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【発明の名称】 冷蔵庫の制御装置
【発明者】 【氏名】森 茂

【要約】 【課題】交流電流を整流し平滑することにより得られる直流電源を基に圧縮機をインバータ駆動する冷蔵庫において、スイッチング素子を用いず入力交流電源の高調波電流を抑制することを課題とする。

【解決手段】入力交流電源1からの交流電流の高調波歪み率を電流歪み検出手段11で検出し、この高調波歪み率が電力比例限度値を超えていないかどうかの判断を電流歪み判定手段12で行い、限度値を超えている場合にはモーター制御手段13により圧縮機5のモーター回転数を上げて相対的な電力Pをアップし交流電流の高調波歪み率を下げ、しいては入力交流電源1の高調波電流を抑制することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 入力交流電源からの交流電流を整流し平滑することにより得られる直流電源を基に圧縮機をインバータ駆動する冷蔵庫において、前記入力交流電源からの交流電流の高調波歪み率を検出する電流歪み検出手段と、前記電流歪み検出手段が検出した高調波歪み率が電力比例限度値を超えていないかどうかを判断する電流歪み判定手段と、圧縮機のモーター回転数を可変するインバータ部を制御するモーター制御手段とを備えたことを特徴とする冷蔵庫の制御装置。
【請求項2】 入力交流電源からの交流電流を整流し平滑することにより得られる直流電源を基に圧縮機をインバータ駆動する冷蔵庫において、前記入力交流電源からの交流電流の高調波歪み率を検出する電流歪み検出手段と、前記電流歪み検出手段が検出した高調波歪み率が電力比例限度値を超えていないかどうかを判断する電流歪み判定手段と、前記電流歪み判定手段の結果からヒーターの通電を制御するヒーター制御手段とを備えたことを特徴とする冷蔵庫の制御装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧縮機をインバータ駆動する冷蔵庫の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、国際的な地球環境保全の動きの中で注目を集めている一つに電源高調波歪み規制がある。これは、コンデンサインプット型整流回路を使用したすべてのスイッチングレギュレータが対象となり、様々な高調波歪み対策が検討されている。従来、この種対応技術としては、例えば、エアコンや空気調和機といった商品分野において、特開平5−227750号公報に開示されているものがある。
【0003】図5において、1は入力交流電源、2は交流電流を整流する整流回路、3は整流回路2にて整流された電流を平滑し直流電源に変換する平滑回路、そしてこの直流電源はインバータ部4に供給され圧縮機5を駆動する。また圧縮機5をインバータ制御するため制御手段6はPWM波形を生成し、このPWM波形に応じてインバータ部4を制御するようになっている。
【0004】そして、入力交流電源を直流に変換する回路は平滑回路3に示すコンデンサ入力形になっているが、このような回路では入力電流が歪み高調波電流を発生し易いので、この高調波電流を抑制するため入力交流電源1とインバータ部4との間の電源回路に閉回路を構成するスイッチング素子7を設け、そのスイッチング素子7をドライブ回路8が所定のスイッチングパターンに基づき高速でオン/オフ制御し、入力電流波形が略正弦波となるようにしている。
【0005】なお、9は入力電流が入力交流電源1の定格を超えない範囲で制御するために入力電流を検出する入力電流検出手段である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従来の構成では、スイッチング素子7を高速でオン/オフするため、スイッチングノイズ、あるいは素子が発熱するという虞があった。
【0007】本発明はこのような従来の課題を解決するもので、スイッチング素子7を用いず入力交流電源1の高調波電流を抑制する冷蔵庫の制御装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために本発明は、入力交流電源からの交流電流の高調波歪み率を検出し、その歪み率に基づき圧縮機のモータ回転数を上げる、あるいは冷蔵庫のヒーターを通電するように構成したものである。
【0009】前記構成によって、入力交流電源の相対的な電力をアップし、交流電流の高調波歪み率を下げ、しいては入力交流電源の高調波電流を抑制することができる。またスイッチング素子を用いないため、スイッチングノイズや素子の発熱といった問題を解消することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】上記の課題を解決するために本発明の請求項1記載の発明は、入力交流電源からの交流電流を整流し平滑することにより得られる直流電源を基に圧縮機をインバータ駆動する冷蔵庫において、前記入力交流電源からの交流電流の高調波歪み率を検出する電流歪み検出手段と、前記電流歪み検出手段が検出した高調波歪み率が電力比例限度値を超えていないかどうかを判断する電流歪み判定手段と、圧縮機のモーター回転数を可変するインバータ部を制御するモーター制御手段とを備えたことを特徴とする冷蔵庫の制御装置であり、入力交流電源からの交流電流の高調波歪み率が大きくなった場合、圧縮機のモーター回転数を上げることによって高調波歪み率を抑制することができる。
【0011】また本発明の請求項2記載の発明は、入力交流電源からの交流電流を整流し平滑することにより得られる直流電源を基に圧縮機をインバータ駆動する冷蔵庫において、前記入力交流電源からの交流電流の高調波歪み率を検出する電流歪み検出手段と、前記電流歪み検出手段が検出した高調波歪み率が電力比例限度値を超えていないかどうかを判断する電流歪み判定手段と、前記電流歪み判定手段の結果からヒーターの通電を制御するヒーター制御手段とを備えたことを特徴とする冷蔵庫の制御装置であり、入力交流電源からの交流電流の高調波歪み率が大きくなった場合、ヒーターを通電することによって高調波歪み率を抑制することができる。
【0012】
【実施例】以下本発明の実施例について図面を参照して説明する。なお従来と同じ部分については詳細な説明を省略する。
【0013】(実施例1)図1において、11は入力交流電源1からの交流電流の高調波歪み率を検出する電流歪み検出手段であり、12は電流歪み検出手段11が検出した高調波歪み率が電力比例限度値を超えていないかどうかの判断を行う電流歪み判定手段であり、13は圧縮機5のモーター回転数を可変できるようインバータ部4を制御するモーター制御手段である。
【0014】この実施例の場合、交流電流I(n)の高調波歪み率Y(n)は数1で表される。ここでnは高調波次数、Pは入力交流電源1の電力である。
【0015】
【数1】

