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【発明の名称】 冷暖房空調設備の改造方法、および、冷暖房空調設備
【発明者】 【氏名】立花 慶二

【氏名】福島 幸男

【氏名】関口 恭一

【氏名】町澤 健司

【氏名】肥後 譲

【要約】 【課題】HCFC類フロンを熱搬送媒体とし、室内機と室外機とから成る既設の冷暖房空調設備を改造して、室内機1の使用を継続しつつ、エネルギーコストの安い灯油エンジン31を駆動源にする。

【解決手段】灯油エンジンを駆動源とする冷暖房空調設備用の圧縮機は比較的最近商品化された機器であるため、新代替物質であるHFC類フロン用に設計製作されているから、そのままではHCFC類フロン用の室内機とマッチングしない。そこで、改造前の冷暖房空調設備の公称冷暖房能力に比して1/Nの冷暖房空調設備用の(小容量の)HFC類フロン用圧縮機30と、これにマッチングされた小容量の灯油エンジン31を組にした図示Cの部分を交換して対応する。その他の構成機器や制御器は、諸種の条件に応じてそれぞれの対応が可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 HCFC類のフロンを熱搬送媒体とし、HCFC類フロンのガスを圧縮する圧縮機と、該圧縮機を回転駆動する電気モーターと、HCFC類フロンと大気との熱交換を行なう室外熱交換器とを有する室外機を具備し、かつ、HCFC類フロンと室内空気との熱交換を行なう室内機交換器を有する室内機を具備している冷暖房空調設備の駆動源を、「鉱物油を燃料とするエンジン」に改造する方法において、上記の改造対象であるHCFC類フロン用冷暖房空調設備の室外機を取外し、上記HCFC類フロンの蒸発潜熱の、HFC類フロンの蒸発潜熱に対する比をNとして、前記HCFC類フロン用冷暖房空調設備の公称冷暖房能力に比して約1/N倍の公称冷暖房能力を有するとともに、圧縮機を回転駆動する燃料油焚きエンジンを備えたHFC類フロン用冷暖房空調設備の室外機を取付け、上記HFC類フロン用冷暖房空調設備の室外機中にHFC類フロンが封入されていれば、上記の取付作業に先立って、予めHFC類フロンを排出してから内部を洗浄し、前述のようにして室外機を取外し・取付けて交換した冷暖房空調設備の熱搬送媒体循環系の中にHCFC類フロンおよび冷凍機油を注入し、前記HCFC類フロン用冷暖房空調設備の室内機の使用を継続することを特徴とする、冷暖房空調設備の改造方法。
【請求項2】 HCFC類のフロンを熱搬送媒体とし、HCFC類フロンのガスを圧縮する圧縮機と、該圧縮機を回転駆動するガスエンジンと、HCFC類フロンと大気との熱交換を行なう室外熱交換器とを有する室外機を具備し、かつ、HCFC類フロンと室内空気との熱交換を行なう室内熱交換器を有する室内機を具備している冷暖房空調設備の駆動源を、「鉱物油を燃料とするエンジン」に改造する方法において、上記の改造対象であるHCFC類フロン用冷暖房空調設備の室外機を取外し、上記HCFC類フロンの蒸発潜熱の、HFC類フロンの蒸発潜熱に対する比をNとして、前記HCFC類フロン用冷暖房空調設備の公称冷暖房能力に比して約1/N倍の公称冷暖房能力を有するとともに、圧縮機を回転駆動する燃料油焚きエンジンを備えたHFC類フロン用冷暖房空調設備の室外機を取付け、上記HFC類フロン用冷暖房空調設備の室外機中にHFC類フロンが封入されていれば、上記の取付作業に先立って、予めHFC類フロンを排出してから内部を洗浄し、前述のようにして室外機を取外し・取付けて交換した冷暖房空調設備の熱搬送媒体循環系の中にHCFC類フロンおよび冷凍機油を注入し、前記HCFC類フロン用冷暖房空調設備の室内機の使用を継続することを特徴とする、冷暖房空調設備の改造方法。
【請求項3】 HCFC類のフロンを熱搬送媒体とし、HCFC類フロンのガスを圧縮する圧縮機と、該圧縮機を回転駆動する電気モーターと、HCFC類フロンと大気との熱交換を行なう室外熱交換器とを有する室外機を具備し、かつ、HCFC類フロンと室内空気との熱交換を行なう室内熱交換器を有する室内機を具備している冷暖房空調設備の駆動源を、「鉱物油を燃料とするエンジン」に改造する方法において、上記の改造対象であるHCFC類フロン用冷暖房空調設備の室外機から、HCFC類フロンのガスを圧縮する圧縮機および該圧縮機回転駆動用電気モーターを取り外し、上記HCFC類フロンの蒸発潜熱の、HFC類フロンの蒸発潜熱に対する比をNとして、前記HCFC類フロン用冷暖房空調設備の公称冷暖房能力に比して約1/N倍の公称冷暖房能力を有するとともに、圧縮機を回転駆動する燃料油焚きエンジンを備えたHFC類フロン用冷暖房空調設備の室外機を構成しているガス圧縮機、および該ガス圧縮機を回転駆動する「鉱物油を燃料とするエンジン」を取付け、上記HFC類フロン用冷暖房空調設備のガス圧縮機中にHFC類フロンが封入されていれば、上記の取付作業に先立って、予めHFC類フロンを排出してから内部を洗浄し、前述のようにして圧縮機を取外し・取付けて交換した冷暖房空調設備の熱搬送媒体循環系の中にHCFC類フロンおよび冷凍機油を注入し、前記HCFC類フロン用冷暖房空調設備の室内機、および室外熱交換器の使用を継続することを特徴とする、冷暖房空調設備の改造方法。
【請求項4】 HCFC類のフロンを熱搬送媒体とし、HCFC類フロンのガスを圧縮する圧縮機と、該圧縮機を回転駆動するガスエンジンと、HCFC類フロンと大気との熱交換を行なう室外熱交換器とを有する室外機とを具備し、かつ、HCFC類フロンと室内空気との熱交換を行なう室内熱交換器を有する室内機を具備している冷暖房空調設備の駆動源を、「鉱物油を燃料とするエンジン」に改造する方法において、上記の改造対象であるHCFC類フロン用冷暖房空調設備から、HCFC類のフロンのガスを圧縮する圧縮機および該圧縮機回転駆動用ガスエンジンを取り外し、上記HCFC類フロンの蒸発潜熱の、HFC類フロンの蒸発潜熱に対する比をNとして、前記HCFC類フロン用冷暖房空調設備の公称冷暖房能力に比して約1/N倍の公称冷暖房能力を有するとともに、圧縮機を回転駆動する燃料油焚きエンジンを備えたHFC類フロン用冷暖房設備の室外機を構成しているガス圧縮機、および該ガス圧縮機を回転駆動する「鉱物油を燃料とするエンジン」を取り付け、上記HFC類フロン用冷暖房空調設備のガス圧縮機中にHFC類フロンが封入されていれば、上記の取付作業に先立って、予めHFC類フロンを排出してから内部を洗浄し、前述のようにして圧縮機を取外し・取付けて交換した冷暖房空調設備の熱搬送媒体循環系の中にHCFC類フロンおよび冷凍機油を注入し、前記HCFC類フロン用冷暖房空調設備の室内機、および室外機交換器の使用を継続することを特徴とする、冷暖房空調設備の改造方法。
【請求項5】 HCFC類フロンの飽和蒸気比容積の、HFC類フロンの飽和蒸気比容積に対する比をMとし、前記HFC類フロン用として構成された冷暖房空調設備の公称冷暖房能力を選定する指標である数値(1/N)に、比容積を勘案する補正係数としてMを乗じてM/Nとし、HCFC類フロン用冷暖房空調設備の公称冷暖房能力に比して約M/N倍の公称冷暖房能力を有するHFC類フロン用冷暖房空調設備の室外機、または、上記室外機を構成しているガス圧縮機および該ガス圧縮機を回転駆動する「鉱物油を燃料とするエンジン」を取付けることを特徴とする、請求項1ないし請求項4の内の何れか一つに記載した冷暖房空調設備の改造方法。
【請求項6】 室外機に設置されている膨脹弁、および/または、室内機に設置されている膨脹弁を交換し、もしくは再調整して、HFC類フロン用として設計製作された圧縮機によって圧送されるHCFC類フロンの循環流量を制御することを特徴とする、請求項1ないし請求項4の内の何れか一つに記載した冷暖房空調設備の改造方法。
【請求項7】 室外機に設けられているガス圧縮機およびその駆動機器、並びに膨脹弁を制御するとともに、室内機に設けられている室内制御盤と信号交換する室外制御盤を交換し、または、上記室外制御盤を構成している部材の一部を交換し、もしくは、上記室外制御盤を再調整して、HFC類フロン用として設計製作された圧縮機によって圧送されるHCFC類フロンの循環流量、および、該圧縮機を駆動するエンジンの負荷を制御することを特徴とする、請求項1ないし請求項4の何れか一つに記載した冷暖房空調設備の改造方法。
