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【発明の名称】 冷媒検知方法ならびに冷凍サイクル
【発明者】 【氏名】佐藤 成広

【氏名】渡邊 幸男

【氏名】藤高 章

【氏名】小林 義典

【要約】 【課題】エアコン内に冷媒が入っているかどうかを冷凍サイクル外から容易に判断できるようにすることが課題である。

【解決手段】冷媒流路中に色変化による冷媒または/と空気の検知手段を設置することによりエアコン内の冷媒を検知する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 冷媒流路中に色変化による冷媒および空気の少なくとも一方を検知する検知手段を設置することを特徴とする冷媒検知方法。
【請求項2】 前記検知手段が酸化クロムを含むことを特徴とする請求項1記載の冷媒検知方法。
【請求項3】 前記検知手段がコバルト錯体を含むことを特徴とする請求項1記載の冷媒検知方法。
【請求項4】 冷媒を圧縮する冷凍圧縮機と、前記冷媒を凝縮させる凝縮器と、前記冷媒を蒸発させる蒸発器と、前記冷媒を膨張させる膨張手段と、色変化による冷媒および空気の少なくとも一方を検知する検知手段とを備えた冷凍サイクル。
【請求項5】 前記冷媒検知手段が前記冷凍圧縮機内に配置されていることを特徴とする請求項4記載の冷凍サイクル。
【請求項6】 前記冷媒検知手段が前記冷凍圧縮機内の冷媒吸入口付近に配置されていることを特徴とする請求項4記載の冷凍サイクル。
【請求項7】 前記冷媒検知手段が酸化クロムを含むことを特徴とする請求項4記載の冷凍サイクル。
【請求項8】 前記冷媒検知手段がコバルト錯体を含むことを特徴とする請求項4記載の冷凍サイクル。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハイドロフルオロカーボンやハイドロカーボンなどの冷媒を検知する冷媒検知方法ならびに冷媒および冷凍機油を作動媒体とする冷凍圧縮機、冷媒検知手段、凝縮器、キャピラリチューブなどの膨張機構、ならびに蒸発器を備えた冷凍サイクルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、冷凍機、冷蔵庫、空調機などには、冷媒としてフッ素と塩素を含むフロン、例えばクロロフルオロカーボン(CFC)であるR11(トリクロロモノフルオロメタン)やR12(ジクロロジフルオロメタン)、ハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)であるR22(モノクロロジフルオロメタン)などが使用されてきた。しかしながら、この種のフロン化合物は、大気中に放出された場合に、そのほとんどが分解されず、成層圏のオゾン層を破壊し、生体系に悪影響を及ぼすとして国際的に使用が規制されつつある。そのため、これら塩素を含まない代替フロン物質の検討が広くなされている。
【0003】これらCFC、HCFCの代替物質として、塩素原子を含まないハイドロフルオロカーボン(HFC)が使用されるようになった。しかしながらこれらHFCは地球温暖化への寄与はR22と同等程度で依然としてその影響がある。したがって地球環境保護の観点からオゾン層破壊の恐れがなく地球温暖化に与える影響の小さい冷媒としてプロパンやイソブタンなどの炭化水素(HC)が検討されている。
【0004】しかしながら、冷媒として用いるHCは可燃性でありこれらを使用したエアコンは特別な取り扱いが必要である。特開平9−157641号公報では、冷媒自体を不燃化するためにプロパンと不燃性のHFC134aの共沸混合物を用いることが記載されている。
【0005】特にHC冷媒を用いたエアコンに関しては製品輸送中の冷媒漏洩をなくすために製品出荷時に室外機を真空にしておき、エアコン設置時に冷媒をチャージすることが試みられている。このようにエアコン設置時に冷媒チャージする場合、エアコン内が真空になっているか冷媒が入っているかを判断するためには真空ゲージや圧力計などの計測機を室外機のサービスポート等に接続する必要があった。または、室外機をわずかの間大気開放し室外機内が加圧になっているか負圧になっているのかを判断していた。しかしながら計測機を用いることで手順が煩雑になり施工時間の増大をまねいていた。また大気開放して冷媒を大気中に放出することはたとえ短時間とはいえ地球環境保護の観点から好ましくない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このようにエアコン設置時に冷媒チャージをする場合、エアコン内に冷媒が既に投入ずみかどうかを調べる必要がある。しかしながら、エアコン内に冷媒が入っているかどうかを冷凍サイクル外から容易に判断できないという課題があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、エアコン内の冷媒の有無を冷凍サイクル外から検知する方法ならびにそのような検知手段を有する冷凍サイクルを提供することを目的としている。
