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【発明の名称】 液体酸素精製方法およびそれに用いる装置
【発明者】 【氏名】宮本 篤

【氏名】菊地 延尚

【氏名】木山 洋実

【要約】 【課題】不純物濃度をppbオーダーにすることのできる液体酸素精製方法を提供する。

【解決手段】原料液体酸素を第1精留塔2に導入し、上記第1精留塔2に酸素より高沸点成分を液体のまま溜め、酸素より低沸点成分を気化して酸素ガスとともに取り出し、この取り出した低沸点成分および酸素ガスを第2精留塔20に導入し、この第2精留塔20で上記低沸点成分と酸素を分離し、酸素ガスを液化して溜め、この高純度液体酸素を製品液体酸素として取り出す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 原料液体酸素を第1精留塔に導入し、上記第1精留塔に酸素より高沸点成分を液体のまま溜め、酸素より低沸点成分を気化して酸素ガスとともに取り出し、この取り出した低沸点成分および酸素ガスを第2精留塔に導入し、この第2精留塔で上記低沸点成分と酸素を分離して高純度化し、この高純度酸素ガスを液化して溜め、この溜められた高純度液体酸素を製品液体酸素として取り出すようにしたことを特徴とする液体酸素精製方法。
【請求項2】 液体酸素の冷熱で液化する熱交換用気体と第1精留塔に溜まり酸素より高沸点成分を含有する液体酸素とを熱交換させて、第1精留塔に溜まる液体酸素を蒸発させるとともに熱交換用気体を液化させ、この液化させた熱交換用気体を第1凝縮器の寒冷として用い、第1精留塔に滞留する酸素ガスを上記第1凝縮器で液化し還流液として第1精留塔に戻すようにした請求項1記載の液体酸素精製方法。
【請求項3】 液体酸素の冷熱で液化する熱交換用気体と第2精留塔に溜まる高純度液体酸素とを熱交換させて、高純度液体酸素を蒸発させるとともに熱交換用気体を液化させ、この液化した熱交換用気体を第2凝縮器の寒冷として用い、第2精留塔に滞留する酸素ガスを上記第2凝縮器で液化し還流液として第2精留塔に戻すようにした請求項1または2記載の液体酸素精製方法。
【請求項4】 熱交換用気体を圧縮機で圧縮したのち第1精留塔に溜まる液体酸素と熱交換させ、第1凝縮器の寒冷としての作用を終えて気化した熱交換用気体を上記圧縮機に戻すようにした請求項2記載の液体酸素精製方法。
【請求項5】 熱交換用気体を圧縮機で圧縮したのち第2精留塔に溜まる高純度液体酸素と熱交換させ、第2凝縮器の寒冷としての作用を終えて気化した熱交換用気体を上記圧縮機に戻すようにした請求項3記載の液体酸素精製方法。
【請求項6】 第1凝縮器および第2凝縮器を1つの蒸発器に収容した請求項3記載の液体酸素精製方法。
【請求項7】 熱交換用気体がアルゴンガス,窒素ガスおよび空気のいずれか一つである請求項2〜6のいずれか一項に記載の液体酸素精製方法。
【請求項8】 原料液体酸素導入路と、原料液体酸素導入路からの原料液体酸素を導入し酸素より高沸点成分を液体のまま溜め酸素より低沸点成分を気化して酸素ガスとともに取り出す第1精留塔と、上記第1精留塔から取り出した酸素ガスおよび上記低沸点成分を第2精留塔に導入する導入路と、上記低沸点成分と酸素を分離して高純度化しこの高純度酸素ガスを液化して溜めこの高純度液体酸素を製品液体酸素として取り出す第2精留塔とを備えたことを特徴とする液体酸素精製装置。
【請求項9】 第1精留塔の上部に設けた還流液生成用の第1凝縮器と、第1精留塔の下部に設けた液体酸素気化用の第1加熱器と、第2精留塔の上部に設けた還流液生成用の第2凝縮器と、第2精留塔の下部に設けた高純度液体酸素気化用の第2加熱器とを備えた請求項8記載の液体酸素精製装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明、不純物含有の液体酸素を超高純度に精製することのできる液体酸素精製方法およびそれに用いる装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、空気分離装置で製造される液体酸素(LO2 )には、不純物として、N2 :20ppm,Ar:1000ppm,CO:0.1ppm,Cn m :15ppm程度が含まれており、これら不純物は、半導体最先端工場において悪影響を及ぼすため厳しい規制がなされている。
