| 【発明の名称】 |
空気調和装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】吉見 学
【氏名】渡部 裕司
【氏名】谷本 啓介
【氏名】米本 和生
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| 【要約】 |
【課題】調温及び調湿を行う空気調和装置において、強制的な外気導入を不要にするとともに、制御を容易化し、また、効率の向上を図る。
【解決手段】塩化リチウム水溶液から成る吸湿溶液が循環する吸湿溶液回路(10)を設ける。吸湿溶液回路(10)は、透湿膜を介して吸湿溶液と空気との間で水分交換を行わせる室内水分交換器(16)と室外水分交換器(14)とを備える。室外水分交換器(14)の上流側には加熱手段(13)を、室内水分交換器(16)の上流側には冷却手段(15)をそれぞれ設ける一方、加熱手段(13)に流入する吸湿溶液と冷却手段(15)に流入する吸湿溶液との間で熱交換を行わせる熱回収熱交換器(17)を設ける。空気通路(20)における室内水分交換器(16)の下流側には、加湿冷却器(11)を設ける。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 熱及び水分を搬送する吸湿溶液が循環する吸湿溶液回路(10)と、空気を冷却する水蒸発式冷却手段(11)とを備えた空気調和装置であって、上記吸湿溶液回路(10)には、吸湿溶液に循環駆動力を与える循環手段(12)と、透湿膜を備えるとともに空気通路(20)に設けられ、該空気通路(20)を流れる調和対象の第1の空気から該透湿膜を介して吸湿溶液に水分を移動させる第1水分交換手段(16)と、上記第1水分交換手段(16)を流出した吸湿溶液を加熱する加熱手段(13)と、透湿膜を備え、上記加熱手段(13)を流出した吸湿溶液から第2の空気に該透湿膜を介して水分を移動させる第2水分交換手段(14)と、上記第2水分交換手段(14)を流出して上記第1水分交換手段(16)に流入する吸湿溶液を冷却する冷却手段(15)とが設けられている一方、上記水蒸発式冷却手段(11)は、上記空気通路(20)における上記第1水分交換手段(16)の下流側に設けられていることを特徴とする空気調和装置。 【請求項2】 熱及び水分を搬送する吸湿溶液が循環する吸湿溶液回路(10)と、空気を冷却する水蒸発式冷却手段(11)とを備えた空気調和装置であって、上記吸湿溶液回路(10)には、吸湿溶液に循環駆動力を与える循環手段(12)と、空気通路(20)に設けられ、該空気通路(20)を流れる調和対象の第1の空気と吸湿溶液との間で熱交換を行わせる吸湿溶液熱交換器(50)と、透湿膜を備えるとともに上記空気通路(20)の上記吸湿溶液熱交換器(50)の下流側に設けられ、上記第1の空気と上記吸湿溶液との間で該透湿膜を介して水分移動を行わせる第1水分交換手段(16)と、上記第1水分交換手段(16)または上記吸湿溶液熱交換器(50)を流出した吸湿溶液を加熱する加熱手段(13)と、透湿膜を備え、冷房除湿運転時に上記加熱手段(13)を流出した吸湿溶液から第2の空気に該透湿膜を介して水分を移動させる第2水分交換手段(14)と、冷房除湿運転時に上記第2水分交換手段(14)を流出して上記第1水分交換手段(16)または上記吸湿溶液熱交換器(50)に流入する吸湿溶液を冷却する冷却手段(15)とが設けられている一方、上記水蒸発式冷却手段(11)は、上記空気通路(20)における上記第1水分交換手段(16)の下流側に設けられていることを特徴とする空気調和装置。 【請求項3】 請求項1に記載の空気調和装置において、吸湿溶液回路(10)には、加熱手段(13)に流入する吸湿溶液と冷却手段(15)に流入する吸湿溶液との間で熱交換を行わせる熱回収熱交換器(17)が設けられていることを特徴とする空気調和装置。 【請求項4】 請求項1または2のいずれか一つに記載の空気調和装置において、第1水分交換手段(16)は、空気通路(20)において直列に設けられた複数の第1水分交換器(23,24) から構成され、水蒸発式冷却手段(11)は、上記各第1水分交換器(23,24) を流出した第1の空気をそれぞれ冷却する複数の水蒸発式冷却器(25,26) から構成されていることを特徴とする空気調和装置。 【請求項5】 請求項1または2のいずれか一つに記載の空気調和装置において、吸湿溶液回路(10)の加熱手段は、複数のサブ加熱器(31,32) から構成され、第2水分交換手段は、上記各サブ加熱器(31,32) を流出した吸湿溶液からそれぞれ透湿膜を介して第2の空気に水分を移動させる複数の第2水分交換器(33,34) から構成されていることを特徴とする空気調和装置。 【請求項6】 請求項1または2のいずれか一つに記載の空気調和装置において、凝縮器(38)及び蒸発器(40)を備えた冷媒回路(35)を備え、吸湿溶液回路(10)の加熱手段は、上記凝縮器(38)によって構成されている一方、吸湿溶液回路(10)の冷却手段は、上記蒸発器(40)によって構成されていることを特徴とする空気調和装置。 【請求項7】 請求項1または2のいずれか一つに記載の空気調和装置において、冷却塔(46)と、該冷却塔(46)によって冷却された水と吸湿溶液回路(10)の吸湿溶液とを熱交換させる冷却熱交換器(44)とが設けられた水循環回路(43)を備え、吸湿溶液回路(10)の冷却手段は、上記冷却熱交換器(44)によって構成されていることを特徴とする空気調和装置。 【請求項8】 請求項1または2のいずれか一つに記載の空気調和装置において、吸湿溶液回路(10)には、吸湿溶液が流通する伝熱管で成る内管と透湿膜で成る外管とを備えた二重管式の気化式冷却熱交換器(47)が設けられる一方、上記気化式冷却熱交換器(47)には、補給水を供給する給水配管(48)が接続され、吸湿溶液回路(10)の冷却手段は、上記気化式冷却熱交換器(47)によって構成されていることを特徴とする空気調和装置。 【請求項9】 請求項2に記載の空気調和装置において、吸湿溶液回路(10)には、暖房加湿運転時に第1水分交換手段(16)をバイパスさせるバイパス回路(51)が設けられ、暖房加湿運転時には、吸湿溶液熱交換器(50)によって加熱した第1の空気を、水蒸発式冷却手段(11)によって加湿することを特徴とする空気調和装置。 【請求項10】 請求項9に記載の空気調和装置において、暖房加湿運転時に水蒸発式冷却手段(11)の作動を停止させるコントローラ(70)を備え、暖房加湿運転時には、吸湿溶液熱交換器(50)によって加熱した第1の空気を、第1水分交換手段(16)によって加湿することを特徴とする空気調和装置。 【請求項11】 請求項10に記載の空気調和装置において、吸湿溶液回路(10)には、該吸湿溶液回路(10)に補給水を供給する給水配管(57)が接続されていることを特徴とする空気調和装置。 【請求項12】 請求項1または2のいずれか一つに記載の空気調和装置において、吸湿溶液回路(10)には、第1水分交換手段(16)をバイパスさせる第1バイパス回路(51)と、該第1バイパス回路(51)に設けられて吸湿溶液のバイパス量を調節する第1流量調整手段(52)とが設けられていることを特徴とする空気調和装置。 【請求項13】 請求項1または2のいずれか一つに記載の空気調和装置において、吸湿溶液回路(10)には、第2水分交換手段(14)をバイパスさせる第2バイパス回路(54)と、該第2バイパス回路(54)に設けられて吸湿溶液のバイパス量を調節する第2流量調整手段(55)とが設けられていることを特徴とする空気調和装置。 【請求項14】 請求項1に記載の空気調和装置において、循環手段(12)、加熱手段(13)、第2水分交換手段(14)、及び冷却手段(15)は、室外ユニット(91)に収納されている一方、第1水分交換手段(16)及び水蒸発式冷却手段(11)は、室内ユニット(90)に収納されていることを特徴とする空気調和装置。 【請求項15】 請求項2に記載の空気調和装置において、循環手段(12)、加熱手段(13)、第2水分交換手段(14)、及び冷却手段(15)は、室外ユニット(91)に収納されている一方、吸湿溶液熱交換器(50)、第1水分交換手段(16)及び水蒸発式冷却手段(11)は、室内ユニット(90)に収納されていることを特徴とする空気調和装置。 【請求項16】 請求項14または15のいずれか一つに記載の空気調和装置において、冷却手段(15)は、気化式熱交換手段(47)で構成され、室外ユニット(91)には、上記気化式熱交換手段(47)に補給水を供給する室外給水配管(48)が設けられ、室内ユニット(90)の水蒸発式冷却手段(11)には、上記室外給水配管(48)から延びる給水配管が接続されていることを特徴とする空気調和装置。 