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【発明の名称】 ヒートパイプ熱結合装置
【発明者】 【氏名】松井 孝夫

【要約】 【課題】この発明は、簡便な組立作業を実現したうえで、高精度な熱結合を実現し得るようにすることにある。

【解決手段】略直交配置される第1及び第2の構造体10,11のうち一方の第2の構造体11の第2のヒートパイプ13に配管方向と略直交する方向に露出される結合部13aを第1の構造体10の内面側に対応させて設けて、この結合部13aに対して熱結合部材14を熱的に結合配置し、ボルト部材16を第1の構造体10の外部から該第1の構造体10に挿通させた後、熱結合部材14の蓋体15に固着したナット部材15aに螺合させ、ボルト部材16を螺合調整して熱結合部材14を第1の構造体10に圧接させることにより、第1の構造体10を第2のヒートパイプ13に対して熱結合部材14を介して熱的に結合させるように構成したものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 第1の構造体に埋設され、該第1の構造体を熱制御する第1のヒートパイプと、前記第1の構造体に対して略直交して組合わせ配置される第2の構造体に対して一端部が配管方向と略直交する方向に露出されて埋設される該第2の構造体を熱制御する第2のヒートパイプと、この第2のヒートパイプの一端部に熱結合されて取付けられるものであって、前記第1の構造体の一方面に圧接される取付面を有し、該取付面に複数の螺子穴が設けられた熱結合部材と、この熱結合部材の取付面を前記第1の構造体の一方面に対向配置させた状態で、前記第1の構造体の他方面側から該第1の構造体に挿通されて前記熱結合部材の螺子穴に螺着され、該熱結合部材の取付面を前記第1の構造体に圧接して熱結合させるボルト部材とを具備したヒートパイプ熱結合装置。
【請求項2】 前記第1の構造体には、熱結合部材の複数の螺子穴に対応して複数の挿通穴が設けられたことを特徴とする請求項1記載のヒートパイプ熱結合装置。
【請求項3】 前記複数の螺子穴は、ナット部材で構成され、熱結合部材に位置調整自在に設けられることを特徴とする請求項1又は2に記載のヒートパイプ熱結合装置。
【請求項4】 前記第1及び第2の比熱制御構造体は、宇宙構造物を構成することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のヒートパイプ熱結合装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば人工衛星を含む宇宙航行体の熱制御を行うヒートパイプ同士を熱結合するのに用いるヒートパイプ熱結合装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、宇宙開発の分野においては、宇宙搭載機器等の発熱体を温度制御する熱制御手段として、熱輸送するヒートパイプを用いて発熱体の熱量を宇宙航行体本体の周壁に導いて、この熱量を宇宙空間に放熱することにより、熱制御を行う方法が採られている。
【0003】ところで、上記宇宙航行体を含む宇宙構造物は、一般に、ハニカム構造の構造体で形成され、その構造体内には、上記ヒートパイプがそれぞれ埋設されて該ヒートパイプにより熱制御される。これにより、構造体に対して熱的に結合されて配置される発熱体は、ヒートパイプで熱制御されている構造体を介して所望の温度状態に制御される。
【0004】そこで、宇宙構造物を構成する複数の構造体は、高効率な熱制御を実現するために、それぞれ隣接する構造体に埋設されるヒートパイプと熱的に結合されて全体が均一な温度状態に設定されように取付配置される。
【0005】このような一方の構造体に埋設されたヒートパイプを隣接する構造体と熱結合させるヒートパイプ熱結合手段としては、ヒートパイプの端部に結合部材を熱的に結合させて取付けて、この結合部材を隣接する構造体に螺子止め等により、所定の圧力を持たせて取付けることにより、構造体相互間を熱的に結合させる。これにより、宇宙構造物として、全体が略均一に熱制御されて、所望の温度状態に設定される。
【0006】しかしながら、上記ヒートパイプ熱結合手段では、構造体を構造物として、組立てた状態において、その構造体の内部側に結合部材を取付けなければならないために、その組立作業が非常に面倒であるという問題を有する。
