| 【発明の名称】 |
空気調和機 |
| 【発明者】 |
【氏名】工藤 光夫
【氏名】佐々木 重幸
【氏名】野中 正之
【氏名】千葉 健樹
【氏名】横山 英範
【氏名】藤林 一朗
【氏名】森本 素生
【氏名】大塚 厚
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| 【要約】 |
【課題】管内に相変化を伴う冷媒を作動媒体として用いる室内熱交換器であって、室内熱交換器の列数を2列から3列に大型化してもファン動力の増大による消費電力のアップや騒音の増大を抑えることの出来る、環境に優しい高性能で快適な空気調和機用室内機を提供する。
【解決手段】上面吸い込み口と、前面吸い込み口と、貫流ファンと、前記両吸い込み口と前記貫流ファンとの間に伝熱管列数が3列で構成されたクロスフィン形室内熱交換器とを配置してなる空気調和機用室内ユニットを有する空気調和機であって、暖房時冷媒入口及び暖房時冷媒出口に連なる3列目ないしは1列目当るフィンでは他に比べて切り起しスリットの密度を少なく設けて、好ましくは暖房時冷媒入口列、暖房時冷媒出口列及び暖房時冷媒出入口部を除く他の部分の順に切り起しスリットの密度を大きくした構成により、通気抵抗を大幅に低減しァン風量が増大による性能向上を達成する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】上面吸い込み口と前面吸い込み口とを有する室内ユニットと、この室内ユニット内に貫流ファンと前記両吸込み口と前記貫流ファンとの間に冷媒管を3列で構成した室内熱交換器とを備え、前記室内熱交換器は暖房時の冷媒入口及び暖房時の冷媒出口に連なる前記3列目ないしは1列目当るフィンでは他に比べて切り起しスリットの密度を少なく設け、暖房時冷媒入口列、暖房時冷媒出口列及び暖房時冷媒出入口部を除く他の部分の順に切り起しスリットの密度を大きくしたことを特徴とする空気調和機。 【請求項2】上面吸い込み口と前面吸い込み口とを有する室内ユニットと、この室内ユニット内に貫流ファンと前記両吸い込み口と前記貫流ファンとの間に冷媒管を3列で構成したクロスフィン形室内熱交換器とを備え、前記室内熱交換器は前記冷媒配管内の冷媒が略気液二相域になっている部位に位置するフィン面には伝熱促進のための切り起しスリットを設け、暖房時冷媒入口部に位置する管内冷媒ガス域及び暖房時冷媒出口部に位置する管内冷媒液域に対応する部位に於けるフィン形状を前記二相域でのフィン形状に比べてスリットの割合が少なく通気抵抗が低いことを特徴とする空気調和機。 【請求項3】上面吸い込み口と前面吸い込み口とを有する室内ユニットと、この室内ユニット内に貫流ファンと、前記両吸い込み口と前記貫流ファンとの間に冷媒管を3列で構成したクロスフィン形室内熱交換器とを備え、前記室内熱交換器は前記冷媒管内の冷媒が略気液二相域になっている部位に位置するフィン面にはフィン基線を挟んで互いに反対側に切り起された切り起しスリットを設け、暖房時冷媒入口部に位置する管内冷媒ガス域及び暖房時冷媒出口部に位置する管内冷媒液域に対応する部位に於けるフィン形状を前記二相域でのフィン形状に比べて通気抵抗が低い、好ましくは平板状としたことを特徴とする空気調和機。 【請求項4】上面吸い込み口と前面吸い込み口とを有する室内ユニットと、この室内ユニット内に貫流ファンと、前記両吸い込み口と前記貫流ファンとの間に冷媒管が3列で構成されたクロスフィン形室内熱交換器とを備え、前記室内熱交換器は前記冷媒管内の冷媒が略気液二相域になっている部位に位置するフィン形状が熱伝達率の高い波形フィンとするとともに、暖房時冷媒入口部に位置する管内冷媒ガス域及び暖房時冷媒出口部に位置する管内冷媒液域に対応する部位に於けるフィン形状を前記二相域でのフィン形状に比べて通気抵抗が低くなるように流入気流に対する波形の迎え角を小さくしたことを特徴とする空気調和機。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、空気調和機の室内ユニット内に取付けられた熱交換器に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、室内熱交換器の熱交換量を増大させることを目的として、フィン面を波形に成形した波形フィンや、特開平10−185359号公報に開示のようにフィン面全体にスリットを設けて切り起こすとともに、冷媒配管配列を2列配列した熱交換器が多用されている。 【0003】一方、近年においては、地球環境問題に対処するために、一層の省エネルギ化が求められるようになり、熱交換器をより大型化する必要に迫られているが、前記従来の室内熱交換器の場合には、冷媒管を2列熱交換器のまま大型化すると熱交換器全体が大きくなり、間口寸法がその分大きくなってしまい、この熱交換器を取付けた室内ユニットは、外形寸法が大型化してコストアップとなってしまうという問題があった。 【0004】一方、室内ユニットの大型化を防ぐため間口寸法を抑えて熱交換量を大きくするためには、必然的に熱交換器の列数を2列から3列に増やすことが必要となるが、熱交換器の列数を単純に2列から3列にした場合には、室内ユニットの大型化は抑えることができるものの、熱交換器の列数に比例して通気抵抗が大幅に増大し、ファン動力が増大して消費電力が増えるという問題や、通気抵抗増大に伴うファン騒音が増大して空気調和機としての快適性を損なうという問題があった。【0005】 【発明が解決しようとする課題】省エネルギーには、省資源化にともない、省電力で、且つ高性能化が最も重要な課題であるが、上記従来技術では、熱交換器の大型化、通気抵抗増大による消費電力の増大という問題がある。 【0006】本発明は、地球環境を考慮した高性能で快適な空気調和機用室内機を提供することを目的とするものである。