【請求項17】 請求項1または2のいずれか一つに記載の空気調和装置において、冷却塔(46)と複数の吸湿溶液回路(10,10,…)とを備え、各吸湿溶液回路(10)の冷却手段は、上記冷却塔(46)から供給される冷水と吸湿溶液とを熱交換させて該吸湿溶液を冷却する冷却熱交換器(44)をそれぞれ備える一方、上記各吸湿溶液回路(10)の加熱手段は、吸湿溶液を加熱するガス燃焼機(61)をそれぞれ備えていることを特徴とする空気調和装置。 【請求項18】 請求項1または2のいずれか一つに記載の空気調和装置において、冷却塔(46)、温水を生成する加熱源、及び複数の吸湿溶液回路(10,10,…)を備え、上記各吸湿溶液回路(10)の冷却手段は、上記冷却塔(46)から供給される冷水と吸湿溶液とを熱交換させて該吸湿溶液を冷却する冷却熱交換器(44)をそれぞれ備える一方、上記各吸湿溶液回路(10)の加熱手段は、上記加熱源から供給される温水と吸湿溶液とを熱交換させて該吸湿溶液を加熱する加熱熱交換器(65)をそれぞれ備えていることを特徴とする空気調和装置。 【請求項19】 請求項1または2のいずれか一つに記載の空気調和装置において、冷却塔(46)と複数の吸湿溶液回路(10,10,…)とを備え、上記各吸湿溶液回路(10)の冷却手段は、上記冷却塔(46)から供給される冷水と吸湿溶液とを熱交換させて該吸湿溶液を冷却する冷却熱交換器(44)をそれぞれ備える一方、上記冷却塔(46)と上記各冷却熱交換器(44)とが配管を介して接続されることによって冷水循環回路(66)が構成され、水蒸発式冷却手段(11)または吸湿溶液回路(10)には、上記冷水循環回路(66)の水を供給する補給水配管(67)が接続されていることを特徴とする。 【請求項20】 請求項1または2のいずれか一つに記載の空気調和装置において、温水を生成する加熱源と複数の吸湿溶液回路(10,10,…)とを備え、上記各吸湿溶液回路(10)の加熱手段は、上記加熱源から供給される温水と吸湿溶液とを熱交換させて該吸湿溶液を加熱する加熱熱交換器(65)をそれぞれ備える一方、上記加熱源と上記各加熱熱交換器(65)とが配管を介して接続されることによって温水循環回路(64)が構成され、水蒸発式冷却手段(11)または吸湿溶液回路(10)には、上記温水循環回路(64)の水を供給する補給水配管(67)が接続されていることを特徴とする空気調和装置。 【請求項21】 請求項1または2のいずれか一つに記載の空気調和装置において、吸湿溶液には、マイクロカプセル状の潜熱蓄熱剤が混入されていることを特徴とする空気調和装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、空気調和装置に係り、特に、調和対象空気の温度調節と湿度調節とを行う空気調和装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来より、例えば特開平5−115737号公報や特開平7−120021号公報に開示されているように、冷凍機を使用せずに冷房及び除湿を行う空気調和装置が知られている。 【0003】例えば、図21に示すように、特開平5−115737号公報に開示された空調システムは、固体吸着剤を塗布したロータ型吸着素子a、再生用加熱手段b、顕熱熱交換器c、水蒸発式冷却器d、及び送気手段e,fを備えている。そして、送気手段fにより、室内空気jを顕熱熱交換器c、再生用加熱手段b、ロータ型吸着素子aの順に流通させる一方、送気手段eにより、室外iから導入した室外空気gをロータ型吸着素子aにて除湿し、顕熱熱交換器c及び水蒸発式冷却器dで冷却した後、室内hに供給している。 【0004】つまり、調和対象空気たる室外空気gをロータ型吸着素子aにより除湿し、その後、水蒸発式冷却器dで加湿冷却している。ロータ型吸着素子aにおける除湿量は水蒸発式冷却器dにおける加湿量よりも多いので、結果的に室外空気gは冷却及び除湿されることになる。空気調和に必要な熱源は上記ロータ型吸着素子aを再生させるための加熱源bのみで足りるので、冷却のための冷凍機は不要となる。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】ところが、上記空調システムでは、ロータ型吸着素子aの吸着及び再生を行うために、送気手段e,fにより室内空気jの強制的排出と室外空気gの強制的導入とを同時に行う必要があり、送気手段eによる室外空気gの導入を行わずに室内空気jを循環させる空調システムには適用不可能であった。 【0006】また、固体吸着剤を塗布したロータ型吸着素子aを用いているために、再生のために必要な加熱量が大きかった。つまり、再生用加熱手段bにおける加熱量が大きかった。そのため、システムの効率向上には限界があった。 【0007】また、冷房運転と暖房運転とが可能な可逆運転自在な空調システムを構成するためには、冷房運転時と暖房運転時とで排気と吸気の空気流通経路を逆転させる必要があり、システムの構造が複雑になっていた。 【0008】本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、強制的な外気導入が不要であり、制御が容易かつ高効率な空調システムを提供することにある。 【0009】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明は、透湿膜を通じて吸湿溶液と空気との間で水分移動を行わせる水分交換手段が設けられた吸湿溶液回路(10)と、空気を加湿冷却する水蒸発式冷却手段(11)とを用いることとした。 【0010】具体的には、請求項1に記載の発明は、熱及び水分を搬送する吸湿溶液が循環する吸湿溶液回路(10)と、空気を冷却する水蒸発式冷却手段(11)とを備えた空気調和装置であって、上記吸湿溶液回路(10)には、吸湿溶液に循環駆動力を与える循環手段(12)と、透湿膜を備えるとともに空気通路(20)に設けられ、該空気通路(20)を流れる調和対象の第1の空気から該透湿膜を介して吸湿溶液に水分を移動させる第1水分交換手段(16)と、上記第1水分交換手段(16)を流出した吸湿溶液を加熱する加熱手段(13)と、透湿膜を備え、上記加熱手段(13)を流出した吸湿溶液から第2の空気に該透湿膜を介して水分を移動させる第2水分交換手段(14)と、上記第2水分交換手段(14)を流出して上記第1水分交換手段(16)に流入する吸湿溶液を冷却する冷却手段(15)とが設けられている一方、上記水蒸発式冷却手段(11)は、上記空気通路(20)における上記第1水分交換手段(16)の下流側に設けられていることとしたものである。 【0011】上記発明特定事項により、第1水分交換手段(16)を流出した低濃度の吸湿溶液は、加熱手段(13)によって加熱されて温度が上昇する。この吸湿溶液は、第2水分交換手段(14)において第2の空気に水分を放出して高濃度の吸湿溶液となる。この吸湿溶液は、冷却手段(15)によって冷却され、低温かつ高濃度の吸湿溶液となって第1水分交換手段(16)に供給される。そして、この吸湿溶液は、第1水分交換手段(16)において、第1の空気から水分を吸収し、第1の空気を除湿する。除湿された第1の空気は、第1水分交換手段(16)を流出した後、水蒸発式冷却手段(11)によってやや加湿されるとともに冷却される。その結果、第1の空気は、冷却及び除湿されることになる。 【0012】このように、吸湿溶液が吸湿溶液回路(10)を循環することにより吸湿溶液の吸湿及び再生が行われるので、室外空気の強制的導入が不要となる。また、固体吸着式のデシカントローター方式では再生温度が高くて高温の熱源が必要であるが、本発明のような溶液方式では、再生温度が低く、熱源として低温の排熱を利用することができる。 【0013】請求項2に記載の発明は、熱及び水分を搬送する吸湿溶液が循環する吸湿溶液回路(10)と、空気を冷却する水蒸発式冷却手段(11)とを備えた空気調和装置であって、上記吸湿溶液回路(10)には、吸湿溶液に循環駆動力を与える循環手段(12)と、空気通路(20)に設けられ、該空気通路(20)を流れる調和対象の第1の空気と吸湿溶液との間で熱交換を行わせる吸湿溶液熱交換器(50)と、透湿膜を備えるとともに上記空気通路(20)の上記吸湿溶液熱交換器(50)の下流側に設けられ、上記第1の空気と上記吸湿溶液との間で該透湿膜を介して水分移動を行わせる第1水分交換手段(16)と、上記第1水分交換手段(16)または上記吸湿溶液熱交換器(50)を流出した吸湿溶液を加熱する加熱手段(13)と、透湿膜を備え、冷房除湿運転時に上記加熱手段(13)を流出した吸湿溶液から第2の空気に該透湿膜を介して水分を移動させる第2水分交換手段(14)と、冷房除湿運転時に上記第2水分交換手段(14)を流出して上記第1水分交換手段(16)または上記吸湿溶液熱交換器(50)に流入する吸湿溶液を冷却する冷却手段(15)とが設けられている一方、上記水蒸発式冷却手段(11)は、上記空気通路(20)における上記第1水分交換手段(16)の下流側に設けられていることとしたものである。 