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【発明の名称】 自走式人工降雪機
【発明者】 【氏名】相沢 宏文

【氏名】豊永 稔

【要約】 【課題】従来の自走式人工降雪機においては、原動機部を冷却する冷却風が、原動機部側から人工降雪装置側へ送風されており、原動機部の熱を奪って高温になった冷却風が人工降雪装置へ向かって吹き出していたので、該人工降雪装置の降雪能力が低下するという問題があった。

【解決手段】原動機部4を冷却する冷却風が、原動機部4を内装するボンネット12の人工降雪装置5側から該ボンネット12内へ侵入し、原動機部4を冷却した後に該ボンネット12の反対側端部から外部へ放出されるように構成し、前記ボンネット12内から外部へ放出される冷却風の放出方向を規制して、該冷却風が雪面へ吹き付けられることを防止するガイド板32を、冷却風の放出口に設けた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 噴出ノズルと降雪ファンとを備える人工降雪装置を、自走車の機体に搭載して構成される自走式人工降雪機において、機体前後方向の一側に人工降雪装置を搭載するとともに他側に原動機部を配設して、該原動機部を冷却する冷却風が、前後方向における人工降雪機側から原動機部側方向へ送風されるように構成したことを特徴とする自走式人工降雪機。
【請求項2】 噴出ノズルと降雪ファンとを備える人工降雪装置を、自走車の機体に搭載して構成される自走式人工降雪機において、機体前後方向の一側に人工降雪装置を搭載するとともに、他側にボンネットに内装された原動機部を配設し、該原動機部を冷却する冷却風が、ボンネットの人工降雪装置側から該ボンネット内へ侵入し、原動機部を冷却した後に該ボンネットの反対側端部から外部へ放出されるように構成したことを特徴とする自走式人工降雪機。
【請求項3】 前記ボンネット内から外部へ放出される冷却風の放出方向を規制して、該冷却風が雪面へ吹き付けられることを防止するガイド板を、冷却風の放出口に設けたことを特徴とする請求項2に記載の自走式人工降雪機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高圧水を微細な水滴にして噴出する噴出ノズルと、噴出ノズルから噴出された微細な水滴を高速で吹き飛ばす降雪ファンとを備えた人工降雪装置を、スキー場のゲレンデのような不整地を走行できる自走車に搭載して構成される自走式人工降雪機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、高圧水を微細な水滴にして噴出する噴出ノズルと、噴出ノズルから噴出された微細な水滴を高速で吹き飛ばす降雪ファンとを備えた人工降雪装置を、自走車に搭載して構成される自走式人工降雪機は知られている。例えば、実開平3−72279号公報の如くである。このような自走式人工降雪機においては、機体前後方向の一側に人工降雪装置が搭載されるとともに他側に原動機部が配設されており、該原動機部を構成するラジエータ等が、例えば冷却ファンの回転で発生した冷却風によって冷却されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述のような原動機部を冷却する冷却風は、機体前後方向の原動機部側から人工降雪装置側へ送風されていたので、原動機部の熱を奪って高温になった冷却風が人工降雪装置へ向かって吹き出されていた。これにより、この高温化した冷却風が該人工降雪装置内へ取り込まれ、噴出ノズルから噴出される水滴を吹き飛ばすために、水滴の温度が上昇することとなって、降雪能力が低下するという問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次に該課題を解決するための手段を説明する。即ち、噴出ノズルと降雪ファンとを備える人工降雪装置を、自走車の機体に搭載して構成される自走式人工降雪機において、機体前後方向の一側に人工降雪装置を搭載するとともに他側に原動機部を配設して、該原動機部を冷却する冷却風が、前後方向における人工降雪機側から原動機部側方向へ送風されるように構成したことである。