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために、上面吸い込み口と前面吸い込み口とを有する室内ユニットと、この室内ユニット内に貫流ファンと前記両吸込み口と前記貫流ファンとの間に冷媒管を3列で構成した室内熱交換器とを備え、前記室内熱交換器は暖房時の冷媒入口及び暖房時の冷媒出口に連なる前記3列目ないしは1列目当るフィンでは他に比べて切り起しスリットの密度を少なく設け、暖房時冷媒入口列、暖房時冷媒出口列及び暖房時冷媒出入口部を除く他の部分の順に切り起しスリットの密度を大きくした空気調和機用室内ユニットが提案される。更に好ましくは前記室内熱交換器は暖房時冷媒入口及び暖房時冷媒出口に連なる3列目ないしは1列目当るフィンでは他に比べて切り起しスリットの密度を少なく設けて、好ましくは暖房時冷媒入口列、暖房時冷媒出口列及び暖房時冷媒出入口部を除く他の部分の順に切り起しスリットの密度を大きくした空気調和機用室内ユニットが提案される。 【0008】上記の本発明の構成によれば、フィン基線を挟んで互いに反対側に切り起された切り起しスリットを設けたことにより、フィンピッチを広げて通気抵抗を低減できるとともに、フィンの高性能化によって管内二相域での熱抵抗を低減することによって全体としては性能向上を図りながら、管内冷媒ガス域及び液域に対応する部位に於ける通気抵抗を大幅に低減できる。したがって、同一騒音条件でのファン風量が増大するので、熱交換量が増えて熱交換器の性能が大幅に改善される。 【0009】さらに、暖房能力が一定の場合には暖房時に必要な冷媒と空気との温度差を小さく出来るので、凝縮温度・圧力が低下して冷媒圧縮機の運転動力が少なくなり消費電力量が改善される。 【0010】次に、室内熱交換器は管内冷媒が大略二相域になっている部位に位置するフィン面には伝熱促進のための切り起しスリットを設け、暖房時冷媒入口部に位置する管内冷媒ガス域及び暖房時冷媒出口部に位置する管内冷媒液域に対応する部位に於けるフィン形状を前記二相域でのフィン形状に比べてスリットの割合が少なく通気抵抗が低い、好ましくは平板状としたので通気抵抗の増大を小さく抑えることが出来る。また、管内熱抵抗の大きさに従って空気側フィンの熱抵抗がバランス良く改善されるので伝熱性能が向上する。したがって、同一騒音条件でのファン風量が増大するので、熱交換器の性能が大幅に改善される。 【0011】また、室内熱交換器は管内冷媒が大略二相域になっている部位に位置するフィン形状として熱伝達率の高い、例えば波形フィンとするとともに、暖房時冷媒入口部に位置する管内冷媒ガス域及び暖房時冷媒出口部に位置する管内冷媒液域に対応する部位に於けるフィン形状を前記二相域でのフィン形状に比べて通気抵抗が低くなるように流入気流に対する波形の迎え角を小さく、好ましくは平板状としたので、通気抵抗の増大を小さく抑えることが出来る。したがって、同一騒音条件でのファン風量が増大するので、熱交換器の性能が大幅に改善される。 【0012】また、室内熱交換器は管内冷媒が大略二相域になっている部位に位置するフィンは伝熱促進手段を施したフィン形状となし、暖房時冷媒入口部に位置する管内冷媒ガス域及び暖房時冷媒出口部に位置する管内冷媒液域に対応する部位に於けるフィン形状を前記二相域でのフィン形状に比べて通気抵抗が低い、好ましくは平板状としたので、通気抵抗の増大を小さく抑えることが出来る。したがって、同一騒音条件でのファン風量が増大するので、熱交換器の性能が大幅に改善される。 【0013】さらに、前記空気調和機において、室内熱交換器は暖房時冷媒入口となる伝熱管列とこれに隣接している伝熱管列との列間に位置するフィン面、及び暖房時冷媒出口になる伝熱管列とこれに隣接している伝熱管列との列間に位置するフィン面に列間を熱的に分離するための分離スリットを設けたので、熱伝導損失を抑えれれて熱交換性能が向上する。 【0014】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しながら、詳細に説明する。図1は本発明に係る空気調和機用室内ユニットの内部構造を示す横断面図であり、図2は本発明になるフィン100の全体平面構造を示す。図3は上部熱交換器用フィンの加工工程を、図4は前面熱交換器の加工工程を示す。図5は図3のA−A断面図を図6は図4のB−B断面図を示す。図7は上記室内ユニットを含むヒートポンプ方空気調和機の冷凍サイクル構成図であり、図8はこの空気調和機の冷凍サイクル内を循環している冷媒の状態変化を模擬的に示したTS線図である。 【0015】本発明の一実施の形態になる空気調和機用室内ユニットの内部構造を図1に示す。この室内ユニット20は、箱体201内に配置された室内熱交換器21、貫流ファン24、および、ファンケーシング202を備え、上記箱体201の上部には上部吸込み口203が、その前面には前面吸込み口204が設けられ、さらに、その下部には吹き出し口205が設けられている。なお、図中の符号120は、回動可能な風向板を示している。室内熱交換器21は、逆V字状に配置された上部熱交換器22aおよび貫流ファンの前面に配置された前面熱交換器22bより構成されている。室内熱交換器21は、それぞれ、所定の間隔を置いて並置された多数の伝熱フィン100とこの伝熱フィンに直角に挿入固着され、内部を冷媒が流動する多数のヘアピン曲げされた伝熱管102によって構成されている。これら多数の伝熱管102は、互いにベンドパイプ103やY字型分岐管104、あるいは、T字型分岐管105等を介して配管106で連接されてパスを構成している。逆V字型上部熱交換器22a、および前面熱交換器22bの伝熱管列数は3列となっている。