【0008】上記課題を解決するために本発明は色変化により冷媒あるいは空気の有無を検知するものである。すなわち、冷媒流路中に冷媒あるいは空気により色が変化する検知剤を流路外から視認できるように設置する。検知剤は冷媒または空気と反応して色が変化するものを用いる。冷媒と反応して色が変化する検知剤を用いることで、冷媒流路内に冷媒が存在しているかどうかバルブを開けることなく、エアコンから離れた場所からでも容易に調べることができる。また、空気と反応する検知剤を用いることでエアコン内が空気で満たされているか、すなわち設置時にエアコン内が真空に保たれているかどうかを容易に判断することができる。
【0009】このように本実施例によれば、設置時にエアコン内に冷媒が入っているかどうか容易に判断できるので冷媒の大気放出を防ぐことができ地球温暖化に与える影響を低減することができる。さらに、エアコン廃棄時にエアコン内の冷媒が既に回収されているかどうかを容易に判断できるようになりエアコンのリサイクル処理が容易にできるようになる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例について図を用いて説明する。
【0011】以下に説明する実施例は、冷媒流路中に冷媒および空気の少なくとも一方により色が変化する検知剤を流路外から視認できるような検知手段を含む冷凍サイクルである。
【0012】図1は本発明の一実施例である、冷媒および空気の少なくとも一方を検知する検知手段、冷凍圧縮機、凝縮器、膨張機構、蒸発器を備えた冷凍サイクルの全体構成図である。また、図2は本発明の一実施例である冷媒および空気の少なくとも一方を検知する検知手段を備えた冷凍圧縮機の要部拡大斜視図である。
【0013】冷凍サイクルは、図1に示すように冷媒および空気の少なくとも一方を検知する検知手段1、圧縮機2、凝縮器3、キャピラリチューブ等の膨張機構4、蒸発器5さらにこれらを連結する配管6で構成される。また、四方弁7を有し、この回転によって作動媒体の流路を転換し、凝縮器と蒸発器の機能を交換させることができるものである。
【0014】冷媒および空気の少なくとも一方を検知する検知手段1としては、これらの有無により色変化するもので、冷媒や冷凍機油に悪影響を及ぼさないものであれば、どのようなものも用いることができる。色変化が可逆であれば設置時に冷媒導入により色変化したものが廃棄時に冷媒回収により元の色にもどり、設置時と廃棄時に冷媒の有無を把握できるので最適である。具体的な冷媒および空気の少なくとも一方を検知する検知手段としては酸化クロムの還元反応で橙から褐色に変化してHC冷媒であるプロパンの検出をおこなう方法やコバルト錯体の水和反応で青からピンク色に変化して空気中の水分を検出するものなどを用いることができる。また、2つ以上の検知手段を同時に使用しても構わない。このような色変化する検知手段は冷凍サイクル内に設置するが、色変化は耐圧の石英ガラスを通して外部から確認できるようにするのが最適である。この検知手段の位置は特にこだわらないが、圧縮機2内の吸入口付近に設置するのが圧力が低く適している。
【0015】また圧縮機2の内部には冷凍機油潤滑油が貯留されているので、検知手段は潤滑油に接しない部分に設置するのが冷媒/空気と接触しやすく好ましい。
【0016】以下、具体的な実施例を挙げて説明する。なお、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
【0017】
【実施例】鉱油系冷凍機油を入れた密閉型スクロール圧縮機の吸入口付近に冷媒および空気の少なくとも一方を検知する検知手段を設置した。この検知手段の部分の拡大図を図2に示す。検知手段は石英ガラスを用いた覗き窓9により外部から容易に視認できる。覗き窓9内には検知管10をエポキシ系接着剤で接着した。検知管10は内径3mm外径5mm長さ30mmのガラス管で、片側開放、もう一方を閉じている。検知管10内にはコバルト錯体入りのシリカゲルおよびシリカゲルを重クロム酸カリウム硫酸混液に浸したものを順に詰め2つの検知剤の間および開放端付近には脱脂綿を詰めた。コバルト錯体入りのシリカゲルは水分のないところで青、水分存在下でピンク色となる。また、シリカゲルを重クロム酸カリウム硫酸混液に浸したものはプロパンのないところで橙色、プロパンに接触したら褐色になる。ただし、このプロパン検知管は非可逆である。
【0018】上記の冷凍用圧縮機を熱交換器、キャピラリチューブと共に室外ユニットを作成した。さらに室外ユニットと熱交換器を有する室内ユニットをそれぞれの据え付け位置に固定しこれらの間を銅管にて接続し、図1に示されるような冷凍サイクルを構成した。
【0019】まず、室外機末端から真空ポンプでコンプレッサ内および室外機内冷媒通路を減圧した。ここで検知管は水分検知の方が青色、プロパン検知の方が橙色であり室外機内が真空に保たれていることがわかった。
【0020】次に、室外機密閉用のバルブを開放しエアコン内に空気を導入した。この状態で48時間放置したところ、検知管の水分検知の方がピンク色、プロパン検知の方が橙色であり室外機内が空気で満たされていることがわかった。
【0021】さらに再び室外機を減圧し、冷媒であるプロパンを導入した。この状態で24時間放置したところ、検知管の水分検知の方が青色、プロパン検知の方が褐色となり室外機がプロパンで満たされていることがわかった。以上の色変化をまとめると表1のようになった。
【0022】
【表1】

