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【発明の名称】 空気調和機用室内機
【発明者】 【氏名】竹内 牧男

【要約】 【課題】簡単な構成で、しかも通風抵抗を増大させることなく、エアフィルターの清掃を行い得るようにする。

【解決手段】室内空気Wを吸い込む空気吸込口9に吸込グリル11を設けるとともに、該吸込グリル11の内方に室内空気W中の塵埃等を捕捉するエアフィルター12を配設してなる空気調和機用室内機において、前記空気吸込口9の口縁部適所に、電気掃除機の吸込ノズルを嵌挿する挿入口15を形成するとともに、該挿入口15から前記エアフィルター12の吸込側に対向して形成された多数の吸引口16,16・・に至る吸引空気通路17を形成して、挿入口15に電気掃除機の吸込ノズルを嵌挿するだけで、エアフィルター12に付着している塵埃が吸引口16,16・・から吸引空気通路17を介して電気掃除機に吸引されるようにしている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 室内空気(W)を吸い込む空気吸込口(9)に吸込グリル(11)を設けるとともに、該吸込グリル(11)の内方に室内空気(W)中の塵埃等を捕捉するエアフィルター(12)を配設してなる空気調和機用室内機であって、前記空気吸込口(9)の口縁部適所には、電気掃除機の吸込ノズル(14)を嵌挿する挿入口(15)を形成するとともに、該挿入口(15)から前記エアフィルター(12)の吸込側に対向して形成された多数の吸引口(16),(16)・・に至る吸引空気通路(17)を形成したことを特徴とする空気調和機用室内機。
【請求項2】 前記吸引口(16),(16)・・を、前記吸込グリル(11)を構成する多数の桟(11b),(11b)・・に形成するとともに、前記吸引空気通路(17)の一部を、前記吸込グリル(11)を構成する外周枠(11a)および桟(11b),(11b)・・に形成したことを特徴とする前記請求項1記載の空気調和機用室内機。
【請求項3】 前記エアフィルター(12)をフィルター面に平行な方向に往復移動させる移動手段(A)を付設したことを特徴とする前記請求項1および請求項2のいずれか一項記載の空気調和機用室内機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、空気調和機用室内機に関し、さらに詳しくはエアフィルターの清掃機構を備えた空気調和機用室内機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から良く知られている空気調和機用室内機(例えば、天井埋込式の空気調和機)は、図4に示すように、天井Cに形成された開口3の上方に吊下支持された空気調和機本体1と、該空気調和機本体1および前記開口3を覆う化粧パネル2とを備えており、前記空気調和機本体1内には、熱交換器4、ドレンパン5、ファンモータ6、ファン(例えば、ターボファン)7、ベルマウス8等が配設される一方、前記化粧パネル2には、その中央部に位置する空気吸込口9と、該空気吸込口9に近接してその外側に位置する4個の空気吹出口10,10・・とが形成されている。そして、前記空気吸込口9には、吸込グリル11が開閉自在に装着され、該吸込グリル11の内方の吸込空気流路13には、室内空気W中の塵埃を捕捉するエアフィルター12が着脱自在に取り付けられている。
【0003】上記構成の空気調和機の運転時には、室内空気Wが、空気吸込口9から吸込グリル11およびエアフィルター12を通り、ベルマウス8に案内されてファン7に吸入されて付勢され、熱交換器4を通過する過程において冷却あるいは加熱されて調和空気W′となって空気吹出口10,10・・から室内へ吹き出される。
【0004】ところで、空気調和機の累積運転時間が長くなると、エアフィルター12が室内空気Wから捕捉した塵埃によって目詰まりを起こし、吸込空気量が減少するという事態に至る。すると、空気調和機の能力が低下するとともに、ファン7の負担も増加するという不具合が生ずるため、例えば所定の累積運転時間が経過した時点で、フィルター目詰まりサインを出し、ユーザにエアフィルター12の清掃を促すこととなっている。
【0005】上記エアフィルターの清掃は、脚立等に乗って吸込グリル11を開き、この状態でエアフィルター12を取り外すことにより行われ、エアフィルター12の清掃後には上記と逆の手順によりこれらを組み付けることとされている。従って、エアフィルター12の取り外しおよび取り付けは高所作業となり、しかも、エアフィルター12が大形の場合には作業に危険が伴うのみならず、エアフィルター12の清掃に多大な時間および手数を要するという不具合があった。
【0006】そこで、特開平9−184656号公報に開示されているように、エアフィルターに対応してそのフィルター面の全面に付着している塵埃を吸引して清掃する掃除機構を内蔵した空気調和機が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記公知例の空気調和機の場合、エアフィルターの掃除機構を空気調和機に組み込む構成となっているため、構造が複雑化するとともに、機内抵抗を増大させるおそれがある。