【0007】係る問題は、宇宙構造物が、通常、宇宙空間への輸送等を考慮して、最小限の容積を有するように設計されることで、製作の際の重大な課題の一つとなっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、従来のヒートパイプ熱結合手段では、その組立作業が非常に面倒であるという問題を有する。この発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、簡便な組立作業を実現したうえで、確実にして、高精度な熱結合を実現し得るようにしたヒートパイプ熱結合装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明は、第1の構造体に埋設され、該第1の構造体を熱制御する第1のヒートパイプと、前記第1の構造体に対して略直交して組合わせ配置される第2の構造体に対して一端部が配管方向と略直交する方向に露出されて埋設される該第2の構造体を熱制御する第2のヒートパイプと、この第2のヒートパイプの一端部に熱結合されて取付けられるものであって、前記第1の構造体の一方面に圧接される取付面を有し、該取付面に複数の螺子穴が設けられた熱結合部材と、この熱結合部材の取付面を前記第1の構造体の一方面に対向配置させた状態で、前記第1の構造体の他方面側から該第1の構造体に挿通されて前記熱結合部材の螺子穴に螺着され、該熱結合部材の取付面を前記第1の構造体に圧接して熱結合させるボルト部材とを備えてヒートパイプ熱結合装置を構成したものである。
【0010】上記構成によれば、第1及び第2の構造体を組立てた状態で、ボルト部材を、第1の構造体の他方面側から該第1の構造体を挿通させて、第2の構造体の第2のヒートパイプに熱結合されて取付けられた熱結合部材の螺子穴に対して該熱結合部材を、第1の構造体の一方面に圧接させるように螺着することにより、第1の構造体が、熱結合部材を介して第2の構造体の第2のヒートパイプと熱的に結合される。従って、第1及び第2の構造体の組立後に、ボルト部材を熱結合部材の螺子穴に螺着するだけの作業で、相互間の確実な熱結合が実現され、相互間の効率的な熱伝導が可能となり、熱結合作業の簡略化が図れる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。図1はこの発明の一実施の形態に係るヒートパイプ熱結合装置を示すもので、第1及び第2の構造体10,11は、例えばハニカム構造に形成されて図示しない取付装置により略直交して取付配置され、宇宙構造物を構成する。これら第1及び第2の構造体10,11には、熱輸送用の第1及び第2のヒートパイプ12,13が、例えば複数本埋設される。
【0012】第1及び第2のヒートパイプ12,13には、それぞれ一端部に配管方向と略直交する方向(第1の構造体の面方向)に露出される結合部13a(図1においては、図の都合上、第2のヒートパイプ側のみ図示)が第1の構造体10の面方向に対応して設けられる。そして、この結合部13aには、例えばアルミニウム製の熱結合部材14が熱的に結合されて取付けられる。
【0013】熱結合部材14には、凹状の複数の収容部14aが設けられ、この収容部14aには、第2のヒートパイプ13の結合部13aがそれぞれ収容される。そして、熱結合部材14の収容部14a上には、蓋体15が第2のヒートパイプ13の結合部13aが収容された状態で被されて、例えば蓋体15が収容部14aの側壁等に螺着され、第2のヒートパイプ13の結合部13aが熱的に結合されるように固着される。
【0014】また、熱結合部材14には、取付面14bが第1の構造体10の内面側に対応して設けられ、この取付面14bには、透孔(図の都合上、図示せず)を有する取付部14cが所定の間隔を有して設けられる(図2参照)。そして、この複数の取付部14cの透孔(図示せず)に対向する蓋体15には、例えばナット部材15aがそれぞれ位置調整可能に取付けられる。
