| 【発明の名称】 |
振動型圧縮機 |
| 【発明者】 |
【氏名】岡本 昌和
【氏名】栗原 利行
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| 【要約】 |
【課題】振動型圧縮機(C)の構成を複雑化させることなく、広い能力範囲にわたって振動型圧縮機(C)の効率を向上させる。
【解決手段】スターリング冷凍機(R) は、ダブルピストン型の振動型圧縮機(C) と、該圧縮機(C) の吐出ガスを膨張させて寒冷を発生させるフリーディスプレーサ型膨張機(E) とを備える。また、コントローラ(81)が、駆動コイル(18)への入力電力を変更して圧縮機の容量制御を行う。このコントローラ(81)は、ストローク導出部と波形制御部とを備える。ストローク導出部は、駆動コイル(18)への入力電力に基づき、ピストン(7)のストロークを導出する。波形制御部は、ストローク導出部で導出したピストン(7)のストロークに基づき、駆動コイル(18)への入力電力をオフセットする。そして、ピストン(7)のストロークに拘わらず、ピストン(7)の上死点を一定に保ち、圧縮空間(8)の死容積を一定に維持する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 シリンダ(3)と、該シリンダ(3)に挿入されてシリンダ(3)内部に圧縮空間(8)を区画形成するピストン(7)が設けられた可動部(20)と、該ピストン(7)がシリンダ(3)内で往復動自在になるように該可動部(20)を弾性支持する弾性部材(26)と、上記可動部(20)又はシリンダ(3)の何れか一方に固定された駆動用磁石(16)と、交流電力を発生する駆動電源(80)と、上記可動部(20)又はシリンダ(3)の他方に設けられ、上記駆動電源(80)より交流電力を受けて上記ピストン(7)がシリンダ(3)内で往復動するための電磁力を発生させる駆動コイル(18)とを備え、上記圧縮空間(8)内で冷媒ガスを周期的に圧縮する振動型圧縮機において、上記駆動コイル(18)への入力電力に基づき、上記ピストン(7)のストロークを導出するストローク導出手段(94)と、上記ピストン(7)の上死点を定位置に維持するために、該ストローク導出手段(94)で導出したピストン(7)のストロークに基づいてピストン(7)の中立位置を変更する中立位置変更手段とを備えていることを特徴とする振動型圧縮機。 【請求項2】 請求項1記載の振動型圧縮機において、設定信号に対応した所定の圧縮機容量となるように駆動コイル(18)への入力電力を導出し、該入力電力に基づいて駆動電源(80)から供給される交流電力を制御する容量制御手段(92,93)を備える一方、ストローク導出手段(94)は、容量制御手段(92,93)から駆動コイル(18)の入力電力の信号を受けていることを特徴とする振動型圧縮機。 【請求項3】 請求項1又は2記載の振動型圧縮機において、中立位置変更手段は、ピストン(7)の中立位置を変更するように駆動コイル(18)へ供給される駆動電源(80)の交流電力をオフセットする制御部(95)を備えていることを特徴とする振動型圧縮機。 【請求項4】 請求項1又は2記載の振動型圧縮機において、中立位置変更手段は、直流電力を発生する直流電源(97)と、可動部(20)又はシリンダ(3)のうちの駆動コイル(18)が設けられる側に配置され、上記直流電源(97)より直流電力を受けてピストン(7)を変位させるための電磁力を発生させる補助コイル(77)と、ピストン(7)の中立位置を変更するように補助コイル(77)へ供給される直流電源(97)の直流電力を制御する制御部(96)とを備えていることを特徴とする振動型圧縮機。 【請求項5】 請求項1又は2記載の振動型圧縮機において、シリンダ(3)、可動部(20)及び弾性部材(26)がハウジング(1)に収納される一方、中立位置変更手段は、上記ハウジング(1)に固定されて弾性部材(26)を支持し、且つ電圧を印加されて変形する圧電体(61)と、ピストン(7)の中立位置を変更するように上記圧電体(61)に印加する電圧を制御する制御部(98)とを備えていることを特徴とする振動型圧縮機。 【請求項6】 請求項1又は2記載の振動型圧縮機において、シリンダ(3)、可動部(20)及び弾性部材(26)がハウジング(1)に収納される一方、中立位置変更手段は、上記ハウジング(1)に形成されて背圧室(63)を有する背圧部(62)と、該背圧部(62)に移動自在に設けられると共に、弾性部材(26)に取り付けられる受圧部材(66)と、ピストン(7)の中立位置を変更するように背圧室(63)を加減圧して受圧部材(66)を移動させる制御部(99)とを備えていることを特徴とする振動型圧縮機。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ピストンの往復動によって流体を圧縮する振動型圧縮機に関し、特に、振動型圧縮機の効率対策に係るものである。 【0002】 【従来の技術】従来より、圧縮機としては、シリンダ内をピストンが往復動して冷媒ガス等を圧縮するものが知られている。また、この種の圧縮機には、いわゆるリニアモータによってピストンを駆動する振動型圧縮機が知られている。 【0003】具体的に、上記振動型圧縮機は、ハウジング内にシリンダやピストン等を収納して構成されている。該シリンダはハウジングに固定される一方、該ピストンはコイルバネを介してハウジングに固定されている。また、永久磁石がハウジングに固定される一方、ピストンと一体に形成された電磁コイルが該永久磁石と対向する位置に配置されている。この永久磁石と電磁コイルとがリニアモータを構成し、電磁コイルに所定周波数の交流を供給する。これによって、電磁コイルに流れる電流と永久磁石による磁界との間で電磁力が作用し、ピストンに駆動力が付与される。そして、上記リニアモータの駆動力と上記コイルバネの反力とによって、ピストンを往復動させるようにしている。 