【0008】本願発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、簡単な構成で、しかも通風抵抗を増大させることなく、エアフィルターの清掃を行い得るようにすることを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本願発明の基本構成(請求項1の発明)では、上記課題を解決するための手段として、室内空気Wを吸い込む空気吸込口9に吸込グリル11を設けるとともに、該吸込グリル11の内方に室内空気W中の塵埃等を捕捉するエアフィルター12を配設してなる空気調和機用室内機において、前記空気吸込口9の口縁部適所に、電気掃除機の吸込ノズル14を嵌挿する挿入口15を形成するとともに、該挿入口15から前記エアフィルター12の吸込側に対向して形成された多数の吸引口16,16・・に至る吸引空気通路17を形成している。
【0010】上記のように構成したことにより、挿入口15に電気掃除機の吸込ノズル14を嵌挿するだけで、エアフィルター12に付着している塵埃が吸引口16,16・・から吸引空気通路17を介して電気掃除機に吸引されることとなる。従って、室内機内の構造をあまり変更することなく、エアフィルター12の清掃が容易に行えることとなるのである。
【0011】請求項2の発明におけるように、前記吸引口16,16・・を、前記吸込グリル11を構成する多数の桟11b,11b・・に形成するとともに、前記吸引空気通路17の一部を、前記吸込グリル11を構成する外周枠11aおよび桟11b,11b・・に形成した場合、吸込グリル11の構造を少し変更するだけでよくなり、構造をより一層簡略化できる。
【0012】請求項3の発明におけるように、前記エアフィルター12をフィルター面に平行な方向に往復移動させる移動手段Aを付設した場合、吸引口16,16・・と対向するフィルター面が移動することとなり、エアフィルター12の全面からの塵埃除去が可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面を参照して、本願発明の好適な実施の形態について詳述する。
【0014】本実施の形態にかかる空気調和機用室内機は、従来技術の項において説明したものと同様な構成の天井埋込式室内機とされている(図4参照)。
【0015】即ち、天井Cに形成された開口3の上方に吊下支持された空気調和機本体1と、該空気調和機本体1および前記開口3を覆う化粧パネル2とを備えており、前記空気調和機本体1内には、熱交換器4、ドレンパン5、ファンモータ6、ファン(例えば、ターボファン)7、ベルマウス8等が配設される一方、前記化粧パネル2には、その中央部に位置する空気吸込口9と、該空気吸込口9に近接してその外側に位置する4個の空気吹出口10,10・・とが形成されている。そして、前記空気吸込口9には、吸込グリル11が開閉自在に装着され、該吸込グリル11の内方の吸込空気流路13には、室内空気W中の塵埃を捕捉するエアフィルター12が着脱自在に取り付けられている。
【0016】前記化粧パネル2は、四角形形状とされており、その一つの角隅部2a(即ち、空気吸込口9の口縁部)下面には、電気掃除機の吸込ノズル14(図3参照)を嵌挿する挿入口15が形成されている。
【0017】一方、前記吸込グリル11は、矩形状の中空な外周枠11aと、該外周枠11aの対向辺間に架設される多数の中空な桟11b,11b・・とからなっており、該桟11b,11b・・には、前記エアフィルター12の吸込側に対向する多数の吸引口16,16・・が形成されている。そして、前記挿入口15から前記吸引口16,16・・に至る間には、吸引空気通路17が形成されている。つまり、前記外周枠11a内および桟11b,11b・・内は、吸引空気通路17の一部を構成する枠内通路20および桟内通路21,21・・(後述する)を構成することとなっているのである。
【0018】前記吸引空気通路17は、前記挿入口15から前記化粧パネル2内を通って空気吸込口9の口縁に至るパネル内通路18と、該パネル内通路18の内端と前記吸込グリル11を構成する外周枠11a内とを接続するフレキシブルチューブ19と、前記吸込グリル外周枠11a内に形成された枠内通路20と、前記桟11b,11b・・内に形成された桟内通路21とからなっている(図2および図3参照)。前記フレキシブルチューブ19は、吸込グリル11の外周枠11aにおいて前記パネル内通路18の内端と対応する角隅部11cに接続されている。符号26はパネル内通路18内に設けられた逆止弁であり、通常時には図示しない付勢手段により閉弁され、清掃時には電気掃除機の吸引力により開弁されることとなっている。