これら3列熱交換器のうち上部熱交換器22aの背面傾斜部22aBは暖房運転時の冷媒出口部を配置し、前面熱交換器22bの最風下側列(3列目、貫流ファン24に最も近い側)には暖房運転時の冷媒入口を配置するように冷媒パスが構成されている。 【0016】これら冷媒パスは、絞り機構25を挟んで、上部熱交換器22aに含まれる第一パスと、前面熱交換器22bに含まれる第二パスとに別れている。すなわち、本発明によれば、これら上部熱交換器22aおよび前面熱交換器22bは、好ましくはフィン100が分離されて互いに独立した別体の熱交換器を構成しており、かつ、除湿運転時にはそれぞれ加熱器22aおよび冷却除湿器22bとして作用するように配管接続されている。 【0017】より具体的に説明すると、本実施の形態では、上部熱交換器22aの冷媒流路は、暖房運転時に冷媒出口となる風上側列の大部分が1パスに構成され、残りは2パス(並列2通路)に構成されている。前面熱交換器22bの冷媒流路は、暖房運転時の冷媒入口部を風下側列に設けるとともに2パス(並列2通路)に構成されている。 【0018】上部熱交換器22aを構成するフィン100は、図2、図3及び図5に示すように、冷媒パスが1パスに構成されている暖房時冷媒出口となる風上側伝熱管列108uのフィンは平板状フィンからなり、その風下側に位置する2列目及び3列目のフィンは伝熱促進のための切り起しスリット200を設けたフィン構造となっている。フィン面に設けられた切り起しスリット200の断面形状は図5に示すように基準フィン面100を挟んで互いに反対側に切り起された切り起しスリット200a及び200bを配置した形状になっている。 【0019】前面熱交換器22bを構成するフィン100は図2、図4及び図6に示すように暖房時冷媒入口となる最風下側列109d(3列目)のフィンは平板上フィンからなり、その風上側に位置する2列目及び1列目のフィンは伝熱促進のための切り起しスリットを設けたフィン構造となっている。 【0020】また、上部熱交換器22aのフィン100には、図3に示すように冷媒パスが1パスに構成されている風上側の伝熱管列108uと、冷媒パスが2パスに構成されている風下側の伝熱管列108dとを、熱的に分離できるように、分離スリット110が設けられている。同様に前面熱交換器22bの最風下側列109d(3列目)と、その風上側列109u(2列目)との間には、図4に示すように3列目を熱的に区画するための分離スリット110が設けられている。 【0021】なお、前記分離スリット110は、フィン100を切断することにより形成されるが、フィン加工時の取り扱い性を考慮して、上記図3、図4に示すように、非切断部110aと切断部110bが交互になるように切断を行って、フィン100の一部に上記非切断部110aを残すようにするのが好ましい。また、切断に代えて、例えば、やはり断続する細いスリットを形成し、あるいは、溝を形成してフィンの断面積を減少して、熱的に分離することも可能である。 【0022】次に、上記室内ユニットを有する空気調和機の冷凍サイクル構成について述べる。図7において、符号20は室内ユニット、符号10は室外ユニットであり、これら室内外ユニット10、20は、配管ユニット27によって接続されている。室外ユニット10は、室外熱交換器13およびファン17を備えている。その冷凍サイクルは、冷媒圧縮機11から、四方弁12、室外熱交換器13、減圧器16を通り、さらには、冷媒配管27を介して前記室内熱交換器21へ接続されて構成され、その内部を高圧冷媒が循環するように構成されている。高圧冷媒としては、オゾン層保護のため冷媒R32、R125やR134a等を適宜混合することによって、従来の冷媒R22に対して同じ凝縮温度での圧力が高くなる混合冷媒が好ましい。さらに好ましくはR32とR125を質量比で1:1に混合してなる冷媒R410Aを用いるのが良い。 【0023】なお、この図7において、実線の矢印41は暖房運転時の冷媒流れ方向を示し,破線の矢印42は冷房運転時の冷媒の流れ方向を示している。また、図中の矢印26は、上記室内ユニット20における気流を、そして、矢印18は室外ユニット10における気流を示している。 【0024】上記構成による室内熱交換器において、管内を流れる冷媒と管外を流れる空気とが管外に設けられているフィンを介して熱交換し、この際管内の冷媒は相変化を伴う。 【0025】例えば暖房運転時には室内熱交換器は凝縮器として機能する場合について考える。圧縮機から室内熱交換器に送られる管内冷媒は、高温・高圧のガス冷媒の状態で、前面熱交換器の3列目の伝熱管に連接された冷媒入口から室内熱交換器に流入する。3列目の管内を流れる間にフィンを介して空気と熱交換し、管内圧力によって決まる飽和温度まで大略冷却されて凝縮液化が始まり気液二相冷媒となり、リターンベンドを介して2列目の伝熱管内に流入し、さらに1列目へと進み、除湿運転時以外は全開となっている絞り弁25を介して上部熱交換器の風下3列目の伝熱管内へ流入する。この間、管内の気液二相冷媒は温度がほぼ一定に保たれた状態で空気と熱交換するが、熱交換が進行するに従って凝縮潜熱を失って液冷媒の割合が増え、上部熱交換器の2列目を流出する時には大略全量液化する。上部熱交換器の2列目を経て全量液化した管内冷媒は上部熱交換器の最風上側1列目に設けられた1パスに回路接続されている伝熱管内に流入し、温度の低い流入空気と熱交換して圧力によって決まる飽和温度より更に5〜15℃低い温度まで過冷却される。過冷却された液冷媒は、室内熱交換器からサイクル系へ流出して冷凍サイクルを形成している。 【0026】上記したように管内の冷媒は熱交換の過程でガス冷媒域、二相冷媒域および液冷媒域と相変化しながら次第に温度が低下し、一方管外を流れる空気は入口から出口に向かって冷媒とは反対に次第に温度上昇して室内ユニットから室内に放出されて暖房に供される。 