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【発明の名称】 熱交換器
【発明者】 【氏名】茂 木 淳 一

【氏名】久保田 順 一

【氏名】松 本 説 男

【氏名】栗 原 秀 昭

【氏名】馬 淵 和 明

【要約】 【課題】床蓋を有し、放熱面積が大きく、コンパクトな冷蔵庫用コンデンサ等の熱交換器を提供する。

【解決手段】熱交換器10のフインとして、水平配置の蛇行状管材11の直管部の直径よりも広幅で薄板細長帯形状のフイン部材12を設け、フイン部材12の管材11との固着部には直管部の外周面に対応する形状の半円筒形凹部をフイン部材12の長手方向に形成するとともに、半円筒形凹部の両側は平板フイン22とする。半円筒形凹部の長手方向に間隔をおいて切込んだ切込み片を半円筒形凹部のほぼ半径方向外側に立ち上げて立ち上げフイン24を形成し、立ち上げフイン24が形成された第1のフイン部材19と同様な構造の第2のフイン部材20の半円筒形凹部21内に直管部を嵌合させて管材11とフイン部材12とを固着する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】複数の直管部を配列し、これらの直管部の隣接する端部間に直管部に対して横方向に連結された曲管部を有する平面形態の蛇行状管材と、この蛇行状管材のそれぞれの直管部の表面に軸線方向にほぼ直交する方向に設けられたフィンとを備え、内部に流体を流通させる熱交換器において、前記蛇行状管材は少なくとも内外2段のユニットにより構成し、内側ユニットのフィンは、管材の直径よりも広幅で薄板細長帯形状をもち内外方向に関して対向する一対の第1及び第2のフィン部材で構成し、これらのフィン部材の管材の直管部との固着部には管材の外周面に対応する形状の半円筒形凹部をフィン部材の長手方向に形成するとともに、半円筒形凹部の両側は平板フィンとし、半円筒形凹部の長手方向に間隔をおいて切込んだ切込み片を半円筒形凹部のほぼ半径方向外側に立ち上げて立ち上げフィンを形成し、この立ち上げフィンが形成された第1のフィン部材と第2のフィン部材のうちの第1のフィン部材の半円筒形凹部内に、管材の直管部を嵌合させるとともに、第2のフィン部材の半円筒形凹部を第1のフィン部材と反対の側で前記管材の直管部に嵌合させ、立ち上げフィン及び平板フィンの形成されたフィン部材を管材の直管部に固着し、外側ユニットのフィンは、管材との固着部に管材の外周面に対応する形状で直管部の長さに対応する長さの半円筒形凹形溝を複数列形成した波板状部材と、前記第2のフィン部材と同様な第2のフィン部材とにより構成し、この波板状部材の半円筒形凹形溝を管材の直管部の外側から嵌合させるとともに、第2のフィン部材の半円筒形凹部を波板状部材の半円筒形凹形溝の内側で前記管材の直管部に嵌合させ、立ち上げフィン及び平板フィンの形成された第2のフィン部材と、波板状部材とを管材に固着し、前記波板状部材を蓋板として構成したことを特徴とする熱交換器。
【請求項2】複数の直管部を配列し、これらの直管部の隣接する端部間に直管部に対して横方向に連結された曲管部を有する平面形態の蛇行状管材と、この蛇行状管材のそれぞれの直管部の表面に軸線方向にほぼ直交する方向に設けられたフィンとを備え、内部に流体を流通させる熱交換器において、前記フィンは、管材の直径よりも広幅で薄板細長帯形状をもち、内外方向に関して内側のフィン部材と外側の波板状部材とにより構成し、前記フィン部材は、直管部の外周面に対応する形状の半円筒形凹部をフィン部材の長手方向に形成するとともに、半円筒形凹部の両側は平板フィンとし、半円筒形凹部の長手方向に間隔をおいて切込んだ切込み片を半円筒形凹部のほぼ半径方向外側に立ち上げて立ち上げフィンを形成した構成とし、この立ち上げフィンが形成されたフィン部材の半円筒形凹部を、管材の直管部に内側から嵌合させ、前記波板状部材は、管材の直管部の外周面に対応する形状で直管部の長さに対応する長さの半円筒形凹形溝を複数列形成した構成をもち、この波板状部材の半円筒形凹形溝を管材の直管部に外側から嵌合させて、前記フィン部材と、波板状部材とを管材に固着し、前記波板状部材を蓋板として構成したことを特徴とする熱交換器。
【請求項3】前記波板状部材は、管材の各直管部ごとに分割して構成されている請求項1または2記載の熱交換器。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱交換器に係り、特に、冷蔵庫等の床面や背面に位置するフィンに波板状部材を使用したフィン式の熱交換器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の冷蔵庫1においては、図11に示すように、車輪2を備えた台枠3上に冷蔵室4と機械室5とを備えた庫体6が支承されている。そして、冷蔵室4の下方の台枠3には、図12に示すプレート式の熱交換器(コンデンサ)7が装着されている。
