トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F24 加熱;レンジ;換気




【発明の名称】 空気調和装置の床置き型室内機
【発明者】 【氏名】今中 俊行

【氏名】大前 浩之

【要約】 【課題】床置き型室内機の設置現場での現地での配管作業に手間がかかる。

【解決手段】中間形状の配管19Aの前方に配置した室内機本体5を後方へずらすことにより、配管19Aの第1の部分25を第1の切り欠き溝20に挿通させ、且つ主体部24を室内機本体5の裏面5bの配管収容部23に収容し、さらに第2の部分26から先端27まで前方へ延びる部分を配管挿通孔22を通して室内機本体5の前面5a側へ突出させる。次いで、突出させた配管の部分を上方へ屈曲させ、配管の先端を接続部に接続する。工程の削減により作業を格段に簡素化できる。配管の主たる取りまわしを裏面側で行うので、前面に配置されるドレンパンを底面部10に近づけて配置できる結果、室内機の高さを低くできる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】熱交換器(11)が配置されると共に前面パネル(4) によって覆われる前面(5a)、および床面(17)に載置される底面部(10)を有する室内機本体(5) と、この室内機本体(5) の裏面(5b)に左右に延びて形成され、底面部(10)によって区画された状態で後方に開いた配管収容部(23)と、この配管収容部(23)の第1の端部に対応して上記底面部(10)に形成され、後方に開いた配管挿通用の切り欠き溝(21)と、上記配管収容部(23)の第2の端部において室内機本体(5) を前後に貫通する配管挿通孔(22)と、室内機本体(5) の前面(5a)において配管挿通孔(22)の上方に配置され、配管(19)の先端(27)を接続する接続部(16)とを備えたことを特徴とする空気調和装置の床置き型室内機。
【請求項2】上記配管(19)は、上記配管収容部(23)に収容される直線状の主体部(24)と、この主体部(24)の一端から屈曲して下方へ延びる第1の部分(25)上記主体部(24)の他端から屈曲して上記配管挿通孔(22)を通して前方へ延びる第2の部分(26)と、この第2の部分(26)の前端から屈曲して上方へ延びその先端(27)が上記接続部(16)に接続される第3の部分(28)とを含むことを特徴とする請求項1記載の空気調和装置の床置き型室内機。
【請求項3】上記配管挿通孔(22)に連続するように上記底面部(10)に形成され、後方に開いた配管挿通用の切り欠き溝(20)をさらに備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の空気調和装置の床置き型室内機。
【請求項4】上記室内機本体(5) の側面を補強しつつ床面(17)まで達する金属製の外側板(8) と、この外側板(8) の一部に設けられ、所要時に配管を挿通可能な開口を形成することのできる開口形成手段とをさらに備えたことを特徴とする請求項1,2又は3記載の空気調和装置の床置き型室内機。
【請求項5】上記底面部(10)と側壁(9) とが樹脂にて一体に形成されていることを特徴とする請求項4記載の空気調和装置の床置き型室内機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空気調和装置の床置き型室内機に関し、特に室外機との間で冷媒をやりとりするための配管の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】室内機と室外機を備える空気調和装置では、両機にそれぞれ備えられている熱交換器(一方が蒸発器、他方が凝縮器となる)同士の間で冷媒を行き来させるための配管を接続する作業が必要である。現場において、室内機および室外機の設置場所の態様は様々であり、このため、各現場にて各現場に対応した配管作業が行われることになるが、特に、室内機が床置き型である場合の配管作業に非常に手間がかかっていた。
【0003】図7は従来の床置き型の室内機の前面パネルを取り外した状態を示している。この従来の床置き型の室内機では、まず、室内機本体51の底面部52に形成された挿通孔53を通して、室外機(図示せず)からの配管54を上方へ挿通させ、次いで、配管54を屈曲させて、熱交換器55の下面に沿って配置されたドレンパン56と底面部52との間に収容すると共に、ドレンパン56を支えるフレーム57に形成された挿通孔58を通し、通した先の配管54を屈曲させた後、配管54の先端を補助配管59等の接続部60に接続するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前面パネルを外した状態の室内機本体51の前面で配管するようにしており、この前面では、特に、接続部60の反対側から配管54が導入される場合(例えば、図7に示すように接続部60が室内機本体51の右端部寄りにあって、配管54が左端部寄りの挿通孔53から室内機本体51に導入される場合)に、ドレンパン56と底面部52との間という狭い空間での配管作業となるので、作業が困難であった。逆に、ドレンパン56と底面部52と間の空間を広く確保すると、室内機本体51の高さが高くなり、大型化するという問題がある。
