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【発明の名称】 除湿空調装置
【発明者】 【氏名】前田 健作

【要約】 【課題】ヒートポンプ熱源機とデシカント空調機を一体化しコンパクトな構成で、高いエネルギー効率を得る。

【解決手段】第1のデシカント103を処理空気と再生空気が交互に流通するようにした除湿空調装置において、ヒートポンプとして、それぞれが密閉構造をなしていて、第2のデシカントを内蔵して冷媒を吸着、脱着するデシカント熱交換器1A,1Bと冷媒を蒸発、凝縮させる冷媒熱交換器3A,3Bとを連通した第1の熱交換器組立体10Aと、第2の熱交換器組立体10Bを有し、第1および第2の熱交換器組立体の冷媒熱交換器が絞り7を介して連通している1つの吸着ヒートポンプを設けて、吸着ヒートポンプの第1および第2の熱交換器組立体に包含した冷媒熱交換器に再生空気と処理空気が交互に流通するよう構成し、かつ再生空気が流通する冷媒熱交換器と直接連通するデシカント熱交換器に吸着ヒートポンプを駆動する加熱媒体を導いて加熱する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 第1のデシカントにより水分を吸着されたのちヒートポンプの低熱源によって冷却される処理空気の経路と、前記ヒートポンプの高熱源によって加熱されたのち前記水分吸着後の第1のデシカントを通過して第1のデシカント中の水分を脱着して再生する再生空気の経路を有し、第1のデシカントを処理空気と再生空気が交互に流通するようにした除湿空調装置において、前記ヒートポンプとして、それぞれが密閉構造をなしていて、第2のデシカントを内蔵して冷媒を吸着または脱着させるデシカント熱交換器と冷媒を蒸発または凝縮させる冷媒熱交換器とを経路で連通した第1の熱交換器組立体と、第2の熱交換器組立体を有し、該第1および第2の熱交換器組立体の前記冷媒熱交換器が絞りを介して経路で連通している少なくとも1つの吸着ヒートポンプを設けて、該吸着ヒートポンプの第1および第2の熱交換器組立体に包含した冷媒熱交換器に前記再生空気と処理空気が交互に流通するよう構成し、かつ再生空気が流通する冷媒熱交換器と直接連通するデシカント熱交換器に吸着ヒートポンプを駆動する加熱媒体を導いて加熱することを特徴とする除湿空調装置。
【請求項2】 前記第1のデシカントを中心軸を中心に回転するロータ形状として、固定された処理空気と再生空気の経路に対してデシカントが相対的に回転移動して、処理空気と再生空気が交互に流通するよう構成するとともに、前記第1の熱交換器組立体と第2の熱交換器組立体とを中心軸に対して対称に放射状に少なくとも1組以上配置し、中心軸を中心に回転可能に構成し、固定された処理空気および再生空気および加熱源熱媒体の経路に対して第1の熱交換器組立体および第2の熱交換器組立体とからなる吸着ヒートポンプが相対的に回転移動して、前記第1および第2の熱交換器組立体に包含した冷媒熱交換器に前記再生空気と処理空気が交互に流通し、かつ再生空気が流通する冷媒熱交換器を包含する前記第1または第2の熱交換器組立体のデシカント熱交換器に加熱媒体を導くよう構成することによって、第1のデシカントの水分吸着脱着工程の切り換えと、吸着ヒートポンプの第2のデシカントの冷媒吸着脱着工程の切り換えを、自動的に行うことを特徴とする請求項1に記載の除湿空調装置。
【請求項3】 処理空気と熱交換している冷媒熱交換器と直接連通するデシカント熱交換器を通過する前の再生空気と、第1のデシカントを通過した処理空気とを熱交換させる第1の顕熱熱交換器を設けるとともに、さらに再生空気と熱交換している冷媒熱交換器を包含する前記第1の熱交換器組立体とは対称位置にある吸着ヒートポンプの第2の熱交換器組立体のデシカント熱交換器を通過した後の加熱媒体と、第2の熱交換器組立体の冷媒熱交換器を通過した後の再生空気とを熱交換させる第2の顕熱熱交換器とを設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の除湿空調装置。
【請求項4】 第1の円筒状ケーシングを設け、内部に前記第1のデシカントと、前記第1の顕熱熱交換器の伝熱面のうち第1のデシカントを通過した処理空気と接する伝熱面と、前記第2の顕熱熱交換器の伝熱面のうち第2の熱交換器組立体の冷媒熱交換器を通過した後の再生空気と接する伝熱面と、前記吸着ヒートポンプの第1及び第2の熱交換器組立体の冷媒熱交換器とを内蔵するとともに、前記第1の円筒状ケーシングを囲んで第1の円筒状ケーシングと中心軸が同じで直径が大きい第2の円筒状ケーシングを設け、前記第1の円筒状ケーシングと第2の円筒状ケーシングで囲まれた空間に、前記第1の顕熱熱交換器の伝熱面のうち吸着ヒートポンプの第1の熱交換器組立体のデシカント熱交換器を通過する前の再生空気と接する伝熱面と、前記第2の顕熱熱交換器の伝熱面のうち吸着ヒートポンプの第2の熱交換器組立体のデシカント熱交換器を通過した後の吸着ヒートポンプの加熱媒体と接する伝熱面と、前記吸着ヒートポンプの第1及び第2の熱交換器組立体のデシカント熱交換器とを内蔵し、さらに、第1の円筒状ケーシングの端部および内部には、第1のデシカントを通過する処理空気の経路と再生空気の経路とを分ける仕切を設けるとともに、前記第1の円筒状ケーシングと第2の円筒状ケーシングで囲まれた空間の端部および内部には、加熱媒体の経路と再生空気の経路とを分ける仕切を設け、さらに、前記第2の円筒状ケーシングで囲まれた全体を組立構造体として、処理空気は、該組立構造体に流入して、第1のデシカント、第1の顕熱熱交換器、吸着ヒートポンプの第1の熱交換器組立体の冷媒熱交換器の順に通過してから該組立構造体流出して空調空間に給気するよう構成し、さらに、再生空気は前記組立構造体の第1および第2の円筒状ケーシングで囲まれた空間の再生空気経路に流入して、第1の顕熱熱交換器、吸着ヒートポンプの第1の熱交換器組立体のデシカント熱交換器の順に通過したのち、第1の円筒状ケーシングの再生空気経路に流入して、吸着ヒートポンプの第2の熱交換器組立体の冷媒熱交換器、第2の顕熱熱交換器、第1のデシカントの順に通過して組立構造体流出するよう構成し、さらに、吸着ヒートポンプの加熱媒体は熱源によって加熱されたのち、組立構造体の第1および第2の円筒状ケーシングで囲まれた空間の加熱媒体経路に流入して、吸着ヒートポンプの第2の熱交換器組立体のデシカント熱交換器、第2の顕熱熱交換器の順に通過して組立構造体から流出するよう構成し、さらに、該組立構造体内部に設置された少なくとも第1のデシカントと吸着ヒートポンプの第1および第2の熱交換器組立体が該組立て構造体外部の処理空気および再生空気および吸着ヒートポンプの加熱媒体経路と相対的に回転移動するよう構成したことを特徴とする請求項3に記載の除湿空調装置。
【請求項5】 前記第1および第2の顕熱交換器は、複数のヒートパイプで構成されていて、伝熱面が第1の円筒状ケーシング内部および第1の円筒状ケーシングと第2の円筒状ケーシングで囲まれた空間の相互に接するよう、円筒状ケーシングの中心軸を中心に放射状に設置したことを特徴とする請求項4に記載の除湿空調装置。
【請求項6】 少なくともデシカント再生後の再生空気の一部を加熱して吸着ヒートポンプの加熱媒体とすることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の除湿空調装置。
【請求項7】 前記第1のデシカントが少なくとも2つで構成され、一方で処理空気中の水分を吸着し、他方で再生空気によって再生するような第1の切り換え機構を設け、さらに吸着ヒートポンプの第1および第2の熱交換器組立体に包含した前記冷媒熱交換器に前記再生空気と処理空気が交互に流通するような第2の切り換え機構を設け、さらに再生空気が流通する冷媒熱交換器と直接連通するデシカント熱交換器に吸着ヒートポンプを駆動する加熱媒体を導く第3の切り換え機構を設けて、第1および第2および第3の切り換え機構を連動させることによって、第1のデシカントの水分吸着脱着工程の切り換えと、吸着ヒートポンプの第2のデシカントの冷媒吸着脱着工程の切り換えを、自動的に行うことを特徴とする請求項1に記載の除湿空調装置。
