トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F25 冷凍または冷却;加熱と冷凍との組み合わせシステム;ヒ−トポンプシステム;氷の製造または貯蔵;気体の液化または固体化




【発明の名称】 空気調和機
【発明者】 【氏名】平良 繁治

【要約】 【課題】HFC32とHFC125との混合冷媒を使用しても冷媒が偏流を起こさず、かつ、暖房時の室外熱交換器の着霜も起こさない空気調和機を提供する。

【解決手段】この空気調和機は、冷媒としてR410Aを使用しており、室内熱交換器3の冷媒流路8が1パス構成であり、室外熱交換器の冷媒流路が2パス構成になっている。また、室内熱交換器3の冷媒配管の内径を9mmにし、室外熱交換器の冷媒配管の内径を7mmにした。室内熱交換器3の冷媒流路8を1パスにしたから、HFC32とHFC125との混合冷媒であるR410Aが室内熱交換器3において偏流を起こさず、システム性能の低下や能力バラツキを起こさない。また、R410Aによる圧損減効果でもって、暖房時における室外熱交換器の着霜を防止できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 HFC32とHFC125との混合冷媒を用いる空気調和機であって、室内熱交換器(3)の冷媒流路(8)の数が室外熱交換器の冷媒流路の数以下であり、上記室内熱交換器(3)の冷媒配管の内径を上記室外熱交換器の冷媒配管の内径よりも大きくしたことを特徴とする空気調和機。
【請求項2】 請求項1に記載の空気調和機において、上記室内熱交換器(3)の冷媒流路(8)の数を1つにしたことを特徴とする空気調和機。
【請求項3】 請求項1に記載の空気調和機において、上記室外熱交換器の冷媒配管の内径を7mm以下にしたことを特徴とする空気調和機。
【請求項4】 請求項1乃至3のいずれか1つに記載の空気調和機において、冷媒としてR410Aを使用することを特徴とする空気調和機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、空気調和機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の空気調和機では、室外熱交換器の冷媒配管の直径を室内熱交換器の冷媒配管の直径よりも大きくして、室外熱交換器の圧損を小さくして暖房運転時の温度低下幅を小さくして室外熱交換器の着霜を防止していた。
【0003】また、図2に示すように、室内熱交換器101は、流入配管102から分岐させた2つの冷媒流路103,105を備えることによって、コンパクト化を目的とする室内熱交換器の冷媒配管の小径化をおぎなって、熱交換能力の確保を図っている。
【0004】ところが、冷媒として、HFC32とHFC125との混合冷媒(特にR410Aなど)を使用した場合には、この混合冷媒が複数の冷媒流路に分流する際に、冷媒が各冷媒流路に均等に流れ込まずに、冷媒流路によってHFC32とHFC125との混合比が変化するという偏流現象が起こる。この偏流が起こると、システム性能の低下,能力ばらつきの増大が起こりやすくなるという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、この発明の目的は、HFC32とHFC125との混合冷媒を使用しても冷媒が偏流を起こさず、かつ、暖房時の室外熱交換器の着霜も起こさない空気調和機を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、請求項1の発明は、HFC32とHFC125との混合冷媒を用いる空気調和機であって、室内熱交換器の冷媒流路の数が室外熱交換器の冷媒流路の数以下であり、上記室内熱交換器の冷媒配管の内径を上記室外熱交換器の冷媒配管の内径よりも大きくしたことを特徴としている。
【0007】この請求項1の発明では、室内熱交換器の冷媒流路の数を室外熱交換器の冷媒流路の数以下にしたから、室内熱交換器の冷媒流路の数が室外熱交換器の冷媒流路の数よりも大きい場合に比べて、室内熱交換器での冷媒の偏流を抑えて、能力の低下とばらつきを防ぐことができる。