【0003】熱交換器7は、図12に示すように管材8を蛇行状に折曲して、放熱を兼ねた床蓋9に固着し、この管材8の固着された床蓋9が庫体6の下部に装着されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の熱交換器7は、蛇行状の管材8を床蓋9に固定しているだけなので、熱交換器7の厚さは薄くなるが、放熱面積が小さく、床蓋9の面積は放熱のために十分に利用されていないので、熱交換性能がよくない等の問題があった。
【0005】本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、床蓋等を構成する蓋板を有するとともに、放熱面積の大きな、しかも、コンパクトで熱交換性能のよい熱交換器を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記従来の技術の課題を解決するため、本発明の熱交換器は、複数の直管部を配列し、これらの直管部の隣接する端部間に直管部に対して横方向に連結された曲管部を有する平面形態の蛇行状管材と、この蛇行状管材のそれぞれの直管部の表面に軸線方向にほぼ直交する方向に設けられたフィンとを備え、内部に流体を流通させる熱交換器において、前記蛇行状管材は少なくとも内外2段のユニットにより構成し、内側ユニットのフィンは、管材の直径よりも広幅で薄板細長帯形状をもち、内外方向に関して対向する一対の第1及び第2のフィン部材で構成し、これらのフィン部材の管材の直管部との固着部には管材の外周面に対応する形状の半円筒形凹部をフィン部材の長手方向に形成するとともに、半円筒形凹部の両側は平板フィンとし、半円筒形凹部の長手方向に間隔をおいて切込んだ切込み片を半円筒形凹部のほぼ半径方向外側に立ち上げて立ち上げフィンを形成し、この立ち上げフィンが形成された第1のフィン部材と第2のフィン部材のうちの第1のフィン部材の半円筒形凹部内に、管材の直管部を嵌合させるとともに、第2のフィン部材の半円筒形凹部を第1のフィン部材と反対の側で前記管材の直管部に嵌合させ、立ち上げフィン及び平板フィンの形成されたフィン部材を管材の直管部に固着し、外側ユニットのフィンは、管材との固着部に管材の外周面に対応する形状で直管部の長さに対応する長さの半円筒形凹形溝を複数列形成した波板状部材と、前記第2のフィン部材と同様な第2のフィン部材とにより構成し、この波板状部材の半円筒形凹形溝を管材の直管部の外側から嵌合させるとともに、第2のフィン部材の半円筒形凹部を波板状部材の半円筒形凹形溝の内側で前記管材の直管部に嵌合させ、立ち上げフィン及び平板フィンの形成された第2のフィン部材と、波板状部材とを管材に固着し、前記波板状部材を床蓋として構成したことを特徴とする。
【0007】また、前記課題を解決するため、本発明の熱交換器は、複数の直管部を配列し、これらの直管部の隣接する端部間に直管部に対して横方向に連結された曲管部を有する平面形態の蛇行状管材と、この蛇行状管材のそれぞれの直管部の表面に軸線方向にほぼ直交する方向に設けられたフィンとを備え、内部に流体を流通させる熱交換器において、前記フィンは、管材の直径よりも広幅で薄板細長帯形状をもち内外方向に関して内側のフィン部材と外側の波板状部材とにより構成し、前記フィン部材は、直管部の外周面に対応する形状の半円筒形凹部をフィン部材の長手方向に形成するとともに、半円筒形凹部の両側は平板フィンとし、半円筒形凹部の長手方向に間隔をおいて切込んだ切込み片を半円筒形凹部のほぼ半径方向外側に立ち上げて立ち上げフィンを形成した構成とし、この立ち上げフィンが形成されたフィン部材の半円筒形凹部を、管材の直管部に内側から嵌合させ、前記波板状部材は、管材の直管部の外周面に対応する形状で直管部の長さに対応する長さの半円筒形凹形溝を複数列形成した構成をもち、この波板状部材の半円筒形凹形溝を管材の直管部に外側から嵌合させて、前記フィン部材と、波板状部材とを管材に固着し、前記波板状部材を蓋板として構成したことを特徴とする。
【0008】前記波板状部材は、管材の各直管部ごとに分割して構成することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の熱交換器の一つの実施の形態を冷蔵庫に適用した場合について図1〜図10を参照して説明する。