【請求項8】 生産され、稼働し、主要構成機器の一部分を交換して改造された経歴を有する冷暖房空調設備であって、室外機と室内機とから成り、室内機はHCFC類フロンを熱搬送媒体とするように設計製作されて、HCFC類フロンを熱搬送媒体として稼働した経歴を有する機器であり、室外機はHFC類フロンを熱搬送媒体とするように設計製作された機器であって、HFC類フロンのガスを圧縮するように設計製作された圧縮機と、該圧縮機を回転駆動するように性能特性をマッチングされた鉱物油焚きディゼルエンジンと、HFC類フロンを熱搬送媒体とするように設計製作された室外熱交換器と、を具備していて、前記の室内機よりも稼働経歴が新しく、かつ、前記の室外機と室内機とを接続してなる熱搬送媒体の循環系の中にHCFC類フロンおよび冷凍機油が封入されていることを特徴とする、冷暖房空調設備。
【請求項9】 生産され、稼働し、主要構成機器の一部分を交換して改造された経歴を有する冷暖房空調設備であって、室外機を室内機とから成り、室内機はHCFC類フロンを熱搬送媒体とするように設計製作されて、HCFC類フロンを熱搬送媒体として稼働した経歴を有する機器であり、室外機は(イ)HCFC類フロンを熱搬送媒体とするように設計製作され、HCFC類フロンを熱搬送媒体として稼働した経歴を有する室外熱交換器と、(ロ)HFC類フロンを熱搬送媒体とするように設計製作され、前記室内機および室外熱交換器に比して稼働経歴の新しいガス圧縮機と、(ハ)上記ガス圧縮機を回転駆動するようにマッチングされた鉱物油焚きディゼルエンジンと、を具備しており、かつ、前記の室外機と室内機とを接続してなる熱搬送媒体の循環系の中にHCFC類フロンおよび冷凍機油が封入されていることを特徴とする、冷暖房空調設備。
【請求項10】 前記の室外機に設けられている膨脹弁、および室内機に設けられている膨脹弁の少なくとも何れか一方は、HCFC類フロンの流量を制御するように設計製作されたものであって、前記室内機とほぼ等しい稼働経歴期間を有し、かつ、製作完成時における調整基準を変更されたものであり、または、前記の室外機に設けられている膨脹弁はHFC類フロンの流量を制御するように設計製作された後、HCFC類フロンの流量を制御するように再調整されたものであることを特徴とする、請求項8もしくは請求項9に記載した冷暖房空調設備。
【請求項11】 前記室外機に設けられている室外制御盤が、HCFC類フロンを熱搬送媒体として用いる冷暖房空調設備用として設計製作されたものであって、前記室内機とほぼ等しい稼働経歴期間を有し、かつ、鉱物油焚きエンジンの回転速度・出力を制御するように改造もしくは再調整されたものであり、または、前記室外機に設けられている室外制御盤は、HFC類フロンを熱搬送媒体として使用する冷暖房空調設備用として設計製作されたものであって、HCFC類フロンの冷,暖房サイクルを制御するように改造され、もしくは再調整されたものであることを特徴とする、請求項8もしくは請求項9に記載した冷暖房空調設備。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明の、既設の冷暖房空調設備を改造して、鉱物油焚きエンジンで駆動するようにし、以てエネルギーコストを低減せしめる技術に係り、特に、改造に要する資源および時間,労力を出来るだけ節減し得るように創作した技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在の冷暖房空調設備は、多年の技術的改良の歴史の上に成り立っている。そして本発明は、技術的向上進歩の途上において生産された既設の冷暖房空調設備に最新の技術を適用して、安価に、短時間で改造しようとするものである。
【0003】上記の技術的向上進歩は多面的に併行して進められてきたが、その主要なテーマとして「フロン公害の防止」と「エネルギーコストの低減」とが有る。上記のエネルギーコストの低減は、ランニングコストの節減という形でユーザーの経済的利益となるのみでなく、省エネルギーという国家的要請にも合致するものである。次に、(a)フロン公害防止のためにフロンが改良された経緯の概略と、(b)公害防止改良途上形のフロンを用いた冷暖房空調設備の概要的な構造と、(c)公害防止完成形のフロンを用いた冷暖房空調設備の概要的な構造とを、順次に説明する。フロンは、メタン基やエタン基を有している化合物の水素原子の一部または全部をフッ素や塩素などのハロゲン元素で置換したものの、我国における一般名称であるが、アメリカやヨーロッパには「フロン」に該当する総括的な名称は存在していない。しかし、フロンの種別をすることは本発明の構成を明確ならしめるために必要であるから、ここに類別の概要を述べて類別名称を定義しておくこととする。
【0004】この種の化合物は、分子構造上、CFC,HCFC,HFCの3種類に区分される。CFCは、水素原子が総べてフッ素が塩素で置き換えられたものであって、オゾン層を破壊してフロン公害を招く虞れが有り、特定フロンとして法的に規制され、今日では姿を消している。HCFCはハイドロ・クロロ・フルオロカーボンの略で、オゾン破壊係数が小さく(例えば、代表的なHCFCであるフロンR22のオゾン破壊係数は0.055)、代替フロンと呼ばれている。ただし、オゾン破壊係数がゼロではないので、1996年に総量規制され、2004年に大幅生産削減されることになっており2022年に全廃となる見込である。ただし、このHCFCも、冷暖房空調設備内に密封されていて漏出しなければ公害の原因とならないことを理解しておかねばならない。HFCはハイドロ・フルオロカーボンの略で、オゾン破壊係数はゼロであって新代替物質と呼ばれている。前記のHCFCに属するものとしてフロンR22,フロンR123,フロンR225等が有る。本発明では、これらをHCFC類フロンと総称する。また、HFCに属するものとしてフロンR134a,フロンR32,フロンR125等が有る。本発明では、これらをHFC類フロンと総称する。ただし、紛らわしくない場合に限って「類」の語を省略する場合が有る。
【0005】図3は、HCFC類フロンを熱搬送媒体として用いた冷暖房空調設備の公知例を示す概要的な配管系統図に模式的な制御系統図を付記してあり、特にHCFC専用として設計製作された構成部材の符号にはサフィックスとして「hc」の2文字を付してある。1は室内機、2は室外機、20は建物隔璧である。本図では図示を簡略化してあるが、1基の室外機2に対して複数基の室内機1を配設されている場合が少なくない。室内機1には、HCFCフロン用として設計製作された室内熱交換器3と、室内送風機4とが設けられている。5は室内戻り管、6は室内供給管であって、この室内供給管6はHCFCフロン用として設計製作された膨脹弁7hcが介挿接続されている。この膨脹弁は熱搬送媒体流量を制御する重要な役目を受け持っており、この流量が適正でないと圧縮機に吸い込まれるガス流の中に液滴が混ったり、吐出ガスが過熱したりする。この膨脹弁7hcの開度は、室内信号線28を介してHCFC用室内制御盤26hcによって制御される。室外機2には、HCFCフロン用として設計製作されたガス圧縮機16hcと、これを回転駆動するように特性カーブをマッチングさせた電気モーター、またはガスエンジン17eが設置されている。前記のHCFCフロン用圧縮機16hcは、理論的には必ずしも電気モーターまたはガスエンジンでなくても回転駆動することが出来るが、実際の既設冷暖房設備は一般に電気モーター駆動もしくはガスエンジン駆動となっている。その理由は、時代的背景を反映したものであると言うことができる。すなわち、HCFC類フロンが未だ法的に規制されていなかった時代には、タクシーにも石油液化ガスエンジンが賞用されたように、ガスエンジンの燃料代が比較的安価であって、地球温暖化防止の問題が未だ切実でなかったため、冷暖房空調設備の駆動源としてガスエンジンが多く用いられた。また、一般オフィスの事務が未だコンピュータ化されていなかったため、オフィス室内の電力消費量が少なく、冷暖房空調設備に電力を振り向ける余裕が有った。その結果,制御容易な電気モーターが駆動源として多く用いられたものである。前記HCFCフロン用圧縮機16hcは、HCFC類フロンのガスを吸入,圧出する。圧縮されたガスは断熱圧縮によって昇温し、四方切替弁14を経て、HCFCフロン用として設計製作された室外熱交換器12hcを流通する。ここで、ガス状のHCFC類フロンは、室外送風機13によって吹きつけられる大気と熱交換する。すなわち、HCFC類フロンのガスは蒸発潜熱を放出して液化し、熱交戻り管11,受液器10,および、HCFCフロン用として設計製作された膨脹弁18hcを通り、冷媒供給管8を経て室内機1に供給される。室内機1に供給された液状のHCFC類フロンは室内熱交換器3hcを流通しつつ、室内送風機4で吹きつけられる室内空気と熱交換する。すなわち、室内空気から蒸発潜熱を奪ってこれを冷却するとともに、気化して、前記四方切替弁14,およびアキュムレータ15を経て圧縮機16hcに吸入され、1サイクルを終える。その後、連続的にこれを繰り返して冷房機能を発揮する。前記の四方切替弁14を操作して熱搬送媒体の流動経路をほぼ逆転させると暖房機能を果たすようになる。