【0008】また、上記室内熱交換器の冷媒配管の内径を上記室外熱交換器の冷媒配管の内径よりも大きくしたから、上記室内熱交換器の冷媒流路の数を室外熱交換器の冷媒流路の数以下にしても、室外熱交換器の能力と室外熱交換器の能力とをバランスさせることができる。
【0009】また、この発明では、HFC32とHFC125との混合冷媒を用いているから、R22やR407C(HFC32とHFC125とHFC134aとの混合冷媒)を用いる場合に比べて、圧損を小さくできる。したがって、室外熱交換器の冷媒配管の径を室内熱交換器の冷媒配管の径よりも小さくしたことが圧損増の要因となった場合でも、上記混合冷媒による圧損減効果(言い換えれば、R22と同じ圧損でも温度低下が小さく、性能低下が小さいという効果)でもって、暖房時における室外熱交換器の着霜を防ぐことができる。したがって、この発明によれば、システム性能を向上でき、信頼性を向上できる。
【0010】また、請求項2の発明は、請求項1に記載の空気調和機において、上記室内熱交換器の冷媒流路の数を1つにしたことを特徴としている。
【0011】この請求項2の発明によれば、上記室内熱交換器の冷媒流路の数を1つにしたから、HFC32とHFC125との混合冷媒が偏流を起こさず、システム性能の低下や能力バラツキを起こさない。
【0012】また、請求項3の発明は、請求項1に記載の空気調和機において、上記室外熱交換器の冷媒配管の内径を7mm以下にしたことを特徴としている。
【0013】この請求項3の発明では、室外熱交換器の冷媒配管の内径を7mm以下にしたから、室内熱交換器の冷媒配管の内径を(7+α)mmに設定すればよくなり、室内熱交換器のコンパクト化を図れる。発明者らの実験によれば、上記室外熱交換器の冷媒配管の内径を7mm以下にしても、暖房時の室外熱交換器の着霜を防げることが判明した。
【0014】また、請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれか1つに記載の空気調和機において、冷媒としてR410Aを使用することを特徴としている。
【0015】この請求項4の発明では、R32/R125が50/50重量%であるR410Aを使用するので、圧損を特に小さくすることができ、システム性能(成績係数または能力)を上げることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0017】図1に、この発明の空気調和機の実施の形態の室内機1の構造を示す。この室内機1は、外装ケース2と、この外装ケース2内に配置された室内熱交換器3および横流ファン5を有する。上記外装ケース2は吸込口6と吹出口7を有し、上記室内熱交換器3は上記吸込口6付近に配置され、上記横流ファン5は上記吹出口7付近に配置されている。
【0018】上記室内熱交換器3は、図1に破線で示すように、冷媒流路8が分岐しておらず、分岐していない冷媒配管でもって構成されている。すなわち、室内熱交換器3は、いわゆる1パス構成になっている。一方、室外機(図示せず)が有する室外熱交換器は、冷媒流路が2つに分岐しており、分岐した冷媒配管でもって構成されている。つまり、室外熱交換器は、いわゆる2パス構成になっている。
【0019】そして、上記室内熱交換器3の冷媒配管の内径を9mmにし、上記室外熱交換器の冷媒配管の内径を7mmにした。また、冷媒としてR410Aを使用した。この実施の形態の空気調和機では、室内熱交換器3の冷媒流路8の数を1つ(1パス)にし、室外熱交換器の冷媒流路の数を2つ(2パス)にしたから、HFC32とHFC125との混合冷媒であるR410Aが室内熱交換器3において偏流を起こさず、システム性能の低下や能力バラツキを起こさない。
【0020】また、上記室内熱交換器3の冷媒配管の内径(9mm)を上記室外熱交換器の冷媒配管の内径(7mm)よりも大きくしたから、上記室内熱交換器3の冷媒流路を1パスとしたことをおぎなって、室外熱交換器の能力と室外熱交換器3の能力とをバランスさせることができる。