【0004】一方、圧縮機を冷凍機等に用いる場合は、冷凍能力の調節を行うために圧縮機の容量を可変とするのが望ましい。しかし、上記振動型圧縮機においては、圧縮機容量を制御するためにピストンの振動数を変更すると圧縮機効率が大幅に低下するという問題がある。即ち、ピストンの往復運動は、ピストンの質量である質量成分と、コイルバネ及び圧縮される冷媒ガスのバネ成分とから成るバネ質量系の振動と考えることができる。そして、ピストンの振動数を該バネ質量系の共振点とした場合に、ピストンの駆動に要する電力が最小となる。このため、ピストンの振動数を変更すると、圧縮機の容量は低下するものの圧縮機の運転に要する電力はあまり低減されず、圧縮機の圧縮機効率が大幅に低下してしまう。従って、ピストンのストロークを変更することによって圧縮機容量の制御が行われる。 【0005】しかし、上述のようにピストンのストロークを変更して振動型圧縮機の容量制御を行う場合においても、圧縮機効率が低下してしまうという問題があった。つまり、図11(a)に模式的に示すように、シリンダ(cy)とピストン(p)との衝突を回避するため、ピストン(p)の最大ストローク時においても、シリンダ(cy)とピストン(p)の間には所定のトップクリアランスCL1を確保する必要がある。そして、このトップクリアランスCL1の確保によって死容積V1が生じる。一方、ピストン(p)の中立位置Nは、ピストン(p)のストロークに拘わらず一定である。このため、図11(b)に模式的に示すように、ピストン(p)のストロークを ST1 から ST2 へ短縮すると、トップクリアランスが CL1 から CL2 へと増加し、死容積が V1 から V2 へと増大する。この結果、圧縮機の体積効率が低下し、圧縮機効率の低下を招いていた。 【0006】以上、シリンダ及びピストンを1つずつ備える、いわゆるシングルピストン式の振動型圧縮機についての問題点を説明したが、上述の問題は、2つのピストンを備えて圧縮動作を行う、いわゆるダブルピストン式の振動型圧縮機においても生じる。この種の振動型圧縮機では、2つのピストンを1つのシリンダ内に対向させて設け、この2つのピストンを所定の周期で互いに接離するように往復動させている。そして、両ピストンに挟まれた空間に冷媒ガスを吸引し、圧縮して吐出するようにしている。このため、ピストン同士の衝突を防ぐために、両ピストンが上死点にある状態で両ピストン間に所定のトップクリアランスを確保する必要があり、これに伴って死容積が生じる。そして、両ピストンの中立位置を固定したままストロークを変更すると、死容積が増大して圧縮機効率が低下する。 【0007】上述の問題に対しては、ピストンの中立位置を変化させて上記トップクリアランスを一定に維持する方法が提案されている。つまり、図12に模式的に示すように、ピストン(p)のストロークを ST1 から ST2 へ短縮する際に、中立位置を N1 から N2 へ変位させる。この中立位置の変位によって、ピストン(p)のストロークに拘わらずトップクリアランスCLが一定となり、死容積が V に維持される。この結果、圧縮機の体積効率の低下を防止でき、圧縮機効率の低下を防ぐことができる。 【0008】そこで、ピストンの中立位置を変位させる手段として、例えば特開平9−324751号公報に開示されているようなものが提案されている。具体的には、背圧室と可動要素とを設けるようにしている。該背圧室は、固定的に設けられて内部を加減圧可能に構成されている。また、該可動要素は、ピストンを弾性支持するコイルスプリングに取り付けられると共に、背圧室の圧力変化に伴ってピストンの軸方向へ移動するように構成されている。そして、背圧室内を加減圧して可動要素を移動させ、これによってピストンの中立位置を変位させるようにしている。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述のようなピストンの中立位置を変位させる場合、その変位量を導出するために、その運転状態におけるピストンのストロークを検出する必要がある。そして、従来は、各種のセンサを設け、該センサの信号に基づいてピストンのストロークを検出するようにしていた。つまり、位置センサ等を設けてピストンの位置を直接に検出したり、圧力センサを設けて圧縮機の運転圧力条件を検出し、予め求めておいた運転圧力条件とピストンの位置との関係に基づいて間接的にピストンの位置を検出するようにしていた。このため、上述のような圧縮機の容量制御を行うには新たなセンサの設置が必要となり、圧縮機の構成の複雑化を招き、製造コストも増大するという問題があった。 【0010】本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、圧縮機の構成の複雑化を回避しつつ、広い能力範囲にわたって圧縮機の効率を向上させることにある。 【0011】 【課題を解決するための手段】本発明は、圧縮機(C)への入力電力に基づいてピストン(7)のストロークを検出するようにしたものである。 【0012】具体的に、本発明が講じた第1の解決手段は、シリンダ(3)と、該シリンダ(3)に挿入されてシリンダ(3)内部に圧縮空間(8)を区画形成するピストン(7)が設けられた可動部(20)と、該ピストン(7)がシリンダ(3)内で往復動自在になるように該可動部(20)を弾性支持する弾性部材(26)と、上記可動部(20)又はシリンダ(3)の何れか一方に固定された駆動用磁石(16)と、交流電力を発生する駆動電源(80)と、上記可動部(20)又はシリンダ(3)の他方に設けられ、上記駆動電源(80)より交流電力を受けて上記ピストン(7)がシリンダ(3)内で往復動するための電磁力を発生させる駆動コイル(18)とを備え、上記圧縮空間(8)内で冷媒ガスを周期的に圧縮する振動型圧縮機を前提としている。そして、駆動コイル(18)への入力電力に基づき、上記ピストン(7)のストロークを導出するストローク導出手段(94)と、上記ピストン(7)の上死点を定位置に維持するために、該ストローク導出手段(94)で導出したピストン(7)のストロークに基づいてピストン(7)の中立位置を変更する中立位置変更手段とを設けるものである。 