| 【発明の名称】 |
アンモニア吸収式冷凍機における低負荷時の制御方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】大西 尚
【氏名】平中 幸男
【氏名】椿原 昇
【氏名】岩田 克雄
【氏名】岩本 皓夫
【氏名】矢野 猛
【氏名】吉良 和久
【氏名】村井 千香
|
| 【要約】 |
【課題】低負荷時においても、凝縮器内のアンモニア液量を確保して還流ポンプが停止するのを防止し、系全体の動作が乱れないようし得るアンモニア吸収式冷凍機における低負荷時の制御方法を提供する。
【解決手段】アンモニア吸収式冷凍機の動作時に、蒸発器1で冷却されるブライン温度が低くなり、凝縮器4内におけるアンモニア液の液面が、ブライン温度の最低設定値に応じた最小蒸気量に対応する第1液面高さになった際に、蒸気供給管22に設けられた蒸気量調整弁32における最小蒸気量の下限設定値を高くする方法である。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 蒸発器、吸収器、再生器および精留器からなる再生部、凝縮器、この凝縮器からのアンモニア液を上記精留器に還流させる還流ポンプが設けられた還流管、上記再生部で得られたアンモニア蒸気を凝縮器に移送するアンモニア蒸気移送管に設けられた蒸気温度検出計、上記蒸発器で冷却されたブラインを取り出すブライン取出管に設けられたブライン温度検出計、上記凝縮器内のアンモニア液量を検出する液面検出計、上記再生器に加熱用蒸気を供給する蒸気供給管に設けられた蒸気量調整弁、上記凝縮器からのアンモニア液を蒸発器に移送するアンモニア液移送管に設けられた開閉弁、並びに上記還流管に設けられた還流量調整弁を有するとともに、上記蒸気温度検出計により還流管に設けられた上記還流量調節弁を制御し、上記ブライン温度検出計により蒸気供給管に設けられた上記蒸気量調整弁を制御し、上記液面検出計によりアンモニア液移送管に設けられた上記開閉弁を制御するようにしたアンモニア吸収式冷凍機において、低負荷時に、凝縮器内におけるアンモニア液の液面がブライン温度の最低設定値に応じた最小蒸気量に対応する第1液面高さになった際に、最小蒸気量の下限設定値を高くすることを特徴とするアンモニア吸収式冷凍機における低負荷時の制御方法。 【請求項2】 請求項1記載の低負荷時の制御方法において、凝縮器内におけるアンモニア液の液面が第1液面高さより低くなってアンモニア蒸気温度の最低設定値に応じた第2液面高さまでになった際に、アンモニア蒸気温度の目標温度を高く設定することを特徴とするアンモニア吸収式冷凍機における低負荷時の制御方法。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、アンモニア吸収式冷凍機における低負荷時の制御方法に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、アンモニア吸収式冷凍機は、蒸発器、吸収器、再生器および精留器からなる再生部、凝縮器、この凝縮器からのアンモニア液を上記精留器に還流させる還流ポンプが設けられた還流管、上記再生部で得られたアンモニア蒸気を凝縮器に移送するアンモニア蒸気移送管に設けられたアンモニア蒸気温度指示調節計、上記蒸発器で冷却されたブラインを取り出すブライン取出管に設けられたブライン温度指示調節計、上記凝縮器内のアンモニア液量を検出する液面指示調節計、上記再生器に加熱用蒸気を供給する蒸気供給管に設けられた蒸気量調整弁、上記凝縮器からのアンモニア液を蒸発器に移送するアンモニア液移送管に設けられた開閉弁、並びに上記還流管に設けられた還流量調整弁が具備されるとともに、上記アンモニア蒸気温度指示調節計により還流管に設けられた上記還流量調節弁を制御し、上記ブライン温度指示調節計により蒸気供給管に設けられた上記蒸気量調整弁を制御し、上記液面指示調節計によりアンモニア液移送管に設けられた上記開閉弁を制御するように構成されていた。 【0003】上記構成において、通常の負荷時には、蒸発器でブラインが冷却されるとともに、再生器には蒸気供給管を介して加熱用蒸気が供給されて、アンモニア水溶液を作動媒体とする冷凍サイクルが行われ、また蒸発器での熱効率すなわち冷却効率を向上させるために、凝縮器から蒸発器に移送されるアンモニア液が過冷却器で冷却されるとともに、蒸発器に溜まった水分が多く含まれたアンモニア液がアンモニア液取出管を介して取り出され、冷媒再生器にて蒸発されてアンモニア蒸気移送管に合流されている。 【0004】そして、低負荷になった際には、再生部におけるアンモニアの再生を減らすように制御が行われる。すなわち、蒸発器から出力されるブライン取出管内のブライン温度が設定温度より低くなると、ブライン温度指示調節計からの指示により、再生器に供給される蒸気供給管の途中に介装された蒸気量調整弁により、加熱用蒸気の供給量が減らされるとともに、凝縮器内のアンモニア液量についても、常に、所定量に保つために、液面指示調節計の指示により、開閉弁が開閉操作される。