【請求項8】 処理空気と熱交換している冷媒熱交換器と直接連通するデシカント熱交換器を通過する前かつ加熱源によって加熱される前の加熱媒体と、第1のデシカントを通過した処理空気とを熱交換させる第3の顕熱熱交換器を設けるとともに、さらに再生空気と熱交換している冷媒熱交換器と直接連通するデシカント熱交換器を通過した後の加熱媒体と、第2の熱交換器組立体の冷媒熱交換器を通過した後の再生空気とを熱交換させる第4の顕熱熱交換器とを設けたことを特徴とする請求項7に記載の除湿空調装置。
【請求項9】 室内空気または室内空気と外気との混合空気を処理空気とし、外気または外気と室内排気との混合空気を再生空気および加熱媒体として作動する請求項7又は8に記載の除湿空調装置。
【請求項10】 前記第3の切り換え機構を、請求項9に記載の運転形態と異なる方向に切り換えて、室内空気または室内空気と外気との混合空気が流通する冷媒熱交換器と直接連通するデシカント熱交換器に加熱媒体を導くことによって、空調空間の暖房を行うことを特徴とする請求項9に記載の除湿空調装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、デシカントを用いた空調システムに係り、特に再生空気の加熱および処理空気の冷却用の熱源としてヒートポンプを使用する空調システムに関する。
【0002】
【従来の技術】図12に、吸収ヒートポンプを熱源機とし、デシカントを用いた空調機所謂デシカント空調機と組合せた空調システムの従来例を示す。この空調システムは、デシカントロータ103により水分を吸着される処理空気の経路Aと、加熱源によって加熱されたのち前記水分吸着後のデシカントロータ103を通過してデシカント中の水分を脱着して再生する再生空気の経路Bを有し、水分を吸着された処理空気とデシカントロータ103再生前かつ加熱源により加熱される前の再生空気との間に顕熱熱交換器104を有する空調機と、蒸発器3、吸収器1、再生器2、凝縮器4を主な構成機器として吸収式冷凍サイクルをなす第1のサイクルと、蒸発器13、吸収器11、再生器12、凝縮器14を主な構成機器として、前記第1のサイクルよりも低温で作動する第2の吸収冷凍サイクルからなり、前記第1のサイクルの蒸発器3と第2のサイクルの吸収器11との間に熱交換関係21を形成し、かつ該第1のサイクルの凝縮器4と第2のサイクルの再生器12との間に熱交換関係20を形成した吸収ヒートポンプとを有し、前記吸収ヒートポンプの第1のサイクルの吸収熱および第2のサイクルの凝縮熱を加熱源として前記空調機の再生空気を加熱器120で加熱してデシカントの再生を行うとともに前記吸収ヒートポンプの第2のサイクルの蒸発熱を冷却熱源として冷却器115で前記空調機の処理空気の冷却を行う空調システムである。
【0003】そして、この空調システムでは前記公知例で開示したように、吸収ヒートポンプがデシカント空調機の処理空気の冷却と再生空気の加熱を同時に行うよう構成したことで、吸収ヒートポンプに外部から加えた駆動熱によって吸収ヒートポンプが処理空気の冷却効果を発生させ、さらにヒートポンプ作用で処理空気から組み上げた熱と吸収ヒートポンプの駆動熱を合計した熱でデシカントの再生が行えるため、外部から加えた駆動熱の多重効用化が図れて高い省エネルギ効果が得られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、該システムの熱源機となる吸収ヒートポンプとデシカント空調機との間は、デシカント空調機の加熱機120との間に熱媒体経路122,123,51を設けて、熱媒体(温水)を流動させる必要があり、また、同様にデシカント空調機の冷却器115との間に冷却媒体経路117,118を設けて、冷却媒体(冷水)を流動させる必要があった。そのため、熱源機とデシカント空調機を別々に設置できるような空調システムに適用範囲が限定される。
【0005】本発明は、上記課題に鑑み、外部から熱エネルギーによって駆動されるヒートポンプ熱源機とデシカント空調機を一体化して、コンパクトな構成で、かつ高いエネルギー効率を得ることができる除湿空調装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明は、第1のデシカントにより水分を吸着されたのちヒートポンプの低熱源によって冷却される処理空気の経路と、前記ヒートポンプの高熱源によって加熱されたのち前記水分吸着後の第1のデシカントを通過して第1のデシカント中の水分を脱着して再生する再生空気の経路を有し、第1のデシカントを処理空気と再生空気が交互に流通するようにした除湿空調装置において、前記ヒートポンプとして、それぞれが密閉構造をなしていて、第2のデシカントを内蔵して冷媒を吸着または脱着させるデシカント熱交換器と冷媒を蒸発または凝縮させる冷媒熱交換器とを経路で連通した第1の熱交換器組立体と、第2の熱交換器組立体を有し、該第1および第2の熱交換器組立体の前記冷媒熱交換器が絞りを介して経路で連通している少なくとも1つの吸着ヒートポンプを設けて、該吸着ヒートポンプの第1および第2の熱交換器組立体に包含した冷媒熱交換器に前記再生空気と処理空気が交互に流通するよう構成し、かつ再生空気が流通する冷媒熱交換器と直接連通するデシカント熱交換器に吸着ヒートポンプを駆動する加熱媒体を導いて加熱することを特徴とする除湿空調装置である。
【0007】このように、いずれもバッチ処理で除湿再生を行うデシカント空調機と冷媒の吸着脱着を行う吸着ヒートポンプを組み合わせることによって、コンパクトな構成で熱駆動のヒートポンプとデシカント空調機を一体化することができ、かつ省エネルギな除湿空調装置を提供することができる。なお、「脱着」とは吸着の反対の動作、すなわち、吸着した水分を除去することを言う。
【0008】請求項2に記載の発明は、前記第1のデシカントを中心軸を中心に回転するロータ形状として、固定された処理空気と再生空気の経路に対してデシカントが相対的に回転移動して、処理空気と再生空気が交互に流通するよう構成するとともに、前記デシカント熱交換器と冷媒熱交換器からなる第1の熱交換器組立体と第2の熱交換器組立体とを中心軸に対して対称に放射状に少なくとも1組以上配置し、中心軸を中心に回転可能に構成し、固定された処理空気および再生空気および加熱源熱媒体の経路に対して第1の熱交換器組立体および第2の熱交換器組立体とからなる吸着ヒートポンプが相対的に回転移動して、前記第1および第2の熱交換器組立体に包含した冷媒熱交換器に前記再生空気と処理空気が交互に流通し、かつ再生空気が流通する冷媒熱交換器を包含する前記第1または第2の熱交換器組立体のデシカント熱交換器に加熱媒体を導くよう構成することによって、第1のデシカントの水分吸着脱着工程の切り換えと、吸着ヒートポンプの第2のデシカントの冷媒吸着脱着工程の切り換えを、自動的に行うことを特徴とする請求項1に記載の除湿空調装置である。
【0009】このように、デシカント空調機の除湿再生を行うバッチ処理工程と、吸着ヒートポンプの冷媒の吸着脱着を行うバッチ処理工程の切り換えを、処理空気経路、再生空気経路、加熱媒体経路とデシカント空調用デシカントおよび吸着ヒートポンプのデシカント熱交換器および冷媒熱交換器との間の相対回転移動によって自動的に行えるよう構成したことによって、コンパクトな構成で、かつ省エネルギな除湿空調装置を提供することができる。
【0010】請求項3に記載の発明は、処理空気と熱交換している冷媒熱交換器と直接連通するデシカント熱交換器を通過する前の再生空気と、第1のデシカントを通過した処理空気とを熱交換させる第1の顕熱熱交換器を設けるとともに、さらに再生空気と熱交換している冷媒熱交換器を包含する前記第1の熱交換器組立体とは対称位置にある吸着ヒートポンプの第2の熱交換器組立体のデシカント熱交換器を通過した後の加熱媒体と、第2の熱交換器組立体の冷媒熱交換器を通過した後の再生空気とを熱交換させる第2の顕熱熱交換器とを設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の除湿空調装置である。このように、処理空気および再生空気および加熱媒体空気との間で熱交換を行わせることによって、高い省エネルギ効果が得られる。