【0006】27hcはHCFCフロン用として設計製作された室外制御盤であって、室外信号線29を介して膨脹弁18hc,四方切替弁14,および、室外送風機13を駆動制御している。
【0007】図4は、HFC類フロンを熱搬送媒体として用いた冷暖房空調設備の公知例を示す概要的な配管系統図に模式的な制御系統図を付記してあり、特にHFC専用として設計製作された構成部材の符号にはサフィックスとして「hf」の2文字を付してある。次に、本図4(HFC類フロン冷暖房空調)を、前掲の図3(HCFC類フロン冷暖房空調)と比較して、異なっている点を抽出して述べると、HFCフロン用室内熱交換器3hf、HFCフロン用膨脹弁7hf、HFCフロン用室外熱交換器12hf、HFCフロン用圧縮機16hf、HFCフロン用膨脹弁18hf、HFCフロン用室内制御盤26hf、およびHFCフロン用室外制御盤27hfは、それぞれHFC類フロンを熱搬送媒体として用いるように設計製作された構成部材である。熱搬送媒体としてHCFC類フロンを用いる場合とHFC類フロンを用いる場合とでは、その化学的性質も異なるが、物理的性質の違いの影響を受けることが大きい。次に、HFC類フロンの代表例であるフロンR134aと、HCFCフロンの代表例であるフロンR25との物理的性質の主要なものを対比表として示す。
通称 フロンR134a フロンR22化学成分 HFC−134a HCFC−22分子量 102.03 86.47沸点(℃) −26.18 −40.8凝固点(℃) −101 −160臨界温度(℃) 101.5 96.15臨界圧力(MPa) 4.065 4.99飽和蒸気比容積 0.031 0.0225(m3/kg)
蒸発潜熱(kcal/kg) 42.54 55.78これらの物理的性質の相異の内、最も重要なものは蒸発潜熱の相異であり、次いで重要なものは飽和蒸気比容積(比重の逆数)である。詳細については後に述べる。
【0008】前記のHFCフロン用圧縮機16hfは、鉱物油を燃料とするエンジン(本例では灯油焚きのディゼルエンジン)17pによって回転駆動されるようになっている。その理由は次のとおりである。すなわち、HFC類フロンを熱搬送媒体として用いる冷暖房空調設備は、公知であるが比較的生産年代が新しい。このため、OA化が進んでオフィス室内の電力消費量が増加して、冷暖房空調設備に振り向ける電力余裕が少ないので電気モーターの使用を避け、地球温暖化防止と燃料代節減とを目的として熱効率の高い(燃料消費率の低い)ディゼルエンジンが好まれるようになってガスエンジンが使われなくなったからである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】図3に示した旧式の冷暖房空調設備が既に設置されている場合、これを図4に示した新式の冷暖房空調設備によって更新したいという希望が生じた際、設備の全部を交換しなくても、構成機器の一部のみを交換したいという要請が出てくる。部分交換の要請の内容は、事情によって異なり、必ずしも一定ではないが、主要なものとして次のようなものが挙げられる。
a. 屋外機は直接的に風雨に晒されているので損耗が甚だしい。これに比して屋内機は余り損耗していない。このため、屋内機は既設の機器を継続使用することとして、屋外機だけを交換してほしい。
b. 電気モーターやガスエンジンはエネルギーコストが割高になった。このため、エネルギーコストの安い灯油焚きディゼルエンジンに交換改造してほしい。
c. 高負荷を受けて運転されている圧縮機が損耗したので、圧縮機だけを交換修理してほしい。
もちろん、上記a,b,cの内の2項目が複合した要請が出てくる場合も少なくない。ところが、各構成機器の性能特性カーブをマッチングさせて、バランスのとれた一組の冷暖房空調設備の中で、その一部分だけを新品と交換しようとすると種種の不具合が発生する。
【0010】例えば、図3に示した旧式の冷暖房空調設備に用いられている電気モーターもしくはガスエンジン17eを、図4に示した新式の灯油エンジン17pと交換してエネルギーコスト(燃料代)を節約しようとしても、該灯油エンジン17pはHFCフロン用圧縮機16hf(図4)に性能特性カーブをマッチングさせてあるので、HCFCフロン用圧縮機16hcに取り付けることができない。性能特性カーブがマッチングされているという観点から見れば、上述のように駆動用の機器だけを新品と交換することができず、図3に仮想線で示したAの部分と図4に仮想線で示したBの部分とを交換しなければならない。すなわち、「圧縮機と、その駆動用機器」を一組として交換しなければならない。ところが、図3のA部を構成している圧縮機16hcはHCFC類フロン用に設計製作されており、図4のB部を構成している圧縮機16hfはHFC類フロン用に設計製作されている。先に説明したようにHCFC類フロンとHFC類フロンとは物理的性質が異なるので単純に類似銘柄の間で「フロンガスの圧縮機とその駆動機器」を一組にして交換しても、冷暖房空調設備全体としてバランスのとれた冷暖房機能は発揮されない。すなわち、例えば、HCFCフロン用圧縮機16hcを備えた冷暖房空調設備(図3)の公称冷暖房能力に比してHFCフロン用圧縮機16hfを備えた冷暖房空調設備(図4)の公称冷暖房能力が等しい場合について考察すると、諸物性(特に蒸発潜熱)の異なるHCFC類フロン用として設計製作されたガス圧縮機とHFC類フロン用として設計製作されたガス圧縮機とHFC類フロン用として設計製作されたガス圧縮機とは吐出圧力,吐出流量が異なる。つまり、公称冷暖房能力が同じであるからと思ってガス圧縮機を交換すると、吐出圧力,吐出流量といった圧縮機としての基本的に諸元が異っているので、冷暖房空調設備全体のバランスを崩してしまう。以上に述べたのは、単純な機器交換によって生じる不具合の1例であって、その他にもいろいろと難しい問題が有る。
【0011】以上に述べたように、HCFC類フロン用として設計製作された旧式の冷暖房空調設備を構成している機器のうちの一部分だけを、現行のHFC類フロン用の冷暖房空調設備用の機器と交換して改造もしくは修理を行なうことは非常に困難である。しかしながら、既設の旧式冷暖房空調設備の室内機が未だ健全であって室外機のみが損耗したとき、室内機と室外機との全部を廃却して新しい冷暖房空調設備の一式を新設することは、ユーザーにとっては経済的負担が大きく、健全な室内機を捨ててしまうことは如何にも惜しい。その上、このように健全な機器を廃却することは産業廃棄物の減量という国家,社会の要請にも反することになる。
