| 【発明の名称】 |
吸収冷凍装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】井上 修行
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| 【要約】 |
【課題】蒸発器内の冷媒濃度を一定に保持でき、希釈運転に際して冷媒のみを溶液側に供給できて、十分な低温を得ることができる吸収冷凍装置を提供する。
【解決手段】冷媒に水、吸収媒体に塩類水溶液を用い、蒸発器、吸収器、再生器、凝縮器及び溶液流路と冷媒流路とを備えて、該蒸発器E1 から吸収冷凍装置の出力である冷凍能力1を取出す主吸収冷凍機と、同様に構成され蒸発器E2 の冷凍能力で、前記主冷凍機の吸収器A1 を冷却する補助吸収冷凍機とで構成した吸収冷凍装置において、前記主冷凍機では、蒸発器には冷媒の水に前記吸収媒体を加えて用い、凝縮器C1 から蒸発器E1 への冷媒流路10中には冷媒タンクTを設け、該冷媒タンク下部と溶液サイクル側5とを弁22を有する流路20で結ぶか、又は冷媒タンクから蒸発器への流路19中には調節弁23を設け、また蒸発器E1 には、冷媒液面を検知する検出器24を設け、該蒸発器液面がほぼ一定になるように該調節弁を調節する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 冷媒に水、吸収媒体に塩類水溶液を用い、蒸発器、吸収器、再生器、凝縮器、溶液熱交換器、溶液ポンプ、冷媒ポンプ及びこれらの機器を接続する溶液流路と冷媒流路とを備えて、該蒸発器から吸収冷凍装置の出力である冷凍能力を取出す主吸収冷凍機と、蒸発器、吸収器、再生器、凝縮器、溶液熱交換器、溶液ポンプ、冷媒ポンプ及びこれらの機器を接続する溶液流路と冷媒流路とを備えて、該蒸発器の冷凍能力で、前記主吸収冷凍機の吸収器を冷却する補助吸収冷凍機とで構成した吸収冷凍装置において、前記主吸収冷凍機では、蒸発器には冷媒の水に前記吸収媒体を加えて用い、凝縮器から蒸発器への冷媒流路中には冷媒タンクを設け、該冷媒タンク下部と溶液サイクル側とを弁を有する流路で結んだことを特徴とする吸収冷凍装置。 【請求項2】 冷媒に水、吸収媒体に塩類水溶液を用い、蒸発器、吸収器、再生器、凝縮器、溶液熱交換器、溶液ポンプ、冷媒ポンプ及びこれらの機器を接続する溶液流路と冷媒流路とを備えて、該蒸発器から吸収冷凍装置の出力である冷凍能力を取出す主吸収冷凍機と、蒸発器、吸収器、再生器、凝縮器、溶液熱交換器、溶液ポンプ、冷媒ポンプ及びこれらの機器を接続する溶液流路と冷媒流路とを備えて、該蒸発器の冷凍能力で、前記主吸収冷凍機の吸収器を冷却する補助吸収冷凍機とで構成した吸収冷凍装置において、前記主吸収冷凍機では、蒸発器には冷媒の水に前記吸収媒体を加えて用い、凝縮器から蒸発器への冷媒流路中には冷媒タンクを設け、該冷媒タンクから蒸発器への流路中には調節弁を設け、また蒸発器には、蒸発器の冷媒液面を検知する検出器を設けると共に、蒸発器液面がほぼ一定になるように該調節弁を調節する制御手段を設けたことを特徴とする吸収冷凍装置。 【請求項3】 前記吸収媒体に用いる塩類水溶液は、主吸収冷凍機と補助吸収冷凍機とで、その組成が異なることを特徴とする請求項1又は2記載の吸収冷凍装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、吸収冷凍装置に係り、特に蒸発器中の冷媒に吸収媒体を混入して凍結温度を低下させて用いることができる二台の吸収冷凍機で二段吸収を構成する吸収冷凍装置に関する。 【0002】 【従来の技術】水を冷媒とする吸収冷凍機において、0℃以下の冷媒温度を得るために蒸発器で冷媒が凍結しないように、蒸発器中の冷媒に吸収媒体を混入し、凍結温度を低下させて用いることは、従来から公知であった(例えば、特公昭46−37071号、同46−37072号、同58−15703号各公報等参照)。上記において、冷媒が凍結しないように添加する吸収媒体は、凝縮器からの凝縮液中に混入して、蒸発器内の冷媒を循環使用して凍結を防いでいた。ところで、溶液サイクル濃度は、冷却水温度等の変化によって変化する。また、溶液サイクルの濃度の変化により溶液サイクル系で保有する冷媒量が変化する。溶液サイクル系の冷媒の増減は凝縮器/蒸発器系への冷媒の出入りとなる。また、溶液サイクル濃度は、そのほか、冷凍負荷、冷水温度の変化によっても変化する。このように、溶液サイクルの濃度変化によって、冷媒系の冷媒量が変化するが、蒸発器中の冷媒に混入した吸収媒体の量は、変化しないので、冷媒量の増減によって、冷媒系の濃度が変化してしまうことになる。そして、濃度が低下しすぎると、凍結の問題が生じる。 