| 【発明の名称】 |
焼結原料の装入方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】小野 力生
【氏名】相沢 完二
【氏名】大山 伸幸
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| 【要約】 |
【課題】堆積焼結原料層の嵩密度を小さくすることで、焼結鉱の生産性の向上を図る。
【解決手段】磁石を内蔵したシュートを通してドワイトロイド式焼結機のパレット上に焼結原料層を形成するに当たって、焼結原料を構成する着磁性原料の種類または割合に応じて磁石の焼結原料に及ぼす磁力を調整して上層部において着磁性原料を多く偏析させた焼結原料層を形成する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 磁石を付帯して設けたスローピングシュートを通じてドワイトロイド式焼結機のパレット上に焼結原料層を形成するに当たり、焼結原料を構成する着磁性原料の種類または割合に応じ、磁石の焼結原料に及ぼす磁力を調整することにより、着磁性の原料を上層部に多く偏析させた焼結原料層を形成するようにしたことを特徴とする焼結原料の装入方法。 【請求項2】 磁石とスローピングシュート上の原料との距離を調整して焼結原料に及ぼす磁力を調整するようにしたことを特徴とする請求項1に記載した装入方法。 【請求項3】 磁石の磁束密度を調整して焼結原料に及ぼす磁力を調整するようにしたことを特徴とする請求項1または2に記載した装入方法。 【請求項4】 スローピングシュートならびに磁石は、その相対位置を変えられるように支持したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載した装入方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、高炉装入原料の一つである, 例えば焼結鉱を製造するのに用いられるドワイドロイド式焼結機の焼結原料の装入方法に関し、該焼結機のパレット上における原料層の嵩密度を小さくすることによって焼結鉱の生産性の向上を図ろうとするものである。 【0002】 【従来の技術】ドワイトロイド式焼結機(以下、「DL焼結機」という)を用いて焼結鉱を製造するには、まず粉状鉄鉱石、ミルスケール等の含鉄原料に石灰石、蛇紋岩、返鉱等を加え、燃料源としてコークス粉、高炉ダスト等を添加して焼結原料とし、これを水分7%程度に調整し造粒する。そして、造粒された焼結原料2は、次に、図1に示すように給鉱ホッパー1からドラムフィーダー3によって切り出し、プレート式のスローピングシュート4に供給していた。 【0003】焼結原料2は、スローピングシュート4上を滑り落ちるときのパーコレーション(濾過、浸透)により粒度偏析が生じ、通常その下層部には細粒の焼結原料が、また、上層及び中層には粗粒の焼結原料が偏析した状態になる。 【0004】上下に粒度偏析を起こした焼結原料の層はスローピングシュート4の下端から矢印方向に連続的に移動するパレット5上に装入されるが、その際に、粒度偏析を有する上下の層が反転することになり、相対的に細粒の焼結原料が上層部に、粗粒の焼結原料が中、下層になって所定の厚みを有する状態で焼結原料層6が形成されることになる。 【0005】この焼結原料層6はその後、点火バーナー(図示せず)で焼結原料層6の表層部において着火されるが、その際、焼結原料層6の上方の空気は排風機(図示せず)によってパレット5に設けたグレートバーを通してその下方に吸引され、パレット5上の焼結原料層6はパレット5が焼結機の後端部側へ移動する過程において焼結されることになる。 【0006】実操業における焼結原料層の嵩密度は、通常1.9程度であるが、図2に示すように、同一種の実機における焼結原料の嵩密度と焼結鉱の生産率の関係からわかるとおり、焼結原料層6の嵩密度が焼結鉱の生産率に大きな影響を及ぼすことから、その改善を図る試みがなされてきた。 【0007】その一つとして、特開昭58−133333号公報には、ロールフィーダあるいはスローピングシュートの裏面に電磁石を配置した図3に示すような装置を使用して焼結原料を切り出し、該焼結原料がスローピングシュート4を滑り落ちる間に磁石7により着磁性の焼結原料、例えば、返鉱やミルスケールに磁力を作用させることによって、パレット上に形成される焼結原料層の嵩密度を低減する技術が開示されている。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のような従来の技術においては焼結原料の配合割合が常に一定であるとは限らず、しかも、焼結原料中の着磁性原料の配合比も変動していることから、原料層の嵩密度を最適に保つのが難しい状況にあった。 【0009】本発明の目的は、上記のような従来技術が抱えている問題を解決するため、焼結原料中に含まれる着磁性原料の比率によって磁石の該焼結原料に対する磁力を調整し、これによって、パレット上における焼結原料の嵩密度の低減を図り、焼結鉱の生産性を向上する焼結原料の装入方法を提供するところにある。 【0010】 【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、磁石を内蔵したスローピングシュートを通してドワイトロイド式焼結機のパレット上に焼結原料層を形成するに当たり、焼結原料を構成する着磁性原料(例えば返鉱やミルスケール等)の種類または割合に応じてスローピングシュートに内蔵した磁石の焼結原料に及ぼす磁力を調整(原料中の金属鉄含有原料、返鉱および細粒原料の目標量に応じて高さ方向に磁力を変化させる)しつつ上層部において着磁性原料が多く偏析されるように焼結原料層を形成することを特徴とする焼結原料の装入方法を提案する。 【0011】なお、本発明においては、磁力の調整は磁石とスローピングシュート上の原料の距離を調整するか、磁石の磁束密度を直接調整することによって行うこととし、そのために、スローピングシュートと磁石とはその相対位置を変えられるように支持することが好ましい実施の態様となる。 