【0005】また、噴出ノズルと降雪ファンとを備える人工降雪装置を、自走車の機体に搭載して構成される自走式人工降雪機において、機体前後方向の一側に人工降雪装置を搭載するとともに、他側にボンネットに内装された原動機部を配設し、該原動機部を冷却する冷却風が、ボンネットの人工降雪装置側から該ボンネット内へ侵入し、原動機部を冷却した後に該ボンネットの反対側端部から外部へ放出されるように構成したことである。
【0006】また、前記ボンネット内から外部へ放出される冷却風の放出方向を規制して、該冷却風が雪面へ吹き付けられることを防止するガイド板を、冷却風の放出口に設けたことである。
【0007】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の自走式人工降雪装置を示す全体側面図、図2は同じく全体平面図、図3は同じく全体正面図、図4は原動機部を冷却する冷却風の放出口を示す側面図である。
【0008】まず、本発明の自走式人工降雪機の全体構成について説明する。図1乃至図3において、自走式人工降雪機は、左右一対のクローラ走行装置1・1を備えた機体2の前後方向の一側に操縦キャビン3と原動機部4とが配設され、前後方向の他側には、機体2上に設置した機台11に人工降雪装置5が搭載されている。該操縦キャビン3及び原動機部4は左右に並設されて、原動機部4はボンネット12によって覆われている。また、機体2の原動機部4側端部の下方には、左右に牽引フック23・23が固設されている。
【0009】原動機部4にはエンジン6、ラジエータ16、及び、冷却ファン8等が配設され、該原動機部4の後方に作動油タンク14を設け、該作動油タンク14及び操縦キャビン3の後方には燃料油タンク7を、該燃料油タンク7の後方にはコンプレッサ装置15を設けている。そして、燃料油タンク7は燃料タンクカバー21により覆われており、コンプレッサ装置15はコンプレッサカバー20により覆われている。また、原動機部4、コンプレッサ装置15、及び人工降雪装置5等は、操縦キャビン3で運転操作できるように構成している。
【0010】人工降雪装置5は、筒型フレーム19の前後方向における、操縦キャビン3から遠い側に位置する端面に噴出ノズル9を設け、且つ、該筒型フレーム19内に降雪ファン10を配設して構成されている。そして、噴出ノズル9に加圧水が供給されるとともに、コンプレッサ装置15からの圧縮空気が供給されることで、該噴出ノズル9から微細化した水滴が噴出され、この噴出された微細な水滴を、降雪ファン10で生成した風によって遠方へ吹き飛ばす構成としている。
【0011】人工降雪装置5は左右の支持柱13・13により支持されて機台11に搭載されており、任意の制御手段で自動又は手動的に水平方向へ旋回可能に構成されている。また、左右一方の支持柱13と人工降雪装置5との間には、例えば油圧シリンダー等で構成された角度調節機構17が介装されており、該角度調節機構17の伸縮動作により人工降雪装置5を上下回動可能として、該人工降雪装置5の仰角を変更することにより、噴出ノズル9からの水滴の投擲距離を調節するように構成している。
【0012】次に、前記原動機部4の冷却機構について説明する。図1乃至図4において、前記ボンネット12内には、原動機部4を構成するエンジン6、冷却ファン8、ラジエータ16等が配設され、人工降雪装置5側から前後方向にエンジン6、冷却ファン8、ラジエータ16の順に配置されている。該冷却ファン8は、前後方向における人工降雪装置5側から原動機部4側へ送風するように構成されており、ラジエータ16はボンネット12下部の下部カバー33にブラケット等を介して取り付けられている。また、前記コンプレッサカバー20の前後方向における人工降雪装置5側の側面26、燃料タンクカバー21の前後方向における両側面27・28、及び、ボンネット12の前後方向における人工降雪装置5側の側面29は、スリット状又はメッシュ状等に形成されて、通気可能に構成されている。
