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【発明の名称】 白煙防止機能付きの直交流式冷却塔
【発明者】 【氏名】小宮重次郎

【要約】 【課題】上部水槽を外気取り入れ口の幅方向において少なくとも3つの散水部分に区画し、密閉式熱交換器を各散水部分に対応して少なくとも3つの熱交換部分に外気取り入れ口の幅方向で区画することで、乾き空気の発生量を調整し、白煙の発生を防止する。

【解決手段】白煙の発生し易い時期においては、両側の熱交換部分B1、B3のみで、散布水と循環冷却水との間接熱交換を行い、空気流により散布水を間接的に冷却し、湿り空気として排気側へ吐出し、中央の熱交換器部分B2は無散水とし、空気流を高温低湿とし排気口から吐出し、非過飽和状態で吐出し、白煙発生を防止する。次に加熱空気量を増大させたい場合には、中央の散水部分10bのみから散布水の散水を行い、両側の散水部分10a、10cからの散水を停止し、多量の加熱空気量を発生させて白煙の発生を防止する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】上部水槽の下方に密閉式熱交換器が上下階層的に配置してあり、これら密閉式熱交換器の供給端部は排気口側の共通の供給ヘッダーに、その吐出端部は外気取り入れ側の共通の吐出ヘッダーに各々接続してある直交流式冷却塔において、前記上部水槽は前記外気取り入れ口の幅方向において少なくとも3つの散水部分に区画され、これら密閉式熱交換器は前記各散水部分に対応して少なくとも3つの熱交換部分に前記外気取り入れ口の幅方向で区画されており、各散水部分に散布水を供給する供給管にはそれぞれ開閉弁が設けてあることを特徴とする白煙防止機能を有する直交流式冷却塔。
【請求項2】前記上部水槽は直交流式冷却塔の外気取り入れ口の幅方向において3つの散水部分に区画され、前記各段の各密閉式熱交換器は一本の冷却コイルからなり、これら密閉式熱交換器は前記各散水部分に対応して3つの熱交換部分に区画されており、この3つの熱交換部分のうち、中央の熱交換部分はフイン付管からなることを特徴とする請求項1記載の白煙防止機能付きの直交流式冷却塔。
【請求項3】前記3つの熱交換部分において、その両側の熱交換部分と中央の熱交換部分の境界部に垂直な仕切り板が介設されていることを特徴とする請求項1記載の白煙防止機能付きの直交流式冷却塔。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】この発明は中間期、冬期における白煙の発生を防止する機能を具備する直交流式冷却塔に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の冷却塔は実開昭63ー190764、特開平2ー50083号などの公報に既に記載され、公開されており初期の白煙防止効果を奏している。
【0003】このような先行技術のうち、実開昭63ー190764公報に記載された冷却塔においては密閉式熱交換器を空気流れ方向、即ち冷却塔奥行き方向で2つに区分して外気取り入れ口側の一方を湿式冷却部として裸管で構成し、排気口側の他方を湿乾両用の冷却部としてフィン付き管で構成されている。従って、中間期、冬期において前記フィン付き管への散水を停止し、前記裸管において循環水を間接冷却して高温化した湿り空気をこのフィン付き管に通し、フィン付き管内を流れる高温の循環水で前記湿り空気を加温し、その絶対湿度を低下させ、乾き空気として排気口から排気し、白煙の発生を低減しているが、前記裸管とフィン付き管の配置関係から、乾き空気の発生量を前記裸管への散布水の散水量の増減により多少変更できるが、2倍、又は2分の1のように大きく変更することは不可能である。
