| 【発明の名称】 |
二重管式熱交換器 |
| 【発明者】 |
【氏名】大島 克夫
|
| 【要約】 |
【課題】被冷却流体の粘度が高い状態であっても、この被冷却流体を円滑に流通させることができる二重管式熱交換器を提供する。
【解決手段】外周部に第一のフィン17を有する外管13と外周部に第二のフィン25を有する内管15とを備え、外管13と内管15との間の環状空間および内管15の内部に流体を供給可能に形成した二重管式熱交換器において、内管15の軸心p1と外管13の軸心p2とをずらしたものである。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 外周部に第一のフィンを有する外管と外周部に第二のフィンを有する内管とを備え、前記外管と内管との間の環状空間および前記内管の内部に流体を供給可能に形成した二重管式熱交換器において、前記内管の軸心と前記外管の軸心とをずらしたことを特徴とする二重管式熱交換器。 【請求項2】 外周部に第一のフィンを有する外管と外周部に第二のフィンを有する内管とを備え、前記外管と内管との間の環状空間および前記内管の内部に流体を供給可能に形成した二重管式熱交換器において、前記第一のフィンを前記外管の外周部に転造加工により形成し、前記第二のフィンを螺旋状に形成すると共に、前記内管の外周部に巻き付け、かつ前記内管の軸心と前記外管の軸心とをずらしたことを特徴とする二重管式熱交換器。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、外管と内管とを備える二重管式熱交換器に関する。 【0002】 【従来の技術】一般に、車のエンジンの潤滑系に用いられるエンジンオイルは例えば80℃程度で使用するのが望ましいとされている。そのため例えば油温の上がりやすい高性能エンジンでは、熱交換器(オイルクーラ)によって高温になったオイルを冷却することが行われる。このような熱交換器は、水冷式と空冷式とに分類できるが、より熱交換率を高めるために水冷却および空冷却の両方を利用する熱交換器が提案されている。このような熱交換器は外管内に内管を挿入して設けているために、二重管式熱交換器と呼ばれる。通常、外管の外周には第一のフィンが設けられ、内管の外周には熱交換効率を高めるために第二のフィンが設けられる。この第二のフィンは螺旋状をなしており、熱交換率を高めるために、螺旋状フィンのフィン間に形成される流路断面積は極めて小さく形成されている。 【0003】前記構成の熱交換器(オイルクーラ)では、外管と内管との間の環状空間に被冷却流体(例えばエンジンオイル)を流し、この冷却流体を、内管の内部を流れる流体(例えば冷却水)と、外管の外周部の第一のフィン間を流れる流体(例えば空気)とによって冷却するように構成される。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記した二重管式熱交換器では、まず第一のフィンおよび第二のフィンを製造するために、専用の金型が必要になり、そのための設備投資およびフィンの加工費が大きくなるという問題がある。 【0005】ついで、上記した二重管式熱交換器では、例えば粘度が高い被冷却流体が螺旋状流路を流れるときには、螺旋状流路の流路断面積が小さいことにより被冷却流体の流路抵抗が増大し、被冷却流体を循環させるポンプに大きい負荷がかかると共に、熱交換効率が低下するという問題がある。 【0006】そこで、本発明の目的は、上述した従来の技術が有する課題を解消し、製造コストを抑え、かつ被冷却流体の粘度が高い状態であっても、この被冷却流体を円滑に流すことができる二重管式熱交換器を提供することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、外周部に第一のフィンを有する外管と外周部に第二のフィンを有する内管とを備え、前記外管と内管との間の環状空間および前記内管の内部に流体を供給可能に形成した二重管式熱交換器において、前記内管の軸心と前記外管の軸心とをずらしたことを特徴とするものである。 【0008】この発明によれば、外管の軸心と内管の軸心とがずらされるので、第二のフィンは外管の内周部の一方に片寄る。従って、外管の内周部の他方には第二のフィンが存在しない空間が形成されるので外管と内管との間の環状空間の流路抵抗は全体としては小さくなる。この環状空間を流れる流体が低粘度の流体であったとしても、流路抵抗が全体として小さいので、流体を循環させるポンプに大きい負荷がかかることはなく、熱交換効率が低下することはない。 【0009】請求項2記載の発明は、外周部に第一のフィンを有する外管と外周部に第二のフィンを有する内管とを備え、前記外管と内管との間の環状空間および前記内管の内部に流体を供給可能に形成した二重管式熱交換器において、前記第一のフィンを前記外管の外周部に転造加工により形成し、前記第二のフィンを螺旋状に形成すると共に、前記内管の外周部に巻き付け、かつ前記内管の軸心と前記外管の軸心とをずらしたことを特徴とするものである。 【0010】この発明によれば、更に第一のフィンを転造加工により形成し、第二のフィンを螺旋状に形成すると共に内管の外周部に巻き付けて形成するので、フィンを製造する金型が不要になって製造コストを低減できる。 【0011】 【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。 【0012】図1において、符号1はエンジンオイルの冷却システムを示す。このエンジンオイルの冷却システム1はエンジン冷却水用のラジエータ7と循環ポンプ9とオイルクーラ(二重管式熱交換器)11とを管路3で接続して構成される。