【0013】また、本発明が講じた第2の解決手段は、上記第1の解決手段において、設定信号に対応した所定の圧縮機容量となるように駆動コイル(18)への入力電力を導出し、該入力電力に基づいて駆動電源(80)から供給される交流電力を制御する容量制御手段(92,93)を備える一方、ストローク導出手段(94)は、容量制御手段(92,93)から駆動コイル(18)の入力電力の信号を受けるようにするものである。 【0014】また、本発明が講じた第3の解決手段は、上記第1又は第2の解決手段において、中立位置変更手段に、ピストン(7)の中立位置を変更するように駆動コイル(18)へ供給される駆動電源(80)の交流電力をオフセットする制御部(95)を設けるものである。 【0015】また、本発明が講じた第4の解決手段は、上記第1又は第2の解決手段において、中立位置変更手段に、直流電力を発生する直流電源(97)と、可動部(20)又はシリンダ(3)のうちの駆動コイル(18)が設けられる側に配置され、上記直流電源(97)より直流電力を受けてピストン(7)を変位させるための電磁力を発生させる補助コイル(77)と、ピストン(7)の中立位置を変更するように補助コイル(77)へ供給される直流電源(97)の直流電力を制御する制御部(96)とを設けるものである。 【0016】また、本発明が講じた第5の解決手段は、上記第1又は第2の解決手段において、シリンダ(3)、可動部(20)及び弾性部材(26)をハウジング(1)に収納する一方、中立位置変更手段に、上記ハウジング(1)に固定されて弾性部材(26)を支持し、且つ電圧を印加されて変形する圧電体(61)と、ピストン(7)の中立位置を変更するように上記圧電体(61)に印加する電圧を制御する制御部(98)とを設けるものである。 【0017】また、本発明が講じた第6の解決手段は、上記第1又は第2の解決手段において、シリンダ(3)、可動部(20)及び弾性部材(26)をハウジング(1)に収納する一方、中立位置変更手段に、上記ハウジング(1)に形成されて背圧室(63)を有する背圧部(62)と、該背圧部(62)に移動自在に設けられると共に、弾性部材(26)に取り付けられる受圧部材(66)と、ピストン(7)の中立位置を変更するように背圧室(63)を加減圧して受圧部材(66)を移動させる制御部(99)とを設けるものである。 【0018】−作用−上記第1の解決手段では、駆動コイル(18)に駆動電源(80)の交流電力が供給されると、ピストン(7)がシリンダ(3)内において所定の周期で往復動し、圧縮空間(8)においてガスを周期的に圧縮する。 【0019】一方、ストローク導出手段(94)が、予め求めておいた駆動コイル(18)への入力電力とピストン(7)のストロークとの関係を用い、該入力電力に基づいてピストン(7)のストロークを導出する。そして、中立位置制御手段が、ストローク導出手段(94)で導出したピストン(7)のストロークに基づいてピストン(7)の中立位置を変更し、ピストン(7)の上死点を定位置に維持しする。従って、圧縮機容量を変更するためにピストン(7)のストロークを変更した場合においても、圧縮空間(8)の死容積が一定に維持される。このため、圧縮機効率を低下させることなく、圧縮機容量が変更される。 【0020】また、上記第2の解決手段では、容量制御手段(92,93)が、設定信号に対応した所定の圧縮機容量となるように駆動コイル(18)への入力電力を導出し、駆動電源(80)から駆動コイル(18)へ供給される交流電力が該入力電力となるように制御を行う。一方、ストローク導出手段(94)は、該容量制御手段(92,93)が導出した入力電力を受け、該入力電力に基づいて、ピストン(7)のストロークを導出する。 【0021】また、上記第3の解決手段では、制御部(95)が、ピストン(7)のストロークに基づいて駆動電源(80)の交流電力に所定の直流成分を付加し、該交流電力をオフセットする。このオフセットされた交流電力を駆動コイル(18)に供給し、ピストン(7)の中立位置を変更する。 【0022】また、上記第4の解決手段では、制御部(96)が、ピストン(7)のストロークに基づいて直流電源(97)の直流電力を所定値に制御する。そして、この所定値の直流電力を補助コイル(77)へ供給し、該補助コイル(77)に所定の電磁力を発生させる。この補助コイル(77)で発生した電磁力によりピストン(7)が変位し、ピストン(7)の中立位置が変更される。 【0023】また、上記第5の解決手段では、シリンダ(3)がハウジング(1)に固定され、可動部(20)が弾性部材(26)及び圧電体(61)を介してハウジング(1)に固定される。そして、制御部(98)が、ピストン(7)のストロークに基づいて所定の電圧を圧電体(61)に印加し、圧電体(61)を変形させる。この圧電体(61)の変形に伴って可動部(20)が変位し、ピストン(7)の中立位置が変更される。 【0024】また、上記第6の解決手段では、シリンダ(3)がハウジング(1)に固定され、背圧部(62)がハウジング(1)に形成される。該背圧部(62)には受圧部材(66)が移動自在に設けられ、可動部(20)が弾性部材(26)を介して該受圧部材(66)に取り付けられる。そして、制御部(99)が、背圧部(62)の背圧室(63)を加減圧して受圧部材(66)を移動させる。この受圧部材(66)の移動によって可動部(20)が変位し、ピストン(7)の中立位置が変更される。 【0025】 【発明の効果】従って、上記の解決手段によれば、圧縮機容量を制御するためにピストン(7)のストロークを変更した場合においても、中立位置変更手段によってピストン(7)の上死点を予め設定した定位置に維持することができる。従って、圧縮空間(8)内の死容積を一定に維持することができる。