【0027】この際、前記したように本発明による一実施例では、3列熱交換器の冷媒パスとして温度の低い出口液冷媒が温度が最も低い入口空気と熱交するように液冷媒域のパスを風上側い列目に配置し、また、温度が最も高くなっている管内入口高温ガス冷媒と温度が高い出口空気とが熱交換するように高温ガス流入パスを風下側3列目に配置するように対向流的なパス構成としているので熱交換効率が大幅に改善される。 【0028】前記熱交換の過程に於いて本発明になる一実施例の構成によれば管内冷媒と管外空気がとが熱交換する過程での前記角冷媒層変化過程での、角冷媒層に対応する熱交換器部位に於ける熱抵抗Rt(k/w)は、空気側熱抵抗と管内側熱抵抗との和として次式で表される。 【0029】 Rt=1/(ho*Ao)+1/(hi*Ai) (1) ここで、Ao、Aiは空気側及び管内側伝熱面積を表し、ho、hiは空気側及び管内側熱伝達率尾表す。本実施例になる両起こしスリットフィンの空気側熱伝達率は大略 ho=70〜100W/m2Kであり、管内側熱伝達率は前記した管内の冷媒の状態に依存するので、管内加工管を用いた場合には下記の値が推定される。 【0030】 ガス域 ;hi,g=300〜500W/m2K 液域 ; hi,l=800〜1000W/m2K 二相域 ; hi、s=6000〜12000W/m2K程度と冷媒の状態によって大きく変化することが予想される。 【0031】そこで、管内の冷媒状態に応じた全体熱抵抗Rtに占める空気側熱抵抗と管内側熱抵抗の割合を見ると、大略以下のようになっている。 空気側熱抵抗 管内側熱抵抗 全体 1/(ho*Ao) 1/(hi*Ai) Rt ガス域 16% 84% 100% 液域 35% 65% 100% 二相域 85% 15% 100%これらの結果から特徴的に、管内冷媒の状態がガス域及び液域の場合は、管内冷媒側の熱抵抗が支配的で、空気側熱抵抗の比率が小さくなっており、特にガス域においてはその傾向が顕著であるのに対して、熱交換器の大部分を占めている管内冷媒が二相域の場合は、空気側熱抵抗が支配的になっているのが分かる。 【0032】したがって、熱交換器の性能向上を図る場合には熱交換量の大部分を占める管内冷媒二相域での熱抵抗を低減するのが重要であり、このために空気側熱抵抗の低減が重要課題となる。 【0033】空気側の熱抵抗低減手段としては、一般にフィンピッチを小さくしたり、気流方向に沿うフィン幅を大きくして伝熱面積を増やす方法や、空気側フィンの表面形状を工夫して伝熱促進を図り熱伝達率hoを向上する方法がある。しかし従来、フィンピッチを小さくするなどによって伝熱面積を単純に増やすとフィン材の使用量が増えてコストが増大するばかりか、通気抵抗が大幅に増大するという問題を生じていた。 【0034】また、従来の熱交換器では、3列に大型化した場合には、性能向上のために熱伝達率の高いフィン構造にすると空気側熱抵抗の割合が少ない管内ガス域や液域での空気側の熱抵抗も無意味に改善されることとなり、通気抵抗が大幅に増大するという問題があった。 【0035】ところが、上記の本発明の構成によれば、図5に示すようにフィン基線を挟んで互いに反対側に切り起された切り起しスリットを設けた、両起こしスリットフィンを用いてフィンピッチを広くすることにより二相域での熱抵抗及び通気抵抗を低減するとともに、管内ガス域や液域に対応する部位に於けるフィンの形状を二相域でのフィン形状に比べて通気抵抗が低い好ましくは平板状フィンとしているので、ここでの通気抵抗を大幅に低減できる。前記したように管内冷媒ガス域及び液域に対応する部位においては空気側の熱抵抗が全体に占める割合が小さいので、ここでフィンピッチが広くなっても全体熱抵抗の悪化は僅かであり、通気抵抗低減によるファン風量増大、交換熱量改善効果の方が大きい。したがって、同一騒音条件でのファン風量が増大するので、熱交換量が増えて熱交換器の性能が大幅に改善される。 【0036】次に、上記に構成を説明したヒ−トポンプ型空気調和機における冷凍サイクルの動作について述べる。まず、図7に示したヒ−トポンプ型空気調和機の冷凍サイクル構成において、暖房運転時には、上記室外ユニット10の圧縮機11から吐出される高温・高圧の冷媒ガスは、実線の矢印41で示すように、四方弁12および冷媒配管27を通って、凝縮器として作用する上記室内ユニット20の室内熱交換器21へ送られ、室内貫流ファン24によって送風される空気によって冷やされて(空気と熱交換し)、高圧・低温の液冷媒となる。 【0037】この冷やされて高圧・低温の液となった冷媒は、冷媒配管27を通って上記室外ユニット10へ戻り、減圧器16によって減圧膨張され、これにより低圧・低温の冷媒となって蒸発器として作用する室外側熱交換器13へ流入する。この室外側熱交換器13へ流入する冷媒は、室外ファン17によって送風された空気によって加熱されて蒸発した後、四方弁12を通って圧縮機11に戻り、ここで再び圧縮され、上記の循環サイクルを繰り返す。なお、この時、室内熱交換器21では、高温・高圧の冷媒ガスにより加熱された空気を被空調室内に放出して、室内の暖房を行うこととなる。 【0038】これに対して、冷房運転時には、室外ユニット10の圧縮機11から吐出される高圧・高温の冷媒ガスは、破線矢印42で示すように、四方弁12を通って凝縮器として作用する室外側熱交換器13へ送られる。室外側熱交換器13では,室外ファン17によって送風された空気によって冷され、高圧・低温の液冷媒となり,減圧器16によって減圧膨張され、低圧・低温の冷媒となる。低圧・低温となった冷媒は,冷媒配管27を通り、蒸発器として作用する室内ユニット20の室内側熱交換器21へ流入する。