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【発明の名称】 冷蔵庫
【発明者】 【氏名】河野 務

【氏名】杉 建吉

【氏名】若田部 武

【氏名】中村 省三

【氏名】蔵本 浩樹

【氏名】高橋 一尚

【氏名】下山 博史

【氏名】飯田 誠

【氏名】鷹栖 慶治

【要約】 【課題】冷蔵庫の製造工程の合理化を図る。

【解決手段】1組のアウトサート成形用金型20、21で、冷蔵庫の内箱の壁面を挟み込み、一方のアウトサート成形用金型20にノズル24を接合させ、一方のアウトサート成形用金型20のキャビティ20a内へと成形材料24aを射出する。この成形材料24aの射出圧力及び温度によって、冷蔵庫の内箱に貫通穴10aがあき、他方のアウトサート成形用金型21のキャビティ21aにも成形材料24aが充填される。これにより、冷蔵庫の内箱10の壁面の表裏におよんで成形部品22が一体成形される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】1つ以上の成形部品が取り付けられた内箱を備えた冷蔵庫であって、前記成形部品のうちの少なくとも一つは、当該成形部品の成形材料の射出によって前記内箱にあいた貫通穴に固定されていることを特徴とする冷蔵庫。
【請求項2】1つ以上の成形部品が取り付けられた内箱を備えた冷蔵庫であって、前記成形部品のうちの少なくとも一つは、当該成形部品の成形材料の射出によって前記内箱に形成された変形部に固定されていることを特徴とする冷蔵庫。
【請求項3】1つ以上の成形部品が取り付けられた内箱を備えた冷蔵庫であって、前記成形部品のうちの少なくとも一つは、当該成形部品の本体に一体成形された係合部を複数有し、前記内箱は、前記各種係号部をそれぞれスライド可能に支持した貫通穴を有することを特徴とする冷蔵庫。
【請求項4】1つ以上の成形部品が取り付けられた加工品を製造する加工品の製造方法であって、前記加工品の組立部品に向けて成形材料を射出し、当該射出により前記組立部品に貫通穴をあけつつ、当該貫通穴に固定された成形部品を成形する射出成形ステップを有することを特徴とする加工品の製造方法。
【請求項5】1つ以上の成形部品が取り付けられた加工品を製造する加工品の製造方法であって、前記加工品の組立部品に向けて成形材料を射出し、当該射出により前記組立部品を局所的に変形させつつ、当該貫通穴に固定された成形部品を成形する射出成形ステップを有することを特徴とする加工品の製造方法。
【請求項6】請求項4または5記載の加工品の製造方法であって、前記成形材料の成形収縮率に応じて前記組立部品を熱膨張させた状態で前記成形部品を成形することを特徴とする加工品の製造方法。
【請求項7】請求項4、5及び6の内の何れか1項記載の加工品の製造方法であって、前記成形部品を成形するための成形部品用金型の型締めによって、前記組立部品を成形することを特徴とする加工品の製造方法。
【請求項8】請求項4、5、6及び7の内の何れか1項記載の加工品の製造方法であって、前記組立部品に突き当てられる入れ駒であって、当該組立部品の突当てによって与えられた力に応じて変位する1以上の入れ駒を備えた成形部品用金型を、前記成形部品を成形するための成形部品用金型として使用することを特徴とする加工品の製造方法。
【請求項9】請求項4、5、6、7及び8の内の何れか1項記載の加工品の製造方法であって、前記加工品は冷蔵庫であり、前記組立部品は当該冷蔵庫の内箱であることを特徴とする加工品の製造方法。
【請求項10】予め準備された基材に成形部品を取り付けるための射出成形加工に用いられる金型であって、前記基材への突当て部に、当該基材の突当てによって与えられた力に応じて変位する1以上の入れ駒を有することを特徴とする金型。
