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【発明の名称】 吸収冷凍機
【発明者】 【氏名】松下 修一

【要約】 【課題】吸収冷凍機において、装置の大型化及び高コスト化をすることなく抽気能力の向上を図る。

【解決手段】凝縮器60内の不凝縮ガスを蒸発器10に抽気して吸収器20へ流動させ、低圧再生器50内から供給される高圧の不凝縮ガスを動力源として第1エジェクタ機構71によって吸収器20内の不凝縮ガスを抽気すると共に、溶液ポンプP3により供給される臭化リチウム希溶液Y3を動力源として第2エジェクタ機構72によって第1エジェクタ機構71が抽気した不凝縮ガスをもう一度抽気する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 冷房に利用して温度上昇した冷水が流通する蒸発器チューブに向けて冷媒を散布することによりこの冷媒を蒸発気化させて冷媒蒸気とする蒸発器と、該蒸発器で発生した冷媒蒸気を濃度の濃い臭化リチウム溶液により吸収させる吸収器と、冷媒を吸収して低濃度となった臭化リチウム溶液を燃焼ガスにより加熱して臭化リチウム溶液中の冷媒を蒸発させて臭化リチウム溶液を高濃度として前記吸収器に供給する再生器と、前記再生器で発生した冷媒蒸気を凝縮させて凝縮した冷媒を前記蒸発器に供給する凝縮器とを具えた吸収冷凍機において、前記凝縮器内の不凝縮ガスを前記蒸発器あるいは前記吸収器へ抽気する抽気配管と、前記再生器で発生した不凝縮ガスの流動に基づく吸引によって前記吸収器内の不凝縮ガスを抽気する第1エジェクタ機構と、溶液ポンプによって前記吸収器から供給された臭化リチウム溶液の流動に基づく吸引によって前記第1エジェクタ機構を通過する不凝縮ガスを抽気する第2エジェクタ機構とを設けたことを特徴とする吸収冷凍機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水を冷媒、臭化リチウム溶液を吸収剤とした吸収冷凍機に関し、特に機内で発生した不凝縮ガスの抽気操作に関するものである。
【0002】
【従来の技術】吸収冷凍機は、水を冷媒、臭化リチウム溶液を吸収剤とし、ガス燃料または油燃料をエネルギー源とした冷凍機である。この吸収冷凍機は、蒸発器と吸収器と再生器と凝縮器を主要部材として構成されており、蒸発器及び吸収器の内部は、高真空(絶対圧力が6〜7mmHg)に保持されている。
【0003】この蒸発器では、冷媒ポンプにより送られてきた冷媒(水)を、冷水(12℃)が流通する蒸発器チューブに向けて散布することにより、冷媒が加熱されて冷媒蒸気となる。つまり、蒸発器は高真空容器となっているので水(冷媒)は4〜6℃位で沸騰して蒸発気化するので、12℃の冷水を熱源水とすることができるのである。
【0004】そして、冷水は、冷媒(水)に与えた蒸発潜熱分だけ温度低下(7℃になる)して蒸発器から出ていく。このように温度低下(7℃となる)した冷水は、ビルの冷房装置等(冷房負荷)に送られて冷房に利用される。冷房に利用された冷水は温度上昇(12℃になる)して再び蒸発器の蒸発器チューブに流入してくる。
【0005】一方、吸収器では、蒸発器で発生した冷媒蒸気を、臭化リチウム溶液により吸収する。水分を吸収して濃度が低くなった臭化リチウム溶液(以下「臭化リチウム希溶液」と称する)は吸収器の底部に集められる。この吸収器では、冷媒蒸気が臭化リチウム溶液に吸収されて気体(水蒸気)から液体(水)に変化するときの凝縮潜熱と、臭化リチウム溶液が水分を吸収して濃度が薄くなるときの希釈熱が発生するので、冷却水(上記「冷水」とは別の系に流通している)によりこれらの熱を取り除いている。なお、臭化リチウム溶液は、その水蒸気分圧が水の飽和蒸気よりも低いので、吸湿性に富み、冷媒蒸気を吸収するのに好適な物質である。
【0006】そして、再生器では、吸収器から送られてくる臭化リチウム希溶液を加熱する。このため、臭化リチウム希溶液中の冷媒は一部が蒸発気化し、溶液は濃縮された臭化リチウム溶液(以下「臭化リチウム濃溶液」と称する)となる。濃度が元の状態まで高められた臭化リチウム濃溶液は、吸収器に送られ再び冷媒蒸気を吸収する。一方、蒸発した冷媒蒸気は、凝縮器に送られる。