【0019】また、前記吸込グリル11における外周枠11aに適所(例えば、フレキシブルチューブ19が接続される角隅部11cと対角位置の角隅部11d近傍)には、ピニオン22を駆動軸(図示省略)に枢支した可逆モータ23が配設される一方、前記エアフィルター12の枠体12aにおいて前記ピニオン22と対応する位置には、該ピニオン22と噛合するラック24が設けられている。つまり、前記ピニオン22、可逆モータ23およびラック24は、前記エアフィルター12をフィルター面に平行な方向に往復移動させる移動手段Aを構成することとなっている。符号25はエアフィルター12を移動時に案内するフィルターガイドである。
【0020】上記のように構成された空気調和機用室内機においては、次のような作用効果が得られる。
【0021】空気調和機の運転時には、室内空気Wが、空気吸込口9から吸込グリル11およびエアフィルター12を通り、ベルマウス8に案内されてファン7に吸入されて付勢され、熱交換器4を通過する過程において冷却あるいは加熱されて調和空気W′となって空気吹出口10,10・・から室内へ吹き出される。
【0022】そして、空気調和機の累積運転時間が長くなると、エアフィルター12が室内空気Wから捕捉した塵埃によって目詰まりを起こすので、例えば所定の累積運転時間が経過した時点で、フィルター目詰まりサインが出される。
【0023】上記フィルター目詰まりサインが出されると、電気掃除機の吸込ノズル14を挿入口15に嵌挿し、その状態で電気掃除機を作動させる。同時に、移動手段Aを構成する可逆モータ23を作動させる。すると、電気掃除機の吸引力により逆止弁26が開作動し、吸引空気通路17が開通され、吸引口16,16・・からエアフィルター12に付着している塵埃が空気とともに吸引除去される。このとき、可逆モータ23が所定時間間隔で可逆駆動され、ピニオン22とラック24との噛合によりエアフィルター12がフィルター面に平行に往復移動される。従って、吸引口16,16・・と対向するエアフィルター12のフィルター面が所定時間間隔で往復移動されることとなり、エアフィルター12の全面に付着している塵埃が吸引除去されることとなる。
【0024】上記したように、本実施の形態においては、床面においた電気掃除機の吸込ノズル14を挿入口15に嵌挿するだけで、エアフィルター12の清掃が可能となり、高所作業を行わなくて済むし、エアフィルター12の着脱等の面倒な作業も不要となる。しかも、吸込グリル11を開放することなく且つエアフィルター12を取り外すことなく、エアフィルター12の清掃が行えるため、清掃中においても空気調和機の運転を継続できる。さらに、エアフィルター12の清掃が短時間で行えるところから、作業能率が向上することとなり、メンテナンス費用の低減も可能となる。
【0025】上記説明では、天井埋込式の空気調和機用室内機を実施の形態としているが、本願発明は、壁掛け式あるいは床置き式の空気調和機用室内機にも適用可能なことは勿論である。
【0026】
【発明の効果】本願発明(請求項1の発明)によれば、室内空気Wを吸い込む空気吸込口9に吸込グリル11を設けるとともに、該吸込グリル11の内方に室内空気W中の塵埃等を捕捉するエアフィルター12を配設してなる空気調和機用室内機において、前記空気吸込口9の口縁部適所に、電気掃除機の吸込ノズル14を嵌挿する挿入口15を形成するとともに、該挿入口15から前記エアフィルター12の吸込側に対向して形成された多数の吸引口16,16・・に至る吸引空気通路17を形成して、挿入口15に電気掃除機の吸込ノズル14を嵌挿するだけで、エアフィルター12に付着している塵埃が吸引口16,16・・から吸引空気通路17を介して電気掃除機に吸引されるようにしたので、室内機内の構造をあまり変更することなく且つ通風抵抗を増大させることなく、しかも空気調和機の運転を停止することなく、エアフィルター12の清掃が短時間で行えるという優れた効果がある。なお、天井埋込式の空気調和機用室内機に採用した場合、高所作業が不要となり、作業性が向上するとともに安全性も確保できる。
【0027】請求項2の発明におけるように、前記吸引口16,16・・を、前記吸込グリル11を構成する多数の桟11b,11b・・に形成するとともに、前記吸引空気通路17の一部を、前記吸込グリル11を構成する外周枠11aおよび桟11b,11b・・に形成した場合、吸込グリル11の構造を少し変更するだけでよくなり、構造をより一層簡略化できる。
【0028】請求項3の発明におけるように、前記エアフィルター12をフィルター面に平行な方向に往復移動させる移動手段Aを付設した場合、吸引口16,16・・と対向するフィルター面が移動することとなり、エアフィルター12の全面からの塵埃除去が可能となる。
【出願人】 【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
【出願日】 平成9年(1997)10月24日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】大浜 博
【公開番号】 特開平11−132548
【公開日】 平成11年(1999)5月21日
【出願番号】 特願平9−291901