| 【発明の名称】 |
空調用冷媒受液器およびボールプラグの固定方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】本多 信仁
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| 【要約】 |
【課題】内筒部の上端に同軸に通じて上方に延びるとともに上端がサイトグラスで閉じられる貫通孔、内端を貫通孔に通じさせて容器の半径方向外方側に延びるとともに外端が閉じられる横方向連通孔、ならびに該横方向連通孔の中間部に下端を通じさせて上方に延びる出口孔から成る冷媒流出路がヘッド部に設けられる空調用冷媒受液器において、充分な耐圧強度およびシール性を有した簡単な構成で横方向連通孔の外端部を閉塞可能とする。
【解決手段】横方向連通孔31の外端部に圧入されるとともに横方向連通孔31の外端周縁部がかしめ係合されるボールプラグ35で、横方向連通孔31の外端部が閉塞される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 円板状に鍛造成形されるヘッド部(14)で上端が閉じられるとともに下端が閉じられた容器(11)内に、ヘッド部(14)に連なって下方に延びる内筒部(16)が配置され、該内筒部(16)を貫通せしめる収納物(12)が、前記ヘッド部(14)との間に上部空間(26)を形成するとともに前記内筒部(16)の下端に通じる下部空間(27)を前記容器(11)の下端との間に形成して容器(11)内に収納され、前記内筒部(16)の上端に同軸に通じて上方に延びるとともに上端がサイトグラス(34)で閉じられる貫通孔(30)、内端を貫通孔(30)に通じさせて容器(11)の半径方向外方側に延びるとともに外端が閉じられる横方向連通孔(31)、ならびに該横方向連通孔(31)の中間部に下端を通じさせて上方に延びる出口孔(32)から成る冷媒流出路(29)と、前記上部空間(26)に下端を通じさせて上方に延びる冷媒流入路(28)とが、前記ヘッド部(14)に設けられる空調用冷媒受液器において、横方向連通孔(31)の外端部に圧入されるとともに横方向連通孔(31)の外端周縁部がかしめ係合されるボールプラグ(35)で、横方向連通孔(31)の外端部が閉塞されることを特徴とする空調用冷媒受液器。 【請求項2】 ボールプラグ(35)の直径をDB 、横方向連通孔(31)の直径をdとし、ボールプラグ(35)の圧入代を∂(=DB −d)としたときに、圧入率∂/DB が、3≦(∂/DB )×100≦6に設定されることを特徴とする請求項1記載の空調用冷媒受液器。 【請求項3】 前記ヘッド部(14)、該ヘッド部(14)の外周に同軸に連なる外筒部(15)、ならびに前記ヘッド部(14)に連なる内筒部(16)を一体に有して鍛造成形される容器主体(13)と、前記外筒部(15)の開口端に結合される蓋体(17)とで、前記容器(11)が構成されることを特徴とする請求項1または2記載の空調用冷媒受液器。 【請求項4】 請求項1記載の横方向連通孔(31)を閉塞するボールプラグ(35)を圧入、かしめ係合によりヘッド部(14)に固定するにあたって、先端に向かうにつれて幅を狭くした縦断面形状のくさび部(39)を先端外周縁の全周に備えるとともに該くさび部(39)に連なる押圧面(40)を先端面に備えるポンチ(38)を準備し、横方向連通孔(31)の外端に一部を挿入せしめたボールプラグ(35)に前記押圧面(40)を当接させた状態で、ボールプラグ(35)を横方向連通孔(31)に押込む方向で前記ポンチ(38)を加圧することにより、ボールプラグ(35)を横方向連通孔(31)の外端部に圧入するとともに前記くさび部(39)を横方向連通孔(31)の外端周縁で前記ヘッド部(14)に食い込ませてヘッド部(14)をボールプラグ(35)にかしめ係合させることを特徴とするボールプラグの固定方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