【0014】上記発明特定事項により、冷房除湿運転時には、第1水分交換手段(16)または吸湿溶液熱交換器(50)を流出した低濃度の吸湿溶液は、加熱手段(13)によって加熱されて温度が上昇する。この吸湿溶液は、第2水分交換手段(14)において第2の空気に水分を放出して高濃度の吸湿溶液となる。この吸湿溶液は、冷却手段(15)によって冷却され、低温かつ高濃度の吸湿溶液となって吸湿溶液熱交換器(50)または第1水分交換手段(16)に供給される。この吸湿溶液は、吸湿溶液熱交換器(50)において第1の空気を冷却する一方、第1水分交換手段(16)において第1の空気から水分を吸収し、第1の空気を除湿する。除湿された第1の空気は、水蒸発式冷却手段(11)によってやや加湿されるとともに冷却される。その結果、第1の空気は冷却及び除湿されることになる。 【0015】一方、暖房加湿運転時には、加熱手段(13)によって加熱された吸湿溶液は、吸湿溶液熱交換器(50)を流通して第1の空気を加熱する。一方、第1の空気は、加熱された後、第1水分交換手段(16)または水蒸発式冷却手段(11)で加湿される。その結果、第1の空気は加熱及び加湿されることになる。 【0016】このように、室外空気の導入が不要になるとともに、冷房運転時と暖房運転時とで空気流通経路を逆転させる必要がなくなる。 【0017】請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の空気調和装置において、吸湿溶液回路(10)には、加熱手段(13)に流入する吸湿溶液と冷却手段(15)に流入する吸湿溶液との間で熱交換を行わせる熱回収熱交換器(17)が設けられていることとしたものである。 【0018】上記発明特定事項により、冷却手段(15)に流入する吸湿溶液から加熱手段(13)に流入する吸湿溶液に向かって熱が移動する。そのため、冷却手段(15)に流入する吸湿溶液はより低温になり、加熱手段(13)に流入する吸湿溶液はより高温になる。従って、冷却手段(15)における冷却量及び加熱手段(13)における加熱量が低減され、空調システムの効率が向上する。 【0019】請求項4に記載の発明は、請求項1または2のいずれか一つに記載の空気調和装置において、第1水分交換手段(16)は、空気通路(20)において直列に設けられた複数の第1水分交換器(23,24) から構成され、水蒸発式冷却手段(11)は、上記各第1水分交換器(23,24) を流出した第1の空気をそれぞれ冷却する複数の水蒸発式冷却器(25,26) から構成されていることとしたものである。 【0020】上記発明特定事項により、第1の空気の除湿及び加湿冷却が段階的に複数回行われるので、各第1水分交換手段(23,24) における除湿量を少なくすることができる。そのため、吸湿溶液の濃度を低くすることができ、空調システムの効率が向上する。 【0021】請求項5に記載の発明は、請求項1または2のいずれか一つに記載の空気調和装置において、吸湿溶液回路(10)の加熱手段は、複数のサブ加熱器(31,32) から構成され、第2水分交換手段は、上記各サブ加熱器(31,32) を流出した吸湿溶液からそれぞれ透湿膜を介して第2の空気に水分を移動させる複数の第2水分交換器(33,34) から構成されていることとしたものである。 【0022】上記発明特定事項により、吸湿溶液の加熱及び放湿の再生動作が段階的に複数回行われるので、各第2水分交換器(33,34) における放湿量を少なくすることができる。そのため、再生温度を低くすることができ、空調システムの効率が向上する。また、加熱手段として低レベル(低温度)の熱源を用いることができる。 【0023】請求項6に記載の発明は、請求項1または2のいずれか一つに記載の空気調和装置において、凝縮器(38)及び蒸発器(40)を備えた冷媒回路(35)を備え、吸湿溶液回路(10)の加熱手段は、上記凝縮器(38)によって構成されている一方、吸湿溶液回路(10)の冷却手段は、上記蒸発器(40)によって構成されていることとしたものである。 【0024】上記発明特定事項により、冷媒回路(35)によって吸湿溶液回路(10)の加熱手段及び冷却手段の双方が同時に構成されることになる。そのため、加熱手段及び冷却手段を簡易に構成することができる。 【0025】請求項7に記載の発明は、請求項1または2のいずれか一つに記載の空気調和装置において、冷却塔(46)と、該冷却塔(46)によって冷却された水と吸湿溶液回路(10)の吸湿溶液とを熱交換させる冷却熱交換器(44)とが設けられた水循環回路(43)を備え、吸湿溶液回路(10)の冷却手段は、上記冷却熱交換器(44)によって構成されていることとしたものである。 【0026】上記発明特定事項により、冷凍機を用いることなく冷却手段が構成されることになる。 【0027】請求項8に記載の発明は、請求項1または2のいずれか一つに記載の空気調和装置において、吸湿溶液回路(10)には、吸湿溶液が流通する伝熱管で成る内管と透湿膜で成る外管とを備えた二重管式の気化式冷却熱交換器(47)が設けられる一方、上記気化式冷却熱交換器(47)には、補給水を供給する給水配管(48)が接続され、吸湿溶液回路(10)の冷却手段は、上記気化式冷却熱交換器(47)によって構成されていることとしたものである。 【0028】上記発明特定事項により、給水配管(48)を通じて気化式冷却熱交換器(47)に導入された水は、透湿膜を通じて空気中に蒸発する。そのため、内管内を流れる吸湿溶液は、水の蒸発潜熱により冷却される。従って、冷却塔(46)を用いることなくより簡単な構成により、吸湿溶液回路(10)の冷却手段が得られることになる。 【0029】請求項9に記載の発明は、請求項2に記載の空気調和装置において、吸湿溶液回路(10)には、暖房加湿運転時に第1水分交換手段(16)をバイパスさせるバイパス回路(51)が設けられ、暖房加湿運転時には、吸湿溶液熱交換器(50)によって加熱した第1の空気を、水蒸発式冷却手段(11)によって加湿することとしたものである。 【0030】上記発明特定事項により、第1の空気は吸湿溶液熱交換器(50)によって加熱された後、水蒸発式冷却手段(11)によって加湿される。その結果、第1の空気は加熱及び加湿され、暖房加湿が行われる。 【0031】請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の空気調和装置において、暖房加湿運転時に水蒸発式冷却手段(11)の作動を停止させるコントローラ(70)を備え、暖房加湿運転時には、吸湿溶液熱交換器(50)によって加熱した第1の空気を、第1水分交換手段(16)によって加湿することとしたものである。 【0032】上記発明特定事項により、第1の空気は吸湿溶液熱交換器(50)によって加熱された後、第1水分交換手段(16)によって加湿される。その結果、第1の空気は加熱及び加湿され、暖房加湿が行われる。 【0033】請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の空気調和装置において、吸湿溶液回路(10)には、該吸湿溶液回路(10)に補給水を供給する給水配管(57)が接続されていることとしたものである。 【0034】上記発明特定事項により、第1水分交換手段(16)から第1の空気に放出された分の水分が給水配管(57)を通じて吸湿溶液回路(10)に補給される。そのため、吸湿溶液回路(10)の吸湿溶液の濃度が所定値に維持され、加湿が安定して行われる。 【0035】請求項12に記載の発明は、請求項1または2のいずれか一つに記載の空気調和装置において、吸湿溶液回路(10)には、第1水分交換手段(16)をバイパスさせる第1バイパス回路(51)と、該第1バイパス回路(51)に設けられて吸湿溶液のバイパス量を調節する第1流量調整手段(52)とが設けられていることとしたものである。 【0036】上記発明特定事項により、第1流量調整手段(52)が第1バイパス回路(51)を流れる吸湿溶液の流量、つまりバイパス量を調節することにより、第1水分交換手段(16)における除湿量または加湿量が調節され、湿度制御が行われる。 【0037】請求項13に記載の発明は、請求項1または2のいずれか一つに記載の空気調和装置において、吸湿溶液回路(10)には、第2水分交換手段(14)をバイパスさせる第2バイパス回路(54)と、該第2バイパス回路(54)に設けられて吸湿溶液のバイパス量を調節する第2流量調整手段(55)とが設けられていることとしたものである。 