【0003】この問題を解決するために、本発明者らは先に、蒸発器内の冷媒量を一定に保持でき、また、蒸発器内の冷媒濃度を自由に調節できる吸収冷凍機を提案した(特開平6−347126号公報)。しかしながら、この吸収冷凍機では、十分な低温が得られず、現在要望が高まっている蓄熱式地域冷暖房システムに応対することはできなかった。また、二段吸収の例として、特開平7−139844号公報が公開されており、この冷凍機では十分な低温は得られるが、蒸発器の濃度が蒸発器液面の変動により変化しその調整に問題があり、また、運転休止等における希釈運転に際し、冷媒のみを溶液サイクル側に供給できない等の問題があった。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技術に鑑み、蒸発器内の冷媒濃度を一定に保持でき、希釈運転に際して冷媒のみを溶液側に供給でき、しかも十分な低温を得ることができる吸収冷凍装置を提供することを課題とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明では、冷媒に水、吸収媒体に塩類水溶液を用い、蒸発器、吸収器、再生器、凝縮器、溶液熱交換器、溶液ポンプ、冷媒ポンプ及びこれらの機器を接続する溶液流路と冷媒流路とを備えて、該蒸発器から吸収冷凍装置の出力である冷凍能力を取出す主吸収冷凍機と、蒸発器、吸収器、再生器、凝縮器、溶液熱交換器、溶液ポンプ、冷媒ポンプ及びこれらの機器を接続する溶液流路と冷媒流路とを備えて、該蒸発器の冷凍能力で、前記主吸収冷凍機の吸収器を冷却する補助吸収冷凍機とで構成した吸収冷凍装置において、次のような構成としたものである。即ち、(1)前記主吸収冷凍機では、蒸発器には冷媒の水に前記吸収媒体を加えて用い、凝縮器から蒸発器への冷媒流路中には冷媒タンクを設け、該冷媒タンク下部と溶液サイクル側とを弁を有する流路で結ぶか、あるいは(2)前記主吸収冷凍機では、蒸発器には冷媒の水に前記吸収媒体を加えて用い、凝縮器から蒸発器への冷媒流路中には冷媒タンクを設け、該冷媒タンクから蒸発器への流路中には調節弁を設け、また蒸発器には、蒸発器の冷媒液面を検知する検出器を設けると共に、蒸発器液面がほぼ一定になるように該調節弁を調節する制御手段を設けることとしたものである。 【0006】前記吸収冷凍装置において、吸収媒体に用いる塩類水溶液は、主吸収冷凍機と補助吸収冷凍機とでその組成を変えることができる。即ち、主吸収冷凍機に用いる吸収剤には、LiBrの他LiI(沃化リチウム)を加え、結晶し難くし、その際、補助冷凍機の吸収剤はLiBr単独で用いても差し支えない。また、本発明の吸収冷凍装置では、2段吸収サイクルとしたものであり、熱源温度の低い排温水で駆動可能であり、両方の再生器に外部の熱源を供給し、駆動することにより、低温の冷凍能力を取出すことができる。また、本発明の吸収冷凍装置では、冷媒タンクを設けた側の冷凍機において、溶液サイクル系の溶液ポンプ吐出側と、蒸発器又は蒸発器の冷媒循環系との間を弁を有する流路で結ぶことができ、前記の冷媒タンク下部と溶液サイクル側とを結ぶ弁を有する流路とで、溶液サイクル側の溶液を希釈する必要があるときには希釈でき、また、蒸発器中の吸収媒体濃度を調節することができる。 【0007】 【発明の実施の形態】次に、本発明を図面を用いて詳細に説明する。図1に、本発明の吸収冷凍装置のフロー構成図を示す。図1において、G1 、G2 は再生器、A1 、A2 は吸収器、E1 、E2 は蒸発器、C1 、C2 は凝縮器、H1 、H2 は溶液熱交換器、Tは冷媒タンクであり、主吸収冷凍機は溶液流路5、8、26と冷媒流路2、10、19、20を有し、補助吸収冷凍機は溶液流路15、18と冷媒流路12、17、28を有し、6、16は溶液ポンプ、3、13は冷媒ポンプ、22、23、25、27は弁、24は液面検出器、29は循環ポンプを示す。まず、補助吸収冷凍機では、吸収器A2 からの希釈液は溶液ポンプ16により、溶液熱交換器H2 の被加熱側を通り、再生器G2 に導かれる。再生器G2 では、外部熱源21により加熱されて溶液の濃縮が行われ、この際発生する冷媒蒸気は、凝縮器C2 で凝縮されて流路17から蒸発器E2 に導入される。一方、再生器G2 で濃縮された溶液は、流路18から溶液熱交換器H2 の加熱側を通り、吸収器A2 に入る。 【0008】蒸発器E2 では、主吸収冷凍機の吸収器A1 の冷却水11が導入され、この冷却水から熱を奪い冷媒液が蒸発して冷却水が冷されて、ポンプ29により流路4から吸収器A1 を冷却する。蒸発した冷媒蒸気は吸収器A2 で溶液に吸収され、蒸発しない冷媒は、冷媒ポンプ13により流路12を通り蒸発器E2 に循環される。