、連結部材13、釘打ち用連結部材14を設けずに、第1の桟11と第2の桟12を直接対向させれば、その部分で、リテーナを連結することができる。なお、この実施例では、両端のピッチ保持溝を2個づつ重ねるようにしているが、重ね合わせる溝は1個づつでもかまわない。また、このリテーナの一方の端部だけ、連結できるようにすることもできる。ただし、一方の端部だけを連結するようにした場合には、2個のリテーナしか連結できない。たとえ2個のリテーナしか連結できなくても、パイプユニットの幅が小さければ、それで十分な場合もある。
【0016】図6に示す第2実施例は、供給側メインパイプ3と戻り側メインパイプ4とを仕切り部材17を介して同軸上に連結して、これらのメインパイプ3、4に、熱交換パイプ5を、湾曲部16で折り返して接続したパイプユニット2である。そして、このパイプユニット2に、上記第1実施例と同様のリテーナ10を備えている。なお、第1実施例と同様の構成要素には同じ符号を付け、その説明は省略する。上記パイプユニット2の熱交換パイプ5は、湾曲部16で折り返しているため、それぞれの熱交換パイプ5に弾力が働き、そのままでは、第1実施例のパイプユニット1と比べて、さらに間隔が不均一になり易い。しかし、上記リテーナ10を用いれば、簡単に等間隔に整列させることができる。また、連結部材13により、熱交換パイプ5が保護される作用や、釘打ち用連結部材14に形成した釘孔15によって、壁などへの固定が簡単になる点も、第1実施例と同じである。
【0017】
【発明の効果】第1の発明のリテーナを用いれば、細くて可撓性を有する熱交換パイプを、等間隔に整列させることが簡単にできる。したがって、熱交換範囲での温度ムラが発生しにくい。第2の発明では、連結部材の位置と上記第1、第2の桟に形成したピッチ保持溝の位置とを対応させたので、リテーナにはめ込んだ熱交換パイプが、この連結部材上に位置する。したがって、リテーナにパイプをはめ込むときに熱交換パイプに上から力が加えられても、損傷することがない。第3の発明では、ピッチ保持溝の間に設けた釘孔を利用して、リテーナの取り付けが簡単にできる。釘孔に合わせて、釘を打つようにすれば、決まった位置にまっすぐに釘を打つことができ、パイプユニットの固定が簡単である。また、釘が滑るなどして、熱交換パイプを傷付ける心配がない。第4の発明によれば、適当な長さのリテーナを連結して、様々な本数の熱交換パイプを等間隔に整列させることができる。そのため、熱交換パイプの本数にあわせて、いろいろな長さのリテーナを用意する必要がない。
【出願人】 【識別番号】000134534
【氏名又は名称】株式会社トヨックス
【出願日】 平成9年(1997)10月9日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】嶋 宣之
【公開番号】 特開平11−118384
【公開日】 平成11年(1999)4月30日
【出願番号】 特願平9−293336