なお、再生部から出力されるアンモニア蒸気の温度を一定に保つために、アンモニア蒸気移送管途中に介装されたアンモニア蒸気温度指示調節計からの指示により、還流管途中に介装された還流量調整弁が制御されている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】上記構成によると、冷却負荷が極端に小さくなり、または負荷が急激に減少してブライン温度が設定温度より低くなった場合、ブライン温度指示調節計により再生器への加熱用蒸気の供給量が減少されるが、精留器への還流量を確保するために、再生器には、最小供給量の蒸気が供給されている。ところで、凝縮器における冷却水温度が高い場合には、上記最小蒸気量だけでは、精留器への還流に必要なアンモニア液量が確保できなくなり、このため、凝縮器におけるアンモニア液の液面が低下して、還流ポンプが頻繁に停止し、系全体の動作を乱してしまうという問題があった。 【0006】そこで、本発明は、低負荷時においても、凝縮器内のアンモニア液量を確保して還流ポンプが停止するのを防止し、系全体の動作が乱れないようし得るアンモニア吸収式冷凍機における低負荷時の制御方法を提供することを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明のアンモニア吸収式冷凍機における低負荷時の制御方法は、蒸発器、吸収器、再生器および精留器からなる再生部、凝縮器、この凝縮器からのアンモニア液を上記精留器に還流させる還流ポンプが設けられた還流管、上記再生部で得られたアンモニア蒸気を凝縮器に移送するアンモニア蒸気移送管に設けられた蒸気温度検出計、上記蒸発器で冷却されたブラインを取り出すブライン取出管に設けられたブライン温度検出計、上記凝縮器内のアンモニア液量を検出する液面検出計、上記再生器に加熱用蒸気を供給する蒸気供給管に設けられた蒸気量調整弁、上記凝縮器からのアンモニア液を蒸発器に移送するアンモニア液移送管に設けられた開閉弁、並びに上記還流管に設けられた還流量調整弁を有するとともに、上記蒸気温度検出計により還流管に設けられた上記還流量調節弁を制御し、上記ブライン温度検出計により蒸気供給管に設けられた上記蒸気量調整弁を制御し、上記液面検出計によりアンモニア液移送管に設けられた上記開閉弁を制御するようにしたアンモニア吸収式冷凍機において、低負荷時に、凝縮器内におけるアンモニア液の液面がブライン温度の最低設定値に応じた最小蒸気量に対応する第1液面高さになった際に、最小蒸気量の下限設定値を高くする方法であり、また上記制御方法において、凝縮器内におけるアンモニア液の液面が第1液面高さより低くなってアンモニア蒸気温度の最低設定値に応じた第2液面高さまでになった際に、アンモニア蒸気温度の目標温度を高く設定する方法である。 【0008】上記の制御方法によると、ブライン温度が低下した場合、再生部への加熱用蒸気の供給量を多くして凝縮器に移送するアンモニア量を増加させ、またはこれに加えて再生部から出力されるアンモニア蒸気の目標温度を高くして還流するアンモニア液量を減少させるようにしたので、凝縮器内でのアンモニア液の液面の高さを所定位置に維持することができる。 【0009】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態におけるアンモニア吸収式冷凍機における低負荷時における制御方法を、図1および図2に基づき説明する。 【0010】まず、アンモニア吸収式冷凍機の全体構成を、図1に基づき説明する。すなわち、このアンモニア吸収式冷凍機は、冷媒であるアンモニア液を蒸発させる蒸発器1と、この蒸発器1で蒸発されたアンモニア蒸気を第1アンモニア蒸気移送管11を介して導きアンモニア水溶液に吸収する吸収器2と、この吸収器2でアンモニア蒸気を吸収して濃度が濃くなったアンモニア水溶液をアンモニア水溶液移送管12を介して導きアンモニア蒸気の再生を行うための再生器5および濃縮を行う精留器6からなる再生部3(正確には、アンモニア水溶液は精留器側に供給される)と、この再生部3で得られたアンモニア蒸気を第2アンモニア蒸気移送管13を介して導き凝縮させる凝縮器4と、この凝縮器4で得られたアンモニア液を上記蒸発器1に移送するアンモニア液移送管14と、上記再生器5の底部に溜まった水を吸収器2に移送する水移送管15と、上記第1アンモニア蒸気移送管11とアンモニア液移送管14との間で熱交換を行う過冷却器7と、上記蒸発器1の下部からアンモニア液を取り出して上記第1アンモニア蒸気移送管11に導くアンモニア液取出管16と、このアンモニア液取出管16とアンモニア液移送管14との間で熱交換を行う冷媒再生器8と、途中に還流ポンプ17が介装されて凝縮器4内のアンモニア液を精留器6に還流させるための還流管18と、上記蒸発器1からブラインを取り出すブライン取出管21途中に設けられてブライン温度を検出するとともにその検出温度に応じて再生器5に加熱用蒸気を供給する蒸気供給管22途中に介装された蒸気量調整弁32に所定の指示信号を出力するブライン温度指示調節計(ブライン温度検出計)31と、凝縮器4側に設けられて凝縮器4内の液面を検出するとともにその液面に応じてアンモニア液移送管14途中でかつ冷媒再生器8より下流側位置で介装された開閉弁(勿論、開度を調整し得るもの)34に所定の指示信号を出力する液面指示調節計(液面検出計)33と、上記第2アンモニア蒸気移送管13途中に設けられてアンモニア蒸気温度を検出するとともにその検出温度に応じて還流管18途中に介装された還流量調整弁36に所定の指示信号を出力するアンモニア蒸気温度指示調節計(蒸気温度検出計)35とが具備されている。