【0038】上記発明特定事項により、第2流量調整手段(55)が第2バイパス回路(54)を流れる吸湿溶液の流量、つまりバイパス量を調節することにより、第1水分交換手段(16)における水分交換量に応じて第2水分交換手段(14)における水分交換量が調節される。そのため、吸湿溶液の濃度が所定値に維持され、安定した湿度制御が行われる。 【0039】請求項14に記載の発明は、請求項1に記載の空気調和装置において、循環手段(12)、加熱手段(13)、第2水分交換手段(14)、及び冷却手段(15)は、室外ユニット(91)に収納されている一方、第1水分交換手段(16)及び水蒸発式冷却手段(11)は、室内ユニット(90)に収納されていることとしたものである。 【0040】請求項15に記載の発明は、請求項2に記載の空気調和装置において、循環手段(12)、加熱手段(13)、第2水分交換手段(14)、及び冷却手段(15)は、室外ユニット(91)に収納されている一方、吸湿溶液熱交換器(50)、第1水分交換手段(16)及び水蒸発式冷却手段(11)は、室内ユニット(90)に収納されていることとしたものである。 【0041】上記請求項14〜15の各発明特定事項により、室内ユニット(90)と室外ユニット(91)とをつなぐ連絡配管は吸湿溶液回路(10)の配管のみで足り、据え付け工事が容易になる。 【0042】請求項16に記載の発明は、請求項14または15のいずれか一つに記載の空気調和装置において、冷却手段(15)は、気化式熱交換手段(47)で構成され、室外ユニット(91)には、上記気化式熱交換手段(47)に補給水を供給する室外給水配管(48)が設けられ、室内ユニット(90)の水蒸発式冷却手段(11)には、上記室外給水配管(48)から延びる給水配管が接続されていることとしたものである。 【0043】上記発明特定事項により、室内ユニット(90)の水蒸発式冷却手段(11)には、室外給水配管(48)を通じて補給水が供給される。そのため、補給水の供給源が共通化される。なお、気化式熱交換手段とは、水を蒸発させることにより他の熱交換媒体と水とを熱交換させる熱交換手段であり、例えば、吸湿溶液が流通する伝熱管で成る内管と等質膜で成る外管とを備えた二重管式の気化式冷却熱交換器や、冷却塔などが含まれる。 【0044】請求項17に記載の発明は、請求項1または2のいずれか一つに記載の空気調和装置において、冷却塔(46)と複数の吸湿溶液回路(10,10,…)とを備え、各吸湿溶液回路(10)の冷却手段は、上記冷却塔(46)から供給される冷水と吸湿溶液とを熱交換させて該吸湿溶液を冷却する冷却熱交換器(44)をそれぞれ備える一方、上記各吸湿溶液回路(10)の加熱手段は、吸湿溶液を加熱するガス燃焼機(61)をそれぞれ備えていることとしたものである。 【0045】上記発明特定事項により、各吸湿溶液回路(10)において、吸湿溶液の加熱は、各吸湿溶液回路(10)に対応して設けられたガス燃焼機(61)によって行われる一方、吸湿溶液の冷却は、共通の冷却塔(46)から供給される冷水によって行われる。従って、吸湿溶液回路(10)の冷却手段が共通化されることになる。 【0046】請求項18に記載の発明は、請求項1または2のいずれか一つに記載の空気調和装置において、冷却塔(46)、温水を生成する加熱源、及び複数の吸湿溶液回路(10,10,…)を備え、上記各吸湿溶液回路(10)の冷却手段は、上記冷却塔(46)から供給される冷水と吸湿溶液とを熱交換させて該吸湿溶液を冷却する冷却熱交換器(44)をそれぞれ備える一方、上記各吸湿溶液回路(10)の加熱手段は、上記加熱源から供給される温水と吸湿溶液とを熱交換させて該吸湿溶液を加熱する加熱熱交換器(65)をそれぞれ備えていることとしたものである。 【0047】上記発明特定事項により、各吸湿溶液回路(10)において、吸湿溶液の加熱は、共通の加熱源から供給される温水によって行われる一方、吸湿溶液の冷却は、共通の冷却塔(46)から供給される冷水によって行われる。従って、吸湿溶液回路(10)の加熱手段及び冷却手段が共通化されることになる。 【0048】請求項19に記載の発明は、請求項1または2のいずれか一つに記載の空気調和装置において、冷却塔(46)と複数の吸湿溶液回路(10,10,…)とを備え、上記各吸湿溶液回路(10)の冷却手段は、上記冷却塔(46)から供給される冷水と吸湿溶液とを熱交換させて該吸湿溶液を冷却する冷却熱交換器(44)をそれぞれ備える一方、上記冷却塔(46)と上記各冷却熱交換器(44)とが配管を介して接続されることによって冷水循環回路(66)が構成され、水蒸発式冷却手段(11)または吸湿溶液回路(10)には、上記冷水循環回路(66)の水を供給する補給水配管(67)が接続されていることとしたものである。 【0049】上記発明特定事項により、各吸湿溶液回路(10)において、吸湿溶液の冷却は、共通の冷却塔(46)から供給される冷水によって行われる。また、水蒸発式冷却手段(11)または吸湿溶液回路(10)への水補給には、冷水循環回路(66)の水が使用される。そのため、吸湿溶液回路(10)の冷却手段、及び水蒸発式冷却手段(11)または吸湿溶液回路(10)の水補給手段が共通化されることになる。 【0050】請求項20に記載の発明は、請求項1または2のいずれか一つに記載の空気調和装置において、温水を生成する加熱源と複数の吸湿溶液回路(10,10,…)とを備え、上記各吸湿溶液回路(10)の加熱手段は、上記加熱源から供給される温水と吸湿溶液とを熱交換させて該吸湿溶液を加熱する加熱熱交換器(65)をそれぞれ備える一方、上記加熱源と上記各加熱熱交換器(65)とが配管を介して接続されることによって温水循環回路(64)が構成され、水蒸発式冷却手段(11)または吸湿溶液回路(10)には、上記温水循環回路(64)の水を供給する補給水配管(67)が接続されていることとしたものである。 【0051】上記発明特定事項により、各吸湿溶液回路(10)において、吸湿溶液の加熱は、共通の加熱源から供給される温水によって行われる。また、水蒸発式冷却手段(11)または吸湿溶液回路(10)への水補給には、温水循環回路(64)の水が使用される。そのため、吸湿溶液回路(10)の加熱手段と、水蒸発式冷却手段(11)または吸湿溶液回路(10)の水補給手段とが共通化されることになる。 【0052】請求項21に記載の発明は、請求項1または2のいずれか一つに記載の空気調和装置において、吸湿溶液には、マイクロカプセル状の潜熱蓄熱剤が混入されていることとしたものである。 【0053】上記発明特定事項により、吸湿溶液の熱搬送能力が増大する。そのため、空調システムの効率が向上する。 【0054】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。 【0055】<実施形態1>実施形態1は、透湿膜を備えた水分交換手段である水分交換器(16)及び水蒸発式冷却手段である加湿冷却器(11)により、室内空気を冷却及び除湿する冷房機である。 【0056】−空気調和装置(1) の構成−図1に示すように、空気調和装置(1) は、吸湿溶液回路(10)と加湿冷却器(11)とを備えている。 【0057】吸湿溶液回路(10)は、熱及び水分を搬送する吸湿溶液(例えば、塩化リチウム水溶液等)が循環する回路である。吸湿溶液回路(10)は、吸湿溶液を循環させる循環手段としてのポンプ(12)、吸湿溶液を加熱する加熱手段(13)、透湿膜を介して吸湿溶液中の水分を室外空気に放出することによって吸湿溶液を再生する室外水分交換器(14)、吸湿溶液を冷却する冷却手段(15)、及び透湿膜を介して室内空気の水分を吸湿溶液に吸収する室内水分交換器(16)が順に接続されて構成されている。この吸湿溶液回路(10)には、高温の吸湿溶液と低温の吸湿溶液とを熱交換させる熱回収熱交換器(17)が設けられている。熱回収熱交換器(17)の低温側熱交換部(18)は、ポンプ(12)と加熱手段(13)との間に設けられている。一方、熱回収熱交換器(17)の高温側熱交換部(19)は、室外水分交換器(14)と冷却手段(15)との間に設けられている。 【0058】室外水分交換器(14)及び室内水分交換器(16)は共に、水蒸気の通過を許容する透湿膜を備え、透湿膜の外側を流れる空気と透湿膜の内側を流れる吸湿溶液との間で水分交換をさせるように構成されている。つまり、両水分交換器(14),(16)は、吸湿溶液と空気とが透湿膜を介して接触するように構成されている。 【0059】加熱手段(13)は、室外水分交換器(14)における吸湿溶液と室外空気との水蒸気分圧の差が所定値となるように、室外水分交換器(14)に流入する吸湿溶液を加熱して昇温する。上記の所定値とは、室内水分交換器(16)において吸収した水分量に相当する水分量が室外水分交換器(14)から室外空気に放出されるような値である。