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【発明の名称】 外気調和機
【発明者】 【氏名】吉屋 英二

【要約】 【課題】従来の外気調和機は、不純物についての除去効果はあまりよくなく、また循環水槽に溜った水中で微生物が繁殖する可能性がある。

【解決手段】エアワッシャ3により噴霧された水は加湿により消費されるが、消費されない余剰の水が循環水槽10に溜まり、循環ポンプ7により再度熱交換器11を介してエアワッシャ3に供給される。また、配管10を通して不足分の水が熱交換器11に供給され、ここで冷却された後エアワッシャ3に供給される。従って、エアワッシャ3に供給される水は、循環ポンプ7により循環される循環水槽10からの加湿余剰水と、配管10を通して供給される水とからなり、これらはいずれも熱交換器11により冷却されてからエアワッシャ3に供給されるため、循環水槽10に溜まる加湿余剰水も常温よりも低い温度となっており、常温で繁殖可能な微生物の繁殖を防止できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 取り入れた外気に対して、エアワッシャから水を噴霧して除塵及び加湿した後、温度と湿度を調整して外部へ取り出す外気調和機において、前記エアワッシャに常温よりも低温の水を供給する手段を備えたことを特徴とする外気調和機。
【請求項2】 前記エアワッシャから噴霧された加湿余剰水を溜める循環水槽と、該循環水槽に溜まった水を前記エアワッシャへ循環させる循環ポンプと、前記循環水槽から前記エアワッシャに供給される水を冷却する熱交換器とを有することを特徴とする請求項1記載の外気調和機。
【請求項3】 前記エアワッシャから噴霧される水の必要量の不足分を補うための水を、配管を通して前記熱交換器に供給することを特徴とする請求項2記載の外気調和機。
【請求項4】 前記エアワッシャから噴霧する水の温度を10℃としたことを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一項記載の外気調和機。
【請求項5】 外気を取り入れる外気取り入れ口と、前記外気取り入れ口から取り入れられた外気の平均温度を計測する平均温度計と、前記外気取り入れ口から取り入れられた外気を、前記平均温度計の温度に基づいて所定温度以上に加温する加温手段と、前記加温手段により加温された外気に対して水を噴霧して除塵及び加湿するエアワッシャと、前記エアワッシャから噴霧された加湿余剰水を溜める循環水槽と、該循環水槽に溜まった水を前記エアワッシャへ循環させる循環ポンプと、前記エアワッシャから噴霧される水の必要量の不足分を補うための水を補給するための配管と、前記循環水槽からの水と前記配管からの水とをそれぞれ冷却して前記エアワッシャに供給する熱交換器と、前記エアワッシャにより加湿及び除塵された外気の温度と湿度をそれぞれ調整する調整手段と、前記調整手段により温度と湿度がそれぞれ調整された外気を外部へ送り出すファンとを有することを特徴とする外気調和機。
【請求項6】 前記熱交換器は、前記エアワッシャに供給する水の温度を10℃に冷却することを特徴とする請求項5記載の外気調和機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は外気調和機に係り、特にクリーンルームにおける外気調和機に関する。
【0002】
【従来の技術】図3は従来の外気調和機の一例のフロー図を示す。同図に示すように、従来の外気調和機は、外気を加温するヒーティングコイル1、外気の平均温度を測定する平均温度計2、外気を除塵等するエアワッシャ3、クーリングコイル4、ヒーティングコイル5、供給された外気を外部へ送風するファン6、循環ポンプ7、配管8、外気を取り入れる外気取り入れ口9及び循環水槽10より構成されている。
【0003】この従来の外気調和機では、外気取り入れ口9から取り入れた外気を、平均温度計2の制御によって、ヒーティングコイル1で10℃以上に加温した後、エアワッシャ3で除塵、加湿し、更にクーリングコイル4、ヒーティングコイル5で温度、湿度の調節を行い、ファン6により室内へ供給する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、従来の外気調和機では、エアワッシャ3で除塵を行うようにしているが、窒素酸化物及び硫黄酸化物等の気化している不純物についての除去効果はあまりよくない。これは、エアワッシャ3より噴霧される水が常温であるためである。特に、半導体製造では微細なプロセスを行うことから、窒素酸化物や硫黄酸化物等の空気中の不純物が製品の歩留り等に及ぼす影響が懸念されており、上記の外気調和機を半導体製造の環境で使用する場合に問題である。
【0005】また、従来の外気調和機では、噴霧された水は加湿により消費されるが、余剰の水は循環水槽10に溜る。この循環水槽10に溜った水の水温は常温のため、レジオネラ菌等の常温の水中で繁殖可能な微生物が繁殖する可能性がある。
【0006】本発明は以上の点に鑑みなされたもので、外気中の窒素酸化物や硫黄酸化物の除去効率を向上し得る外気調和機を提供することを目的とする。
【0007】また、本発明の他の目的は、常温の水で繁殖可能な微生物の繁殖を防止し得る外気調和機を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するため、本発明は取り入れた外気に対して、エアワッシャから水を噴霧して除塵及び加湿した後、温度と湿度を調整して外部へ取り出す外気調和機において、エアワッシャに常温よりも低温の水を供給する手段を備える構成としたものである。