【請求項11】請求項11記載の金型を用いた射出成形加工によって前記成形部品が取り付けられた内箱を有することを特徴とする冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、射出成形加工技術に係り、特に、冷蔵庫の内箱の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】冷蔵庫の内箱には、通常、引き出し用のガイドレール、取り付けねじ用のボス、補強材、モータの収納箱等、多くの部品が取り付けられている。これら多くの部品は、別工程において個別に製造され、最終的な組立行程において、それぞれ、締結部品(例えば、ねじ等)、接着剤等によって内箱の所定位置に取り付けられる。従って、冷蔵庫の製造コストを削減するためには、部品点数の削減、組立作業の合理化を図る必要がある。
【0003】ところで、OA機器などの組立ての合理化及びコストダウンを図ることができる加工方法として、ピン、ボス等の成形部品を一回の射出成形によって基盤などに取り付けているアウトサート成形が知られている。例えば、このアウトサート成形によって成形部品が取り付けられた加工品として、特開昭54−155025号公報記載の基盤装置が知られている。プラスチック基盤に明けられた下穴に、プラスチック基盤よりも融点の低いプラスチック成形部品をアウトサート成形することによって、この基盤装置は作成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来のアウトサート成形加工を、冷蔵庫の内箱の部品取り付けに適用した場合、前加工として、成形品を接合させるための下穴を内箱に形成する穴開け加工が別途必要になる。従って、さらに合理化の余地がある。
【0005】また、内箱には複雑な形状が含まれているため、これを成形するための真空成形用金型の構造が複雑となる上に、その複雑な形状にあわせて、成形部品を成形するためのアウトサート成形用金型を高精度に仕上げる必要が生じ、双方の金型加工に多大な労力と手間とが費やされている。そして、内箱には、複雑な形状が含まれることに加え、更に、その肉厚にバラツキがあるため、上記従来のアウトサート成形加工によって取り付けた成形部品にはバリが発生することが多い。従って、成形品に発生したバリを取り除くためのバリ取り工程が必要となる。
【0006】そこで、本発明は、製造工程の合理化に適した構造を有する冷蔵庫を提供することを第一の目的とする。
【0007】また、このような冷蔵庫を含め、成形部品が取り付けられた加工品を効率的に製造することができる加工品の製造方法を提供することを第二の目的とする。更に、その加工品の最終形状に複雑な形状が含まれる場合であっても、複雑な構造の金型を必要としない加工品の製造方法を提供することを第三の目的とする。また、更に、その加工品への成形部品の取付け時におけるバリ発生を防止することができる加工物の製造方法を第四の目的とする。
【0008】そして、本発明は、これらを提供することにより、冷蔵庫のコストダウンを図らんとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、本発明は、一つ以上の成形部品が取り付けられた内箱を備えた冷蔵庫であって、前記成形部品のうちの少なくとも一つは、当該成形部品の成形材料の射出によって前記内箱にあいた貫通穴に固定されていることを特徴とする冷蔵庫を提供する。
【0010】このような構造によれば、冷蔵庫の製造工程から穴開け工程を省略することができるため、冷蔵庫の製造工程がさらに合理化され、冷蔵庫のコストダウンが達成される。
【0011】また、このような冷蔵庫を効率的に製造することができる方法として、一つ以上の成形部品が取り付けられた加工品を製造する加工品の製造方法であって、前記加工品の組立部品に向けて成形材料を射出し、当該射出により前記組立部品に貫通穴をあけつつ、当該貫通穴に前記成形部品を一体成形する射出成形ステップを有することを特徴とする加工品の製造方法を提供する。
【0012】このような加工品の製造方法によれば、穴開けと成形部品の成形とが一工程で完了するため、複数の成形部品が取り付けられた組立部品を備えた加工品、例えば、冷蔵庫などを効率的に製造することができる。従って、このような加工品の製造方法によれば、工程数の削減による加工品のコストダウンが達成される。
