| 【発明の名称】 |
超伝導マグネット冷却装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】藤原 健治
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| 【要約】 |
【課題】冷却水の一時的異常の場合には自動復帰する一方、完全異常の場合には冷凍機を停止して自己保持する。
【解決手段】冷凍機25は、超伝導マクネット24を直接冷却する。制御装置31は、圧縮機33の保護装置32からの指令信号に基づいて、冷却水異常回数が所定値以下であれば直ぐ回復する一時的異常であるとして、超伝導マグネット24がクエンチしないように冷凍機25を停止せずに自動復帰する。一方、冷却水異常回数が上記所定値より大きければ直ぐ回復しない完全異常であるとして、冷凍機25を停止して自己保持するようにしている。したがって、超伝導マクネット24のクエンチの心配がない一時的な冷却水温度異常であるにも拘わらず冷凍機25を停止して自己保持してしまい、上記クエンチに至らしめることを防止できる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 超伝導マグネット(24)を、この超伝導マグネット(24)に接触した冷凍機(25)で冷却する直接冷却式の超伝導マグネット冷却装置において、上記冷凍機(25)に高圧冷媒ガスを供給する圧縮機(33)と、上記圧縮機(33)を冷却する冷却水の温度が所定温度以上になったことを検知して、冷却水温度異常信号を出力する冷却水温度監視手段(32)と、上記冷却水温度監視手段(32)からの冷却水温度異常信号に基づいて、冷却水温度異常回数を計数するカウント手段(36)と、上記冷却水温度監視手段(32)からの冷却水温度異常信号を受けて、上記カウント手段(36)による計数値が所定値より大きい場合には上記圧縮機(33)を停止し、その状態を保持する制御手段(31)を備えたことを特徴とする超伝導マグネットの冷却装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、超伝導マグネットを冷却する超伝導マグネット冷却装置の改良に関する。 【0002】 【従来の技術】MRI(磁気共鳴イメージング装置)等に用いられる超伝導マグネットは、超伝導状態を維持するために10K以下の極低温に冷却しておく必要がある。従来、超伝導マグネットを極低温に冷却する超伝導マグネット冷却装置として、図3に示すようなものがある。この超伝導マグネット冷却装置は冷媒方式の冷却装置であり、超伝導マグネットを液体ヘリウム等の冷媒中に浸漬して上記冷媒を冷凍機で極低温に冷却するものである。 【0003】図3において、1は容器であり、中央に円柱状の空間2を有する断面が環状の筒体に形成されている。容器1内にはこの容器1と相似形を成す第1シールド3が封入されており、この第1シールド3内には第1シールド3と相似形を成す第2シールド4が封入されている。さらに、第2シールド4内には、第2シールド4と相似形を成すと共に、給排口6を有する液体ヘリウム容器5が封入されている。そして、液体ヘリウム容器5内には、円筒状の超伝導マグネット(以下、単にマグネットと言う)7が封入されている。液体ヘリウム容器5の上記給排口6には、第2シールド4,第1シールド3および容器1を貫通して外部に突出した給排管8の一端が取り付けられている。一方、給排管8の他端にはバルブ9が取り付けられている。こうして、マグネット7は、バルブ9および給排管8を介して液体ヘリウム容器5内に導入された液体ヘリウム中に浸漬されている。尚、液体ヘリウムが蒸発して成るヘリウムガスは、給排管8およびバルブ9を介して外部に排出される。 【0004】上記容器1の外周壁には、極低温冷凍機(以下、単に冷凍機と言う)10が第1ヒートステーション11および第2ヒートステーション12を容器1内に突出させて取り付けられている。そして、第1ヒートステーション11には第1シールド3の外周壁が取り付けられ、第2ヒートステーション12には第2シールド4の外周壁が取り付けられている。ここで、容器1は所定温度に保持されたシールド13内に設置されている。 【0005】一方、機械室14には圧縮機ユニット15が設置されており、圧縮機19で圧縮された高圧冷媒ガスを冷凍機10に供給する一方、冷凍機10から排出された低圧冷媒ガスを圧縮機19に回収する。圧縮機ユニット15内に設けられた制御装置16は、保護装置17からの圧縮機停止指令信号に基づいて、圧縮機19の冷却水温度異常,冷媒ガス圧異常,冷媒ガス温度異常あるいは圧縮機モータ(図示せず)の電流異常の場合に圧縮機19を停止する。 