加熱手段(13)には、電気ヒータ等を用いることができる。また、コジェネレーションシステムの廃熱等と吸湿溶液とを熱交換させる熱交換器等を用いてもよい。 【0060】冷却手段(15)は、室内水分交換器(16)における室内空気と吸湿溶液との水蒸気分圧の差が所定値となるように、室内水分交換器(16)に流入する吸湿溶液を冷却し、その温度を低下させる。ここで、所定値とは、室内空気の除湿量が制御目標値となるような値である。 【0061】熱回収熱交換器(17)は、液体同士を熱交換させる熱交換器であり、本実施形態では二重管式の熱交換器で構成されている。 【0062】加湿冷却器(11)は、例えば、噴霧した水滴を蒸発させることにより空気から熱を奪う冷却器等であり、冷却と同時に空気を加湿する水蒸発式冷却器である。加湿冷却器(11)は、空気通路(20)における室内水分交換器(16)の下流側に設けられ、室内水分交換器(16)を流出した室内空気を加湿冷却する水蒸発式冷却手段を構成している。加湿冷却器(11)には、補給水を供給する給水配管(21)が接続されている。給水配管(21)には開閉弁(22)が設けられており、開閉弁(22)の開閉動作により、図示しないタンクから給水配管(21)を通じて、加湿冷却器(11)に補給水が適宜供給されるようになっている。 【0063】ポンプ(12)、熱回収熱交換器(17)、加熱手段(13)、室外水分交換器(14)、及び冷却手段(15)は、室外に配置された室外ユニット(91)に収納されている。一方、室内水分交換器(16)及び加湿冷却器(11)は、室内に配置された室内ユニット(90)に収納されている。これら室内ユニット(90)及び室外ユニット(91)が配管を介して接続されることにより、吸湿溶液回路(10)が形成されている。なお、空気通路(20)は、室内ユニット(90)内に形成されている。 【0064】−空気調和装置(1) の動作−次に、図2を参照しながら、空気調和装置(1) の動作について説明する。 【0065】吸湿溶液回路(10)にあっては、ポンプ(12)から吐出される吸湿溶液は、室内水分交換器(16)において室内空気を除湿しているので、状態点2dで表される低濃度の状態になっている。この吸湿溶液は、熱回収熱交換器(17)の低温側熱交換部(18)において、高温側熱交換部(19)の吸湿溶液により加熱され、温度が上昇して状態点3dの状態となる。 【0066】低温側熱交換部(18)を流出した吸湿溶液は、加熱手段(13)により加熱され、さらに温度上昇して、状態点4dの高温かつ低濃度の状態になる。 【0067】加熱手段(13)を流出した高温かつ低濃度の吸湿溶液は、室外水分交換器(14)において、室外空気に水分を放出する。つまり、吸湿溶液は、吸湿溶液の水蒸気分圧が室外空気の水蒸気分圧よりも大きくなるように加熱されるため、水蒸気分圧の差が駆動力となり、透湿膜の内側から外側に向かって水分移動が起こる。その結果、室外空気に水分を放出して再生された吸湿溶液は、状態点5dで表されるやや高温かつ高濃度の状態になる。 【0068】室外水分交換器(14)を流出した吸湿溶液は、熱回収熱交換器(17)の高温側熱交換部(19)において、低温側熱交換部(18)の吸湿溶液によって冷却され、温度が低下して状態点6dの状態となる。 【0069】高温側熱交換部(19)を流出した吸湿溶液は、冷却手段(15)によって冷却され、状態点1dで表される低温かつ高濃度の吸湿溶液となる。 【0070】そして、低温かつ高濃度の吸湿溶液は、室内水分交換器(16)において、室内空気から水分を吸収する。つまり、室内空気を除湿する。この際、吸湿溶液は、濃度が低下し、状態点2dで表される状態になる。 【0071】室内水分交換器(16)を流出した吸湿溶液は、ポンプ(12)に吸入され、再び上記循環動作を繰り返す。 【0072】一方、空気通路(20)にあっては、状態点1aで表される室内空気は、室内水分交換器(16)において除湿され、状態点2aの状態になる。室内水分交換器(16)を流出した室内空気は、加湿冷却器(11)によって加湿冷却され、温度が低下するとともに湿度が上昇し、状態点3aの状態になる。このように、室内空気は冷却及び除湿される。 【0073】以上のようにして、室内の冷房及び除湿が行われる。 【0074】−空気調和装置(1) の効果−本空気調和装置(1) によれば、吸湿溶液回路(10)において吸湿溶液を循環させることにより、室内空気の水分除去及び吸湿溶液の再生を行っている。従って、室外空気の強制的導入を行うことなく、室内空気を循環させるだけで、室内の調温及び調湿が可能となる。 【0075】吸湿溶液の再生に際しては、室外水分交換器(14)の透湿膜を通じて室外空気に水分を放出する。そのため、吸湿溶液の温度をあまり高くする必要がなく、加熱手段(13)における加熱量を低減することができる。従って、空調システムの効率を向上させることができる。 【0076】室内ユニット(90)と室外ユニット(91)とを接続する配管系統は、吸湿溶液回路(10)の配管のみである。そのため、耐圧性が必要な冷媒配管と異なり、工事が容易である。従って、空調システムの設置を容易に行うことができる。 【0077】<実施形態2>実施形態2に係る空気調和装置(2) は、室内空気の加湿冷却を2段階に分けて行うものである。 【0078】まず、空気調和装置(2) の構成を説明する。 【0079】図3に示すように、空気調和装置(2) は、実施形態1の空気調和装置(1) において、室内水分交換器(16)を第1室内水分交換器(23)及び第2室内水分交換器(24)に置き換えた構成をしている。 【0080】第1室内水分交換器(23)及び第2室内水分交換器(24)は、室内水分交換器(16)と同様、透湿膜を備え、この透湿膜を通じて吸湿溶液と室内空気との間で水分交換を行うように構成されている。吸湿溶液回路(10)においては、第1室内水分交換器(23)は第2室内水分交換器(24)の下流側に設けられている。一方、空気通路(20)においては、第1室内水分交換器(23)は第2室内水分交換器(24)の上流側に設けられている。 【0081】空気通路(20)における第1室内水分交換器(23)の下流側には、複数の水蒸発式冷却手段の一つとして第1加湿冷却器(25)が設けられている。一方、第2室内水分交換器(24)の下流側には、第2加湿冷却器(26)が設けられている。第1加湿冷却器(25)には、第1開閉弁(29)が設けられた第1給水配管(27)が接続されている。一方、第2加湿冷却器(26)には、第2開閉弁(30)が設けられた第2給水配管(28)が接続されている。第1給水配管(27)及び第2給水配管(28)は図示しないタンクに接続され、各開閉弁(29),(30) が開閉制御されることにより、各加湿冷却器(25),(26) に補給水が適宜供給されるようになっている。 【0082】次に、空気調和装置(2) の動作を説明する。 【0083】吸湿溶液回路(10)にあっては、吸湿溶液は実施形態1と同様に循環する。冷却手段(15)を流出した低温かつ高濃度の吸湿溶液は、第2室内水分交換器(24)及び第1室内水分交換器(23)において、室内空気を除湿して低濃度の吸湿溶液となる。具体的には、図4に示すように、状態点1eの吸湿溶液は、第2室内水分交換器(24)において室内空気から水分を吸収し、状態点2eの状態になる。その後、この状態点2eの吸湿溶液は、第1室内水分交換器(23)において室内空気から水分を吸収し、状態点3eの状態になる。 【0084】空気通路(20)にあっては、状態点1bで表される室内空気は、第1室内水分交換器(23)において除湿され、状態点2bの状態になる。この空気は、第1室内水分交換器(23)を流出後、第1加湿冷却器(25)によって加湿冷却され、状態点3bの状態になる。その後、状態点3bの空気は、第2室内水分交換器(24)において除湿され、状態点4bの状態になる。そして、状態点4bの空気は、第2室内水分交換器(24)において加湿冷却され、状態点5bの状態になる。 【0085】このように、本空気調和装置(2) においては、室内空気の加湿冷却を2段階に分けて行っている。そのため、各室内水分交換器(23),(24) における除湿量を少なくすることができる。言い換えると、各室内水分交換器(23),(24) を通過した後の室内空気(状態点2b,4bの空気)の絶対湿度を大きめにすることができる。従って、吸湿溶液の濃度を低くすることができる。図4に示すように、破線で示す実施形態1の吸湿溶液のサイクルにくらべて、本実施形態の吸湿溶液のサイクルは、低濃度におけるサイクルになっている。 【0086】そのため、吸湿溶液の再生に関し、再生後の吸湿溶液も比較的低濃度でよいので、室外水分交換器(14)における吸湿溶液の温度を低く抑えることができる。