【0011】請求項4に記載の発明は、第1の円筒状ケーシングを設け、内部に前記第1のデシカントと、前記第1の顕熱熱交換器の伝熱面のうち第1のデシカントを通過した処理空気と接する伝熱面と、前記第2の顕熱熱交換器の伝熱面のうち第2の熱交換器組立体の冷媒熱交換器を通過した後の再生空気と接する伝熱面と、前記吸着ヒートポンプの第1及び第2の熱交換器組立体の冷媒熱交換器とを内蔵するとともに、前記第1の円筒状ケーシングを囲んで第1の円筒状ケーシングと中心軸が同じで直径が大きい第2の円筒状ケーシングを設け、前記第1の円筒状ケーシングと第2の円筒状ケーシングで囲まれた空間に、前記第1の顕熱熱交換器の伝熱面のうち吸着ヒートポンプの第1の熱交換器組立体のデシカント熱交換器を通過する前の再生空気と接する伝熱面と、前記第2の顕熱熱交換器の伝熱面のうち吸着ヒートポンプの第2の熱交換器組立体のデシカント熱交換器を通過した後の吸着ヒートポンプの加熱媒体と接する伝熱面と、前記吸着ヒートポンプの第1及び第2の熱交換器組立体のデシカント熱交換器とを内蔵し、さらに、第1の円筒状ケーシングの端部および内部には、第1のデシカントを通過する処理空気の経路と再生空気の経路とを分ける仕切を設けるとともに、前記第1の円筒状ケーシングと第2の円筒状ケーシングで囲まれた空間の端部および内部には、加熱媒体の経路と再生空気の経路とを分ける仕切を設け、さらに、前記第2の円筒状ケーシングで囲まれた全体を組立構造体として、処理空気は、該組立構造体に流入して、第1のデシカント、第1の顕熱熱交換器、吸着ヒートポンプの第1の熱交換器組立体の冷媒熱交換器の順に通過してから該組立構造体流出して空調空間に給気するよう構成し、さらに、再生空気は前記組立構造体の第1および第2の円筒状ケーシングで囲まれた空間の再生空気経路に流入して、第1の顕熱熱交換器、吸着ヒートポンプの第1の熱交換器組立体のデシカント熱交換器の順に通過したのち、第1の円筒状ケーシングの再生空気経路に流入して、吸着ヒートポンプの第2の熱交換器組立体の冷媒熱交換器、第2の顕熱熱交換器、第1のデシカントの順に通過して組立構造体流出するよう構成し、さらに、吸着ヒートポンプの加熱媒体は熱源によって加熱されたのち、組立構造体の第1および第2の円筒状ケーシングで囲まれた空間の加熱媒体経路に流入して、吸着ヒートポンプの第2の熱交換器組立体のデシカント熱交換器、第2の顕熱熱交換器の順に通過して組立構造体から流出するよう構成し、さらに、該組立構造体内部に設置された少なくとも第1のデシカントと吸着ヒートポンプの第1および第2の熱交換器組立体が該組立て構造体外部の処理空気および再生空気および吸着ヒートポンプの加熱媒体経路と相対的に回転移動するよう構成したことを特徴とする請求項3に記載の除湿空調装置である。
【0012】このように、2重円筒状ケーシングの中に、デシカント空調機の構成機器と吸着ヒートポンプと顕熱交換器を内蔵した組立構造体を構成し、回転移動によって、デシカント空調機の除湿再生を行うバッチ処理工程と、吸着ヒートポンプの冷媒の吸着脱着を行うバッチ処理工程の切り換えを自動的に行えるよう構成したことによって、コンパクトな構成で、かつ省エネルギな除湿空調装置を提供することができる。
【0013】請求項5に記載の発明は、前記第1および第2の顕熱交換器は、複数のヒートパイプで構成されていて、伝熱面が第1の円筒状ケーシング内部および第1の円筒状ケーシングと第2の円筒状ケーシングで囲まれた空間の相互に接するよう、円筒状ケーシングの中心軸を中心に放射状に設置したことを特徴とする請求項4に記載の除湿空調装置である。このように、ヒートパイプを用いることによって2重円筒ケーシングの中に熱交換効率が高い熱交換器を収納することができ、コンパクトな構成で、かつ省エネルギな除湿空調装置を提供することができる。
【0014】請求項6に記載の発明は、少なくともデシカント再生後の再生空気の一部を加熱して吸着ヒートポンプの加熱媒体とすることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の除湿空調装置である。このように、温度が高い再生後の再生空気の一部を加熱して吸着ヒートポンプの加熱媒体空気とすることによって、加熱媒体空気を温度上昇させるために必要な熱量が少なくて済み、省エネルギな除湿空調装置を提供することができる。
【0015】請求項7に記載の発明は、前記第1のデシカントが少なくとも2つで構成され、一方で処理空気中の水分を吸着し、他方で再生空気によって再生するような第1の切り換え機構を設け、さらに吸着ヒートポンプの第1および第2の熱交換器組立体に包含した前記冷媒熱交換器に前記再生空気と処理空気が交互に流通するような第2の切り換え機構を設け、さらに再生空気が流通する冷媒熱交換器と直接連通するデシカント熱交換器に吸着ヒートポンプを駆動する加熱媒体を導く第3の切り換え機構を設けて、第1および第2および第3の切り換え機構を連動させることによって、第1のデシカントの水分吸着脱着工程の切り換えと、吸着ヒートポンプの第2のデシカントの冷媒吸着脱着工程の切り換えを、自動的に行うことを特徴とする請求項1に記載の除湿空調装置である。このように、デシカント空調機の除湿再生を行うバッチ処理工程と、吸着ヒートポンプの冷媒の吸着脱着を行うバッチ処理工程の切り換えを、主要構成機器を固定し、処理空気および再生空気および加熱媒体空気のそれぞれの経路に設けた3つの切り換え機構によって自動的に行えるよう構成したことによって、コンパクトな構成で、かつ省エネルギな除湿空調装置を提供することができる。
【0016】請求項8に記載の発明は、処理空気と熱交換している冷媒熱交換器と直接連通するデシカント熱交換器を通過する前かつ加熱源によって加熱される前の加熱媒体と、第1のデシカントを通過した処理空気とを熱交換させる第3の顕熱熱交換器を設けるとともに、さらに再生空気と熱交換している冷媒熱交換器と直接連通するデシカント熱交換器を通過した後の加熱媒体と、第2の熱交換器組立体の冷媒熱交換器を通過した後の再生空気とを熱交換させる第4の顕熱熱交換器とを設けたことを特徴とする請求項7に記載の除湿空調装置である。このように、処理空気および再生空気および加熱媒体空気との間で熱交換を行わせることによって、高い省エネルギ効果が得られる。
【0017】請求項9に記載の発明は、室内空気または室内空気と外気との混合空気を処理空気とし、外気または外気と室内排気との混合空気を再生空気および加熱媒体として作動する請求項7又は8に記載の除湿空調装置である。
【0018】請求項10に記載の発明は、前記第3の切り換え機構を、請求項9に記載の運転形態と異なる方向に切り換えて、室内空気または室内空気と外気との混合空気が流通する冷媒熱交換器と直接連通するデシカント熱交換器に加熱媒体を導くことによって、空調空間の暖房を行うことを特徴とする請求項9に記載の除湿空調装置である。このように、加熱媒体空気経路に設けた切り換え機構を冷房時とは逆に切り換えることによって、同じ機器構成のままで、暖房運転にも対応することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る除湿空調装置の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施の形態である除湿空調装置の基本構成を示す図であり、図2は図1の断面A−Aを示す図であり、図3は図1の断面B−Bを示す図であり、図4は図1の断面C−Cを示す図である。
【0020】本実施の形態は、図1および図4に示す通り、吸着ヒートポンプとして、密閉構造をなしていて、シリカゲルやゼオライト、活性炭などのデシカント(第2のデシカント)を伝熱面に付着させた形で内蔵して伝熱面を介して冷却することによって内部に封入された水やアルコールなどの冷媒を吸着し、または伝熱面を介して加熱することによって冷媒を脱着(再生)させるデシカント熱交換器1Aと冷媒を蒸発または凝縮させる冷媒熱交換器3Aとを経路で連通した第1の熱交換器組立体10Aと、該第1の熱交換器組立体10Aと同じ構成である第2の熱交換器組立体10Bを有し、該第1および第2の熱交換器組立体の冷媒熱交換器3A,3Bが絞り7を介して経路で連通している複数の吸着ヒートポンプを用いる。