【0003】そこで、液体酸素を超高純度に精製するものとして、特開平2−150686号公報に示す超高純度酸素製造装置が提案されている。この装置では、まず微量不純物を含む液体酸素(純度99.6〜99.9%)を第1精留塔に導入し、この第1精留塔で精留を行い、排出する少量の酸素ガス中に、酸素に比べて低沸点成分である窒素,一酸化炭素,アルゴン等の不純物を含有させて分離し、つぎに大部分の酸素を液体状態で第1精留塔の下部から取り出して第2精留塔に導入し、この第2精留塔で精留を行い、排出する少量の液体酸素中に、酸素に比べて高沸点成分であるクリプトン,キセノン,Cn m 等の不純物を含有させて分離し、大部分の酸素ガスを第2精留塔の塔頂部のコンデンサに通して液体状態で取り出している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の装置では、液体酸素中の窒素,一酸化炭素,アルゴン等の不純物を全て第1精留塔で気化させて分離除去することができず、第1精留塔の下部に溜まる液体酸素中には上記不純物の一部が残存する。また、第2精留塔では上記の窒素,一酸化炭素,アルゴン等の不純物を除去しないため、第2精留塔から取り出す液体酸素中には、上記残存不純物のモル分率に相当する不純物が液体状態で存在する。したがって、上記の装置では、不純物濃度がppmオーダーとなり、ppbオーダーの製品を得ることは不可能であった。
【0005】本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、不純物濃度をppbオーダーにすることのできる液体酸素精製方法およびそれに用いる装置の提供をその目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するため、本発明は、原料液体酸素を第1精留塔に導入し、上記第1精留塔に酸素より高沸点成分を液体のまま溜め、酸素より低沸点成分を気化して酸素ガスとともに取り出し、この取り出した低沸点成分および酸素ガスを第2精留塔に導入し、この第2精留塔で上記低沸点成分と酸素を分離して高純度化し、この高純度酸素ガスを液化して溜め、この溜められた高純度液体酸素を製品液体酸素として取り出すようにした液体酸素精製方法を第1の要旨とし、原料液体酸素導入路と、原料液体酸素導入路からの原料液体酸素を導入し酸素より高沸点成分を液体のまま溜め酸素より低沸点成分を気化して酸素ガスとともに取り出す第1精留塔と、上記第1精留塔から取り出した酸素ガスおよび上記低沸点成分を第2精留塔に導入する導入路と、上記低沸点成分と酸素を分離して高純度化しこの高純度酸素ガスを液化して溜めこの高純度液体酸素を製品液体酸素として取り出す第2精留塔とを備えた液体酸素精製装置を第2の要旨とする。
【0007】すなわち、本発明の液体酸素精製方法は、原料液体酸素を第1精留塔に導入してこの第1精留塔から酸素および酸素より低沸点成分を気体状態で取り出すことにより、第1精留塔で酸素より高沸点成分を液体状態で分離除去し、つぎに第1精留塔から取り出した酸素および酸素より低沸点成分を気体状態で第2精留塔に導入し、この第2精留塔で酸素より低沸点成分と酸素とを分離している。これにより、第2精留塔に溜まる液体酸素が高純度になり、この高純度な液体酸素を製品として取り出すことができる。このように、第2精留塔に気体状態で酸素および酸素より低沸点成分を導入した場合には、酸素を再液化させることによる効果のため、液体酸素中には殆ど酸素より低沸点成分が含まれなくなる。したがって、第2精留塔で得られる液体は、不純物濃度がppbオーダーの超高純度な液体酸素となる。一方、本発明の装置によれば、上記方法の実現が容易になり、効率よく液体酸素の精製が行える。
