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【発明の名称】 温水ボイラの燃焼制御方法および装置
【発明者】 【氏名】中島 秀之

【要約】 【課題】温水ボイラにおける燃焼のオン・オフ回数を条件に応じて適切に低減し、各機器の寿命延長をはかる。

【解決手段】温水ボイラにおいて、燃料の燃焼により温水を加熱し、燃焼のオン・オフにより所定の温水温度に制御するに際し、単位時間当たりの燃焼のオン・オフ回数に応じて、燃焼量を複数段に制御することを特徴とする温水ボイラの燃焼制御方法、および燃焼制御装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 温水ボイラにおいて、燃料の燃焼により温水を加熱し、燃焼のオン・オフにより所定の温水温度に制御するに際し、単位時間当たりの燃焼のオン・オフ回数に応じて、燃焼量を複数段に制御することを特徴とする温水ボイラの燃焼制御方法。
【請求項2】 少なくとも、前記単位時間当たりの燃焼のオン・オフ回数が所定回数以上になったとき、燃焼量を低燃焼量側に変更する、請求項1の温水ボイラの燃焼制御方法。
【請求項3】 さらに、燃焼オン時の温水温度上昇速度に応じて、燃焼量を複数段に制御する、請求項1または2の温水ボイラの燃焼制御方法。
【請求項4】 温水温度について、燃焼をオフするためのオフ点、燃焼をオンするためのオン点を設定し、単位時間当たりの燃焼のオン・オフ回数が所定回数以上になったとき、または/および、燃焼オン時の温水温度上昇速度が所定速度以上になったとき、少なくともオフ点を下げる、請求項1ないし3のいずれかに記載の温水ボイラの燃焼制御方法。
【請求項5】 前記燃焼量の複数段制御に対応させて、燃焼用燃料の供給量を複数段に制御する、請求項1ないし4のいずれかに記載の温水ボイラの燃焼制御方法。
【請求項6】 前記燃料供給量の複数段制御に対応させて、燃焼用空気の供給量を複数段に制御する、請求項5の温水ボイラの燃焼制御方法。
【請求項7】 請求項1ないし6のいずれかに記載の方法を用いて燃焼量を制御するようにした温水ボイラの燃焼制御装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種暖房装置や給湯装置、風呂沸かし装置等、あるいはこれらの中央温水生成装置に用いられる温水ボイラの燃焼制御方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】温水ボイラにおいては、灯油やガスからなる燃料をバーナで燃焼させ、熱交換器を介して缶内の温水を所望の温度に加熱している。従来の温水ボイラにおいては、たとえば熱交換器部の温水の温度を検出し、温水の温度に対して燃焼のオン点、オフ点を設定し、温水の温度が所定の範囲内に入るように燃焼をオン・オフさせて温水の温度を制御している。燃焼自身は、通常一定の条件(一定の燃焼量条件)で行われ、燃焼のオン・オフ制御により温水の温度を制御するようにしている。
【0003】また、燃焼量を負荷等に応じて比例的に変化させる方法も知られているが、その場合には、燃料供給量を比例的に制御する比例制御弁を必要とする。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記のような従来の温水ボイラの燃焼制御方法においては、以下のような問題がある。まず、燃焼条件一定のままで単に燃焼のオン・オフを制御するだけの方法では、たとえば温水ボイラに接続される放熱器の負荷が少なくなったり、温水ボイラに接続される温水循環用配管システム(たとえば、配管の数)が変更されたりする場合、温水ボイラにおける燃焼のオン・オフのくり返し回数が多くなりすぎることがあり、それによって燃料供給系等における各種機器(たとえばポンプや電磁弁)の寿命を短くするおそれがある。
【0005】また、高価な比例制御弁を用いる方法では、装置全体が高価になるとともに比較的複雑な制御系が必要になる。また、比例制御弁を用いた制御では、ある制御状態から他の制御状態に移行する際、燃料供給量の変化と燃焼用空気供給量の変化とがうまくマッチングせず、過渡的に空燃比が悪化するおそれがあるため、使用可能な制御や機構が限定されてしまうおそれがある。
【0006】本発明の課題は、このような現状に鑑み、簡単な方法および構造にて、過渡時の空燃比のバランスをくずすことなく燃焼のオン・オフ回数を低減でき、機器の寿命延長をはかることのできる、安価で信頼性の高い温水ボイラの燃焼制御方法および装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明の温水ボイラの燃焼制御方法は、温水ボイラにおいて、燃料の燃焼により温水を加熱し、燃焼のオン・オフにより所定の温水温度に制御するに際し、単位時間当たりの燃焼のオン・オフ回数に応じて、燃焼量を複数段に制御することを特徴とする方法からなる。