【0021】本実施の形態は、該吸着ヒートポンプのデシカント熱交換器1Aと冷媒熱交換器3Aからなる第1の熱交換器組立体10Aと第2の熱交換器組立体10Bとを中心軸54に対して対称に放射状に配置し、中心軸54を中心に回転可能に構成し、固定された処理空気および再生空気および加熱源熱媒体の経路に対して第1の熱交換器組立体10Aおよび第2の熱交換器組立体10Bとからなる吸着ヒートポンプが相対的に回転移動して、吸着ヒートポンプの第1および第2の熱交換器組立体10A,10Bの冷媒熱交換器3A,3Bに前記再生空気と処理空気を交互に流通させ、かつ再生空気が流通する冷媒熱交換器3B(3A)と直接連通するデシカント熱交換器1B(1A)に加熱媒体を導くとともに、シリカゲル、ゼオライトなどの大気開放形の除湿用のデシカント(第1のデシカント)103を中心軸54を中心に回転するロータ形状として、固定された処理空気と再生空気の経路に対してデシカント103が相対的に回転移動して、処理空気と再生空気が交互に流通するようにし、かつ処理空気と熱交換している冷媒熱交換器3A(3B)と直接連通するデシカント熱交換器1A(1B)を通過する前の再生空気と、第1のデシカント103を通過した処理空気とを熱交換させ、さらに前記熱交換器組立体10Aとは対称位置にあって再生空気と熱交換している冷媒熱交換器3B(3A)と直接連通するデシカント熱交換器1B(1A)を通過した後の加熱媒体と、同じく第2(第1)の熱交換器組立体10A(10B)の冷媒熱交換器3B(3A)を通過した後の再生空気とを熱交換させるようにするため、以下のように構成している。
【0022】すなわち、第1の円筒状ケーシング70および第1の円筒状ケーシングを囲んで第1の円筒状ケーシングと中心軸が同じで直径が大きい第2の円筒状ケーシング71を設け、さらに第1の円筒状ケーシング70内部には第1のデシカント103と、前記吸着ヒートポンプの第1及び第2の熱交換器組立体10A,10Bの冷媒熱交換器3A,3Bとを内蔵し、さらに第1の円筒状ケーシングと第2の円筒状ケーシングで囲まれた空間に、前記吸着ヒートポンプの第1及び第2の熱交換器組立体10A,10Bのデシカント熱交換器1A,1Bとを内蔵し、さらに顕熱交換器104A,104Bの2つの機能を具備する熱交換器として、複数のヒートパイプ204で構成されていて、熱放出と熱吸収を行うそれぞれの伝熱面が第1の円筒状ケーシング内部および第1の円筒状ケーシングと第2の円筒状ケーシング71で囲まれた空間の相互に接するよう、円筒状ケーシングの中心軸54を中心に放射状に設置し、さらに内部の第1のデシカント103を回転させる中心軸54を軸受53A,53Bで支持し、モータ50、歯付きベルト52、プーリ51の作用によって回転させ、さらに中心軸54から減速機80を介して吸着ヒートポンプを形成する放射状に配置された複数組の第1及び第2の熱交換器組立体10A,10Bを回転させるよう構成して、全体として組立構造体100を構成する。
【0023】前記顕熱交換器104A,104Bは、処理空気と熱交換している冷媒熱交換器3A(3B)と直接連通するデシカント熱交換器1A(1B)を通過する前の再生空気と、第1のデシカント103を通過した処理空気とを熱交換させる第1の顕熱交換器104Aの作用と、さらに再生空気と熱交換している冷媒熱交換器3B(3A)を包含する吸着ヒートポンプの前記熱交換器組立体10Aとは対称位置にある第2(第1)の熱交換器組立体10B(10A)のデシカント熱交換器1B(1A)を通過した後の加熱媒体と、同じく第2(第1)の熱交換器組立体10A(10B)の冷媒熱交換器3B(3A)を通過した後の再生空気とを熱交換させる第2の顕熱交換器104Bの作用を兼ねていて、図3に断面B−Bとして示すように仕切191A,191Bを隔てて両方の作用を行えるよう構成され、一体構造で第2の円筒状ケーシング71によって支えられている。
【0024】さらに組立構造体100では、第1の円筒状ケーシング70の端部および内部には、第1のデシカント103を通過する処理空気の経路と再生空気の経路とを分ける仕切(例えば192)を設けるとともに、前記第1の円筒状ケーシング70と第2の円筒状ケーシング71で囲まれた空間の端部および内部には、加熱媒体の経路と再生空気の経路とを分ける仕切(例えば190A,190B)を設けている。
【0025】一方、処理空気の経路においては、組立構造体100に経路107、送風機102、経路108を介して流入して、第1のデシカント103、顕熱熱交換器104、吸着ヒートポンプの第1の熱交換器組立体10Aの冷媒熱交換器3Aの順に通過して組立構造体100から流出して、経路112、加湿器105を経て空調空間に給気するよう構成し、さらに、再生空気の経路は組立構造体100に経路124、送風機140、経路125を介して流入して、第1および第2の円筒状ケーシングで囲まれた空間の再生空気経路を経て、(第1の)顕熱熱交換器104A、吸着ヒートポンプの第1の熱交換器組立体10Aのデシカント熱交換器1Aの順に通過したのち経路126を介して第1の円筒状ケーシングの再生空気経路に流入して、前記吸着ヒートポンプの第1の熱交換器組立体10Aと対称の位置にある吸着ヒートポンプの第2の熱交換器組立体10Bの冷媒熱交換器3B、(第2の)顕熱熱交換器104B、第1のデシカント103の順に通過して組立構造体100から流出するよう構成し、さらに、吸着ヒートポンプの加熱媒体空気の経路は前記再生空気の出口経路127から一部分岐して、送風機30、経路128、燃焼室5、経路129を経て、組立構造体100の第1および第2の円筒状ケーシングで囲まれた空間の加熱媒体経路に流入して、吸着ヒートポンプの第2の熱交換器組立体10Bのデシカント熱交換器1B、(第2の)顕熱熱交換器104Bの順に通過して組立構造体100から流出するよう構成したものである。
【0026】図1乃至4に示した第1の実施の形態の作用について、図5乃至7を参照して説明する。図5および図6は吸着ヒートポンプの作用を示すデューリング線図である。図7は空気の状態変化を示す湿り空気線図である。
【0027】全体の作用を説明する前に、吸着ヒートポンプの作用について簡単に説明する。本発明で使用する吸着ヒートポンプは作動温度範囲が通常用いられている吸着冷凍機と異なる。すなわち蒸発温度はデシカントで除湿した後の空気を冷却するため露点温度まで冷却する必要はなく、従来の吸着冷凍機よりも高い10℃程度の蒸発温度で作動させる。そして吸着温度は、吸着熱を外気や室内からの排気を再生空気として用いて冷却するため従来とほぼ同じ40℃程度で作動させる。以上の点は通常の吸着冷凍機の作動状態と大差がない。しかし一方、凝縮温度はデシカントの再生に用いるため熱源温度として90℃以上の温度で用いると、デシカント空調機側の除湿作用が大きくとれて本発明の目的とするコンパクト化の効果が得やすいため、凝縮温度として90℃で作動させる必要があり、この点が通常用いられている吸着冷凍機と大きく異なる。このような吸着冷凍サイクルが実現可能であることを以下に説明する。
【0028】図5はシリカゲルを吸着剤、水を冷媒とした吸着冷凍サイクルを示すデューリング線図であり、この場合加熱源温度が160℃となり、シリカゲルの含水率は吸着終りの状態で7.5%、脱着終りの状態で3%となって、本発明の目的とするヒートポンプサイクルが形成できる。一方、図6は、変成ゼオライトを吸着剤、水を冷媒とした吸着冷凍サイクルを示すデューリング線図であり、この場合も加熱源温度が160℃となり、変成ゼオライトの含水率は吸着終りの状態で14%、脱着終りの状態で7.5%となって、同様にして本発明の目的とするヒートポンプサイクルが形成できる。