、空調用冷媒受液器に関し、特に、該受液器における冷媒流出路の構造の一部をなす横方向連通孔の閉塞構造の改良、ならびに横方向連通孔を閉塞するためのボールプラグのヘッド部への固定方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、ヘッド部に設けられる冷媒流出路が、内筒部に連なる貫通孔、該貫通孔に内端を通じさせるとともに外端が閉じられる横方向連通孔、ならびに下端を横方向連通孔に通じさせて上方に延びる出口孔とで形成されるようにした空調用冷媒受液器が、たとえば特開平3−7867号公報および特開平8−233413号公報等で知られている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】上記特開平3−7867号公報で開示された冷媒受液器では、横方向連通孔の外端部に雌ねじが設けられ、該雌ねじに螺合する盲栓で横方向連通孔の外端部が閉塞されているが、充分なシール性および耐圧強度を確保するためには、前記雌ねじをテーパねじとしたり、盲栓およびヘッド部間にOリングを介在させたりする必要があり、加工が面倒であるとともに構成が複雑となる。 【0004】また上記特開平8−233413号公報で開示された冷媒受液器では、横方向連通孔の外端部に盲栓が圧入されているが、ヘッド部が鋳造材から成るものである場合には圧入による大きな荷重でヘッド部にクラックが発生する可能性があり、また鍛造材から成るものであったとしても圧入代が大きい場合にはヘッド部が塑性変形してしまい、充分な耐圧強度とシール性を保証できない。 【0005】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、充分な耐圧強度およびシール性を有した簡単な構成で横方向連通孔の外端部を閉塞可能とした空調用冷媒受液器を提供することを第1の目的とし、また横方向連通孔の外端部を閉塞するためのボールプラグをヘッド部に簡単に固定し得るようにしたボールプラグの固定方法を提供することを第2の目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、円板状に鍛造成形されるヘッド部で上端が閉じられるとともに下端が閉じられた容器内に、ヘッド部に連なって下方に延びる内筒部が配置され、該内筒部を貫通せしめる収納物が、前記ヘッド部との間に上部空間を形成するとともに前記内筒部の下端に通じる下部空間を前記容器の下端との間に形成して容器内に収納され、前記内筒部の上端に同軸に通じて上方に延びるとともに上端がサイトグラスで閉じられる貫通孔、内端を貫通孔に通じさせて容器の半径方向外方側に延びるとともに外端が閉じられる横方向連通孔、ならびに該横方向連通孔の中間部に下端を通じさせて上方に延びる出口孔から成る冷媒流出路と、前記上部空間に下端を通じさせて上方に延びる冷媒流入路とが、前記ヘッド部に設けられる空調用冷媒受液器において、横方向連通孔の外端部に圧入されるとともに横方向連通孔の外端周縁部がかしめ係合されるボールプラグで、横方向連通孔の外端部が閉塞されることを特徴とする。 【0007】このような構成によれば、鋳造材に比べて靭性に優れた鍛造材から成るヘッド部に、ボールプラグが圧入されるのでクラック等の発生を防止しつつ横方向連通孔の外端部を閉塞することができ、しかも圧入されたボールプラグに横方向連通孔の外端周縁部がかしめ係合されるので、横方向連通孔をボールプラグで塞ぐ構造で充分な耐圧強度およびシール性を得ることができる。 【0008】また請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明の構成に加えて、ボールプラグの直径をDB 、横方向連通孔の直径をdとし、ボールプラグの圧入代を∂(=DB −d)としたときに、圧入率∂/DB が、3≦(∂/DB )×100≦6に設定されることを特徴とする。 