このオイルクーラ11には点線で示すようにエンジンオイル(被冷却流体)が流され、このエンジンオイルは管路3を流れる冷却水と空気とにより冷却される。 【0013】オイルクーラ11は、図2に示すように、外管13と内管15とを備える二重管式熱交換器である。外管13の外周部には第一のフィン17が多数列に亘って形成される。この第一のフィン17は転造加工により形成される。すなわち第一のフィン17はアルミニウム製の筒状外管素材とロール状工具とを回転させつつ両者を押しつけて工具表面の立体形状を、当該筒状外管素材に圧印することにより筒状外管素材に一体的に形成される。 【0014】この外管13の両端にはアルゴン溶接によってアルミニウム製の端板18が接続される。また、外管13の外壁13aには例えば銅製のオイル入口管19およびオイル出口管21がアルゴン溶接によって接続される。符号23は取付け部であり、このオイルクーラ11は、当該取付け部23を用いて例えばエンジンルーム等(図示せず)の固定部に取り付けられる。 【0015】前記外管13には両端の端板18を貫通してアルミニウム製の内管15が取り付けられ、この内管15の外周部にはアルミニウム製の真円状の第二のフィン(螺旋状フィン)25が螺旋状に巻き付けられる。この第二のフィン25のフィン間には螺旋状流路25aが形成される。内管15の内周部には、図4に示すように、インナーフィン26が押出し成形により一体的に形成される。なお、符号29は冷却水の入口管であり、31は冷却水の出口管である。 【0016】この実施形態では、図2および図3に示すように、内管15の軸心p1と外管13の軸心p2とがずらして配置される。従って、内管15の外周部の真円状の第二のフィン25は外管13の内周部の一方に片寄ることになる。 【0017】これによれば、外管13の内周部の他方には第二のフィン25が存在しない空間27が形成される。従って、外管13と内管15との間の環状空間の流路抵抗は、当該空間27の存在によって全体としては小さくなる。 【0018】次に、この実施形態の動作を説明する。 【0019】図2に示すように、エンジンオイルはオイル入口管19を介して外管13と内管15との間の環状空間、すなわち前記螺旋状流路25aに入り、図3に示すように螺旋状に回転しながら、オイル出口管21側に移動し出口管21から排出される。この過程では、オイルクーラ11の内管15を流れる冷却水との間で熱交換が行われると共に、外管13の外周部の第一のフィン17のフィン間を流れる空気との間で熱交換が行われてこのエンジンオイルは冷却される。 【0020】この実施形態では、熱交換効率を高めるために、外管13と内管15との間の環状空間、すなわち螺旋状流路25aは、流路断面積が非常に小さく形成される一方で、内管15の軸心p1と外管13の軸心p2とはずらして配置され、内管15の外周部の真円状の第二のフィン25は外管13の内周部の一方に片寄って、外管13の内周部の他方には第二のフィン25が存在しない空間27が形成される。従って、外管13と内管15との間の環状空間の流路抵抗は、空間27が存在する分だけ、全体としては小さくなるので、前記環状空間を流れる流体が低粘度の流体であったとしても、流体を循環させるポンプ(図示せず)に大きい負荷がかかることはなく、熱交換効率を向上させることができる。 【0021】また、この実施形態では、第一のフィン17を転造加工により形成し、第二のフィン25を螺旋状に形成すると共に内管15の外周部に巻き付けて形成するので、従来のものに比べると、フィン加工のための単独工程は不要になり、フィンと管(内管)とをアッセンブリするか、或いはフィンを管(外管)の外周に一体形成するかのいずれかであるので、フィン製造用の専用の金型は不要になり、フィンの製造コストを従来のものに比べ抑制することができる。 【0022】以上、一実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。この発明はオイルクーラに限定されず他の用途に用いられる二重管式熱交換器にも適用が可能であることは言うまでもない。 【0023】 【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、外管の軸心と内管の軸心とがずらされるので、第二のフィンは外管の内周部の一方に片寄る。従って、外管の内周部の他方には第二のフィンが存在しない空間が形成されるので外管と内管との間の環状空間の流路抵抗は全体としては小さくなる。この環状空間を流れる流体が低粘度の流体であったとしても、流路抵抗が全体として小さいので、流体を循環させるポンプに大きい負荷がかかることはなく、熱交換効率が低下することはない。 【0024】請求項2記載の発明によれば、更に第一のフィンを転造加工により形成し、第二のフィンを螺旋状に形成すると共に内管の外周部に巻き付けて形成するので、フィンを製造する金型が不要になって製造コストを低減できる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000186843 【氏名又は名称】昭和アルミニウム株式会社
|
| 【出願日】 |
平成9年(1997)10月20日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】櫛渕 昌之 (外1名)
|
| 【公開番号】 |
特開平11−118370 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)4月30日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−304850 |
|