【0029】本発明の第1の実施の形態のように構成した吸着ヒートポンプは、以下のように作用する。図1において、第2の熱交換器組立体10Bのデシカント熱交換器1Bを外部から加熱媒体空気で加熱すると、加熱媒体空気から吸着熱を奪ってデシカントから冷媒が発生し、冷媒熱交換器3Bで外部の再生空気と熱交換して冷媒が凝縮する。その際凝縮熱を冷媒熱交換器3Bから再生空気に放出する。凝縮した冷媒は絞り経路7を経て減圧されて第1の熱交換器組立体10Aに流入し、冷媒熱交換器3Aで外部の処理空気と熱交換して冷媒が蒸発する。その際、蒸発熱を外部から奪い、冷媒熱交換器3Aで冷凍効果が発生する。蒸発した冷媒は外部の別の空気(再生空気)で冷却されているデシカント熱交換器1Aのデシカントで吸着される。その際吸着熱をデシカント熱交換器1Aで外部の空気(再生空気)に放出する。デシカント熱交換器1Aのデシカントが冷媒で飽和して吸着作用が低下すると、第1の熱交換器組立体10Aと第2の熱交換器組立体10Bの位置を回転軸54を中心に回転させて入れ替えて、同様の作用を行い、このようにバッチ処理工程によって連続的に、冷凍効果と加熱効果を発生する。このような作用は当業者にとって公知であるので、これ以上の詳細説明は省略する。
【0030】次に、空気サイクルの作用について図7を参照して説明する。図1に示したように本発明の第1の実施の形態では処理空気として室内からの還気(RA)を用い、再生空気としては外気(OA)を用い、加熱媒体としては、再生空気の排気の一部を用いる事例を説明するが、デシカント空調に関して公知のように、処理空気として外気や外気と室内還気の混合空気を用い、また再生空気として室内排気や室内排気と外気との混合空気を用いても差し支えない。
【0031】処理空気(状態K)は、組立構造体100に経路107、送風機102、経路108を介して流入して、第1のデシカント103で水分を吸着されて、湿度が低下し、温度が上昇する(状態L)。除湿された空気は(第1の)顕熱熱交換器104Aで外気(状態Q)と熱交換して温度が低下し(状態M)、さらに蒸発器として作用している吸着ヒートポンプの冷媒熱交換器3Aで冷却され(状態N)、組立構造体100から出て、経路112を経て加湿器105に至り、ここで等エンタルピ過程で加湿され(状態P)、空調空間に給気(SA)される。
【0032】一方、再生空気(状態Q)は、組立構造体100に経路124、送風機140、経路125を介して流入して、第1および第2の円筒状ケーシングで囲まれた空間の再生空気経路を経て、(第1の)顕熱熱交換器104Aに流入し、処理空気(状態L)と熱交換して温度上昇する(状態R)。温度上昇した再生空気は、吸着器として作用している吸着ヒートポンプの第1の熱交換器組立体10Aのデシカント熱交換器1Aで加熱され(状態S)、経路126を経て、前記吸着ヒートポンプの第1の熱交換器組立体10Aと対称の位置にあり、凝縮器として作用している吸着ヒートポンプの第2の熱交換器組立体10Bの冷媒熱交換器3Bで更に加熱される(状態X)。冷媒熱交換器3Bを出た再生空気は(第2の)顕熱熱交換器104Bで再生器加熱後の加熱媒体空気と熱交換して更に加熱され(状態T)たのち、第1のデシカント103を通過してデシカントを再生し、自らは加湿され、かつ温度が低下する(状態U)。第1のデシカントを通過して組立構造体100から流出した再生空気は、一部は排気(EX)として外部に捨てられ、残りは加熱媒体空気として使用される。
【0033】一方、吸着ヒートポンプの加熱媒体空気(状態U)は、前記再生空気の出口経路127から一部分岐して、送風機30、経路128を経て燃焼室5に流入し、燃焼ガスによって160℃以上の高温に加熱される。加熱された加熱媒体空気は、経路129を経て組立構造体100の第1および第2の円筒状ケーシングで囲まれた空間の加熱媒体経路に流入し、再生器として作用している吸着ヒートポンプの第2の熱交換器組立体10Bのデシカント熱交換器1Bに流入してこれを加熱したのち、(第2の)顕熱熱交換器104Bに流入して更に状態Xの再生空気と熱交換して余熱を伝達し、組立構造体100から流出し、経路130を経て排気として外部に捨てられる。
【0034】そして、組立構造体100内部で軸54が回転することによって、固定された処理空気および再生空気および加熱源熱媒体の経路に対して第1の熱交換器組立体10Aおよび第2の熱交換器組立体10Bとからなる吸着ヒートポンプが相対的に回転移動し、また除湿用のデシカント103が相対的に回転移動して、処理空気と再生空気が交互に流通するため、デシカント空調機の除湿再生を行うバッチ処理工程と、吸着ヒートポンプの冷媒の吸着脱着を行うバッチ処理工程の切り換えが自動的に行え、作用を連続的に行わせることができる。
【0035】なお、本実施の形態では吸着ヒートポンプの各熱交換器組立体10A,10Bの回転が除湿用デシカント103の回転に対して一定の減速比で遅く回転する構成の事例を示したが、吸着ヒートポンプの吸着脱着サイクルの切り換えに最適な周期と除湿用デシカント103の除湿再生の切り換えに最適な周期は、作動条件が変わった場合には、必ずしも同じ減速比で賄えるとは限らないため、各々別の駆動装置を用いても差し支えない。
【0036】ちなみに、デシカント空調機のデシカントロータの回転数は通常毎時20回転から30回転で運転されているが、この場合バッチ処理の切り換え周期は2分乃至3分となり、吸着ヒートポンプの切り換えサイクルには速過ぎて、減速機によって毎時4回転から8回転程度に減速して吸着ヒートポンプの各熱交換器組立体10A,10Bを回転させる必要がある。しかし、吸着ヒートポンプの伝熱性能を向上させ、デシカントへの冷媒の吸着脱着速度を向上させることができれば、更に速い回転速度で回転させることができる。
【0037】このように作用する本発明の除湿空調装置では、外部から加えられた駆動熱を吸着ヒートポンプの駆動のためにまず用いることによって、冷媒の蒸発熱による冷房効果が得られるとともに、吸着ヒートポンプからの放熱と排気から回収した熱で再びデシカント空調機のデシカントの再生を行うため、さらにデシカント空調サイクルによる冷房効果が加算され、そのため大きな省エネルギ効果が得られる。以下に詳しく説明する。
【0038】吸着ヒートポンプの動作係数(COP)は公知の通り一般に0.4〜0.5である。従って外部熱源から1の単位の熱を加えると1.4〜1.5の熱が吸着器及び凝縮器を介して外部に放出される。さらに本実施の形態では排気から回収した熱が加えられるが、この熱量は作動条件が似ているガス冷温水機の事例を参照すると、燃焼後の加熱媒体の再生器入口温度が1600℃で再生器出口温度が200℃であるから、本実施の形態の通り、再生器出口の加熱媒体からドレンを生じない温度120℃まで熱回収することを想定すると、加熱量1に対して(200−120)/(1600−200)=0.057の熱が回収できるから、全体として(1.4+0.057)〜(1.5+0.057)即ち1.46〜1.56の熱が得られ、その熱で第1のデシカントを再生できる。本実施の形態のような形態で第1のデシカント103を用いる所謂デシカント空調サイクルの動作係数(COP)は再生温度によって異なるが、本実施の形態のように90℃程度の再生空気を使用する場合、公知の資料(公知例1、公知例2)から0.8以上が得られることが報告されている。
公知例1:文献;米国 ASHRAE Transactions:Symposia IN-91-4-2 pp609〜614、"SIMULATION OF ADVANCED GAS-FIRED DESICCANT COOLING SYSTEMS"公知例2:文献;米国 Energy Engineering Vol.93, No.1, 1996 pp6〜19、"Advances in Desiccant Technologies"【0039】従って、前記1.46〜1.56の熱エネルギによってデシカント空調機を駆動すると、この値に0.8を乗じた1.16〜1.25の冷房効果得られる。図7に示したように、このデシカントサイクルの冷房効果(過程L〜M)に前記の吸着ヒートポンプの冷房効果(過程M〜N)0.4〜0.5を加えたものが全冷房効果になるから、(1.16+0.4)〜(1.25+0.5)即ち、1.56〜1.75の冷房効果が全体として得られる。この計算は駆動熱を1としているから、装置全体の動作係数(COP)は、同じく1.56〜1.75となって、従来のデシカント空調機に比べて51%〜54%、2重効用吸収冷温水機の動作係数1.2と比べても、23%〜32%の極めて高い省エネルギ効果が得られることが判る。