【0005】また、挿通孔53および挿通孔58を挿通させる作業がそれぞれ必要であるとともに、各挿通孔53,58を挿通した直後で配管54を曲げる作業がそれぞれ必要である。このため、2度の挿通工程と2度の屈曲工程が必要であり、配管作業に非常に手間がかかっていた。本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、現地での配管作業を容易にすることのできる空気調和装置の床置き型室内機を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するための課題解決手段として、請求項1記載の発明の態様は、熱交換器が配置されると共に前面パネルによって覆われる前面、および床面に載置される底面部を有する室内機本体と、この室内機本体の裏面に左右に延びて形成され、底面部によって区画された状態で後方に開いた配管収容部と、この配管収容部の第1の端部に対応して上記底面部に形成され、後方に開いた配管挿通用の切り欠き溝と、上記配管収容部の第2の端部において室内機本体を前後に貫通する配管挿通孔と、室内機本体の前面において配管挿通孔の上方に配置され、配管の先端を接続する接続部とを備えたことを特徴とするものである。
【0007】この態様では、特に、室外機の熱交換器からの配管が接続部の反対側から室内機に導入される場合の配管作業において実効がある。というのは、配管作業において室内機本体をそのまま後方へずらすだけで、床面から上方へ突出する配管を切り欠き溝に導入でき、該配管が底面部を貫通する状態にすることができるからである。また、このとき、配管収容部に収容される配管の主体部分を、上記切り欠き溝に導入される部分に対して予め屈曲させておくと共に、室内機本体の前面側に配置される配管の部分を、上記主体部分から予め前方に屈曲させておくことにより、上記切り欠き溝への配管の導入と同時に、上記主体部分を配管収容部に収容し且つ配管の先端を配管挿通孔を通して室内機本体の前面側へ突出させることができる。次いで、室内機本体の前面側に突出された配管の部分を上方へ屈曲させてその先端を接続部に接続し、配管作業が完了する。
【0008】このように、配管を屈曲する工程および配管を挿通孔に挿通する工程がそれぞれ1回で済み、作業が簡素化できる。しかも、配管の主たる取りまわしを比較的スペースに余裕のある室内機本体の裏面にて行うことができるので、作業が行い易い。また、配管の主たる取りまわしが室内機本体の裏面にて行われるので、室内機本体の前面では、熱交換器およびその下方に存在するドレンパンを底面部に近づけて配置することが可能となり、その結果、室内機本体の小型化を図ることができる。
【0009】請求項2記載の発明の態様は、請求項1において、上記配管は、上記配管収容部に収容される直線状の主体部と、この主体部の一端から屈曲して下方へ延びる第1の部分と、上記主体部の他端から屈曲して上記配管挿通孔を通して前方へ延びる第2の部分と、この第2の部分の前端から屈曲して上方へ延びその先端が上記接続部に接続される第3の部分とを含むことを特徴とするものである。
【0010】この態様では、請求項1記載の発明と同様の利点がある。具体的には、第3の部分の屈曲を回避して第2の部分から先端まで直線状に前方へ延びる中間形状の配管を用いる。この中間形状の配管の前方に、室内機本体の裏面を対向させて配置し、そのまま室内機本体を後方へずらすことにより、第2の部分から先端まで直線状に前方へ延びる部分を、上記配管挿通孔を通して室内機本体の前面側へ突出させると共に、第1の部分を底面部の切り欠き溝に導入し且つ主体部を室内機本体の裏面の配管収容部に収容する。次いで、室内機本体の前面側に突出する部分を折り曲げて第3の部分を形成し、第3の部分の先端を接続部に接続することにより、配管作業が終了する。挿通孔を通す作業は1回であり、また配管を屈曲する作業も1回となり、配管作業が大幅に簡素化する。また、室内機本体を後方へずらすだけで、室内機本体への配管のセットが概略終了するので、作業が行い易い。