【0013】更に、このような加工品の製造方法において、前記加工品の組立部品に向けて成形材料を射出し、当該射出により前記組立部品を局所的に変形させつつ、当該貫通穴に固定された成形部品を成形するようにすれば、組立部品の初期形状に複雑な形状が含まれなくなるため、組立部品を形成するための真空成形用金型の構造が単純化される。従って、成形部品用金型及び真空成形用金型の双方の金型加工に費やされていた労力および費用を削減することができる。
【0014】また、更に、このような加工品の製造方法において、型締めにより前記組立部品に突き当てられる入れ駒であって、当該組立部品の突当てによって与えられた力に応じて変位する1以上の入れ駒を備えた成形部品用金型を、前記成形部品を成形するための成形部品用金型として使用すれば、組立部品の肉厚にバラツキがあっても、組立部品に密着するように入れ駒が変位するため、成形部品にバリが発生するのを回避することができる。例えば、このような入れ駒は、成形材料が充填されるキャビティ部の組合せ部等に設けることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面を参照しながら、本発明に係る実施の一形態について説明する。
【0016】まず、本実施の形態に係る冷蔵庫の概略構成について説明する。
【0017】図15に示すように、本冷蔵庫1500の庫内には、真空成形品である内箱10(肉厚約0.1mm〜3.5mm)が収容・固定されている。この内箱10の代表的な成形材料としては、鉄、アルミニウム等の金属、ABS樹脂(アクリルニトリル・ブタジエン・スチレン)、PP樹脂(ポリプロピレン)、PS樹脂(ポリスチレン)等の熱可塑性高分子合成材料が挙げられる。
【0018】そして、図1に示すように、内箱10には、引き出し用のガイドレール11A、取付けねじ用のボス11B、モータの収納箱11Cその他の成形部品が取り付けられている。これら成形部品の成形材料には、ABS樹脂、PP樹脂、PS樹脂等の熱可塑性高分子合成材料、もしくは、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性高分子合成材料にフィラー(例えば、ガラス繊維等)を添加したものが用いられている。
【0019】これらの成形部品11A,11B,11Cは、以下に示す3通りの成形加工(1)(2)(3)のうちの何れかによって内箱10に取り付けられたものである。尚、以下に示す3通りの成形加工(1)(2)(3)は、内箱10の材質及び肉厚に応じて、成形部品の成形材料の射出圧力及び温度を適当に調節することによって使い分ける。但し、成形材料の温度は、内箱10が熱変形する温度以上であることが望ましい。
【0020】(1)図2に示すように、一組の金型20,21で内箱10の壁面を挟み込み、一方の金型20にノズル24を接合させ、その金型20のキャビティ部20aへと成形材料24aを射出する。この成形材料24aの射出圧力及び温度によって、内箱10に貫通穴10aが開き、ノズル24に対向している他方の金型21のキャビティ部21bにも成形材料24aが充填される。これにより、内箱10の壁面の表裏におよんで成形部品がアウトサート成形される。
【0021】このようにして成形部品を内箱10に取り付けるようにすれば、穴開けと成形部品の成形とが一工程で完了するため、工程数の削減による冷蔵庫1500のコストダウンが達成される。そして、このようにして成形された成形部品22は、内箱10の壁面の表裏に熱融着されているため、内箱10に対する接着強度が高いという利点を有している。
【0022】また、ここで用いている金型20,21の内の少なくとも一方の突当て部(内箱10に突き当てる部分)に、それぞれ、内箱10の肉厚のバラツキを吸収することができる入れ駒83を1つ以上組み込んでおけば、成形部品のバリ発生を防止することができる。
