| 【発明の名称】 |
加湿器 |
| 【発明者】 |
【氏名】小川 康夫
【氏名】井田 純一
|
| 【要約】 |
【課題】蒸気加熱式の加湿器において、軟水化のための陽イオン交換樹脂を安定して装着でき、陽イオン交換の効果を確実に得られるようにする。陽イオン交換樹脂の散乱も防止する。
【解決手段】ある程度の剛性を有する収容ケース52内に陽イオン交換樹脂51を収容する。この収容ケース52を給水タンク21と蒸気発生装置31との間の水路15に装着する。収容ケース52の両端開口にはネットが設けてある。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 水を加熱体により加熱して蒸気を発生させる蒸気発生装置と、この蒸気発生装置に水を供給する給水タンクと、水のイオン交換を行う陽イオン交換樹脂とを加湿器本体内に備えた加湿器において、前記陽イオン交換樹脂を収容ケース内に収容し、この陽イオン交換樹脂を収容した収容ケースを前記蒸気発生装置と前記給水タンクとの間の水路に配設したことを特徴とする加湿器。 【請求項2】 前記収容ケースの外面周囲に凸部を形成し、前記水路を形成する水槽に、前記収容ケースの凸部が嵌合する凹部を形成したことを特徴とする請求項1記載の加湿器。 【請求項3】 前記収容ケースの外面周囲に凹部を形成し、前記水路を形成する水槽に、前記収容ケースの凹部が嵌合する凸部を形成したことを特徴とする請求項1記載の加湿器。 【請求項4】 前記収容ケースの一部を前記加湿器本体内における定常水位面よりも上方へ突出させたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の加湿器。 【請求項5】 前記収容ケースの内面周囲に凸部を形成したことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の加湿器。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、加湿器に係わり、特に、蒸気加熱式の加湿器において陽イオン交換樹脂を加湿器本体内に装着する構成に関する。 【0002】 【発明が解決しようとする課題】従来、蒸気加熱式の加湿器では、水中に溶解しているカルシウムやマグネシウムなどの硬質成分が蒸気発生装置に残留し、固着したまま除去できなくなる問題があった。このような問題を解決する手段として、陽イオン交換樹脂により硬質成分を取り除き、水を軟水化することが行われている。 【0003】従来のこの種の加湿器では、陽イオン交換樹脂を不織布やネットなどの中に入れ、加湿器本体における蒸気発生装置と給水タンクとの間の水路に装着する構成を採っていた。しかし、この従来の構成では、次のような問題があった。 【0004】まず、陽イオン交換樹脂を安定した一定の状態で水路に装着することが難しい。そして、陽イオン交換樹脂の装着の仕方により軟水化効率は異なったものとなる。例えば40%〜90%と大きく異なったものになる。そのため、陽イオン交換の効果を十分に得られない場合があった。また、不織布が破れやすく、不織布が破れて陽イオン交換樹脂が散乱してしまうことがあった。 【0005】本発明は、このような問題点を解決しようとするもので、陽イオン交換樹脂を安定して装着でき、陽イオン交換の効果を確実に得られるとともに、陽イオン交換樹脂の散乱を防止できる加湿器を提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、前記目的を達成するために、水を加熱体により加熱して蒸気を発生させる蒸気発生装置と、この蒸気発生装置に水を供給する給水タンクと、水のイオン交換を行う陽イオン交換樹脂とを加湿器本体内に備えた加湿器において、前記陽イオン交換樹脂を収容ケース内に収容し、この陽イオン交換樹脂を収容した収容ケースを前記蒸気発生装置と前記給水タンクとの間の水路に配設したものである。 【0007】使用時には、給水タンクから蒸気発生装置に水が供給され、ここで水が加熱体により加熱されて蒸気が発生する。給水タンクから蒸気発生装置に水が供給されるとき、この水は収容ケース内に収容された陽イオン交換樹脂間を通り、これにより水が軟水化される。陽イオン交換樹脂は収容ケース内に収容してあるために、水路への装着が容易にできるととともに、装着状態が安定したものとなる。したがって、確実に陽イオン交換の効果が得られる。また、陽イオン交換樹脂が破れ出るようなおそれがない。 【0008】請求項2の発明は、請求項1の発明の加湿器において、前記収容ケースの外面周囲に凸部を形成し、前記水路を形成する水槽に、前記収容ケースの凸部が嵌合する凹部を形成したものである。 【0009】これにより、水が水路内で収容ケースの外側を通ることが防止され、水が確実に収容ケース内の陽イオン交換樹脂を通る。 