| 【発明の名称】 |
冷凍冷蔵庫 |
| 【発明者】 |
【氏名】大嶋 靖浩
【氏名】岩田 博
【氏名】飯塚 董
【氏名】戸崎 準
【氏名】松嶋 弘章
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| 【要約】 |
【課題】炭化水素系冷媒を使用した冷蔵庫において、冷凍サイクルより冷媒が庫内に漏れた場合、空気との混合により爆発の危険がある。
【解決手段】イソブタン等の冷媒を使用することで、通常運転時は庫内側配管部分が大気圧より負圧として、また、停止時は制御弁にて庫内配管部分を閉鎖することにより、庫内への冷媒漏れを防止する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】圧縮機と凝縮器と減圧機構と蒸発器とを順に配管でつないで構成した冷凍サイクルと、断熱材で構成された冷蔵庫内に、前記蒸発器が設置された冷凍冷蔵庫において、冷媒として可燃性の作動流体を使用し、蒸発器の前後に制御弁を設け、通常圧縮機運転時は制御弁を開とし、圧縮機停止時は制御弁を閉として、蒸発器圧力を低圧に保つことを特徴とする冷凍冷蔵庫。 【請求項2】可燃性冷媒として、プロパン、イソブタン等の炭化水素系の混合物とし、圧縮機運転中の蒸発圧力を大気圧以下にしたことを特徴とする請求項1の冷凍冷蔵庫。 【請求項3】圧縮機運転中、異常検出時には、蒸発器上流の制御弁をまず閉め、冷媒を凝縮器に溜めた後、蒸発器下流の制御弁を閉め、圧縮機を停止するようにしたことを特徴とする請求項1ないし請求項2の冷凍冷蔵庫。 【請求項4】断熱材で構成された冷蔵庫外に、上記制御弁を設けたことを特徴とする請求項1ないし請求項3の冷凍冷蔵庫。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】冷凍庫ないし冷凍冷蔵庫(以下冷蔵庫と記す)において、炭化水素系の冷媒を使用した場合の安全性に関する。 【0002】 【従来の技術】一般に、冷蔵庫は、図2に示す冷蔵庫断面模式図に示すように、冷媒1と呼ばれる作動流体(図中の矢印の向きに循環する)を、圧縮機2、凝縮器3、キャピラリ4などの減圧機構、蒸発器5を順に配管パイプ6で連結し、密閉して構成された冷凍サイクル内を循環させる。またウレタンなどの断熱材で構成された断熱壁7aや断熱ドア7bにて低温を維持する空間(庫内)8を構成し、この中に蒸発器5を設置する。ここで、圧縮機のポンプ作用により冷媒を循環させると共に、冷媒の液体と気体の間の相変化を利用して、低圧側の蒸発器5(庫内8)にて熱を奪い、高圧側の凝縮器3(庫外9)にて熱を放出させることにより成り立っている。熱は最終的には大気へ放熱を良くするため、凝縮器3等は大気に開放されている。なお、外観を良くするため、凝縮器を冷蔵庫外箱鉄板に接触させつつ、断熱材の中に埋め込むタイプもあるが、基本的に庫内に露出する冷凍サイクル部品は蒸発器とその前後の配管である。 【0003】現在、作動流体としては、オゾン層破壊係数が零のHFC134aとよばれるフロン系冷媒が主に使われている。フロン系冷媒のほとんどは、化学的に安定で、冷凍サイクルより万一漏れたとしても着火・爆発等の危険性が無いなど、優れた特性を持つ一方、その安定性により大気圏内に放出された場合、いわゆる炭酸ガスと同様に地球温暖化の原因物質になるとの指摘がなされ、その使用の良否が問われ始めている。その代替物質として、炭化水素系の冷媒が注目されている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】炭化水素系の冷媒を使用した場合、次のような安全上の問題が存在する。すなわち、基本的には、冷凍サイクルは密閉された構造で、その中を循環する冷媒が漏れることはない。しかしながら、例えば圧縮機運転中の振動によりサイクル配管の接合部分にストレスが加わり、冷媒が漏れるに足る穴があくことがないとは言えない。可燃性冷媒が冷凍サイクルより漏れた場合、空気と混合されその組成が爆発限界内となり、さらに着火源が揃うと、爆発・火災の危険性が存在する。特に、冷媒が冷蔵庫庫内側に漏れた場合、冷媒は拡散せず、爆発限界内の状態に保たれる。そして、ドア7bを明けた時、例えば庫内灯制御等他の制御のためのドアスイッチの電気接点火花等によって、爆発・火災が起こり、人的・物的損害の発生が懸念される。