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【発明の名称】 燃焼機器の故障診断装置
【発明者】 【氏名】高木 多佳雄

【氏名】篠原 占三

【要約】 【課題】給湯機等の燃焼機器における機能部品の故障箇所の特定を迅速化するとともに、その故障修理の容易化を実現した燃焼機器の故障診断装置を提供する。

【解決手段】燃焼機器(給湯機2)における機能部品を診断する燃焼機器の故障診断装置であって、接続手段(コネクタ6)、表示手段(表示器114)及び制御手段(故障診断制御部100)を備えて、故障を検査すべき燃焼機器の制御部と連係されて前記制御部を通して前記機能部品の動作状態を確認するとともに、この接続手段を通して前記機能部品に対して電気的諸量を付与し又は機能部品からの電気的諸量を取り込み、前記表示手段に検査結果とともに前記電気的諸量を表示させ、機能部品の故障箇所の特定を迅速化するとともに、その故障修理の容易化を実現している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 燃焼機器における機能部品を診断する燃焼機器の故障診断装置であって、前記燃焼機器の制御部によって動作する機能部品に対する接続手段と、前記機能部品の検査結果を表示する表示手段と、故障を検査すべき燃焼機器の制御部と連係されて前記制御部を通して前記機能部品の動作状態を確認するとともに、この接続手段を通して前記機能部品に対して電気的諸量を付与し又は機能部品からの電気的諸量を取り込み、前記表示手段に検査結果とともに前記電気的諸量を表示させる制御手段と、を備えたことを特徴とする燃焼機器の故障診断装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、給湯機等の燃焼機器の故障診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】給湯機は、その性能向上に伴って機能部品が増加し、特に、電子制御部やセンサ等が増加し、制御基板の複雑化に加え、基板外の機能部品やセンサと接続するために基板上のコネクタ類も増加している。このような給湯機に不都合が発生した場合、その原因を突き止めるには、人的な要因の他、給湯機内の機能部品等の故障部位を特定することが必要であり、その診断時間は機能部品数に応じて増加し、また、多くの経験や勘を必要とする。例えば、サービスマンは、故障部位の特定用マニュアルを参照して故障箇所を捜し、大まかな故障箇所を特定の後、部品交換を行って動作確認を行い、動作不良の場合には、更に他の部品を交換し、再び動作確認を行うことを繰り返すことが行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このようなサービスマンの故障診断及び修理の作業能率は、サービスマンの経験や勘によって大きく異なっている。そのため、経験の少ないサービスマンでは完全な故障診断がし難く、仮にできたとしても故障箇所に到達するのに多くの時間を要するものである。
【0004】このような故障診断の困難さは、単にサービスマンの経験や勘に頼る手法に問題があり、故障状況と故障箇所の関係や、故障箇所を特定するためにどの部分に検査器を接続すべきかは、機器の動作や動作原理を前提として成立するものであるが、給湯機と検査機器との配線接続は給湯機の高性能化によってより複雑化している。高機能化した給湯機では、その故障診断に時間がかかり、相当な経験者でも短時間に故障箇所に到達することが困難になり、しかも、診断途上での過誤の発生も無視することができないし、正確な診断ができないおそれもある。
【0005】図10は、高機能化した給湯機と検査器の結線状況の一例を示す。この給湯機2では、一つの制御基板20に対して11個の主たる機能部品201、202、203・・・211、6個のセンサ221、222・・・226が各機能部品201、202、203・・・211やセンサ221、222・・・226に対応した端子230を通して接続されている。この給湯機2の故障を検査すべき検査器4は、各機能部品201、202、203・・・211及び各センサ221、222・・・226の接続線にコネクタ6を介在させて多数の接続線8を以て接続されている。この例では、17組の接続線8を必要としており、その結線関係は非常に複雑化しており、それゆえ個々の家庭に設置された給湯機についての故障の診断は非常に厄介な作業であることが窺える。