【0007】なお、実機では、熱効率を上げ加熱エネルギーを減少させる目的で、再生器を2段に配置した二重効用型の吸収冷凍機が採用されている。この二重効用型の吸収冷凍機では、再生器として、供給された燃料を燃焼することにより臭化リチウム希溶液を加熱をする高圧再生器と、高圧再生器で発生した高温の冷媒蒸気を加熱源として臭化リチウム希溶液を加熱する低圧再生器とを備えている。
【0008】また、凝縮器では、再生器から送られてきた冷媒蒸気を冷却水により冷却して、凝縮液化する。この凝縮した水は冷媒(水)として再び蒸発器に供給される。
【0009】このように吸収冷凍機では、冷媒(水)が、水−水蒸気−水と変化(相の変化)をすると共に、臭化リチウム溶液が、濃溶液−希溶液−濃溶液と変化(濃度の変化)をする。吸収冷凍機は、上述した相の変化(冷媒)と濃度の変化(臭化リチウム溶液)の過程で、水の蒸発潜熱により冷水を製造し、臭化リチウム溶液の吸収能力により水蒸気を吸収する作用を、高真空密閉系内で繰り返し行わせる装置である。
【0010】かかる吸収冷凍機では、高圧再生器に供給する燃料の量を増加して加熱量を増大し、臭化リチウム溶液の濃度を濃くすることにより、蒸発器から出ていく冷水の温度を下げることができる。逆に、高圧再生器に供給する燃料の量を減少して加熱量を減少し、臭化リチウム溶液の濃度を薄くすることにより、蒸発器から出ていく冷水の温度を上げることができる。このように、臭化リチウム溶液の濃度調整をすることにより、冷水温度を制御して、蒸発器から出て行く冷水の温度を設定温度(7℃)にしている。
【0011】ここで、吸収冷凍機における抽気装置について説明する。図3に吸収冷凍機に装備された従来の抽気装置の概略を示す。
【0012】吸収冷凍機において、図3に示すように、吸収冷凍機は、前述したように、蒸発器101と吸収器102と再生器103と凝縮器104とから構成されており、各機器が一つのシェル内に設けられている。この吸収冷凍機にあっては、作動中に水素ガスが発生したり、外部から不凝縮ガスが浸入することがあり、内部にこれらの不凝縮ガスが溜まると伝熱効率が低下してしまうため、抽気装置を用いて外部に排出している。
【0013】即ち、再生器103と凝縮器104との間には冷媒蒸気と共に発生した不凝縮ガスを抽気する第1の抽気配管105が設けられると共に、凝縮器104と蒸発器101(吸収器102)との間には再生器103から抽気した不凝縮ガスと内部で発生した不凝縮ガスを抽気する第2の抽気配管106が設けられている。また、基端部が吸収器102に連結された第3の抽気配管107の先端部はエジェクタ機構108に連結されると共に、吸収器102に貯留する臭化リチウム溶液を溶液ポンプ109によって再生器103に送る配管110からの分岐管111がこのエジェクタ機構108に連結されている。このエジェクタ機構108は溶液ポンプ109による臭化リチウム溶液の流動に基づいて発生する負圧によって不凝縮ガスを吸引するものであり、図示しない液シールを介して不凝縮ガスを溜める抽気タンクが装着されると共に、臭化リチウム溶液を吸収器102に戻す戻し配管112が連結されている。
【0014】従って、一般に、蒸発器101と吸収器102は内部が絶対圧力6mmHg、再生器103は内部が絶対圧力750mmHg、凝縮器104は内部が絶対圧力が50mmHgであるため、再生器103内の不凝縮ガスは第1の抽気配管105を通って凝縮器104に抽気され、この凝縮器104内の不凝縮ガスは第2の抽気配管106を通って蒸発器101に抽気され、吸収器102に流動する。一方、エジェクタ機構108には溶液ポンプ109により分岐管111を介して臭化リチウム溶液が供給されており、ここで臭化リチウム溶液の流動に基づいて負圧が発生する。そのため、吸収器102内の不凝縮ガスは第3の抽気配管107を通って吸引され、液シールを介して抽気タンクに溜められる一方、臭化リチウム溶液は戻し配管112を通って吸収器102に戻される。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した吸収冷凍機にあっては、能力の増大による大型化に伴って発生する不凝縮ガスも増加するため、装備された抽気装置の能力も増大させる必要がある。ところが、上述した従来の抽気装置にあっては、再生器103と凝縮器104と蒸発器101と吸収器102との内部圧力差によって不凝縮ガスを吸収器102に集め、溶液ポンプ109により臭化リチウム溶液の流動力を動力源としてエジェクタ機構108によって吸収器102内の不凝縮ガスを抽気している。そのため、抽気能力を増大するためには、溶液ポンプ109の能力、つまり、ポンプ駆動モータの高出力化を行う必要があり、装置の大型化を招くと共に消費電力が大きくなって高コスト化を招いてしまう。