【0009】ボールプラグが圧入およびかしめにより容器に固定されるので、圧入率∂/DB が6%を超えると、圧入荷重が増大するとともにかしめ時に容器にクラックが生じるおそれがあり、しかもかしめ荷重を増大しなければ抜け荷重が大きく低下してしまう。また圧入率∂/DB が3%未満になると、抜け荷重のばらつきが大きくなり、またシール性が低下してしまう。 【0010】請求項3記載の発明によれば、上記請求項1または2記載の発明の構成に加えて、前記ヘッド部、該ヘッド部の外周に同軸に連なる外筒部、ならびに前記ヘッド部に連なる内筒部を一体に有して鍛造成形される容器主体と、前記外筒部の開口端に結合される蓋体とで、前記容器が構成されることにより、容器の組み立てが容易であり、特に、ヘッド部の外周に溶接等による突起部が形成されることがなく、冷媒受液器の組付け時にヘッド部をホルダで保持する際に支障を来たすことがない。 【0011】さらに請求項4記載の発明は、請求項1記載の横方向連通孔を閉塞するボールプラグを圧入、かしめ係合によりヘッド部に固定するにあたって、先端に向かうにつれて幅を狭くした縦断面形状のくさび部を先端外周縁の全周に備えるとともに該くさび部に連なる押圧面を先端面に備えるポンチを準備し、横方向連通孔の外端に一部を挿入せしめたボールプラグに前記押圧面を当接させた状態で、ボールプラグを横方向連通孔に押込む方向で前記ポンチを加圧することにより、ボールプラグを横方向連通孔の外端部に圧入するとともに前記くさび部を横方向連通孔の外端周縁で前記ヘッド部に食い込ませてヘッド部をボールプラグにかしめ係合させることを特徴とし、横方向連通孔の外端部に一部を挿入せしめたボールプラグにポンチの先端を当接させさて加圧するだけの簡単な操作で、ボールプラグを容器に固定することができる。 【0012】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添付図面に示した本発明の一実施例に基づいて説明する。 【0013】図1ないし図10は本発明の一実施例を示すものであり、図1は冷媒受液器の縦断面図、図2は図1の2−2線断面図、図3は容器主体の縦断面図、図4は成形型および素材の縦断面図、図5は容器主体の鍛造成形時の作用説明図、図6はボールプラグをポンチで固定する際の過程を順次示す断面図、図7は圧入代および抜け荷重の関係を示す図、図8および図9は組立工程の説明図、図10はチャージタフネスを説明するための図である。 【0014】先ず図1および図2において、車両に搭載される空調装置用の冷媒受液器RTは、上端および下端を閉じた円筒状の容器11内に、収納物12が収納されて成るものであり、容器11は容器主体13の下端に蓋体17が結合されて成る。 【0015】図3を併せて参照して、容器主体13は、円板状のヘッド部14と、該ヘッド部14の外周に連なって下方に延びる外筒部15と、前記ヘッド部14の中心部に連なって前記外筒部15と同時ににして下方に延びる内筒部16とが、たとえばA6061FD等のアルミニウム合金により一体に鍛造成形されて成るものである。一方、蓋体17は、外径が前記外筒部15よりもわずかに小さく設定される円筒部17a、該円筒部17aの下端に上端部が連設されるとともに下方に向うにつれて小径となるテーパ部17bと、該テーパ部17bの下端に全周が連設される円板部17cとを有して、前記容器主体13と同一材料によりカップ状に鍛造成形されるものであり、該蓋体17の上端開口部17dが容器主体13における外筒部15の下端部15aに、インロー嵌合した状態で溶接され、これにより容器主体13の下端が蓋体17で閉塞される。 【0016】ところで、容器主体13の内筒部16は、外筒部15よりも長く形成されており、蓋体17で容器主体13の下端が閉塞されたときに、内筒部16の下端16aが蓋体17の下端中央の円板部17cに内筒部16の下端が近接、対向して開口するように該内筒部16の長さが設定される。 【0017】また容器主体13において、ヘッド部14および外筒部15の連設部には、外筒15の内径をわずかに縮径するようにして下方に臨む環状の段部18が形成される。 