【0010】図1は、冷蔵庫用の熱交換器(コンデンサ)の全体を示す平面図、図2は、図1の部分拡大図、図3は図2のA−A視部分断面正面図であって、熱交換器(コンデンサ)10は、蛇行状管材11と、フィンを形成するフィン部材12と、波板状部材13と、コネクター14と、連結板15とを備えている。そして、管材11の内部には図示しないコンプレッサによって第1の流体としての冷媒が管材入口Qから管材出口Rへ送られるとともに、第2の流体としての空気は、図1、図2及び図3に矢印Sで示すように蛇行状管材11の直管部に直交する水平方向から流入し、フィン部材12を介して冷媒と熱交換するようになっている。
【0011】管材11は、鋼管からなる複数、例えば、上下すなわち内外2つのユニットで構成されており、それぞれのユニットは、直管部16を水平で並列とし、それらを曲管部17を介して連結して平面形態をもって蛇行するように形成されている。また、管材11の直管部16には後述のフィン部材12及び(または)波板状部材13が固着されている。そして、各管材ユニットの直管部16は、図4に示す連結板15を両端部に嵌めることにより間隔をおいて平行状態で連結されている。ここで、連結板15は、管材11の装着部となる凹部18を両縁部に沿ってピッチPを1/2ずつずらして形成したもので、例えば、鋼板からなり導風板として機能する。また、2つの管材ユニットの端部間は、後述のコネクター14により連結されて連通させられている。
【0012】フィン部材12は、図3及び図6に示すように、第1のフィン部材19と第2のフィン部材20の2枚を上下方向すなわち内外方向に対向させて構成されている。そして、第1のフィン部材19及び第2のフィン部材20共、例えば、鉄板よりなる。ここで、第1のフィン部材19及び第2のフィン部材20は、管材11の直径よりも広幅の薄板細長帯形状で、その長さは管材11の直管部16の長さにほぼ相当する長さとされている。そして、フィン部材12の幅の中央には長手方向に管材11の円筒形周面に対応する形状の半円筒形凹部21が形成されており、この半円筒形凹部21の両側からは平板フィン22が張り出している。そして、半円筒形凹部21を形成する半円筒部には、図2及び図5に示すように長手方向に、例えば、7mmピッチでU字形状の切込み23によって長方形状の切込み片が形成され、この切込み片を半円筒形凹部21からほぼ半径方向外方へ立ち上げて立ち上げフィン24が形成されている。
【0013】ここで、この立ち上げフィン24の基端縁25は、管材11の外径に相当する円弧状をなすため、立ち上げフィン24は、図3及び図6に示すように、これに対応してフィンの幅方向に関して分割(本実施の形態では3分割)されている。そして、この立ち上げフィン24は、図7及び図8に示すように空気流に対する接触をよくし、熱交換器10の熱交換をよくするために、3分割された立ち上げフィン24の管材11の表面に対して立ち上がる角度(折り曲げ角度)をそれぞれ異なるようにして立設されている。また、平板フィン22が管材11と接触する部分には、図5及び図9に示すように管材11の表面に沿うように折曲された折曲部26が形成されており、このようにしたことによりフィン部材12と管材11の接触面積をより大きくすることができるようになっている。
【0014】なお、これらの立ち上げフィン24及び折曲部26の形成等は、すべてプレス加工により自動的に行なわれ、打ち抜き、切断、立設、そして、折曲等の工程が一つの工程で行なわれる。
【0015】以上のようにして形成された図3及び図6の上段側に示す第1のフィン部材19は、その半円筒形凹部21を管材11の直管部16に嵌合させ、この直管部16に第1のフィン部材19と全く同一の第2のフィン部材20の半円筒形凹部21を第1のフィン部材19と反対の側から被せて、第1のフィン部材19と第2のフィン部材20で直管部16を挟持し、2枚の重なった平板フィン22の部分をスポット溶接(あるいはかしめ等)するか、または各半円筒形凹部21と直管部16を直接スポット溶接することにより直管部16とフィン部材12とが固着される。そして、平板フィン22の空気流入側の上段側は、図6に示すように平板フィン22が斜め上方を向き空気の流入方向に向かって開く方向に折曲されて空気を案内するインレット部27が形成されている。