【0016】本発明はこのような問題を解決するものであって、装置の大型化及び高コスト化をすることなく抽気能力の向上を図った吸収冷凍機を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するための本発明の吸収冷凍機は、冷房に利用して温度上昇した冷水が流通する蒸発器チューブに向けて冷媒を散布することによりこの冷媒を蒸発気化させて冷媒蒸気とする蒸発器と、該蒸発器で発生した冷媒蒸気を濃度の濃い臭化リチウム溶液により吸収させる吸収器と、冷媒を吸収して低濃度となった臭化リチウム溶液を燃焼ガスにより加熱して臭化リチウム溶液中の冷媒を蒸発させて臭化リチウム溶液を高濃度として前記吸収器に供給する再生器と、前記再生器で発生した冷媒蒸気を凝縮させて凝縮した冷媒を前記蒸発器に供給する凝縮器とを具えた吸収冷凍機において、前記凝縮器内の不凝縮ガスを前記蒸発器あるいは前記吸収器へ抽気する抽気配管と、前記再生器で発生した不凝縮ガスの流動に基づく吸引によって前記吸収器内の不凝縮ガスを抽気する第1エジェクタ機構と、溶液ポンプによって前記吸収器から供給された臭化リチウム溶液の流動に基づく吸引によって前記第1エジェクタ機構を通過する不凝縮ガスを抽気する第2エジェクタ機構とを設けたことを特徴とするものである。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0019】図1に本発明の一実施形態に係る吸収冷凍機の抽気装置の概略、図2に本実施形態の吸収冷凍機の概略構成を示す。
【0020】本実施形態の吸収冷凍機において、図3に示すように、蒸発器10と吸収器20は、同一のシェル(高真空容器)内に構成されている。この蒸発器10内には蒸発器チューブ11が配置されている。この蒸発器チューブ11には、冷水入口ラインL1を介して冷水W1が供給され、蒸発器チューブ11を流通した冷水W1は冷水出口ラインL2を介して外部に排出される。また、冷媒ラインL11を介して冷媒ポンプP1により汲み上げられた冷媒(水)Rは、蒸発器チューブ11に向けて散布される。散布された冷媒Rは、蒸発器チューブ11内を流通する冷水W1から気化の潜熱を奪って蒸発気化して冷媒蒸気rとなる。この冷媒蒸気rは吸収器20側に流入していく。
【0021】この冷水W1は、12℃の温度で蒸発器10に入り、蒸発器チューブ11にて冷却されて、蒸発器10から7℃の温度で排出される。冷水出口ラインL2から出てくる7℃の冷水W1は、ビルの冷房や工場のプロセス用として用いられる。ビル冷房等の冷房負荷において冷房に供せられた冷水W1は、温度上昇し12℃の温度となって再び蒸発器10に流入してくる。
【0022】一方、吸収器20内には吸収器チューブ21が配置されている。この吸収器チューブ21には、冷却水ラインL3を介して冷却水W2が供給される。そして、溶液ラインL21を介して溶液ポンプP2により圧送されてきた臭化リチウム濃溶液Y1は、吸収器チューブ21に向けて散布される。このため、散布された臭化リチウム濃溶液Y1は、吸収器20側に流入してきた冷媒蒸気rを吸収して、濃度が薄くなる。濃度が薄くなった臭化リチウム希溶液Y3は、吸収器20の底部に集められる。なお、吸収器20内で発生する熱は、吸収器チューブ21内を流通する冷却水W2により冷却される。
【0023】この吸収器20の底部に集められた臭化リチウム希溶液Y3は、溶液ポンプP3により圧送され、バルブV5,低温熱交換器30,溶液ラインL22,高温熱交換器31,溶液ラインL23を介して、高圧再生器40に供給される。