【0006】図4は、上記制御装置16によって行われる異常停止処理動作のフローチャートである。上記圧縮機ユニット15が通電状態になると異常停止処理動作がスタートする。そして、ステップS1で、運転スイッチがオンになるとステップS2に進む。ステップS2で、保護装置17からの上記指令信号に基づいて保護装置17が動作状態であるか否かを判別する。そして、保護装置17が動作状態であればステップS6に進み、そうでなければステップS3に進む。ステップS3で、上記圧縮機モータに対して運転指令が出力されて圧縮機19が起動され、冷凍機10の運転が開始される。ステップS4で、電源電圧の低下等に基づいて停電であると判別されるとステップS5に進む。ステップS5で、上記圧縮機モータに停止指令が出力されて冷凍機10の運転が停止される。そうした後、異常停止処理動作を終了する。そして、停電が復帰すると、圧縮機ユニット15が通電状態になって再度異常停止処理動作がスタートする。 【0007】ステップS6で、停電以外の異常停止であることを表示するランプ18が点灯される。ステップS7で、上記圧縮機モータに停止指令が出力されて冷凍機10の運転が停止される。そうした後、上記ステップS1に戻って運転スイッチがオンされるのを待つ。 【0008】こうして、上記圧縮機19の冷却水温度異常,冷媒ガス圧異常,冷媒ガス温度異常あるいは上記圧縮機モータの電流異常の場合には、冷凍機10の停止状態を保持する所謂自己保持を行うのである。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】このように、上記従来の超伝導マグネット冷却装置では、圧縮機19の冷却水温度異常(水位異常も含まれる)の場合には、冷凍機10の停止を自己保持するようにしている。これは、従来の超伝導マグネット冷却装置は、マグネット7を液体ヘリウムで冷却する冷媒方式であるために、冷凍機10を停止しても液体ヘリウムが蒸発する時間だけ低温状態が維持できるので、自己保持しても何ら問題がないためである。 【0010】ところが、近年、超伝導マグネットの性能向上に伴って、冷凍機で直接冷却する直接冷却式の超伝導マグネット冷却装置が出現している。その場合には、超伝導マグネットを直接冷凍機で冷却しているために、上記冷凍機が冷却水異常で停止した場合に自己保持すると、超伝導マグネットを低温状態に維持できなくなって超伝導状態が破れるクエンチを起こしてしまうという問題がある。 【0011】そこで、上記圧縮機19が冷却水異常で停止した場合に、自己保持をやめて自動復帰するようにすると、冷却水の循環経路にごみが詰まった場合等の一時的異常の場合には、自然に上記ごみ詰まりが直るとそれ以降は正常に運転できることになる。ところが、冷却水ポンプ(図示せず)の故障で冷却水の循環が完全に停止した場合や水位が1/2以下になった場合等の完全異常の場合には、圧縮機19が十分冷却されずに発停を繰り返すことになり、やがては圧縮機19が故障してしまうという問題がある。 【0012】そこで、この発明の目的は、冷却水供給の一時的異常の場合には自動復帰する一方、完全異常の場合には冷凍機を停止して自己保持する超伝導マグネット冷却装置を提供することにある。 【0013】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、超伝導マグネットを,この超伝導マグネットに接触した冷凍機で直接冷却する直接冷却式の超伝導マグネット冷却装置において、上記冷凍機に高圧冷媒ガスを供給する圧縮機と、上記圧縮機を冷却する冷却水の温度が所定温度以上になったことを検知して,冷却水温度異常信号を出力する冷却水温度監視手段と、上記冷却水温度監視手段からの冷却水温度異常信号に基づいて,冷却水温度異常回数を計数するカウント手段と、上記冷却水温度監視手段からの冷却水温度異常信号を受けて,上記カウント手段による計数値が所定値より大きい場合には上記圧縮機を停止し,その状態を保持する制御手段を備えたことを特徴としている。 【0014】上記構成によれば、カウント手段によって計数された冷却水温度異常回数が所定回数より大きい場合には、上記冷却水温度異常は直ぐには回復しない完全異常であるとして冷凍機の圧縮機が停止されて、その状態が保持される。こうして、直ぐ回復するために超伝導マクネットがクエンチする心配がないような一時的な冷却水温度異常であるにも拘わらず上記圧縮機を停止してその状態を保持してしまい、上記クエンチに至らしめることが防止される。 【0015】 【発明の実施の形態】以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。図1は、本実施の形態の超伝導マグネット冷却装置における構成図である。