この結果、圧縮機(C)の体積効率の低下を防止でき、圧縮機容量の制御を行った場合においても、圧縮機効率の低下を防ぐことができる。 【0026】その際、ストローク導出手段(94)によって、駆動コイル(18)への入力電力からピストン(7)のストロークを導出することができる。一方、従来より、この駆動コイル(18)への入力電力を調節することにより、圧縮機容量の制御が行われていた。従って、上記の解決手段によれば、従来より圧縮機容量の制御を行うのに必要であった駆動コイル(18)への入力電力の値を用いて、ピストン(7)のストロークを検出することができる。この結果、新たなセンサを設けることなくピストン(7)のストロークを検出することができ、圧縮機(C)の構成の複雑化や製造コストの増大を防ぎつつ、ピストン(7)の中立位置を変更して圧縮機効率の低下を防ぐことができる。 【0027】特に、上記第2の解決手段では、具体的に、容量制御手段(92,93)が導出した駆動コイル(18)への入力電力に基づいて、ストローク導出手段(94)がピストン(7)のストロークを導出する。そして、中立位置制御手段により、該ピストン(7)のストロークに基づいてピストン(7)の上死点を定位置に維持することができる。 【0028】 【発明の実施の形態1】以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。 【0029】図1に示すように、本実施形態は、振動型圧縮機(C)を搭載したスターリング冷凍機(R)である。このスターリング冷凍機(R)は、ダブルピストン型の振動型圧縮機(C)とフリーディスプレーサ型の膨張機(E)とが組み合わされて構成されている。また、該スターリング冷凍機(R)にはコントローラ(81)を備え、該コントローラ(81)は、振動型圧縮機(C)の運転制御を行うように構成されている。 【0030】上記振動型圧縮機(C)は、垂直上下方向に延びる密閉円筒状のハウジング(1)を備えている。このハウジング(1)は、上下方向の中心線を有する円筒壁部(1a)と、円筒壁部(1a)の両端開口部を気密に閉塞する円板壁部(1b,1b)とによって構成されている。ハウジング(1)内には、両端が開放されて上下方向に延びる1つの円筒状のシリンダ(3)が、ハウジング(1)の円筒壁部(1a)と同心状に配置されている。シリンダ(3)の長さ方向中央部の外周には、シリンダ(3)の中心線と直交する方向に延びる円板状のフランジ(4)が一体に形成されている。フランジ(4)の外周端には、シリンダ(3)と同心に上下方向に延びる円筒状の嵌合部(5)が一体に形成されている。また、シリンダ(3)の外周には、円筒状の継鉄部材(6)が嵌合固定されている。これらシリンダ(3)、フランジ(4)、嵌合部(5)及び継鉄部材(6)は純鉄等の磁性材料からなっていて、ヨーク(継鉄)を構成している。嵌合部(5)はハウジング(1)の円筒壁部(1a)内周に移動不能に嵌合され、これによりシリンダ(3)がハウジング(1)に固定される。 【0031】シリンダ(3)には、有底円筒状の上下一対のピストン(7,7)がそれぞれ先端側を対向させた状態で摺動自在に嵌装され、この両ピストン(7,7)間のシリンダ(3)により囲まれた部分に圧縮空間(8)が形成されている。シリンダ(3)、フランジ(4)及び嵌合部(5)には、シリンダ(3)内周面から嵌合部(5)外周面まで半径方向に貫通するガス通路(9)が形成されている。このガス通路(9)の内端は圧縮空間(8)に常時連通されている一方、外端はハウジング(1)の円筒壁部(1a)に開口した貫通孔(10)、及び貫通孔(10)に連結した連結管(49)を介してフリーディスプレーサ型膨張機(E)に接続されている。 【0032】上下のピストン(7,7)は、それぞれリニアモータ(15,15)に連結され、各リニアモータ(15,15)が各ピストン(7)を往復駆動するように構成されている。各リニアモータ(15)は、駆動用磁石(16)を備えている。該駆動用磁石(16)は、環状の永久磁石であって、継鉄部材(6)の外周に嵌合部(5)内周面と円環状の空間をあけた状態で嵌合固定されている。各リニアモータ(15)は、この駆動用磁石(16)により、継鉄部材(6)、フランジ(4)及び嵌合部(5)をヨークとして駆動用磁石(16)外周面と嵌合部(5)内周面との間の空間からなる磁気ギャップに所定強度の磁界(静止磁場)を発生させる。 【0033】各ピストン(7)は、その背面側、つまりシリンダ(3)中央と反対側の開口端部から半径方向外側に延びるフランジ部(7a)を有する。フランジ部(7a)の外周には、リニアモータ(15)の駆動部としての有底円筒状のボビン(17)が底壁側にて移動一体に結合されている。ボビン(17)の開口側は、ピストン(7)と同心状にシリンダ(3)中央側に延び、且つその先端部が駆動用磁石(16)外周面と嵌合部(5)内周面との間の磁気ギャップに上下方向に往復動自在に配置されている。ボビン(17)の先端寄り外周には、駆動用磁石(16)と対応した位置に電磁コイルからなる駆動コイル(18)(ソレノイド)が巻回されている。そして、ボビン(17)及びピストン(7)(詳しくは、駆動コイル(18)等の可動部分全体を含む)によって可動部(20)が構成されている。従って、この可動部(20)は、ハウジング(1)やシリンダ(3)等に対し相対移動自在に構成されている。 【0034】上記ハウジング(1)の各円板壁部(1b)には、電流導入端子(23,23)が、該円板壁部(1b)を絶縁状態で貫通して設けられている。該電流導入端子(23,23)の一端は駆動コイル(18)に接続され、他端はリード線(70)を介してコントローラ(81)に接続されている。該コントローラ(81)には駆動電源(80)が接続され、該駆動電源(80)で発生した交流電流をリニアモータ(15,15)の各駆動コイル(18,18)に同期させながら供給し、両ピストン(7,7)を所定の運転周波数で互いに接離するように逆方向に往復動させるように構成されている。