【0018】収納物12は、上部フィルタ19、粒状の乾燥材20および下部フィルタ21を上下に積層して構成されるものであり、この収納物12は、容器主体13の前記段部18に外周縁部を当接させる金属製の上部カバー22と、内筒部16にかしめ固定される金属製の下部カバー23との間に挟持される。 【0019】上部カバー22は、多数のパンチング孔24,24…が穿設されてリング板状に形成されるものであり、該上部カバー22は、その内周に内筒部16を嵌合せしめて外筒部15の上部に嵌合される。収納物12は、内筒部16を貫通せしめるようにして外筒部15に嵌合され、上部カバー22の下面に全面的に接触せしめられる。しかも下部フィルタ21の外周には、外筒部15の内周面に沿って下向きに折曲げられた折曲げ部21aが形成される。一方、下部カバー23は、内筒部16を嵌合せしめるべく下方に延びる円筒部23aを内周に有してリング板状に形成されており、該下部カバー23の外周および外筒部15の内周間には、下部フィルタ21の折曲げ部21aを外筒部15の内周との間に挟持する環状の間隙25が形成される。 【0020】而して段部18に外周縁部を当接させた上部カバー22との間に収納物12を挟んだ下部カバー23の円筒部23aが内筒部16にかしめ固定され、これにより、収納物12が容器11内に収納、固定される。このように収納物12が容器11内に収納、固定されることにより、容器11内には、ヘッド部14および上部カバー22間の上部空間26と、下部カバー23および蓋体17間の下部空間27とが形成され、上部空間26は、ヘッド部14に設けられる冷媒流入路28に連通され、また内筒部16の下端は下部空間に通じるものであり、該内筒部16内の上部は、ヘッド部14に設けられる冷媒流出路29に連通される。 【0021】冷媒流入路28は、内筒部16の軸線と平行な軸線を有して上下に延びるようにしてヘッド部14に設けられる。また冷媒流出路29は、内筒部16の上端に同軸に通じて上方に延びるとともに上端が閉じられる貫通孔30と、内端を貫通孔30に通じさせて容器11の半径方向外方側に延びるとともに外端が閉じられる横方向連通孔31と、横方向連通孔31の中間部に下端を通じさせて上方に延びる出口孔32とから成るものであり、貫通孔30の上端はシール部材33を介してヘッド部14の上端中央部に固定されるサイトグラス34で閉じられ、横方向連通孔31の外端部はヘッド部14に固定されるボールプラグ35で閉塞される。 【0022】ところで、前記容器主体13は、図4で示すダイDおよびパンチPを用いて鍛造成形されるものであり、ダイDは、平坦な円形のダイ底壁Daと、そのダイ底壁Daの外周から垂直に立上がる円筒状のダイ内周壁Dbと、ダイ底壁Daの中央から垂直に立上がる円筒状のダイ外周壁Dcとにより囲まれた環状のダイ凹部Ddを備える。容器主体13を形成すべくダイDの内部に装填される素材Bは、貫通孔Baを中心部に有するリング状の部材であり、ダイDの内部への装填時に、素材Bの外周壁がダイDのダイ内周壁Dbに対向し、また貫通孔Baの内周壁がダイ外周壁Dcに対向する。一方、パンチPの下端には、ダイ底壁Daに対向する平坦な円形のパンチ底壁Paと、外筒部15の肉厚に相当する間隙をあけて前記ダイ内周壁Dbに対向するパンチ外周壁Pbと、内筒部16の肉厚に相当する間隙をあけて前記ダイ外周壁Dcに対向するパンチ外周壁Pcとが設けられ、パンチ底壁Paおよびパンチ外周壁Pbの連設部には、容器主体13の段部18に対応する環状の段部Pdが形成される。 【0023】ダイD内に素材Bを装填した状態でパンチPをダイDの上方から下降せしめると、パンチ底壁Paにより圧宿されて素材Bが変形し、図5で示すように、ダイ底壁Daおよびパンチ底壁Pa間に容器主体13のヘッド部14が形成される。またダイ内周壁Dbおよびパンチ外周壁Pb間から上方に押し出された素材Bにより容器主体13の外筒部15が形成され、ダイ外周壁Dcおよびパンチ内周壁Pc間から上方に押し出された素材Bにより容器主体13の内筒部16が形成される。