【0021】また、この空気調和機では、HFC32とHFC125との混合冷媒R410Aを用いているから、R22やR407Cを用いる場合に比べて、圧損を小さくできる。したがって、上記混合冷媒による圧損減効果でもって、暖房時における室外熱交換器の着霜を防ぐことができる。したがって、この空気調和機によれば、システム性能を向上でき、信頼性を向上できる。
【0022】また、この空気調和機では、室外熱交換器の冷媒配管の内径を7mmにしたので、室内熱交換器3の冷媒配管の内径を(7+2)mmに設定すれば、室内熱交換器3の能力と室外熱交換器の能力とをバランスさせることができ、1パス化でもって分流器がなくなるから、配管を簡素化できて、室内熱交換器3のコンパクト化を図れる。発明者らの実験によれば、上記室外熱交換器の冷媒配管の内径を7mm以下にしても、暖房時の室外熱交換器の着霜を防げることが判明した。
【0023】尚、この実施の形態では、室外熱交換器の冷媒配管の内径を7mmにしたが、7mmよりも小さくしても良い。もっとも、室外熱交換器の冷媒配管の内径をより小さくした場合には、室内熱交換器3の能力とのバランス上、室外熱交換器のパス数や冷媒配管長を増加させる必要が生じる場合がある。また、室内熱交換器3の冷媒配管の内径を9mmにしたが、8mmにしてもよい。この場合には、さらに、室内熱交換器3のコンパクト化を図れる。
【0024】また、上記実施の形態では、室内熱交換器3の冷媒流路8を1パスとし、室外熱交換器の冷媒流路を2パスとしたが、室外熱交換器の冷媒流路を2パス以上にしても良い。さらには、室内熱交換器3の冷媒流路を2パスとし、室外熱交換器の冷媒流路を3パス以上にしてもよい。また、上記実施の形態では、冷媒としてR410Aを使用したが、HFC32とHFC125との混合冷媒であってもよい。
【0025】
【発明の効果】以上より明らかなように、請求項1の発明は、HFC32とHFC125との混合冷媒を用いる空気調和機であって、室内熱交換器の冷媒流路の数を室外熱交換器の冷媒流路の数以下にしたから、室内熱交換器の冷媒流路の数が室外熱交換器の冷媒流路の数よりも大きい場合に比べて、室内熱交換器での冷媒の偏流を抑えて、能力の低下とばらつきを防ぐことができる。
【0026】また、上記室内熱交換器の冷媒配管の内径を上記室外熱交換器の冷媒配管の内径よりも大きくしたから、上記室内熱交換器の冷媒流路の数を室外熱交換器の冷媒流路の数以下にしても、室外熱交換器の能力と室外熱交換器の能力とをバランスさせることができる。
【0027】また、この発明では、HFC32とHFC125との混合冷媒を用いているから、R22やR407Cを用いる場合に比べて、圧損を小さくできる。したがって、上記混合冷媒による圧損減効果でもって、暖房時における室外熱交換器の着霜を防ぐことができる。したがって、この発明によれば、システム性能を向上でき、信頼性を向上できる。
【0028】また、請求項2の発明は、上記室内熱交換器の冷媒流路の数を1つにしたから、HFC32とHFC125との混合冷媒が偏流を起こさず、システム性能の低下や能力バラツキを起こさない。
【0029】また、請求項3の発明は、室外熱交換器の冷媒配管の内径を7mm以下にしたから、室内熱交換器の冷媒配管の内径を(7+α)mmに設定すればよくなり、室内熱交換器のコンパクト化を図れる。発明者らの実験によれば、上記室外熱交換器の冷媒配管の内径を7mm以下にしても、暖房時の室外熱交換器の着霜を防げることが判明した。
【0030】また、請求項4の発明は、R32/R125が50/50重量%であるR410Aを使用するので、圧損を特に小さくすることができ、成績係数を上げることができる。
【出願人】 【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
【出願日】 平成9年(1997)10月1日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】青山 葆 (外1名)
【公開番号】 特開平11−108480
【公開日】 平成11年(1999)4月23日
【出願番号】 特願平9−268587