【0011】請求項3記載の発明の態様は、請求項1又は2において、上記配管挿通孔に連続するように上記底面部に形成され、後方に開いた配管挿通用の切り欠き溝をさらに備えたことを特徴とするものである。この態様では、接続部と同じ側から配管を導入する場合に、室内機本体をそのまま後方へずらすだけで、床面から上方へ突出する配管を切り欠き溝に導入しつつ室内機本体の前面側に迫り出させることができる。
【0012】請求項4記載の発明の態様は、請求項1,2又は3において、上記室内機本体の側面を補強しつつ床面まで達する金属製の外側板と、この外側板の一部に設けられ、所要時に配管を挿通可能な開口を形成することのできる開口形成手段とをさらに備えたことを特徴とするものである。この態様では、室内機本体の側方から配管を導入する場合のみに、開口形成手段によって開口を形成する。
【0013】請求項5記載の発明の態様は、請求項4において、上記底面部と側壁とが樹脂にて一体に形成されていることを特徴とするものである。開口形成手段によって外側板に開口が形成されると、外側板の強度が弱くなるおそれがあるが、本態様では、底面部と側壁を合成樹脂により一体に形成してあるので、十分な強度が確保される。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の好ましい実施の形態について添付図面を参照しつつ説明する。図1は本発明の一実施の形態の床置き型の室内機の分解斜視図であり、同図を参照して、本室内機1は、吸込口2および吹出口3a,3bを有する箱状の前面パネル4と、この前面パネル4によって前面5aを覆われる室内機本体5とを備えている。図1に示す室内機本体5は、配管を取り付ける前の状態を示してある。
【0015】室内機本体5は、合成樹脂からなるケーシング6と、このケーシング6の上面および左右一対の側面を覆う金属製の補強フレーム7とを備えている。この補強フレーム7はケーシング6の両側面を覆う一対の外側板8を含んでいる。ケーシング6は左右一対の側壁9と底面部10とを一体成形したものからなり、強度向上が図られている。ケーシング6の底面部10が室内機本体5の底面部ともなっている。
【0016】室内機本体5の前面5aには、室外機の熱交換器(図示せず)との間で冷媒を行き来させる熱交換器11が配置されており、この熱交換器11の下部に沿ってドレンパン12が配置されている。熱交換器11の後方には、例えばクロスフローファンからなる上下一対の送風ファン14,14が配置されており、吸込口2から室内機本体5内に吸い込まれた室内空気は、熱交換器11に沿って上方および下方へ送られて例えば熱を奪われ、熱交換器11の上方および下方から、前面パネル4の吹出口3a,3bを通して、室内に循環されるようになっている。
【0017】熱交換器11の一方の端部(本実施の形態では右端部)からは一対の補助配管15,15が接続されており、この補助配管15,15の下端部がそれぞれ配管の先端を接続するための接続部16,16となっている。これらの接続部16,16は室内機本体5の前面において、熱交換器11の右方に配置されている。上記底面部10は床面に載置されて、室内機本体5を床面に支えるものである。室内機本体5を後ろ斜めから見た図2に示すように、底面部10は、床面17の貫通孔18から突出する配管19を挿通させるために第1および第2の切り欠き溝20,21を備えている。第2の切り欠き溝21は接続部16,16と同側に配置され、第1の切り欠き溝20は接続部16,16の反対側に配置されている。各切り欠き溝20,21は後方に開いている。
【0018】また、第2の切り欠き溝21は、第1の切り欠き溝20よりも深く切り込まれており、接続部16,16の直下方位置まで達している。さらに、第2の切り欠き溝21に連続するように、室内機本体5を前後に貫く配管挿通孔22が形成されている。室内機本体5の裏面5bにおいて底面部10の上方には、配管の後述する主体部を収容するために左右に延びる配管収容部23が設けられている。
【0019】次いで、図2,図3および図4を順次に参照して、配管作業について説明する。まず、図4を参照して、室内機本体5への装着が完了した最終形態の配管19は、上記配管収容部23に収容される直線状の主体部24を備えている。この主体部24の一端から屈曲して下方へ延びる第1の部分25が設けられ、また、主体部24の他端から屈曲して前方へ延びて配管挿通孔22を貫通する第2の部分26が設けられている。さらに、この第2の部分26の前端から屈曲して上方へ延びその先端27が上記接続部16に接続される第3の部分28が設けられている。