【0016】また高調波次数と電力比例限度値との関連は表1で表される。
【0017】
【表1】

【0018】前記構成において、図2に示すようにまずステップ1でモーター制御手段13がPWM波形を生成してインバータ部4を制御し圧縮機5を運転する。それに伴いステップ2にて電流歪み検出手段11は入力交流電源1からの交流電流I(n)の高調波歪み率Y(n)を検出する。次にステップ3において、電流歪み判定手段12は高調波歪み率Y(n)が表1に示す電力比例限度値を超えていないかどうかの判断をして限度値を超えている場合、ステップ4に進みモーター制御手段13により圧縮機5のモーター回転数を上げるようPWM波形を生成し、ステップ5にてこのPWM波形に応じてインバータ部4を制御することにより圧縮機5を運転する。
【0019】したがってこの実施例では、入力交流電源1からの交流電流I(n)の高調波歪み率Y(n)が大きい場合、インバータ制御により圧縮機5のモーター回転数を上げ相対的な電力Pをアップすることにより交流電流の高調波歪み率Y(n)を下げ、しいては入力交流電源1の高調波電流を抑制することができる。
【0020】(実施例2)図3において、14は入力交流電源1からの交流電流の高調波歪み率を検出する電流歪み検出手段であり、15は電流歪み検出手段14が検出した高調波歪み率が電力比例限度値を超えていないかどうかの判断を行う電流歪み判定手段であり、16は電流歪み判定手段15の結果からヒーター17の通電を制御するヒーター制御手段である。
【0021】前記構成において、図4に示すようにステップ1からステップ3までは前記実施例1の制御フローと同じであるが、ステップ3において、高調波歪み率Y(n)が表1に示す電力比例限度値を超えている場合、ステップ4にてヒーター制御手段16によりヒーター17を通電する。そして圧縮機5を運転する。
【0022】したがってこの実施例では、入力交流電源1からの交流電流I(n)の高調波歪み率Y(n)が大きい場合、冷蔵庫に設けられている野菜室,ダクト,吸水パイプ等のヒーター17を強制的に通電して相対的な電力Pをアップすることにより交流電流I(n)の高調波歪み率Y(n)を下げ、しいては入力交流電源1の高調波電流を抑制することができる。
【0023】
【発明の効果】前記説明から明らかなように、請求項1記載の発明によれば、入力交流電源からの交流電流を整流し平滑することにより得られる直流電源を基に圧縮機をインバータ駆動する冷蔵庫において、入力交流電源からの交流電流の高調波歪み率が大きい場合、インバータ制御により圧縮機のモータ回転数を上げて相対的な電力をアップすることにより、交流電流の高調波歪み率を下げ、しいては入力交流電源の高調波電流を抑制することができる。
【0024】また請求項2記載の発明によれば、前記冷蔵庫において、入力交流電源からの交流電流の高調波歪み率が大きい場合、庫内に設けられているヒーターを通電して相対的な電力をアップすることにより、交流電流の高調波歪みを下げ、しいては入力交流電源の高調波電流を抑制することができる。さらに従来の制御装置に設けていたスイッチング素子を用いないため高速でオン/オフすることによるスイッチングノイズの問題、あるいは素子の発熱といった問題を解決することができる。
【出願人】 【識別番号】000004488
【氏名又は名称】松下冷機株式会社
【出願日】 平成9年(1997)10月28日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】滝本 智之 (外1名)
【公開番号】 特開平11−132618
【公開日】 平成11年(1999)5月21日
【出願番号】 特願平9−295136