【0012】また、既設の旧式冷暖房空調設備が未だ健全である場合、その駆動用機器を燃料油焚きエンジン(例えば灯油焚きディゼル)に改造すれば、ユーザーにとってはランニングコスト低減という経済的メリットが有ると分かっていても、未だ健全な冷暖房空調設備全体を更新することには踏み切りかねる。このようにして、省エネルギーという国家,社会の要請に応えることが先送りされてしまっているのが現状である。そして、このようにして燃料消費率の高いガスエンジンを使い続けるならば、地球温暖化防止という世界的な要請に対して応えることなく放置しておく結果となる。本発明は上述の事情に鑑みて為されたものであって、イ.HCFC類フロンを熱搬送媒体とする既設の冷暖房空調設備の室内機が未だ健全であるのに室外機が損耗した場合、または、ロ.HCFC類フロンを熱搬送媒体とする既設の冷暖房空調設備の駆動機器を、熱効率が高くて燃料費の低廉な「鉱物油を燃料とするエンジン」と取り替える場合に、既設の設備を構成している機器をなるべく多く残し、現行型式の冷暖房空調設備に用いられている機器を用いて改造することができ、しかも、改造後の冷暖房空調設備が全体としてバランスのとれた冷暖房機能を発揮することができ、さらに、改造後の冷暖房空調設備の駆動機器の熱効率が高くてランニングコストの低廉な改造技術を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するために創作した本発明の基本的な原理について、その1実施形態に対応する図1を参照して略述すると次のとおりである。すなわち、HCFC類フロンを熱搬送媒体とし、室内機と室外機とから成る既設の冷暖房空調設備を改造して、室内機1の使用を継続しつつ、エネルギーコストの安い灯油エンジン31を駆動源にする。灯油エンジンを駆動源とする冷暖房空調設備用の圧縮機は比較的最近商品化された機器であるため、新代替物質であるHFC類フロン用に設計製作されているから、そのままではHCFC類フロン用の室内機とマッチングしない。そこで、改造前の冷暖房空調設備の公称冷暖房能力に比して1/Nの冷暖房空調設備用の(小容量の)HFC類フロン用圧縮機30と、これにマッチングされた小容量の灯油エンジン31とを組にした図示Cの部分を交換して改造する。その他の構成機器や制御器は、諸種の条件に応じてそれぞれの対応が可能である。
【0014】以上に説明した原理に基づいて請求項1に係る発明方法の構成は、HCFC類のフロンを熱搬送媒体とし、HCFC類のフロンガスを圧縮する圧縮機と、該圧縮機を回転駆動する電気モーターと、HCFC類フロンと大気との熱交換を行なう室外熱交換器とを有する室外機を具備し、かつ、HCFC類フロンと室内空気との熱交換を行なう室内熱交換器を有する室内機を具備している冷暖房空調設備の駆動源を、「鉱物油を燃料とするエンジン」に改造する方法において、上記の改造対象であるHCFC類フロン用冷暖房空調設備の室外機を取外し、上記HCFC類フロンの蒸発潜熱の、HFC類フロンの蒸発潜熱に対する比をNとして、前記HCFC類フロン用冷暖房空調設備の公称冷暖房能力に比して約1/N倍の公称冷暖房能力を有するとともに、圧縮機を回転駆動する燃料油焚きエンジンを備えたHFC類フロン用冷暖房空調設備の室外機を取付け、上記HFC類フロン用冷暖房空調設備の室外機中にHFC類フロンが封入されていれば、上記の取付作業に先立って、予めHFC類フロンを排出してから内部を洗浄し、前述のようにして室外機を取外し・取付け交換した冷暖房空調設備の熱搬送媒体循環系の中にHCFC類フロンおよび冷凍機油を注入し、前記HCFC類フロン用冷暖房空調設備の室内機の使用を継続することを特徴とする。以上に説明した請求項1の発明方法によると、室外機を交換するとともに室内機は残置して使用を継続するので、室内機の取外し新設の手数が掛からない上に新設すべき室内機の機器代金が節約され、その上、既設の室内機を廃却しないので産業廃棄物減量という社会的要請に応える結果となる。しかも、室内機まわりの配管を交換する必要が発生せず、建屋に穿孔などの加工を施す必要が無い。このため施工の労力や時間が節減されるのみでなく、例えばオフィスビルに設置されている冷暖房空調設備を改造する場合、オフィス室内の執務を中断しなくても施工することができる。さらに、既設の冷暖房空調設備を構成していた機器類がHCFC類フロンを熱搬送媒体として用いるように構成されていた処へHFC類フロン用の圧縮機を交換装着することになるが、既設冷暖房空調設備の公称冷暖房能力に比して「使用される熱搬送媒体の蒸発潜熱」に反比例する公称冷暖房能力を有する圧縮機を用いることにより、改造前,後における熱搬送媒体の流量がほぼ同一に保たれ、バランスのとれた改造設備が得られる。以上のようにして、改造前に電気モーターであった駆動機器が改造後において鉱物油焚きエンジンになるので、電力料金に比してエネルギーコストが安価となる上に、電力消費量の節減により事務機OA化用電力の余裕を捻出することができる。さらに、鉱物油焚きエンジンは廃熱利用が可能であるから電気モーター駆動に比して暖房能力を増大せしめることができるとともに、デフロスト時間が短縮される。
【0015】請求項2に係る発明方法の構成は、HCFC類のフロンを熱搬送媒体とし、HCFC類フロンのガスを圧縮する圧縮機と、該圧縮機を回転駆動するガスエンジンと、HCFC類フロンと大気との熱交換を行なう室外熱交換器とを有する室外機を具備し、かつ、HCFC類フロンと室内空気との熱交換を行なう室内熱交換器を有する室内機を具備している冷暖房空調設備の駆動源を、「鉱物油を燃料とするエンジン」に改造する方法において、上記の改造対象であるHCFC類フロン用冷暖房空調設備の室外機を取外し、上記HCFC類フロンの蒸発潜熱の、HCFC類フロンの蒸発潜熱に対する比をNとして、前記HCFC類フロン用冷暖房空調設備の公称冷暖房能力に比して約1/N倍の公称冷暖房能力を有するとともに、圧縮機を回転駆動する燃料油焚きエンジンを備えたHFC類フロン用冷暖房空調設備の室外機を取付け、上記HFC類フロン用冷暖房空調設備の室外機中にHFC類フロンが封入されていれば、上記の取付作業に先立って、予めHFC類フロンを排出してから内部を洗浄し、前述のようにして室外機を取付し・取付けて交換した冷暖房空調設備の熱搬送媒体循環系の中にHCFC類フロンおよび冷凍機油を注入し、前記HCFC類フロン用冷暖房空調設備の室内機の使用を継続することを特徴とする。以上に説明した請求項2の発明方法によると、室外機を交換するとともに室内機は残置して使用を継続するので、室内機の取外し新設の手数が掛からない上に新設すべき室内機の機器代金が節約され、その上、既設の室内機を廃却しないので産業廃棄物減量という社会的要請に応える結果となる。しかも、室内機まわりの配管を交換する必要が発生せず、建屋に穿孔などの加工を施す必要が無い。このため施工の労力や時間が節減されるのみでなく、例えばオフィスビルに設置されている冷暖房空調設備を改造する場合、オフィス室内の執務を中断しなくても施工することができる。さらに、既設の冷暖房空調設備を構成していた機器類がHCFC類フロンを熱搬送媒体として用いるように構成されていた処へHFC類フロン用の圧縮機を交換装着することになるが、既設冷暖房空調設備の公称冷暖房能力に比して「使用される熱搬送媒体の蒸発潜熱」に反比例する公称冷暖房能力を有する圧縮機を用いることにより、改造前,後における熱搬送媒体の流量がほぼ同一に保たれ、バランスのとれた改造設備が得られる。以上のようにして、改造前にガスエンジンであった駆動機器が改造後において鉱物油焚きエンジンになるので熱効率が高くなり、燃料消費量が減少する。すなわち、ガス燃料を用いる内燃機関はオットーサイクルに基づいて作動するので原理的に熱効率が低いのに対して、油を燃料とする内燃機関は圧縮着火方式のディゼルサイクルを利用して熱効率を向上せしめることができ、ランニングコストが低減される。熱効率が向上して燃料消費量が減少すれば、発生二酸化炭素量が減少して、地球温暖化防止にも貢献することができる。