次に、主吸収冷凍機では、吸収器A1 からの希溶液は溶液ポンプ6により、溶液熱交換器H1 の被加熱側を通って熱交換して温度を高めて、低温発生器G1 に導入される。再生器G1 では、外部熱源7により加熱されて溶液の濃縮が行われ、この際発生する冷媒蒸気は、凝縮器C1 に導かれ、冷却水9によって冷却されて凝縮し、流路10から冷媒タンクTに入り、流路19から蒸発器E1 に導かれる。一方、再生器G1 で濃縮された溶液は、流路8から溶液熱交換器H1 の加熱側を通り、吸収器A1 に入る。蒸発器E1 では、冷媒液は負荷媒体1から熱を奪い冷凍効果を発揮して蒸発する。蒸発した冷媒蒸気は吸収器A1 で溶液に吸収され、蒸発しない冷媒は、冷媒ポンプ3により流路2を通り蒸発器E1 に循環される。 【0009】このように、本発明の吸収冷凍装置では、主吸収冷凍機の吸収器の冷却水として、補助吸収冷凍機の蒸発器で冷却させた冷却水を用いているので低温の冷凍能力を取り出すことができる。また、冷媒タンクTには冷媒が貯蔵されており、この冷凍装置を運転停止等で、希釈運転をする場合は、弁22を開き、冷媒を直接流路20から溶液サイクル側の流路に導入することができる。補助吸収冷凍機でも弁27を開くことにより、直接冷媒を溶液サイクル側の流路に導入できる。さらに、冷媒タンクTから蒸発器E1 への流路19には弁23が設けられており、蒸発器E1 に設けた液面検出器24の信号により、弁23を調節することにより蒸発器E2 内での冷媒量を一定に保つことができる。これにより蒸発器内の濃度を一定に保つことができる。 【0010】また、長期運転によって、蒸発器E1 内を循環している冷媒の濃度、すなわち、凍結を防止するための吸収媒体の濃度が薄くなった場合は、弁25を開いて溶液流路5から流路26を通して溶液を導入することにより冷媒の濃度を濃くできる。本発明では、蒸発器内の冷媒に保有する吸収媒体の量が一定なので、蒸発器に保有する冷媒量を比例制御などでほぼ一定とし、濃度がほぼ一定になるように制御している。吸収サイクルからの冷媒の出入りは、凝縮器内又は凝縮器と蒸発器間の冷媒タンクに貯めるようにしている。ここにたまる冷媒は、凝縮器で凝縮した冷媒であり、吸収媒体はほとんど含んでいない。このように、本発明においては、冷媒タンクを設けることにより蒸発器の濃度がほぼ一定に保たれるので、広い運転条件、特に、−10℃という低温運転に対しても、凍結の心配がなくなる。 【0011】また、吸収冷凍機において、冷凍機停止期間中、溶液サイクル側の溶液濃度が高いと、停止期間中に結晶化する危険があり、通常、冷凍機停止前には、溶液濃度を下げて停止する。つまり、希釈して停止する。この際、冷媒系から溶液系に冷媒液を移行するわけであるが、この冷媒液中に蒸発器の吸収媒体が入っていると、次の運転時には、冷媒系の濃度調整が必要になる。本発明では、凝縮器から蒸発器までの間の冷媒タンク(凝縮器内にあっても可)には、吸収媒体の入っていない冷媒があり、これを吸収サイクル側に移行して希釈する。したがって、蒸発器循環液の吸収媒体の移行がなく、いつでも安定した運転が可能となる。 【0012】 【発明の効果】本発明によれば、蒸発器内の冷媒濃度を極めて簡単にしかも正確に維持することができる。また、蒸発器内の冷媒濃度が変化した場合も迅速に所望の値にすることができ、二段吸収サイクルとしたことにより−10℃近くの低温を得ることができ、このような低温の冷媒温度で運転しても凍結の恐れがなく安全に運転できる吸収冷凍装置とすることができた。また、二重効用サイクルを構成するには、高温再生器からの蒸気でもう一台の再生器(低温再生器)を駆動するために、高温再生器を加熱する熱源温度は高い外部熱源を用いなければならないが、本発明の二段吸収サイクルでは低い排温水を熱源として用いることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000239 【氏名又は名称】株式会社荏原製作所
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)4月24日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】吉嶺 桂 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−304275 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)11月5日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−129766 |
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