【0008】なお、本発明の方法において、液体酸素の冷熱で液化する熱交換用気体と第1精留塔に溜まり酸素より高沸点成分を含有する液体酸素とを熱交換させて、第1精留塔に溜まる液体酸素を蒸発させるとともに熱交換用気体を液化させ、この液化させた熱交換用気体を第1凝縮器の寒冷として用い、第1精留塔に滞留する酸素ガスを上記第1凝縮器で液化し還流液として第1精留塔に戻すようにした場合には、また、液体酸素の冷熱で液化する熱交換用気体と第2精留塔に溜まる高純度液体酸素とを熱交換させて、高純度液体酸素を蒸発させるとともに熱交換用気体を液化させ、この液化した熱交換用気体を第2凝縮器の寒冷として用い、第2精留塔に滞留する酸素ガスを上記第2凝縮器で液化し還流液として第2精留塔に戻すようにした場合には、外部からの寒冷や熱源は不要となる。
【0009】本発明の方法において、熱交換用気体を圧縮機で圧縮したのち第1精留塔に溜まる液体酸素と熱交換させ、第1凝縮器の寒冷としての作用を終えて気化した熱交換用気体を上記圧縮機に戻すようにした場合には、また、熱交換用気体を圧縮機で圧縮したのち第2精留塔に溜まる高純度液体酸素と熱交換させ、第2凝縮器の寒冷としての作用を終えて気化した熱交換用気体を上記圧縮機に戻すようにした場合には、熱交換用気体を外部から導入する必要はない。
【0010】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態を図面にもとづいて詳しく説明する。
【0011】図1は本発明の液体酸素精製装置の一実施の形態の構成図を示している。図において、1は原料タンクであり、内部に原料液体酸素(原料LO2 )が収容されている。この原料LO2 は、従来の深冷空気分離装置により製造されたものであり、不純物として、N2 :20ppm,Ar:1000ppm,CO:0.1ppm,Cn m :15ppm等が含まれている。2は第1精留塔であり、その下部から、原料タンク1内の原料LO2 が供給パイプ7を経て送り込まれる。第1精留塔2内では、送り込まれた原料LO2 のうち、O2 やO2 (沸点−183℃)より低沸点成分であるN2 (沸点−196℃),Ar(沸点−186℃),CO(沸点−205℃)等が第1加熱器3によりガス化して第1精留塔2内を上昇し、O2 とともに上部に滞留する。また、O2 およびO2 より高沸点成分であるCH4 (沸点−161℃)等が液体のまま第1精留塔2の底部に溜まる。7aは供給パイプ7に設けた液面調節弁であり、液面計(図示せず)による第1精留塔2底部の貯留液体酸素(貯留LO2 )6の液面高さの検出結果に基づき、供給パイプ7を通る原料LO2 の流量を調節し、上記貯留LO2 6の液面高さを一定に保持する作用をする。
【0012】3は第1加熱器であり、第1精留塔2の下部に設けられている。この第1加熱器3には、圧縮機10で圧縮されたN2 ガス(熱交換用気体)がアフタークーラー11,送給パイプ13,第1分岐送給パイプ14a,主熱交換器12を経て液化温度近くまで冷却され、送り込まれる。このN2 ガスは、第1精留塔2の底部に溜まる貯留LO2 6を加温し、O2 およびN2 ,Ar,CO等の低沸点成分を気化して第1精留塔2の上部に滞留させ、CH4 等の高沸点成分を液体のまま残して貯留LO2 6中に濃縮させる。一方、それ自身は貯留LO2 6の冷熱により液化されて第1導入パイプ9に導入され、その一部が第1分岐導入パイプ9aを経て第1蒸発器4に送入され、他部が第2分岐導入パイプ9bを経て第2蒸発器24に送入される。上記第1蒸発器4の内部は、膨張し送入された液体窒素(LN2 )によりO2 ガスの沸点以下の温度に冷却される。一方、第1精留塔2の上部に滞留するO2 ガスは、その一部が第1還流液パイプ8aを経て第1蒸発器4内の第1凝縮器5に送入される。上記冷却により、第1凝縮器5内に送入されたO2 ガスが液化して還流液となり第2還流液パイプ8bから第1精留塔2の上部に流下する。