【0016】請求項3に係る発明方法の構成は、HCFC類のフロンを熱搬送媒体とし、HCFC類フロンのガスを圧縮する圧縮機と、該圧縮機を回転駆動する電気モーターと、HCFC類フロンを大気との熱交換を行なう室外熱交換器とを有する室外機を具備し、かつ、HCFC類フロンと室内空気との熱交換を行なう室内熱交換器を有する室内機を具備している冷暖房空調設備の駆動源を、「鉱物油を燃料とするエンジン」に改造する方法において、上記の改造対象であるHCFC類フロン用冷暖房空調設備の室外機から、HCFC類フロンのガスを圧縮する圧縮機および該圧縮機回転駆動用電気モーターを取外し、上記HCFC類フロンの蒸発潜熱の、HFC類フロンの蒸発潜熱に対する比をNとして、前記HCFC類フロン用冷暖房空調設備の公称冷暖房能力に比して約1/N倍の公称冷暖房能力を有するとともに、圧縮機を回転駆動する燃料油焚きエンジンを備えたHFC類フロン用冷暖房空調設備の室外機を構成しているガス圧縮機、および該ガス圧縮機を回転駆動する「鉱物油を燃料とするエンジン」を取付け、上記HFC類フロン用冷暖房空調設備のガス圧縮機中にHFC類フロンが封入されていれば、上記の取付作業に先立って、予めHFC類フロンを排出してから内部を洗浄し、前述のようにして圧縮機を取外し・取付けて交換した冷暖房空調設備の熱搬送媒体循環系の中にHCFC類フロンおよび冷凍機油を注入し、前記HCFC類フロン用冷暖房空調設備の室内機、および室外熱交換器の使用を継続することを特徴とする。以上に説明した請求項3の発明方法によると、ガス圧縮機を交換するとともに、室内機、および室外熱交換器は残置して使用を継続するので、室内機の取外し・新設の手数が掛からない上に、新設すべき室内機などの機器代金が節約され、その上、既設の室内機などを廃却しないので産業廃棄物減量という社会的要請に応え得る結果となる。しかも、室内機まわりの配管を交換する必要が発生せず、建屋に穿孔などの加工を施す必要が無い。このため施工の労力や時間が節減されるのみでなく、例えばオフィスビルに設置されている冷暖房空調設備を改造する場合、オフィス室内の執務を中断しなくても施工することができる。さらに、既設の冷暖房空調設備を構成している機器類がHCFC類フロンを熱搬送媒体として用いるように構成されていた処へHFC類フロン用の圧縮機を交換装着することになるが、既設冷暖房空調設備の公称冷暖房能力に比して「使用される熱搬送媒体の蒸発潜熱」に反比例する公称冷暖房能力を有する圧縮機を用いることにより、改造前,後における熱搬送媒体の流量がほぼ同一に保たれ、バランスのとれた改造設備が得られる。以上のようにして、改造前に電気モーターであった駆動機器が改造後において鉱物油焚きエンジンになるので、電力料金に比してエネルギーコストが安価となる上に、電力消費量の節減により事務機OA化用電力の余裕を捻出することができる。さらに、鉱物油焚きエンジンは廃熱利用が可能であるから電気モーター駆動に比して暖房能力を増大せしめることができるとともに、デフロスト時間が短縮される。
【0017】請求項4に係る発明方法の構成は、HCFC類のフロンを熱搬送媒体とし、HCFC類フロンのガスを圧縮する圧縮機と、該圧縮機を回転駆動するガスエンジンと、HCFC類フロンと大気との熱交換を行なう室外熱交換器とを有する室外機とを具備し、かつ、HCFC類フロンと室内空気との熱交換を行なう室内熱交換器を有する室内機を具備している冷暖房空調設備の駆動源を、「鉱物油を燃料とするエンジン」に改造する方法において、上記の改造対象であるHCFC類フロン用冷暖房空調設備から、HCFC類のフロンのガスを圧縮する圧縮機および該圧縮機回転駆動用ガスエンジンを取り外し、上記HCFC類フロンの蒸発潜熱の、HFC類フロンの蒸発潜熱に対する比をNとして、前記HCFC類フロン用冷暖房空調設備の公称冷暖房能力に比して約1/N倍の公称冷暖房能力を有するとともに、圧縮機を回転駆動する燃料油焚きエンジンを備えたHFC類フロン用冷暖房設備の室外機を構成しているガス圧縮機、および該ガス圧縮機を回転駆動する「鉱物油を燃料とするエンジン」を取り付け、上記HFC類フロン用冷暖房空調設備のガス圧縮機中にHFC類フロンが封入されていれば、上記の取付作業に先立って、予めHFC類フロンを排出してから内部を洗浄し、前述のようにして圧縮機を取外し・取付けて交換した冷暖房空調設備の熱搬送媒体循環系の中にHCFC類フロンおよび冷凍機油を注入し、前記HCFC類フロン用冷暖房空調設備の室内機、および室外熱交換器の使用を継続することを特徴とする。以上に説明した請求項4の発明方法によると、ガス圧縮機を交換するとともに、室内機、および室外熱交換器は残置して使用を継続するので、室内機の取外し・新設の手数が掛からない上に、新設すべき室内機などの機器代金が節約され、その上、既設の室内機などを廃却しないので産業廃棄物減量という社会的要請に応え得る結果となる。しかも、室内機まわりの配管を交換する必要が発生せず、建屋に穿孔などの加工を施す必要が無い。このため施工の労力や時間が節減されるのみでなく、例えばオフィスビルに設置されている冷暖房空調設備を改造する場合、オフィス室内の執務を中断しなくても施工することができる。さらに、既設の冷暖房空調設備を構成している機器類がHCFC類フロンを熱搬送媒体として用いるように構成されていた処へHFC類フロン用の圧縮機を交換装着することになるが、既設冷暖房空調設備の公称冷暖房能力に比して「使用される熱搬送媒体の蒸発潜熱」に反比例する公称冷暖房能力を有する圧縮機を用いることにより、改造前,後における熱搬送媒体の流量がほぼ同一に保たれ、バランスのとれた改造設備が得られる。以上のようにして、改造前にガスエンジンであった駆動機器が改造後において鉱物油焚きエンジンになるので熱効率が高くなり、燃料消費量が減少する。すなわち、ガス燃料を用いる内燃機関はオットーサイクルに基づいて作動するので原理的に熱効率が低いのに対して、油を燃料とする内燃機関は圧縮着火方式のディゼルサイクルを利用して熱効率を向上せしめることができ、ランニングコストが低減される。熱効率が向上して燃料消費率が低減すれば、発生二酸化炭素量が減少して、地球温暖化防止にも貢献することができる。
【0018】請求項5に係る発明方法の構成は、前記請求項1〜4の発明方法の構成要件に加えて、HCFC類フロンの飽和蒸気比容積の、HFC類フロンの飽和蒸気比容積に対する比をMとし、前記HFC類フロン用として構成された冷暖房空調設備の公称冷暖房能力を選定する指標である数値(1/N)に、比容積を勘案する補正係数としてMを乗じてM/Nとし、HCFC類フロン用冷暖房空調設備の公称冷暖房能力に比して約M/N倍の公称冷暖房能力を有するHFC類フロン用冷暖房空調設備の屋外機、または、上記室外機を構成しているガス圧縮機および該ガス圧縮機を回転駆動する「鉱物油を燃料とするエンジン」を取付けることを特徴とする。以上に説明した請求項5の発明方法によると、請求項1〜4の構成によってほぼ同一に保たれる改造前,後の熱搬送媒体流量を、より一定ならしめることができる。
【0019】請求項6に係る発明方法の構成は、前記請求項1〜4の発明方法の構成要件に加えて、室外機に設置されている膨脹弁、および/または、室内機に設置されている膨脹弁を交換し、もしくは再調整して、HFC類フロン用として設計製作された圧縮機によって圧送されるHCFC類フロンの循環流量を制御することを特徴とする。以上に説明した請求項6の発明方法によると、公称冷暖房能力を指標として概要的に規制された熱搬送媒体の流量を、冷暖房空調設備の負荷状態などの使用条件に対応して、より精密に制御することができる。
【0020】請求項7に係る発明方法の構成は、前記請求項1〜4の発明方法の構成要件に加えて、室外機に設けられているガス圧縮機およびその駆動機器、並びに膨脹弁を制御するとともに、室内機に設けられている室内制御盤と信号交換する室外制御盤を交換し、または、上記室外制御盤を構成している部材の一部を交換し、もしくは、上記室外制御盤を再調整して、HFC類フロン用として設計製作された圧縮機によって圧送されるHCFC類フロンの循環流量、および、該圧縮機を駆動するエンジンの負荷を制御することを特徴とする。以上に説明した請求項7の発明方法によると、元来HFC類フロンを圧送するように構成されたガス圧縮機を、鉱物油焚きエンジンで回転駆動しつつHCFC類フロンのガスの圧送を行なわせ、駆動用エンジンにもガス圧縮機にも過負荷を与えることなく正常に作動せしめ、作業条件の変化に順応しつつ冷暖房空調機能を発揮させることができる。