また、該コントローラ(81)は、上記両ピストン(7,7)が上死点に位置して互いに最も接近した場合でも、両ピストン(7,7)の間に所定の間隔(トップクリアランス)を保持するようにしている。そして、このトップクリアランスの保持に起因して、圧縮空間(8)に死容積が生じる。 【0035】ハウジング(1)の円板壁部(1b)内壁面には、ピストン(7)の軸線上の位置にそれぞれ円筒状のハウジング側バネ取付部材(24)が突設され、このハウジング側バネ取付部材(24)の外周には、螺旋状のバネ取付溝(24a)が形成されている。一方、各ピストン(7)の底面にはピストン側バネ取付部材(25)が一体的に取り付けられ、このピストン側バネ取付部材(25)の外周にも螺旋状のバネ取付溝(25a)が形成されている。そして、圧縮機側の弾性部材であるコイルバネ(26)が、各バネ取付部材(24,25)を介してハウジング(1)及びピストン(7)に取り付けられている。その際、該コイルバネ(26)の各端部は、各バネ取付部材(24,25)のバネ取付溝(24a,25a)に螺合状態で固定されている。つまり、該コイルバネ(26)が、ピストン(7)をシリンダ(3)に対して上下方向に往復動自在に弾性支持している。 【0036】一方、フリーディスプレーサ型膨張機(E)は、左右方向に延びる円筒状シリンダ(31)を有している。この円筒状シリンダ(31)は、その先端側(図1に示す左側)の開口部がコールドヘッド(32)により、その基端側(図1に示す右側)の開口部がフランジ(33)によりそれぞれ気密に閉塞されている。円筒状シリンダ(31)内には、中央円筒状のフリーディスプレーサ(37)が左右方向に往復動自在に嵌装されており、該フリーディスプレーサ(37)によって円筒状シリンダ(31)の内部空間が先端側の膨張空間(35)と基端側の作動空間(36)とに区画されている。該フリーディスプレーサ(37)の内部空間には、蓄冷器(38)(再生式熱交換器)が充填されている。この蓄冷器(38)は、フリーディスプレーサ(37)の両端に開口した連通孔(39,40)により、それぞれ膨張空間(35)及び作動空間(36)に連通されている。 【0037】フリーディスプレーサ(37)の基端部には、ディスプレーサ側バネ取付部材(42)が設けられ、このディスプレーサ側バネ取付部材(42)の外周には螺旋状のバネ取付溝(42a)が形成されている。また、フランジ(33)における作動空間(36)に臨む部分にはフランジ側バネ取付部材(43)が設けられ、このフランジ側バネ取付部材(43)の外周にも同様のバネ取付溝(43a)が形成されている。そして、膨張機側の弾性部材であるコイルバネ(44)が、各バネ取付部材(42,43)を介してフランジ(33)及びフリーディスプレーサ(37)に取り付けられている。その際、該コイルバネ(44)の各端部は、各バネ取付部材(42,43)のバネ取付溝(42a,43a)に螺合状態で固定されている。つまり、該コイルバネ(44)が、フリーディスプレーサ(37)を円筒状シリンダ(31)に対して上下方向に往復動自在に弾性支持している。 【0038】更に、フランジ(33)には、作動空間(36)に連通するガス孔(45)が貫通形成されている。このガス孔(45)の外端側には、連結管(49)が気密に嵌合固定されている。よって、この膨張機(E)の作動空間(36)は、連結管(49)を介して圧縮機(C)の圧縮空間(8)に接続されている。これら圧縮機(C)のガス通路(9)から連結管(49)内の空間を経て膨張機(E)の作動空間(36)に至る部分は連通路(50)となり、この連通路(50)及び作動空間(36)により常温空間(51)が構成されている。そして、圧縮機(C)からのガス圧により膨張機(E)のフリーディスプレーサ(37)を円筒状シリンダ(31)内で往復動させてガスを膨張空間(35)で膨張させ、これによって、円筒状シリンダ(31)の先端のコールドヘッド(32)に寒冷を発生させるようにしている。 【0039】上記膨張機(E)の作動空間(36)周りの円筒状シリンダ(31)には、作動空間(36)内のガスを冷却するための冷却用フィン(72)が突設されている。また、上記コールドヘッド(32)には、該コールドヘッド(32)の温度を検出する温度センサ(Th)が設けられ、該温度センサ(Th)は、検出温度信号を出力するように構成されている。 【0040】上記コントローラ(81)は、図2のブロック図に示すように、温度設定部(91)と、入力導出部(92)と、電力制御部(93)と、ストローク導出手段(94)であるストローク導出部(94)と、制御部である波形制御部(95)とによって形成されると共に、駆動電源(80)が接続され、該駆動電源(80)の交流電力をリニアモータ(15,15)の各駆動コイル(18,18)に同期させながら供給するように構成されている。 【0041】上記温度設定部(91)は、コールドヘッド(32)の設定温度が入力され、設定温度信号を出力するように構成されている。 【0042】上記入力導出部(92)には、温度設定部(91)の設定温度信号と、温度センサ(Th)の検出温度信号とが入力されている。また、該入力導出部(92)は、図示しないが、駆動コイル(18)の入力電力の現在値を検出する電力検出部を備えている。そして、該入力導出部(92)は、スターリング冷凍機(R)に所定の冷凍能力を発揮させて該温度センサ(Th)の検出温度を上記設定温度とするため、所定の圧縮機容量とするのに必要となる駆動コイル(18)への入力電力を導出し、入力指令信号を出力する。 【0043】尚、上記電力検出部については、ワットメータによって構成して入力電力を直接的に検出するようにしてもよいし、入力電圧を検出する電圧計を設け、入力電圧と入力電力とが比例関係にあることを利用して入力電力を間接的に検出するように構成してもよい。その際、一般に、ワットメータよりも電圧計のほうが簡素な構成となっている。従って、入力電圧から入力電力を検出する場合の方が、より簡素な構成で駆動コイル(18)の入力電力の現在値を検出することができる。 