【0013】15はLO2 排出パイプであり、第1精留塔2底部に溜まる貯留LO2 6(不純物として、N2 :5.3ppm,Ar:625ppm,CO:0.04ppm,Cn m :375ppm等が含まれている)を主熱交換器12に送り、ここを通る(圧縮機10からの)N2 ガスと熱交換させて、貯留LO2 6を常温近くまで加温してガス化させ外部に放出する。15aはLO2 排出パイプ15の主熱交換器12下流部分に設けた流量調節弁であり、流量計(図示せず)によるLO2排出パイプ15内のO2 ガスの流量の検出結果に基づき、このO2 ガスの流量を調節する作用をする。この実施の形態では、LO2 排出パイプ15による貯留LO2 6の排出量を、後述する導出パイプ19の流量の約4%に調節しており、Cn m が高く濃縮するのを防いでいる。16は第1分岐導入パイプ9aに設けた流量調節弁であり、第1分岐導入パイプ9aを通るLN2 の流量を調節している。17は第2分岐導入パイプ9bに設けた流量調節弁であり、第2分岐導入パイプ9bを通るLN2 の流量を調節する作用をする。
【0014】19は導出パイプであり、上記第1精留塔2の上部空間のO2 ガス(不純物として、N2 :21ppm,Ar:1016ppm,CO:0.1ppm等が含まれている)を導出して第2精留塔20に送り込む。第2精留塔20内では、送り込まれたO2 ガスのうち、N2 ,Ar,CO等の低沸点成分が気体のまま上昇し上部に滞留する。また、O2 ガスが液化して下降し底部に溜まる。19aは導出パイプ19に設けた流量調節弁であり、流量計(図示せず)による導出パイプ19内のO2 ガスの流量の検出結果に基づき、このO2 ガスの流量を調節する作用をする。
【0015】21は第2加熱器であり、第2精留塔20の底部に設けられている。この第2加熱器21には、圧縮機10で圧縮されたN2 ガスがアフタークーラー11,送給パイプ13,第2分岐送給パイプ14b,主熱交換器12を経て液化温度近くまで冷却され、送り込まれる。このN2 ガスは、第2精留塔20の底部に溜まる貯留LO2 22を加温し、O2 ガスを気化して上部に滞留させ、貯留LO2 22を超高純度にする。一方、それ自身は貯留LO2 22の冷熱によって液化し、第2導入パイプ23を経て第2蒸発器24に送入される。この第2蒸発器24の内部は、第2分岐導入パイプ9bを経て膨張し送入されたLN2 および第2導入パイプ23を経て膨張し送入されたLN2 でO2 ガスの沸点以下の温度に冷却される。一方、第2精留塔20の上部空間のO2 ガスは、その一部が第3還流液パイプ25aを経て第2蒸発器24内の第2凝縮器26に送入される。上記冷却により、第2凝縮器26内に送入されたO2 ガスが液化して還流液となり、第4還流液パイプ25bから第2精留塔20の上部に流下する。23aは第2導入パイプ23を通るLN2 の流量を調節する流量調節弁である。
【0016】27はO2 ガス取出パイプであり、第2精留塔20の上部空間に滞留するO2ガス(不純物として、N2 :180ppm,Ar:8863ppm,CO:0.86ppm等が含まれている)を主熱交換器12に送り、ここを通る(圧縮機10からの)N2 ガスと熱交換させて、O2 ガスを常温に昇温して外部に放出する。27aはO2 ガス取出パイプ27の主熱交換器12下流部分に設けた流量調節弁であり、流量計(図示せず)によるO2 ガス取出パイプ27内のO2 ガスの流量の検出結果に基づき、このO2 ガスの流量を調節する作用をする。28は製品LO2 取出パイプであり、第2精留塔20の底部の超高純度な貯留LO2 22を製品LO2 として取り出し製品タンク29に導入する。28aは製品LO2 取出パイプ28に設けた液面調節弁であり、液面計(図示せず)による第2精留塔20底部の貯留LO2 22の液面高さの検出結果に基づき、製品LO2 取出パイプ28を通る貯留LO2 22の流量を調節し、上記貯留LO2 22の液面高さを一定に保持する作用をする。