【0021】請求項8の発明に係る冷暖房空調設備の構成は、生産され、稼働し、主要構成機器の一部分を交換して改造された経歴を有する冷暖房空調設備であって、室外機と室内機とから成り、室内機はHCFC類フロンを熱搬送媒体とするように設計製作されて、HCFC類フロンを熱搬送媒体として稼働した経歴を有する機器であり、室外機はHFC類フロンを熱搬送媒体とするように設計製作された機器であって、HFC類フロンのガスを圧縮するように設計製作された圧縮機と、該圧縮機を回転駆動するように性能特性をマッチングされた鉱物油焚きエンジンと、HFC類フロンを熱搬送媒体とするように設計製作された室外熱交換器とを具備していて、前記の室内機よりも稼働経歴が新しく、かつ、前記の室外機と室内機とを接続してなる熱搬送媒体の循環系の中にHCFC類フロンおよび冷凍機油が封入されていることを特徴とする。以上に説明した請求項8の発明によると、最近の生産機器の型式である「HFC類フロン用圧縮機と、これに性能マッチングされた鉱物油焚きエンジン、並びに、最近型式の室外熱交換器」を用いてあるので、これら最近型式の機器類を市場で調達することが容易であり、かつ、鉱物油焚きエンジンを駆動源としているので燃料消費率が低くて経済的である上に、燃料消費量が少ない(ガスエンジンに比して)から二酸化炭素排出量が少なく、地球温暖化防止に寄与することができる。さらに、上記の圧縮機およびエンジン以外の主要機器は、HCFC類フロン用として生産され、稼働した経歴を有するもの(通称・中古品)であるから安価に入手することが出来て経済的であり、自家用機器の中古品を活用すればほとんど無料で入手できる。しかも、上記の中古品に有効な利用の途を与えるので廃却されることが無くなり、産業廃棄物の減量という社会的要請に対して応えることができる。
【0022】請求項9に係る冷暖房空調設備の構成は、生産され、稼働し、主要構成機器の一部分を交換して改造された経歴を有する冷暖房空調設備であって、室外機と室内機とから成り、室内機はHCFC類フロンを熱搬送媒体とするように設計製作されて、HCFC類フロンを熱搬送媒体として稼働した経歴を有する機器であり、室外機は(イ)HCFC類フロンを熱搬送媒体とするように設計製作され、HCFC類フロンを熱搬送媒体として稼働した経歴を有する室外熱交換器と、(ロ)HFC類フロンを熱搬送媒体とするように設計製作され、前記室内機および室外熱交換器に比して稼働経歴の新しいガス圧縮機と、(ハ)上記ガス圧縮機を回転駆動するようにマッチングされた鉱物油焚きディゼルエンジンと、を具備しており、かつ、前記の室外機と室内機とを接続してなる熱搬送媒体の循環系の中にHCFC類フロンおよび冷凍機油が封入されていることを特徴とする。以上に説明した請求項9の発明によると、請求項8におけると同様にHFC類フロンを熱搬送媒体とするように設計製作されたガス圧縮機と、これを回転駆動するようにマッチングされた鉱物油焚きディゼルエンジンとが用いられているので、該請求項8におけると同様に燃料消費率が低くて経済的である上に地球温暖化防止に寄与することができる。そして、請求項8と異なる構成として本請求項9においては、比較的旧型式であるHCFC類フロン用として作られた中古品の室外熱交換器が用いられているので、前記請求項8の発明よりも安価に構成することができる。本請求項9の発明は、冷暖房空調設備の稼働条件、とりわけ大気汚染や雨露の関係によって室外熱交換器の腐食進行が緩やかであった場合に適用することが望ましい。
【0023】請求項10に係る発明の構成は、前記請求項8もしくは請求項9の発明の構成要件に加えて、前記の室外機に設けられている膨脹弁、および室内機に設けられている膨脹弁の少なくとも何れか一方は、HCFC類フロンの流量を制御するように設計製作されたものであって、前記室内機とほぼ等しい稼働経歴期間を有し、かつ、製作完成時における調整備基準を変更されたものであり、または、前記の室外機に設けられている膨脹弁はHFC類フロン流量を制御するように設計製作された後、HCFC類フロンの流量を制御するように再調整されたものであることを特徴とする。以上に説明した請求項10の発明によると、HFC類フロンを圧送するように設計製作された圧縮機が吐出するHCFC類フロンの流量を適正に制御することができ、該圧縮機にフロンの液滴を吸入したり、吐出フロンガスが過熱したりする虞れを無くすることができる。
【0024】請求項11の発明の構成は、前記請求項8もしくは請求項9に記載した発明の構成要件に加えて、前記室外機に設けられている室外制御盤が、HCFC類フロンを熱搬送媒体として用いる冷暖房空調設備用として設計製作されたものであって、前記室外機とほぼ等しい稼働経歴期間を有し、かつ、鉱物油焚きエンジンの回転速度・出力を制御するように改造もしくは再調整されたものであり、または、前記室外機に設けられている室外制御盤は、HFC類フロンを熱搬送媒体として使用する冷暖房空調設備用として設計製作されたものであって、HCFC類フロンの冷,暖房サイクルを制御するように改造され、もしくは再調整されたものであることを特徴とする。
【0025】以上に説明された請求項11の発明によると、請求項8もしくは同9を適用して構成された「HCFC用機器とHFC用機器とから成り、かつ、HCFC類フロンを封入して運転される冷暖房空調設備」の各構成機器相互をバランスさせて制御することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】図1は本発明の1実施形態を示し、HCFC類フロンを熱搬送媒体として用いるように設計製作されて、稼働経歴を有する既設の冷暖房空調設備を改造して、その屋外機を「HFC類フロンを熱搬送媒体として用いるように設計製作された室外機」と交換した例における、フロンの冷,暖房サイクル系統図に制御系統に付記した図である。すなわち、本実施形態(図1)における既設室内機1は、先に図3として示した「HCFC類フロンを熱搬送媒体として用いる冷暖房空調設備」における室内機1と同様ないし類似の構成機器であって、HCFC類フロン(本例ではフロンR22を用いて約10年間稼働した経歴を有している。この既設室内機1は、図3に示されているような「HCFCフロンを熱搬送媒体として使用するように設計製作された冷暖房空調設備」の構成機器である。従って、生産され、設置された時、および、その後の稼働期間中は、図3に示されている「HCFCフロンを熱搬送媒体として使用するように設計製作された室外機2」と組み合わされて冷暖房空調設備を構成していた。こうした経歴の設備であるから、約10年間の稼働中は電気モーターもしくはガスエンジン17eを駆動源として運転されていた。このため、エネルギーコストとしての電力代,ガス代か比較的高価であった。そこで、エネルギーコストを節減してランニングコストを低減せしめることを主たる目的として、次に述べるようにして駆動源を灯油焚きのディゼルエンジンに変えた。これにより、安価な灯油を燃料とし、しかもディゼルエンジンは熱効率が高くて燃料消費量が少ないので、ランニングコストが低減された、なお、その他にも種々の実用的な付帯的効果が得られたが、これについては後に詳しく説明する。
【0027】改造の内容を概要的に言うと、図3に示された構造の既設の冷暖房空調設備から室外機2を取り外し、図4に示されたHFCフロン用冷暖房空調設備の室外機2を取り付けた。上述の室外機交換による改造に伴って、改造前の「電気モーターもしくはガスエンジン17e(図3)」が、灯油エンジン17p(詳しくは灯油焚きのディゼルエンジン(図4)に変わり、電気やガスよりもエネルギー単価の安い灯油を動力源として運転されるようになる。
【0028】ここに、本例の改造目的は「エネルギーコストの低減によるランニングコストの低減」であって、この目的を達成するための直接的な手段は「電気モーター・ガスエンジン17eを灯油エンジン17pに交換することである。しかるに本例において駆動用機器の交換に留めることなく室外機をそっくり交換した理由、並びに、上記の交換に伴って欠くことのできない技術的事項を以下に、順次に説明する。最近の工業的製品である図4の灯油エンジン17pは、「無公害フロンであるHFCフロン(本例ではフロンR134a)を圧縮するように設計製作されたHFCフロン用圧縮機16hf」に対して性能特性カーブをマッチングされ、セットとして市場に流通している。このため、技術的にもエンジンだけを交換することができず、機器の購入単位としてエンジン単独の入手ができない。すなわち図4に点線の円で囲んだB部分を一つの単位として、図3(既設設備)のA部と交換せざるを得ない。さらに本例においては、既設設備(図3)の室外機に用いられていたHCFCフロン用室外熱交換器12hcが、工場排煙や雨露のために腐食されていて損耗が著しかったので、室外機単位で交換して改造したものである。