【0024】高圧再生器40は、炉筒,伝熱管を胴内に収めると共にバーナを装備している。この高圧再生器40は、ガスラインL31及びバルブV21及び燃料制御弁V22を介して燃料ガスGが供給されることにより、燃料ガスGを燃焼して臭化リチウム希溶液Y3を加熱する。高圧再生器40に供給された臭化リチウム希溶液Y3は、加熱され、冷媒の一部が蒸発気化して濃度が中程度の臭化リチウム中溶液Y2となる。この臭化リチウム中溶液Y2は、溶液ラインL24,高温熱交換器31を通って低圧再生器50に供給される。
【0025】一方、高圧再生器40にて蒸発した冷媒蒸気rは、冷媒ラインL12を介して、低圧再生器50の低圧再生器チューブ51に供給され、更に、冷媒ラインL13を介して凝縮器60に供給される。なお、低圧再生器50と凝縮器60は、同一のシェル内に構成されている。
【0026】この低圧再生器50では、溶液ラインL24を介して臭化リチウム中溶液Y2が供給されるとともに、溶液ラインL25を介して溶液ラインL22から分岐してきた臭化リチウム希溶液Y3が低圧再生器チューブ51に向けて散布される。この低圧再生器50では、低圧再生器チューブ51により溶液Y2,Y3が加熱され、冷媒の一部が蒸発して溶液の濃度が更に濃くなり、高濃度の臭化リチウム濃溶液Y1が低圧再生器50の底部に集められる。この臭化リチウム濃溶液Y1は、溶液ポンプP2により、再び吸収器20に供給される。
【0027】また、凝縮器60には、冷却水ラインL4により冷却水W2が供給される凝縮器チューブ61が配置されている。この凝縮器60では、高圧再生器40にて蒸発して冷媒ラインL12,低圧再生器チューブ51及び冷媒ラインL13を介して供給されてきた冷媒蒸気rと、低圧再生器50にて蒸発して凝縮器60側に流入してきた冷媒蒸気rが、凝縮器チューブ61にて冷却凝縮されて、冷媒(水)Rとなる。この冷媒Rは、重力及び圧力差により、冷媒ラインL14を介して蒸発器10に送られる。蒸発器10の底部に集められた冷媒Rは、冷媒ポンプP1により再び冷媒ラインL11を介して蒸発器チューブ11に向けて散布される。
【0028】なお、上述した吸収冷凍機にて、冷房運転時には、バルブV1,V2,V3,V4は閉じており(図では黒塗りして示している)、バルブV5,V11,V12,V13,V14は開いている(図では白抜きして示している)。また、吸収冷凍機は暖房運転をすることもできるが、本発明には関係がないので、暖房運転時の動作説明は割愛する。
【0029】ここで、上述した本実施形態の吸収冷凍機に設けられた抽気装置を具体的に説明する。
【0030】図1に示すように、吸収冷凍機は、前述したように、蒸発器10と吸収器20と高圧再生器40(図示略)と低圧再生器50と凝縮器60とから構成されており、各機器が一つのシェル内に設けられている。本実施形態では、凝縮器60内の不凝縮ガスを蒸発器10に抽気して吸収器20へ流動させ、低圧再生器50内の不凝縮ガスを動力源とした第1エジェクタ機構71と、溶液ポンプP3の臭化リチウム希溶液Y3を動力源とした第2エジェクタ機構72とによって吸収器20及び低圧再生器50内の不凝縮ガスを二段階で抽気するようにしている。
【0031】即ち、凝縮器60と蒸発器10との間には凝縮器60の内部で発生した不凝縮ガスを抽気する第1の抽気配管73が設けられている。一方、基端部が吸収器20に連結された第2の抽気配管74の先端部が第1エジェクタ機構71に連結され、基端部が低圧再生器50に連結された第3の抽気配管75の先端部がこの第1エジェクタ機構71に連結されている。従って、この第1エジェクタ機構71では、第3の抽気配管75を通して低圧再生器50から導入した高圧の不凝縮ガスを動力源とし、この高圧の不凝縮ガスの流動に基づく負圧により、第2の抽気配管74を通して吸収器20内の不凝縮ガスを吸引することができる。
【0032】また、基端部が第1エジェクタ機構71の出口側に連結された第4の抽気配管76の先端部が第2エジェクタ機構72に連結され、吸収器20に貯留する臭化リチウム希溶液Y3を溶液ポンプP3によって高圧再生器40側に送る溶液ラインL22の配管77から分岐した分岐管78がこの第2エジェクタ機構72に連結されている。従って、この第2エジェクタ機構72では、溶液ポンプP3の駆動によって供給された臭化リチウム希溶液Y3を動力源とし、この臭化リチウム希溶液Y3の流動に基づく負圧により、第4の抽気配管76を通して第1エジェクタ機構71を流れる不凝縮ガスを吸引することができる。そして、この第2エジェクタ機構75には抽気した不凝縮ガスを図示しない液シールを介して溜める抽気タンクが装着されると共に、この抽気タンクから不凝縮ガスを取り出す抽気ポンプ79が連結されている。なお、第2エジェクタ機構72には分岐管78を通して供給された臭化リチウム希溶液Y3を吸収器20に戻す戻し配管80が連結されている。