従って、加熱手段(13)における加熱量を低減することができ、それに伴って冷却手段(15)における冷却量も低減することができる。その結果、空調システムの効率を更に向上させることができる。 【0087】<実施形態3>実施形態3に係る空気調和装置(3) は、吸湿溶液の再生動作を2段階に分けて行うものである。 【0088】まず、空気調和装置(3) の構成を説明する。 【0089】図5に示すように、空気調和装置(3) は、実施形態2の空気調和装置(2) において、加熱手段(13)及び室外水分交換器(14)を、第1サブ加熱手段(31)及び第1室外水分交換器(33)と、第2サブ加熱手段(32)及び第2室外水分交換器(34)とに置き換えた構成をしている。これら加熱手段(31),(32) 及び水分交換器(33),(34) は、上流側から第1サブ加熱手段(31)、第1室外水分交換器(33)、第2サブ加熱手段(32)、第2室外水分交換器(34)の順に設けられている。 【0090】第1サブ加熱手段(31)及び第2サブ加熱手段(32)は、それぞれ実施形態1の加熱手段(13)と同様の構成をしている。また、第1室外水分交換器(33)及び第2室外水分交換器(34)は、それぞれ実施形態1の室外水分交換器(14)と同様の構成をしている。 【0091】次に、空気調和装置(3) の動作を説明する。 【0092】吸湿溶液の再生動作以外は実施形態2と同様なので、ここでは各サブ加熱手段(31),(32) 及び各室外水分交換器(33),(34) における吸湿溶液の状態変化のみを説明する。 【0093】熱回収熱交換器(17)の低温側熱交換部(18)を流出した低濃度の吸湿溶液は、図6に示す状態点4fの状態で第1サブ加熱手段(31)に流入する。吸湿溶液は、第1サブ加熱手段(31)によって加熱され、状態点5fの状態にまで温度上昇する。第1サブ加熱手段(31)を流出した吸湿溶液は、第1室外水分交換器(33)において室外空気に水分を放出し、濃度が上昇して状態点6fの状態になる。この吸湿溶液は第2サブ加熱手段(32)によって加熱され、さらに温度が上昇して状態点7fの状態になる。状態点7fの吸湿溶液は、第2室外水分交換器(34)において室外空気に水分を放出し、濃度が上昇して状態点8fで表される高濃度の吸湿溶液となる。このようにして、吸湿溶液の再生が行われる。 【0094】本空気調和装置(3) によれば、吸湿溶液の再生を2段階に分けて行っているため、各室外水分交換器(33),(34) における吸湿溶液の温度を低くすることができる。つまり、図6に破線で示すように、実施形態2のサイクルに比べて、再生温度をΔTだけ低くすることができる。従って、各サブ加熱手段(31),(32) の出口部における吸湿溶液の温度を低くすることができるので、サブ加熱手段(31),(32) に低レベルの熱源を用いることができる。言い換えると、従来は温度差が確保できないために利用不可能であった低温度の熱源を、サブ加熱手段(31),(32) として利用することができる。 【0095】<実施形態4>図7に示すように、実施形態4に係る空気調和装置(4) は、実施形態1の空気調和装置(1) において、加熱手段(13)及び冷却手段(15)を、可逆運転自在な冷媒回路(35)を備えたヒートポンプで構成したものである。 【0096】冷媒回路(35)は、圧縮機(36)、四路切換弁(37)、加熱手段としての凝縮器となる第1熱交換器(38)、膨張弁(39)、冷却手段としての蒸発器となる第2熱交換器(40)が順に接続されて構成されている。なお、直列に接続された電磁弁(42)及び補助熱交換器(41)が、第1熱交換器(38)と並列に設けられている。 【0097】吸湿溶液回路(10)及び空気通路(20)の構成は実施形態1と同様なので、それらの説明は省略する。 【0098】空気調和装置(4) の動作時には、冷媒回路(35)においては、冷媒が以下のように循環する。圧縮機(36)から吐出された高温のガス冷媒は、四路切換弁(37)を通過した後、第1熱交換器(38)において凝縮する。この際、冷媒の凝縮熱により、吸湿溶液回路(10)の吸湿溶液が加熱される。第1熱交換器(38)を流出した冷媒は、膨張弁(39)で減圧され、低温の二相冷媒となる。この二相冷媒は、第2熱交換器(40)において蒸発する。この際、吸湿溶液回路(10)の吸湿溶液は冷却される。第2熱交換器(40)を流出した冷媒は、四路切換弁(37)を通過した後、圧縮機(36)に戻り、再び上記循環動作を繰り返す。 【0099】吸湿溶液回路(10)における吸湿溶液の循環動作、及び空気通路(20)における室内空気の流通動作は実施形態1と同様なので、それらの説明は省略する。 【0100】本空気調和装置(4) によれば、単一の冷媒回路(35)を用いることにより、加熱手段及び冷却手段の双方を構成することができる。 【0101】<実施形態5>図8に示すように、実施形態5に係る空気調和装置(5) は、実施形態1の空気調和装置(1) において、冷水が循環する水循環回路(43)に設けられた冷却熱交換器(44)を冷却手段(15)として利用したものである。 【0102】水循環回路(43)は、ポンプ(45)、冷却塔(46)及び冷却熱交換器(44)が順に接続されて構成されている。冷却熱交換器(44)は、吸湿溶液回路(10)の吸湿溶液と水循環回路(43)の冷水とを熱交換させて吸湿溶液を冷却する熱交換器である。冷却熱交換器(44)としては、二重管式の熱交換器やプレート式熱交換器等が用いられる。 【0103】加熱手段(13)としては、冷凍機以外の熱源、例えば、燃焼機器の燃焼ガス、太陽熱、またはコジェネレーションシステムの廃熱等が用いられる。 【0104】このように、本空気調和装置(5) では、加湿冷却器(11)により、水の蒸発潜熱を利用して室内空気を冷却している。そのため、図9に示すように、室内に供給する調和空気(状態点3aで示される空気)の温度よりも高い温度の冷水を利用することができる。従って、冷却塔(46)を備えた水循環回路(43)を冷熱源として利用することができる。言い換えると、室内に供給する調和空気よりも低温の冷熱源が不要である。 【0105】以上のように、本空気調和装置(5) によれば、ヒートポンプや冷凍機を用いることなく、吸湿溶液の加熱及び冷却を行うことができ、室内空気の冷却及び除湿が可能となる。 【0106】<実施形態6>図10に示すように、実施形態6に係る空気調和装置(6) は、実施形態1の空気調和装置(1) において、冷却手段(15)として気化式冷却熱交換器(47)を用いたものである。 【0107】気化式冷却熱交換器(47)は、内管が伝熱管で成り、外管が透湿膜で成る二重管式の熱交換器である。この気化式冷却熱交換器(47)は、内管と外管との間を流通する外側流体が透湿膜の外表面から蒸発し、この外部流体の蒸発熱で内管の内部を流通する内部流体を冷却するものである。本実施形態では、外部流体として水が用いられている。従って、本空気調和装置(6) は、吸湿溶液回路(10)の吸湿溶液が水の蒸発潜熱により冷却されるように構成されている。 【0108】気化式冷却熱交換器(47)には、補給水を供給する給水配管(48)が接続されている。この給水配管(48)は開閉弁(49)を備えており、この開閉弁(49)を開閉制御することにより、図示しない水タンクから給水配管(48)を通じて給水が行われるようになっている。 【0109】ポンプ(12)、熱回収熱交換器(17)、加熱手段(13)、室外水分交換器(14)、及び気化式冷却熱交換器(47)は、室外に配置された室外ユニット(91)に収納されている。一方、室内水分交換器(16)及び加湿冷却器(11)は、室内に配置された室内ユニット(90)に収納されている。空気通路(20)は、室内ユニット(90)内に形成されている。 【0110】このように、本空気調和装置(6) によれば、冷却手段として気化式冷却熱交換器(47)を用いている。そのため、実施形態5の空気調和装置(5) と比べて、より簡単な構成によって、吸湿溶液の冷却を行うことができる。 【0111】<他の実施形態>図11に示すように、上記空気調和装置(6) において、加湿冷却器(11)の給水配管(21)と気化式冷却熱交換器(47)の給水配管(48)とを連結し、これらの給水配管(21),(48) を単一の給水配管系統に構成してもよい。つまり、室外ユニット(91)を通じて室内ユニット(90)への給水を行うようにしてもよい。 【0112】このように、内外の補給水の系統を統一することにより、補給水の供給源が共通化される。 【0113】<実施形態7>図12に示すように、実施形態7に係る空気調和装置(7) は、実施形態1の空気調和装置(1) において、室内空気の除湿を行う前に、予め吸湿溶液で室内空気を冷却することとしたものである。 