ここで,室内ファン24によって送風された空気によって加熱されて蒸発した後、冷媒配管27を通って室外ユニット10の四方弁12を通って圧縮機11に戻り、ここで再び圧縮されて上記の循環サイクルを繰り返す。なお、この時室内熱交換器21では、低圧・低温の冷媒により冷却された空気を被空調室内に放出して冷房を行う。 【0039】続いて、かかる冷凍サイクル内を循環している冷媒の状態変化を図8により模式的に示す。なお、図8に於いて、横軸は冷媒のエントロピS(kJ/kgK)、縦軸は冷媒の温度T(℃)である。また、冷媒温度Tcは、凝縮器内の圧力に対応した凝縮温度であり、冷媒温度Teは、蒸発器内の圧力に対応した蒸発温度である。また、記号AとCは、各々、凝縮器として作用する熱交換器の入口と出口を、また、記号DとEは、各々、蒸発器として作用する熱交換器の入口と出口を示している。さらに、図8に於いて、区間A−B1は冷媒過熱領域を、区間B1−B2は飽和領域を、そして、区間B2−Cは過冷却領域を示している。 【0040】まず、暖房運転の場合について説明する。この場合、互いに熱的に分離された室内熱交換器22a、22bの中間に設けられている除湿運転用絞り機構25は、流動抵抗とならないように全開に設定される。次に圧縮機11を起動すると、この圧縮機11から吐出された高温・高圧の過熱冷媒ガス(図8のA点)は、四方弁12及び配管ユニット27を介して室内ユニット20の室内熱交換器21へ送られて、この室内熱交換器を構成する前面熱交換器22aの空気側最下流3列目の伝熱管から2パスに分かれて流入する。前面熱交換器22bを出た冷媒は絞り機構25を経て上部熱交換器22aへ流入し、空気と熱交換して温度の低い液冷媒となり、上部熱交換器22aの背面傾斜部22aBの空気側最上流1列目の伝熱管列を経て、室内熱交換器21から流出する。この時、室内熱交換器21の外部を流れる室内空気26は管内の冷媒との熱交換によって暖められ、被空調室内の暖房に供せられる(図7を参照)。 【0041】この時、空気側フィンを両起こしスリットフィンとしたので空気側の熱抵抗が改善されて管内の冷媒が飽和領域(図8の区間B1−B2)となっている前面熱交換器22bを通過する空気26(20℃)は、管内の冷媒凝縮温度Tcとほぼ同じ温度になるまで加熱されて、分離スリット110によって熱的に区画された風下側3列目109dに至る。風下側3列目109dでは、前記凝縮温度Tcよりもさらに高く過熱された70〜80℃(=Tc+30〜40℃)の過熱冷媒(図8のA点)によってさらに高温になるまで効率良く加熱され暖房能力が改善される。なお、分離スリット110を挟む列間で温度差が生じるが、分離スリット110によって熱的に区画されているので、これら伝熱管列の間での温度差によるフィン100を介しての熱伝導損失が抑えられ暖房能力が改善される。 【0042】また、前面熱交換器22bの冷媒パスが2パスで構成されていることから、管内冷媒の流速が高くなっている。この結果、過熱冷媒域での熱伝達率が改善されるため管内側の熱抵抗Rt,gが改善されて、管内冷媒温度と管壁との温度差が小さく保たれて、フィンの温度が冷媒温度近くまで高くなり3列目に流入した空気は、効率良く加熱昇温される。さらに3列目のフィンは平板状フィンとしたので通気抵抗が低減されて風量が増大し暖房能力が改善される。 【0043】また、上記貫流ファン24の上部に逆V字状に配置されている上部熱交換器22aの一部、すなわち、逆V字の背面向き傾斜部22aBは伝熱管の列数が3列で構成され、暖房出口の冷媒パスが空気側最上流1列目に配置されている。このため、管内冷媒温度が低く空気温度上昇が少ない1列目を通過した空気を、管内が気液二相冷媒であって、管内熱伝達率が高い2列目、3列目の熱交換器部で更に加熱・昇温できるので、従来の2列熱交換器のように低い温度のまま室内へ送風されることはなく、暖房能力が改善される。さらに前記1列目のフィンは平板状フィンとしたので通気抵抗が低減されて風量が増大し暖房能力が改善される。 【0044】上部熱交換器22aの逆V字の背面下向き傾斜部22aBでのフィン100には、冷媒パスが1パスに構成されている風上側の伝熱管列108uと、冷媒パスが2パスに構成されている風下側の伝熱管列108dとを、熱的に分離できるように、分離スリット110が設けられている。分離スリット110を設けることにより、冷媒パスが1パスに構成されている風上側の伝熱管列108uと、冷媒パスが2パスに構成されている風下側の伝熱管列108dとが熱的に分離されている。前記1パスの風上側の伝熱管列108uは、暖房運転時には、冷媒出口となるため、図8に於いて区間B2−Cで示されるように、隣接する2パスの風下側の伝熱管列108dの冷媒温度Tcに比べて低い冷媒温度となっており、これら伝熱管列の間で温度差が生じる。しかし、上記の分離スリット110を設けているので、これら伝熱管列の間での温度差によるフィン100を介しての熱伝導損失が抑えられ、さらに暖房能力が改善される。 【0045】次に、冷房運転時について説明する。冷房運転では、冷媒流れ方向が暖房のときとは逆転するため、暖房出口が冷房入口に、暖房入口が冷房出口になる。この冷房運転の場合、まず室内熱交換器22a、22bの中間に設けられている除湿運転用絞り機構25は、やはり、流動抵抗とならないように全開に設定される。 【0046】次に、圧縮機11を起動すると、圧縮機11から吐き出された高温高圧の過熱冷媒ガス(図8のA点)は、室外熱交換器13へ送られて、室外ユニット10の熱交換器13を流れる冷却空気18と熱交換して、冷媒は冷却液化される。この液化した高圧・低温の液冷媒(図8のC点)は、絞り機構16を介して蒸発圧力まで減圧され、低温の気液二相冷媒(図8のD点)となって、蒸発器として作用する室内ユニット20の室内熱交換器22へ流入され、そこで空気を冷却する。