【0017】33は第1蒸発器4上部から延びる第1N2 ガス取出パイプであり、第1蒸発器4の上部空間に溜まるN2 ガス(第1蒸発器4内に送り込まれたLN2 が第1凝縮器5内を通るO2 ガスで気化されて上部空間に溜まったもの)を主熱交換器12に送り、ここを通る(圧縮機10からの)N2 ガスと熱交換させてN2 ガスを常温に昇温し、取出パイプ35を経て第1バッファタンク30に送る。33aは第1N2 ガス取出パイプ33の主熱交換器12下流部分に設けた圧力調節弁であり、圧力計(図示せず)による第1蒸発器4の上部空間の内圧の検出結果に基づき、第1N2 ガス取出パイプ33を通るN2 ガスの流量を調節し、上記内圧を一定に保持する作用をする。34は第2蒸発器24上部から延びる第2N2 ガス取出パイプであり、第2蒸発器24の上部空間に溜まるN2 ガス(第2蒸発器24内に送り込まれたLN2 が第2凝縮器26内を通るO2 ガスで気化されて上部空間に溜まったもの)を主熱交換器12に送り、ここを通る(圧縮機10からの)N2 ガスと熱交換させてN2 ガスを常温に昇温し、取出パイプ35を経て第1バッファタンク30に送る。34aは第2N2 ガス取出パイプ34の主熱交換器12下流部分に設けた圧力調節弁であり、圧力計(図示せず)による第2蒸発器24の上部空間の内圧の検出結果に基づき、第2N2 ガス取出パイプ34を通るN2 ガスの流量を調節し、上記内圧を一定に保持する作用をする。
【0018】36はN2 ガスを第1バッファタンク30に補給する補給パイプである。37は第1バッファタンク30を第2バッファタンク31に連通する連通パイプである。第1バッファタンク30は補給パイプ36に設けられており、第2バッファタンク31は送給パイプ13に設けられている。第1バッファタンク30は、取出パイプ35を経て送られたN2 ガスと補給パイプ36を通るN2 ガスとを合流させて緩衝させる作用をする。第2バッファタンク31は、連通パイプ37を経て送られたN2 ガスと送給パイプ13を通るN2 ガスとを合流させて緩衝させる作用をする。36aは補給パイプ36に設けた圧力調節弁であり、第1バッファタンク30内の圧力の検出結果に基づき、圧力を一定に保つ作用をする。37aは連通パイプ37に設けた圧力調節弁であり、第2バッファタンク31内の圧力の検出結果に基づき、圧力を一定に保つ作用をする。40は真空パーライト断熱箱であり、内部に原料タンク1、両精留塔2,20、両凝縮蒸発器4,24、主熱交換器12および製品タンク29が収容されている。この真空パーライト断熱箱40の内部は真空状態に保持されており、かつパーライト(図示せず)が充填されている。
【0019】この装置を用い、例えばつぎのようにしてLO2 を超高純度LO2 に精製することができる。すなわち、まず、原料タンク1から原料LO2 を供給パイプ7を経て第1精留塔2の下部に導入し、第1精留塔2内で主にO2 やCH4 等の高沸点成分を液体のまま底部に溜める。上記原料LO2 の導入量は液面調節弁7aで自動的に制御され、これにより、第1精留塔2の底部に溜まる貯留LO2 6の液面が一定に保持される。ついで、圧縮機10で加圧したN2 ガスをアフタークーラー11,主熱交換器12を経て第1精留塔2の底部の第1加熱器3に一定量を送り込む。このN2 ガスで第1精留塔2の底部の貯留LO2 6は気化し、O2 ガスとなり、N2 ,Ar,CO等の低沸点成分とともに上昇し上部に滞留する。また、CH4 等の高沸点成分が貯留LO2 6に残り濃縮する。一方、第1加熱器3内で液化したLN2 を第1導入パイプ9に導出し、その一部を第1分岐導入パイプ9aを経て第1蒸発器4内に送り込み、第1凝縮器5の寒冷用として用いる。つぎに、第1精留塔2の上部に滞留するO2 ガスの一部を第1還流液パイプ8aを経て第1凝縮器5に送り込み、ここで上記寒冷によって液化し、還流液として第1精留塔2に戻す。そして、この還流液を第1精留塔2内を流下させ、上昇するO2 ガスと向流接触させて精留し、O2 ガス中のCH4 等の高沸点成分を液化させ、O2 ガスやN2 ,Ar,CO等の低沸点成分等を気体として上部に滞留させる。このようにして、CH4 等の高沸点成分を略完全に除去したO2 ガスを導出パイプ19から取り出して第2精留塔20に送り込み、一方、第1精留塔2底部に溜まる貯留LO2 6の約4%程度をLO2 排出パイプ15により排出する。