【0040】また、本実施の形態のような構成にすることによって、装置を極めてコンパクトにできる。以下に理由を説明する。まずこの性能を発揮するために必要な吸着ヒートポンプの第2のデシカントの総量を以下に計算する。1冷凍トン(3024kcal/h)の性能を発揮する空調装置を想定し、最も低い動作係数をすると、このうち吸着ヒートポンプで発生する冷凍効果は前述の計算から、Qe=3024 × 0.4/1.56=775 kcal/hとなる。90℃の凝縮冷媒(水/エンタルピ90kcal/kg)と10℃飽和蒸気(エンタルピ602kcal/kg)から得られる冷凍効果は512kcal/kgであるから、775kcal/hの冷凍効果を発揮する冷媒循環量は、775/512=1.51kg/hである。従って、吸着冷凍機の脱着切り換え周期を10分とすると、毎時3回吸着を行っていることになるから、1.51/3=0.503kgの吸着・脱着を行うデシカントが必要となる。従って前記図5および図6から、デシカントとしてシリカゲルを用いる場合には、0.503/(0.075−0.03)=11.1kgのデシカントが吸着のため必要となる。一方、デシカントとして変成ゼオライトを用いる場合には、0.503/(0.14−0.075)=7.7kgのデシカントが吸着のため必要となる。従って、再生工程を含めると2倍のデシカントが必要で、シリカゲルで22.2kg、ゼオライトで15.4kgのデシカントが必要となる。通常行われている除湿剤の充填密度は750g/l程度であるから、体積に換算すると、シリカゲルで29.6l(リットル)、ゼオライトで20.5lの体積を必要とする。
【0041】次に、デシカント空調機部分の第1のデシカントロータの寸法を計算する。通常5冷凍トン(15,120kcal/h)の能力で直径約100cm、厚さ20cmの程度のものが用いられているが、本実施の形態では1冷凍トン当たりデシカント空調機が受け持つ冷凍能力は、前記の計算例から、1×1.16/1.56=0.74冷凍トンであるから、必要な第1のデシカントの直径は、100×(0.74/5)1/2=38.4cmとなる(厚さ20cmは同じにする必要がある)。従って第1の円筒状ケーシング70の直径を約40cm 、第2の円筒状ケーシング71の直径を70cmとして想定すると、吸着ヒートポンプのデシカント熱交換器1A,1Bを配置する、断面積第1の円筒状ケーシング70と第2の円筒状ケーシング71で囲まれる部分の断面積は2592cm2となる。吸着ヒートポンプのデシカント熱交換器中のデシカントがこの部分体積の40%を占めると想定すると、軸方向の長さは、29.6×1000/2592/0.4=28.5cmとなる。
【0042】次に、顕熱熱交換器104の寸法を計算する。顕熱熱交換器の目標とする温度効率を75%とすると、熱通過数(NTU)は3.0程度が必要となるが、このNTUは公知の通り次式で示される。
NTU=KA/GCここで、Gは空気の重量流量、Cは空気の比熱、Kは熱通過率、Aは伝熱面積である。1冷凍トンの冷房能力を発揮する空気の流量は約300kg/h、フィンを含むヒートパイプのフィンの伝熱面を基準にした熱通過率は15kcal/hC程度であるから、これらの値から必要なフィンの面積を計算すると、A=NTU・GC/K=3×300×0.24/15=14.4 m2となる。第1の円筒状ケーシングの内側に設置できるフィンの長さを計算すると、フィンを半径5cm〜20cmの範囲にフィンピッチ2.54mmで設けるとすると、断面B−Bに現われるフィンの断面長さは、(5+20)/2×2π×(20−5)/0.254=4634cmであるから、必要になる軸方向のフィンの奥行き長さは、14.4×10000/4634=31cmとなる。
【0043】従って、以上の計算から、組立構造体100の軸方向の所要長さは、第1のデシカントの厚み20cm、顕熱熱交換器104の長さ31cm、吸着ヒートポンプの厚さ28.5cmを合計した値に若干の隙間を加えた値となる。即ち若干の隙間を除いた値は、20+31+28.5=79.5cmとなり、従って大略、直径70cm、長さ90cmの円筒形の中に1冷凍トンの冷房能力を持った組立構造体100を構成することができる。
【0044】以上説明したように、本実施の形態によれば、極めてコンパクトな空調装置を実現できる。なお本実施の形態では組立構造体100を水平に設置する事例を示したが、軸54を垂直に設置しても差し支えない。
【0045】図8は、本発明の第2の実施の形態である除湿空調装置の基本構成を示す図であり、図9は第1乃至第3の切り換え機構を図8の実施の形態と異なる方向に切り換えた作動形態を示す図である。本実施の形態においても、第1の実施の形態と同様にして、図8に示すように、吸着ヒートポンプとして、密閉構造をなしていて、第2のデシカントを伝熱面に付着させた形で内蔵して伝熱面を介して冷却することによって内部に封入された水やアルコールなどの冷媒を吸着し、または伝熱面を介して加熱することによって冷媒を脱着(再生)させるデシカント熱交換器1Aと冷媒を蒸発または凝縮させる冷媒熱交換器3Aとを経路で連通した第1の熱交換器組立体10Aと、第2の熱交換器組立体10Bを有し、該第1および第2の熱交換器組立体の冷媒熱交換器3A,3Bが絞り7を介して経路で連通している吸着ヒートポンプを用いる。
【0046】本実施の形態は、第1の実施の形態と異なって、組立構造体100を立方体状の箱形の形状として、第1のデシカントと吸着ヒートポンプを回転しない固定のものとして、それぞれを切り換え機構でバッチ式に各空気の作動経路を切り換えて作動させ、第1のデシカントの水分吸着脱着工程の切り換えと、吸着ヒートポンプの第2のデシカントの冷媒吸着脱着工程の切り換えを、自動的に行うよう構成したものである。
【0047】すなわち、第1のデシカントが2つの部材103A,103Bで構成され、図8の実施の形態では一方のデシカント103A(103B)で処理空気中の水分を吸着し、他方のデシカント103B(103A)で再生空気によって再生するような第1の切り換え機構201を設け、さらに吸着ヒートポンプの第1および第2の熱交換器組立体10A,10Bに包含した冷媒熱交換器3A,3Bに前記再生空気と処理空気が交互に流通するような第2の切り換え機構202を設け、さらに再生空気が流通する冷媒熱交換器3B(3A)と直接連通するデシカント熱交換器1B(1A)に吸着ヒートポンプを駆動する加熱媒体を導く第3の切り換え機構203を設けて、第1および第2および第3の切り換え機構201,202,203を連動させることによって、第1のデシカント103A,103Bの水分吸着脱着工程の切り換えと、吸着ヒートポンプの第2のデシカントの冷媒吸着脱着工程の切り換えを、自動的に行うよう構成したものである。
【0048】さらに、本実施の形態では、処理空気と熱交換している冷媒熱交換器3A(3B)を包含する吸着ヒートポンプの第1(第2)の熱交換器組立体10A(10B)のデシカント熱交換器1A(1B)を通過する前かつ加熱源である燃焼器5によって加熱される前の加熱媒体と、第1のデシカント103A(103B)を通過した処理空気とを熱交換させる第3の顕熱熱交換器104A(104B)を設けるとともに、さらに再生空気と熱交換している冷媒熱交換器3B(3A)と直接連通するデシカント熱交換器1B(1A)を通過した後の加熱媒体と、第2の熱交換器組立体10B(10A)の冷媒熱交換器3B(3A)を通過した後の再生空気とを熱交換させる第4の顕熱熱交換器104B(104A)とを設けたものである。
【0049】さらに、本実施の形態では、再生空気の加熱量を節約するため、再生空気と加熱媒体空気の集合排気チャンバ170から出る排気と外気から取り入れた再生空気とを熱交換させる熱交換器210を設け、さらに第1のデシカントで吸着除湿されて吸着熱によって温度上昇した処理空気を冷却する温度を下げて冷房効果を高めるため、熱交換器104A(104B)手前の加熱媒体空気に気化式あるいは水噴射によって加湿して温度を下げるための加湿器220を設けたものである。
【0050】次に、このように構成した第2の実施の形態の作用について説明する。ここでは、図8のように、第1の切り換え機構201が経路107側と経路109Aが連通し、かつ経路109Bと排気チャンバ170が連通するよう切り換えられ、さらに第2の切り換え機構202が経路127側と経路152Aが連通し、かつ経路152Bと経路111が連通するよう切り換えられ、さらに第3の切り換え機構203が経路182側と経路150Aが連通し、かつ経路150Bと排気チャンバ170が連通するよう切り換えられている場合について説明する。