【0023】ここでわかるように本発明の冷媒検知方法を用いれば、色変化によってエアコン冷媒流路内が冷媒で満たされているか、空気で満たされているかが容易に判断できるようになった。
【0024】
【発明の効果】以上のように、本実施例によれば色変化により冷媒および空気の少なくとも一方を検知することによりエアコン内に冷媒が満たされているかどうかを容易に判断できるようになる。そのために通常のゲージなどを用いた冷媒封入確認作業が不要になりエアコンの施工時間を短縮することができる。また施工時にエアコン室外機を大気開放して内部に封入されている冷媒を大気中に放出することがなくなり地球環境保護に有効である。
【0025】また、冷媒および空気の少なくとも一方を検知する検知手段に酸化クロムを含むことによりプロパンやイソブタンなどの炭化水素系冷媒を感知することができるようになり、エアコン室外機内に冷媒が封入されているかどうかを容易に判断できるようになる。そのため、特に炭化水素系冷媒を用いたエアコン施工時の冷媒封入確認作業が不要になりエアコンの施工時間を短縮することができる。
【0026】また、冷媒および空気の少なくとも一方を検知する検知手段にコバルト錯体を含むことにより空気の一成分である水分を感知することができるようになる。そのためエアコン室外機内が空気で満たされているかどうかを容易に判断できるようになる。そのため、通常のゲージなどを用いた冷媒封入確認作業が不要になりエアコンの施工時間を短縮することができる。
【0027】また、冷媒検知手段が冷凍圧縮機内に配置されていることにより冷凍サイクル中の冷媒の流動抵抗にならない。そのため本発明の冷媒検知手段は冷凍サイクルの冷凍能力を妨げることなくエアコン内に冷媒が満たされているかどうかを判断することができる。そのため、通常のゲージなどを用いた冷媒封入確認作業が不要になりエアコンの施工時間を短縮することができる。
【0028】また、冷媒検知手段が冷凍圧縮機内の冷媒吸入口付近に設置されていることにより冷媒検知手段に高い圧力がかかることがなく安価な検知部品を用いてエアコン内に冷媒が満たされているかどうかを判断することができる。そのため、通常のゲージなどを用いた冷媒封入確認作業が不要になりエアコンの施工時間を短縮することができる。
【出願人】 【識別番号】000005821
【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
【出願日】 平成9年(1997)10月30日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】滝本 智之 (外1名)
【公開番号】 特開平11−132607
【公開日】 平成11年(1999)5月21日
【出願番号】 特願平9−298250