【0012】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明をより具体的に説明する。図4は、本発明を実施するのに好適な装置の構成例を、上掲の図3のA−A断面で示したものである。この装置は、スローピングシュート4の裏面にボールねじ8を介して永久磁石7が保持され、該ボールねじ8を時計周り、反時計周りに回転させることによって、スローピングシュート4に対して近接しまたは離隔するように支持されていて、その表面からの距離が調整できるようになっている。 【0013】本発明においては、焼結原料を構成する着磁性原料の種類あるいは配合割合に応じ、スローピングシュートに内蔵した磁石7の焼結原料2に及ぼす磁力を、上記のような仕組みを適用して調整(スローピングシュートにて焼結原料に磁力を作用させて該焼結原料に含まれる金属鉄含有原料、返鉱および落下速度が遅い細粒原料等の着磁性原料を該スローピングシュートの表面上に引きつける)するようにし、移動パレット5に堆積させる焼結原料層6の上層部に着磁性の原料を多く偏析させるようにしたものであり、これによれば焼結原料層6の嵩密度を低下させることができる。 【0014】ボールねじ8を作動させる機構としては、その平面を図5に示すように、ボールねじ8の端部にそれぞれギアボックス9a,9bを設け、それらを駆動軸10およびカップリング11を介してつなぎ、ギアボックス9a,9bの何れか一方に減速機付きのモータ12を設置するものが適用できる。 【0015】本発明においては磁石とスローピングシュートとの距離を調整することによって焼結原料に及ぼす磁力を調整する場合を例にして説明したが、磁石の磁束密度自体を調整するようにしてもよいのはいうまでもない。 【0016】磁石とスローピングシュートとの距離を調整する場合には、スローピングシュート表面から磁石に至るまでの距離とそれに対応する磁束密度の関係を図6の如く予め求めておき、焼結原料に応じて磁石からの距離を変更する。 【0017】着磁性原料の種類に応じて磁力を調整する本発明の好ましい実施態様として、ドラムフィーダー3から切り出される焼結原料のうち、磁性の大きい原料を、パレット5上焼結原料層6の上層部に多く偏析 (堆積) させるために、スローピングシュート4の流れ方向に沿う上部から下部に向けて次第に磁力の大きい角型永久磁石7・・・を列設し、該スローピングシュート4上を滑り落ちる焼結原料を磁性に応じて次第に整流し誘導することにより、望ましい焼結原料堆積層を形成する。 【0018】従って、本発明においては、細粒の焼結原料の偏析と磁性の異なる (大きな)焼結原料の偏析とが同時に起こり、とくに焼結原料層6の上層部にこれらの原料を堆積させることができる。その結果として、本発明方法においては、通気性の高い嵩密度の小さい望ましい堆積層を形成することができる。 【0019】図7は、本発明を実施するのに用いて好適な装置の例を示したものである。図示の装置は、スローピングシュート4の背面に磁束密度の異なる複数個の角型永久磁石 (例えばフェライト系永久磁石とし、200ガウス、300ガウス、500ガウス、800ガウスの順で配列) を、原料の流下の方向に沿って配置した例であり、原料の配合割合によって磁束密度を調整する必要性はあるもののスローピングシュートの長手方向に沿って磁束密度を調整することもできる。 【0020】 【実施例】焼結鉱に含まれる着磁性原料の配合比を3水準(1.着磁性原料20%、2.着磁性原料30%、3.着磁性原料40%)にした表1の如き組成になるものを用意し、これとスローピングシュート表面での磁石の磁束密度の関係を実機使用による実験をおこなった。その結果を図8に示す。 【0021】 【表1】
【0022】まず、着磁性原料を20%配合したものにおいては磁石の影響を受けにくいが、スローピングシュート表面で磁束密度を1200ガウスにすることによって生産率が0.07t/hm2 程度向上し、さらに、磁束密度を1500ガウスにすると焼結原料の落下速度が遅いスローピングシュート上部において焼結原料が磁力の影響により停滞し、原料が流れにくくなり生産率が低下した。 【0023】また着磁性原料を30%配合したものでは磁束密度900ガウスで生産率が0.1t/hm2 向上したが、磁束密度が1200ガウスでは原料の停滞が発生した。着磁性原料を40%配合したものにおいては磁力の影響が最も大きく(生産率が最も高い)、磁束密度600ガウスにおいて生産率が0.15t/hm2 向上した。以上の如く焼結原料における磁場性原料の配合比とスローピングシュート表面の磁束密度には密接な関係があることが分かる。 【0024】 【発明の効果】以上説明したように本発明は、焼結原料を構成する着磁性原料の種類あるいは配合割合に応じてスローピングシュートに内蔵した磁石の焼結原料に及ぼす磁力を調整するようにし、移動パレットに堆積させた焼結原料層の上層部に着磁性の原料を多く偏析させるようにしたので、これによって焼結原料層の嵩密度の低下により焼結鉱の生産率を大幅に改善できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001258 【氏名又は名称】川崎製鉄株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)10月27日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】小川 順三 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−132669 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)5月21日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−294270 |
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