【0004】次に本件出願人会社が開発した特開平2ー50083号公報に記載された冷却塔は、合成樹脂製湿式熱交換器と合成樹脂製乾式熱交換器を充填し、前記湿式熱交換器を通過した湿り空気と乾式熱交換器を通過した乾いた空気の混合空気を大気に排気する排気口に送風機が設けてある白煙防止機能を有する直交流式冷却塔を前提条件として、前記湿式熱交換器の空気取り入れ口と、乾式熱交換器の空気取り入れ口が同一の冷却塔外気取り入れ口に対面し、前記湿式熱交換器の空気通路と、乾式熱交換器の空気通路が相互平行とし、隣接する熱交換器の機種を異にして、交互にこれら熱交換器が数段にわたり階層的に装填されていることを特徴とするものであるが、これにおいても、前記実開昭63ー190764公報に記載された冷却塔同様に、乾き空気の発生量は前記熱交換器への散布水の散水量の増減により多少変更できるが、2倍、又は二分の一のように大きく変更することは不可能である。
【0005】前記先行例のように乾き空気の発生量の変更を大きく変更出来ないと、外気温が大幅に低下したり、梅雨時の高多湿の状態において多量の乾き空気、即ち、空気加熱量を必要とする場合に対応出来ない場合が生じ、本来の白煙の発生を防止する機能を発揮出来ない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、前記課題を上部水槽及び密閉式熱交換器の改良により、乾き空気の発生量が大きく変化でき、外気温が大幅に低下したり外気が多湿のときにおいても空気加熱量を大きく変更でき、充分な白煙防止効果が発揮でき白煙防止機能付きの直交流式冷却塔を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するために特定発明は、上部水槽の下方に密閉式熱交換器が上下階層的に配置してあり、これら密閉式熱交換器の供給端部は排気口側の共通の供給ヘッダーに、その吐出端部は外気取り入れ側の共通の吐出ヘッダーに各々接続してある直交流式冷却塔において、前記上部水槽は前記外気取り入れ口の幅方向において少なくとも3つの散水部分に区画され、これら密閉式熱交換器は前記各散水部分に対応して少なくとも3つの熱交換部分に前記外気取り入れ口の幅方向で区画されており、各散水部分に散布水を供給する供給管にはそれぞれ開閉弁が設けてあることを特徴とする白煙防止機能を有する直交流式冷却塔としてある。
【0008】前記上部水槽は直交流式冷却塔の外気取り入れ口の幅方向において3つの散水部分に区画され、前記各密閉式熱交換器は一本の冷却コイルからなり、これら密閉式熱交換器は前記各散水部分に対応して3つの熱交換部分に区画されており、この3つの熱交換部分のうち、中央の熱交換部分はフイン付管からなることを特徴とすることが望ましい。
【0009】前記3つの熱交換部分において、その両側の熱交換部分と中央の熱交換部分の境界部に垂直な仕切り板が介設されていることもある。
【0010】
【作用】前記のように構成した各請求項に記載した発明の共通の作用は次の通りである。夏期においては、この種の直交流式冷却塔同様に全ての散水部分から下方の前記熱交換器群全てに散布し、熱交換器群内を循環する循環冷却水を間接的に冷却する。
【0011】次に日本の梅雨時のように高温多湿の時期及び冬期の時期である白煙の発生し易い時期には次のように作用する。
【0012】中央の散水部分への供給管に設けた開閉弁を閉じ、両側の散水部分にのみ、供給管から散布水を供給し、前記両側に位置する熱交換部分のみにおいて、散布水と循環冷却水との間接熱交換を行い、この部分において空気流により散布水を間接的に冷却し、湿り空気として排気側へ吐出し、中央の熱交換器部分においては無散水とし、循環冷却水を間接的に空冷加熱空気として排気口へ吐出し、湿り空気と乾き空気の混合流として、排気口へ向け上昇させ、全体として空気流を高温低湿とし排気口から吐出し、非過飽和状態で吐出し、白煙発生を防止する。
【0013】次に加熱空気量を増大させる場合には、中央の散水部分からのみ散布水の散水を行い、両側の散水部分からの散水を停止し、前記に比べて略2倍の加熱空気量を発生させて白煙の発生を防止する。
【0014】この際フイン付間に設けたフインにより、両側の熱交換部分へ散布された循環水へ散布された循環水の一部が、中央熱交換部分から排気口に向け吹き出される。
【0015】殊に、請求項2記載の発明における特有の作用は次の通りである。冬期及び夏期の梅雨時において、一本の冷却コイルにおける3つの熱交換部分のうち、無散水域が中央の場合には、フイン付き管内を流れる循環冷却水は空冷式で冷却され、外気流は乾き空気流となって冷却塔排気口に向け流れる。