【0033】従って、蒸発器10は内部が絶対圧力6mmHgで、凝縮器60は内部が絶対圧力が50mmHgであるため、その圧力差によって凝縮器60内で発生した不凝縮ガスは第1の抽気配管73を通って蒸発器10に抽気され、吸収器20に流動する。一方、再生器50は内部が絶対圧力750mmHgと高圧であるため、この再生器50内で発生した不凝縮ガスは第3の抽気配管75を通って第1エジェクタ機構71に流動し、ここで高圧の不凝縮ガスの流動に基づいて負圧が発生するため、吸収器20内の不凝縮ガスは第2の抽気配管74を通して吸引される。また、第2エジェクタ機構72には溶液ポンプP3により分岐管78を介して臭化リチウム希溶液Y3が供給されており、ここで臭化リチウム希溶液Y3の流動に基づいて負圧が発生するため、第1エジェクタ機構71で抽気した凝縮器60及び吸収器20内の不凝縮ガスは第4の抽気配管76を通して吸引され、液シールを介して抽気タンクに溜められる。なお、第2エジェクタ機構72に供給された臭化リチウム希溶液Y3は戻し配管80を通して吸収器20に戻される。
【0034】このように本実施形態の抽気装置を有する吸収冷凍機にあっては、凝縮器60内の不凝縮ガスを蒸発器10に抽気して吸収器20へ流動させ、低圧再生器50内から供給される高圧の不凝縮ガスを動力源として第1エジェクタ機構71によって吸収器20内の不凝縮ガスを抽気すると共に、溶液ポンプP3により供給される臭化リチウム希溶液Y3を動力源として第2エジェクタ機構72によって第1エジェクタ機構71が抽気した不凝縮ガスをもう一度抽気するようにしている。従って、吸収器20、低圧再生器50、凝縮器60で発生した不凝縮ガスを二段階に抽気することとなり、溶液ポンプP3の能力、つまり、ポンプ駆動モータの高出力化を行う必要はなく、装置の大型化や消費電力の増大を招くことなく低コストで抽気能力を向上することができる。
【0035】
【発明の効果】以上、実施形態において詳細に説明したように本発明の吸収冷凍機によれば、冷房に利用して温度上昇した冷水が流通する蒸発器チューブに向けて冷媒を散布することによりこの冷媒を蒸発気化させて冷媒蒸気とする蒸発器と、蒸発器で発生した冷媒蒸気を濃度の濃い臭化リチウム溶液により吸収させる吸収器と、冷媒を吸収して低濃度となった臭化リチウム溶液を燃焼ガスにより加熱して臭化リチウム溶液中の冷媒を蒸発させて臭化リチウム溶液を高濃度として吸収器に供給する再生器と、再生器で発生した冷媒蒸気を凝縮させて凝縮した冷媒を蒸発器に供給する凝縮器とで吸収冷凍機を構成し、凝縮器内の不凝縮ガスを蒸発器あるいは吸収器へ抽気する抽気配管を設けると共に、再生器で発生した不凝縮ガスの流動に基づく吸引によって吸収器内の不凝縮ガスを抽気する第1エジェクタ機構と、溶液ポンプによって吸収器から供給された臭化リチウム溶液の流動に基づく吸引によって第1エジェクタ機構を通過する不凝縮ガスを抽気する第2エジェクタ機構とを設けたので、吸収器や再生器や凝縮器60で発生した不凝縮ガスを2つのエジェクタ機構によって二段階抽気することとなり、臭化リチウム溶液を供給する溶液ポンプの駆動モータの高出力化を行う必要はなく、装置の大型化や消費電力の増大を招くことなく低コストに抽気能力の向上を図ることができる。
【出願人】 【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
【出願日】 平成10年(1998)5月28日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】光石 俊郎 (外2名)
【公開番号】 特開平11−337233
【公開日】 平成11年(1999)12月10日
【出願番号】 特願平10−147431