【0009】また、本発明は、外気を取り入れる外気取り入れ口と、外気取り入れ口から取り入れられた外気の平均温度を計測する平均温度計と、外気取り入れ口から取り入れられた外気を、平均温度計の温度に基づいて所定温度以上に加温する加温手段と、加温手段により加温された外気に対して水を噴霧して除塵及び加湿するエアワッシャと、エアワッシャから噴霧された加湿余剰水を溜める循環水槽と、循環水槽に溜まった水をエアワッシャへ循環させる循環ポンプと、エアワッシャから噴霧される水の必要量の不足分を補うための水を補給するための配管と、循環水槽からの水と配管からの水とをそれぞれ冷却してエアワッシャに供給する熱交換器と、エアワッシャにより加湿及び除塵された外気の温度と湿度をそれぞれ調整する調整手段と、調整手段により温度と湿度がそれぞれ調整された外気を外部へ送り出すファンとを有する構成としたものである。
【0010】本発明では、外気取り入れ口から取り入れられた外気が、平均温度計の制御の基に加温手段で加温された後、エアワッシャにより水を噴霧されることにより、外気中に気化している窒素酸化物や硫黄酸化物が溶解される。このとき、エアワッシャには循環水槽からの水と配管からの水とをそれぞれ熱交換器により冷却された水が供給されるため、エアワッシャから噴霧される水を常温よりも低温にできる。
【0011】ここで、上記の熱交換器は、エアワッシャに供給する水の温度を10℃に冷却することが、エアワッシャにより加湿及び除塵された外気の温度と湿度をそれぞれ調整する調整手段による調整を従来通りの構成とすることができるので望ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態について図面と共に説明する。図1は本発明になる外気調和機の一実施の形態のフロー図を示す。同図中、図3と同一構成部分には同一符号を付してある。図1に示す実施の形態は、外気を加温するヒーティングコイル1、外気の平均温度を測定する平均温度計2、外気を除塵等するエアワッシャ3、クーリングコイル4、ヒーティングコイル5、供給された外気を外部へ送風するファン6、循環ポンプ7、配管8、外気を取り入れる外気取り入れ口9、循環水槽10及び熱交換器11より構成されている。
【0013】この実施の形態の外気調和機では、エアワッシャ3へ供給する水を冷却する熱交換器11を有し、この熱交換器11で冷却した水をエアワッシャ3へ供給して噴霧させる点に特徴がある。
【0014】次に、この実施の形態の動作について説明する。外気取り入れ口9から取り入れた外気は、平均温度計2の制御によって、ヒーティングコイル1で10℃以上に加温された後、エアワッシャ3より噴霧される水により加湿及び除塵される。このエアワッシャ3で用いられる水は、熱交換器11により冷却された水である。エアワッシャ3により噴霧された水は加湿により消費されるが、消費されない余剰の水が循環水槽10に溜まり、循環ポンプ7により再度熱交換器11を介してエアワッシャ3に供給される。また、配管10を通して不足分の水が熱交換器11に供給され、ここで冷却された後エアワッシャ3に供給される。
【0015】従って、エアワッシャ3に供給される水は、循環ポンプ7により循環される循環水槽10からの加湿余剰水と、配管10を通して供給される水とからなり、これらはいずれも熱交換器11により冷却されてからエアワッシャ3に供給されることとなる。従って、循環水槽10に溜まる加湿余剰水も常温よりも低い温度となっており、常温で繁殖可能な微生物の繁殖を防止できる。
【0016】エアワッシャ3から噴霧された水により、外気中に気化している窒素酸化物及び硫黄酸化物が溶解されて除去された外気は、クリーンコイル4で除湿され、更にヒーティングコイル5で加温された後、ファン6により室内に窒素酸化物及び硫黄酸化物が除去された空気として送られる。ここで、エアワッシャ3から噴霧された水は冷却水であるので、外気中に気化している窒素酸化物及び硫黄酸化物の除去効果は、常温の水を使用する従来に比べて大きい。
【0017】次に、本発明の他の実施の形態について説明する。この実施の形態は、構成は図1と同じであるが、熱交換器11で冷却する水の水温を10℃とするものである。これにより、エアワッシャ3で噴霧される水が10℃であるため、クーリングコイル4を通過する外気の温度は10℃以上になっており、その後ヒーティングコイル5で加温することで、クリーンルームに供給される空気(23℃、45%)の条件を容易に満たすことができる。その後ファン6により室内に窒素酸化物及び硫黄酸化物が除去された空気として送られる。
【0018】これらのことを、図2の湿り空気線図を用いて説明する。この湿り空気線図は、横軸が温度、縦軸が絶対湿度を示している。図1の外気取り入れ口9より取り入れられた外気が温度8℃、湿度40%であるものとすると、図2の湿り空気線図中のA点で示す状態にあり、ヒーティングコイル1により10℃以上に加温されるので、ヒーティングコイル1を通過した外気は、図2のB点の状態になる。
【0019】次に、10℃の水がエアワッシャ3で噴霧されることにより、エアワッシャ3を通過した外気は、図2のC点の状態となる。この後、外気はクーリングコイル4で除湿されて図2にD点で示す状態とされた後、最後にヒーティングコイル5で過熱されることにより、図2にE点で示す状態とされてから室内に供給される。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、循環水槽からの水と配管からの水とをそれぞれ熱交換器等の冷却手段により冷却された水をエアワッシャから噴霧させるようにしたため、外気中に気体として存在する窒素酸化物、硫黄酸化物のエアワッシャからの水による除去効果を従来に比べて向上することができる。
【0021】また、本発明によれば、循環水槽に溜まる、エアワッシャで加湿、除塵、不純物除去に使われた水の余剰水が低温であるので、循環水槽内の水にレジオネラ菌等の常温の水中で繁殖可能な微生物が繁殖することを従来に比べて抑制することができる。
【出願人】 【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
【出願日】 平成9年(1997)12月10日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 兼行
【公開番号】 特開平11−173600
【公開日】 平成11年(1999)6月29日
【出願番号】 特願平9−339920