よって、この問題への対策が必要不可欠である。 【0005】 【課題を解決するための手段】冷凍サイクルのうち、冷蔵庫庫内側に設置されるのは蒸発器である。ここで、通常の圧縮機運転時、蒸発器側の圧力は低圧側となり、その絶対圧は大気圧に近く、冷媒が庫内に漏れることは少ない。しかし、圧縮機が停止中には、冷凍サイクルの圧力は減圧機構や圧縮機等を通って徐々にバランスし、蒸発器の圧力も大気圧より高くなって、冷媒が庫内に漏れる。そこで、蒸発器の前後にの制御弁を設け、これらの弁を、運転中は共に開として従来と同様の運転を可能とし、停止時は共に閉とすることにより、蒸発器の圧力上昇を阻止し庫内に冷媒が漏れることを防止することが出来る。 【0006】また、冷凍サイクルに異常のあることを察知した場合には、蒸発器上流側の制御弁をまず閉じ、そのまま暫く圧縮機の運転を継続して、冷媒を庫外である凝縮器に溜めた後、蒸発器下流側の制御弁を閉め、圧縮機の運転を停止すれば、庫内への漏れをより確実に防止することが出来、安全である。 【0007】 【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る1実施例を示す冷蔵庫の断面模式図である。従来例と同一の機能・構成のものは同一の符号を付して重複説明を省略する。従来例の図2に対しての変更点は、冷媒に可燃性の流体を使用していることと、制御弁10a、10bの2つが追加してあることである。制御弁は蒸発器5の前後、すなわち、1つ目の10aは、キャピラリ4と蒸発器5の間の配管に設けてあり、もう1つの10bは蒸発器5と圧縮機2の間の配管に設けてある。そして圧縮機2の運転に合わせて、その開閉を自在にコントロールできようにしてある。通常の圧縮機運転時には、これらの制御弁は共に開の状態にすることにより、図2に示した従来の冷蔵庫の場合と全く同じ冷凍サイクルを構成することが出来る。なお、キャピラリー部の配管内容積は十分小さく、製作都合上、10aの制御弁をキャピラリー4と凝縮器3の間の配管に設けても、本発明の目的とするところの効果を十分得ることが出来る。 【0008】本発明の冷蔵庫では、冷媒として、炭化水素系のプロパン(R290)またはイソブタン(R600a)等ないしこれらの混合物を冷媒として用いており、冷媒が冷凍サイクルより漏れた場合の爆発等に対する検討が必要である。冷媒量としては、内容積が400L(リットル)クラスの冷蔵庫で90g程度が必要十分である。一般に、爆発は、可燃性気体(炭化水素系冷媒)と酸素などの酸化性気体(大気)の混合物が、ある一定の組成・圧力・温度の範囲内で起こり、その範囲の限界は爆発限界と呼ばれている。例えば、イソブタンの場合、組成としては空気との混合体積比率で約2%(下限)から約8%(上限)が爆発限界内となる。よって、400Lの冷蔵庫内に冷媒が約20gから80gの間で漏れた場合、庫内爆発の危険性がある。一方、庫外すなわち部屋内に漏れた場合、冷媒90gが全部漏れたとしても450L以上の空間に拡散すれば、組成が爆発限界下限より低くなり、爆発の危険性はない。450Lという容積は、高さ2.5メートルとした場合、床面積約42センチメートル四方ということになり、冷蔵庫が設置され実際に人間が生活する部屋を考えた場合、事実上冷蔵庫庫外での爆発の恐れはないと言って良い。よって、漏れへの対策は冷蔵庫庫内側への対策が必要である。 【0009】冷凍サイクル中、冷媒が庫内に漏れると考えられる箇所は、庫内に露出する蒸発器とその前後の配管接続部である。より慎重を期すと、断熱壁までの配管パイプや、さらに断熱壁に埋め込まれた配管部分に付いても漏れた場合には断熱壁内のウレタンを透過して、一部が漏れ込む可能性もある。よって、本発明の実施例では、断熱壁の外側(庫外)に制御弁10a、10bを設けてある。こうすることにより制御弁接続部から万一漏れも、漏れ箇所は庫外であり、安全である。 【0010】ところで、実際に冷媒が冷凍サイクル外の大気中に漏れるためには、冷凍サイクルの一部に穴などがあり、その部分の冷媒圧力が大気圧より高くなる必要がある。しかしながら、蒸発器側の圧力は、低温とするためその圧力は低く、大気圧と比べてもさほど変わらないのが一般的である。 【0011】さらにここで、冷媒がイソブタンとした場合、イソブタンの大気圧での飽和蒸気温度は−11.7℃であり、冷凍庫ないし冷蔵庫として実使用する蒸発圧力としては常に大気圧以下で使用する事となる。