【0051】この場合、本発明の第2の実施の形態のように構成した吸着ヒートポンプは、以下のように作用する。図8において、第2の熱交換器組立体10Bのデシカント熱交換器1Bを外部から燃焼器5で加熱された加熱媒体空気で加熱すると、加熱媒体空気から吸着熱を奪ってデシカントから冷媒が発生し、冷媒熱交換器3Bで外部の再生空気と熱交換して冷媒が凝縮する。その際、凝縮熱を冷媒熱交換器3Bから再生空気に放出する。凝縮した冷媒は絞り経路7を経て減圧されて第1の熱交換器組立体10Aに流入し、冷媒熱交換器3Aで外部の処理空気と熱交換して冷媒が蒸発する。その際、蒸発熱を外部から奪い、冷媒熱交換器3Aで冷凍効果が発生する。蒸発した冷媒は外部の別の空気(加熱媒体空気)で冷却されているデシカント熱交換器1Aのデシカントで吸着される。その際吸着熱をデシカント熱交換器1Aで外部の空気(再生空気)に放出する。デシカント熱交換器1Aのデシカントが冷媒で飽和して吸着作用が低下すると、第3の切り換え機構203が経路182側と経路150Bが連通し、かつ経路150Aと排気チャンバ170が連通するよう切り換えられ、第1の熱交換器組立体10Aと第2の熱交換器組立体10Bの作用を入れ替えて同様の作用を行う。このようにバッチ処理工程によって連続的に、冷凍効果と加熱効果を発生する。
【0052】次に、空気サイクルの作用について図10を参照して説明する。図8に示したように、この実施の形態では処理空気として室内からの還気(RA)を用い、再生空気及び加熱媒体空気としては外気(OA)を用いる事例を説明するが、デシカント空調に関して公知のように、処理空気として外気や外気と室内還気の混合空気を用い、また再生空気として室内排気や室内排気と外気との混合空気を用いても差し支えない。処理空気(RA:状態K)は、組立構造体100に経路107、送風機102、第1の切り換え機構(4方切り換えダンパ)201、経路109Aを介して流入して、第1のデシカント103Aで水分を吸着されて湿度が低下し、温度が上昇する(状態L)。除湿された空気は加湿された外気(状態D)と第1の顕熱熱交換器104Aで熱交換して温度が低下し(状態M)、さらに蒸発器として作用している吸着ヒートポンプの冷媒熱交換器3Aで冷却され(状態N)、組立構造体100から出て、経路152B、第2の切り換え機構202、経路111を経て加湿器105に至り、ここで等エンタルピ過程で加湿され(状態P)、空調空間に給気(SA)される。
【0053】一方、再生空気(状態Q)は、経路124、経路125を経て熱交換器210に至り、ここで排気(状態V)と熱交換して温度上昇する(状態R)。温度上昇した再生空気は、経路126、送風機140、経路127、第2の切り換え機構202、経路152Aを経て、組立構造体100に入り、吸着ヒートポンプの第2の熱交換器組立体10Bの冷媒熱交換器3Bで加熱される(状態S)。冷媒熱交換器3Bを出た再生空気は、第2の顕熱熱交換器104Bに流入し、吸着ヒートポンプの第2の熱交換器組立体10Bのデシカント熱交換器1Bを加熱した後の加熱媒体空気と熱交換して更に温度上昇した(状態T)のち、第2のデシカント103Bを通過してデシカントを再生して自らは加湿され、かつ温度が低下する(状態U)。デシカントを再生した再生空気は、経路109B、第1の切り換え機構201を経て集合排気チャンバ170に至り、加熱媒体空気の排気と合流し(状態V)、前記熱交換器210で外部から取り入れた再生空気(状態Q)と熱交換して温度が低下した(状態W)のち外部に排気として捨てられる。
【0054】一方、吸着ヒートポンプの加熱媒体空気(状態Q)は、外部から経路124を経て取り入れられ、加湿器220に流入し、ここで等エンタルピ的に加湿冷却された(状態D)のち、送風器230、第3の切り換え機構203、経路150A、組立て構造体100の内部通路151Aを経て、第1の顕熱交換器104Aに至り、ここで前記デシカント103Aで除湿された処理空気(状態L)と熱交換して温度上昇する(状態E)。第1の顕熱交換器104Aを出た加熱媒体空気は吸着ヒートポンプの第1の熱交換器組立体10Aのデシカント熱交換器1Aに流入し、吸着ヒートポンプの吸着熱によって加熱され、さらに温度上昇する(状態F)。デシカント熱交換器1Aを出た加熱媒体空気は燃焼室5によって燃焼ガスによって160℃以上の高温に加熱される。加熱された加熱媒体空気は再生器として作用している吸着ヒートポンプの第2の熱交換器組立体10Bのデシカント熱交換器1Bに流入してこれを加熱したのち、第2の顕熱熱交換器104Bに流入して更に状態Sの再生空気と熱交換して余熱を伝達する。顕熱熱交換器104Bを出た加熱媒体空気は、組立て構造体100の内部通路151B、経路150B、第3の切り換え機構203を経て、集合排気チャンバ170に流入し、状態Uの再生空気の排気と混合し(状態V)、熱交換器201で再生空気(状態Q)と熱交換したのち、外部に排気として捨てられる。
【0055】そして、第1のデシカントが水分で飽和して103Aの吸着性能が低下するか、或いは吸着冷凍機のデシカント熱交換器のデシカントが冷媒で飽和して冷媒熱交換器3Aの冷却性能が低下するかの何れかの状態になるか、その状態になる前にあらかじめ設定した一定時間が経過した場合に、図9に示すように、第1の切り換え機構201が経路107側と経路109Bが連通し、かつ経路109Aと排気チャンバ170が連通するよう切り換えられ、さらに第2の切り換え機構202が経路127側と経路152Bが連通し、かつ経路152Aと経路111が連通するよう切り換えられ、さらに第3の切り換え機構203が経路182側と経路150Bが連通し、かつ経路150Aと排気チャンバ170が連通するよう切り換えることによって、デシカント空調機の除湿再生を行うバッチ処理工程と、吸着ヒートポンプの冷媒の吸着脱着を行うバッチ処理工程の切り換えが自動的に行え、作用を連続的に行わせることができる。図9はそのように切り換えた経路の状態を示す説明図であるが、前記図8と比べて処理空気、再生空気、加熱媒体空気の経路のみが異なり作用については同様であるため、説明は省略する。
【0056】以上示したように、第2の実施の形態においても、外部から加えられた駆動熱エネルギーを吸着ヒートポンプの駆動のためにまず用いることによって、冷媒の蒸発熱による冷房効果(状態M〜N)が得られるとともに、吸着ヒートポンプからの放熱と排気から回収した熱(状態R〜状態T)で再びデシカント空調機のデシカントの再生を行うため、さらにデシカント空調サイクルによる冷房効果(状態L〜M)が加算され、第1の実施の形態と同様、大きな省エネルギ効果が得られる。さらに、本実施の形態では吸着除湿後の処理空気(状態L)を冷却する空気を加湿した外気(状態D)としたことによって、状態L〜M間の冷房効果が大きくなり、冷房効果は前記第1の実施の形態よりも向上する。さらに本実施の形態では排気から熱交換器210によって熱回収しているため、状態R〜T間の再生空気の加熱量が少なくて済み、デシカント空調機側のエネルギ効率も前記第1の実施の形態よりも向上する。したがって、本実施の形態では、第1の実施の形態よりも大きな省エネルギ効果と冷房能力が向上する効果が得られる。
【0057】そして機器の構成においても、必要とするデシカントの量と伝熱面積が第1の実施の形態とほぼ同じであり、しかも組立構造体100を立方体状に構成できるため、該断面形状が円形である第1の実施の形態に比べて組立構造体100のタテ、ヨコ、高さで示される外形寸法を小さくできるため、さらにコンパクトにできる効果がある。
【0058】なお、吸着冷凍機の吸着温度と顕熱熱交換器104A,104B出口の処理空気の温度は、低いほど吸着冷凍機の性能が向上し、デシカント空調サイクルの冷房効果(状態L〜M)を大きくすることができるため、加熱媒体空気の流量を外部から取り入れて燃焼室5に至るまで多くし、即ち図8の実施の形態では、経路124、加湿器220、送風機230、第3の切り換え機構203、経路150A、経路151A、第1の顕熱熱交換器104A、デシカント熱交換器1Aまで多くし、燃焼室5に流入する前に一部を外部に排気するよう構成しても差し支えない。