この際、パンチPに設けられている段部Pdの存在により、ダイ内周壁Dbおよびパンチ外周壁Pb間から押し出される素材Bの流動に抵抗が与えられるので、最終的に押し出された外筒部15の長さは内筒部16の長さよりも短くなる。換言すると、パンチPにおける段部Pdの形状を変化させることにより、外筒部15およ内筒部16の長さの差あるいは比率を微妙にかつ容易に調節することが可能となる。 【0024】ところで、パンチPの成形ランドの長さを変化させることによって外筒部15および内筒部16の長さに差をもたせるようにしたものでは、前記成形ランドの長さが必ずしも成形に適した長さにならず、パンチPに焼付きやかじりが発生する可能性があるのであるが、上述のようにパンチPの段部Pdによって外筒部15および内筒部16の長さに差を発生させるようにしたものでは、成形ランドの長さを最小(0.5mm〜1.0mm)に設定して焼付きやかじりの発生を防止することができる。 【0025】図3および図4で示すように、この実施例では、直径D=60mm、外筒部15の長さL1 =110mm、内筒部16の長さL2 =136mm、ヘッド14の厚さL3 =20mm、外筒部15の肉厚T1 =1.8mm、内筒部16の肉厚=T2 =1mmの容器主体13に対して、パンチPの段部Pdは、その高さh=3mm、幅w=1.5mm、パンチ底壁Paおよびパンチ内周壁Pc間の曲率半径r=2mmに設定されている。外筒部15およ内筒部16の長さの差は、主としてパンチPにおける段部Pdの形状や寸法に依存するが、前記曲率半径rを変化させることによって内筒部16の長さを微調節することも可能である。また図示はしないが、パンチ内周壁Pc側に環状の段差部が設けられるようにしてもよい。 【0026】このようにして容器主体13の中間ワークが冷間鍛造されると、その中間ワークにおけるヘッド14の外面と、外筒部15の下端部と、内筒部16の下端部とに仕上加工が施される。このとき、中間ワークは、外筒部15および内筒部16の長さがほぼ正確に成形されているので、前記仕上加工を行なう際の切削代を最少限に抑えて材料のロスを減らすことができる。 【0027】このような仕上加工に続いて、ヘッド14に冷媒流入路28が形成されるとともに、貫通孔30、横方向連通孔31および出口孔32から成る冷媒流出路29が形成されるが、貫通孔30の上端を閉じるにあたっては、貫通孔30の上端の周囲にサイトグラス34の取付け座を加工した後、該取付け座にシール部材33を介してサイトグラス34がかしめ固定される。また横方向連通孔31の外端部をボールプラグ35で閉塞するにあたっては、図6で示すようなポンチ38が準備される。 【0028】このポンチ38は棒状に形成されるものであり、該ポンチ38の先端には、先端に向かうにつれて幅を狭くした縦断面形状のくさび部39が先端外周縁の全周に設けられるとともに、前記くさび部39に連なる押圧面40が先端面に設けられる。しかも押圧面40は、ポンチ38の軸線延長線がボールプラグ35の中心を通るようにして該ボールプラグ35に接触すべくテーパ状に凹んで形成される。 【0029】このようなポンチ38によってボールプラグ35をヘッド部14に固定するにあたっては、先ず図6(a)で示すようにボールプラグ35にポンチ38の押圧面40を当接させた状態でボールプラグ35の一部を横方向連通孔31に挿入しておき、次いで横方向連通孔31に押込む方向でポンチ38を図6(b)で示すように加圧する。そうすると、ボールプラグ35が横方向連通孔31の外端部に圧入されるとともにポンチ38のくさび部39が横方向連通孔31の外端周縁でヘッド部14に食い込み、横方向連通孔31の外端周縁でヘッド部14が塑性変形して形成されるかしめ部14aがボールプラグ35に係合することになり、その後、ポンチ38を図6(c)で示すように後退させることにより、横方向連通孔31の外端部を閉塞するボールプラグ35のヘッド部14への固定が完了する。 