よって、キャピラリ4により減圧された後のところから、蒸発器5を通って、圧縮機2の吸込み側の配管パイプまでは、通常の圧縮機運転中は大気圧より低い負圧となり、この部分から冷媒が漏れることはない。同様にプロパンの場合の大気圧における飽和蒸気温度は−42℃であり、冷凍庫での使用を考えれば、低圧側を常に大気圧以下に保持した運転となってくる。なお、イソブタン、プロパン共に、従来の圧縮機にてそのまま使用できず、圧縮機の押除量調整や運転耐圧の向上を図る必要があり、これらの混合物等を使用することが考えられている。現在説明している本発明の実施例において、この混合物等を冷媒として使用しても、同様の効果が得られることは言うまでもない。 【0012】一方、圧縮機運転停止時には、制御弁10a、10bを共に閉とする事により、冷蔵庫内の蒸発器5を低圧(大気圧に対して負圧)のまま保持することが出来、庫内に冷媒が漏れることがない。よって、圧縮機運転・停止状態に対応して制御弁10a、10bを共に開・閉の状態に制御すれば、冷蔵庫内に冷媒が漏れることは常になく、爆発・火災等の事故発生を防ぐことが出来る。これを実現する方法としては、例えば、圧縮機を電動とした場合、制御弁を電源オンで開となる電磁弁とし、圧縮機の電源ラインと同じに制御弁をつなぐことにより、容易に実現可能である。また、流通抵抗は大きくなるが、2つの制御弁をともに、流体の流れを一方向だけに制限する逆止弁としても構わない。なお、蒸発器下流側の制御弁10bの方は、例えば圧縮機2自体に逆止弁と同等機能を有し、圧縮機側から蒸発器側に冷媒が逆流する恐れのないときは、この一方の制御弁10bを省略すれば、コストを抑えることができる。 【0013】このようにすることにより、次のような効果もある。圧縮機運転停止時に、一旦冷やされた蒸発器の冷媒と高温の凝縮器の冷媒が混合されることによりエンタルピをロスする、いわゆる冷凍サイクルの断続ロスをなくし、省エネルギーにも貢献することが出来る。 【0014】さらに、これらの制御弁を次のように制御する応用が考えられる。冷凍サイクルに穴があき、冷媒が漏れた場合や逆に大気が冷凍サイクルに進入した場合、冷凍サイクルの各部の温度に異常が発生する。そこで冷凍サイクルの温度を検知しておき、異常を検出した場合に、蒸発器5入り口側の制御弁10aをまず閉め、暫く圧縮機2の運転を継続して、蒸発器内の冷媒を全て凝縮器3側に溜めた後、下流側の制御弁10bを閉めると共に、圧縮機の運転を停止する。これにより、より確実に庫内8への冷媒の漏れを防止する事が出来る。そして、そのまま再運転をしないように制御すれば、さらに安全である。また、異常の原因が、明らかに高圧側での漏れだと判断できる場合は、先ほどと逆の順序に制御弁を閉じれば、冷媒を蒸発器側に溜めることができ、冷凍サイクルからのそれ以上の冷媒漏れを防ぐことができる。 【0015】 【発明の効果】冷蔵庫庫内への冷媒漏れを防止することが出来、可燃性の冷媒を使った場合にも、爆発・火災といった事故の恐れがなく、地球温暖化の問題のない炭化水素系の冷媒の冷凍サイクルへの使用を可能とすることが出来る。また、冷凍サイクルの断続エンタルピのロスをなくし、省エネルギーに貢献することが出来る。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005108 【氏名又は名称】株式会社日立製作所
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)12月12日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】小川 勝男
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| 【公開番号】 |
特開平11−173684 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)7月2日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−342535 |
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