【0023】図10には、その一例として、両方の金型20,21の突当て部に、それぞれ、入れ駒を組み込んだ場合の構造を示した。ノズル接合部を有する金型20の突当て部には、図10(a)に示すように、キャビティ部の外周に沿って溝が形成されており、この溝の内部に、複数の入れ駒83が、溝の深さ方向にスムーズに移動できるように列状にはめこんである。ノズルに対向する金型21の突当て部にも、同様に、複数の入れ駒が、溝の深さ方向にスムーズに移動できるように列状にはめこんである(不図示)。そして、外部から与えられた力に応じて各入れ駒83の頭部が溝から出入りするように、各入れ駒83の底面と溝底との間には、図10(b)に示すように、それぞれ、弾性部材85(バネ、ゴム、弾性棒等)を圧縮状態で介在させてある。弾性部材85を用いず、図10(c)に示すように、テフロンブロック、フッ素ゴム等、成形材料の熱に耐える弾性体で形成された入れ駒83を溝に嵌め込んでも構わない。そして、型開き時に、各入れ駒83が、その頭部を溝口から僅かに突出させた状態で停止するように、各入れ駒83の底部からツバ83aを張り出させ、溝口には、各入れ駒83のツバ83aの移動を阻止する押え板84を嵌め込んである。
【0024】このように、外部から与えられた力に応じて先端面を変位させることができる入れ駒83の列でキャビティ部の外周を囲んでおけば、型締め時に、内箱10の肉厚のバラツキに応じて各入れ駒83がそれぞれ移動して、各入れ駒83の先端面と内箱10とが密着し、その後の成形材料24aの射出圧力によって内箱10が移動しても、それに応じて各入れ駒83がそれぞれ移動し、各入れ駒83の先端面と内箱10との密着性が維持されるため、成形部品のバリ発生を防止することができる。また、図11に示したように(便宜上、キャビティ部の形状は、図2とは変えてある)、ノズルに対向する金型21の突当て部にも同様な入れ駒86を組み込んでおけば、これらの入れ駒86を弾性支持している弾性体85によって、内箱10をクランプする力が吸収されるため、内箱10に不要な塑性変形を与えることもなくなる。
【0025】尚、互いに隣接する入り駒83の間に、成形樹脂24aが入り込むような隙間が形成されないように、個々の入れ駒83は、精度良く仕上げられていることが望ましい。また、個々の入れ駒83の先端面の面積は、内箱10の肉厚のバラツキに応じて適宜に変更することが望ましい。例えば、内箱10の肉厚のバラツキが大きい場合には、個々の入れ駒83の先端面の面積を狭くして、入れ駒83と内箱10と片当たりが防止されるようにすることが望まい。
【0026】(2)図3に示すように、1組の金型30、31で内箱10のを挟み込み、その型締め力により、内箱10の壁面を予備変形させる。そして、一方の金型30にノズル24を接合させ、ノズル24から成形材料24aを射出させると、成形材料24aの射出圧力によって内箱10が変形する。これにより、ノズル24と対向している他方の金型31のキャビティ部31aに内箱10が密着し、内箱10に目標形状が形成される。また、内箱10の変形と共に一方の金型30と内箱10との間に成形材料24aが充填されてゆくため、最終的に、内箱10に後成形された目標形状の内側(成形時におけるノズル24の側)に、その肉厚を補う成形部品32が一体的に成形される。成形材料24aの射出前に、内箱10の予備変形部分に金属板等の補強材をセットしておけば、図4に示すように、この成形部品32の内部にその補強材40を埋め込むこともできる。
【0027】このように金型の型締めによって内箱10に目標形状を後成形するようにすれば、内箱10の初期形状に複雑な形状が含まれなくなるため、内箱10を成形するための真空成形用金型の製作が容易になる。
【0028】尚、ここで使用している金型の内、キャビティ部を形成する金型(ノズル接合部を有する金型30)の突当て部に、図10に示したような入れ駒を組み込んでおけば、成形材料24aの射出圧力によって内箱10が移動しても、前述したように、各入れ駒の先端面と内箱との密着性が維持されるため、キャビティ部に充填された成形部品の漏れが防止され、成形部品のバリ発生を防止することができることはいうまでもない。
【0029】(3)図5に示すように、1組の金型50,51で内箱10を挟み込んで、その型締め力によって内箱10に目標形状を成形する。そして、一方の金型50にノズル24を接合させて、ノズル24から成形材料24aを射出すると、この成形材料24aの射出圧力及び温度によって、内箱10に貫通穴10aが開き、ノズル24と対向している他方の金型51のキャビティ部51aに成形材料24aが充填される。これにより、内箱10に後成形された目標形状の表裏面におよんで、その肉厚を補う成形部品52が成形される。