この超伝導マグネット冷却装置は直冷方式であり、超伝導マグネットを冷凍機で直接極低温に冷却するものである。 【0016】図1において、21は容器であり、中央に円柱状の空間22を有する断面が環状の筒体に形成されている。容器21内にはこの容器21と相似形を成すシールド23が封入されており、このシールド23内には円筒状の超伝導マグネット(以下、単にマグネットと言う)24が封入されている。 【0017】上記容器21の外周壁には、極低温冷凍機(以下、単に冷凍機と言う)25が第1ヒートステーション26および第2ヒートステーション27を容器21内に突出させて取り付けられている。そして、第1ヒートステーション26にはシールド23の外周壁が取り付けられ、第2ヒートステーション27にはマグネット24の外周面が取り付けられている。ここで、容器21は所定温度に保持されたシールド28内に設置されている。 【0018】一方、機械室29には圧縮機ユニット30が設置されており、圧縮機33で圧縮された高圧冷媒ガスを冷凍機25に供給する一方、冷凍機25から排出された低圧冷媒ガスを圧縮機33に回収する。圧縮機ユニット30内に設けられた保護装置32は上記冷却水温度監視手段としての機能を有し、圧縮機33の冷却水温度異常,冷媒ガス圧異常,冷媒ガス温度異常あるいは圧縮機モータ(図示せず)の電流異常を検知して、検知した異常に応じた圧縮機停止指令信号を出力する。制御装置31は、保護装置32からの上記冷却水温度異常信号として機能する圧縮機停止指令信号に基づいて、必要に応じて圧縮機33を停止する。 【0019】図2は、上記制御装置31によって行われる異常停止処理動作のフローチャートである。圧縮機ユニット30が通電状態になると異常停止処理動作がスタートする。そして、ステップS11で、運転スイッチがオンになるとステップS12に進む。ステップS12で、保護装置32からの上記指令信号に基づいて保護装置32が動作状態であるか否かを判別する。そして、保護装置32が動作状態であればステップS16進み、そうでなければステップS13に進む。 【0020】ステップS13で、上記圧縮機モータに対して運転指令が出力されて圧縮機33が起動され、冷凍機25の運転が開始される。ステップS14で、電源電圧の低下等に基づいて停電であると判別されるとステップS15に進む。ステップS15で、上記圧縮機モータに停止指令が出力されて冷凍機25の運転が停止される。そうした後、異常停止処理動作を終了する。そして、停電が復帰すると、圧縮機ユニット30が通電状態になって再度異常停止処理動作がスタートする。 【0021】ステップS16で、上記保護装置32からの圧縮機停止指令信号を分析して、保護装置32の動作は冷却水温度異常によるものか否かが判別される。その結果、冷却水温度異常による場合にはステップS19に進む一方、そうでない場合にはステップS17に進む。ステップS17で、冷却水温度異常および停電以外による異常停止であることを表示するランプ34が点灯される。ステップS18で、上記圧縮機モータに停止指令が出力されて冷凍機25の運転が停止され、この運転停止状態が自己保持される。そうした後、上記ステップS11に戻って上記運転スイッチがオンされるのを待つ。 【0022】ステップS19で、冷却水温度異常であることを表示するランプ35が点灯される。ステップS20で、内蔵するカウンタ36によって、冷却水異常回数nがカウントされる。ステップS21で、冷却水異常回数nが所定値N以下であるか否かが判別される。その結果、n≦NであればステップS22に進む一方、n>NであればステップS23に進む。ステップS22で、所定時間(例えば2分)が経過すると上記ステップS12に戻って自動復帰する。ステップS23で、上記圧縮機モータに停止指令が出力されて冷凍機25の運転が停止され、この運転停止状態が自己保持される。そうした後、上記ステップS11に戻って上記運転スイッチがオンされるのを待つ。 【0023】こうして、上記圧縮機33の冷媒ガス圧異常,冷媒ガス温度異常あるいは上記圧縮機モータの電流異常の場合には、冷却水温度異常および停電以外による異常停止であることを表示するランプ34を点灯し、冷凍機25を停止して自己保持する。また、圧縮機33の冷却水温度異常の場合には、冷却水温度異常であることを表示するランプ35を点灯する。そして、上記冷却水異常回数n≦所定値Nであれば、例えばごみ詰まり等による一時的な水位変化による異常であるから、マクネット24がクエンチしないように圧縮機33を停止せずに自動復帰する。これに対して、冷却水異常回数n>所定値Nであれば、一時的な異常ではなく、例えば冷却水ポンプの故障等による完全な異常であるから、冷凍機25を停止して自己保持を行うのである。 