【0006】そこで、この発明は、給湯機等の燃焼機器における機能部品の故障箇所の特定を迅速化するとともに、その故障修理の容易化を実現した燃焼機器の故障診断装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明の燃焼機器の故障診断装置は、燃焼機器(給湯機2)における機能部品を診断する燃焼機器の故障診断装置であって、接続手段(コネクタ6)、表示手段(表示器114)及び制御手段(故障診断制御部100)を備えて、故障を検査すべき燃焼機器の制御部と連係されて前記制御部を通して前記機能部品の動作状態を確認するとともに、この接続手段を通して前記機能部品に対して電気的諸量を付与し又は機能部品からの電気的諸量を取り込み、前記表示手段に検査結果とともに前記電気的諸量を表示させ、機能部品の故障の特定を迅速化するとともに、その故障修理の容易化を実現している。
【0008】この発明の燃焼機器の故障診断装置は、燃焼機器(給湯機2)における機能部品を診断する燃焼機器の故障検査装置であって、前記燃焼機器の制御部(制御基板20)によって動作する機能部品(201)に対する接続手段(コネクタ6)と、前記機能部品の検査結果を表示する表示手段(表示器114)と、故障を検査すべき燃焼機器の制御部と連係されて前記制御部を通して前記機能部品の動作状態を確認するとともに、この接続手段を通して前記機能部品に対して電気的諸量を付与し又は機能部品からの電気的諸量を取り込み、前記表示手段に検査結果とともに前記電気的諸量を表示させる制御手段(故障診断制御部100)とを備えたことを特徴とする。
【0009】このような構成とすれば、燃焼機器として例えば、給湯機における機能部品に接続手段を通して制御手段を接続し、給湯機の制御部を通して機能部品の動作を確認する。即ち、この接続手段を通して前記機能部品に対して電気的諸量を付与し又は機能部品からの電気的諸量を取り込み、前記表示手段に検査結果とともに前記電気的諸量を表示させる。この結果、表示手段には機能部品が正常か否かを表す検査結果が得られ、その検査結果により、故障している機能部品を突き止めることができ、その故障部位の機能部品を交換する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示した実施形態を参照して詳細に説明する。
【0011】図1は、この発明の燃焼機器の故障診断装置の一実施形態を示す。燃焼機器としての給湯機2は、故障を診断すべき被診断対象である。この給湯機2に対して故障診断及び故障部位の検査を行う検査器10が設置されている。この検査器10には、給湯機2の故障症状、即ち、故障状況から故障診断を行うとともに、給湯機2との結線によって故障部位、即ち、故障箇所の検査を行う診断手段として故障診断制御部100が設置されている。この故障診断制御部100には種々のデータを入力すべき入力部102が設置され、この入力部102には、故障を診断すべき給湯機2の故障状況を入力する入力手段として、入力スイッチ104が接続されている。
【0012】また、故障診断制御部100には、入力された各種のデータを処理する演算手段としての中央処理装置(CPU)106が設置されている。このCPU106は、読出し専用メモリ(ROM)108に書き込まれている診断制御プログラム、故障検査プログラム、その他の固定データに基づいて必要な演算処理を行うものである。RAM110は、CPU106の演算途上のデータや、入力部102に取り込まれた故障状況等を表すデータ等が一時的に書き込まれる随時書込み可能なメモリである。そして、入力部102、CPU106、ROM108及びRAM110はバス112で連係されている。
【0013】また、この故障診断制御部100には、診断結果等の各種のデータを表示する表示手段として表示器114が接続されている。この表示器114は、LCD表示器、その他のディスプレイで構成される。
【0014】そして、検査器10は、例えば図2に示すように、その前面部に入力スイッチ104及び表示器114が設置され、入力スイッチ104は図3に示すように、「YES」、「NO」、「0」〜「9」の符号を付した複数の押釦スイッチで構成されている。また、表示器114には、図4や図5に示すように、故障診断結果や入力データ等が表示される。
【0015】以上の構成に基づき、動作を説明する。図6は、故障診断制御プログラムの一例を示し、ステップS1では、電源スイッチの投入により初期設定が行われ、データ入力の準備が行われる。次に、ステップS2では、故障を診断すべき給湯機2の故障状況を入力スイッチ104の選択によって入力する。次に、ステップS3では、故障状況から故障箇所の判定が行われ、ステップS4では、配線接続箇所の選定が行われる。ステップS3、S4で入力不足により故障箇所の特定が行えない場合は、ステップS5に移行して表示器114に故障状況の詳細を入力するための表示を行わせ、例えば、図5に示すように表示器114に表示させて更に故障状況等の入力を促し、故障箇所の特定に必要な入力を得る。この結果、ステップS6では、給湯機2の故障状況に応じて検査器10の接続すべき箇所が表示器114に表示される。図4は、その場合の表示例を示し、これは点火不良における検査器10の接続箇所を表している。