【0008】この制御方法においては、少なくとも、前記単位時間当たりの燃焼のオン・オフ回数が所定回数以上になったとき、燃焼量を低燃焼量側に変更するように制御する。
【0009】また、上記制御方法においては、上記の制御に加え、さらに、燃焼オン時の温水温度上昇速度に応じて、燃焼量を複数段に制御することが好ましい。すなわち、前述の燃焼のオン・オフ回数が所定回数以上になったことと、燃焼オン時の温水温度上昇速度が所定速度以上になったこととの両方を検出し、それに基づいて燃焼量を低燃焼量側に変更する制御を行う。
【0010】また、好ましくは、温水温度について、燃焼をオフするためのオフ点、燃焼をオンするためのオン点を設定し、単位時間当たりの燃焼のオン・オフ回数が所定回数以上になったとき、または/および、燃焼オン時の温水温度上昇速度が所定速度以上になったとき、少なくともオフ点を下げるようにしてもよい。オン点、オフ点間の範囲は変えてもよい。
【0011】上記燃焼量の複数段制御は、基本的には、それに対応させて燃焼用燃料の供給量を複数段に制御することによって行われる。このとき、前記燃料供給量の複数段制御に対応させて、燃焼用空気の供給量を複数段に制御するようにすることが好ましい。
【0012】本発明に係る温水ボイラの燃焼制御装置は、このような方法を用いて燃焼量を制御するようにした装置であり、具体的な構造については後述の実施態様に示す。
【0013】このような本発明に係る温水ボイラの燃焼制御方法および装置においては、燃焼のオン・オフ回数を検出し、そのオン・オフ回数に応じて燃焼量が複数段に、たとえば2段階に制御される。したがって、単位時間当たりのオン・オフ回数が多くなったときには、より低燃焼量側に変更して、温水の温度上昇速度を遅くし、燃焼のオフ点に至るまでの時間を長くして、燃焼のオン・オフ回数を低減することができる。オン・オフ回数の低減により、各機器の寿命延長をはかることができる。
【0014】また、各段階毎の条件が予め設定された複数段の制御であるから、各段階毎の燃料供給量と燃焼用空気供給量とを予め最適値に設定しておくことが可能であり、過渡時の空燃比のバランスがくずれる問題は基本的に発生しない。
【0015】このように、比例制御弁等の高価な制御弁や複雑な制御系を用いることなく、簡単な方法、簡単な構造でもって、安価に、かつ、信頼性の高い温水ボイラを実現でき、上述の如く機器の寿命延長をはかることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の望ましい実施の形態を、図面を参照して説明する。図1および図2は、本発明の一実施態様に係る温水ボイラの燃焼制御装置を示している。図1において、1は温水ボイラを示しており、温水ボイラ1内に貯留された温水が、バーナ2での燃焼による加熱により熱交換器3を介して温められるようになっている。所定温度に加熱された温水は、循環ポンプ4により各放熱器5a、5b、5c、5dに送り出され、放熱に使用された温水が再び温水ボイラ1に戻されるように温水循環経路6が形成されている。温水の温度は熱交換器3部分で温度センサ7によって検出される。
【0017】バーナ2には、ノズル8から灯油等の液体燃料が噴霧され、燃焼に供される。排気ガスは、排気管9を通して排出される。バーナ2には、燃焼用空気を供給するブロワ10が接続されている。ノズル8には、図2にも示すように、燃料タンク11からの燃料が電磁ポンプ12の作動により供給される。この燃料供給回路13の電磁ポンプ12の吸入側にはフィルタ14が設けられている。燃料供給回路13の電磁ポンプ12の吐出側からは、バイパス回路15が分岐され、該バイパス回路15は燃料供給回路13の電磁ポンプ12の吸入側へと接続されている。このバイパス回路15には、該バイパス回路15を開閉する電磁弁16と、所望の圧力に設定可能なリリーフ弁17が設けられている。したがって、電磁弁16を開きバイパス回路15を開いた場合には、燃料供給圧力、ひいては燃料供給量がリリーフ弁17の設定に応じたより小さな値となり、電磁弁16の開閉により、燃料供給量が2段階に選択制御可能となっている。
【0018】18は制御装置を示しており、該制御装置18には、温度センサ7から温水の温度信号が入力され、該制御装置18からは、ブロワ10、電磁ポンプ12、電磁弁16に作動信号が出力される。
【0019】図3は、燃料としてガスを使用する場合の構成を示している。バーナ2、ノズル8、ブロワ10、制御装置18はガス用に合わせて設定される。21は主電磁弁を示しており、供給されてきたガスは、この主電磁弁21、ガバナ22を介してノズル8へと供給される。このノズル8への燃料供給回路は、本実施態様では2つの回路23a、23bに分岐され、各回路23a、23bにそれぞれ開閉制御可能な電磁弁24a、24bが設けられている。一方の回路23aには、より大きく流路を絞る絞り25aが設けられており、他方の回路23bには、より小さく流路を絞る絞り25bが設けられている。したがって、燃料ガスが回路23aを通して供給される場合には、より少ない燃料供給量となり、回路23bを通して供給される場合には、より多い燃料供給量となり、燃料供給量が2段階に選択制御可能となっている。