【0114】本空気調和装置(7) では、吸湿溶液回路(10)の冷却手段(15)と室内水分交換器(16)との間に、吸湿溶液熱交換器(50)が設けられている。つまり、吸湿溶液熱交換器(50)は、吸湿溶液回路(10)における室内水分交換器(16)の上流側に設けられている。吸湿溶液熱交換器(50)は、内側を流通する吸湿溶液と外側を流通する室内空気とを熱交換させて室内空気を冷却する熱交換器であり、例えばプレートフィンチューブ式の熱交換器が用いられる。 【0115】また、吸湿溶液熱交換器(50)は、空気通路(20)における室内水分交換器(16)の上流側に設けられている。 【0116】空気調和装置(7) の動作時には、吸湿溶液回路(10)にあっては、冷却手段(15)を流出した低温かつ高濃度の吸湿溶液は、吸湿溶液熱交換器(50)に流入する。図13に示すように、状態点1gで表される吸湿溶液は、吸湿溶液熱交換器(50)において室内空気と熱交換を行い、室内空気を冷却するとともに自らは加熱され、状態点2gの状態になる。状態点2gの吸湿溶液は、室内水分交換器(16)において、室内空気から水分を吸収して、状態点3gの低濃度の吸湿溶液となる。 【0117】一方、空気通路(20)にあっては、状態点1cで表される室内空気は、吸湿溶液熱交換器(50)において、吸湿溶液に冷却され、顕熱変化を行って状態点2cの状態になる。状態点2cの空気は、室内水分交換器(16)において、吸湿溶液に除湿され、潜熱変化を行って状態点3cの状態になる。その後、状態点3cの空気は、加湿冷却器(11)によって加湿冷却され、状態点4cの状態になって室内に供給される。 【0118】このように、本空気調和装置(7) によれば、加湿冷却器(11)による加湿冷却に加え、吸湿溶液熱交換器(50)においても室内空気の冷却を行うことができる。従って、よりきめ細かい湿度制御が可能となる。 【0119】<実施形態8>実施形態8に係る空気調和装置(8) は、実施形態7の空気調和装置(7) に変更を加えて、室内の冷房、除湿だけでなく、暖房、加湿も可能としたものである。 【0120】図14に示すように、本空気調和装置(8) の吸湿溶液回路(10)には、室内側バイパス回路(51)と室外側バイパス回路(54)とが設けられている。 【0121】室内側バイパス回路(51)は、吸湿溶液熱交換器(50)を流出した吸湿溶液を室内水分交換器(16)を通過することなくポンプ(12)にバイパスさせる回路である。室内水分交換器(16)の下流側には第1電磁弁(53)が設けられ、室内側バイパス回路(51)は第1電磁弁(53)及び室内水分交換器(16)と並列に設けられている。室内側バイパス回路(51)には、第1流量調整弁(52)が設けられている。 【0122】室外側バイパス回路(54)は、加熱手段(13)を流出した吸湿溶液を熱回収熱交換器(17)の高温側熱交換部(19)にバイパスさせる回路である。室外水分交換器(14)の上流側には第2電磁弁(56)が設けられ、室外側バイパス回路(54)は第3電磁弁(56)及び室外水分交換器(14)と並列に設けられている。室外側バイパス回路(54)には、第2流量調整弁(55)が設けられている。 【0123】冷房除湿運転時には、第1電磁弁(53)及び第2電磁弁(56)は開状態に設定される一方、第1流量調整弁(52)及び第2流量調整弁(55)は全閉状態に設定される。このような状態で、吸湿溶液は実施形態7で説明したように吸湿溶液回路(10)を循環し、室内の冷房及び除湿が行われる。 【0124】一方、暖房加湿運転時には、第1電磁弁(53)及び第2電磁弁(56)は閉状態に設定され、第1流量調整弁(52)及び第2流量調整弁(55)は開状態に設定される。冷却手段(15)の冷却動作は停止させる。つまり、吸湿溶液は冷却手段(15)によって冷却されないようにしておく。 【0125】このような状態で、ポンプ(12)から吐出された吸湿溶液は、加熱手段(13)によって加熱され、図15に示す状態点1hから状態点2hにまで温度が上昇する。加熱手段(13)を流出した吸湿溶液は、室外側バイパス回路(54)を通過した後、吸湿溶液熱交換器(50)に流入する。吸湿溶液熱交換器(50)において、吸湿溶液は室内空気と熱交換を行い、室内空気を加熱すると同時に自らは冷却され、状態点1hの状態に戻る。吸湿溶液熱交換器(50)を流出した吸湿溶液は、室内側バイパス回路(51)を通じてポンプ(12)に吸入される。 【0126】一方、空気通路(20)にあっては、状態点1sで表される室内空気は、吸湿溶液熱交換器(50)において加熱され、状態点2sの状態になる。その後、この空気は加湿冷却器(11)によって加湿冷却され、湿度が上昇するとともに、温度が若干低下し、状態点3sの状態となって室内に供給される。 【0127】以上のようにして、室内の暖房及び加湿が行われる。 【0128】このように、本空気調和装置(8) によれば、室内の冷房、除湿だけでなく、暖房及び加湿も実行することが可能となる。 【0129】なお、冷房除湿運転時に、第1流量調整弁(52)や第2流量調整弁(55)の開度を調節することによって、室内側バイパス回路(51)や室外側バイパス回路(54)のバイパス量を調節し、室内空気の温湿度制御を行うようにしてもよい。 【0130】<実施形態9>図16に示すように、実施形態9に係る空気調和装置(9) は、実施形態8の空気調和装置(8) に変更を加え、室内水分交換器(16)によって室内空気の加湿を行うこととしたものである。 【0131】本空気調和装置(9) の吸湿溶液回路(10)では、実施形態8と異なり、室内側バイパス回路(51)、第1電磁弁(53)及び第1流量調整弁(52)は設けられていない。熱回収熱交換器(17)の低温側熱交換部(18)と加熱手段(13)との間には、吸湿溶液回路(10)へ補給水を供給する給水配管(57)が接続されている。給水配管(57)には開閉弁(58)が設けられ、この開閉弁(58)の開閉制御により、図示しない水タンクから吸湿溶液回路(10)に補給水が適宜供給されるように構成されている。 【0132】加湿冷却器(11)には、加湿冷却器(11)の動作を制御するコントローラ(70)が設けられている。 【0133】冷房除湿運転時には、第2電磁弁(56)は開状態に設定される一方、第2流量調整弁(55)は全閉状態に設定される。このような状態で、吸湿溶液は実施形態7で説明したように吸湿溶液回路(10)を循環し、室内の冷房及び除湿が行われる。 【0134】一方、暖房加湿運転時には、第2電磁弁(56)は閉状態に設定される一方、第2流量調整弁(55)は開状態の所定開度に設定される。また、コントローラ(70)により、冷却手段(15)の動作は停止させておく。つまり、室内空気が加湿冷却器(11)によって加湿冷却されないようにしておく。 【0135】このような状態で、ポンプ(12)から吐出された吸湿溶液は、加熱手段(13)の上流側で給水配管(57)からの補給水と合流し、濃度が低下して、図17に示す状態点3iから状態点3i’の状態に変化する。状態点3i’の吸湿溶液は、加熱手段(13)によって加熱された後、室外側バイパス回路(54)を流れる。この吸湿溶液は、熱回収熱交換器(17)の高温側熱交換部(19)を通過し、状態点1iの高温かつ低濃度の吸湿溶液となって室内水分交換器(16)に流入する。状態点1iの吸湿溶液は、室内空気に水分を放出し、濃度が上昇して状態点2iの状態になる。この吸湿溶液は、吸湿溶液熱交換器(50)に流入し、室内空気と熱交換を行って室内空気を加熱すると同時に自らは冷却されて、状態点3iの状態になる。そして、状態点3iの吸湿溶液は、ポンプ(12)に吸入され、再び上記循環動作を繰り返す。 【0136】一方、空気通路(20)においては、状態点1tで表される室内空気は吸湿溶液熱交換器(50)において加熱され、温度が上昇して状態点2tの状態になる。この空気は、吸湿溶液熱交換器(50)を流出した後、室内水分交換器(16)において加湿され、状態点3tの状態となって室内に供給される。 【0137】以上のようにして、室内の暖房及び加湿が行われる。 【0138】このように、本空気調和装置(9) によれば、室内の冷房、除湿だけでなく、暖房及び加湿も実行することが可能となる。 【0139】従って、空気通路(20)を変更することなく冷房除湿運転または暖房加湿運転を選択的に実行することができる。 【0140】また、加湿に伴い吸湿溶液回路(10)の吸湿溶液に含まれる水分の量が減少するが、給水配管(57)を通じて給水が適宜行われるので、安定した加湿動作が可能となる。 【0141】<実施形態10>図18に示すように、実施形態10に係る空気調和装置(80)は、ビルディング(62)に設置されている。ビルディング(62)の各部屋には、吸湿溶液回路(10)がそれぞれ設けられており、ベランダ等の室外には室外ユニット(91)が設置され、室内には室内ユニット(90)が設置されている。 