【0024】したがって、ユーザは、上記ランプ34,35の点灯状態および圧縮機33の動作状態に調べることによって、本超伝導マグネット冷却装置に対する措置を以下のように判断できるのである。すなわち、ランプ34がオフ、ランプ35がオフ、圧縮機33がオンであれば、正常であったと判断できる。これに対して、ランプ34がオフ、ランプ35がオン、圧縮機33がオンであれば、N回以下の冷却水異常があった(現在は回復している)と判断できる。したがって、ユーザは、冷却水循環系を点検する必要がある。また、ランプ34がオフ、ランプ35がオン、圧縮機33がオフであれば、(N+1)回以上の冷却水異常があり圧縮機33が停止されたと判断できる。したがって、ユーザは、冷却水ポンプ,冷却水循環経路および圧縮機33等を点検して故障箇所を修理する必要がある。また、ランプ34がオン、ランプ35がオフ、圧縮機33がオフであれば、冷媒ガス圧異常,冷媒ガス温度異常あるいは上記圧縮機モータの電流異常があり圧縮機33が停止されたと判断できる。したがって、ユーザは、圧縮機33および上記圧縮機モータを点検して修理する必要がある。 【0025】上述のように、本実施の形態においては、マクネット24を直接冷凍機25で冷却する直冷方式の超伝導マクネット冷却装置において、制御装置31は、圧縮機33の保護装置32からの圧縮機停止指令信号に基づいて、圧縮機33の冷却水温度異常,冷媒ガス圧異常,冷媒ガス温度異常あるいは上記圧縮機モータの電流異常の場合には圧縮機を停止する。その場合に、上記冷却水温度異常は直ぐ回復する一時的異常であるか直ぐには回復しない完全異常であるかを、冷却水温度異常回数nに基づいて区別する。そして、前者の場合にはマグネット24がクエンチしないように冷凍機25を停止せずに自動復帰する一方、後者の場合には冷凍機25を停止してその状態を自己保持するようにしている。したがって、マクネット24のクエンチの心配がない一時的異常であるにも拘わらず冷凍機25を停止して自己保持してしまい、上記クエンチに至らしめることを防止できる。 【0026】また、本超伝導マクネット冷却装置を夜間無人運転した場合に、ユーザは、上記ランプ34,35の点灯状態および圧縮機33の動作状態に調べることによって、夜間における運転状況を知ることができ、速やかに且つ的確に点検修理を行うことができる。 【0027】以上のことより、本実施の形態によれば、信頼性の高い超伝導マクネット冷却装置の夜間無人運転を行うことができるのである。 【0028】尚、上記カウンタ36による冷却水温度異常回数nの値を圧縮機ユニット30上に表示するようにすれば、ユーザは、上記冷却水温度の一時的異常の状態を更に細かく把握できる。また、上記実施の形態においては冷凍機25として2段ギフォードマクマホン冷凍機を使用しているが、この発明はこれに限定されるものではないことは言うまでもない。 【0029】 【発明の効果】以上より明らかなように、請求項1にかかる発明の超伝導マグネット冷却装置は、冷凍機で超伝導マグネットを直接冷却し、上記冷凍機の圧縮機の冷却水温度が所定温度以上になると冷却水温度監視手段から出力される冷却水温度異常信号に基づいて、カウンタ手段によって冷却水温度異常回数を計数し、この計数値が所定値より大きい場合には、制御手段によって上記冷却水温度異常は直ぐには回復しない完全異常であるとして上記圧縮機を停止し、この状態を保持するので、直ぐ回復するために上記超伝導マクネットがクエンチする心配がないような一時的な冷却水温度異常であるにも拘わらず上記圧縮機を停止してその状態を保持してしまい、上記クエンチに至らしめることを防止できる。 【0030】したがって、この発明によれば、直冷式の超伝導マクネット冷却装置における無人運転時の信頼性を高めることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002853 【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)12月15日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】青山 葆 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−173691 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)7月2日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−345231 |
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