【0029】上述の交換に際して解決しなければならない最大の技術的問題点は、「HCFC類フロンとHFCフロンとは物性が異なる。とりわけ蒸発潜熱が異なるので、HCFC類フロンを熱搬送媒体として用いるように設計製作された圧縮機16hcを取り外して、HFC類フロンを熱搬送媒体として使用するように設計製作された圧縮機16hfを取り付けても「新しく装着した室外機の圧縮機16hfの吐出流量」と、「既設の室内機のHCFCフロン用室内熱交換器3hcにとって必要にして充分なるHCFC類フロン流量」とはマッチングしない。上記の「マッチングしない」という不具合を定性的に要約すると、HCFC類フロンであるR22の蒸発潜熱は、HFC類フロンであるR134aの蒸発潜熱に比してN倍である。(N≒1.33)
従って、二つの冷暖房空調設備の公称冷暖房能力が等しい場合、HFC類フロン用の圧縮機16hcの吐出流量はHCFC類フロン用の圧縮機16hfの吐出流量のN倍である。このため、既設のHCFC用冷暖房空調設備と等しい冷暖房能力の等しいHFC用冷暖房空調設備の室外機を装着すると、適正流量のN倍のフロンガスを圧送し、室内機に過負荷を与えてしまう。
【0030】このため、本実施形態においては、既設のHCFC類フロン用冷暖房空調設備(図3)を改造するに際して、その公称冷暖房能力に比して1/N倍の公称冷暖房能力を有する新品のHFC類フロン用冷暖房空調設備の、小容量室外機2S(図1)を用いた。ここに小容量とは1/Nの意である。(1/N≒0.75)
この場合、注意すべきことは、冷暖房能力が何倍であるか(すなわち、Nの値はいくらであるか)を算定する場合、熱搬送媒体の冷,暖房サイクルによる冷暖房能力を算定の基準にしなければならない。すなわち、電気モーターを灯油エンジンに変更(改造)した場合、エンジン排熱の利用によって見かけの暖房能力が増大するが、この排熱の作用は勘定に入れないようにする。実際問題としては、公称冷房能力の値に基づいて算出すると良い。上記と異なる実施形態を図1について説明する。この実施形態が上記実施形態と異なるところは、公称冷暖房能力の算定(前記のNおよび1/Nの算定)を、さらに詳細に適正したことである。前述のごとく、装着すべき室外機の冷暖房能力を選定するためのNの値は、基本的に、HCFC類フロン(R22)の蒸発潜熱の、HFC類フロン(R134)aの蒸発潜熱に対する比として求められるが、更に詳しくは比重も考慮に入れることが望ましい。HCFC類フロンR22の飽和蒸気容積比は、HFC類フロンR134aの飽和蒸気容積比のM倍(M≒0.73)である。これを考慮に入れて、既設のHCFC用冷暖房空調設備の公称冷暖房能力に比してM/N倍(0.73/1.33≒0.55)の公称冷暖房能力を有するHFC類フロン用冷暖房空調設備の室外機を装着する。
【0031】上記の技術的思想を定性的に、極度に要約すると次のごとくになる。中古の冷暖房空調設備の室内機に、その半分の公称冷房能力を有する新品の室外機を取りつける。新品の室外機は、「軽くて潜熱の小さいHFC類フロンのガス」を圧送するために(HCFC類フロンに比べて言えば)2倍の吐出流量を有しているから。公称冷房能力が半分であっても、丁度良いぐらいの吐出流量を有している。(図1参照)上述のようにして室外機を小容量室外機2Sと交換することにより、室内機に設けられている流体用機器類は「HFC類フロン用として設計製作された機器」となる。ただし、四方切替弁14,受液器10,室外送風機13′,アキュムレータ15,熱交戻り管11および室外戻り管9は、「HCFC類フロン用として設計製作された、図3におけると同一の符号を付した機器」と同様ないし類似の構成部材である。HFCフロン用室外熱交換器33は、小容量室外機2Sの構成部材であるから既設室内機1に比して公称冷暖房能力は約半分(0.55)であるが、小容量HFCフロン用圧縮機30と同様に、前述の理由(M/N倍に選定した)によって、熱搬送媒体であるHCFC類フロンR22に関して適正な流量にマッチングしている。
【0032】図1に示した実施形態は、上述のようにしてフロン流量に関するバランスがとれているが、これと併せて制御系を交換もしくは再調整しておく。本実施形態では、既設室内機1のHCFCフロン用室内制御盤はそのままとし、HFCフロン用室外制御盤(小容量室外機2Sに設けられていた新品)27hf′を再調整した。制御盤の調整状態修正は、室外制御盤および室内制御盤の少なくとも何れか一方について行なう。その方法は、新品と交換しても良く、制御盤構成部材の一部を交換しても良く、または部材交換せずに再調整しても良い。なお、小容量室外機(新品)2SにHFC類フロンが封入されていれば、これを排出してから洗浄し(HCFC類フロンで洗うと良い)、いずれの場合であっても、小容量室外機2Sを装着して接続配管した後、熱搬送媒体の循環系の中にHCFC類フロン(本例ではR22)および冷凍機油(鉱物性の潤滑油)を注入しておく。
【0033】図2は、前掲の図1に描かれた実施形態と異なる実施形態を示し、該図1に対応する系統図であって、主として図示C部の構成機器のみを交換して改造した例を表している。
【0034】前掲の図1の実施形態においては、図3に示した既設のHCFC類フロン用冷房空調設備の室内機1を残置して、室外機2を取り外し、公称冷暖房能力M/N倍の小容量室外機2Sを取り付けた。これに比して本実施形態(図2)は、図3に示した既設HCFC類フロン用冷暖房空調設備の室外機2から、図示A部の構成機器を取り外して、図2に示したC部の構成機器を取り付けた。この図2に示したC部の構成機器は、図1に示した前述の実施形態におけるC部の構成機器と同様ないし類似の機器である。上述の交換改造により、図2の実施形態が図1の実施形態に比して異なる主たる流体機器は室外熱交換器である。すなわち、図1の実施形態における改造後の状態で、HFCフロン用室外熱交換器(新品)33であるのに比して、図2の実施形態における改造後の状態ではHCFCフロン用室外熱交換器(中古品)12hcになっている。この図2の実施形態は、工場排気や雨露の影響に因る腐食進行が軽微な場合に好適である。
【0035】本図2の実施形態においては、既設の室外機(図示せず)に設けられていた室外制御盤の構成部品の一部を交換して、改造室外制御盤32を構成した。本実施形態のように、小容量HFCフロン用圧縮機30を小容量灯油エンジン31を交換装着した場合も、該圧縮機30にHFC類フロンが封入されていれば排出,洗浄した後、改造機の循環系内にHCFC類フロンおよび冷凍機油を注入し、かつ、室外制御盤および室内制御盤の少なくとも何れか一方を、交換し、もしくは部品交換し、または部品交換せずに再調整する。
【0036】
【発明の効果】以上に本発明の実施形態を挙げてその構成・機能を明らかならしめたように、請求項1の発明方法によると、室外機を交換するとともに室内機は残置して使用を継続するので、室内機の取外し新設の手数が掛からない上に新設すべき室内機の機器代金が節約され、その上、既設の室内機を廃却しないので産業廃棄物減量という社会的要請に応える結果となる。
【0037】しかも、室内機まわりの配管を交換する必要が発生せず、建屋に穿孔などの加工を施す必要が無い。このため施工の労力や時間が節減されるのみでなく、例えばオフィスビルに設置されている冷暖房空調設備を改造する場合、オフィス室内の執務を中断しなくても施工することができる。さらに、既設の冷暖房空調設備を構成していた機器類がHCFC類フロンを熱搬送媒体として用いるように構成されていた処へHFC類フロン用の圧縮機を交換装着することになるが、既設冷暖房空調設備の公称冷暖房能力に比して「使用される熱搬送媒体の蒸発潜熱」に反比例する公称冷暖房能力を有する圧縮機を用いることにより、改造前,後における熱搬送媒体の流量がほぼ同一に保たれ、バランスのとれた改造設備が得られる。以上のようにして、改造前に電気モーターであった駆動機器が改造後において鉱物油焚きエンジンになるので、電力料金に比してエネルギーコストが安価となる上に、電力消費量の節減により事務機OA化用電力の余裕を捻出することができる。さらに、鉱物油焚きエンジンは廃熱利用が可能であるから電気モーター駆動に比して暖房能力を増大せしめることができるとともに、デフロスト時間が短縮される。