その後、この冷媒は空気から奪った熱量分だけ徐々に蒸発し、熱交換器22の出口に至り、この出口では再び気相冷媒(図8のE点)となって圧縮機11に送られ、再び圧縮機11から吐き出され、循環する。 【0047】かかる冷房運転時において、室内ユニット20の室内熱交換器21が蒸発器として作用する場合には、暖房運転時の凝縮器として作用する場合とは異なり、管内冷媒の圧力が低い。このため特に、冷房出口(暖房入口)での冷媒パスを2パスにした場合には管内冷媒ガスの流速が高くなり、従来は冷媒側には大きな圧力損失を生じることとなり、冷房性能が大幅に低下するので、暖房性能と冷房性能を両立できないという問題があったが、本発明による空気調和機では、冷媒として高圧冷媒R410Aを用いているので、管内冷媒ガスの密度が大きいために管内流速が抑えられ、圧力損失が小さくなり冷房性能が改善される。 【0048】冷房運転時には管内冷媒の圧力損失によって冷媒の飽和温度が熱交換器出口に向かって低下するので、冷房時の冷媒流路出口に位置している前面熱交換器22bの空気下流側3列目管内の冷媒蒸発温度(図8のE点近傍)が最も低くなっている。このため、前面熱交換器22bの空気下流側3列目のフィン面状には大量の水分が結露することとなり、結露した水滴によってフィン間の風路が狭められて露付き時の通気抵抗が大幅に上昇しファン騒音が増大するという問題があったが、本発明の一実施例では前記3列目のフィンは平板状フィンとしたのでフィン面に結露した水滴が滞留することなく流れ落ちるので露付き時通気抵抗が低減されてファン騒音が改善されるとともに、風量が増大し冷房能力が改善される。また、ここで1列目、2列目では空気側フィンを両起こしスリットフィンとしたのでフィン面に結露する水滴の排水作用が改善されるので露付き時の通気抵抗がさらに改善される。 【0049】また、前記した暖房運転の時と同様に、上部熱交換器22aの冷媒通路である第1パス内の冷媒蒸発温度と、前面熱交換器22bの冷媒通路である第2パス内の冷媒蒸発温度に温度差を生じる。このため従来は、一体のフィン100を介して上部熱交換器22aと前面熱交換器22bとの間で熱伝導による熱の授受が行われ、この熱伝導損失のために冷房能力が低下するという問題を生じていた。 【0050】ところが、本発明では、上述のように、室内熱交換器21は、互いに熱的に分離された2つの熱交換器22aと22bで構成されていることから、上部熱交換器22aと前面熱交換器22bとの温度差による熱伝導損失が発生し難いので冷房能力が改善される。また、下部3列熱交換器22bの空気流の最下流側に、冷媒蒸発温度が最も低くなる冷媒出口が配置されているので、空気上流列から順に冷却されてきた冷風を更に低い冷媒蒸発温度の空気風下側列によって冷却できることとなり、冷房能力の大幅な改善が期待できる。 【0051】次に、除湿運転時について説明する。この除湿運転の場合には、まず、四方弁12は冷房運転時と同じ位置に設定され、減圧器16は全開位置に設定される。 【0052】次に、圧縮機11を起動すると、圧縮機11から吐き出された高温・高圧の過熱冷媒ガス(図8のA点)は、室外熱交換器13、減圧器16、冷媒配管27を経て室内ユニット20の室内熱交換器21へ送られる。この室内熱交換器21へ送られた高温・高圧の冷媒ガスは、まず、凝縮器として作用する上部熱交換器22aへ送られ、ここで、その外部を流れる被除湿空気26をフィン100を介して加熱する。同時に管内の冷媒は、外部空気によって冷却・液化されて絞り部25に至る。この冷却・液化された管内の冷媒は、上記絞り部25を介して減圧されて、低温・低圧の気液二相冷媒となり、次に、蒸発器(冷却除湿器)として作用する下部熱交換22bへ流入する。ここで被空調室内の空気は冷却・除湿されると同時に管内冷媒は、蒸発気化して室内熱交換器から流出し、四方弁を介して再び圧縮機に吸い込まれて循環を繰り返す。前面熱交換器22bでは、上記の冷房運転の場合と同じように、空気最下流側列の管内冷媒温度が最も低い温度になっており、冷房運転時と同様に、前面熱交換器22bの空気下流側3列目のフィン面状には大量の水分が結露することとなるが、前記3列目のフィンは平板状フィンとしたのでフィン面に結露した水滴が滞留することなく流れ落ちるので露付き時通気抵抗が低減されてファン風量が増加するので除湿効率が大幅に改善される。 【0053】ところで、従来は、隣接する上部熱交換器22aと前面熱交換器22bは、互いに一体のフィン100を介して熱的に連結されている。このため、加熱器として作用する温度の高い上部熱交換器22aによって、冷却除湿器として作用する温度の低い前面熱交換器22bが一体のフィン100を介して加熱される。したがって、冷却除湿器として作用する前面熱交換器22bの表面に結露した除湿水分が、上部熱交換器22aからの加熱によって再蒸発していまい、除湿効率が低下するという問題が生じていた。 【0054】これに対して、本発明では、上述のように、室内ユニット20の室内熱交換器21を構成する上部熱交換器22aと前面熱交換器22bは、少なくとも互いにフィン100が分離し、熱的に分離された別体構成となっている。したがって、高温の加熱器として作用する上部熱交換器22aと低温の冷却除湿器として作用する前面熱交換器22bとの間での熱伝導損失が生じないので冷房能力の大幅な改善が可能になる。また、加熱器として作用する上部熱交換器22aからの熱により除湿水分が再蒸発するという問題も生じない。また、特に、冷房運転時においては、前記した上部熱交換器22aの逆V字背面下向き傾斜部22aBの冷媒通路において、風上側1列目に配置されている1パス部では、冷媒側の圧力損失により、隣接する2パス部に比べて管内の冷媒温度が全体的に高くなるため、1パス部と2パス部で列間に温度差が生じる。このため、従来は、この列間の温度差に伴う熱交換により熱伝導損失を生じ、冷房能力が低下するという問題があった。