【0020】第2精留塔20では、送り込まれたO2 ガスのうち、N2 ,Ar,CO等の低沸点成分を上昇させて上部に滞留させ、高沸点成分であるO2 ガス等を液化して下降させ第2精留塔20の底部に溜める。つぎに、圧縮機10で加圧したN2 ガスをアフタークーラー11,主熱交換器12を経て第2精留塔20の底部の第2加熱器21に一定量を送り込む。このN2 ガスで第2精留塔20底部の貯留LO2 22を気化させることにより、N2 ,Ar,CO等の低沸点成分が略完全に除去される。一方、第2加熱器21内で液化したLN2 を第2導入パイプ23を経て第2蒸発器24内に送り込み、第2凝縮器26の寒冷用として用いる。また、第1加熱器3内で液化したLN2 を第2分岐導入パイプ9bを経て第2蒸発器24内に送り込み、第2凝縮器26の寒冷用として用いる。そして、第2精留塔20の上部に滞留するO2 ガスを第3還流液パイプ25aを経て第2凝縮器26に送り込み、ここで上記寒冷によって液化し、還流液として第2精留塔20に戻す。そして、この還流液を第2精留塔20内を流下させ、上昇するO2 ガスと向流接触させて精留し、O2 ガスを液化させ、N2 ,Ar,CO等の低沸点成分を気体として上部に滞留濃縮させる。この濃縮量を決定する主要因は原料LO2 と第2精留塔20上部からO2 ガス取り出しパイプ27により排出するO2 ガスとの比であり、この実施の形態では、原料LO2 の約11%を排出している。このようにして得られた超高純度な(不純物濃度がppbオーダーの)貯留LO2 22を、その液面を一定にコントロールするようにして、製品LO2 取出パイプ28から製品として自動的に取り出す。
【0021】一方、第1および第2蒸発器4,24から排出した低温N2 ガスを主熱交換器12に通し、ここを通る(圧縮機10からの)N2 ガスと熱交換させてN2 ガスを液化温度近くまで冷却し、それ自体を常温近くまで加温して圧縮機10に送り、この圧縮機10で加圧して再度主熱交換器12に送り込む。このように、N2ガスは循環サイクルを形成している。
【0022】上記のように、この実施の形態では、不純物濃度がppbオーダーの超高純度LO2 を得ることができる。しかも、超高純度LO2 製造量は第1精留塔2から第2精留塔20へ供給されるO2 ガスの流量のみで決定されるため、LO2 等の流量測定が困難であった従来の液体の流量測定が不要となり、運転が非常に簡素化されるとともに、信頼性がアップする。
【0023】図2は本発明の液体酸素精製装置の他の実施の形態の構成図を示している。この実施の形態では、図1に示す実施の形態のようなN2 ガスの循環サイクルが形成されていない。また、両加熱器3,21が両精留塔2,20の外部に配設されている。それ以外の部分は図1に示す実施の形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。すなわち、この実施の形態では、第1精留塔2と、第1精留塔2の外側下部に配設した第1加熱器3と、第1凝縮器5と、第2精留塔20と、第2精留塔20の外側下部に配設した第2加熱器21と、第2凝縮器26が主要部品になっている。