【0059】図11は、図8および図9に示した本発明の第2の実施の形態の暖房運転形態を示す図である。本運転形態では、図8の実施の形態とは異なって、第3の切り換え機構203のみを、前記図8に記載の冷房運転の形態と異なる方向に切り換えて、室内空気または室内空気と外気との混合空気(冷房運転時の処理空気を流動する)が流通する冷媒熱交換器3Aを包含する吸着ヒートポンプの第1(または第2)の熱交換器組立体のデシカント熱交換器1Aに加熱媒体を導くように切り換えたものである。すなわち第1の切り換え機構201が経路107側と経路109Aが連通し、かつ経路109Bと排気チャンバ170が連通するよう切り換えられ、さらに第2の切り換え機構202が経路127側と経路152Aが連通し、かつ経路152Bと経路111が連通するよう切り換えられ、そして第3の切り換え機構203が前記図8と異なって、経路182側と経路150Bが連通し、かつ経路150Aと排気チャンバ170が連通するよう切り換えられている。
【0060】このような暖房運転形態の作用について説明すると、冷房時に処理空気系統を流動する室内空気(RA)(または室内空気と外気の混合空気)は、組立構造体100に経路107、送風機102、第1の切り換え機構(4方切り換えダンパ)201、経路109Aを介して流入して、第1のデシカント103Aに流入する。デシカント103Aでは、後述するように室内空気の相対湿度が、第2のデシカント103Bを通過する再生空気系統の外気よりも低い場合には、室内空気に加湿が行われ、逆の場合には除湿が行われることになるが、後述のごとく外気は吸着ヒートポンプで冷却され、相対湿度が高められたのち第2のデシカント103Bを通過するため、相対湿度は室内空気よりも高い状態になり易いため、平均的には加湿が行われる傾向にある。デシカント103Aを通過した室内空気は第1の顕熱熱交換器104Aに流入し、吸着ヒートポンプの第1の熱交換器組立体10Aのデシカント熱交換器1Aを加熱した後の加熱媒体空気と熱交換して温度が上昇し、さらに凝縮器として作用している吸着ヒートポンプの冷媒熱交換器3Aで加熱され、組立構造体100から出て、経路152B、第2の切り換え機構202、経路111を経て加湿器105に至り、ここで等エンタルピ過程で加湿され(状態P)、空調空間に給気(SA)される。
【0061】一方、再生空気系統を流動する外気(または外気と室内排気との混合空気)は、経路124、経路125を経て熱交換器210に至り、ここで排気と熱交換して一旦温度上昇する。温度上昇した外気は、経路126、送風機140、経路127、第2の切り換え機構202、経路152Aを経て、組立構造体100に入り蒸発器として作用している吸着ヒートポンプの第2の熱交換器組立体10Bの冷媒熱交換器3Bで冷却される。冷媒熱交換器3Bを出た外気は、第2の顕熱熱交換器104Bに流入し、外気から取り入れた加熱媒体空気と熱交換して更に温度低下したのち、第2のデシカント103Bを通過する。この場合前記の通り、再生空気系統を流動する外気の相対湿度が、処理空気系統を流れる室内空気よりも高い場合には、該第2のデシカント103Bで水分吸着が行われ、逆の場合には加湿される。デシカントを通過した再生空気は、経路109B、第1の切り換え機構201を経て集合排気チャンバ170に至り、加熱媒体空気の排気と合流して温度上昇したのち、前記熱交換器210で外部から取り入れた再生空気と熱交換して温度が低下したのち外部に排気として捨てられる。
【0062】一方、吸着ヒートポンプの加熱媒体空気(状態Q)は、外部から経路124を経て取り入れられ、加湿器220に流入するが、暖房運転時には加湿器220は作動を止めていて、そのまま通過し、送風器230、第3の切り換え機構203、経路150B、組立て構造体100の内部通路151Bを経て、第2の顕熱交換器104Bに至り、ここで前記吸着ヒートポンプの第2の熱交換器組立体10Bの冷媒熱交換器3Bで冷却された再生空気系統の外気と熱交換しする。第2の顕熱交換器104Bを出た加熱媒体空気は、吸着器として作用する吸着ヒートポンプの第2の熱交換器組立体10Bのデシカント熱交換器1Bに流入し、吸着ヒートポンプの吸着熱によって加熱されさらに温度上昇する。デシカント熱交換器1Bを出た加熱媒体空気は燃焼室5によって燃焼ガスによって160℃以上の高温に加熱される。加熱された加熱媒体空気は再生器として作用している吸着ヒートポンプの第1の熱交換器組立体10Aのデシカント熱交換器1Aに流入し加熱したのち、第1の顕熱熱交換器104Aに流入して更に処理空気系統の室内空気と熱交換して余熱を伝達する。顕熱熱交換器104Aを出た加熱媒体空気は、組立て構造体100の内部通路151A、経路150A、第3の切り換え機構203を経て、集合排気チャンバ170に流入し、再生空気系統を流れる外気と混合し、熱交換器201で再生空気系統を流れる外気と熱交換したのち、外部に排気として捨てられる。
【0063】そして、吸着冷凍機のデシカント熱交換器のデシカントが冷媒で飽和して冷媒熱交換器3Bの冷却性能が低下するか、その状態になる前にあらかじめ設定した一定時間が経過した場合に、第1の切り換え機構201が経路107側と経路109Bが連通し、かつ経路109Aと排気チャンバ170が連通するよう切り換えられ、さらに第2の切り換え機構202が経路127側と経路152Bが連通し、かつ経路152Aと経路111が連通するよう切り換えられ、さらに第3の切り換え機構203が経路182側と経路150Aが連通し、かつ経路150Bと排気チャンバ170が連通するよう切り換えることによって、第1のデシカントの除湿再生を行うバッチ処理工程と、吸着ヒートポンプの冷媒の吸着脱着を行うバッチ処理工程の切り換えが自動的に行え、作用を連続的に行わせることができる。このようにして、暖房運転形態においても、加熱と加湿を行った空気を冷房時に用いた空気系統と同じ経路を使って空調室内に供給することができる。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、大気開放形のデシカントにより水分を吸着されたのちヒートポンプの低熱源によって冷却される処理空気の経路と、ヒートポンプの高熱源によって加熱されたのち水分吸着後の第1のデシカントを通過して第1のデシカント中の水分を脱着して再生する再生空気の経路を有し、第1のデシカントを処理空気と再生空気が交互に流通するようにした所謂ハイブリッドなデシカント空調(除湿空調)装置に、ヒートポンプとして、密閉構造をなしていて、密閉形デシカントを内蔵して冷媒を吸着または脱着(再生)させるデシカント熱交換器と冷媒を蒸発または凝縮させる冷媒熱交換器とを経路で連通した第1および第2の2つの熱交換器組立体を有し、該第1および第2の熱交換器組立体の前記冷媒熱交換器が絞りを介して経路で連通している吸着ヒートポンプを設けて、該吸着ヒートポンプの第1および第2の熱交換器組立体に包含された冷媒熱交換器に前記再生空気と処理空気が交互に流通するよう構成し、かつ再生空気が流通する冷媒熱交換器と直接連通しているデシカント熱交換器に吸着ヒートポンプを駆動する加熱媒体を導いて加熱するよう構成するとともに、主な構成機器を組立て構造体としてコンパクトなケーシングに内蔵し、かつデシカント空調装置のデシカントの水分脱着工程の切り換えと、吸着ヒートポンプの冷媒吸着脱着工程の切り換えを自動的に行えるよう構成したことによって、運転操作が簡単で信頼性が高く、かつ極めて省エネルギーで、かつコンパクトで、かつ冷暖房の両方の運転形態に柔軟に対応することができる除湿空調装置を提供することができる。
【出願人】 【識別番号】000000239
【氏名又は名称】株式会社荏原製作所
【出願日】 平成9年(1997)10月9日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 勇 (外2名)
【公開番号】 特開平11−118192
【公開日】 平成11年(1999)4月30日
【出願番号】 特願平9−293313