【0030】このように成形部品を内箱10に取り付けるようにすれば、上記(1)と同様に、穴開けと成形部品の成形とが一工程で完了するため、工程数の削減による冷蔵庫1500のコストダウンが達成されると共に、上記(2)と同様に、内箱10を成形するための真空成形用金型の形状の単純化が達成される。
【0031】尚、ここで使用している金型の内、キャビティ部を形成する金型(ノズルに対向する金型51)の突当て部に、図10に示したような入れ駒を組み込んでおけば、成形材料24aの射出圧力によって内箱10が移動しても、前述したように、各入れ駒の先端面と内箱との密着性が維持されるため、キャビティ部に充填された成形部品の漏れが防止され、成形部品のバリ発生を防止することができることはいうまでもない。
【0032】以上の3通りの成形加工(1)(2)(3)の内の何れかによって成形部品を内箱10に取り付ける場合には、成形材料24aの成形収縮と共に内箱10が収縮するように、成形材料24aの射出に先立ち、内箱10を予め熱膨張させておくことが望ましい。それによって、成形材料24aの成形収縮による残留応力の発生が防止され、内箱10の変形を防止することできるためである。尚、その効果は、内箱10から切り出された複数の試験片を用いた比較実験によって確認済みである。即ち、互いに異なる予熱温度に加熱された試験片にそれぞれ成形部品を取り付けた後、各試験片の反りを測定した結果、図6に示すように、成形材料24aの成形収縮量と同程度の熱膨張を生じさせておいた試験片には殆ど反りが生じていなかったことから、成形材料24aの射出に先立って、内箱10全体を予熱して、内箱10の熱膨張率を、成形材料24aの成形収縮率と同程度に調整しておけば、内箱10の反りの原因となる残留応力の発生を防止できることが確認された。
【0033】ところで、成形材料24aの成形収縮による残留応力の発生防止には、図7に示すように、成形材料24aが成形収縮する方向の長径を有する複数の貫通穴10cを内箱10にあけ、内箱10に熱溶着しない成形材料24a(例えば、ABS樹脂製の内箱10にはPP樹脂)によって、これら貫通穴10cのそれぞれに頭部で係合する係合部70aを有する成形部品70をアウトサート成形することも有効である。このような取付け構造にすれば、成形材料24aの成形収縮に伴う係合部70aの変位が内箱10によって拘束されないため、成形部品70と内箱10との間に残留応力が生じないからである。このような成形部品70は、図8に示すように、上記(2)の場合と同様にして成形することができる。但し、内箱10の長穴10cの内部に係合部70aのスライド域を確保するため、この場合に使用する金型60,61の内、ノズル24の対向側に配置される金型61のキャビティ部61aには、内箱10の長穴10cの両端部に差し込まれる2つの凸部61bを設けておく必要がある。
【0034】次に、本実施の形態に係る冷蔵庫1500の製造方法について、本実施の形態に係る成形機の基本構成と併せて説明する。
【0035】図9に示すように、本成形機は、内箱10をかぶせるための固定側金型97、固定側金型97の左右両側及び上側のそれぞれに配置された可動側金型91、可動側金型91が固定されている可動盤92をタイバー96に沿ってそれぞれ前進・後退させる型締めシリンダ95、各可動側金型91に設けられたスプルーからキャビティ部に溶融樹脂を射出する射出装置93、各型締めシリンダ95及び各射出装置93をシーケンス制御する制御機構94等を備えている。
【0036】この成形機の各可動側金型91及び固定側金型97は、図2、図3及び図8に示した金型(ノズル接合部を有する金型、及び、ノズルに対向する金型)に相当する。そして、所定の可動側金型91の突当て部には、図12に示すように、内箱10の肉厚のバラツキに応じた面積の先端面を有する前述の入れ駒83の列が組み込まれ、固定側金型97の所定の突当て部にも、同様な入れ駒の列(不図示)が組み込まれている。
【0037】尚、ここでは、成形部品の種類ごとに分割された可動側金型91を用いているが、複数種類もしくは全種類の成形部品を一括して成形することができる可動金型を用いても構わない。これにより、可動側金型の数が少なくなるため、そのぶん射出装置93の数が少なくて済む。