【0020】配管作業を行う際には、図4の最終形態に対して第3の部分28の屈曲を回避して、図2に示すように、第2の部分26から先端27まで直線状に前方へ延びる中間形状の配管19Aを用いる。この中間形状の配管19Aの前方に、図2に示すように室内機本体5の裏面5bを対向させて配置し、そのまま室内機本体5を後方へずらすことにより、第2の部分26から先端27まで直線状に前方へ延びる部分を、図3に示すように、上記配管挿通孔22を通して室内機本体5の前面5a側へ突出させると共に、第1の部分25,25を底面部10の第1の切り欠き溝20に導入し、且つ主体部24,24を室内機本体5の裏面5bの配管収容部23に収容する。
【0021】次いで、図4に示すように、室内機本体5の前面5a側に突出する部分を折り曲げて第3の部分28,28を形成し、第3の部分28、28の先端27,27を接続部16,16に接続することにより、配管作業が終了する。本実施の形態では、中間形状の配管19Aを用いて挿通孔に通す作業は1回であり、また配管19Aを屈曲する作業も1回となり、配管作業が大幅に簡素化する。
【0022】また、室内機本体5を後方へずらすだけで、室内機本体5への配管のセットが概略終了するので、作業が行い易い。さらに、配管の主たる取りまわしを比較的スペースに余裕のある室内機本体5の裏面5b側で行うので、作業が行い易い。しかも、室内機本体5の前面5aでは、熱交換器11の下方に位置するドレンパン12を底面部10に近づけて配置することができるので、室内機本体5の小型化を図ることができる。
【0023】また、図4の実施の形態では、接続部16,16の反対側にある第1の切り欠き部20から配管が導入される場合について説明したが、これに限らず、第2の切り欠き部21から配管が導入されても良い。この場合にも、該第2の切り欠き溝21が配管挿通孔22に連続するように後方に開いているので、室内機本体5をそのまま後方へずらすだけで、床面17から上方へ突出する中間形状の配管19Bを第2の切り欠き溝21に導入しつつ配管19Bの先端19Cを室内機本体5の前面5a側に迫り出させることができる。
【0024】なお、図1、図5の実施の形態では、配管を底面部10側から室内機本体5へ導入したが、室内機本体10の側面を構成する外側板8側から導入することもできる。そのために、外側板8には配管導入用の開口を形成するための開口形成手段として、複数のスリット29,…が断続的に並べられており、これらのスリット29,…に沿って外側板8の一部をくり抜くことにより、例えば後方に開いた切り欠き溝等の開口30が形成されるようになっている。
【0025】このように室内機本体5の側方から配管を導入する場合のみに、必要な開口を形成できるようにしてあるので、汎用性が高いと共に、外側板8の強度を不要に弱めることがない。ただし、本実施の形態では、仮に開口30が形成されて、補強フレーム7の外側板8の強度が多少低下したとしても、底面部10と側壁9を合成樹脂により一体に形成してあるので、室内機本体5全体として十分な強度が確保される。また、上記のスリット29,…は補強フレーム7をプレス成形する際に同時に打ち抜き成形することにより、コスト安価に製造できる。
【0026】なお、本発明は上記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更を施すことができる。
【0027】
【発明の効果】請求項1記載の発明では、特に、接続部の反対側から配管を導入する場合において、配管を屈曲したり挿通孔に挿通したりする工程を少なくでき、作業を簡素化できる。また、配管の主たる取りまわしを比較的スペースに余裕のある室内機本体の裏面側で行うので、作業が行い易く、しかも、室内機本体の前面では、熱交換器およびその下方に存在するドレンパンを底面部に近づけて配置することが可能となる結果、室内機本体の小型化を図ることができる。さらに、室内機本体を後方へずらすだけで、配管の主たる取りまわしが略完了するので、作業が一層簡単である。
【0028】請求項2記載の発明では、中間形状の配管を用いて、請求項1記載の発明と同様の効果を奏する。請求項3記載の発明では、接続部と同じ側から配管を導入する場合に、室内機本体をそのまま後方へずらすだけで、配管の取りまわしを略完了することができ、配管作業が非常に簡単となる。
【0029】請求項4記載の発明では、室内機本体の側方から配管を導入する場合のみに、開口形成手段によって開口を形成する。請求項5記載の発明では、底面部と側壁を合成樹脂により一体に形成しているので、仮に外側板に開口が形成された場合でも、十分な強度が確保される。
【出願人】 【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
【出願日】 平成10年(1998)2月16日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】亀井 弘勝 (外2名)
【公開番号】 特開平11−230565
【公開日】 平成11年(1999)8月27日
【出願番号】 特願平10−33311