【0024】この装置を用い、例えばつぎのようにしてLO2 を超高純度LO2 に精製することができる。すなわち、まず、原料タンク(図示せず)から原料LO2 を供給パイプ7を経て第1精留塔2の下部に導入し、第1精留塔2内で、主にO2 やCH4 等の高沸点成分を液体のまま底部に溜める。第1精留塔2の底部の貯留LO2 6はパイプ45を介して第1加熱器3に送られ、ここで気化してO2 ガスとなり、N2 ,Ar,CO等の低沸点成分とともに、パイプ46を介して第1精留塔2に戻り、第1精留塔2内を上昇し上部に滞留する。また、CH4 等の高沸点成分が貯留LO2 6に残り濃縮する。つぎに、第1精留塔2の上部に滞留するO2ガスの一部を第1還流液パイプ8aを経て第1凝縮器5に送り込み、ここで液化し、還流液として第1精留塔2に戻す。そして、この還流液を第1精留塔2内を流下させ、上昇するO2 ガスと向流接触させて精留し、O2 ガス中のCH4 等の高沸点成分を液化させ、O2 ガスやN2 ,Ar,CO等の低沸点成分等を気体として上部に滞留させる。このようにして、CH4 等の高沸点成分を略完全に除去したO2 ガスを導出パイプ19から取り出して第2精留塔20に送り込み、一方、第1精留塔2底部に溜まる貯留LO2 6の約4%程度をLO2 排出パイプ15により排出する。
【0025】第2精留塔20では、送り込まれたO2 ガスのうち、N2 ,Ar,CO等の低沸点成分を上昇させて上部に滞留させ、高沸点成分であるO2 ガス等を液化して下降させ第2精留塔20の底部に溜める。第2精留塔20底部の貯留LO2 22はパイプ47を介して第2加熱器21に送られ、ここで気化されることにより、N2 ,Ar,CO等の低沸点成分が略完全に除去される。また、ここで気化されたO2 ガスはパイプ48を介して第2精留塔20に戻り、第2精留塔20内を上昇し上部に滞留する。そして、第2精留塔20の上部に滞留するO2 ガスを第3還流液パイプ25aを経て第2凝縮器26に送り込み、ここで液化し、還流液として第2精留塔20に戻す。そして、この還流液を第2精留塔20内を流下させ、上昇するO2 ガスと向流接触させて精留し、O2 ガスを液化させ、N2 ,Ar,CO等の低沸点成分を気体として上部に滞留濃縮させる。この濃縮量を決定する主要因は原料LO2 と第2精留塔20上部からO2 ガス取り出しパイプ27により排出するO2 ガスとの比であり、この実施の形態では、原料LO2 の約11%を排出している。このようにして得られた超高純度な(不純物濃度がppbオーダーの)貯留LO2 22を、その液面を一定にコントロールするようにして、製品LO2 取出パイプ28から製品として自動的に取り出す。このように、この実施の形態でも、図1に示す実施の形態と同様の作用・効果を奏する。
【0026】図3は本発明の液体酸素精製装置のさらに他の実施の形態の構成図を示している。この実施の形態では、図1に示す実施の形態における、第1蒸発器4を第2蒸発器24で兼用している。このため、この実施の形態では、第1蒸発器4,第1導入パイプ9,第1分岐導入パイプ9a,第2分岐導入パイプ9b,第1N2ガス取出パイプ33を無くし、第2蒸発器24内に第1凝縮器5を配設している。また、第1および第2の凝縮器5,26を第2蒸発器24に連結する導入パイプ50および流量調節弁50aを設けている。それ以外の部分は図1に示す実施の形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。また、この実施の形態でも、図1に示す実施の形態と同様の作用・効果を奏する。
【0027】
【発明の効果】以上のように、本発明の液体酸素精製方法によれば、第1精留塔で原料液体酸素中の酸素および酸素より低沸点成分を気体状態で取り出し、第2精留塔の原料としているため、第2精留塔で得られる液体中には酸素より低沸点成分が液化して混入していることは殆どない。したがって、第2精留塔で得られる液体は、不純物濃度がppbオーダーの超高純度な液体酸素となる。一方、本発明の装置によれば、上記方法の実現が容易になり、効率よく液体酸素の精製が行える。
【出願人】 【識別番号】000126115
【氏名又は名称】大同ほくさん株式会社
【出願日】 平成10年(1998)1月13日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】西藤 征彦
【公開番号】 特開平11−201635
【公開日】 平成11年(1999)7月30日
【出願番号】 特願平10−5105