【0038】この成形機によって、真空成形工程において製作された内箱10に、以下のように各成形部品が取り付けられる。まず、各型締めシリンダ95が駆動されて、内箱10をかぶらされている固定側金型97に向けて各可動盤92がそれぞれ所定の位置まで前進する。これにより、固定側金型97と各可動側金型91との間で内箱10が圧縮される。このとき、前述したように、内箱10の予備変形(図3参照)、内箱への目標形状の形成(図5参照)、入れ駒83の移動による内箱10と突当て部との密着性の確保がなされる。
【0039】そして、射出装置93からそれぞれ溶融樹脂が射出されると、図2、図3及び図8に示したように、ゲートを通過した溶融樹脂が、各キャビティ部に充填される。そして、所定の硬化時間を経た後、突き出しピンで成形部品を突き出しながら、各可動盤92が初期位置まで後退する。これにより、図1に示した内箱10が完成する。
【0040】その後、冷却管等が取り付けられた外箱の内側に、この内箱10をはめ込んで固定した後、断熱材(ウレタン等)を外箱と内箱10の隙間に注入する。これにより、図15に示した冷蔵庫1500が完成する。
【0041】以上、冷蔵庫を一例に挙げて説明したが、本発明に係る製造方法は、成形部品が取り付けられた組立部品を備えるものであれば、冷蔵庫以外の加工品であっても効果的に製造することができる。
【0042】尚、図10に示したような入れ駒を組み込んだ構造の金型は、従来技術で説明したアウトサート成形加工や通常の一体成形加工等に使用された場合であっても、如何に示すように、上記(1)で説明したと同様な効果(成形品のバリ発防止、成形品の不要な塑性変形の防止)を達成することができる。
【0043】図13に示すように、予め下穴130aが形成された基板130等に、従来技術で説明したアウトサート成形加工によって成形部品を取り付ける場合であっても、これに使用する金型131,132の内、少なくとも、キャビティ部を形成するほうの金型132の突当て部に入れ駒83の列を組み込んでおけば、前述したように、各入れ駒83の先端面と基板130等との密着性が維持されるため、成形部品のバリ発生を防止することできし、しかも、各入れ駒83を弾性支持している弾性体85によって、型締め時に基板130等をクランプする力が適度に吸収されるため、基板130等に不要な塑性変形を与えることもなくなる。
【0044】また、図14に示すように、通常の射出成形加工によって、基板142等の表面に成形部品を接着させる場合であっても、これに使用する金型140,141の内、少なくとも、キャビティ部を形成するほうの金型140の突当て部に入れ駒83の列を組み込んでおけば、前述したように、これら各入れ駒83の先端面と基板142等との密着性が維持されるため、成形部品のバリ発生を防止することでき、しかも、これらの入れ駒83を弾性支持している弾性体85によって、基板142等をクランプする力が吸収されるため、基板130,142等に不要な塑性変形を与えることもなくなる。
【0045】
【発明の効果】本発明に係る冷蔵庫によれば、冷蔵庫の製造工程のさらなる合理化を達成することができる。従って、冷蔵庫のコストダウンが達成される。
【0046】また、本発明に係る加工品の製造方法によれば、複数の成形部品が取り付けられた組立部品を備えた加工品(例えば、複数の成形部品が取り付けられた内箱を備えた冷蔵庫等)を効率的に製造することができる。また、その加工品の最終形状に複雑な形状が含まれる場合であっても、複雑な構造の金型を必要としない。更に、その加工品への成形部品の取付け時におけるバリ発生を防止することができる。
【出願人】 【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
【出願日】 平成10年(1998)5月13日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】富田 和子
【公開番号】 特開平11−337254
【公開日】 平成11年(1999)12月10日
【出願番号】 特願平10−130333