【0030】ここで、ボールプラグ35の直径をDB 、横方向連通孔31の直径をdとし、ボールプラグ35の圧入代を∂(=DB −d)としたときに、圧入率∂/DB は、3≦(∂/DB )×100≦6に設定される。 【0031】このような圧入代∂/DB の範囲は、ボールプラグ35を圧入およびかしめによりヘッド部14に固定するに際して、充分な耐圧強度およびシール性を得るために設定されるものであり、本願発明者が、ヘッド部14の材質をA6061FDとするとともにボールプラグ35の材質をSUJとし、かしめ荷重を750kgfとして実験したときに、抜け荷重は図7で示すように変化するものであった。この図7において、圧入率∂/DB が6%を超えると、抜け荷重は150kgf以下となるものであり、圧入荷重の増大に応じてかしめ時にヘッド部14にクラックが生じるおそれがあり、しかもかしめ荷重を増大しなければ冷媒受液器RTで必要な抜け荷重150kgfよりも抜け荷重が大きく低下してしまうことになる。これは、圧入率が大きくなり過ぎることによりヘッド部14での塑性変形により抜け荷重が低下することになるものと思われる。一方、圧入率∂/DB が3%未満になると、抜け荷重が低下する側でばらつきが大きくなり、またシール性が低下してしまうことになる。 【0032】容器主体13への収納物12の収納にあたっては、図8および図9で示すように、ヘッド部14を下向きにした状態に在る容器主体13内に、外筒部15の開孔端側から上部カバー22を挿入して容器主体13の段部18に当接せしめ、さらに上部フィルタ19、乾燥剤20および下部フィルタ21を順次挿入する。この際、下部フィルタ21の外径は外筒部15の内径よりも大きく形成されており、外筒部15への挿入時に下部フィルタ21の外周部は略90度に上向きに折れ曲がり、折曲げ部21aが形成されることになる。その後、下部カバー23を挿入して円筒部23aをかしめにより内筒部16に固定すると、容器主体13の段部および前記かしめ部間に、上部カバー22、上部フィルタ19、乾燥剤20、下部フィルタ21および下部カバー23が積層状態で容器主体13内に固定されることになる。このとき、下部フィルタ21の折曲げ部21aは、下部カバー23の外周および外筒部15の内周間に形成される間隙25に嵌合する。 【0033】このような収納物12の容器主体13内への挿入、固定後に、容器主体13の下端に蓋体17が溶接により結合され、それにより冷媒受液器RTが完成することになる。 【0034】このような冷媒受液器RTの組立時に、容器主体13の段部18に上部カバー22を当接させた状態で、収納物12および下部カバー23を順次積層し、下部カバー23を内筒部16にかしめにより固定するだけで、上部カバー23、収納物12および下部カバー23を容器主体13に確実にかつ簡単に固定することができる。しかも外筒部16が内筒部16よりも短く形成されているので、上部カバー23、収納物12および下部カバー23の容器主体13内への挿入が容易であり、また蓋体17が下方に向けて次第に縮径するように形成されているので、外筒部15を全長にわたって等径として加工工数を提言しながら、内筒部16の下端開口部を蓋体17の下端に近接配置するようにして気泡の内筒部16への吸込を極力防止することができる。さらに収納物12の挿入後に容器主体13の外筒部15に絞り加工を施す必要がない。 【0035】次に、上記構成を備えた冷媒受液器RTの作用について説明すると、図示しないコンデンサで液化した溶媒は容器11の冷媒流出路28から上部空間26に導入され、上部カバー22に設けられている多数のパンチング孔24,24…を通過し、さらに上部フィルタ19、乾燥剤20および下部フィルタ21を経て下部フィルタ21の折曲げ部21aから下部空間27に流入する。而して冷媒が上部フィルタ19および下部フィルタ21を通過するとき、冷媒に含まれる塵埃が除去され、また冷媒が乾燥剤20を通過するときに冷媒に含まれる水分が除去される。 