しかしながら、上記の本発明による熱交換器、特に、熱交換器22aの構造では、その1パス部と2パス部の列間に分離スリット110を設けているので、これら列間での熱伝導損失が抑えられ、これにより冷房能力が改善される。 【0055】なお、上記の実施の形態になる室内ユニット20では、上部熱交換器22aは、全体として、逆V字型に折り曲げ配置されているが、本発明による作用効果は、上述の熱交換器の配置や形態に限定されることなく、その他、例えば「く」の字曲げ配置でも、直線配置でも、あるいは、「U」の字曲げの円弧状配置等でも良いのは勿論である。 【0056】上記実施例において分離スリット110により熱的に区画する方法としては、例えば、図9(A)に示すように、プレス加工などでフィン100を断続的に切断する方法、図9(B)に示すように、細長いスリット穴101を打ち抜く方法、または、図9(C)に示すように、ミシン目状の切り込み102を設ける方法など、一部の接続部を残して切断する等、適宜、選択できるのは勿論である。さらに、図10(A)及び図10(B)に示すように、「V」字状あるいは「U」字状の溝103をフィン100の両面、あるいは、片面に形成して熱的に略完全に区画し、もしくは、熱伝導を小さくするように区画する方法も可能である。 【0057】また、前記実施例では、分離スリット110で区画された3列目を暖房時の冷媒入口位置として構成し、除湿運転時に除湿器として作用する前面熱交換器22bに配置した構成としている。しかしながら、暖房時の冷媒入口位置としては、これのみに限定されず、その他、例えば、除湿運転時に加熱器として作用する上部熱交換器22aに隣接して、空気流の下流側に配置する構成としても良い。なお、この場合には、再熱器となる上部熱交換器22aによって加熱された温度の高い空気が、除湿冷却器として作用する分離スリット110で区画された3列目に流入するので、空気と冷媒との温度差が大きくなり、効率良く除湿冷却できるので除湿効率が改善されることとなる。 【0058】次に、本発明の他の実施の形態になる室内ユニットの構成を、添付の図11に示す。図11に示す室内ユニットでは、上記図1に示した室内ユニットに対し、室内熱交換器21の逆V字形上部熱交換器22aの背面傾斜部22aBを2列とし、その列間に分離スリット110を設けるように構成している。この構成によれば、上部熱交換器22aの列数が2列になるので、ファンから遠い部分の通気抵抗が低減されるのでファン騒音が改善されるという効果を奏する。 【0059】本発明の他の実施例になる室内熱交換器の形態を図12に示す。図1に示す室内ユニットに対し,室内熱交換器21の逆V字形上部熱交換器22aの前面傾斜部22aAを3列とし背面傾斜部22aBを2列とした構成にしている。貫流ファン24によって吸い込まれる気流が遅くなっている背面側での熱交換器の列数を前面側より少なくしたことにより,風速分布が均一化して性能が向上する。 【0060】次に、本発明の他の実施例になる室内熱交換器のフィンの構成を図13、図14に示す。図13に示すフィン構造は、上記図1に示す室内ユニットに対応して、伝熱性能促進のための切り起しスリット200を、暖房時冷媒入口部を除いたフィン面に選択的に設けたもので、暖房運転時の熱交換効率とフィン側の通気抵抗との適正化が達成される。図14に示すフィン構造は、上記図12に示す室内ユニットに対応して、伝熱性能促進のための切り起しスリット200を、暖房時冷媒入口部および冷媒出口部を除いたフィン面に選択的に設けたもので、暖房運転時の熱交換効率とフィン側の通気抵抗との適正化が達成される。 【0061】本発明の他の実施例になる空気側フィンの切り起しスリット断面形状を図15に示す。この実施例ではフィン基板面を挟んで交互に反対側に切り起したもので、同一の側に切り起されたスリット200a,200bの切り起し高さを変えたものである。また切り起しスリット200に隣接する基板には曲げ部200cを設け、スリットの隙間を大きくしたものである。このように構成することにより、上流側スリットの後流の影響を下流側スリットが受けないので、熱伝達率がさらに改善される。隣り合うフィン間に切り起し高さを変えたスリットを多数配置できるので通気抵抗低減のためにフィンピッチを広げても空気側の熱伝達率を確保出来る。また、基板に設けた曲げ部により隙間が確保されるので冷房運転や除湿運転時に於いてフィン面に結露する水滴の排水性が大幅に改善されるという効果を奏する。 【0062】本発明の他の実施例になる空気側フィンの断面構造を図16に示す。この実施例では、フィン全体を空気流れ方向に沿って波形に形成し、切り起し高さのことなる断面山形の切り起しスリットを山形平面に連続して設けたものである。即ち暖房時冷媒入口及び暖房時冷媒出口に連なる3列目ないしは1列目当るフィン形状を、切り起しスリットが無い山形平面に加工したものである。このように構成することにより、全体としてフィンの剛性が大幅に改善されるので取り扱い性がよく生産性が大幅に向上する。切り起しスリット200の断面形状として断面山形に形成したので乱流効果により空気側の伝熱性能がさらに向上するという効果を奏する。 【0063】本発明の他の実施例になるフィン構造を図17に示す。この実施例では気流方向から見た切り起しスリット200の断面形状を全体として山形に形成し、さらに切り起しスリットの立上げ部300の立上げ角度を鋭角に、2段階に曲げて切り起したものであり、スリット立上げ部の位置を気流方向に変えた構造としたものである。このように構成することにより、隣り合うフィン間を切り起しスリットが斜めに横切るように配置されることとなり、通気抵抗低減のためにフィンピッチを広げてもフィン間の気流が乱されて空気側の熱伝達率を確保出来る。