【0013】そして、冷却ファン8を回転駆動させると、人工降雪装置5側からボンネット12内に冷却風が流入する。この場合、冷却風は、コンプレッサカバー20の人工降雪装置5側から、前記側面26、側面27、側面28、及び側面29を順に通過してボンネット12内に流れ込む。ボンネット12内に流入した冷却風はエンジン6をある程度冷却しながら、人工降雪装置5側とは反対側に進み、更にラジエータ16を冷却する。エンジン6、及び、ラジエータ16を冷却した後の冷却風は、ボンネット12内の人工降雪装置5側端部下方に開口した放出口31から外部へ放出される。
【0014】該放出口31はボンネット12の下端部に開口するとともに、牽引フック23・23を固設しているブラケット34、前記下部カバー33、及び、左右の側板35・35によって囲まれて、該放出口31から冷却風がボンネット12の下方に放出されるように構成されているが、放出口31の下方にガイド板32を固設してこれを防止している。即ち、放出口31の下方に、板状部材を水平に配置したガイド板32を設け、放出口31から放出される冷却風の放出方向を規制して、該冷却風が、前後方向の人工降雪装置5とは反対側へ放出されるように構成している。これにより、エンジン6やラジエータ16の熱を奪って高温化した冷却風が機体下方の雪面に吹き付けられることを防止して、雪が溶けないようにないようにしているのである。
【0015】以上のように、本発明の自走式人工降雪機においては、原動機部4を冷却する冷却風が人工降雪装置5側から原動機部4側へ送風されて、該冷却風が、ボンネット12の人工降雪装置5側からボンネット12内へ侵入し、原動機部4を冷却した後に該ボンネット12の反対側端部から外部へ放出されるように構成しているので、原動機部4を構成するエンジン6やラジエータ16の熱を奪って高温化した冷却風が人工降雪装置5内へ取り込まれ、該人工降雪装置5の降雪能力が低下することを防止でき、降雪効率を向上させることができる。
【0016】また、原動機部4を冷却した後の冷却風がボンネット12内から外部へ放出される際に、該冷却風の放出方向を規制して、該冷却風が雪面へ吹きつけられることを防止するガイド板32を、冷却風の放出口31に設けたことにより、折角積もった雪が溶けることを防ぐことができて、降雪効率を向上させることができるのである。
【0017】
【発明の効果】本発明は以上の如く構成したので、次のような効果を奏するのである。即ち、請求項1記載の如く、機体前後方向の一側に人工降雪装置を搭載するとともに他側に原動機部を配設して、該原動機部を冷却する冷却風が、前後方向における人工降雪機側から原動機部側方向へ送風されるように構成したので、原動機部の熱を奪って高温化した冷却風が、該原動機部から人工降雪装置へ送風されて該人工降雪装置内へ取り込まれることがなくなり、該人工降雪装置の降雪能力が低下することを防止できて、降雪効率を向上させることができた。
【0018】また、請求項2記載の如く、機体前後方向の一側に人工降雪装置を搭載するとともに、他側にボンネットに内装された原動機部を配設し、該原動機部を冷却する冷却風が、原動機部を内装したボンネットの人工降雪装置側から該ボンネット内へ侵入し、原動機部を冷却した後に該ボンネットの反対側端部から外部へ放出されるように構成したので、原動機部の熱を奪って高温化した冷却風がボンネット内から人工降雪装置へ放出されて該人工降雪装置内へ取り込まれることがなくなり、該人工降雪装置の降雪能力が低下することを防止できて、降雪効率を向上させることができた。
【0019】また、請求項3記載の如く、前記ボンネット内から外部へ放出される冷却風の放出方向を規制して、該冷却風が雪面へ吹き付けられることを防止するガイド板を、冷却風の放出口に設けたので、原動機部の熱を奪って高温化した冷却風が雪面に吹き付けられることがなくなって、折角積もった雪が溶けることを防止でき、降雪効率を向上させることができた。
【出願人】 【識別番号】000005164
【氏名又は名称】セイレイ工業株式会社
【識別番号】000006781
【氏名又は名称】ヤンマーディーゼル株式会社
【出願日】 平成9年(1997)9月22日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 寿一郎
【公開番号】 特開平11−94414
【公開日】 平成11年(1999)4月9日
【出願番号】 特願平9−257326