【0036】下部空間27に貯溜された冷媒は、冷房負荷に応じて内筒部16から冷媒流出路29を経て図示しない膨張弁に供給される。 【0037】ところで、下部空間27に貯溜される冷媒中に気泡が存在すると、その気泡が膨張弁に供給されたときに騒音が発生したり、冷房能力が低下したりすることがある。しかるに、この実施例によれば、下部フィルタ21を通過した冷媒歯、下部カバー23の外周および外筒部15の内周間の間隙25を通過した後、外筒部15の内壁面を伝って静かに流下する。これにより下部容積27の容積を大きく設定しても、下部容積に貯溜される冷媒に気泡が含まれることを最小限に抑えることができる。また冷媒は下部フィルタ21の折曲げ部21aを通過するので、下部フィルタ21の厚さを増加することなく、その折曲げ部21aで下部フィルタ21の実質的な厚さを増加させて濾過効果を高めることができるばかりか、冷媒の流下速度を調節することもできる。また下部フィルタ21の外径を外筒部15の内径よりも大きく設定するだけで、下部フィルタ21の外筒部15への挿入時に折曲げ部21aを自動的に形成することができる。 【0038】また上記下部空間27の容積が大きくなる程、冷媒の気泡が膨張弁に供給され難くなる。なぜならば、気泡は下部空間27に貯溜された冷媒の液面に溜まるので、冷媒の液面の高さが高い程、内筒部16にその下端から気泡が吸い込まれ難くなるからである。しかもこの実施例によれば、冷媒が下部カバー23の外周の間隙25から外筒部15の内壁面を伝って流下するので、下部空間27の高さを高く設定しても、冷媒が激しく落下して気泡が発生するおそれがない。 【0039】上述したように、下部空間27の容積を大きく設定すると、冷媒受液器RT全体の容積が決まっているために、上部空間26の容積が小さくなる。上部空間26の容積が過小となると、上部空間26を通過する冷媒の流通抵抗が増大するとともに、冷媒の落下エネルギーが小さくなるので、上部フィルタ19、乾燥剤20および下部フィルタ21を通って下部空間27に十分な両の冷媒を供給することができなくなる。したがって下部空間27の容積を無闇に大きくすることはできず、上部空間26の容積との兼ね合いにより下部空間27の容積の最適値が定まることになる。本実施例によれば、上部空間26が全域にわたって均等な高さの円筒状空間となるので、上部空間26の容積を最小限に抑えても冷媒をスムーズに通過させることができ、しかも冷媒が下部カバー23の外周の間隙25を苦痛かして下部空間27に流通するので、パンチング孔を有する下部カバーを用いて該パンチング孔を流通させるものに比べると、冷媒の流通抵抗が減少し、落下による液面への冷媒の衝突エネルギーが小さくなる。したがって、上部空間26の容積を小さく設定して、下部空間27の容積を最大限に拡大しても、泡立ちを防止しながら下部空間27に冷媒をスムーズに供給することができる。 【0040】図10のグラフは、本実施例によって冷媒受液器RTのチャージタフネスが増加することを示している。このチャージタフネスとは、冷媒受液器RTにおける下部空間27の冷媒が泡消えしてから、その泡切れ状態を維持しながら下部空間27が満杯になるまでの冷媒の封入可能量であり、本実施例によれば、上部空間26の容積を最少限に設定することができるので、従来の技術のものよりも冷媒が早期に泡消えし、満杯状態との差であるチャージタフネスCTも従来のG3 −G2 からG3 −G1 に増加する。 【0041】このような冷媒受液器RTにおいて、冷媒流出路29の一部を構成する横方向連通孔31の外端部をボールプラグ35で閉塞するにあたっては、鋳造材に比べて靭性に優れた鍛造材から成るヘッド部14に、ボールプラグ35が圧入されるのでクラック等の発生を防止しつつ横方向連通孔31の外端部を閉塞することができ、しかも圧入されたボールプラグ35に横方向連通孔31の外端周縁部がかしめ係合されるので、横方向連通孔31をボールプラグ35で塞ぐ構造で充分な耐圧強度およびシール性を得ることができる。