また、立上げ部300の位置を変えているので隣り合うスリット間の距離が確保されるので冷房運転や除湿運転時に於いてフィン面に結露する水滴の排水性が大幅に改善されるという効果を奏する。 【0064】本発明の他の実施例になるフィン構造を図18に示す。伝熱管列数が3列からなるフィンに於いて、各列ごとの隣り合う伝熱管の間に位置するフィン面に前記切り起しスリットを設けるとともに、列毎にスリット配置密度が異なるように切り起しスリットを形成したものである。即ち、暖房時冷媒入口及び暖房時冷媒出口に連なる3列目ないしは1列目当るフィンでは他に比べて切り起しスリットの密度を少なく設けたものである。また、好ましくは暖房時冷媒入口列、暖房時冷媒出口列及び暖房時冷媒出入口部を除く部分の順に切り起しスリットの密度を大きくしたものである。このように構成することによって管内熱抵抗に従って空気側の熱抵抗が改善されるので、管内と空気側の熱抵抗のバランスが図られるので暖房時の熱交換効率とフィン側の通気抵抗との適正化がより一層図られるので、ファン風量が改善されて暖房能力が向上する。 【0065】本発明の他の実施例になるフィン構造を図19に示す。伝熱管列数が3列になるフィンに於いて、フィン全体を波形に形成したもので、気流方向に対する波形フィン面の迎え角度を、管内冷媒液域になっている1列目で小さく管内冷媒が二相域になっている2列目、3列目で大きくしたものである。このように構成することによって管内熱抵抗に従って空気側フィンの熱抵抗を適切に変えることが出来るので、通気抵抗低減による暖房能力向上が達成される。 【0066】以上に述べた、本発明に関わる室内熱交換器用フィンは、冷房時凝縮器、暖房時蒸発器として作用する前記室外熱交換器用として用いても同様の効果を発揮できるのはもちろんである。 【0067】以上の説明のように、本発明の実施形態になる空気調和機用室内熱交換器の上記構成によれば、室内熱交換器は暖房時冷媒入口及び暖房時冷媒出口に連なる3列目ないしは1列目当るフィンでは他に比べて切り起しスリットの密度を少なく設けて、好ましくは暖房時冷媒入口列、暖房時冷媒出口列及び暖房時冷媒出入口部を除く他の部分の順に切り起しスリットの密度を大きくするように構成したので、管内熱抵抗に応じて空気側熱抵抗が改善されるので、暖房運転時の熱交換効率とフィン側の通気抵抗との適正化が達成され、ファン動力やファン騒音を低く抑えた暖房能力が高い空気調和機を提供できる。 【0068】また、冷房運転時には冷房出口に対応する3列目のフィンは切り起しスリットの密度が他に比べて少なく、好ましくは平板状フィンとしたのでフィン面に結露した水滴が滞留することなく流れ落ちるので露付き時通気抵抗が低減されてファン騒音が改善されるとともに、風量が増大し冷房能力が改善される。また、ここで1列目、2列目では空気側フィンを両起こしスリットフィンとしたのでフィン面に結露する水滴の排水作用が改善されるので露付き時の通気抵抗がさらに改善される。 【0069】また、本発明の実施の形態になる空気調和機用室内ユニットの上記の構成によれば、暖房運転時には、管内冷媒温度が異なる列間のフィン面に分離スリットを設ける構成としたので、フィンを介して温度の異なる伝熱管間での熱伝導損失を生じなく、暖房能力が向上することとなる。 【0070】さらには、暖房能力が一定の場合には、暖房時に必要な冷媒と空気との温度差を小さくできるので、凝縮温度・圧力が低下し、圧縮仕事が軽減されるので、暖房運転時の消費電力量が少ない空気調和機を提供できるとともに熱交換器を小型にできるので、室内ユニットを小型にできるという効果がある。 【0071】 【発明の効果】以上の説明のように、本発明の実施形態になる空気調和機用室内熱交換器の上記構成によれば、室内熱交換器は暖房時冷媒入口及び暖房時冷媒出口に連なる3列目ないしは1列目当るフィンでは他に比べて切り起しスリットの密度を少なく設けて、好ましくは暖房時冷媒入口列、暖房時冷媒出口列及び暖房時冷媒出入口部を除く他の部分の順に切り起しスリットの密度を大きくするように構成したので、管内熱抵抗に応じて空気側熱抵抗が改善されるので、暖房運転時の熱交換効率とフィン側の通気抵抗との適正化が達成され、ファン動力やファン騒音を低く抑えた暖房能力が高い空気調和機を提供できる。 【0072】また、冷房運転時には冷房出口に対応する3列目のフィンは切り起しスリットの密度が他に比べて少なく、好ましくは平板状フィンとしたのでフィン面に結露した水滴が滞留することなく流れ落ちるので露付き時通気抵抗が低減されてファン騒音が改善されるとともに、風量が増大し冷房能力が改善される。また、ここで1列目、2列目では空気側フィンを両起こしスリットフィンとしたのでフィン面に結露する水滴の排水作用が改善されるので露付き時の通気抵抗がさらに改善される。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005108 【氏名又は名称】株式会社日立製作所
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| 【出願日】 |
平成11年(1999)3月23日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】小川 勝男
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| 【公開番号】 |
特開平11−337104 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)12月10日 |
| 【出願番号】 |
特願平11−77208 |
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