【0142】加熱手段として、ガス燃焼機(61)及び加熱熱交換器(60)が設けられている。加熱熱交換器(60)は、ガス燃焼機(61)で生成した熱によって吸湿溶液回路(10)の吸湿溶液を加熱するための熱交換器である。 【0143】一方、冷却手段として、冷水循環回路(66)が設けられている。冷水循環回路(66)は、冷水が循環する回路であり、屋上に設置された冷却塔(46)から各室内ユニット(90)に設けられた冷却熱交換器(44)に冷水を供給する。 【0144】このように、本空気調和装置(80)によれば、単一の冷却塔(46)によって、各吸湿溶液回路(10)の冷却手段を構成することができる。 【0145】<実施形態11>図19に示すように、実施形態11に係る空気調和装置(81)は、実施形態10の空気調和装置(80)に変更を加え、各部屋に設けられた吸湿溶液回路(10)の加熱源を共通化したものである。 【0146】本空気調和装置(81)では、屋上にコジェネレーションシステム(63)が設けられる一方、各部屋の吸湿溶液回路(10)には、加熱手段として加熱熱交換器(65)が設けられている。コジェネレーションシステム(63)と各加熱熱交換器(65)とは配管を介して接続され、コジェネレーションシステム(63)で生成した温水を各加熱熱交換器(65)に供給する温水循環回路(64)が構成されている。 【0147】従って、本空気調和装置(81)によれば、単一の加熱源によって、各吸湿溶液回路(10)の加熱手段を構成することができる。 【0148】−変形例−図20に示すように、上記空気調和装置(81)において、温水循環回路(64)の水を利用して各吸湿溶液回路(10)への水の補給を行うようにしてもよい。 【0149】具体的には、温水循環回路(64)と各吸湿溶液回路(10)とを補給水配管(67)を通じて接続する。なお、補給水配管(67)は図示しない電磁弁を備え、この電磁弁の開閉制御により補給水を適宜供給するように構成されている。 【0150】このような構成により、温水循環回路(64)の水を給水に利用することができ、各吸湿溶液回路(10)への個別の給水装置が不要となる。 【0151】<その他の実施形態>上記の各実施形態1〜11において、吸湿溶液回路(10)を循環する吸湿溶液を、吸湿溶液とマイクロカプセル状の潜熱蓄熱剤との混合溶液にしてもよい。このようにすることにより、潜熱蓄熱剤の潜熱の分だけ吸湿溶液回路(10)の熱搬送能力を向上させることができる。従って、空調システムの効率を向上させることができる。 【0152】 【発明の効果】以上のように、請求項1に記載の発明によれば、吸湿溶液が吸湿溶液回路を循環することにより吸湿及び再生が行われるので、室外空気の強制的導入が不要となる。また、水分交換手段の透湿膜を通じて吸湿溶液の再生が行われるので、再生に必要な吸湿溶液の温度を低く抑えることができる。従って、吸湿溶液の加熱量を低減することができ、空調システムの効率を向上させることができる。 【0153】請求項2に記載の発明によれば、室外空気の強制的導入が不要になるとともに、冷房運転時と暖房運転時とで空気流通経路を逆転させる必要がなくなる。そのため、装置構造が簡単になる。水分交換手段の透湿膜を通じて吸湿溶液の再生が行われるので、再生に必要な吸湿溶液の温度を低く抑えることができ、空調システムの効率を向上させることができる。また、吸湿溶液の温度を調整するだけで、冷暖運転の切り換えを容易に行うことができる。 【0154】請求項3に記載の発明によれば、冷却手段における冷却量及び加熱手段における加熱量を低減することができ、空調システムの効率を更に向上させることができる。 【0155】請求項4に記載の発明によれば、除湿及び冷却が段階的に複数回行われるので、各第1水分交換手段における除湿量を少なくすることができる。そのため、吸湿溶液を比較的低濃度の範囲で用いることができる。従って、空調システムの効率を向上させることができる。 【0156】請求項5に記載の発明によれば、吸湿溶液の再生動作が段階的に複数回行われるので、各第2水分交換手段における放湿量を少なくすることができる。そのため、再生温度を低く抑えることができる。従って、空調システムの効率が向上する。また、加熱手段として低レベルの熱源を利用することが可能となる。 【0157】請求項6に記載の発明によれば、吸湿溶液回路の加熱手段及び冷却手段の双方が冷媒回路によって構成されるので、加熱手段及び冷却手段を簡易に設けることができる。 【0158】請求項7に記載の発明によれば、冷凍機を用いることなく吸湿溶液回路の冷却手段を得ることができる。 【0159】請求項8に記載の発明によれば、更に簡単な構成により、吸湿溶液回路の冷却手段を得ることができる。 【0160】請求項9または10に記載の発明によれば、暖房加湿運転を行う具体的な構成を得ることができる。 【0161】請求項11に記載の発明によれば、吸湿溶液回路に補給水が供給されるので、吸湿溶液が所定濃度に維持される。そのため、調和対象空気への加湿を安定して行うことができる。 【0162】請求項12に記載の発明によれば、第1流量調整手段により第1バイパス回路のバイパス量を調整することができるので、第1水分交換手段における除湿量または加湿量を容易に調節することができる。そのため、湿度制御を容易に実行することができる。 【0163】請求項13に記載の発明によれば、第2流量調整手段により第2バイパス回路のバイパス量を調整することができる。そのため、第1水分交換手段における水分交換量に応じて第2水分交換手段の水分交換量を調節することができ、吸湿溶液の濃度を適正な値に維持することができる。従って、湿度制御を安定して行うことができる。 【0164】請求項14または15に記載の発明によれば、室内ユニットと室外ユニットとをつなぐ連絡配管は吸湿溶液回路の配管のみで足りるので、据え付け工事を容易にすることができる。 【0165】請求項16に記載の発明によれば、室内ユニットの水蒸発式冷却手段への水補給を、室外給水配管を通じて行うことができるので、補給水の供給源を共通化することが可能となる。 【0166】請求項17に記載の発明によれば、ビルディング用空調システム等のように複数の吸湿溶液回路を備えたシステムにおいて、請求項1または2に記載の発明と同様の効果を得ることができる。また、冷却塔を共通の冷却源として利用することができるので、冷却手段としての冷凍機が不要になるとともに、冷却源の共通化を図ることができる。 【0167】請求項18に記載の発明によれば、ビルディング用空調システム等のように複数の吸湿溶液回路を備えたシステムにおいて、請求項1または2に記載の発明と同様の効果を得ることができる。また、冷却手段としての冷凍機が不要になるとともに、冷却源及び加熱源をそれぞれ共通化することが可能となる。 【0168】請求項19に記載の発明によれば、ビルディング用空調システム等のように複数の吸湿溶液回路を備えたシステムにおいて、請求項1または2に記載の発明と同様の効果を得ることができる。また、冷却手段としての冷凍機が不要になるとともに、冷却源を共通化することが可能となる。さらに、冷水循環回路の水を補給水として利用することができるので、補給水の供給源を別途設ける必要がなくなるとともに、その共通化が可能となる。 【0169】請求項20に記載の発明によれば、ビルディング用空調システム等のように複数の吸湿溶液回路を備えたシステムにおいて、請求項1または2に記載の発明と同様の効果を得ることができる。また、加熱源を共通化することができる。さらに、温水循環回路の水を補給水として利用することができるので、補給水の供給源を別途設ける必要がなくなるとともに、その共通化が可能となる。 【0170】請求項21に記載の発明によれば、吸湿溶液の熱搬送能力が増大するので、空調システムの効率を更に向上させることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002853 【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)10月29日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】前田 弘 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−132505 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)5月21日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−296878 |
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