【0016】波板状部材13は、図3及び図10に示すように、床面側すなわち外側のフィンとされるものであって、例えば、鉄板よりなり、図1に示す熱交換器10の下側の管材ユニットの直管部16に対応する大きさの矩形形状とされている。そして、波板状部材13の面には管材11の直管部16に対応する位置に管材11の直管部16の円筒形に対応する形状の半円筒形凹部溝28が平行に形成されている。そして、この半円筒凹部溝28の両側は、隣接する半円筒形凹部溝28にまで延びる平板フィン22aとされている。このようにして形成された波板状部材13は、その半円筒形凹部溝28に下側すなわち外側の管材ユニットの管材11の直管部16を嵌合させ、この直管部16に第2のフィン部材20の半円筒形凹部21を波板状部材13と反対の側、即ち、上側(内側)から嵌合させて、波板状部材13と第2のフィン部材20で管材11の直管部16を挟持し、2枚の重なった平板フィン22、22aの部分をスポット溶接(あるいはかしめ等)するか、波板状部材13の半円筒形凹部溝28と直管部16、あるいは、第2のフィン部材20の半円筒形凹部21と直管部16を直接スポット溶接することにより管材11とフィン部材12及び波板状部材13とが固着される。
【0017】コネクター14は、2つの管材ユニットの管材11の端部29を図3に示すように斜め方向に連結するものであって、鋼板をプレスし、圧力損失をできるだけ少なくする滑らかなカーブ面を有するように形成されている。そして、このコネクター14と連結板15の管材11嵌合用の凹部18のピッチPと幅T(図4)を変えることにより2つの管材ユニットにより構成される熱交換器10の幅及び厚さを調整することができる。なお、コネクター14は、Uベンドの連結管により構成してもよい。
【0018】熱交換器10は、以上のように構成されているので、第1のフィン部材19と第2のフィン部材20及び波板状部材13と第2のフィン部材20の組み付けが容易で量産性がよく、また、フィンのピッチは細かく、かつ、放熱面積は大きく(従来のフィン式熱交換器に比べ、同一仕様で約1.5倍増)とれるので、熱交換器は小型となる。さらに、波板状部材13は蓋板としての床蓋30を兼ねることができるので冷蔵庫の底部の構造は簡単になるとともに、波板状部材13はフィンに対して空気を流すダクトも兼ねることができる。
【0019】なお、本実施の形態では、管材11及びフィン部材12は鋼材としたが、銅、アルミニウム等の伝熱性に優れた材質で構成してもよい。また、熱交換は空気によるものとしたが、水等の液体でもよい。また、波板状部材13は、1枚の平板によるものとしたが、管材11の各直管部16に対応した細長帯形状の板材(第2のフィン部材20と同様な板材)で形成し、隣接するもの同士を長手方向を溶接してもよい。また、場合によっては隣接するもの同士の間に隙間をあけておくこともできる。
【0020】また、前述の実施形態では熱交換器を冷蔵庫の底部に設置したものとして説明したが、本発明の熱交換器は冷蔵庫の背面に設置することもできる。この場合には背後へ向かう側が外側で、冷蔵庫に近い側が内側になる。さらに、前記波板状部材とそれに対向する第2のフィン部材の半円筒形凹部と半円筒形凹形溝は、それが管材直管部を覆う中心角の割合を変えることができる。例えば第2のフィン部材の半円筒形凹部が直管部の外周の大部分を覆うまで中心角を拡大すると、波板状部材の半円筒形凹形溝の中心角は小さくなり、極限状態では波板状部材は単なる平板になる。本発明はこのような場合をも含むものである。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、フィン部材に半円筒形凹部と平板フィンを形成し、半円筒形凹部に切込んだ切込み片を立ち上げた立ち上げフィンを形成して、半円筒形凹部内に管材を嵌合させ、対向するフィン部材で管材を挟持して管材とフィン部材を固着するので、立ち上げフィンのピッチが細かくでき、したがって、放熱面積が多くとれ、熱交換性能のよい省エネルギーに適した熱交換器を提供することができる。
【0022】そして、大きさも立ち上げフィンの数を多くすることで小型でコンパクトにできるので、この熱交換器は冷蔵庫の底板下部や背面等の発熱の影響しない処に単体で設置することができる。また、フィン部材で管材を挟持し、このフィン部材には平板フィンと立ち上げフィンを一工程のプレス加工で形成することができるので、生産性に優れるとともに組み立てが容易で量産性に優れ、低コストの熱交換器とすることができる。
【0023】そして、波板状部材は蓋板を兼ねるので、冷蔵庫の底部または背部の構造は簡単で安価になるとともにフィンに対する空気のダクトともなり、熱交換性能が向上する。その上、熱交換器を単体で設置することによりリサイクル時の取外しが容易になる等の効果を奏する。
【出願人】 【識別番号】000001889
【氏名又は名称】三洋電機株式会社
【識別番号】390039929
【氏名又は名称】三桜工業株式会社
【出願日】 平成9年(1997)10月15日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 一雄 (外3名)
【公開番号】 特開平11−118376
【公開日】 平成11年(1999)4月30日
【出願番号】 特願平9−281689