【0044】上記電力制御部(93)は、駆動電源(80)の交流電力を受け、入力導出部(92)の入力指令信号に基づいて、所定の入力電力を駆動コイル(18)に波形制御部(95)を介して供給するように構成されている。そして、上記入力導出部(92)及び電力制御部(93)が、容量制御手段を構成している。 【0045】上記ストローク導出部(94)は、本発明の特徴とするものであって、入力導出部(92)の入力指令信号が入力されている。そして、該入力指令信号、即ち駆動コイル(18)への入力電力に基づいてピストン(7)のストロークを導出するように構成されている。具体的に、駆動コイル(18)への入力電力とピストン(7)のストロークとの関係は、図3に例示するように、一対一対応となっている。つまり、該入力電力の値に対してピストン(7)のストロークは一義的に定まる。従って、予め試験等によって該入力電力とストロークとの関係を定めて関数化し、この両者の関係を示す関数を用いて駆動コイル(18)への入力電力からピストン(7)のストロークを導出するようにしている。尚、入力導出部(92)の電力検出部で検出した駆動コイル(18)の入力電力の現在値をストローク導出部(94)へ入力し、該入力電力の現在値に基づいてピストン(7)のストロークを導出するようにストローク導出部(94)を構成してもよい。 【0046】上記波形制御部(95)は、ストローク導出部(94)で導出したピストン(7)のストロークに基づき、上記電力制御部(93)から駆動コイル(18)に供給される交流電力をオフセットして、ピストン(7)の上死点を所定の定位置に維持するように構成されている。例えば、ピストン(7)のストロークを、最大ストロークから所定のストロークへ短縮する場合を考える。この場合、図4に示すように、駆動コイル(18)へ入力する交流の振幅を I1pp から I2pp へと変更すると同時に、該交流に所定の直流成分を付加してΔI だけオフセットさせる。即ち、変更前の最大値 I1max と、変更後の最大値 I2max とが一致するように交流をオフセットさせるようにしている。尚、上述の例は、交流が最大値となる際にピストン(7)が上死点に位置する場合を示している。これに対し、交流が最小値となる際にピストン(7)が上死点に位置する場合には、交流の振幅を変更する前後の最小値 I1min と I2min とが一致するように交流をオフセットさせるようにする。 【0047】−運転動作−次に、本スターリング冷凍機(R)の作動について説明する。 【0048】運転開始に伴い、駆動電源(80)から交流電流がコントローラ(81)を介して両リニアモータ(15,15)の駆動コイル(18,18)に同期して供給、つまり通電される。この通電に伴い、駆動コイル(18)及び駆動用磁石(16)による磁界間の作用により、ボビン(17)及びピストン(7)からなる両可動部(20,20)が各々の中立位置から互いに接離するように逆向きに往復動する。この両ピストン(7,7)の接離により圧縮空間(8)の容積が増減変化し、圧縮空間(8)内に所定周期の圧力波が生じる。圧縮空間(8)は連結管(49)を介して膨張機(E)に連通しているため、膨張機(E)ではフリーディスプレーサ(37)が圧縮空間(8)の圧力波と同じ周期で往復動し、膨張空間(35)におけるガスの膨張により寒冷が生じる。その後、このフリーディスプレーサ(37)の往復動の繰り返しにより、円筒状シリンダ(31)の先端のコールドヘッド(32)が次第に極低温レベルにまで冷却される。 【0049】また、上記スターリング冷凍機(R)は、コールドヘッド(32)の温度、即ち温度センサ(Th)の検出温度が設定温度となるように、その冷凍能力が制御される。この冷凍能力の制御は、コントローラ(81)によって振動型圧縮機(C)の圧縮機容量を制御して行われ、圧縮機容量の制御は、ピストン(7)のストロークを変更することによって行われる。 【0050】つまり、温度設定部(91)に設定温度が入力されると、該温度設定部(91)が設定温度信号を出力する。この設定温度信号を受けて、入力導出部(92)が振動型圧縮機(C)の駆動コイル(18)へ入力すべき入力電力を導出し、入力指令信号を出力する。そして、電力制御部(93)が駆動電源(80)の交流電力を受け、入力導出部(92)の入力指令信号に基づいて、所定の入力電力を駆動コイル(18)へ供給する。これによって、ピストン(7)のストロークが変更され、圧縮機容量の制御が行われる。 【0051】一方、ストローク導出部(94)は、入力導出部(92)の入力指令信号、即ち駆動コイル(18)への入力電力に基づいてピストン(7)のストロークを導出する。このストローク導出部(94)で導出したピストン(7)のストロークに基づいて、波形制御部(95)が、電力制御部(93)から駆動コイル(18)に供給される交流電力をオフセットする。従って、ピストン(7)のストロークを変更した場合においても、ピストン(7)の上死点を定位置が維持され、圧縮空間(8)の死容積が一定に維持される。 【0052】−実施形態1の効果−本実施形態1によれば、圧縮機容量を制御するためにピストン(7)のストロークを変更した場合においても、波形制御部(95)で駆動コイル(18)への入力電力をオフセットさせることにより、ピストン(7)の上死点を定位置に維持することができる。従って、圧縮空間(8)内の死容積を一定に維持することができる。この結果、圧縮機(C)の体積効率の低下を防止でき、圧縮機容量の制御を行った場合においても、圧縮機効率の低下を防ぐことができる。 【0053】その際、ストローク導出部(94)によって、駆動コイル(18)への入力電力からピストン(7)のストロークを導出することができる。従って、従来より圧縮機容量の制御を行うのに必要であった駆動コイル(18)への入力電力の値を用いて、ピストン(7)のストロークを検出することができる。