【0038】請求項2の発明方法によると、室外機を交換するとともに室内機は残置して使用を継続するので、室内機の取外し新設の手数が掛からない上に新設すべき室内機の機器代金が節約され、その上、既設の室内機を廃却しないので産業廃棄物減量という社会的要請に応える結果となる。しかも、室内機まわりの配管を交換する必要が発生せず、建屋に穿孔などの加工を施す必要が無い。このため施工の労力や時間が節約されるのみでなく、例えばオフィスビルに設置されている冷暖房空調設備を改造する場合、オフィス室内の執務を中断しなくても施工することができる。さらに、既設の冷暖房空調設備を構成していた機器類がHCFC類フロンを熱搬送媒体として用いるように構成されていた処へHFC類フロン用の圧縮機を交換装着することになるが、既設冷暖房空調設備の公称冷暖房能力に比して「使用される熱搬送媒体の蒸発潜熱」に反比例する公称冷暖房能力を有する圧縮機を用いることにより、改造前,後における熱搬送媒体の流量がほぼ同一に保たれ、バランスのとれた改造設備が得られる。以上のようにして、改造前にガスエンジンであった駆動機器が改造後において鉱物油焚きエンジンになるので熱効率が高くなり、燃料消費量が減少する。すなわち、ガス燃料を用いる内燃機関はオットーサイクルに基づいて作動するので原理的に熱効率が低いのに対して、油を燃料とする内燃機関は圧縮着火方式のディゼルサイクルを利用して熱効率を向上せしめることができ、ランニングコストが低減される。熱効率が向上して燃料消費量が減少すれば、発生二酸化炭素量が減少して、地球温暖化防止にも貢献することができる。
【0039】請求項3の発明方法によると、ガス圧縮機を交換するとともに、室内機,および室外熱交換器は残置して使用を継続するので、室内機の取外し・新設の手数が掛からない上に、新設すべき室内機などの機器代金が節約され、その上、既設の室内機などを廃却しないので産業廃棄物減量という社会的要請に応え得る結果となる。しかも、室内機まわりの配管を交換する必要が発生せず、建屋に穿孔などの加工を施す必要が無い。このため施工の労力や時間が節約されるのみでなく、例えばオフィスビルに設置されている冷暖房空調設備を改造する場合、オフィス室内の執務を中断しなくても施工することができる。さらに、既設の冷暖房空調設備を構成している機器類がHCFC類フロンを熱搬送媒体として用いるように構成されていた処へHFC類フロン用の圧縮機を交換装着することになるが、既設冷暖房空調設備の公称冷暖房能力に比して「使用される熱搬送媒体の蒸発潜熱」に反比例する公称冷暖房能力を有する圧縮機を用いることにより、改造前,後における熱搬送媒体の流量がほぼ同一に保たれ、バランスのとれた改造設備が得られる。以上のようにして、改造前に電気モーターであった駆動機器が改造後において鉱物油焚きエンジンになるので、電力料金に比してエネルギーコストが安価となる上に、電力消費量が節減により事務機OA化用電力の余裕を捻出することができる。さらに、鉱物油焚きエンジンは廃熱利用が可能であるから電気モーター駆動に比して暖房能力を増大せしめることができるとともに、デフロスト時間が短縮される。
【0040】請求項4の発明方法によると、ガス圧縮機を交換するとともに、室内機,および室外機交換器は残置して使用を継続するので、室内機の取外し・新設の手数が掛からない上に、新設すべき室内機などの機器代金が節約され、その上、既設の室内機などを廃却しないので産業廃棄物減量という社会的要請に応え得る結果となる。しかも、室内機まわりの配管を交換する必要が発生せず、建屋に穿孔などの加工を施す必要が無い。このため施工の労力や時間が節減されるのみでなく、例えばオフィスビルに設置されている冷暖房空調設備を改造する場合、オフィス室内の執務を中断しなくても施工することができる。さらに、既設の冷暖房空調設備を構成している機器類がHCFC類フロンを熱搬送媒体として用いるように構成されていた処へHFC類フロン用の圧縮機を交換装着することになるが、既設冷暖房空調設備の公称冷暖房能力に比して「使用される熱搬送媒体の蒸発潜熱」に反比例する公称冷暖房能力を有する圧縮機を用いることにより、改造前,後における熱搬送媒体の流量がほぼ同一に保たれ、バランスのとれた改造設備が得られる。以上のようにして、改造前にガスエンジンであった駆動機器が改造後において鉱物油焚きエンジンになるので熱効率が高くなり、燃料消費量が減少する。すなわち、ガス燃料を用いる内燃機関はオットーサイクルに基づいて作動するので原理的に熱効率が低いのに対して、油を燃料とする内燃機関は圧縮着火方式のディゼルサイクルを利用して熱効率を向上せしめることができ、ランニングコストが低減される。熱効率が向上して燃料消費率が低減すれば、発生二酸化炭素量が減少して、地球温暖化防止にも貢献することができる。
【0041】請求項5の発明方法によると、請求1〜4の構成によってほぼ同一に保たれる改造前,後の熱搬送媒体流量を、より一定ならしめることができる。請求項6の発明方法によると、公称冷暖房能力を指標として概要的に規制された熱搬送媒体の流量を、冷暖房空調設備の負荷状態などの使用条件に対応して、より精密に制御することができる。請求項7の発明方法によると、元来HFC類フロンを圧送するように構成さりたガス圧縮機を、鉱物油焚きエンジンで回転駆動しつつHCFC類フロンのガスの圧送を行なわせ、駆動用エンジンにもガス圧縮機にも過負荷を与えることなく正常に作動せしめ、作業条件の変化に順応しつつ冷暖房空調機能を発揮させることができる。
【0042】請求項8の発明によると、最近の生産機器の型式である「HFC類フロン用圧縮機と、これに性能マッチングされた鉱物油焚きエンジン、並びに、最近型式の外熱交換器」を用いてあるので、これら最近型式の機器類を市場で調達することが容易であり、かつ、鉱物油焚きエンジンを駆動源としているので燃料消費率が低くて経済的である上に、燃料消費量が少ない(ガスエンジンに比して)から二酸化炭素排出量が少なく、地球温暖化防止に寄与することができる。さらに、上記の圧縮機およびエンジン以外の主要機器は、HCFC類フロン用として生産され、稼働した経歴を有するもの(通称・中古品)であるから安価に入手することが出来て経済的であり、自家用機器の中古品を活用すればほとんど無料で入手できる。しかも、上記の中古品に有効な活用の途を与えるので廃却されることが無くなり、産業廃棄物の減量という社会的要請に対して応えることができる。
【0043】請求項9の発明によると、請求項8におけると同様にHFC類フロンを熱搬送媒体とするように設計製作されたガス圧縮機と、これを回転駆動するようにマッチングされた鉱物油焚きディゼルエンジンとが用いられているので、該請求項8におけると同様に燃料消費率が低くて経済的である上に地球温暖化防止に寄与することがてきる。そして、請求項8と異なる構成として本請求項9においては、比較的旧型式であるHCFC類フロン用として作られた中古品の室外機交換器が用いられているので、前記請求項8の発明よりも安価に構成することができる。本請求項9の発明は、冷暖房空調設備の稼働条件、とりわけ大気汚染や雨露の関係によって室外熱交換器の腐食進行が緩やかであった場合に適用することが望ましい。
【0044】請求項10の発明によると、HFC類フロンを圧送するように設計製作された圧縮機が吐出するHCFC類フロンの流量を適正に制御することができ、該圧縮機にフロンの液滴を吸入したり、吐出フロンガスが過熱したりする虞れを無くすることができる。請求項11の発明によると、請求項8もしくは同9を適用して構成された「HCFC用機器とHFC用機器とから成り、かつ、HCFC類フロンを封入して運転される冷暖房空調設備」の各構成機器相互をバランスさせて制御することができる。
【出願人】 【識別番号】391048050
【氏名又は名称】日立ビル施設エンジニアリング株式会社
【出願日】 平成10年(1998)4月27日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】秋本 正実
【公開番号】 特開平11−304307
【公開日】 平成11年(1999)11月5日
【出願番号】 特願平10−117087