【0016】また、無散水域が両側の場合には、裸管内を流れる循環冷却水は空冷式で冷却され、外気流は乾き空気流となり前記排気口に向け流れる。
【0017】また、夏期における全面散水時には、中央のフイン付管においては、循環冷却水間接的に冷却することで自身昇温した散布水はフインを介して空気と直接接触し気化の潜熱作用を受けて冷却される。
【0018】請求項3記載の発明特有の作用としては、前記仕切板によって、両側と中央部の熱交換部分間での循環冷却水の往来が阻止され、乾き空気は所定の量で発生する。
【0019】
【実施例】次に、発明の代表的な実施例を説明する。
実施例1請求項1乃至2に記載の発明の代表的な実施例であり、図1においてAは白煙防止機能を有する直交流式冷却塔であり、その上部水槽10の下方に密閉式熱交換器Bが上下階層的に数個配置してあり、これら密閉式熱交換器の供給端部は排気口11側の共通の供給ヘッダー12に、その吐出端部は外気取り入れ口13側の共通の吐出ヘッダー14に各々接続してある。この上部水槽10は前記外気取り入れ口13の幅方向において3つの散水部分10a、10b、10cに区画され、これら密閉式熱交換器Bは前記各散水部分10a、10b、10cに対応して少なくとも3組の熱交換部分B1、B2、B3に前記外気取り入れ口13の幅方向で区画されており、各散水部分10a、10b、10cに散布水を供給する供給管15にはそれぞれ開閉弁16a、16b、16cが設けてある。前記各段の密閉式熱交換器Bはそれぞれ一本の冷却コイルからなり、前記幅方向に並ぶ3つの熱交換部分B1、B2、B3のうち、中央の熱交換部分B2はフイン付管20からなり、その両側の熱交換部分B1、B3は上下隣接する裸管21の間に合成樹脂製の充填板28を介在させて成る(図1、図2及び図3参照)。
【0020】実施例2請求項3記載の発明の代表的な実施例であり、実施例1と異なるところは、一本の冷却コイルにおける3つの熱交換部分B10、B20、B30のうち、その両側の熱交換部分B10、B30と中央の熱交換部分B20の境界部に垂直な仕切り板26が介設されている(図4参照)。その他、実施例1と同一の符号は同一の構成、作用を示す。前記各実施例の作用は、対応する請求項に記載された考案の作用と同じため、ここでの説明を省略する。
【0021】
【発明の効果】前記のように構成し作用する本件発明の効果は次の通りである。請求項1記載の特定発明において、前記散水部分からの散水を適宜選択することで、空気加熱量を大きく変更でき、乾き空気の発生量を調整し、白煙の発生を防止できる。即ち、直交流式冷却塔の冬期運転時における厳冷時期、梅雨時の高多湿時期において、散水部分の散水域を削減することにより、多量の乾き空気を発生させ、この冷却塔排気口からの白煙を有効に消すことができる。
【0022】請求項2記載の発明においては、特定発明の効果に加えて、前記各密閉式熱交換器を一本の冷却コイルで構成することで、この熱交換器の構造を単純化できると共に、その中央の熱交換部分をフイン付管とすることにより、両側の熱交換部分の散布した循環水の一部が中央の熱交換部分へ侵入するのをこのフイン付管に設けたフインにより阻止することができる。この結果この中央の熱交換部分から所定量の乾き空気を発生することができる。
【0023】請求項3に記載した発明においては、請求項1記載の発明同様の効果を奏する他に、両側の熱交換部分と中央の熱交換部分の境界部に介設された垂直な仕切板により、両側の熱交換部分と中央の熱交換部分間での循環冷却水の往来を阻止し、乾き空気発生部に循環冷却水の一部が侵入するのを阻止し、所定料の乾き空気を確実に発生させ、白煙の発生をより確実に防止できると共に、密閉式熱交換器の構造を簡略化できる。
【出願人】 【識別番号】390003115
【氏名又は名称】株式会社荏原シンワ
【出願日】 平成3年(1991)4月4日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】山田 正国
【公開番号】 特開平11−248374
【公開日】 平成11年(1999)9月14日
【出願番号】 特願平11−4905