【0010】請求項3の発明は、請求項1の発明の加湿器において、前記収容ケースの外面周囲に凹部を形成し、前記水路を形成する水槽に、前記収容ケースの凹部が嵌合する凸部を形成したものである。 【0011】これにより、水が水路内で収容ケースの外側を通ることが防止され、水が確実に収容ケース内の陽イオン交換樹脂を通る。 【0012】請求項4の発明は、請求項1から3の発明のいずれかの加湿器において、前記収容ケースの一部を前記加湿器本体内における定常水位面よりも上方へ突出させたものである。 【0013】これにより、収容ケースの上を越えて水が流れることがなく、全ての水が収容ケース内の陽イオン交換樹脂を通る。 【0014】請求項5の発明は、請求項1から4の発明のいずれかの加湿器において、前記収容ケースの内面周囲に凸部を形成したものである。 【0015】この凸部が収容ケース内の陽イオン交換樹脂に押し当たることにより、収容ケースの内面と陽イオン交換樹脂との間の隙間のみを通って水が収容ケース内を通り抜けることがなくなり、水は陽イオン交換樹脂を確実に通過する。 【0016】 【発明の実施形態】以下、本発明の加湿器の第1実施例について図1から図3を参照しながら説明する。全体構造を示す断面図である図1において、1は加湿器本体で、この加湿器本体1は、上面を開口した本体外殻ケース2により外殻が形成されており、この本体外殻ケース2上には、その上面開口を開閉自在に覆う本体ケース蓋3が着脱自在に取り付けられている。本加湿器への給電は着脱可能なマグネットプラグ式の電源コード4により行われるようになっている。すなわち、この電源コード4の一端部に設けられたマグネットプラグ5が加湿器本体1に設けられたプラグ受け6に着脱自在に接続されるものである。 【0017】前記本体外殻ケース2の上下方向中間部には水平な仕切壁11が形成されており、この仕切壁11には、下方へ窪んだ凹部により水槽12が形成されている。この水槽12は、仕切壁11の一側に位置するタンク装着部13と、仕切壁11の他側に位置する蒸気発生部14と、タンク装着部13から蒸気発生部14への水路15とを形成するものである。前記タンク装着部13内の底面には弁作動突起16が立設されている。 【0018】21は給水タンクで、この給水タンク21は、前記加湿器本体1内でタンク装着部13の上側に着脱自在に装着されるものである。そして、給水タンク21の下部には開口部22が形成されており、この開口部22には給水キャップ23が着脱自在に取り付けられている。また、この給水キャップ23には給水口24が開口形成されているとともに、この給水口24を開閉する弁体25が所定範囲昇降可能に組み込んである。すなわち、常時は、この弁体25が給水口24を上から閉塞するが、給水タンク21を加湿器本体1内のタンク装着部13上に装着すると、その弁作動突起16が弁体25を相対的に押し上げることにより、給水口24が開放されてこの給水口24からタンク装着部13へ水が給水されるようになっている。なお、水槽12内の水位は、最高でも給水キャップ23の下端の高さになる。これが水槽12における定常水位面26である。 【0019】また、前記蒸気発生部14は蒸気発生装置31の一部を構成するものである。ここで、この蒸気発生装置31の構成を説明する。蒸気発生部14の下面は開口しているが、この下面開口は蒸発皿32により下側から閉塞されている。なお、蒸発皿32および蒸気発生部14の周壁部間にはパッキン33が介在させてある。そして、蒸発皿32の下側には加熱体34が設けられている。また、前記仕切壁11上には、蒸気発生部14を囲んで蒸気案内筒35が着脱自在に載置されて装着される。この蒸気案内筒35は内筒部36および外筒部37を有している。そして、蒸気案内筒35の側面上部には、内筒部36の内外を連通する通気孔38が開口形成されており、蒸気案内筒35の上面部には、通気孔38に連通する吹出し口39が開口形成されている。 【0020】また、前記加湿器本体1内で仕切壁11の下方には風路41が形成されており、この風路41内にはファンモータ42が配設されている。そして、風路41に臨ませて、前記本体外殻ケース2の側面下部には、ファンモータ42の吸気側に連通する吸込み口43が開口形成されている。また、この吸込み口43と反対側に位置して仕切壁11に、蒸気案内筒35の内筒部36と外筒部37との間に位置するダクト44が立設されている。このダクト44は、上下両端部が開口しており、前記風路41を介してファンモータ42の排気側に連通しているとともに、内筒部36の通気孔38に連通している。 【0021】さらに、前記加湿器本体1の水槽12で給水タンク21と蒸気発生装置31との間の水路15内には、陽イオン交換樹脂51を内蔵した収容ケース52が着脱可能に装着されている。