【0020】上記のように構成された温水ボイラの燃焼制御装置を用いて、本発明方法は次のように実施される。説明は、主として図1、図2に示した装置に基づいて行うが、基本的には、図3に示したガス燃料を用いる構成でも同様の制御となる。
【0021】温水の温度を温度センサ7によって検出し、検出温度が予め設定した所定の温度範囲に入るように、電磁ポンプ12がオン・オフ制御され、バーナ2における燃焼のオン・オフが制御される。このとき、図4に示すように、単位時間当たりの燃焼のオン・オフ回数(電磁ポンプ12のオン・オフ回数)が検出され、そのオン・オフ回数が予め設定された所定回数以上になると、電磁弁16が開かれバイパス回路15が開かれて、電磁ポンプ12の吐出圧力がリリーフ弁17で設定された低圧力に制御される。低圧力への制御により、燃料供給量が低下し、低燃焼量の条件へと移行する。
【0022】この制御は、図3に示した構成においても同様に行われる。すなわち、燃焼のオン・オフ回数が所定回数以上になると、それまで開かれていた電磁弁24bが閉じられ、それまで閉じられていた電磁弁24aが開かれる。燃料ガスの供給回路が回路23bから回路23aへと変更され、より絞り量の大きい絞り25aによってガス供給量が低減され、燃焼量が低燃焼量側へと移行される。
【0023】燃焼量が低燃焼量側へと変更される結果、バーナ2による温水の加熱速度が遅くなり、燃焼のオン・オフ回数が減少される。
【0024】本発明に係る制御においては、さらに温水温度上昇速度に応じて燃焼量を複数段に制御する制御を加えてもよい。すなわち、上記燃焼のオン・オフにより、温水ボイラ1内の温水の温度は図5に示すように変動することになるが、この燃焼オン時の温水温度上昇速度を、たとえば図5のA領域にて検出する。そして、図6に示すように、検出した温水温度上昇速度が予め設定された基準速度Sよりも速い領域A1 に入ったときには、低燃焼量側へ移行し、温度上昇速度を下げて、結果的に燃焼のオン・オフ回数を低減する。この制御は、前述の図4に示した燃焼のオン・オフ回数の検出、制御と組み合わせて最も有効なものとなる。検出した温水温度上昇速度が基準速度Sよりも遅い領域A2 に入ったときには、高燃焼量側に房せばよい。
【0025】さらに、前述したように、燃焼は、温水の温度が予め設定したオフ点に上昇したときにオフされ、オン点まで低下したときオンされるように行われるが、このオフ点、オン点を変更するようにしてもよい。すなわち、図7に示すように、燃焼のオン・オフ回数が所定回数以上になったとき、または/および、燃焼オン時の温水温度上昇速度が所定速度以上になったとき、少なくともそれまで設定されていたオフ点を、範囲C1 におけるオフ点から範囲C2 におけるオフ点へと低下させる。このとき、範囲ごと低下してもよく、かつ、その際に範囲の大きさを変更してもよい。これによって、温水ボイラ1内における異常高温化も防止される。
【0026】さらにまた、前記燃焼量の変更に応じて、ブロワ10による燃焼用空気の供給量も段階的に変更することが好ましい。この変更制御は、ブロワ用モータが直流モータの場合には供給電圧を段階的に変更制御すればよく、交流モータの場合には、巻線抵抗を段階的に変更したり、定速運転しつつ空気供給回路から一部の空気をバルブで逃したり絞ったりして変更することができる。
【0027】燃料供給量の制御が、予め定められた複数段の条件への変更制御であるから、それに応じて、上記燃焼用空気の供給量の制御も、予め定められた複数段の条件への変更制御とすることにより、燃焼条件が変更された場合にも、各条件においては、それぞれ予め設定した最適な空燃比に制御されることになる。したがって、過渡時の空燃比のバランスくずれは発生しない。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の温水ボイラの燃焼制御方法および装置によれば、簡単な方法および構造にて、燃焼のオン・オフ回数を適切に低減して各機器の寿命を延長することができる。
【0029】また、燃焼量の段階的制御であるから、高価な比例制御弁を用いる必要がなく、安価に信頼性の高い装置を実現できる。
【0030】さらに、過渡時の空燃比のバランスくずれも容易に防止できるので、燃焼量の最適な変更制御を行いつつ、どの段階の条件においても良好な燃焼状態を確保できる。
【出願人】 【識別番号】000001845
【氏名又は名称】サンデン株式会社
【出願日】 平成9年(1997)10月2日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】伴 俊光
【公開番号】 特開平11−108449
【公開日】 平成11年(1999)4月23日
【出願番号】 特願平9−288006