この結果、新たなセンサを設けることなくピストン(7)のストロークを検出することができ、圧縮機(C)の構成の複雑化や製造コストの増大を防ぎつつ、ピストン(7)の中立位置を変更して圧縮機効率の低下を防ぐことができる。 【0054】 【発明の実施の形態2】本発明の実施形態2は、上記実施形態1が駆動コイル(18)への入力電力をオフセットさせることによってピストン(7)の中立位置を変更するようにしたのに代えて、図5に示すように、リニアモータ(15)に補助コイル(77)を設け、この補助コイル(77)に直流電流を流すことによりピストン(7)の中立位置を変更するようにしたものである。 【0055】本スターリング冷凍機(R)の圧縮機(C)においては、駆動コイル(18,18)のハウジング(1)の両端側に、駆動コイル(18,18)と同径の円環状の補助コイル(77,77)が設けられている。各補助コイル(77)は、駆動用磁石(16)との間で電磁力を発生させてピストン(7)を変位させるものであり、リード線(70)及び電流導入端子(23)を介してコントローラ(82)に接続されている。尚、振動型圧縮機(C)及び膨張機(E)におけるその他の構成は、上記実施形態体1と同様である。 【0056】上記コントローラ(82)は、図6のブロック図に示すように、温度設定部(91)と、入力導出部(92)と、電力制御部(93)と、ストローク導出手段であるストローク導出部(94)と、直流電源(97)と、制御部である直流制御部(96)とによって構成されている。そして、該温度設定部(91)、入力導出部(92)、及びストローク導出部(94)は上記実施形態1と同様に構成されている。また、該電力制御部(93)については、入力電力を直接に駆動コイル(18)へ供給するように構成されている点のみが、上記実施形態1と異なっている。 【0057】上記直流制御部(96)は、ストローク導出部(94)で導出したピストン(7)のストロークに基づき、ピストン(7)の上死点を定位置に維持するのに要するピストン(7)の中立位置の変位量を求め、この求めた変位量だけピストン(7)を変位させるのに必要な直流電力を直流電源(97)に発生させる指令信号を出力するように構成されている。また、上記直流電源(97)は、該直流制御部(96)の指令信号を受け、所定の直流電力を発生して補助コイル(77)へ供給するように構成されている。そして、上記補助コイル(77)、直流制御部(96)及び直流電源(97)が中立位置変更手段を構成している。 【0058】−運転動作−本実施形態のスターリング冷凍機(R)は、上記実施形態1と同様に動作し、コントローラ(82)による圧縮機容量の制御も上記実施形態1のコントローラ(81)による制御と同様である。 【0059】次に、本実施形態におけるピストン(7)の中立位置の変更制御について説明する。直流制御部(96)には、ストローク導出部(94)で導出したピストン(7)のストロークが入力し、該ストロークに基づき、ピストン(7)の上死点を定位置に維持するために必要なピストン(7)の中立位置の変位量を導出する。更に、該直流制御部(96)は、導出した変位量だけピストン(7)を変位させるため、直流電源(97)に指令信号を出力する。直流電源(97)は、直流制御部(96)の指令信号に基づいて補助コイル(77)に所定の直流電力を供給する。補助コイル(77)には直流電源(97)の直流電力が供給され、補助コイル(77)と駆動用磁石(16)との間に一定の磁界が発生する。これによって、ピストン(7)を一定量変位させるような新たな電磁力が発生し、この電磁力によって、ピストン(7)の中立位置が所定量だけ変位する。従って、ピストン(7)のストロークを変更した場合においても、ピストン(7)の上死点を定位置が維持され、圧縮空間(8)の死容積が一定に維持される。 【0060】その他の構成並びに作用及び効果は、上記実施形態1と同様である。 【0061】 【発明の実施の形態3】本発明の実施形態3は、上記実施形態1が駆動コイル(18)への入力電力をオフセットさせることによってピストン(7)の中立位置を変更するようにしたのに代えて、図7に示すように、振動型圧縮機(C)に圧電体であるピエゾ素子(61)を設け、該ピエゾ素子(61)を変形させることによってピストン(7)の中立位置を変更するようにしたものである。 【0062】上記ピエゾ素子(61)は、印加される電圧に応じて上下方向に伸縮するように構成されている。そして、ハウジング側バネ取付部材(24)が、該ピエゾ素子(61)を介してハウジング(1)の円板壁部(1b)内壁面に設けられる。つまり、ハウジング(1)の円板壁部(1b)内壁面とハウジング側バネ取付部材(24)との間に該ピエゾ素子(61)が配置される。 【0063】本実施形態のコントローラ(83)は、図8のブロック図に示すように、温度設定部(91)と、入力導出部(92)と、電力制御部(93)と、ストローク導出手段であるストローク導出部(94)と、制御部である電圧制御部(98)とによって構成されている。そして、該温度設定部(91)、入力導出部(92)、及びストローク導出部(94)は、上記実施形態1と同様に構成されている。また、該電力制御部(93)については、入力電力を直接に駆動コイル(18)へ供給するように構成されている点のみが、上記実施形態1と異なっている。 【0064】上記電圧制御部(98)は、ストローク導出部(94)で導出したピストン(7)のストロークに基づき、ピストン(7)の上死点を定位置に維持するのに要するピストン(7)の中立位置の変位量を求め、更に、この求めた変位量だけピストン(7)を変位させるのに必要なピエゾ素子(61)の伸縮量を求めて、該所定量だけピエゾ素子(61)を伸縮させるためにピエゾ素子(61)に電圧を印加するように構成されている。そして、上記ピエゾ素子(61)及び電圧制御部(98)が中立位置変更手段を構成している。 【0065】−運転動作−本実施形態のスターリング冷凍機(R)は、上記実施形態1と同様に動作し、コントローラ(83)による圧縮機容量の制御も上記実施形態1のコントローラ(81)による制御と同様である。 