【0016】この診断結果に基づいて、検査器10は図7に示すように、故障検査に必要な機能部分への接続が行われる。即ち、図7は、給湯機2の不良状況に応じた故障診断結果に基づいた選択結線を示す。この場合の接続線8の結線数は6組であり、その簡略化が理解されるであろう。
【0017】次に、図8は、図7に示した結線例、即ち、電磁弁部分におけるコネクタ6部分の接続構成を示す。この場合、給湯機2には機能部品201としての電磁弁が設置されており、制御基板20に接続されている。そこで、この機能部品201に対して検査器10を接続する場合、コネクタ6が必要となり、このコネクタ6を介して検査器10が接続されている。検査器10には、スイッチSW1、SW2が設置され、スイッチSW1、SW2の閉接点側電圧検出素子116が接続され、また、スイッチSW2の閉接点と制御基板20との間には電流検出素子118が接続されている。そして、電圧検出素子116、電流検出素子118から得られる検出データは、故障診断制御部100における入力部102に入力される。なお、コネクタ6のa、b、c、dは接続接点を示す。これは、機能部品201としての電磁弁に接続した場合であり、その電磁弁に流れる電流と電圧が同時に測定でき且つ給湯機2の信号とは関係なく検査器10の指示により電磁弁のオン/オフが行えるようになっている。したがって、特定の電圧及び電流が得られない場合、電磁弁201は不良と診断される。
【0018】また、センサに接続した場合には、電流、電圧以外にもセンサに応じて抵抗値、周波数等が測定でき、場合によってはセンサに電圧を加えたり、電流を流したりすることも可能である。
【0019】次に、図9は、この発明の燃焼機器の故障診断装置の他の実施形態を示す。前記実施形態では、検査器10の内部に故障診断制御部100が設置され、この故障診断制御部100のみで給湯機2の故障箇所の判定ないし特定を行うようにしたが、この実施形態は、検査器10に内蔵された故障診断制御部100と故障診断センタに設置された主処理装置としてのホストコンピュータ21とを電話回線22を通して連係させることにより、ホストコンピュータ21に格納されている診断プログラムや診断データを参照しながら総合的な故障診断を実現したものである。このような故障診断装置では、新製品や旧製品等のデータを迅速に参照して故障診断を行うことができ、幅広い故障診断を行うことができる。
【0020】また、実施形態では、有線ないし電話回線を用いた場合について説明したが、データを伝達するための通信媒体としては、光、電波等の各種のデータ伝達媒体を利用することができる。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれば、次のような効果が得られる。
a.高機能化、複雑化した給湯機等の燃焼機器の制御部によって動作する機能部品の故障を迅速に特定でき、信頼性の高い故障診断及び修理の容易化を実現できる。
b.検査のための給湯機と検査器との配線数を削減でき、結線作業を単純化できるとともに、結線の単純化によって結線誤りを防止できる。
c.新製品の場合、検査器のプログラムの変更で対応できるので、サービスマンの負担が軽減され、サービスマンの経験や勘に左右されることがなく、故障診断及び修理が簡易化できる。
d.検査器の入出力が少なくてすむので、給湯機の制御基板のコネクタ、機能部品、センサ等の共通化によって検査器の簡略化を図ることができる。
e.検査器の表示器と入力部を使用することにより、故障状況の入力と必要配線箇所の表示以外に、検査器自身では確認できない項目、例えば、ガスや水が供給されているか、点火器が点火しているか等の確認を促すことができ、検査器自身ではできないことまでも十分に配慮でき、信頼性の高い総合的な故障診断を行うことができる。
【出願人】 【識別番号】000170130
【氏名又は名称】高木産業株式会社
【出願日】 平成3年(1991)4月22日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】畝本 正一
【公開番号】 特開平11−118251
【公開日】 平成11年(1999)4月30日
【出願番号】 特願平10−221169