収容ケース52は、合成樹脂あるいは金属など、ある程度の剛性を有する材料からなっている。そして、水路15の断面形状がほぼ矩形状になっているのに対して、収容ケース52の断面形状も水路15と幅がほぼ等しい矩形状になっており、収容ケース52は、水路15内にほとんど隙間なく嵌合されるようになっている。また、収容ケース52の上部は、水路15内において前記定常水位面26よりも上方に突出して位置している。さらに、水路15の両側面および底面には凹部としての凹溝53が形成されている。両側面の凹溝53は、仕切壁11の上面へ抜けている。一方、収容ケース52の外面周囲には、前記水路15の凹溝53に嵌合する凸部としてのフィン54が全周に渡って鍔状に形成されている。また、収容ケース52は、水路15の流れ方向の両端面が開口しているが、これらの開口面はネット55によりそれぞれ覆ってある。このネット55は、水は通過させるが、陽イオン交換樹脂51の粒子は通過できない目の粗さである。 【0022】つぎに、前記の構成についてその作用を説明する。給水タンク21に給水した後、この給水タンク21を加湿器本体1に装着すると、弁体25が開いて図1に矢印で示すように給水口24から水路15に水が供給され、蒸気発生装置31に送水される。そして、この蒸気発生装置31において、加熱体34の加熱により水槽12内の水が沸騰し、蒸気が発生する。発生した蒸気は蒸気案内筒35内を通って、吹出し口39から放出される。これとともに、ファンモータ42の駆動により、図1に矢印で示すように外気が吸込み口43から加湿器本体1の風路41内に吸い込まれ、ダクト44および通気孔38を通って蒸気案内筒35内に流入し、蒸気発生装置31で発生した蒸気ととともに吹出し口39から排気される。これにより、吹出し口39から放出される蒸気の温度が低減される。 【0023】前述のように給水タンク21から蒸気発生装置31に水が供給されるとき、この水は、矢印A,Bで示すように水路15において収容ケース52の一端開口のネット55から収容ケース52内に流入し、収容ケース52内に収容された陽イオン交換樹脂51間を通り、収容ケース52の他端開口のネット55から流出する。これにより、水のイオン交換が行われて、この水中に溶解しているカルシウムやマグネシウムなどの硬質成分が除去され、水が軟水化される。これにより、前記硬質成分が蒸気発生装置31に残留して固着するようなことが防止される。 【0024】本実施例の構成によれば、ある程度の剛性を有する収容ケース52内に陽イオン交換樹脂51を収容したので、この陽イオン交換樹脂51を水路15に容易に装着できる。この装着は、図2に矢印Dで示すように水路15内に収容ケース52を上から嵌合して置くことによるが、その際、収容ケース52のフィン54を水路15の凹溝53に嵌合させる。また、陽イオン交換樹脂51が収容ケース52内に予め収容してあるとともに、水路15における収容ケース52の設置位置も定まっていることにより、安定した一定の状態で陽イオン交換樹脂51を水路15内に装着できる。これが、不慣れなユーザでも誰でも簡単にできる。したがって、陽イオン交換樹脂51の装着の仕方による影響を受けるようなことなく、陽イオン交換樹脂51による陽イオン交換の効果を確実に安定して得ることができる。軟水化効率を常に70%前後で得られる。 【0025】また、陽イオン交換樹脂51が収容ケース52内に入っており、また、この収容ケース52の両開口面にはネット55が設けてあるので、不織布製の袋に入れたような場合とは異なり、陽イオン交換樹脂51が破れ出て散乱するようなおそれはない。 【0026】さらに、収容ケース52の外面周囲にフィン54を形成し、水路15内には、収容ケース52のフィン54が嵌合する凹溝53を形成したので、収容ケース52の外面と水路15の内面との間の隙間が減少することにより、水が水路15内で収容ケース52の外側を通過することを防止できる。したがって、水が確実に収容ケース52内の陽イオン交換樹脂51間を通るので、陽イオン交換の効果をより確実に得ることができる。なお、フィン54および凹溝53は、水の流れに対して、収容ケース52内(陽イオン交換樹脂51)の抵抗よりも収容ケース52外の抵抗を大きくすることを目的としたものであって、フィン54および凹溝53の形状や数は適宜設定することができる。 【0027】また、収容ケース52の一部を水路15内において定常水位面26よりも高く飛び出させて位置させたので、水が収容ケース52の上面を越えて流れることはない。したがって、前述のようにフィン54および凹溝53があることとあいまって、給水タンク21から蒸気発生装置31へ供給される水が確実に収容ケース52内を通過し、この収容ケース52内の陽イオン交換樹脂51間を通過する。これにより、陽イオン交換の効果をよりいっそう確実に得ることができる。 