なお、上記アンモニア水溶液移送管12と水移送管15との間には、再生器5からの高温水の持つ熱をアンモニア水溶液側に与える熱回収器9が設けられている。 【0011】上記構成において、蒸発器1から出力されるブライン温度が設定温度範囲内である場合には、冷凍サイクルが全て作動されるとともに、再生部3(精留器6)から出力されるアンモニア蒸気の温度が一定温度(または所定温度範囲)となるように、アンモニア蒸気温度指示調節計35により還流量調節弁36が制御され、また凝縮器4内の液面が一定(または所定範囲)となるように、液面指示調節計33からの指示によりアンモニア液移送管14途中の開閉弁34が制御される。 【0012】そして、低負荷時、特に極端に冷凍負荷が減った場合には、ブライン温度指示調節計31からの指示により、蒸気量調整弁32が制御されて、蒸気の供給量が減らされる。この場合、最低必要量のアンモニア液が精留器6に還流されるような蒸気量は確保されている。 【0013】ところで、図2の(a)に示すように、ブライン温度が目標温度より低くなりかつ蒸気量が最小蒸気量になった場合に、その目標温度が所定分だけ高く設定され、すなわち図2の(b)に示すように、最小蒸気量が高く(E)されて、再生部3から凝縮器4に移送されるアンモニア量が増加される。したがって、凝縮器4内での液面が所定高さ(第1液面高さ)に維持されるため、還流ポンプ17が停止することがなくなる。 【0014】なお、ブライン温度が目標温度まで戻ると、再生器5に蒸気を供給するための蒸気量調整弁32は、通常の制御が行われる。ところで、図2の(c)に示すように、凝縮器4内における液面が上記第1液面高さよりもさらに低下して、アンモニア蒸気温度の最低設定値に応じた第2液面高さになった場合には、図2の(d)に示すように、その目標温度を、段階的に、例えば2段階でもって高くする。すなわち、還流量調整弁36により、還流されるアンモニア液が絞られて、凝縮器4内の液面が所定高さに維持されることになり、やはり還流ポンプ17が停止するのが防止される。 【0015】このように、冷凍負荷が急激に低下して凝縮器4内のアンモニア液の液面が低くなり過ぎた場合には、再生部3への加熱用蒸気の供給量を多くして凝縮器4に移送するアンモニア量を増加させ、または再生部3から出力されるアンモニア蒸気の設定温度を上昇させて還流されるアンモニア液量を減少させるようにしたので、凝縮器4内でのアンモニア液の液面の高さを所定位置に維持することができ、したがって還流ポンプの停止を防止し得るため、系全体における動作を安定して行わせることができる。 【0016】なお、ブライン温度が目標温度まで戻ると、再生部3から出力されるアンモニア蒸気の目標温度は、図2の(d)に示すように、段階的(F)に通常の目標温度に戻される。 【0017】また、上記実施の形態においては、各弁32,34,36を、それぞれ指示調節計31,33,35により制御するように説明したが、例えば温度および液面を検出する検出器を設けるとともに、これら各検出器からの検出信号を入力し、これらの検出値に応じて各弁を制御する制御器を設けることにより、制御を行うようにしてもよい。 【0018】 【発明の効果】以上のように本発明の低負荷時の制御方法によると、ブライン温度が低下した場合、再生部への加熱用蒸気の供給量を多くして凝縮器に移送するアンモニア量を増加させ、またはこれに加えて再生部から出力されるアンモニア蒸気の目標温度を高くして還流するアンモニア液量を減少させるようにしたので、凝縮器内でのアンモニア液の液面の高さを所定位置に維持することができ、したがって還流ポンプが停止するのを防止し得るため、系での動作を安定して行わせることができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000000284 【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社 【識別番号】000183369 【氏名又は名称】住友精密工業株式会社 【識別番号】000005119 【氏名又は名称】日立造船株式会社
|
| 【出願日】 |
平成10年(1998)1月8日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】森本 義弘
|
| 【公開番号】 |
特開平11−201576 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)7月30日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−1943 |
|