【0015】上記第1の構造体10には、図2に示すように複数の挿通穴10aが熱結合部材14の取付部14cに対応して設けられる。そして、この第1の構造体10の挿通穴10aには、該第1の構造体10の外面側(一端面側)よりそれぞれボルト部材16が挿入され、このボルト部材16の先端部が熱結合部材14の取付部14cの透孔(図示せず)に挿入されて蓋体15のナット部材15aに螺合される。これにより、熱結合部材14は、ボルト部材16が締付けられると、その取付面14aが第1の構造体10の内面側に圧接され、該第1の構造体10と第2の構造体11の第2のヒートパイプ13とを熱的に結合させる。
【0016】なお、第1の構造体10は、その第1のヒートパイプ12が略直交配置される図示しない他の構造体と、略同様に熱結合部材14を介して熱的に結合され、第2の構造体11は、略直交配置される他の構造体のヒートパイプと、略同様に熱結合部材14を介して熱的に結合され、宇宙構造物全体が熱的に結合される。
【0017】上記構成において、第1及び第2の構造体10,11が上記取付装置により、略直交して結合された状態において、第2の構造体11の第2のヒートパイプ13に熱的に結合されて取付けられた熱結合部材14は、その取付面14bが第1の構造体10の内面側に対向される。ここで、第1の構造体10の挿通穴10aにボルト部材16が挿入されて、該ボルト部材16の先端部が熱結合部材14の取付部14cの透孔(図示せず)に挿通され、蓋体15のナット部材15aに螺着される。ここで、ボルト部材16は、ナット部材15aに対して締付けられると、熱結合部材14の取付面14bを第1の構造体10に圧接する。これにより、第2の構造体11の第2のヒートパイプ13は、熱結合部材14を介して第1の構造体10と熱的に結合され、相互間の高効率な熱伝導が実現され、図示しない発熱体の高効率な熱制御が実現される。
【0018】このように、上記ヒートパイプ熱結合装置は、略直交配置される第1及び第2の構造体10,11のうち一方の第2の構造体11の第2のヒートパイプ13に配管方向と略直交する方向に露出される結合部13aを第1の構造体10の内面側に対応させて設けて、この結合部13aに対して熱結合部材14を熱的に結合配置し、ボルト部材16を第1の構造体10の外部から該第1の構造体10に挿通させた後、熱結合部材14の蓋体15に固着したナット部材15aに螺合させ、ボルト部材16を螺合調整して熱結合部材14を第1の構造体10に圧接させることにより、第1の構造体10を第2のヒートパイプ13に対して熱結合部材14を介して熱的に結合させるように構成した。
【0019】これによれば、第1及び第2の構造体10,11の組付け状態において、ボルト部材16を、第1の構造体10の外部側から該第1の構造体10を挿通させて、熱結合部材14の蓋体15のナット部材15aに螺合させ、該熱結合部材14を第1の構造体14の内面に圧接するように螺合調整することにより、第1の構造体10が第2の構造体11の第2のヒートパイプ12に熱結合部材14を介して熱的に結合され、相互間で効率的な熱伝導が実現される。したがって、宇宙構造物の組立作業に影響されることなく、簡便な取付作業が実現され、宇宙構造物の設計を含む製作の簡略化が図れる。
【0020】なお、上記実施の形態では、熱結合部材14を構成する蓋体15にナット部材15aを位置調整自在に設けるように構成した場合で説明したが、これに限ることなく、例えば熱結合部材14の取付部14cに螺子穴を設けたり、あるいは熱結合部材14に固着される蓋体15に螺子穴を設け、この螺子穴にボルト部材16を螺着するように構成することも可能である。よって、この発明は上記実施の形態に限ることなく、その他、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を実施し得ることは勿論のことである。
【0021】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明によれば、簡便な組立作業を実現したうえで、確実にして、高精度な熱結合を実現し得るようにしたヒートパイプ熱結合装置を提供することができる。
【出願人】 【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
【出願日】 平成9年(1997)11月28日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦 (外6名)
【公開番号】 特開平11−159981
【公開日】 平成11年(1999)6月15日
【出願番号】 特願平9−328338