しかもボールプラグ35の横方向連通孔31への圧入率∂/DB が、3≦(∂/DB )×100≦6に設定されるので、圧入荷重の増大を避けてかしめ時にヘッド部14にクラックが生じる可能性を排除しつつ、抜け荷重のばらつきを抑えながら、十分な耐圧強度およびシール性を得ることができる。 【0042】しかもヘッド部14、外筒部15および内筒部16が一体に鍛造成形されて成る容器主体13と、外筒部15の開口端に結合される蓋体17とで容器11が構成されるので、容器11の組み立てが容易である。特に、ヘッド部14の外周に溶接のビード等による突起部が形成されることがなく、冷媒受液器RTの組付け時にヘッド部14をホルダ42(図1参照)で保持する際に支障を来たすことがない。また蓋体17が、容器主体13の下端部へのインロー嵌合状態で溶接されることにより蓋体17が容器主体13に結合されるものであるので、容器11の下部での溶接によるビード部の突出が抑えられ、この容器11の下部での容器11の固定、保持にも支承を来たすことがない。 【0043】さらにボールプラグ35をヘッド部14に固定するにあたって用いるポンチ38は、先端に向かうにつれて幅を狭くした縦断面形状のくさび部39を先端外周縁の全周に備えるとともにボールプラグ35の外周全周に接触することを可能として前記くさび部39に連なる押圧面40を先端面に備えるものであるので、ボールプラグ35を横方向連通孔31に押込む方向でポンチ38を加圧するだけで、ボールプラグ35の横方向連通孔31への圧入ならびに横方向連通孔31の外端周縁でのヘッド部14のボールプラグ35へのかしめ係合が達成されることになり、簡単な操作で、ボールプラグ35を容器11に固定することができる。 【0044】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行なうことが可能である。 【0045】 【発明の効果】以上のように請求項1記載の発明によれば、靭性に優れた鍛造材から成るヘッド部に、ボールプラグが圧入およびかしめにより固定されることにより、横方向連通孔をボールプラグで塞ぐ構造で充分な耐圧強度およびシール性を得ることができる。 【0046】また請求項2記載の発明によれば、圧入率∂/DB が、3≦(∂/DB )×100≦6に設定されることにより、圧入荷重の増大を避けてかしめ時にヘッド部にクラックが生じる可能性を排除しつつ、抜け荷重のばらつきを抑えながら、十分な耐圧強度およびシール性を得ることができる。 【0047】請求項3記載の発明によれば、容器の組み立てが容易であり、特に、ヘッド部の外周に溶接等による突起部が形成されることがなく、冷媒受液器の組付け時にヘッド部をホルダで保持する際に支障を来たすことがない。 【0048】さらに請求項4記載の発明によれば、ボールプラグを横方向連通孔に押込む方向でポンチを加圧するだけの簡単な操作で、ボールプラグの圧入、かしめ係合を達成して該ボールプラグを容器に固定することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000141901 【氏名又は名称】株式会社ケーヒン
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)10月8日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】落合 健 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−108508 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)4月23日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−275382 |
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