【0066】次に、本実施形態におけるピストン(7)の中立位置の変更制御について説明する。電圧制御部(98)には、ストローク導出部(94)で導出したピストン(7)のストロークが入力し、該ストロークに基づき、ピストン(7)の上死点を定位置に維持するために必要なピストン(7)の中立位置の変位量を導出する。更に、該直流制御部(96)は、導出した変位量だけピエゾ素子(61)を伸縮させるために、ピエゾ素子(61)に所定の電圧を印加する。ピエゾ素子(61)は、所定の電圧を印加されて伸縮する。そして、このピエゾ素子(61)の伸縮に伴ってピストン(7)が上下に変位し、ピストン(7)の中立位置が変更される。従って、ピストン(7)のストロークを変更した場合においても、ピストン(7)の上死点を定位置が維持され、圧縮空間(8)の死容積が一定に維持される。 【0067】その他の構成並びに作用及び効果は、上記実施形態1と同様である。 【0068】 【発明の実施の形態4】本発明の実施形態4は、上記実施形態1が駆動コイル(18)への入力電力をオフセットさせることによってピストン(7)の中立位置を変更するようにしたのに代えて、図9に示すように、振動型圧縮機(C)に背圧部(62)と受圧部材(66)とを設け、受圧部材(66)を移動させることによってピストン(7)の中立位置を変更するようにしたものである。 【0069】上記背圧部(62)は、所定の内径を有する管状の円筒部材(64)から成り、該円筒部材(64)は、ハウジング(1)の円板壁部(1b)内壁面に、ピストン(7)の軸線上の位置にそれぞれ突設されている。 【0070】上記受圧部材(66)は、実施形態1のハウジング側バネ取付部材(24)とほぼ同様の形状に形成されている。即ち、該受圧部材(66)は、上記円筒部材(64)の内径に対応した所定の直径を有する円筒状に形成されると共に、その外周には、螺旋状のバネ取付溝(65a)が形成されている。このバネ取付溝(65a)にはコイルバネ(26)が螺合状態で取り付けられる一方、該受圧部材(66)は、上記円筒部材(64)にピストン(7)側から嵌装され、該円筒部材(64)の軸方向へ移動自在となっている。 【0071】また、上記円板壁部(1b)、円筒部材(64)及び受圧部材(66)によって背圧室(63)が区画形成されている。そして、該背圧室(63)を加減圧することによって受圧部材(66)が上下方向へ移動するように構成されている。更に、上記円筒部材(64)には、一端が背圧室(63)に開口する圧力導入管(65)が設けられ、該圧力導入管(65)を通じて背圧室(63)にガス圧又は液圧を供給することによって、背圧室(63)を加減圧するようにしている。 【0072】本実施形態のコントローラ(84)は、図10のブロック図に示すように、温度設定部(91)と、入力導出部(92)と、電力制御部(93)と、ストローク導出手段であるストローク導出部(94)と、制御部である背圧制御部(99)とによって構成されている。そして、該温度設定部(91)、入力導出部(92)、及びストローク導出部(94)は、上記実施形態1と同様に構成されている。また、該電力制御部(93)については、入力電力を直接に駆動コイル(18)へ供給するように構成されている点のみが、上記実施形態1と異なっている。 【0073】上記背圧制御部(99)は、ストローク導出部(94)で導出したピストン(7)のストロークに基づき、ピストン(7)の上死点を定位置に維持するのに要するピストン(7)の中立位置の変位量を求め、更に、この求めた変位量だけピストン(7)を変位させるために、圧力導入管(65)を通じて背圧部(62)の背圧室(63)に所定のガス圧又は液圧を供給するように構成されている。そして、上記背圧部(62)及び背圧制御部(99)が中立位置変更手段を構成している。 【0074】−運転動作−本実施形態のスターリング冷凍機(R)は、上記実施形態1と同様に動作し、コントローラ(84)による圧縮機容量の制御も上記実施形態1のコントローラ(81)による制御と同様である。 【0075】次に、本実施形態におけるピストン(7)の中立位置の変更制御について説明する。背圧制御部(99)には、ストローク導出部(94)で導出したピストン(7)のストロークが入力し、該ストロークに基づき、ピストン(7)の上死点を定位置に維持するために必要なピストン(7)の中立位置の変位量を導出する。更に、該背圧制御部(99)は、導出した変位量だけ受圧部材(66)を移動させるため、圧力導入管(65)を通じて背圧室(63)に所定のガス圧又は液圧を供給する。そして、背圧室(63)の圧力変化に従って受圧部材(66)が上下に移動し、この受圧部材(66)の移動に伴ってピストン(7)が上下に変位し、ピストン(7)の中立位置が変更される。従って、ピストン(7)のストロークを変更した場合においても、ピストン(7)の上死点を定位置が維持され、圧縮空間(8)の死容積が一定に維持される。 【0076】その他の構成並びに作用及び効果は、上記実施形態1と同様である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002853 【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)4月17日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】前田 弘 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−304270 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)11月5日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−107904 |
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