【0028】つぎに、本発明の加湿器の第2実施例について、図4を参照して説明する。なお、前記第1実施例と対応する部分には同一符号を付して、その説明を省略する。後述する第3実施例および第4実施例も同様である。本第2実施例は、前記第1実施例とは逆に、水路15の両側面および底面に凸部としての凸条61を形成し、収容ケース52の外面周囲に、前記水路15の凸条61に嵌合する凹部としての凹溝62を全周に渡って形成したものである。このような凸条61および凹溝62によつても、前記第1実施例のフィン54および凹溝53によるのと同様の作用効果を得られる。 【0029】図5は、本発明の加湿器の第3実施例を示すもので、この第3実施例の加湿器は、収容ケース52の内面周囲に凸部としての凸条63を全周に渡って形成したものである。この凸条63が収容ケース52内の陽イオン交換樹脂51に押し当たることにより、収容ケース52の内面と陽イオン交換樹脂51との間に隙間cがあったとしても、この隙間cが凸条63においてはなくなる。したがって、前記隙間cのみを通って水が収容ケース52内を通り抜けることがなくなり、水は必ず陽イオン交換樹脂51間を通過する。すなわち、給水タンク21から蒸気発生装置31に供給される水の全てが確実に陽イオン交換樹脂51間を通過するので、陽イオン交換の効果をさらに確実に得ることができる。 【0030】図6は、本発明の加湿器の第4実施例を示すもので、この第4実施例の加湿器は、収容ケース52内に、陽イオン交換樹脂51とともに、水をろ過するフィルタ64を収容したものである。このようなろ過作用を有するフィルタ64を水路15に装着すれば、例えば風呂の残り湯などのある程度汚れた水も加湿器に使用可能となる。このように、陽イオン交換樹脂51だけでなく、他の水質改善するものを収容ケース52内に入れても、それらの効果を得ることができる。 【0031】なお、本発明は、前記各実施例に限定されるものではなく、さらに種々の変形実施が可能である。例えば、給水タンク21、水路15、収容ケース52および蒸気発生装置31の配置は、前記実施例のものには限らず、種々の配置が可能である。また、風路41などの細部の構成も、種々の変形が可能である。 【0032】 【発明の効果】請求項1の発明によれば、蒸気加熱式の加湿器において、陽イオン交換樹脂を収容ケース内に収容し、この陽イオン交換樹脂を収容した収容ケースを蒸気発生装置と給水タンクとの間の水路に配設したので、陽イオン交換樹脂を容易に安定して装着でき、したがって、陽イオン交換の効果を確実に得られる。また、陽イオン交換樹脂の散乱も防止できる。 【0033】請求項2の発明によれば、請求項1の発明の効果に加えて、収容ケースの外面周囲に凸部を形成し、前記水路を形成する水槽に、収容ケースの凸部が嵌合する凹部を形成したので、水が水路内で収容ケースの外側を通ることを防止でき、水が確実に収容ケース内の陽イオン交換樹脂を通過し、陽イオン交換の効果をより確実に得ることができる。 【0034】請求項3の発明によれば、請求項1の発明の効果に加えて、収容ケースの外面周囲に凹部を形成し、前記水路を形成する水槽に、収容ケースの凹部が嵌合する凸部を形成したので、水が水路内で収容ケースの外側を通ることを防止でき、水が確実に収容ケース内の陽イオン交換樹脂を通過し、陽イオン交換の効果をより確実に得ることができる。 【0035】請求項4の発明によれば、請求項1から3のいずれかの発明の効果に加えて、収容ケースの一部を加湿器本体内における定常水位面よりも上方へ突出させたので、収容ケースの上を越えて水が流れることを防止でき、水が確実に収容ケース内の陽イオン交換樹脂を通過し、陽イオン交換の効果をより確実に得ることができる。 【0036】請求項5の発明によれば、請求項1から4のいずれかの発明の効果に加えて、収容ケースの内面周囲に凸部を形成したので、収容ケースの内面と陽イオン交換樹脂との間の隙間のみを通って水が収容ケース内を通り抜けることを防止でき、水が確実に陽イオン交換樹脂を通過し、陽イオン交換の効果をより確実に得ることができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】390010168 【氏名又は名称】東芝ホームテクノ株式会社
|
| 【出願日】 |
平成10年(1998)5月25日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】牛木 護 (外1名)
|
| 【公開番号】 |
特開平11−337134 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)12月10日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−143027 |
|